(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
サーマルプリンタとして、ラインサーマルヘッド(以下、サーマルヘッドと称する)とこれに接するプラテンローラとが筐体内部に一体的に組み合わされた状態で設けられているものが知られている。しかしながら、この場合には、記録紙のセット時、紙ジャム処理時、或いはサーマルヘッドやプラテンローラ等のメンテナンス時、交換時等の際、サーマルヘッドとプラテンローラとが一体的に組み合わされているので、作業性が悪いものであった。
【0003】
そこで、サーマルヘッドとプラテンローラとが分離可能に組み合わされたサーマルプリンタが提供されている。例えば、ロール紙を収納する筐体側にサーマルヘッドを有するヘッドユニットを取り付け、筐体に対して開閉操作可能に連結されたプリンタカバー側にプラテンローラを有するプラテンユニットを取り付け、プリンタカバーの開閉操作に伴って、サーマルヘッドとプラテンローラとを分離可能に組み合わせることができるサーマルプリンタが知られている。
【0004】
このタイプのサーマルプリンタでは、通常、プリンタカバーを閉めた際に、プラテンローラを着脱自在に保持するロック機構を具備しており、これによりサーマルヘッドに対してプラテンローラの全体が均一に圧接した状態で組み合わされるように構成されている。
上記ロック機構としては、例えばプラテン軸の両端部に設けられた軸受を、筐体側のヘッドユニットに設けられたラッチで着脱自在に保持するものが知られている。この場合には、プラテンローラのロックと同時に、プリンタカバー自体もロックがなされる。
【0005】
しかしながら、実際には構成部品の部品精度誤差や、組み立て誤差等が生じてしまうため、プリンタカバーを閉じた際に、プラテンローラのロックが不十分であったり、ロックそのものができなかったりする場合や、ロックがされてもサーマルヘッドに対してプラテンローラの全体が均一に接触しない等の不具合が生じ易いものであった。そこで、部品精度誤差や組み立て誤差等を吸収するための対策が考えられている。
【0006】
その1つとして、プラテンローラを軸支している上記プラテンユニットを、プリンタカバーに対して移動自在に取付ける方法が知られている。この場合、プラテンユニットは、プリンタカバーの平面内においてサーマルヘッドに対してプラテンローラが接近離間する方向に沿って移動自在に取付けられている。
これにより、部品精度誤差や組み立て誤差等があったとしても、プリンタカバーの閉動作に伴ってプラテンユニット自体が適宜上記方向に移動するので、各種誤差を吸収しながらロック機構がプラテンローラをロックすることが可能とされている。また、これにより、プリンタカバー自体もロックがなされる。
【0007】
なお、開閉可能なプリンタカバーを具備するプリンタにおいて、がたつき少なくプリンタカバーをロックすることができるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した従来の方法には、下記の課題が残されていた。
通常、プリンタカバーの開操作を行う場合には、ロック機構を解除する解除部(解除レバーや解除ボタン等)を操作する必要があるので、ユーザーに共通の操作を行わせることが可能であるが、閉操作を行う場合には、プリンタカバーの任意の位置を押し下げ操作することが可能であるので、ユーザーによってその押し下げ位置が異なってしまう。
例えば、プリンタカバーのうち、該プリンタカバーに取付けられているプラテンローラの長手方向の中央部に相当する部分を押し下げ操作する場合や、プラテンローラの端部に相当する部分を押し下げ操作する場合等、その押し下げ位置は同一箇所に限られるものではない。
【0010】
ここで、ユーザーが、プリンタカバーのうち、プラテンローラの一端部に相当する部分を押し下げ操作(片押し操作)した場合、その押圧力はプラテン軸に取付けられた一方の軸受側に集中して伝わる。そのため、プラテンユニットは、平行移動するのではなく、斜めに傾くように移動し易かった。その結果、一方の軸受側だけロックがなされ、他方の軸受側がロックされない或いはロックが不十分とされた、片締まりという不具合が生じ易かった。
この片締まりが生じると、サーマルヘッドに対してプラテンローラが均一に適度な接触圧で接触しないので、印字不良や印字品質の低下を招いてしまううえ、紙ジャム等を発生させ易くなってしまものであった。
【0011】
