(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
第1の態様では、本発明は、第1のロボットと、第1のロボットに結合された第1の部材と、第1のロボットに結合された穿孔工具と、第2のロボットと、第2のロボットに結合された第2の部材とを備える穿孔装置であって、穿孔される部品を保持し、部品の少なくとも一部分の撓みを防止するように、部品の対向する側面に部材を押圧するように構成された装置であり、前記第1の部材および穿孔工具が、撓みが防止される部品の前記一部分に穿孔工具が穿孔することができるように構成され、この穿孔が、第1の部材によって押圧される部品の側面から行われる、穿孔装置を提供する。
【0006】
第1の部材および穿孔工具は、穿孔工具が予め穿孔された孔を所定の深さまで皿もみすることができるように構成され得、予め穿孔された孔は、部品の一方の側面から反対側の側面に向かって部品を貫いている。
【0007】
この装置は、予め穿孔された孔を通して光を照射するように構成された照明システムと、光が予め穿孔された孔を通して照射された後で、この光を測定するように構成された光検出システムと、光検出システムに動作可能に結合された位置合わせプロセッサとをさらに備えることができる。位置合わせプロセッサは、予め穿孔された孔を通して照射された光の測定値を使用して、装置の少なくとも一部によって実行される第1のアクションを決定するように構成され得る。第1のアクションは、装置の前記少なくとも一部によって実行される場合に、穿孔工具が予め穿孔された孔と位置合わせされるように行われ得る。この装置は、第1のアクションを実行するように構成され得る。
【0008】
照明システムは、第2のロボットに結合され得る。光検出システムは、第1のロボットに結合され得る。光検出システムは、穿孔工具に結合され得る。第1のアクションの決定は、穿孔工具と光検出システムの既知の相対位置を用いることを備えることがある。
【0009】
この装置は、部品の表面を複数の点で測定するように構成された表面測定システムと、表面測定システムに動作可能に結合された直交化プロセッサとをさらに備えることができる。直交化プロセッサは、第1の表面の測定値を用いて、装置の少なくとも一部によって実行される第2のアクションを決定するように構成され得る。第2のアクションは、装置の前記少なくとも一部によって実行された場合に、穿孔工具が部品の前記表面に対して所定の角度で位置決めされるように行われ得る。この装置は、第2のアクションを実行するように構成され得る。
【0010】
部品の前記表面上の前記複数の点は、穿孔工具を使用して穿孔される前記表面上の1つの点の近傍にあることがある。
【0011】
第1の部材は、穿孔工具に対して移動可能とすることができる。第1の部材を部品の側面に押圧することは、第1の部材を穿孔工具に対して特定の距離だけ移動させることを備えることがある。この装置は、第1の部材が穿孔工具に対して移動する特定の距離を測定するように構成されたセンサと、センサに動作可能に結合され、センサの測定値を用いて、部品を所定の深さまで穿孔するために穿孔工具が移動する距離を決定するように構成されたプロセッサとをさらに備えることができる。
【0012】
この装置は、削り屑排出システムをさらに備えることができる。
【0013】
第1のロボットは、ロボティックアームとすることができる。
【0014】
第2のロボットは、ロボティックアームとすることができる。
【0015】
別の態様では、本発明は、第1のロボットを準備することと、第1のロボットに結合された第1の部材を準備することと、第1のロボットに結合された穿孔工具を準備することと、第2のロボットを準備することと、第2のロボットに結合された第2の部材を準備することと、穿孔される部品を保持し、部品の少なくとも一部分の撓みを防止するように、部品の対向する側面に部材を押圧することと、穿孔工具を用いて、撓みが防止される部品の前記一部分に穿孔することとを備え、前記穿孔が、第1の部材によって押圧される部品の側面から行われる穿孔方法を提供する。
【0016】
穿孔ステップは、予め穿孔された孔を所定の深さまで皿もみすることを備えることができ、予め穿孔された孔は、部品の一方の側面から反対側の側面に向かって部品を貫いている。
【0017】
この方法は、予め穿孔された孔を通して光を照射することと、光が予め穿孔された孔を通して照射された後で、その光を測定することと、光の測定値を使用して、装置の少なくとも一部によって実行される第1のアクションを決定することとをさらに備えることができる。第1のアクションは、装置の前記少なくとも一部によって実行される場合に、穿孔工具が予め穿孔された孔と位置合わせされるように行われ得る。
【0018】
光は、第2のロボットに結合された照明システムによって照射され得る。光は、第1のロボットに結合された光検出システムによって検出され得る。光検出システムは、穿孔工具に結合され得る。第1のアクションの決定は、穿孔工具と光検出システムの既知の相対位置を用いることを備えることができる。
【0019】
この方法は、部品の表面を複数の点で測定することと、この表面の測定値を用いて、装置の少なくとも一部によって実行される第2のアクションを決定することと、装置の前記少なくとも一部によって第2のアクションを実行することとをさらに備えることができる。第2のアクションは、装置の前記少なくとも一部によって実行された場合に、穿孔工具が部品の前記表面に対して所定の角度で位置決めされるように行われ得る。
【0020】
部品の前記表面上の前記複数の点は、穿孔工具を使用して穿孔される前記表面上の1つの点の近傍にあることがある。
【0021】
第1の部材は、切削工具に対して移動可能であることがある。第1の部材を部品の側面に押圧することは、第1の部材を穿孔工具に対して特定の距離だけ移動させることを備えることがある。この方法は、第1の部材が穿孔工具に対して移動する前記特定の距離を測定することと、このセンサ測定値を用いて、部品を所定の深さまで穿孔するために穿孔工具が移動する距離を決定することとをさらに備えることができる。
【0022】
この方法は、穿孔ステップ中に削り屑を排出することをさらに備えることができる。
【0023】
第1のロボットは、ロボティックアームとすることができる。
【0024】
第2のロボットは、ロボティックアームとすることができる。
【0025】
別の態様では、本発明は、穿孔される部品の表面の少なくとも一部分をその前側で押圧するための部材と、穿孔工具とを備え、部材が、部材の後側から部材の前側に向かってその構造を貫く通路を備え、穿孔工具が、穿孔工具の少なくとも一部分が部材の後側から部材の前側に向かって通路を通って移動され得るように部材に対して移動可能である、ロボティックアームエンドエフェクタを提供する。
【0026】
穿孔工具は、穿孔工具の長手方向軸が通路の軸と位置合わせされ得るように、部材に対して移動可能にすることができる。
【0027】
このエンドエフェクタは、部材の前側から部材の後側に向かって通路を通過する光を測定するように構成された光検出システムをさらに備えることができる。
【0028】
光検出システムは、光検出システムが通路の軸と位置合わせされ得るように、部材に対して移動可能にすることができる。
【0029】
このエンドエフェクタは、回転可能部分をさらに備えることができ、穿孔工具は、回転可能部分上に載置され、光検出システムは、回転可能部分上に載置され、回転可能部分は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能であり、第1の位置は、穿孔工具の長手方向軸が通路の軸と位置合わせされ、かつ光検出システムが通路の軸と位置合わせされないような位置であり、第2の位置は、穿孔工具の長手方向軸が通路の軸と位置合わせされず、かつ光検出システムが通路の軸と位置合わせされるような位置である。
【0030】
このエンドエフェクタは、フレームとセンサとをさらに備えることができ、部材は、ロボティックアームに結合するためのフレームに対して移動可能であり、センサは、フレームに対して部材が移動する距離を測定するように構成される。
【0031】
別の態様では、本発明は、穿孔される部品の表面の少なくとも一部分をその前側で押圧するための部材と、照明システムとを備え、部材が、部材の後側から部材の前側に向かってその構造を貫く通路を備え、照明システムが、部材の後側から部材の前側に向かって通路を通して光を照射するように構成されるロボティックアームエンドエフェクタを提供する。
【0032】
部材は、その前側に向かって先細にすることができる。
【0033】
部材は、円錐台形の形状を有することができ、通路は、円錐台形の軸に沿わせることができる。
【0034】
別の態様では、本発明は、穿孔装置の少なくとも一部分および穿孔装置によって穿孔される部品の少なくとも一部分をモデル化する方法であり、穿孔装置が、部材と穿孔工具とを備え、部材が、部品の表面の少なくとも一部分を押圧するためのものである方法であって、部品の前記表面の少なくとも一部のモデルを備える第1のコンピュータモデルを準備することと、部材の少なくとも一部のモデルを備える第2のコンピュータモデルを準備することと、穿孔工具が穿孔工具によって穿孔される前記表面上の1つの点と位置合わせされ、部材が前記表面上の前記少なくとも一部分に押圧されている場合に第1のコンピュータモデルと第2のコンピュータモデルの相対位置が前記表面と部材の相対位置と実質的に同じになるように、第1および第2のコンピュータモデルを位置決めすることと、コンピュータモデルを使用して、部品の前記表面に穿孔するために穿孔工具が移動される距離を決定することとを備える方法を提供する。
【0035】
