【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例におけるプリンタの構成を示す概略側面図である。
図2において、画像形成装置としてのプリンタ1は、給紙ローラ11と、搬送ローラ対14、15と、搬送ベルト18と、画像形成部2K(K:ブラック)、2Y(Y:イエロー)、2M(M:マゼンタ)、2C(C:シアン)と、LED(Light Emitting Diode)ヘッド3K、3Y、3M、3Cと、転写ローラ10K、10Y、10M、10Cと、定着器20と、排出ローラ対22、23と、スタッカ25と、両面印刷用搬送路31とを有している。
【0010】
給紙ローラ11は、用紙カセットに収容された記録媒体24を、分離用舌辺を併用して1枚ずつ分離して取り出すローラである。
搬送ローラ対14、15は、互いの外周面が接触するように配置され、給紙ローラ11により分離して取り出された記録媒体24を挟持して搬送するものである。
搬送ベルト18は、無端状のベルトであり、従動ローラ16および駆動ローラ17に回転可能に張架され、回転することにより搬送ローラ対14、15で搬送された記録媒体24を搬送する。駆動ローラ17は、駆動手段としてのモータとギヤ等の駆動伝達手段で接続され、搬送ベルト18を回転させる。従動ローラ16は、駆動ローラ17によって回転する搬送ベルト18の回転に従動回転し、搬送ベルト18の張りを一定に保つように配置されている。
【0011】
画像形成部2Kはブラック色のトナー画像、画像形成部2Yはイエロー色のトナー画像、画像形成部2Mはマゼンタ色のトナー画像、画像形成部2Cはシアン色のトナー画像を形成する。
それぞれの画像形成部は、同じ構成であるため、画像形成部2Kの構成を代表して説明すると、画像形成部2Kは、画像データに応じて静電潜像を形成する像担持体としての感光体ドラム4Kの周囲に、感光体ドラム4Kの表面に電荷を供給して帯電させる帯電手段としての帯電ローラ5Kと、LEDヘッド3Kの露光により帯電された感光体ドラム4Kの表面に形成された静電潜像に、トナー(現像剤)を現像させる現像剤担持体としての現像ローラ6Kと、現像ローラ6Kにトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ7Kと、現像ローラ6K上のトナーを薄層化するための規制ブレード8Kとを配設し、それらを一体化した構成となっている。
【0012】
LEDヘッド3K、3Y、3M、3Cは、露光手段であり、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの感光体ドラムの表面に光を照射して静電潜像を形成する。
転写ローラ10K、10Y、10M、10Cは、画像形成部2K、2Y、2M、2Cのそれぞれの感光体ドラムに搬送ベルト18を介して対向配置され、感光体ドラムに形成されたトナー画像を搬送ベルト18で搬送される記録媒体24に転写する。
定着器20は、定着ローラ20aおよびその定着ローラ20aの外周面に接触して配設された定着バックアップローラ20bを備え、定着ローラ20aは、内部にハロゲンランプ等の発熱体を有し、定着バックアップローラ20bとの間で挟持する記録媒体24にトナー画像として転写されたトナー(現像剤)を加熱および加圧して定着させる。
【0013】
媒体搬送方向における定着器20の下流側には、記録媒体24の搬送方向を切り替えるガイド部27が備えられ、そのガイド部27は、図示しない駆動手段によって先端部が定着バックアップローラ20bの方向へ移動するように切り替えられることにより、搬送される記録媒体24を媒体搬送方向におけるガイド部27の下流側に設けられた排出用搬送路26aへ案内し、排出ローラ対22、23によってスタッカ25へと案内する(第1の経路)。排出ローラ対22、23は、定着器20でトナーが定着された記録媒体24を挟持して搬送し、搬送された記録媒体24は装置外へ排出されて排紙部としてのスタッカ25に積層される。
【0014】
一方、記録媒体24に対して両面印刷を行う場合、ガイド部27の先端部が定着ローラ20aの方向へ移動するように切り替えられることにより、搬送される記録媒体24を媒体搬送方向におけるガイド部27の下流側に設けられた反転用搬送路26bへ案内し、図示しない駆動手段によって切替部30を図中実線で示す位置とした状態で搬送ローラ対28を経て中間トレイ29へと案内する。