また、上記特許文献1に記載のインクジェットプリンタをサーマルプリンタに採用したとしても、がたつきが少なくプリンタカバーをロックすることは可能であるが、その際に、サーマルヘッドに対してプラテンローラを均一に適度な接触圧で接触させるには、上述した対策が依然として必要とされるものであった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、片締まりを発生させることなく、サーマルヘッドとプラテンローラとを最適なセット状態で確実に組み合わせることができるサーマルプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係るサーマルプリンタは、記録紙が収納される筐体本体、及び該筐体本体に開閉可能に連結された蓋体を具備する筐体内に組み込まれたサーマルプリンタであって、前記筐体本体に設けられ、サーマルヘッドを有するヘッドユニットと、前記蓋体に設けられ、前記記録紙を紙送りするプラテンローラを有すると共に、前記蓋体の開閉操作に伴って前記ヘッドユニットに対して分離可能に組み合わされるプラテンユニットと、を備え、前記プラテンユニットは、前記プラテンローラを軸支すると共に係合部を有する支持体を備え、前記ヘッドユニットは、前記係合部に係合可能なラッチを有し、前記蓋体の閉操作に伴って該ラッチを前記係合部に係合させてロックすると共に、該ロック時に前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとを圧接させた状態で組み合わせるロック機構を備え、前記プラテンユニットは、前記支持体を介して、前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラが接近離間する特定方向に沿ってスライド移動自在に前記蓋体に取付けられ、前記蓋体と前記支持体との間には、前記特定方向のうち前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラが接近する方向に前記プラテンユニットを付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るサーマルプリンタによれば、蓋体を閉操作することで、該蓋体に設けられているプラテンユニットを筐体本体側に設けられているヘッドユニットに対して接近させることができ、蓋体を完全に閉じると、ロック機構のラッチが係合部に係合する。これにより、サーマルヘッドとプラテンローラとを所定の圧力で圧接させた状態で、ヘッドユニットとプラテンユニットとを組み合わせてロックすることができる。また、両ユニットのロックによって、筐体本体に対する蓋体のロックも同時に行うことができる。
【0015】
特に、プラテンユニットは、蓋体に対して一体的に固定されているのではなく、支持体を介して上記特定方向に沿ってスライド移動自在に取付けられている。従って、各構成品の部品精度誤差や組み立て誤差等があったとしても、蓋体の閉操作中に、これら各誤差をプラテンユニットの全体が適宜スライド移動することで吸収することができる。これにより、係合部に対して確実にラッチを係合させることができる。
しかも、プラテンユニットは、付勢部材によってサーマルヘッドに対してプラテンローラが接近する方向に常時付勢されているので、例えば蓋体の押し下げ位置の影響によってプラテンユニットが一旦傾くように移動したとしても、付勢力によってプラテンユニットの姿勢を元の状態に復帰させることができる。
従って、従来のような片締まりを発生させることなく、サーマルヘッドとプラテンローラとを最適なセット状態で確実に組み合わせることができ、高品質な印字を行うことができるうえ、紙ジャム等の発生を抑制することができる。
【0016】
(2)上記本発明に係るサーマルプリンタにおいて、前記プラテンローラは、プラテン軸の両端部に取付けられた一対の軸受部を介して前記支持体に軸支され、前記係合部は、前記一対の軸受部であることが好ましい。
【0017】
この場合には、プラテン軸の両端部に取付けられた一対の軸受部を係合部として利用できるので、部品数を低減でき、構成の簡略化を図ることができる。また、プラテンローラに組み付けられている一対の軸受部を、片締まりを発生させることなく確実にロックできるので、ヘッドユニットとプラテンユニットとの組み合わせをより安定にロックできると共に、ヘッドユニットに対してプラテンローラを全長に亘ってより均一に圧接させ易い。
【0018】
(3)上記本発明に係るサーマルプリンタにおいて、前記支持体には、前記蓋体に形成された切欠き部内に、前記特定方向へのスライド移動が許容され、且つ該特定方向以外への移動が規制された状態で係合する係合爪が設けられていることが好ましい。
【0019】
この場合には、支持体に形成された係合爪を蓋体側の切欠き部内に係合させるだけの簡便な作業で、プラテンユニットを特定方向に沿ってスライド移動自在に取付けることができるので、低コスト化及び組み立て性の向上化を図り易い。また、係合爪を切欠き部内に係合させた際、特定方向以外への移動が規制されているので、例えば蓋体からのプラテンユニットの脱落等を防止することができ、この点においても組み立て性を向上させ易い。
【0020】
(4)上記本発明に係るサーマルプリンタにおいて、前記付勢部材は、前記プラテンローラに沿って間隔を開けて複数設けられていることが好ましい。
【0021】
この場合には、複数の押圧部材により、プラテンユニットの全体を多点で均等に付勢できるので、片締まりの発生を抑制するといった上記作用効果をより顕著に奏効させることができる。
【0022】