別の態様では、本発明は、上記態様による方法を実行することと、穿孔工具を穿孔工具によって穿孔される前記表面上の前記点と位置合わせすることと、部材を部品の前記表面の前記少なくとも一部分に押圧することと、穿孔工具が穿孔工具によって穿孔される前記表面上の前記点と位置合わせされ、部材が部品に押圧されたときに、部品の前記表面を穿孔することとを備える穿孔方法であって、穿孔ステップが、穿孔工具を決定された距離だけ移動させることを備える穿孔方法を提供する。
【0036】
この方法は、部品を保持し、部品の少なくとも一部分の撓みを防止するように、部材によって押圧される部品の側面と反対側の部品の側面に別の部材を押圧することをさらに備えることができ、穿孔ステップは、部品が部材および前記別の部材によって押圧されたときに実行され、穿孔ステップは、撓みが防止される部品の前記少なくとも一部分の表面に穿孔するように実行される。
【0037】
穿孔ステップは、予め穿孔された孔を所定の深さまで皿もみするように実行され得、予め穿孔された孔は、部品の一方の側面から反対側の側面に向かって部品を貫いている。
【0038】
この方法は、予め穿孔された孔を通して光を照射することと、光が予め穿孔された孔を通して照射された後で、この光を測定することと、光の測定値を使用して、装置の少なくとも一部によって実行される第1のアクションを決定することとをさらに備えることができ、第1のアクションは、装置の前記少なくとも一部によって実行される場合に、穿孔工具が予め穿孔された孔と位置合わせされるように行われる。
【0039】
光は、第2のロボットに結合された照明システムによって照射され得る。光は、第1のロボットに結合された光検出システムによって検出され得る。光検出システムは、穿孔工具に結合され得る。第1のアクションの決定は、穿孔工具と光検出システムの既知の相対位置を用いることを備えることができる。
【0040】
この方法は、部品の表面を複数の点で測定することと、前記表面の測定値を用いて、装置の少なくとも一部によって実行される第2のアクションを決定することと、装置の前記少なくとも一部によって第2のアクションを実行することとをさらに備えることができ、第2のアクションは、装置の前記少なくとも一部によって実行された場合に、穿孔工具が部品の前記表面に対して所定の角度で位置決めされるように行われる。
【0041】
部品の前記表面上の前記複数の点は、穿孔工具を使用して穿孔される前記表面上の1つの点の近傍にあることがある。
【0042】
第1の部材は、穿孔工具に対して移動可能にすることができる。第1の部材を部品の側面に押圧することは、第1の部材を穿孔工具に対して特定の距離だけ移動させることを備えることができる。この方法は、第1の部材が穿孔工具に対して移動する特定の距離を測定することをさらに備えることができ、部品の前記表面を穿孔するために穿孔工具が移動される距離を決定するステップは、センサ測定値を用いることを備えることができる。
【0043】
この方法は、穿孔ステップ中に削り屑を排出することをさらに備えることができる。
【0044】
部材は、第1のロボティックアームに結合され得る。前記別の部材は、第2のロボティックアームに結合され得る。
【0045】
別の態様では、本発明は、穿孔装置の少なくとも一部分および穿孔装置によって穿孔される部品の少なくとも一部分をモデル化する装置であり、穿孔装置が、部材と穿孔工具とを備え、部材が、部品の表面の少なくとも一部分を押圧するためのものである装置であって、部品の前記表面の少なくとも一部のモデルを備える第1のコンピュータモデルを準備し、部材の少なくとも一部のモデルを備える第2のコンピュータモデルを準備し、穿孔工具が穿孔工具によって穿孔される前記表面上の1つの点と位置合わせされ、部材が前記表面上の前記少なくとも一部分に押圧されている場合に第1のコンピュータモデルと第2のコンピュータモデルの相対位置が前記表面と部材の相対位置と実質的に同じになるように第1および第2のコンピュータモデルを位置決めし、コンピュータモデルを使用して、部品の前記表面に穿孔するために穿孔工具が移動される距離を決定するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備える装置を提供する。
【0046】
別の態様では、本発明は、コンピュータシステムによって実行されたときに、そのコンピュータシステムを、上記態様のいずれかに従って動作させるように構成された1つまたは複数のコンピュータプログラムを提供する。
【0047】
別の態様では、本発明は、上記態様によるコンピュータプログラム、または上記態様による複数のコンピュータプログラムのうちの少なくとも1つを格納する機械可読記憶媒体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、例示的なパネル2を示す概略図(縮尺不定)である。
【0050】
パネル2は、カーボン繊維で構成されている。パネル2は、パネル2の前面からパネル2の後面までパネル2に予め穿孔された孔4を備える。換言すれば、孔4は、パネル4の構造を貫通する通路である。
【0051】
孔4は、既知の直径を有する。パネル2を通る孔4の方向は、パネル2の前面に対して垂直である(すなわち直交している)。
【0052】
本実施形態では、パネル2は、航空機の機体の一部を形成する構造に固定される。パネルは、孔4を(前面から後面に)貫通して構造内部まで延びるファスナによってこの構造に固定される。孔4は、ファスナが前面と面一になるように、前面で(所定の深さまで)皿もみされる。これにより、得られる航空機の空気力学的特性およびステルス性が比較的高くなる。
【0053】
図2は、皿もみプロセスを行う装置6を示す概略図(縮尺不定)である。皿もみプロセスは、パネル2の前面の孔4を(所定の深さまで)皿もみするプロセスである。
【0054】
皿もみプロセスは、穿孔プロセスの一例である。「穿孔プロセス」という用語は、本明細書では、孔の穿孔、(予め穿孔された孔の)皿もみ、孔ぐり、軌道穿孔など(ただしこれらに限定されない)、任意のタイプの穿孔プロセスを指すものとして使用されている。
【0055】
装置6は、固定システム8と、複数のクランプ9と、第1のロボット10と、第1のエンドエフェクタ11と、第2のロボット12と、第2のエンドエフェクタ13と、第1のロボット制御装置14と、第1のエンドエフェクタ制御装置16と、第2のロボット制御装置18と、第2のエンドエフェクタ制御装置20と、第1の削り屑排出モジュール22と、第2の削り屑排出モジュール24とを備える。
【0056】
固定システム8は、パネル2が複数のクランプ9を用いてクランピングされるフレームである。本実施形態では、固定システム8は、通常はジグを備え、標準的な亜鉛メッキ鋼の梁で骨組みが構成される、DELFOi社製の固定システムBoxJointなど、従来の固定システムである。クランプ9は、従来のクランプである。
【0057】
第1のロボット10は、皿もみプロセスで使用される、従来の産業ロボットアームまたはロボティックアームである。例えば、第1のロボットアーム10は、Kuka有限会社製のロボットアームKR360である。
【0058】
第1のエンドエフェクタ11は、第1のロボット10が第1のエンドエフェクタ11を移動することができるように、第1のロボットアーム10の端部に結合される。第1のロボット10および第1のエンドエフェクタ11は、第1のロボット10および第1のエンドエフェクタ11がパネル2の前面に届くように、固定システム8の前側、すなわちパネル2の前面の前に位置決めされる。
【0059】
第1のロボット10および第1のエンドエフェクタ11は、例えば第1のモジュール、穿孔モジュールまたは穿孔装置など、単一のモジュールとして考えられ得るので好都合である。
【0060】
第1のエンドエフェクタ11については、後に
図3を参照してさらに詳細に述べる。
【0061】
第2のロボット12は、皿もみプロセスで使用される、従来の産業ロボットアームまたはロボティックアームである。例えば、第2のロボットアーム12は、Kuka有限会社製のロボットアームKR180である。
【0062】
第2のエンドエフェクタ13は、第2のロボット12が第2のエンドエフェクタ13を移動することができるように、第2のロボットアーム12の端部に結合される。第2のロボット12および第2のエンドエフェクタ13は、第2のロボット12および第2のエンドエフェクタ13がパネル2の後面に届くように、固定システム8の後側、すなわちパネル2の後面の背後に位置決めされる。
【0063】
第2のロボット12および第2のエンドエフェクタ13は、例えば第2のモジュール、支持モジュールまたは支持装置など、単一のモジュールとして考えられ得るので好都合である。
【0064】
第2のエンドエフェクタ13については、後に
図4を参照してさらに詳細に述べる。
【0065】
第1のロボット10は、第1のロボット10が第1のロボット制御装置14によって制御されるような方法で、第1のロボット制御装置14に結合される。
【0066】
第1のエンドエフェクタ11は、第1のエンドエフェクタ11が第1のエンドエフェクタ制御装置16によって制御されるような方法で、第1のエンドエフェクタ制御装置16に結合される。
【0067】
第1のロボット制御装置14と第1のエンドエフェクタ制御装置16は、互いに通信することができるように互いに結合される。
【0068】
第2のロボット12は、第2のロボット12が第2のロボット制御装置18によって制御されるような方法で、第2のロボット制御装置18に結合される。
【0069】
第2のエンドエフェクタ13は、第2のエンドエフェクタ13が第2のエンドエフェクタ制御装置20によって制御されるような方法で、第2のエンドエフェクタ制御装置20に結合される。
