(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5911991
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
A63H 29/22 20060101AFI20160414BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20160414BHJP
H01H 27/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
A63H29/22 A
A63H5/00 C
H01H27/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-156936(P2015-156936)
(22)【出願日】2015年8月7日
【審査請求日】2016年1月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江島 多規男
【審査官】
植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】
実公平5−38784(JP,Y2)
【文献】
実公昭50−18626(JP,Y2)
【文献】
特許第4872019(JP,B1)
【文献】
特開昭53−47980(JP,A)
【文献】
特許第3052283(JP,B2)
【文献】
特開平10−79215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
H01H27/00−27/10
E05B27/00−27/10
E05B35/00−35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に設置され、第1の方向に所定間隔で配置される部分を有し、当該部分が互いに離接方向に動作可能で且つ互いに接近する方向に所定の付勢力で付勢された複数の作動片と、
前記ケースに形成されたキー挿入孔に前記第1の方向に沿って差込み可能に構成されたキーと、
を備え、
前記複数の作動片の各々には被押圧部が形成され、前記複数の作動片の前記被押圧部は前記第1の方向で互いに重ならないように配置され、
前記キーには、前記キー挿入孔への差込みによって前記複数の作動片の1以上の前記被押圧部を選択的に押圧し、押圧された前記被押圧部に対応する前記作動片を前記所定の付勢力に抗して動作させる押圧部が形成されている、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記キーとして、互いに異なる前記作動片又は前記作動片の組を動作させることが可能な複数種類のキーを備えることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記複数の作動片の前記被押圧部は孔の縁部によって形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記複数の作動片の前記孔は互いに相似形となっていることを特徴とする請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記複数の作動片の前記孔は、前記キー挿入孔側から前記第1の方向に沿って見たときに入れ子式状態に配置され、先端側に向けて階段状に断面サイズが小さくなっている前記キーを備えることを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記複数の作動片は、1つの支持軸に対して回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記複数の作動片の前記被押圧部は、前記支持軸に直交する方向に長軸を有する楕円形の孔の縁部によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記複数の作動片のいずれかの前記作動片の動作によってON又はOFFされるスイッチを備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記ケースは形象物玩具の外郭から構成され、前記スイッチは前記形象物玩具の動作を制御するためのスイッチであることを特徴とする請求項8に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入力装置としてスイッチ作動機構を備えた動作玩具が知られている。この動作玩具では、例えば、玩具にキーを挿入することによって玩具内のスイッチを作動させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この玩具のスイッチ作動機構は、キーを玩具内に挿入し、そのキーを回転させることによって、その回転域に配置した複数のスイッチを作動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4872019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献1のスイッチ作動機構では、スイッチを作動させるための動作として、先ずキーを玩具内に挿入する第1動作と、そのキーを回転させる第2の動作を必要とする。
【0006】
本発明は、所定のキーをケースに差し込むだけで所望の動作をさせることができる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の入力装置は、
ケース内に設置され、第1の方向に所定間隔で配置される部分を有し、当該部分が互いに離接方向に動作可能で且つ互いに接近する方向に所定の付勢力で付勢された複数の作動片と、
前記ケースに形成されたキー挿入孔に前記第1の方向に沿って差込み可能に構成されたキーと、
を備え、
前記複数の作動片の各々には被押圧部が形成され、前記複数の作動片の前記被押圧部は前記第1の方向で互いに重ならないように配置され、
前記キーには、前記キー挿入孔への差込みによって前記複数の作動片の1以上の前記被押圧部を選択的に押圧し、押圧された前記被押圧部に対応する前記作動片を前記所定の付勢力に抗して動作させる押圧部が形成されている、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の入力装置は、請求項1に記載の入力装置であって、前記キーとして、互いに異なる前記作動片又は前記作動片の組を動作させることが可能な複数種類のキーを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の入力装置は、請求項1又は請求項2に記載の入力装置であって、前記複数の作動片の前記被押圧部は孔の縁部によって形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の入力装置は、請求項3に記載の入力装置であって、前記複数の作動片の前記孔は互いに相似形となっていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の入力装置は、請求