【0015】
その後、切替部30を図示しない駆動手段によって図中破線で示す位置とした状態で搬送ローラ対28を反転させて記録媒体24を中間トレイ29から両面印刷用搬送路31へと案内し、搬送ローラ対32a、32b、32c、および搬送ローラ対14、15を経て媒体搬送方向における最上流に配置された画像形成部2Kへと搬送する(第2の経路)。
記録媒体24に対して両面印刷を行わない場合、片面にトナー像が印刷された記録媒体24は、第1の経路を経てスタッカ25に排出され、記録媒体24に対して両面印刷を行う場合、片面にトナー像が印刷された記録媒体24は、第2の経路を経て反転され裏面にトナー像を印刷した後、第1の経路を経てスタッカ25に排出される。
【0016】
給紙ローラ11と搬送ローラ対14、15との間には、給紙ローラ11により給紙された記録媒体24を検知するINセンサ12が配設され、また搬送ローラ対14、15と搬送ベルト18との間には、搬送ローラ対14、15により搬送された記録媒体24の先端を検知して画像形成部2K、2Y、2M、2Cの画像の書き出しタイミングを決定する書き込みセンサ13が配設され、さらに定着器20とガイド部27との間には、定着器20に記録媒体24が巻き付いたことを検知するための排出センサ21が配設されている。
【0017】
上述した給紙ローラ11、搬送ローラ対14、15、搬送ベルト18の駆動ローラ17、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの各ローラと、転写ローラ10K、10Y、10M、10C、定着器20の定着ローラ20a、搬送ローラ対28、搬送ローラ対32a、32b、32c、および排出ローラ対22、23は、駆動手段としてのモータで回転駆動される。
また、記録媒体24を搬送するそれぞれのローラ間は最小の記録媒体の長さより狭い間隔で配設され、さらに各モータと各ローラとの間には、モータからローラへの動力伝達を接続または切断するクラッチを備えている。
【0018】
図1は第1の実施例におけるプリンタの制御構成を示すブロック図である。
図1において、印刷制御部100は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)101と、画像処理LSI102と、駆動部103とを備えている。また、印刷制御部100は、時間の経過を計測する計時手段としてのタイマを備えている。なお、本実施例では、発明と直接関係しない部分の制御についての説明は省略する。
【0019】
CPU101は、不揮発性のメモリ等の記憶手段に記憶された制御プログラムに基づいてプリンタ全体の動作を制御するものであり、画像処理LSI102および駆動部103を制御し、また通信回線を介して接続されたホストコンピュータとの通信制御を行う。
このCPU101は、印刷する記録媒体毎に両面印刷であるか否かの判断を行う両面印刷判断部101a、印刷する記録媒体毎に印刷密度が所定の印刷密度より高い高密度印刷であることを判定する印刷条件判定部101b、および特定の印刷条件で印刷する記録媒体の枚数を計数し、その値を特定印刷カウンタ101dに記憶する特定印刷枚数計数部101cを備えている。
【0020】
画像処理LSI102は、CPU101のみでは画像処理の処理速度が低下するため、画像処理を行ってCPU101を補助するものである。この画像処理LSI102は、トナーの消費量を計測するため、LEDヘッド3K、3Y、3M、3Cへデータ転送したドット数を計数するドット数カウンタ102aを備えている。
【0021】
CPU101の印刷条件判定部101bは、ドット数カウンタ102aの値に基づいて印刷する記録媒体毎に印刷密度が所定の印刷密度より高い高密度印刷であることを判定する。
また、CPU101の特定印刷枚数計数部101cは、両面印刷判断部101aが両面印刷と判断し、かつ印刷条件判定部101bが高密度印刷と判定した記録媒体の枚数を計数し、その値を特定印刷カウンタ101dに記憶する。
【0022】
駆動部103は、