【0070】
第2のロボット制御装置18と第2のエンドエフェクタ制御装置20は、互いに通信することができるように互いに結合される。
【0071】
第1のロボット制御装置14および第2のロボット制御装置18は、それぞれ第1のロボット10および第2のロボット12を制御する従来の制御ユニットである。
【0072】
第1のロボット制御装置14と第2のロボット制御装置18は、互いに通信することができるように互いに結合される。特に、本実施形態では、第1のロボット制御装置14と第2のロボット制御装置18は、第1の動作モードにおいて第1のロボット10と第2のロボット12が「マスタスレーブ関係」を有するように、すなわち第1のロボット10が動かされたときに、第1のロボット10と第2のロボット12の間の相対位置が実質的に維持されるように第2のロボット12も動かされるように互いに結合されている。また、本実施形態では、第1のロボット制御装置14と第2のロボット制御装置18は、第2の動作モードにおいて第1のロボット10と第2のロボット12が互いに独立して動かされ得るように互いに結合されている。
【0073】
第1のロボット10および第2のロボット12を動かすための命令は、それぞれ第1のロボット制御装置14および第2のロボット制御装置18内に、例えばオフラインプログラム(OLP)またはオフラインプログラムによって呼び出されるサブルーチンのいずれかとして存在する。
【0074】
第1の削り屑排出システム22は、従来の削り屑排出システムである。第1の削り屑排出システム22は、第1のエンドエフェクタ11に結合され、以下に述べる皿もみプロセスで生じる削り屑(すなわち、例えば旋削屑、切削屑、やすり屑、かんな屑などのデブリまたは廃棄物)を排出するように構成される。
【0075】
第2の削り屑排出システム24は、従来の削り屑排出システムである。第2の削り屑排出システム24は、第2のエンドエフェクタ13に結合され、以下に述べる皿もみプロセスで生じる削り屑(すなわち、例えば旋削屑、切削屑、やすり屑、かんな屑などのデブリまたは廃棄物)を排出するように構成される。
【0076】
図3は、第1のエンドエフェクタ11を示す概略図(縮尺不定)である。
【0077】
本実施形態では、第1のエンドエフェクタ11は、第1のフレーム26と、複数の空気シリンダ28と、押さえ30(直交化システム31を備える)と、センサ32と、回転可能レグ34と、穿孔システム36(切削工具38(すなわち穿孔工具)を備える)と、ビジョンシステム40(カメラ42を備える)とを備える。
【0078】
第1のエンドエフェクタ11の第1のフレーム26は、第1のロボット10に取り付けられる。
【0079】
回転可能レグ34は、第1のフレーム26に対して相対的に回転することができるように、かつ第1のフレーム26に対して相対的に長手方向に移動不能となるように、第1のフレーム26に取り付けられる。
【0080】
空気シリンダ28は、空気シリンダ28の作動状態下で、押さえ30が第1のフレーム26に対して相対的に移動され得るように(すなわち押さえ30が第1のフレーム26から延長され得るように)、第1のフレーム26の端部と押さえ30との間に取り付けられる。
【0081】
回転可能レグ34は、回転可能レグ34の軸に沿って位置決めされた細長部材の周りで回転することができる(また、その細長部材によって支持され得る)。この細長部材は、例えば、その両端部でフレーム26に取り付けられ得る。他の実施形態では、細長部材は、その一端がフレーム26に取り付けられ、他端が押さえ30に取り付けられた空気シリンダ28であってもよい。このような追加の空気シリンダは、他の空気シリンダ28と同じ機能を発揮することができる。
【0082】
押さえ30は、従来のロボティックシステムで使用される従来の押さえである。押さえ30は、空気シリンダ28の作動状態下で、第1のフレーム26に対する押さえ30の移動が停止される点であるパネル2の前面と押さえ30の前面が接触する(すなわちパネル2の前面を押圧する)まで、第1のフレーム26から延伸され得る。
【0083】
センサ32は、第1のフレーム26に取り付けられる。このセンサは、押さえ30が第1のフレーム26に対して移動した距離(すなわち押さえ30が第1のフレーム26から延伸された距離)を測定するように構成される。本実施形態では、センサ32は、三角測距型レーザ変位センサである。他の実施形態では、例えば線形可変差動変圧器(LVDT)などの別のタイプのセンサ、および/または別のセンサ構成も、第1のフレーム26に対する押さえ30の位置を測定するために使用され得る。センサ32によって行われる測定結果は、後に
図5を参照してさらに詳細に述べるように、第1のエンドエフェクタ11から第1のエンドエフェクタ制御装置16に送られる。
【0084】
押さえ30は、その構造を貫通する通路44(すなわち開口または孔)を備える。本実施形態では、直交化システム31は、通路44を取り囲むように押さえ30の前面に取り付けられる。
【0085】
直交化システム31は、5つの接触測定デバイスを備える。各接触測定デバイスは、動作時に、延伸可能部材が延伸を停止する点であるパネル2の前面と接触するまで押さえ30の前面から延びるように構成された、延伸可能部材である。この延伸可能部材の延伸の停止は、延伸可能部材がパネル2の前面と接触したときにパネル2から延伸可能部材に加えられる抗力によるものであることもある。換言すれば、パネル2の前面は、延伸可能部材のそれ以上の延伸を防止することができる。直交化システム31の各延伸可能部材が移動する距離の測定値は、後に
図5を参照してさらに詳細に述べるように、第1のエンドエフェクタ11から第1のエンドエフェクタ制御装置16に送られる。
【0086】
回転可能レグ34は、その軸の周りで回転することができるように第1のフレーム26に結合される。この回転は、
図3では、双頭矢印で示されている。
【0087】
穿孔システム36は、動作時に切削工具38を駆動する(すなわち回転させる)回転可能液冷型スピンドルを備える。
【0088】
穿孔システム36は、回転可能レグ34の軸と平行な方向に回転可能レグ34の表面に沿って移動され得るように、かつ回転可能レグ34の円周周りの方向の穿孔システム36の移動が防止されるように、回転可能レグ34に摺動可能に載置される。このようにして、切削工具38は、その(長手方向)軸(
図3では参照番号46で示される点線として示される)に沿って移動される。
【0089】
本実施形態では、穿孔システム36は、切削工具38の軸46が押さえ30の通路44を通るように、(回転可能レグ34をその軸の周りで回転させることによって)位置決めされ得る。この位置にあるときには、すなわち(
図3に示されるように)切削工具38の軸46が通路44と位置合わせされているときには、穿孔システム36は、切削工具38の少なくとも一部分が通路44を完全に通過するように、回転可能レグ34の表面に沿って(回転可能レグ34の軸と平行な方向に)摺動され得る。動作時には、以下に述べるように、孔4を皿もみするために、切削工具38は、その(長手方向)軸46に沿って通路44を通ってパネル2に向かって、パネル2の前面の孔4と接触するまで移動される。次いで、切削工具38は、さらに移動されて、パネル2の孔4を所定の深さまで皿もみする。
【0090】
ビジョンシステム40は、従来のビジョンシステムである。ビジョンシステム40は、テレセントリックレンズを有する従来の産業用CCDカメラであるカメラ42を備える。
【0091】
ビジョンシステム40は、回転可能レグ34の軸と平行な方向に回転可能レグ34の表面に沿って移動され得るように、かつ回転可能レグ34の円周周りの方向のビジョンシステム40の移動が防止されるように、回転可能レグ34に摺動可能に載置される。このようにして、ビジョンシステム40は、軸46と実質的に平行な方向に移動され得る。ビジョンシステム40および穿孔システム36は、ビジョンシステム40と穿孔システム36の間の相対位置が維持されるように回転可能レグ34に載置される。
【0092】
本実施形態では、ビジョンシステム40は、ビジョンシステム40のカメラ42が通路44を(押さえ30の前方から後方に向かって)通過する光を検出することができるように、(回転可能レグ34をその軸の周りに回転させることによって)位置決めされ得る。この位置にあるとき、すなわちビジョンシステム40のカメラ42が通路44と位置合わせされているときに、回転可能レグ34が回転されると、穿孔システム36が通路44と位置合わせされることになる(すなわち切削工具38の軸46が通路44を通るように移動されることになる)。
【0093】
本実施形態では、空気シリンダ28による押さえ30の移動は、第1のエンドエフェクタ制御装置16によって制御される。また、回転可能レグ34のその軸周りの回転も、第1のエンドエフェクタ制御装置16によって制御される。また、穿孔システム36の回転可能レグ34の表面に沿った移動も、第1のエンドエフェクタ制御装置16によって制御される。ビジョンシステム40は、第1のロボット制御装置14によって制御される。
【0094】
本実施形態では、センサ32によって測定される第1のフレーム26に対して押さえ30が移動する距離の測定値は、第1のエンドエフェクタ制御装置16に送られ得る。また、ビジョンシステム40のカメラ42によって測定される通路44を通る光の測定値は、第1のロボット制御装置14に送られ得る。
【0095】
図4は、第2のエンドエフェクタ13を示す概略図(縮尺不定)である。
【0096】
本実施形態では、第2のエンドエフェクタ13は、第2のフレーム50と、ノーズピース52と、照明システム54とを備える。