項4に記載の入力装置であって、前記複数の作動片の前記孔は、前記キー挿入孔側から前記第1の方向に沿って見たときに入れ子式状態に配置され、先端側に向けて階段状に断面サイズが小さくなっている前記キーを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の入力装置は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の入力装置であって、前記複数の作動片は、1つの支持軸に対して回動可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の入力装置は、請求項6に記載の入力装置であって、前記複数の作動片の前記被押圧部は、前記支持軸に直交する方向に長軸を有する楕円形の孔の縁部によって形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の入力装置は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の入力装置であって、前記複数の作動片のいずれかの前記作動片の動作によってON又はOFFされるスイッチを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の入力装置は、請求項8に記載の入力装置であって、前記ケースは形象物玩具の外郭から構成され、前記スイッチは前記形象物玩具の動作を制御するためのスイッチであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、キーをケース内に挿入するだけで、対応する作動片を動作させることができるので、この入力装置を組み込んだ機器等に所望の動作をさせることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、複数種類のキーを使用することによって、この入力装置を組み込んだ機器等に様々な態様の動作をさせることができる。
【0018】
請求項3及び請求項4の発明によれば、被押圧部が孔の縁部によって形成されているので、作動片への被押圧部の形成が簡単に行えることになる。また、孔の周囲の縁部の広い範囲を押圧することができるので、確実に作動片を動作させることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、階段状の断面サイズとすることで、キーの形成が簡単に行えることになる。
【0020】
請求項6の発明によれば、複数の作動片を1つの支持軸に設けたので、入力装置をコンパクトに構成できる。
【0021】
請求項7の発明によれば、孔が楕円形となっているので、作動片の回動の際にも、確実に作動片を動作させることができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、キーをケース内に挿入するだけで、対応する作動片を動作させ、所望のスイッチを動作させることができる。
【0023】
請求項9の発明によれば、キーをケース内に挿入するだけで、形象物玩具に所望の動作をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る入力装置が組み込まれた人形型ロボットを示した斜視図である。
【
図2】本発明に係る入力装置を示した斜視図である。
【
図3】
図2における入力装置の要部を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る入力装置を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0026】
(全体構成)
図1に示した人形型ロボット1は、車両を展開して人形型ロボット1に変身させたものである。この人形型ロボット1は、腕部1aおよび脚部1bに車輪2をそれぞれ備えている。この車輪2は、人形型ロボット1のときには装飾として機能し、車両に変身させたときには走行機能を発揮する。
この人形型ロボット1の胸部1cの内側には、
図2に示すような入力装置3が組み込まれている。入力装置3は、3組のスイッチ11,12,13を備え、この3組のスイッチ11,12,13を、人形型ロボット1の胸部1cの前面ケースに形成されたキー挿入孔14に所定のキー30(
図2参照)を差し込むことによって、選択的に作動させて所定の音声を発するように構成されている。
【0027】
(細部構成)
1.スイッチ機構部10について
上述のように、入力装置3はスイッチ機構部10を備えている。そして、このスイッチ機構部10は3組のスイッチ11,12,13を備え、これら3組のスイッチ11,12,13は人形型ロボット1の左右方向に並んで設けられている。スイッチ11,12,13は、アクチュエータ11a,12a,13a(
図3参照)を作動させることによって、互いに導通される端子の組11b,12b、13bを備えている。
【0028】
2.作動片15,16,17について
スイッチ機構部10の前側には、
図3に示すように、作動片15,16,17が設けられている。作動片15,16,17の基部15a,16a,17aは人形型ロボット1の左右方向に並ぶように配置されている。この基部15a,16a,17aは、1つの軸18によって支持されている。そして、作動片15,16,17は軸18を中心に回動可能に構成されると共に、各作動片15,16,17は、軸18に巻装されたトーションスプリング(図示せず)によって前方に向けて付勢されている。作動片15,16,17の上端部は当接部15b,16b,17bを構成している。この当接部15b,16b,17bはスイッチ11,12,13に1対1で対応し、対応するスイッチ11,12,13のアクチュエータ11a,12a,13aの前方に位置している。当接部15b,16b,17bは、軸18を中心にスイッチ11,12,13の方向に回動した際に、対応するアクチュエータ11a,12a,13aに当接して当該アクチュエータ11a,12a,13aを作動させる。
【0029】
作動片15の中間部15cは、作動片17の前方位置で作動片16に向けて延設されている。また、作動片16の中間部16cは、作動片15の中間部15cの後方、且つ、作動片17の前方位置で作動片15に向けて延設されている。このように、作動片15の中間部15cと、作動片16の中間部16cと、作動片17とは、互いに前後方向に適宜間隔をもって重なるように配置されている。
【0030】
作動片15、16の中間部15c,16cには、孔19,20が形成されている。孔19,20は、軸18に直交する方向に長軸を有する楕円形に形成されている。この孔19,20は、作動片15,16が初期位置にあるときに、キー挿入孔14と同心上に位置している。また、孔19は孔20と相似形で且つ孔20よりも径サイズが大きく設定され、キー挿入孔14側から見たときに入れ子式状態に配置されている。なお、作動片15、16にあっては孔19,20の縁部が被押圧部を構成している。また、作動片17にも被押圧部が構成されているが、この作動片15,16,17の被押圧部は、キー30の挿入方向で互いに重ならないように配置される。
【0031】