図2に示す給紙ローラ11、搬送ローラ対14、15、搬送ベルト18の駆動ローラ17、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの各ローラと、転写ローラ10K、10Y、10M、10C、定着器20の定着ローラ20a、および排出ローラ対22、23を回転駆動する各モータ並びに各モータと各ローラとの間に設けられたクラッチを駆動する。この駆動部103は、各モータおよびクラッチを制御することにより、記録媒体の搬送速度を低下させて印刷速度を標準の印刷速度より低下させた印刷速度で印刷ができ、また記録媒体毎の印刷動作間の時間間隔を大きくして標準の印刷速度より低下させた印刷速度で印刷することができるようになっている。
【0023】
このように構成された印刷制御部100は、CPU101の特定印刷枚数計数部101cが計数した印刷枚数(特定印刷カウンタ101d)が閾値を超えたとき、駆動部103を制御して印刷速度を標準の印刷速度より低下させて印刷を行う。
上述した構成の作用について説明する。
まず、プリンタの動作を
図2に基づいて説明する。
【0024】
プリンタ1は、通信ケーブルや無線等の通信回線を介してホストコンピュータに接続され、そのホストコンピュータから印刷データの転送を受け、印刷の指示を受けると給紙ローラ11を回転させて用紙カセット内に収容された記録媒体24を1枚に分離して給紙し、搬送ローラ対14、15まで送り出す。
画像形成部2K、2Y、2M、2Cは、記録媒体24の給紙を開始すると略同時にローラ類の回転を開始し、この回転の開始に伴って搬送ベルト18もベルト駆動ローラ17の回転により、ベルト駆動ローラ17の回転速度と同一速度で移動を開始する。
【0025】
INセンサ12に到達した記録媒体24は、給紙ローラ11で1枚に分離された際に、斜行しており、その斜行は記録媒体24の先端が回転していない搬送ローラ対14、15に突き当てられることで除去される。
記録媒体24の先端が突き当てられた後、搬送ローラ対14、15はクラッチによりモータの動力が伝達されて回転を開始する。記録媒体24は、搬送ローラ対14、15により挟持されて搬送されて、書き込みセンサ13で検知される。
【0026】
記録媒体24が書き込みセンサ13で検知された後、所定の時間が経過すると、LEDヘッド3Kが露光を開始して静電潜像を感光体ドラム4K上に形成し、その静電潜像に現像ローラ6Kからトナーが供給されてトナー像が感光体ドラム4K上に現像される。感光体ドラム4K上に現像されたトナー像は、約+3000Vの電圧が印加された転写ローラ10Kにより搬送ベルト18で搬送される記録媒体24に転写される。同様に、順次、イエロー色、マゼンタ色、シアン色も露光、現像および転写を行い記録媒体24上にトナー像を形成する。
【0027】
記録媒体24へのトナー像の転写が終了すると、転写されたトナー像は、約180℃の加過熱された定着ローラ20aと定着バックアップローラ20bとの間で加熱および加圧されて記録媒体24に定着する。
【0028】
記録媒体24に対して両面印刷を行う場合、搬送される記録媒体24を媒体搬送方向におけるガイド部27の下流側に設けられた反転用搬送路26bへ案内し、搬送ローラ対28を経て中間トレイ29へと案内する。その後、搬送ローラ対28を反転させて記録媒体24を中間トレイ29から両面印刷用搬送路31へと案内し、搬送ローラ対32a、32b、32c、および搬送ローラ対14、15を経て媒体搬送方向における最上流に配置された画像形成部2Kへと搬送し、順次、ブラック色、イエロー色、マゼンタ色、シアン色の露光、現像および転写を行い記録媒体24上にトナー像を形成する。記録媒体24へのトナー像の転写が終了すると、転写されたトナー像は、約180℃の加過熱された定着ローラ20aと定着バックアップローラ20bとの間で加熱および加圧されて記録媒体24に定着する。
トナー像が定着された後、記録媒体24は排出センサ21で検知され、さらに排出ローラ対22、23によりスタッカ25に排出される。
【0029】