【0097】
第2のエンドエフェクタ13の第2のフレーム50は、第2のロボット12に取り付けられる。
【0098】
ノーズピース52は、第2のフレーム50の前部に取り付けられる。ノーズピース52は、その構造をその長手方向軸に沿って貫く孔53を有する円錐台形を有する。第2の削り屑排出システム24による削り屑排出は、ノーズピース52の孔53を通して実行され得る。
【0099】
照明システム54は、第2のエンドエフェクタ制御装置20からの命令によって、第2のエンドエフェクタ13からノーズピース52の孔53を通して光を照射するように構成された、従来の照明システムである。このようにして、動作時には、照明システム54からパネル2の後面に光が照射される(すなわちパネル2は背面照明される)。照明システム54から発出される光は、第1のエンドエフェクタ11のビジョンシステムのカメラ42によって検出可能である。この光は、例えば可視光、赤外光、または紫外光とすることができる。
【0100】
本実施形態では、照明システム54による光の発出は、第2のエンドエフェクタ制御装置20によって制御される。
【0101】
図5は、皿もみプロセスの実施形態の特定のステップを示すプロセス流れ図である。
【0102】
ステップs2で、第1のロボット10と第2のロボット12が、互いにリンク(または結合)される。これは、第1のロボット10がそれまでの位置から新たな位置に移動した場合に、第2のロボット12が、第1のロボット10に対する第2のロボット12の位置が維持されるように(すなわちロボット10とロボット12の互いに対する相対的な位置が実質的に同じに維持されるように)移動するように、またその逆になるように、行われる。
【0103】
本実施形態では、第1のロボット10は、孔4に対応するオフラインプログラム位置に移動する。この位置は、第1のロボット制御装置14上で実行されるプログラムに定義されている。第2のロボット12は、ロボット10と12の間の相対位置が維持されるように移動する。
【0104】
ステップs4で、第2のエンドエフェクタ制御装置20が、照明システム54に対して、パネル2の後面に光を照射するように命令する。
【0105】
ステップs6で、照明システム54が、パネル2の後面に光を照射する。この光は、パネル2の後側からパネル2の前側に向かってパネル2の孔4を通過する。
【0106】
ステップs8で、位置合わせプロセスが実行される。
【0107】
この位置合わせプロセスについては、後に
図6を参照してさらに詳細に述べる。
【0108】
この位置合わせプロセスは、穿孔システム36の切削工具38をパネル2の孔4と位置合わせするように(軸46が通路44および孔4の両方と位置合わせされるように)実行される。
【0109】
ステップs10で、第1のロボット10と第2のロボット12が、リンク解除される(切り離される)。換言すれば、ステップs10の後は、ロボット10とロボット12が互いに独立して動くことができる。
【0110】
ステップs12で、直交化プロセスが実行される。
【0111】
この直交化プロセスについては、後に
図7を参照してさらに詳細に述べる。
【0112】
この直交化プロセスは、切削工具38の軸46が(パネルの前面の穿孔点すなわち孔4において)パネルの前面に対して垂直になる(すなわち直交する)ように穿孔システムを移動させるように実行される。
【0113】
ステップs14で、ステップs8の位置合わせプロセス(後に
図6を参照してさらに詳細に述べる)が再実行され得る。これは、ステップs12の直交化プロセス中に切削工具38が孔4から位置ずれを起こした場合に、切削工具38が再位置合わせされるように、行われ得る。
【0114】
ステップs16で、第2のロボット制御装置18が、第2のロボット12に対して、ノーズピース52の遠位端部がパネル2の後面と接触するように(すなわちパネル2の後面を押圧するように)移動するように命令する。
【0115】
ステップs18で、第2のロボット12が、ノーズピース52がパネル2の後面と接触するまで、第2のエンドエフェクタ13をパネル2の後面に向かって移動させる。
【0116】
本実施形態では、ノーズピース52とパネル2の後面との間の距離は、既知の距離である。したがって、第2のロボット12は、この既知の距離だけ、第2のエンドエフェクタ13をパネル2の後面に向かって前進させる。第2のロボット12の移動は、ノーズピース52がパネル2の後面と接触すると停止される。
【0117】
本実施形態では、ノーズピース52とパネル2の後面は、ノーズピース52の孔53がパネル2の後面の孔4を取り囲むように接触する。換言すれば、ステップs18の後、ノーズピース52はパネル2の後面と接触しており、ノーズピース52の孔53はパネル2の孔4と位置合わせされている。
【0118】
ステップs20で、第1のエンドエフェクタ制御装置16が、空気シリンダ28に対して、押さえ30がパネル2の前面と接触するまで押さえ30を第1のフレーム26から延伸するように命令する。
【0119】
ステップs22で、空気シリンダ28が、押さえ30がパネル2の前面と(例えば直交化システム31で)接触するまで押さえ30を第1のフレーム26に対して移動させる。第1のフレーム26からの押さえ30の延伸は、押さえ30がパネル2の前面と接触すると停止される。このような押さえ30の移動によって、パネルが第2のエンドエフェクタ13のノーズピース52と第1のエンドエフェクタ11の押さえ30との間でクランピングされるので有利である。換言すれば、パネル2は、孔4の近傍の位置で、エンドエフェクタ11と13の間でクランピングされる(すなわち、クランピング力は、孔4の付近でパネル2に加えられる)。パネル2のクランピングが、比較的しっかりしている。すなわち、孔4または孔4の近傍(すなわち付近)に位置するパネル2の少なくとも一部分の動き(例えば撓みまたは屈曲)は、防止されるようになっている。換言すれば、パネル2の孔4の近傍の部分は、例えば穿孔/皿もみの作用などによって比較的動きにくい。
【0120】
ステップs24で、ステップs22で押さえ30が第1のフレーム26からどこまで延伸されるかがセンサ32によって測定され、その測定値が、第1のエンドエフェクタ11から第1のエンドエフェクタ制御装置16に送られる。
【0121】
ステップs26で、第1のエンドエフェクタ制御装置16が、切削工具38が、位置合わせされた孔4の軸に沿って所望の所定の深さまで穿孔するためには切削工具38の軸に沿ってどこまで移動されるべきかを決定する。
【0122】
本実施形態では、この切削工具38がその軸46に沿って移動する距離は、(i)押さえが第1のフレーム26から延伸されていないときの切削工具38の先端と押さえ30の前部の間の距離、(ii)押さえ30がどこまで移動されているかを示すセンサ32による測定値、および(iii)所定の深さを用いて(例えば組み合わせることによって)決定される。(押さえ30が第1のフレーム26から延伸されていないときの)切削工具38の先端と押さえ30の前部の間の距離は、(切削工具38の軸46に沿った)既知の距離である。
【0123】
ステップs28で、第1のエンドエフェクタ制御装置16が、第1のエンドエフェクタ11に対して、切削工具38を(スピンドルを用いて)起動して、切削工具38をその長手方向移動軸46に沿ってステップs26で決定された距離だけ移動させるように命令する。
【0124】
ステップs30で、第1のエンドエフェクタ11が、受信した命令に従って、すなわち切削工具38が起動され、その軸46に沿って決定された量だけ移動されて、孔4の長さ方向に沿って所定の深さまでパネル2に穿孔するように、すなわち孔4を皿もみするように、穿孔システム36を移動させる。
【0125】
本実施形態では、穿孔/皿もみプロセス中に、削り屑排出システム22および24が起動されて、削り屑を排出する。
【0126】
ステップs32で、切削工具38が移動されて孔4を所定の深さまで皿もみし、切削工具が所定の量の時間にわたって一時停止したら、穿孔システム36が、(第1のエンドエフェクタ制御装置16の制御下で)パネル2から引き戻される。
【0127】
切削工具38がパネル2から後退されたら、削り屑排出システム22および24は、非活動化される。
【0128】
ステップs34で、第1のエンドエフェクタ制御装置16の制御下で、押さえ30が第1のフレーム26に対して相対的にその始動位置から引き戻される。また、第1のエンドエフェクタ制御装置16の制御下で、回転可能レグ34も、カメラが通路44と再位置合わせされるように回転される。
【0129】
ステップs36で、それぞれのロボット制御装置14および18の制御下で、第1のロボット10および第2のロボット12が、それぞれの始動位置に戻される。
【0130】
このように、皿もみプロセスは行われる。このプロセスは、パネル2に穿孔された任意数の孔に対して繰り返され得る。
【0131】
図6は、
図5のプロセスのステップs8で実行される位置合わせプロセスの特定のステップを示すプロセス流れ図である。このプロセスでは、これらのステップのうちのいくつかは、連続して実行され得、これらのステップのうちのいくつかは、穿孔システム22の切削工具がパネル2の孔4と位置合わせされるまで反復され得る。
【0132】
ステップs40で、第1のエンドエフェクタ制御装置16の作用下で、回転可能レグ34が、ビジョンシステム40のカメラ42が押さえ30の通路44と位置合わせされるように回転される。
【0133】
ステップs42で、カメラ42を用いて、ビジョンシステム40が、第2のエンドエフェクタ13の照明システム54から(パネル2の後方からパネル2の前方に)孔4を通して照射する光を測定する。
【0134】