3.キー挿入孔14について
人形型ロボット1の胸部1cにはキー挿入孔14が形成されている。このキー挿入孔14は、円形であり、上記孔19の短軸のサイズよりも大きい径サイズを有している。
【0032】
4.キー30について
入力装置3は、
図5及び
図6に示すような7種類のキー30a〜30g(特に区別しない場合には符号30を用いる。)を備えている。
図4はその一例を示している。このキー30の後端には装飾用の摘みが取り付けられていて、キー挿入孔14に差し込んだ際には人形型ロボット1の胸部1cを装飾する。装飾用の摘みはキー30の種類毎にその形態が異なっていてもよい。なお、このキー30は人形型ロボット1に合体可能な他のロボットに設けられていてもよい。
このキー30a〜30gは、ガイド軸31a単独で構成されるか、ガイド軸31aと、軸31b及び/又は軸31cとを適宜に組み合わせて構成されている。ガイド軸31aと、軸31b及び/又は軸31cとを組み合わせる場合には、先端側に向けて階段状に断面サイズが小さくなっている。ガイド軸31aは大径となっており、長尺のもの、短尺のものが使用されている。軸31bは中径となっており、長尺のもの、短尺のものが使用されている。また、軸31cは小径となっており、長尺のもの、中尺のもの、短尺のものが使用されている。
ここで、「大径」、「中径」及び「小径」の語は、ガイド軸31a、軸31b及び軸31cの間の相対的な径サイズを表すために使用されている。
ガイド軸31aは、人形型ロボット1の胸部1cに形成されたキー挿入孔14よりも僅かに小さな径サイズで且つ孔19の短軸よりも大きな径サイズに形成されている。
また、軸31bは、孔19の短軸よりも僅かに小さな径サイズで且つ孔20の短軸よりも大きな径サイズに形成されている。
また、軸31cは、孔20の短軸よりも僅かに小さな径サイズで形成されている。
【0033】
(1)キー30aについて(
図5(A))
キー30aは長尺のガイド軸31aから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30aを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0034】
(2)キー30bについて(
図5(B))
キー30bは、短尺のガイド軸31aと、その先の長尺の軸31bとから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30bを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部を押圧しない程度の長さサイズに形成されている。また、軸31bは、キー30bを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片16の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0035】
(3)キー30cについて(
図5(C))
キー30cは、短尺のガイド軸31aと、その先の長尺の軸31cとから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30cを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部を押圧しない程度の長さサイズに形成されている。また、軸31cは、キー30aを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片17の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0036】
(4)キー30dについて(
図5(D))
キー30dは、長尺のガイド軸31aと、その先の短尺の軸31bとから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30dを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。また、軸31bは、キー30dを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片16の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0037】
(5)キー30eについて(
図6(A))
キー30eは、長尺のガイド軸31aと、その先の中尺の軸31cとから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30eを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。また、軸31cは、キー30eを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片17の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0038】
(6)キー30fについて(
図6(B))
キー30fは、短尺のガイド軸31aと、その先の長尺の軸31bと、その先の短尺の軸31cとから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30fを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部を押圧しない程度の長さサイズに形成されている。また、軸31bは、キー30fを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片16の被押圧部を押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。さらに、軸31cは、キー30fを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片17の被押圧部を押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0039】
(7)キー30gについて(
図6(C))
キー30gは、長尺のガイド軸31aと、その先の短尺の軸31bと、その先の短尺の軸31cとから構成されている。すなわち、ガイド軸31aは、キー30gを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片15の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。また、軸31bは、キー30gを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片16の被押圧部だけを押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。さらに、軸31cは、キー30gを差し込んだ際に先端の押圧部で作動片17の被押圧部を押圧することができる程度の長さサイズに形成されている。
【0040】
5.入力装置3の動作について
(1)キー30aを使用した場合