(5)上記本発明に係るサーマルプリンタにおいて、固定刃及び可動刃を有し、前記記録紙を切断するカッター機構を備え、前記固定刃及び可動刃のうちの一方が前記ヘッドユニットに設けられ、他方が前記プラテンユニットに設けられていることが好ましい。
【0023】
この場合には、カッター機構を利用して印字された記録紙を切断することができ、例えばレシートやチケット等として利用することができる。特に、蓋体の開閉操作に伴って、固定刃と可動刃とを分離可能に組み合わせることができるので、両刃のメンテナンス等を容易に行い易い。また、片締まりを発生させることなく、ヘッドユニットとプラテンユニットとを組み合わせてロックすることができるので、可動刃及び固定刃に関しても互いに切断に最適な状態でセットすることができ、良好な切断機能を確保できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るサーマルプリンタによれば、片締まりを発生させることなく、サーマルヘッドとプラテンローラとを最適なセット状態で確実に組み合わせることができ、高品質な印字を行うことができるうえ、紙ジャム等の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、POSレジシステム等に用いられるサーマルプリンタを例に挙げて説明する。
【0027】
<サーマルプリンタの構成>
図1及び
図2に示すように、本実施形態のサーマルプリンタ1は、分離可能に組み合わされるヘッドユニット2とプラテンユニット3とを備え、感熱紙である記録紙Pがロール状に巻回されたロール紙Rを収容するいわゆるクラムシェル型のケーシング(筐体)4内に組み込まれている。なお、
図2では、ヘッドユニット2及びプラテンユニット3の図示を簡略化している。
【0028】
なお、本実施形態では、
図1に示す状態において、紙面に対して左側を前方、右側を後方、上側を上方、下側を下方とし、記録紙Pは上方に紙送りされるものとする。また、前後方向L1及び上下方向L3に対して直交する方向を左右方向L2とする。そのため、各図によっては各方向が逆になる場合もある。
【0029】
(ケーシング)
ケーシング4は、上方に開口すると共に、内部に上記ロール紙Rが収納されるロール紙収納部5が設けられたケーシング本体(筐体本体)10と、このケーシング本体10に対して回転軸部12を介して開閉可能に連結された蓋体11と、を備えている。回転軸部12は、ケーシング本体10における後方且つ上方側に取付けられている。これにより、蓋体11の先端部側を回転軸部12回りに略90度程度の範囲で大きく開閉することが可能とされている。
また、ケーシング本体10と蓋体11の先端部との間には、紙送りされた記録紙Pを上方に排出させる排出口6が形成されている。
【0030】
上記ケーシング本体10は、多数のパネル部材やフレーム等が組み合わさって構成される内部構造体15(
図3参照)と、この内部構造体15を外側から覆う外装パネル16と、を備えている。
図3に示すように、内部構造体15は、前方側に位置する前壁部15Aと、左右方向L2に向かい合う一対の側壁部15Bと、後方側に位置する図示しない後壁部と、で概略箱状に形成されており、これら各壁部で囲まれた空間を下方から塞ぐように底壁部15Cが設けられている。そして、これら前壁部15A、側壁部15B、後壁部及び底壁部15Cで囲まれる部分が、上記ロール紙収納部5として機能する。また、底壁部15Cの下方には、図示しないプラテン駆動用モータ等を収容する収容枠体15Dが連設されている。
【0031】
そして、上記した外装パネル16が、前壁部15A、側壁部15B、後壁部及び収容枠体15Dを外側から覆うように取付けられていることで、ケーシング本体10は
図1に示すようにシンプルな形状とされている。
【0032】
内部構造体15における一対の側壁部15Bには、後述するプラテンローラ35の一対の軸受部45が嵌め込まれる収納凹部20が形成されている。また、一方の側壁部15Bには、後述するプラテンローラ35や可動刃36を作動させるための各種ギアが取付けられている。この点は、後に説明する。
更に、一対の側壁部15B間には、互いを連結するように左右方向L2に延びた上記回転軸部12が取付けられている。この回転軸部12は、一対の側壁部15Bにおける後方側の上部に取付けられている。
【0033】
上記蓋体11は、
図1及び
図4に示すように、ケーシング本体10の開口を塞ぐ部材であって、その内面(下面)の略全体に亘って内面プレート21が固定ねじ等を利用して取付けられている。
この内面プレート21の外周縁部は、下方に折り曲げられた折曲壁21aとされており、このうち左右方向L2に向かい合う折曲壁21aの後端部には、上記回転軸部12が挿通される挿通孔22が形成されている。これにより、蓋体11は回転軸部12を介してケーシング本体10に開閉可能に連結されている。
【0034】