ステップs44で、ビジョンシステム40のカメラ42によって測定された光の測定値が、第1のロボット制御装置14に送られる。
【0135】
ステップs46で、第1のエンドエフェクタ制御装置16の作用下で、回転可能レグ34が、切削工具38の軸46が押さえ30の通路44と位置合わせされるように回転される。
【0136】
ステップs48で、光の測定値に応じて、第1のロボット制御装置14が、切削工具38(この時点で通路44と位置合わせされている)の軸46を孔4の軸と位置合わせするためには第1のロボット10がどのくらい移動されなければならないかを決定する。カメラ42と切削工具38の相対位置、光の特性(強度など)、孔4の特性(サイズなど)などのパラメータの既知の値が、この第1のエンドエフェクタ11の所望の移動を決定するために使用され得る。換言すれば、ステップs48で、ステップs42で取り込まれる測定値/画像が、第1のロボット制御装置14によって分析されて、孔4の中心の位置が決定される。次いで、第1のロボット制御装置14が、第1のロボット10が第1のエンドエフェクタ11を移動させなければならない位置を計算して、切削工具38の軸46が孔4の中心と位置合わせされるようにする。
【0137】
ステップs52で、第1のロボット制御装置14が、決定された情報に従って(すなわち、切削工具38の軸46がパネル2の孔4の軸と位置合わせされるように第1のエンドエフェクタ11が移動されるように)、第1のロボット10を移動させる。
【0138】
このようにして、切削工具38の軸46がパネル2の孔4の軸と位置合わせされる位置合わせプロセスが行われる。
【0139】
図7は、
図5のプロセスのステップs12で実行される直交化プロセスの特定のステップを示すプロセス流れ図である。
【0140】
ステップs60で、第1のエンドエフェクタ制御装置16が、直交化システム31に対して、その各接触測定デバイスがパネル2の前面と接触するまで各接触測定デバイスを延伸させるように命令する。
【0141】
ステップs62で、直交化システム31の各接触測定デバイスが、パネル2の前面と接触するまで押さえ30の前面から延伸される。接触測定デバイスの延伸は、接触測定デバイスがパネル2の前面と接触すると停止される。この延伸可能部材の延伸の停止は、延伸可能部材がパネル2の前面と接触したときにパネル2から延伸可能部材に加えられる抗力によるものであることもある。換言すれば、パネル2の前面は、延伸可能部材のそれ以上の延伸を防止することができる。
【0142】
図8は、接触測定デバイスがパネル2の前面と(孔4の近傍すなわち付近で)接触するまで直交化システム31から(押さえ30の前面から遠ざかるように)延伸された後の、直交化システム31の接触測定デバイス70の側面図を示す概略図(縮尺不定)である。
【0143】
本実施形態では、直交化システム31が通路44を取り囲み、通路44が(
図6を参照して上述した位置合わせプロセスの実行によって)パネル2の孔4と位置合わせされているので、接触測定デバイスがパネル2の前面と接触するように延伸されたときに、接触するパネル2の表面上の点は、孔4の近傍にある。特に、本実施形態では、接点が孔4を取り囲む。
【0144】
ステップs64で、ステップs62で5つの接触測定デバイスのそれぞれがどこまで延伸されるかを示す測定値が、直交化システム31から第1のロボット制御装置14に送られる。
【0145】
ステップs66で、受信した測定値を用いて、第1のロボット制御装置14が、パネルの前面の平面を決定する。特に、孔4の近傍のパネル2の前面の一部分の平面が計算される。
【0146】
ステップs68で、計算された平面を用いて、第1のロボット制御装置14が、この平面に対する法線を決定する。
【0147】
ステップs70で、決定された法線を用いて、第1のロボット制御装置14が、切削工具38の軸46を決定された法線と位置合わせするためには第1のエンドエフェクタ11がどこまで移動されなければならないかを決定する。
【0148】
ステップs72で、切削工具38の軸46と決定されたパネルに対する法線との位置合わせをもたらす第1のエンドエフェクタ11の決定された移動が、第1のロボット制御装置14から第1のロボット10に送られる。
【0149】
ステップs74で、第1のロボット制御装置14が、受信した情報に従って(すなわち切削工具38の軸46が決定されたパネル2に対する法線と位置合わせされるように第1のエンドエフェクタ11が移動されるように)、第1のロボット10を移動させる。
【0150】
このように、切削工具38の軸46が孔4の近傍のパネル2の一部分に対する法線と位置合わせされる位置合わせプロセスが行われる。この直交化プロセスにより、切削工具38の移動方向は、パネル2の孔4の方向と位置合わせされる可能性が高い。
【0151】
上記に与えた皿もみプロセスの利点は、このプロセスが、市販の「既製品」の産業ロボットを用いて実行される点である。さらに、どのようなタイプのパネルまたは部品に対しても、またどのような形状のパネルまたは部品に対しても、同じロボットを使用して皿もみ/穿孔プロセスを行うことができる可能性が高い。このように、比較的高価な機械工具の使用が回避される可能性が高いので、有利である。
【0152】
上述の皿もみプロセスで使用されるロボットは、様々なサイズ/形状の切削工具を使用することができる。したがって、これらのロボットは、多くのタイプの穿孔/皿もみ動作を実行するために使用され得る。切削工具の様々なサイズ/形状を説明するためには、切削工具のある寸法(例えば長さ)を、Kelch社製プリセッタで正確に測定しておけばよい。このデータは、例えば工具型番や工具寿命などのその他のデータとともに、チャックに取り付けられた無線識別(RFID)チップに格納することができる。工具が工具交換機から選択されたときに、RFIDチップに格納されたデータを、制御ユニットにリンクされた読取り装置によって読み出せばよい。これで、システムは、例えばどの工具を使用しているか、工具が交換されなければならなくなるまでに孔をいくつ穿孔することができるか、および工具の長さなどを決定することができる。工具の長さは、パネル/部品を所望の深さまで穿孔するためには切削工具がその軸に沿ってどの程度移動されなければならないかを決定する際に使用され得る。工具寿命は、工具で孔が皿もみされるたびにその工具の使用寿命を減分し、減分された工具寿命をその工具のRFIDチップに格納することによってモニタリングされ得るので有利である。
【0153】
上記に与えた皿もみプロセスの別の利点は、このプロセスが、市販の「既製品」の固定具を用いて行われる点である。さらに、どのようなタイプのパネルまたは部品に対しても、またどのような形状のパネルまたは部品に対しても、同じ固定具を使用して皿もみ/穿孔プロセスを行うことができる可能性が高い。従来使用されている特注の固定具は、穿孔中に部品が屈曲したり撓んだりしないように部品をしっかりと保持する必要があるが、上述のプロセスで使用される固定具は、部品を比較的緩く保持するためにのみ使用される。このように、比較的高価な特注の固定具の使用が回避される可能性が高いので、有利である。
【0154】
その軸に沿ってその構造を貫く孔を有する円錐台形の第2のエンドエフェクタのノーズピースによって、さらに別の利点が与えられることが多い。ノーズピースの孔は、ビジョンシステムのカメラが検出するのに十分な光を有利に通せるように十分に大きい。ノーズピースの孔は、ノーズピースの孔を通した第2の削り屑排出システムによる効率的な削り屑排出が可能になるように十分に小さい。パネルの後面が湾曲している場合でも、ノーズピースの前部がパネルの後面と接触して配置され得るように、ノーズピースは先細になっている。ノーズピースの前部の直径、および孔の直径は、皿もみ中に良好にパネルを支持し、少なくとも孔の近傍の一部分ではパネルの変形および/または滑りを防止する、または妨げるようなサイズを有するので有利である。
【0155】
穿孔中には、第2のロボットが、穿孔されているパネル/部品の後面と接触する可能性が高いので有利である。これにより、第2のロボットが、穿孔中に第1のロボットによって加えられる力と等しい反対向きの力をパネルに加えるようになる可能性が高い。換言すれば、パネルが、第1のロボットおよび第2のロボットの作用によって(少なくとも穿孔されている点の近傍のパネルの部分は穿孔動作中に屈曲したり撓んだりしにくくなるように)固定される。第2のロボットは、いつ第2のロボットがパネル/部品の後面まで前進して接触するかを検出するための小型の近接スイッチまたはロードセルを備えることができる。
【0156】
上記の実施形態では、皿もみプロセスは、平坦なパネルで行われた。しかし、他の実施形態では、皿もみプロセスは、平坦ではないパネルでも実行され得る。
【0157】
次に述べるのは、湾曲したパネルで皿もみプロセスを実行する方法の実施形態である。
【0158】
図9は、湾曲パネル100を示す概略図(縮尺不定)である。湾曲パネル100は、
図1を参照して上述したパネル2と同じタイプのパネルである。パネル2と同様に、湾曲パネル100は、湾曲パネル100の前面から湾曲パネル100の後面に向かってパネルを貫く別の孔102を備える。湾曲パネル100の前面は、凹面である。湾曲パネル100の後面は、凸面である。
【0159】
別の孔102は、既知の直径を有し、湾曲パネル100を貫く別の孔102の方向は、この点における湾曲パネル100の表面の接線に対して垂直である(すなわち直交する)。
【0160】
図10は、湾曲パネル100の別の孔102を皿もみする方法の特定のステップを示すプロセス流れ図である。
【0161】
ステップs80で、別の孔102を所望の深さまで皿もみするために切削工具が移動される、湾曲パネル100の湾曲による追加距離を決定するプロセスが実行される。このプロセスについては、後に