キー30aを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図5(A)に示すように、ガイド軸31aの先端の押圧部が作動片15の被押圧部を押圧し、その作動片15をトーションスプリングの付勢力に抗して回動させる。したがって、スイッチ11のアクチュエータ11aが作動される。この場合、他の作動片16,17が押圧されることはなく、スイッチ12,13は作動されない。
【0041】
(2)キー30bを使用した場合
キー30bを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図5(B)に示すように、軸31bの先端の押圧部が作動片15の孔19を通過して作動片16の被押圧部を押圧し、その作動片16をトーションスプリングの付勢力に抗して回動させる。したがって、スイッチ12のアクチュエータ12aが作動される。この場合、他の作動片15,17は押圧されることがなく、スイッチ11,13は作動されない。
【0042】
(3)キー30cを使用した場合
キー30cを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図5(C)に示すように、軸31cの先端の押圧部が作動片15,16の孔19,20を通過して作動片17の被押圧部を押圧し、その作動片17をトーションスプリングの付勢力に抗して回動させる。したがって、スイッチ13のアクチュエータ13aが作動される。この場合、他の作動片15,16は押圧されることはなく、スイッチ11,12は作動されない。
【0043】
(4)キー30dを使用した場合
キー30dを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図5(D)に示すように、ガイド軸31aの先端の押圧部が作動片15の被押圧部を押圧し、軸31bの先端の押圧部が孔19を通過して作動片16の被押圧部を押圧し、その作動片15,16をトーションスプリングの付勢力に抗し回動させる。したがって、スイッチ11,12のアクチュエータ11a,12aが作動される。この場合、他の作動片17が押圧されることはなく、スイッチ13は作動されない。
【0044】
(5)キー30eを使用した場合
キー30eを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図6(A)に示すように、ガイド軸31aの先端の押圧部が作動片15の被押圧部を押圧し、軸31cの先端の押圧部が孔19,20を通過して作動片17の被押圧部を押圧し、その作動片15,17をトーションスプリングの付勢力に抗して回動させる。したがって、スイッチ11,13のアクチュエータ11a,13aが作動される。この場合、他の作動片16が押圧されることはなく、スイッチ12は作動されない。
【0045】
(6)キー30fを使用した場合
キー30fを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図6(B)に示すように、軸31bの先端の押圧部が作動片15の孔19を通過して作動片16の被押圧部を押圧し、軸31cの先端の押圧部が孔19,20を通過して作動片17の被押圧部を押圧し、その作動片16,17をトーションスプリングの付勢力に抗して回動させる。したがって、スイッチ12,13のアクチュエータ12a,13aが作動される。この場合、他の作動片15が押圧されることはなく、スイッチ11は作動されない。
【0046】
(7)キー30gを使用した場合
キー30gを人形型ロボット1のキー挿入孔14に挿入した場合には、
図6(C)に示すように、ガイド軸31aの先端の押圧部が作動片15の被押圧部を押圧し、軸31bの先端の押圧部が作動片15の孔19を通過して作動片16の被押圧部を押圧し、軸31cの先端の先端部が孔19,20を通過して作動片17の被押圧部を押圧し、その作動片15,16,17をスプリングの付勢力に抗して回動させる。したがって、スイッチ11,12,13のアクチュエータ11a,12a,13aが作動される。
【0047】
このような入力装置3を備えた人形型ロボット1では、例えば、スイッチ11,12,13のON信号が制御回路に送信され、そのON信号の態様に応じた音声出力がなされる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、3つのスイッチ11a,12a,13aをONさせる場合を示したが、常閉型スイッチをOFFさせるものであってもよいし、また、2つのスイッチ又は4つ以上のスイッチの場合にも適用することができる。
【0049】
また、上記実施形態では、3つのスイッチ11a,12a,13aをONさせる場合を示したが、作動片16,17の動作によってスイッチ以外の動作部品を一時的に動作させる場合にも適用できる。
【0050】
さらに、上記実施形態では、作動片15,16,17が回動されるため、作動片に形成した孔19,20を軸31a,31b,31cとの干渉を避けて楕円形に形成しているが、作動片15,16,17を軸心と平行な方向へスライド可能に配設した場合には、円形にすることができる。
【0051】
また、上記実施形態では、孔19,20の縁部を被押圧部としたが、作動片の端部の縁部や切欠きの縁部を被押圧部とすることもできる。
【0052】
さらに、本発明の入力装置3は、人形型ロボットばかりでなく、車両玩具等の他の玩具に適用することができ、制御態様も音声,光等の表示ばかりでなく、予め設定した複数種類の動作の制御も可能であり、また、操作する人を特定する認証にも使用することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、押圧部の付設態様が異なる複数種類のキーを使用したが、1つのキーの外周方向に付設態様が異なる押圧部を設けておき、その差込みの角度によって、複数の作動片を動作させることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 人形型ロボット
3 入力装置
10 スイッチ機構部
11,12,13 スイッチ
14 キー挿入孔
15,16,17 作動片
18 支持軸
19,20 孔
30,30a〜30g キー
【要約】
【課題】複数種類のキーの一つを機器ケースに挿入するだけで選択された複数のスイッチを作動させることができるスイッチ作動機構を提供することを目的とする。
【解決手段】ケース1内に設置され、第1の方向に所定間隔で配置される部分を有し、当該部分が互いに離接方向に動作可能で且つ互いに接近する方向に所定の付勢力で付勢された複数の作動片15,16,17と、前記ケース1に形成されたキー挿入孔14に前記第1の方向に沿って差込み可能に構成されたキー30と、を備え、前記複数の作動片15,16,17の各々には被押圧部が形成され、前記複数の作動片の前記被押圧部は前記第1の方向で互いに重ならないように配置され、前記キー30には、前記キー挿入孔への差込みによって前記複数の作動片の1以上の前記被押圧部を選択的に押圧し、押圧された前記被押圧部に対応する前記作動片を前記所定の付勢力に抗して動作させる押圧部が形成されている。
【選択図】
図2