また、蓋体11における上面側の角部には、凹み形成された窪み部25が形成されており、この窪み部25内に解除レバー26が配設されている。この解除レバー26は、後述するロック機構75のロックを解除して蓋体11を開操作するためのレバーであり、上方に引き上げ操作可能とされている。
一方、蓋体11の内面側には、この解除レバー26に連動して作動する作動片27が取付けられている。この作動片27は、解除レバー26の引き上げ操作に伴って下方移動する凸部27a(
図8参照)を有している。
【0035】
(ヘッドユニット)
上記ヘッドユニット2は、
図2及び
図3に示すように、ケーシング本体10における内部構造体15の前壁部15Aに設けられたユニットであり、プラテンローラ35に対して適度な押圧力で押し付けられるサーマルヘッド30と、固定刃31と、を主に具備している。
【0036】
サーマルヘッド30は、記録紙Pの紙幅方向(左右方向L2)に沿ってライン状に並んだ複数の発熱素子30aを有するラインサーマルヘッドであって、プラテンローラ35に対して対向配置されている。なお、このサーマルヘッド30は、図示しないコイルバネ等によってプラテンローラ35側に付勢されている。これにより、プラテンユニット3とヘッドユニット2とが互いに組み合わされた際に、プラテンローラ35との間で記録紙Pを確実に挟み込み、該記録紙Pに対してサーマルヘッド30を押し付けることが可能とされている。
【0037】
固定刃31は、記録紙Pの紙幅方向(左右方向L2)に延びた板状の刃であり、サーマルヘッド30よりも上方側(記録紙Pの搬送方向の下流側)に配置されている。なお、この固定刃31は、刃先側が記録紙Pの搬送方向である上下方向L3に揺動自在とされていると共に、図示しないコイルバネ等によって上方側に付勢されている。
【0038】
(プラテンユニット)
プラテンユニット3は、
図1、
図2及び
図4に示すように、ロール紙Rから引き出された記録紙Pをケーシング4外に紙送りするプラテンローラ35と、可動刃36と、プラテン支持体(支持体)37と、を主に具備しており、蓋体11の内面に設けられたユニットされている。このため、プラテンユニット3は、蓋体11の開閉操作に伴って上記ヘッドユニット2に対して分離可能に組み合わせ可能とされている。
【0039】
なお、蓋体11が閉まることでプラテンユニット3とヘッドユニット2とが組み合わされたときに、
図2に示すように、プラテンローラ35に対してサーマルヘッド30が押し付けられると共に、固定刃31に対して可動刃36が向かい合うように構成されている。なお、可動刃36及び固定刃31でカッター機構38を構成している。
【0040】
図4〜
図6に示すように、上記プラテン支持体37は、プラテンローラ35を回転可能に支持するプラテンブロック40と、該プラテンブロック40を吊下げ状態で保持すると共に、蓋体11の内面側に取付けられるプラテンフレーム41と、を備えている。
つまり、プラテンユニット3は、プラテンフレーム41を介して蓋体11に取り付けられている。
【0041】
プラテンローラ35は、左右方向L2に延びるプラテン軸35aに巻回されたゴムローラであり、前方側に周面の一部が露出した状態でプラテンブロック40に形成された収納部内に収納されていると共に、プラテンブロック40の支持壁40aによって回転可能に支持されている。
詳細に説明すると、プラテンローラ35よりも左右方向L2の外側に延びたプラテン軸35aの両端部には、円筒状の軸受部45がそれぞれ被せられている。これにより、これら軸受部45を押さえ付けたとしても、プラテンローラ35を回転させることが可能とされている。なお、プラテン軸35aの一端部には、軸受部45よりも左右方向L2の外側に2段ギア46が回転フリーに装着されていると共に、該2段ギア46よりも左右方向L2の外側に従動ギア47が固定されている。
【0042】
上記支持壁40aは、プラテンローラ35の左右方向L2の両側に配設されて互いに対向する壁部であり、スリット孔を利用して上記軸受部45を挟み込んで固定している。これにより、プラテンローラ35は、収納部内に収納された状態で軸受部45を介して支持壁40aに回転可能に支持されている。
なお、一対の軸受部45は、支持壁40aよりも左右方向L2の外側に向けて延びており、蓋体11を閉じた際に
図7に示すように、内部構造体15の一対の側壁部15Bに形成された収納凹部20内に収納される。また、これら一対の軸受部45は、収納凹部20内に収納された状態で後述するラッチ70aに係合させられる係合部として機能する。
【0043】
図4〜
図6に示すように、プラテンブロック40には、左右方向L2に延びたシャフト50がプラテン軸35aと平行に挿通されている。このシャフト50は、プラテン軸35aよりも後方側に位置しており、その両端部はプラテンブロック40よりも左右方向L2の外側に突出している。そして、その突出した部分にそれぞれカッターギア51が取付けられている。この際、一方のカッターギア51は、プラテン軸35aに回転フリーに装着された2段ギア46における小ギアに噛合している。従って、一対のカッターギア51は、2段ギア46に伴って回転する。
【0044】