ここで、スタッカ25に排出された記録媒体24は、定着ローラ20aにより加熱されて高温になっている。記録媒体24の1枚1枚が蓄積した熱量は小さいが、多数(例えば、100枚程度)の記録媒体24を積層すると記録媒体24全体が蓄積する熱量は大きな熱量となる。その上で、転写されたトナーの割合(濃度)が高い、すなわち高い印刷密度(以下、「デューティー」という。)で印刷された記録媒体24の印刷面のトナー画像同士を重ね合わせると、冷えて固まっていないトナー同士が貼り付いてしまうという問題があった。
【0030】
ここで、印刷密度(デューティー)とは、記録媒体24の印刷可能な全ドット数に対する各色の印刷ドット数を加算した合計の印刷ドット数の割合で表されるものある。
実際の実験結果では、25℃の環境で200%デューティーの濃度で両面印刷を行うと50枚目以降から記録媒体24のトナー同士の貼り付きが発生していた。また、記録媒体24に定着したトナー量も熱の蓄積に寄与しており、高デューティーでの記録媒体24の3枚連続印刷と、低デューティーでの記録媒体24の7枚連続印刷とを交互に繰り返して印刷した場合は、記録媒体24のトナー同士の貼り付きが発生しない実験結果もある。
【0031】
本実施例では、単色において100%のデューティーで印刷を行ったとき記録媒体24の貼り付きが発生することから、100%以上の印刷密度のとき高デューティー、100%未満の印刷密度のとき低デューティーと定義するものとする。
上記の実験を含め、各種の実験結果より、放熱し難い暖かい環境、かつ高デューティーの印刷が連続した場合に、記録媒体24のトナー同士の貼り付きが発生する傾向にある。
本実施例では、これらの事象に鑑みて以下の処理を行うことにより、冷却部材等を追加することなく安価に、記録媒体24のトナー同士の貼り付きを防止する。
【0032】
記録媒体24の両面に印刷する両面印刷かつ高デューティーの印刷を行う場合、印刷枚数を計数し、その印刷枚数が第1の閾値A枚を超えると、印刷速度を20枚/分(以下、「ppm」(paper per minute)という。)の標準の印刷速度から10ppmの印刷速度に下げることにより、定着温度を下げると同時にスタッカ25上に排出された記録媒体24からの放熱を促進し、トナー同士の貼り付きの発生を抑制する。
【0033】
さらに、印刷枚数が第2の閾値B枚を超えると、所定時間であるT秒間印刷動作を停止し、その後に印刷動作を再開する間欠印刷モードとし、スタッカ25上に排出された記録媒体24からの放熱を促進して記録媒体24の温度を低下させる。なお、計数した印刷枚数は
図1に示す特定印刷枚数計数部101cにより特定印刷カウンタ101dに記憶される。
ここで、閾値A、Bおよび所定時間Tは、パラメータとして10℃、20℃、28℃の各環境と記録媒体24の種類毎に実験を行って決定するものとする。本実施例では、実験により、閾値Aを30枚、閾値Bを50枚、所定時間Tを15秒とすることで良好な結果を得ることができているため、閾値Aを30枚、閾値Bを50枚、所定時間Tを15秒としている。
【0034】
また、印刷速度を低下させて印刷または間欠印刷モードで印刷を行う場合、その旨をプリンタ1の前面に設けられた表示部としての液晶ディスプレイ等に表示してスタッカ25に排出した記録媒体24の除去をユーザに促し、その記録媒体24の除去後に操作部のボタンを押下することにより、印刷カウンタをクリアして初期状態として印刷速度を通常の速度に戻すようにしている。
【0035】
次に、プリンタが行う印刷制御の概略を
図3の第1の実施例における印刷制御の概略の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。
プリンタ1は、ホストコンピュータ等から印刷データを受信して印刷動作を行うものとし、特定印刷カウンタ101dは“0”に初期化されているものとする。
【0036】
S1:印刷制御部100のCPU101は、印刷条件判定部101bおよび両面印刷判断部101aにより高デューティーかつ両面印刷を行ったか否かを判定し、高デューティーかつ両面印刷を行った場合、特定印刷枚数計数部101cにより印刷枚数を計数する。
S2:CPU101は、計数した印刷枚数が31枚から50枚までの間か否かを判定し、印刷枚数が31枚から50枚までの間であると判定すると処理をS3へ移行し、印刷枚数が31枚から50枚までの間でないと判定すると処理をS4へ移行する。