図11を参照してさらに詳細に述べる。
【0162】
ステップs82で、皿もみプロセスが実行される。本実施形態では、ステップs62で実行される皿もみプロセスは、
図5から
図8を参照して上述したステップs2からs36のそれぞれを(パネル2を湾曲パネル100で置き換え、孔4を別の孔102で置き換えて)実行するステップを備える。ただし、別の孔102を所定の深さまで皿もみするためにどこまで切削工具38が移動されるかを第1のエンドエフェクタ制御装置16が決定するステップ(すなわち皿もみプロセスのステップs26)では、ステップs80で決定された追加距離を用いる。
【0163】
特に、この第2の実施形態では、ステップs26において、第1のエンドエフェクタ制御装置16は、切削工具38が位置合わせされている別の孔102の軸に沿って所定の深さまで穿孔するために、切削工具38がその軸46に沿ってどこまで移動されるかを決定する。この第2の実施形態では、この切削工具38がその軸46に沿って移動する距離は、(i)押さえが第1のフレーム26から延伸されていないときの切削工具38の先端と押さえ30の前部の間の距離、(ii)押さえ30がどこまで移動されているかを示すセンサ32による測定値、(iii)所定の深さ、および(iv)ステップs80で決定された追加距離を用いて(例えば組み合わせることによって)決定される。
【0164】
このように、湾曲パネル100で皿もみプロセスを実行する方法が行われる。
【0165】
図11は、別の孔102を所定の深さまで皿もみするために切削工具38が移動される、湾曲パネル104の湾曲による追加距離を決定する(
図10のプロセスのステップs80で実行される)プロセスの特定のステップを示すプロセス流れ図である。
【0166】
ステップs84で、湾曲パネル100の計算機援用設計(CAD)モデルが作成される。以下では「第1のCADモデル」と呼ぶ、この湾曲パネル100のCADモデルは、任意の従来のCADソフトウェアパッケージを用いて描画され得る。
【0167】
ステップs86で、押さえ30の計算機援用設計(CAD)モデルが作成される。以下では「第2のCADモデル」と呼ぶ、この押さえ30のCADモデルも、任意の従来のCADソフトウェアパッケージを用いて描画され得る。第2のCADモデルは、直交化システム31をモデル化することもある。
【0168】
ステップs88で、第1のCADモデルおよび第2のCADモデルが使用され、押さえ30が湾曲パネル100の前面(凸面)に接触するまで第1のフレーム26から延伸された場合に、押さえ30および湾曲パネル100が互いにどのように接触するかがモデル化される。このモデル化された接触については、後に
図12を参照してさらに詳細に述べる。
【0169】
ステップs90で、接触している押さえ30および湾曲パネル100のモデルを用いて、別の孔102を所定の深さまで皿もみするために切削工具38が移動される、湾曲パネル100の湾曲による追加距離が決定される。この追加距離の決定について、以下、
図12を参照してさらに詳細に述べる。
【0170】
図12は、第1のCADモデル104(すなわち湾曲パネル100のCADモデル)および第2のCADモデル106(すなわち押さえ30のCADモデル)を示す概略図(縮尺不定)である。
【0171】
第1のCADモデル104は、別の孔102のモデルを備える。別の孔102のモデルは、便宜上、また理解を容易にするために、
図12では別の孔102と同じ参照番号(すなわち参照番号102)で示されている。
【0172】
第2のCADモデル106は、穿孔/皿もみ動作中に切削工具38が通される押さえ30の通路44のモデルを備える。通路44のモデルは、便宜上、また理解を容易にするために、
図12では通路44と同じ参照番号(すなわち参照番号44)で示されている。第2のCADモデル106は、直交化システム31をモデル化することもある(分かりやすくするために
図12には図示していない)。
【0173】
第1のモデル104の凸面108は、第2のモデル106の前面110と接触する。
【0174】
図12には、軸112も示されている。別の孔102の軸および通路44の軸は、軸112に沿って位置合わせされる。
【0175】
したがって、
図12に示されるCADモデル104と106の相対位置は、(i)別の孔102の軸と通路44の軸が互いに位置合わせされ、(ii)押さえ30が湾曲パネル100の前面(凸面)と接触するまで第1のフレーム26から延伸されている場合には、湾曲パネル100と押さえ30がとる実際の位置と実質的に同じである。
【0176】
本実施形態では、(
図12に示す)湾曲パネル100と押さえ30の間のモデル化された接触が使用されて、
図12に双頭矢印および参照符号dで示される距離が決定される。この追加距離dは、別の孔102を所定の深さまで皿もみするために切削工具38が(軸46に沿って)移動される、湾曲パネル100の湾曲による追加距離である。
【0177】
第1のモデル104が平坦なパネル(例えば第1の実施形態のパネル2)である場合には、第2のモデル106の前面110の全体が、第1のモデル104の平坦な前面108と接触することになる。したがって、距離dの値はゼロとなる。しかし、本実施形態では、パネルが湾曲しているので、距離dはゼロではない。切削工具38は、(パネルが平坦な場合に移動される距離に加えて)追加距離dも移動されなければならない。追加距離dは、モデル104および106から直接測定され得る。
【0178】
このように、切削工具38が移動される追加距離を決定するプロセスが行われる。
【0179】
第1の実施形態で上述した利点に加えて、穿孔されるパネル/部品および押さえをモデル化することにより、所望の深さまで穿孔を行うために切削工具を移動させる必要があるどのような追加距離でも決定され得るようになる可能性が高いので有利である。
【0180】
このように、上述のシステムおよび方法は、湾曲した(または非平面の)表面に対する所定の深さまでの穿孔/皿もみを可能にする可能性が高い。
【0181】
上記の構成を実施し、以下に述べる方法ステップを実行する制御装置14、16、18および20を含む装置は、例えば1つもしくは複数のコンピュータまたはその他の処理装置もしくはプロセッサなど任意の適当な装置を構成または改造し、かつ/あるいは追加のモジュールを提供することによって、提供され得る。この装置は、コンピュータメモリ、コンピュータディスク、ROM、PROM他、または前記その他の記憶媒体の任意の組合せなどの機械可読記憶媒体内または機械可読記憶媒体上に格納された1つまたは複数のコンピュータプログラムの形態の命令およびデータを含めて、命令を実施し、データを使用する、コンピュータ、複数のコンピュータのネットワーク、あるいは1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。
【0182】
図5から
図7、
図9および
図10の流れ図に示される上述したプロセスステップのいくつかは省略されることも可能であり、これらのプロセスステップは、上述した図示の順序とは異なる順序で実行されることも可能であることに留意されたい。さらに、便宜上、また理解を容易にするために、全てのプロセスステップが時間的に連続した別々のステップとして示されているが、これらのプロセスステップの一部は、実際には、同時に、または時間的に少なくともある程度は重複して実行されることも可能である。
【0183】
上記の実施形態では、皿もみプロセスは、(平坦な、または平坦でない)パネルに対して行われる。パネルは、カーボン繊維で構成され、機体を構成する構造に固定されるものである。しかし、他の実施形態では、皿もみプロセスは、例えば1つまたは複数の異なる種類の材料で構成された部品、あるいは別の目的のための部品など、異なるタイプの部品に対して行われる。
【0184】
上記の実施形態では、パネル/部品に対して行われるプロセスは、(予め穿孔された孔を皿もみするための)皿もみプロセスである。しかし、他の実施形態では、実行されるプロセスは、例えば後に皿もみされ得る孔を部品/パネルに穿孔するプロセスなど、異なるタイプの穿孔/切削プロセスである。
【0185】
上記の実施形態では、直交化システムは、それぞれが延伸してパネルの前面と接触する5つの接触測定デバイスを備えている。これら5つのデバイスから得られる測定値が、切削工具を位置合わせする表面に対する法線を計算するために使用される。しかし、他の実施形態では、直交化システムは、異なる数(例えば3つまたは4つなど)の接触測定デバイスを備える。5つの接触測定デバイスを使用することで、3つまたは4つの場合より冗長度が高くなる傾向があるので有利である。他の実施形態では、第1のロボットとパネルの間の距離の測定値は、例えばレーザ測距センサなど、異なるタイプのシステムを使用して測定され得る。
【0186】
上記の実施形態では、パネル/部品と押さえの接触は、パネル/部品および押さえとのCADモデルを使用してモデル化される。しかし、他の実施形態では、部品/パネルと押さえとの間の接触は、例えば部品/パネルおよび/または押さえの1つまたは複数の異なるタイプのモデルを使用するなど、異なる方法で決定され得る。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
第1のロボット(10)と、
前記第1のロボット(10)に結合された第1の部材(30)と、
前記第1のロボット(10)に結合された穿孔工具(38)と、
第2のロボット(12)と、
前記第2のロボット(12)に結合された第2の部材(52)とを備える穿孔装置であって、