プラテンフレーム41は、プラテンブロック40を上方から覆う天板部41aと、該天板部41aの左右方向L2の両端部から下方に向けて折り曲げられ、プラテンブロック40を左右方向L2の両側から支持する支持片41bと、天板部41aの後端部から下方に向けて折り曲げられ、プラテンブロック40の後端部に連結された連結片41cと、を備えている。
つまり、このプラテンフレーム41は、支持片41b及び連結片41cを介して、プラテンブロック40を吊下げ状態で保持している。この際、天板部41aとプラテンブロック40との間には空間が確保されており、この空間を利用して可動刃36及び該可動刃36を固定する可動刃フレーム55が配設されている。
【0045】
上記可動刃36は、根元側から刃先までの長さが記録紙Pの紙幅方向両端から紙幅方向中央部に向かって漸次短くなるように形成された平面視V字型の板状の刃とされている。そして、この可動刃36は根元側が幅方向の全長に亘って可動刃フレーム55に固定されている。
【0046】
この可動刃フレーム55は、可動刃36の幅方向に沿って延在し、該可動刃36の根元側を支持する図示しない支持フレームと、該支持フレームの左右方向L2の両端部に連設され、可動刃36の幅方向両側において該可動刃36の刃先方向に延在したサイドフレーム55aと、を備えている。
サイドフレーム55aにおける後端側の下面には、上記したカッターギア51に噛合するラック56が形成されている。これにより、可動刃フレーム55は、カッターギア51の正逆回転に伴って往復移動させられ、それによって可動刃36を固定刃31に対して接近離間する方向(前後方向L1)にスライド移動させることが可能とされている。
【0047】
また、サイドフレーム55aにおける前端部分には、可動刃フレーム55のスライド方向に沿ってスリット孔57が形成されており、該スリット孔57内にプラテンブロック40から上方に向けて突出されたガイド突起58が挿入されている。これにより、可動刃フレーム55は、左右方向L2にがたつくことなくガイド突起58に案内されながらスライド移動することが可能とされていると共に、ガイド突起58に対してスリット孔57における開口端縁が接触することでその移動量が規制される。
【0048】
上記のように構成されたプラテンユニット3は、先に述べたようにプラテンフレーム41を介して蓋体11の内面に取付けられているが、より詳しくはサーマルヘッド30に対してプラテンローラ35が接近離間する前後方向L1(特定方向)に沿ってスライド移動自在に取付けられている。この点、詳細に説明する。
【0049】
まず、
図8に示すように、蓋体11の内面に取付けられた内面プレート21における前方部分には、左右方向L2に間隔を開けて一対の開口部(切欠き部)60が形成されている。また、内面プレート21のうち、左右方向L2に向かい合う折曲壁21aには、
図4及び
図9に示すように、側面視L字状の切欠溝(切欠き部)61がそれぞれ形成されている。この切欠溝61は、上方に開口していると共に前方に向けて切り欠きが延びることで側面視L字状に形成されている。
【0050】
一方、
図5に示すように、プラテンフレーム41の天板部41aには、一対の開口部60に係合する第1爪部(係合爪)65が左右方向L2に間隔を開けて一対形成されている。これら第1爪部65は、開口部60を通じて内面プレート21と蓋体11との隙間に入り込み、その状態で該開口部60に係合することが可能とされている。この際、第1爪部65は、開口部60に対して前後方向L1へのスライド移動が許容されると共にその前後方向L1以外への移動が規制された状態で係合する。
【0051】
また、プラテンフレーム41の左右方向L2の両側には、外方に向けて突出し、上記切欠溝61内に係合する第2爪部(係合爪)66が形成されている。
図9に示すように、これら第2爪部66は、第1爪部65と同様に、切欠溝61に対して前後方向L1へのスライド移動が許容されると共に、その前後方向L1以外への移動が規制された状態で係合する。
【0052】
このように、プラテンユニット3は、開口部60に対する第1爪部65の係合と、切欠溝61に対する第2爪部66の係合と、によって、
図4に示すように前後方向L1に沿ってスライド移動可能に内面プレート21に取り付けられている。
ところで、蓋体11とプラテン支持体37との間には、前後方向L1のうちサーマルヘッド30に対してプラテンローラ35が接近する前方にプラテンユニット3を付勢するコイルバネ(付勢部材)68が設けられている。
【0053】
詳細には、蓋体11の内面プレート21には、
図4及び
図8に示すように、上記開口部60よりも後方側に位置する部分に、プラテンフレーム41における連結片41cに対して対向するように上方に折り曲げられた支持片69が形成されている。この支持片69は、左右方向L2に間隔を開けて一対設けられている。そして、この一対の支持片69と連結片41cとの間に、
図4及び