【0037】
S3:印刷枚数が31枚から50枚までの間であると判定したCPU101は、印刷速度を20ppmの標準の印刷速度から10ppmの印刷速度に低下させる。
S4:印刷枚数が31枚から50枚までの間でないと判定したCPU101は、計数した印刷枚数が50枚を超えたか否かを判定し、印刷枚数が50枚を超えたと判定すると処理をS5へ移行し、印刷枚数が50枚を超えていないと判定すると処理を終了する。
【0038】
S5:印刷枚数が50枚を超えたと判定したCPU101は、1枚の記録媒体を印刷した後、15秒間印刷動作を停止し、その後に、1枚の記録媒体の印刷動作を再開する間欠印刷モードへ移行する。
なお、CPU101は、印刷動作を終了してから300秒以上経過しても次の印刷動作を行わないこと、すなわち印刷動作の間隔が300秒以上確保されたことを検知するとスタッカ25に積層された記録媒体は十分に冷却されているものとして間欠印刷モードを解除して通常の印刷モードに復帰する。
【0039】
次に、プリンタの印刷制御部が行う印刷枚数計数処理を
図4の第1の実施例における印刷枚数計数処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。なお、この印刷枚数計数処理は、
図3におけるS1で行われる処理である。
S301:プリンタ1の印刷制御部100のCPU101は、特定印刷カウンタ101dを“0”に初期化し、また印刷速度を低下させることを記憶する速度ダウンフラグを“通常の速度で印刷”に初期化し、さらに間欠印刷モードで印刷動作を行うことを記憶する間欠印刷フラグを“通常の印刷モードで印刷”に初期化して印刷枚数計数処理を開始する。
【0040】
S302:CPU101は、ホストコンピュータ等から印刷要求があるか否か、すなわち印刷を指示する印刷データを受信したか否かを判定し、印刷要求が有ると判定すると処理をS303へ移行し、印刷要求がないと判定すると処理をS311へ移行する。
S303:印刷要求が有ると判定したCPU101は、印刷要求待ち時間を測定するためのインターバルタイマのカウント値をクリアし、また記録媒体24の給紙を開始し、露光、現像、転写、定着等の1枚の記録媒体24の印刷動作を行う。
【0041】
S304:印刷動作を行ったCPU101は、印刷条件判定部101bにより画像処理LSI102のドット数カウンタ102aから印刷を行った印刷ドット数を読込み、その印刷ドット数と印刷領域の大きさ(用紙のサイズ)から高デューティー印刷を行ったか否かを判定し、高デューティー印刷を行ったと判定すると処理をS305へ移行し、高デューティー印刷を行っていないと判定すると本処理を終了する。
【0042】
S305:高デューティー印刷を行ったと判定したCPU101は、両面印刷判断部101aにより両面印刷を行ったか否かを判定し、両面印刷を行ったと判定すると処理をS306へ移行し、両面印刷を行っていないと判定すると処理をS307へ移行する。
S306:両面印刷を行ったと判定したCPU101は、特定印刷カウンタ101dに“1”を加算する。
【0043】
S307:CPU101は、特定印刷カウンタ101dに記憶された印刷枚数が31枚に到達したか否かを判定し、31枚に到達したと判定すると処理をS308へ移行し、31枚に到達していないと判定すると処理をS309へ移行する。
S308:特定印刷カウンタ101dに記憶された印刷枚数が31枚に到達したと判定したCPU101は、速度ダウンフラグに”印刷速度を低下させて印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグON)させる。
【0044】
S309:CPU101は、特定印刷カウンタ101dに記憶された印刷枚数が50枚を超えたか否かを判定し、50枚を超えたと判定すると処理をS310へ移行し、50枚を超えていないと判定すると処理を終了する。
S310:特定印刷カウンタ101dに記憶された印刷枚数が50枚を超えたと判定したCPU101は、間欠印刷フラグに“間欠印刷モードで印刷する”情報を記憶(間欠印刷フラグON)させるとともに、速度ダウンフラグに“標準の印刷速度で印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグOFF)させて処理を終了する。