穿孔される部品(2、100)を保持し、前記部品(2、100)の少なくとも一部分の撓みを防止するように、前記部品(2、100)の対向する側面に前記部材(30、52)を押圧するように構成された装置であり、
前記第1の部材(30)および前記穿孔工具(38)が、撓みが防止される前記部品(2、100)の前記一部分に前記穿孔工具(38)が穿孔することができるように構成され、前記穿孔が、前記第1の部材(30)によって押圧される前記部品(2、100)の側面から行われる、穿孔装置。
[C2]
前記第1の部材(30)および前記穿孔工具(38)が、前記穿孔工具(38)が予め穿孔された孔(4、102)を所定の深さまで皿もみすることができるように構成され、前記予め穿孔された孔が、前記部品(2、100)の一方の側面から反対側の側面に向かって前記部品(2、100)を貫く、[C1]に記載の装置。
[C3]
前記予め穿孔された孔(4、102)を通して光を照射するように構成された照明システム(54)と、
光が前記予め穿孔された孔(4、102)を通して照射された後で、前記光を測定するように構成された光検出システム(40)と、
前記光検出システム(40)に動作可能に結合された位置合わせプロセッサとをさらに備え、
前記位置合わせプロセッサが、前記予め穿孔された孔(4、102)を通して照射された光の測定値を使用して、前記装置の少なくとも一部によって実行される第1のアクションを決定するように構成され、
前記第1のアクションが、前記装置の前記少なくとも一部によって実行される場合に、前記穿孔工具(38)が前記予め穿孔された孔(4、102)と位置合わせされるように行われ、
前記装置の前記少なくとも一部が、前記第1のアクションを実行するように構成される、[C2]に記載の装置。
[C4]
前記照明システム(54)が、前記第2のロボット(12)に結合され、
前記光検出システム(40)が、前記第1のロボット(10)に結合され、
前記光検出システム(40)が、前記穿孔工具(38)に結合され、
前記第1のアクションの前記決定が、前記穿孔工具(38)と前記光検出システム(40)の既知の相対位置を用いることを備える、[C2]に記載の装置。
[C5]
前記部品(2、100)の表面を複数の点で測定するように構成された表面測定システム(31)と、
前記表面測定システム(31)に動作可能に結合された直交化プロセッサとをさらに備え、
前記直交化プロセッサが、第1の表面の前記測定値を用いて、前記装置の少なくとも一部によって実行される第2のアクションを決定するように構成され、
前記第2のアクションが、前記装置の前記少なくとも一部によって実行されたときに、前記穿孔工具(38)が前記部品(2、100)の前記表面に対して所定の角度で位置決めされるように行われ、
前記装置の前記少なくとも一部が、前記第2のアクションを実行するように構成される、[C1]から[C4]のいずれか一項に記載の装置。
[C6]
前記部品(2、100)の前記表面上の前記複数の点が、前記穿孔工具(38)を使用して穿孔される前記表面上の1つの点の近傍にある、[C5]に記載の装置。
[C7]
前記第1の部材(30)が、前記穿孔工具(38)に対して移動可能であり、
前記第1の部材(30)を前記部品(2、100)の側面に前記押圧することが、前記第1の部材(30)を前記穿孔工具(38)に対して特定の距離だけ移動させることを備える装置であり、
前記第1の部材(30)が前記穿孔工具(38)に対して移動する前記特定の距離を測定するように構成されたセンサ(32)と、
前記センサ(32)に動作可能に結合され、前記センサの測定値を用いて、前記部品を所定の深さまで穿孔するために前記穿孔工具(38)が移動する距離を決定するように構成されたプロセッサとをさらに備える、[C1]から[C6]のいずれか一項に記載の装置。
[C8]
削り屑排出システム(22、24)をさらに備える、[C1]から[C7]のいずれか一項に記載の装置。
[C9]
前記第1のロボット(10)が、ロボティックアームである、[C1]から[C8]のいずれか一項に記載の装置。
[C10]
前記第2のロボット(12)が、ロボティックアームである、[C1]から[C9]のいずれか一項に記載の装置。
[C11]
第1のロボット(10)を準備することと、
前記第1のロボット(10)に結合された第1の部材(30)を準備することと、
前記第1のロボット(10)に結合された穿孔工具(38)を準備することと、
第2のロボット(12)を準備することと、
前記第2のロボット(12)に結合された第2の部材(52)を準備することと、
穿孔される部品(2、100)を保持し、前記部品(2、100)の少なくとも一部分の撓みを防止するように、前記部品(2、100)の対向する側面に前記部材(30、52)を押圧することと、
前記穿孔工具(38)を用いて、撓みが防止される部品(2、100)の前記一部分に穿孔することとを備え、前記穿孔が、前記第1の部材(30)によって押圧される前記部品(2、100)の前記側面から行われる、穿孔方法。
[C12]
前記穿孔ステップが、予め穿孔された孔(4、102)を所定の深さまで皿もみすることを備え、前記予め穿孔された孔が、前記部品(2、100)の一方の側面から反対側の側面に向かって前記部品(2、100)を貫く、[C11]に記載の方法。
[C13]
前記予め穿孔された孔(4、102)を通して光を照射することと、
前記光が前記予め穿孔された孔(4、102)を通して照射された後で、前記光を測定することと、
前記光の前記測定値を使用して、前記装置の少なくとも一部によって実行される第1のアクションを決定することと、
前記装置の前記少なくとも一部によって前記第1のアクションを実行することとをさらに備え、
前記第1のアクションが、前記装置の前記少なくとも一部によって実行される場合に、前記穿孔工具(38)が前記予め穿孔された孔(4、102)と位置合わせされるように行われる、[C11]に記載の方法。
[C14]
前記光が、前記第2のロボット(12)に結合された照明システム(54)によって照射され、
前記光が、前記第1のロボット(10)に結合された光検出システム(40)によって検出され、
前記光検出システムが、前記穿孔工具(38)に結合され、
前記第1のアクションの前記決定が、前記穿孔工具(38)と前記光検出システム(40)の既知の相対位置を用いることを備える、[C13]に記載の方法。
[C15]
前記部品(2、100)の表面を複数の点で測定することと、
前記表面の前記測定値を用いて、前記装置の少なくとも一部によって実行される第2のアクションを決定することと、
前記装置の前記少なくとも一部によって前記第2のアクションを実行することとをさらに備え、
前記第2のアクションが、前記装置の前記少なくとも一部によって実行された場合に、前記穿孔工具(38)が前記部品(2、100)の前記表面に対して所定の角度で位置決めされるように行われる、[C11]から[C14]のいずれか一項に記載の方法。
[C16]
前記部品(2、100)の前記表面上の前記複数の点が、前記穿孔工具(38)を使用して穿孔される前記表面上の1つの点の近傍にある、[C15]に記載の方法。
[C17]
前記第1の部材(30)が、前記穿孔工具(38)に対して移動可能であり、
前記第1の部材(30)を前記部品(2、100)の側面に前記押圧することが、前記第1の部材(30)を前記穿孔工具(38)に対して特定の距離だけ移動させることを備える方法であり、
前記第1の部材(30)が前記穿孔工具(38)に対して移動する前記特定の距離を測定することと、
前記センサ測定値を用いて、前記部品(2、100)を所定の深さまで穿孔するために前記穿孔工具(38)が移動する距離を決定することとをさらに備える、[C11]から[C16]のいずれか一項に記載の方法。
[C18]
前記穿孔ステップ中に削り屑を排出することをさらに備える、[C11]から[C17]のいずれか一項に記載の方法。
[C19]
前記第1のロボット(10)が、ロボティックアームである、[C11]から[C18]のいずれか一項に記載の方法。
[C20]
前記第2のロボット(12)が、ロボティックアームである、[C11]から[C19]のいずれか一項に記載の方法。
[C21]
穿孔される部品(2、100)の表面の少なくとも一部分をその前側で押圧するための部材(30)と、
穿孔工具(38)とを備え、
前記部材(30)が、前記部材(30)の後側から前記部材(30)の前側に向かってその構造を貫く通路(44)を備え、
前記穿孔工具(38)が、前記穿孔工具(38)の少なくとも一部分が前記部材(30)の前記後側から前記部材(30)の前記前側に向かって前記通路(44)を通って移動され得るように、前記部材(30)に対して移動可能である、ロボティックアームエンドエフェクタ。
[C22]
前記穿孔工具(38)が、前記穿孔工具(38)の長手方向軸が前記通路(44)の軸と位置合わせされ得るように、前記部材(30)に対して移動可能である、[C21]に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C23]
前記部材(30)の前記前側から前記部材(30)の前記後側に向かって前記通路(44)を通過する光を測定するように構成された光検出システム(40)をさらに備える、[C21]または[C22]に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C24]
前記光検出システム(40)が、前記光検出システム(40)が前記通路(44)の軸と位置合わせされ得るように、前記部材(30)に対して移動可能である、[C23]に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C25]