図10に示すように、上記コイルバネ68が圧縮状態で設けられている。そのため、コイルバネ68は、その弾性復元力によりプラテンユニット3を前方側に押圧している。なお、コイルバネ68は、プラテンローラ35の長手方向に沿って間隔を開けて2つ配置されているので、プラテンユニット3の全体を均等に前方向に押圧している。
【0054】
上記したコイルバネ68による押圧によって、プラテンユニット3は前方向に常時付勢されているので、第1爪部65及び第2爪部66は、それぞれ開口部60内及び切欠溝61内から外れてしまうことが抑制されている。
しかも、本実施形態では、
図4に示すように、プラテンユニット3を内面プレート21に対して組み付けた後、プラテンフレーム41おける天板部41aの後端縁が接触する位置において規制ねじ67が内面プレート21に取付けられている。これにより、プラテンユニット3の後方移動が規制ねじ67によって規制されている。
なお、プラテンユニット3の前方への移動は、開口部60に対する第1爪部65の接触と、切欠溝61に対する第2爪部66の接触と、によって規制される。
【0055】
(ロック機構)
次に、蓋体11を閉じた際に、該蓋体11をロックすると同時に、ヘッドユニット2とプラテンユニット3との組み合わせをロックするロック機構について説明する。
図7に示すように、ヘッドユニット2は、側壁部15Bに形成された収納凹部20内に収納されたプラテンローラ35の軸受部45に対して係合可能なラッチ70aを有する回転板70を具備している。この回転板70は、側壁部15Bの内側において前後方向L1に回転自在に配設されており、図示しない付勢部材等によりラッチ70aが後方側に移動するように回転付勢されている。これにより、収納凹部20内にプラテンローラ35の軸受部45が収納されると、ラッチ70aが自然に軸受部45に係合されてロックがなされる。
【0056】
また、上記回転板70には、左右方向L2の外側に突出する挿入ピン71が一体的に連結されている。この挿入ピン71は、側壁部15Bに回転自在に取付けられた回転駒72の長穴72a内に挿入されている。この回転駒72は、先に述べた作動片27の凸部27aによって下方に押し下げられる押圧部72bを具備しており、該押し下げによって
図7に示すCW方向(時計回り)に回転させられる。よって、挿入ピン71は、回転駒72がCW方向に回転させられると、長穴72a内を移動しながらCCW方向(反時計回り)に回転させられる。これにより、回転板70を付勢力に抗して逆方向に回転させることができ、軸受部45に対するラッチ70aの係合を解除することが可能とされている。
上記した、ラッチ70aを有する回転板70、挿入ピン71及び回転駒72は、ロック機構75として機能する。
【0057】
(各種ギアの構成)
また、内部構造体15における側壁部15Bには、プラテンローラ35を回転するための駆動力、及び可動刃36をスライド移動させるための駆動力を伝達する各種のギアが取付けられている。この点について詳細に説明する。
【0058】
まず、側壁部15Bにおける収納凹部20の下方には、プラテンローラ35の従動ギア47に噛合する中間ギア80が取付けられ、さらにその下方には該中間ギア80に噛合する駆動ギア81が取付けられている。この駆動ギア81は、収容枠体15Dに収容された図示しないプラテン用モータからの回転力が伝達される歯車とされている。
これにより、プラテン用モータからの回転力を駆動ギア81、中間ギア80及び従動ギア47を通じてプラテン軸35aに伝えることができ、プラテンローラ35を回転させて記録紙Pを紙送りすることが可能とされている。
【0059】
また、側壁部15Bにおける上記中間ギア80の内側には、プラテンローラ35の2段ギア46の外ギアに噛合する2番ギア82が取付けられている。また、この2番ギア82の後方側には、該2番ギア82に噛合する3番ギア83が取付けられ、該3番ギア83の後方側には、該3番ギア83に噛合する4番ギア84が取付けられている。この4番ギア84は、収容枠体15Dに収容された図示しないカッター駆動用モータからの回転力によって回転させられる歯車とされている。
これにより、カッター駆動用モータからの回転力を4番ギア84、3番ギア83、2番ギア82、2段ギア46、カッターギア51及びラック56を介して可動刃フレーム55に伝えることができ、可動刃36をスライド移動させることが可能とされている。
【0060】
<サーマルプリンタの作用>
次に、上述したように構成されたサーマルプリンタ1の作用について説明する。
まず、
図1に示すように、ロール紙Rをケーシング本体10のロール紙収納部5内に投入してセットした後、蓋体11を閉操作することで、プラテンユニット3をヘッドユニット2に対して接近させることができる。そして、蓋体11を完全に閉めることで、
図2に示すように、記録紙Pをサーマルヘッド30とプラテンローラ35との間に挟んだ状態で、両ユニット2、3を組み合わせることができる。
【0061】
また、蓋体11が閉じた際、
図7に示すように、プラテンローラ35の軸受部45が収納凹部20内に嵌り込んで収納されると同時に、ロック機構75のラッチ70aが該軸受部45に係合して収納凹部20からの抜けを規制する。これにより、ヘッドユニット2とプラテンユニット3との組み合わせをロックすることができると同時に、ケーシング本体10に対する蓋体11のロックも行うことができる。
【0062】
なお、両ユニット2、3のロックによって、
図2に示すように、記録紙Pを間に挟んだ状態でサーマルヘッド30とプラテンローラ35とは所定の圧力で圧接される。また、記録紙Pは、可動刃36と固定刃31との間を通過した後、排出口6からケーシング4の外側に引き出された状態となる。
【0063】
次に、記録紙Pに対して各種情報の印刷を行う。
この場合には、プラテン用モータを駆動して駆動ギア81を回転させる。すると、
図7に示すように、この回転力は中間ギア80を介して従動ギア47に伝わるので、プラテンローラ35を回転させることができる。これにより、サーマルヘッド30との間で挟みこまれた記録紙Pをケーシング4の上方に向けて紙送りさせることができる。
また、これと同時にサーマルヘッド30に印字データに応じた制御信号を出力して発熱素子30aを適宜発熱させる。これにより、紙送りされる記録紙Pに対して、各種の文字や図形等を明瞭に印刷することができる。その後、印刷がなされた記録紙Pは固定刃31と可動刃36との間を通過する。
【0064】
次に、記録紙Pを切断する場合には、カッター駆動用モータを駆動する。すると、この回転力は、4番ギア84、3番ギア83、2番ギア82、2段ギア46、カッターギア51及びラック56を介して可動刃フレーム55に伝えることができ、この可動刃フレーム55と共に可動刃36を固定刃31に向けてスライド移動させることができる。これにより、記録紙Pを固定刃31と可動刃36との間で挟み込んで切断することができ、切断した記録紙Pを例えばレシートやチケット等として使用することが可能である。
なお、固定刃31は可動刃36のスライド方向に直交する上下方向L3に揺動するうえ、上方に付勢されているので、可動刃36に対して適度な接触圧で接触する。よって、固定刃31の刃先と可動刃36の刃先との間に隙間を生じさせることなく、良好な切れ味で記録紙Pを切断できる。
【0065】
次に、蓋体11をオープンする場合について説明する。
この場合には、蓋体11の上面に配設された
図1に示す解除レバー26を引き上げ操作する。すると、蓋体11の内面側に配設された作動片27が上記引き上げ操作に連動して作動し、凸部27aが下方移動すると共に、
図7に示すように、回転駒72の押圧部72bを下方に押し下げる。これにより、回転駒72がCW方向に回転し、これに伴って挿入ピン71がCCW方向に回転する。そのため、挿入ピン71に連結されている回転板70が、ラッチ70aが前方移動するように付勢力に抗して回転させられる。これにより、軸受部45に係合していたラッチ70aが該軸受部45から離間し、ロックが解除される。
その結果、蓋体11を開操作することができ、軸受部45を収納凹部20内から離脱させながら、プラテンユニット3をヘッドユニット2から分離させることができる。
【0066】
ところで、本実施形態のサーマルプリンタ1によれば、プラテンユニット3が蓋体11に対して一体的に固定されているのではなく、プラテンフレーム41を介して前後方向L1に沿ってスライド移動自在に取付けられている。従って、各構成部品の部品精度誤差や組み立て誤差等があったとしても、蓋体11の閉操作中に、これら各誤差をプラテンユニット3の全体が前後方向L1に適宜スライド移動することで吸収することができる。これにより、プラテンローラ35の軸受部45に対して確実にラッチ70aを係合させることができる。
【0067】
しかも、プラテンユニット3は、コイルバネ68によってサーマルヘッド30に対してプラテンローラ35が接近する前方に常時付勢されているので、例えば蓋体11の押し下げ位置の影響によってプラテンユニット3が一旦斜めに傾くように移動したとしても、上記押圧によってプラテンユニット3の姿勢を元の状態に復帰させることができる。
【0068】
即ち、
図1に示すように、プラテンローラ35のどちらか一方の軸受部45側に集中的に押圧力が作用するように、蓋体11の上面における左右方向L2の片側部分(矢印P1部分又は矢印P2部分)を片押し操作した場合には、従来では、その押圧力が集中的に作用する軸受部45側についてはロックがなされるが、その影響でプラテンユニット3が蓋体11の面内にて鉛直軸回りに傾いてしまい、他方の軸受部45がロックされ難かった。
しかしながら、本実施形態の場合には、コイルバネ68によってプラテンユニット3が前方に常時付勢されているので、一旦傾いたとしても元の状態に容易に復帰するので、片押し操作がされたとしても、両方の軸受部45を確実にロックさせることが可能である。
【0069】
このように、従来のような片締まりを発生させることがなく、サーマルヘッド30とプラテンローラ35とを最適なセット状態で確実に組み合わせることができ、高品質な印刷を行うことができるうえ、紙ジャム等の発生を抑制することができる。