回転可能部分(34)をさらに備えるエンドエフェクタであり、
前記穿孔工具(38)が、前記回転可能部分(34)上に載置され、
前記光検出システム(40)が、前記回転可能部分(34)上に載置され、
前記回転可能部分(34)が、第1の位置と第2の位置との間で回転可能であり、
前記第1の位置が、前記穿孔工具(38)の長手方向軸が前記通路(44)の軸と位置合わせされ、かつ前記光検出システム(40)が前記通路(44)の前記軸と位置合わせされないような位置であり、
前記第2の位置が、前記穿孔工具(38)の前記長手方向軸が前記通路(44)の前記軸と位置合わせされず、かつ前記光検出システム(40)が前記通路(44)の前記軸と位置合わせされるような位置である、[C23]または[C24]に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C26]
ロボティックアームに結合するためのフレーム(26)と、センサ(32)とをさらに備えるエンドエフェクタであり、
前記部材(30)が、前記フレーム(26)に対して移動可能であり、
前記センサ(32)が、前記フレーム(26)に対して前記部材(30)が移動する距離を測定するように構成される、[C21]から[C25]のいずれか一項に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C27]
穿孔される部品(2、100)の表面の少なくとも一部分をその前側で押圧するための部材(52)と、
照明システム(54)とを備え、
前記部材(52)が、前記部材(52)の後側から前記部材(52)の前側に向かってその構造を貫く通路(53)を備え、
前記照明システム(54)が、前記部材(52)の前記後側から前記部材(52)の前記前側に向かって前記通路(53)を通して光を照射するように構成される、ロボティックアームエンドエフェクタ。
[C28]
前記部材(52)が、その前側に向かって先細になっている、[C27]に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C29]
前記部材(52)が、円錐台形の形状を有し、前記通路(53)が、前記円錐台形の軸に沿っている、[C28]に記載のロボティックアームエンドエフェクタ。
[C30]
穿孔装置の少なくとも一部分および前記穿孔装置によって穿孔される部品(2、100)の少なくとも一部分をモデル化する方法であり、前記穿孔装置が、部材(30)と穿孔工具(38)とを備え、前記部材(30)が、前記部品(2、100)の表面の少なくとも一部分を押圧するためのものである方法であって、
前記部品(2、100)の前記表面の少なくとも一部のモデルを備える第1のコンピュータモデル(104)を準備することと、
前記部材(30)の少なくとも一部のモデルを備える第2のコンピュータモデル(106)を準備することと、
前記穿孔工具(38)が前記穿孔工具(38)によって穿孔される前記表面上の1つの点と位置合わせされ、前記部材(30)が前記表面上の前記少なくとも一部分に押圧されている場合に前記第1のコンピュータモデル(104)と前記第2のコンピュータモデル(106)の相対位置が前記表面と前記部材(30)の相対位置と実質的に同じになるように、前記第1および第2のコンピュータモデル(104、106)を位置決めすることと、
前記コンピュータモデル(104、106)を使用して、前記部品(2、100)の前記表面に穿孔するために前記穿孔工具(38)が移動される距離を決定することとを備える、方法。
[C31]
[C30]に記載の方法を実行することと、
前記穿孔工具(38)を前記穿孔工具(38)によって穿孔される前記表面上の前記点と位置合わせすることと、
前記部材(30)を前記部品(2、100)の前記表面の前記少なくとも一部分に押圧することと、
前記穿孔工具(38)が前記穿孔工具(38)によって穿孔される前記表面上の前記点と位置合わせされ、前記部材(30)が前記部品(2、100)に押圧されたときに、前記部品(2、100)の前記表面を穿孔することとを備え、
前記穿孔ステップが、前記穿孔工具(38)を前記決定された距離だけ移動させることを備える、穿孔方法。
[C32]
前記部品(2、100)を保持し、前記部品(2、100)の少なくとも一部分の撓みを防止するように、前記部材(30)によって押圧される前記部品(2、100)の側面と反対側の前記部品(2、100)の側面に別の部材(52)を押圧することをさらに備え、
前記穿孔ステップが、前記部品(2、100)が前記部材(30)および前記別の部材(52)によって押圧されたときに実行され、
前記穿孔ステップが、撓みが防止される前記部品(2、100)の前記少なくとも一部分の表面に穿孔するように実行される、[C31]に記載の方法。
[C33]
前記穿孔ステップが、予め穿孔された孔(4、102)を所定の深さまで皿もみするように実行され、前記予め穿孔された孔(4、102)が、前記部品(2、100)の一方の側面から反対側の側面に向かって前記部品(2、100)を貫く、[C31]または[C32]に記載の方法。
[C34]
前記予め穿孔された孔(4、102)を通して光を照射することと、
前記光が前記予め穿孔された孔(4、102)を通して照射された後で、前記光を測定することと、
前記光の前記測定値を使用して、前記装置の少なくとも一部によって実行される第1のアクションを決定することと、
前記装置の前記少なくとも一部によって前記第1のアクションを実行することとをさらに備え、
前記第1のアクションが、前記装置の前記少なくとも一部によって実行される場合に、前記穿孔工具(38)が前記予め穿孔された孔(4、102)と位置合わせされるように行われる、[C33]に記載の方法。
[C35]
前記光が、前記第2のロボット(12)に結合された照明システム(54)によって照射され、
前記光が、前記第1のロボット(10)に結合された光検出システム(40)によって検出され、
前記光検出システムが、前記穿孔工具(38)に結合され、
前記第1のアクションの前記決定が、前記穿孔工具(38)と前記光検出システム(40)の既知の相対位置を用いることを備える、[C34]に記載の方法。
[C36]
前記部品(2、100)の表面を複数の点で測定することと、
前記表面の前記測定値を用いて、前記装置の少なくとも一部によって実行される第2のアクションを決定することと、
前記装置の前記少なくとも一部によって前記第2のアクションを実行することとをさらに備え、
前記第2のアクションが、前記装置の前記少なくとも一部によって実行された場合に、前記穿孔工具(38)が前記部品(2、100)の前記表面に対して所定の角度で位置決めされるように行われる、[C31]から[C35]のいずれか一項に記載の方法。
[C37]
前記部品(2、100)の前記表面上の前記複数の点が、前記穿孔工具(38)を使用して穿孔される前記表面上の1つの点の近傍にある、[C36]に記載の方法。
[C38]
前記部材(30)が、前記穿孔工具(38)に対して移動可能であり、
前記部材(30)を前記部品(2、100)の側面に前記押圧することが、前記部材(30)を前記穿孔工具(38)に対して特定の距離だけ移動させることを備える方法であり、
前記部材(30)が前記穿孔工具(38)に対して移動する前記特定の距離を測定することをさらに備え、
前記部品(2、100)の前記表面を穿孔するために前記穿孔工具(38)が移動される距離を決定する前記ステップが、前記センサ測定値を用いることを備える、[C31]から[C37]のいずれか一項に記載の方法。
[C39]
前記穿孔ステップ中に削り屑を排出することをさらに備える、[C31]から[C38]のいずれか一項に記載の方法。
[C40]
前記部材(30)が、第1のロボティックアームに結合され、前記別の部材(52)が、第2のロボティックアームに結合される、[C32]、または[C32]を引用する場合の[C33]から[C39]のいずれか一項に記載の方法。
[C41]
穿孔装置の少なくとも一部分および前記穿孔装置によって穿孔される部品(2、100)の少なくとも一部分をモデル化する装置であり、前記穿孔装置が、部材(30)と穿孔工具(38)とを備え、前記部材(30)が、前記部品(2、100)の表面の少なくとも一部分を押圧するためのものである装置であって、
前記部品(2、100)の前記表面の少なくとも一部のモデルを備える第1のコンピュータモデル(104)を準備し、
前記部材(30)の少なくとも一部のモデルを備える第2のコンピュータモデル(106)を準備し、
前記穿孔工具(38)が前記穿孔工具(38)によって穿孔される前記表面上の1つの点と位置合わせされ、前記部材(30)が前記表面上の前記少なくとも一部分に押圧されている場合に前記第1のコンピュータモデル(104)と前記第2のコンピュータモデル(106)の相対位置が前記表面と前記部材(30)の相対位置と実質的に同じになるように、前記第1および第2のコンピュータモデル(104、106)を位置決めし、
前記コンピュータモデル(104、106)を使用して、前記部品(2、100)の前記表面に穿孔するために前記穿孔工具(38)が移動される距離を決定する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサを備える、装置。
[C42]
コンピュータシステムによって実行されたときに、前記コンピュータシステムを、[C11]から[C20]のいずれか一項または[C30]から[C40]のいずれか一項に記載の方法に従って動作させるように構成された、1つまたは複数のコンピュータプログラム。
[C43]
[C42]に記載の1つのコンピュータプログラム、または[C42]に記載の複数のコンピュータプログラムのうちの少なくとも1つを格納する、機械可読記憶媒体。