【0070】
また、上記サーマルプリンタ1によれば、プラテンフレーム41の天板部41aに形成された第1爪部65及び第2爪部66を、蓋体11側の内面プレート21に形成された開口部60内及び切欠溝61内に係合させるだけの簡便な作業で、プラテンユニット3を前後方向L1に沿ってスライド移動自在に取付けることができるので、低コスト化及び組み立て性の向上化を図り易い。また、第1爪部65及び第2爪部66を係合させた際、前後方向L1以外への移動が規制されているので、例えば蓋体11からのプラテンユニット3の脱落等を防止することができ、この点においても組み立て性を向上させ易い。
【0071】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態では、固定刃31及び可動刃36からなるカッター機構38を具備した構成としたが、これらカッター機構38は必須な構成ではなく、設けなくてもプリンタとしての機能を発揮することができる。
但し、プリンタとしての機能性を高めることができるので、カッター機構38を具備することが好ましい。特に、カッター機構38を具備したとしても、蓋体11の開閉操作に伴って固定刃31と可動刃36とを分離可能に組み合わせることができるので、両刃31、36のメンテナンス等を容易に行い易い。また、片締まりを発生させることなく、ヘッドユニット2とプラテンユニット3とを組み合わせてロックできるので、固定刃31及び可動刃36に関しても互いに切断に最適な状態でセットすることができ、良好な切断機能を確保できる。
【0073】
なお、上記実施形態では、ヘッドユニット2が固定刃31を具備し、プラテンユニット3が可動刃36を具備した構成としたが、この場合に限定されるものではなく、ヘッドユニット2が可動刃36を具備し、プラテンユニット3が固定刃31を具備する構成としても構わない。
【0074】
また、上記実施形態では、プラテンユニット3を前方に付勢するコイルバネ68を2つ設けた構成としたが、1つでも構わないし、3つ以上設けても構わない。好ましくは、上記実施形態のように、プラテンローラ35の長手方向に沿って間隔を開けて複数設けることが良い。こうすることで、プラテンユニット3の全体を多点で均等に付勢できるので、片締まりの発生を抑制するといった作用効果をより顕著に奏効することが可能である。
【0075】
なお、プラテンユニット3を前方に付勢する付勢部材としてコイルバネ68を採用したが、この場合に限定されるものではない。例えば、板ばね、皿ばねやゴム等の弾性体等を採用しても構わない。
更には、プラテンユニット3を前方側に押圧するようにコイルバネ68を配置したが、例えば前方側に引っ張るようにコイルバネ68を配置しても構わない。この場合であっても、プラテンユニット3を前方に向けて付勢することができる。
【0076】
また、上記実施形態では、プラテン軸35aの両端部に取り付けられた軸受部45をラッチ70aに係合される係合部として兼用させたが、この場合に限られるものではない。例えば、プラテンブロック40に左右方向L2に延びるロック用シャフトを取り付け、このロック用シャフトが係合することでロックを行う構成としても構わない。
但し、上記実施形態のように軸受部45を係合部として兼用させることで、部品数を低減でき、構成の簡略化を図ることができる。また、プラテンローラ35に組みつけられる一対の軸受部45そのものを、片締まりを発生させることなく確実にロックできるので、ヘッドユニット2とプラテンユニット3との組み合わせをより安定にロックできると共に、ヘッドユニット2に対してプラテンローラ35を全長に亘ってより均一に圧接させ易い。
【0077】
また、上記実施形態では、第1爪部65及び第2爪部66を、蓋体11の内面に取付けられた内面プレート21の開口部60内及び切欠溝61内に係合させることで、プラテンユニット3を前後方向L1にスライド移動可能に取付けたが、この場合に限定されるものではなく、スライド移動可能に蓋体11に取付けられていれば、その構成は自由に設計して構わない。
【0078】
例えば、
図11に示すように、第2爪部66に代えて固定用シャフト90を採用しても良い。この場合の固定用シャフト90は、左右方向L2に延びており、例えばプラテンブロック40の後端部に形成された挿通孔91内に挿通されることでプラテンユニット3に対して組み合わされている。
一方、蓋体11の内面に取付けられた内面プレート21の折曲壁21aには、前後方向L1に延びるスリット孔92が形成されている。そして、上記固定用シャフト90は、その両端部がこのスリット孔92内に配設されている。
従って、この場合であっても、スリット孔92の範囲内においてプラテンユニット3を前後方向L1にスライド移動可能な状態で蓋体11に取付けることができ、同様の作用効果を奏効することができる。なお、この場合には、蓋体11から内面プレート21を取り外した状態で、固定用シャフト90等を利用してプラテンユニット3を取り付け、その後、内面プレート21を蓋体11の内面に取付ければ良い。