なお、間欠印刷フラグおよび速度ダウンフラグは、後述する印刷制御処理において参照される。
【0045】
S311:一方、S302において、印刷要求がないと判定したCPU101は、インターバルタイマのカウント値を更新して印刷要求の通知があるまでの経過時間を計測する。
S312:CPU101は、インターバルタイマで計測した印刷要求の通知があるまでの経過時間が300秒を超えたか否かを判定し、300秒を超えたと判定すると処理をS313へ移行し、300秒を超えていないと判定すると処理をS314へ移行する。
【0046】
S313:印刷要求の通知があるまでの経過時間が300秒を超えたと判定したCPU101は、間欠印刷フラグに“通常の印刷モードで印刷する”情報を記憶(間欠印刷フラグOFF)させるとともに、速度ダウンフラグに“標準の印刷速度で印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグOFF)させ、処理をS302へ移行する。
このようにして印刷制御部100は、印刷動作を終了してから300秒以上経過しても次の印刷動作を行わないこと、すなわち印刷動作の間隔が300秒以上確保されたことを検知するとスタッカ25に積層された記録媒体24は十分に冷却されているものとして標準の印刷速度で印刷するとともに、間欠印刷モードを解除して通常の印刷モードに復帰する。
【0047】
S314:印刷要求の通知があるまでの経過時間が300秒を超えていないと判定したCPU101は、インターバルタイマで計測した印刷要求の通知があるまでの経過時間が第1の所定時間としての20秒を超えたか否かを判定し、20秒を超えたと判定すると処理をS315へ移行し、20秒を超えていないと判定すると処理をS302へ移行する。
【0048】
S315:印刷要求の通知があるまでの経過時間が20秒を超えたと判定したCPU101は、特定印刷カウンタ101dを“0”に初期化(クリア)し、処理をS302へ移行する。ここで、特定印刷カウンタ101dを“0”に初期化するのは、印刷要求の通知があるまでの経過時間が20秒を超えた場合、スタッカ25に積層された記録媒体24が純分に冷却されたと考えられるからである。
次に、プリンタの印刷制御部が行う印刷制御処理を
図5の第1の実施例における印刷制御処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。
【0049】
S401:プリンタ1の印刷制御部100のCPU101は、印刷制御処理を開始する。なお、CPU101は、本印刷制御処理と上述した印刷枚数計数処理とを並行して行うものとする。
S402:CPU101は、ホストコンピュータ等から印刷要求があるか否か、すなわち印刷を指示する印刷データを受信したか否かを判定し、印刷要求が有ると判定すると処理をS403へ移行し、印刷要求がないと判定すると印刷要求が通知されるまで待機する。
【0050】
S403:印刷要求が有ると判定したCPU101は、プリンタ1内の転写ベルト18上に記録媒体24が存在するか否かを判定し、記録媒体24が転写ベルト18上に存在しない(装置内紙有りフラグがOFF)と判定すると処理をS404へ移行し、記録媒体24が転写ベルト18上に存在する(装置内紙有りフラグがON)と判定すると記録媒体24が転写ベルト18上に存在しなくなるまで待機する。
【0051】
これは、プリンタ1内の転写ベルト18上に記録媒体24が存在する場合は、印刷動作中であり、印刷速度の変更ができないためであり、CPU101は印刷中の記録媒体24が転写ベルト18を抜けるまで待機する。
なお、装置内紙有りフラグは、給紙ローラ11で記録媒体24の給紙を開始したときにONとなり、記録媒体24の後端が転写ベルト18を抜けた時点でOFFとなるようにCPU101が制御するものとする。
【0052】
S404:記録媒体24が転写ベルト18上に存在しないことを検知したCPU101は、速度ダウンフラグに”印刷速度を低下させて印刷する”情報が記憶されているか否かを判定し、”印刷速度を低下させて印刷する”情報が記憶されている(速度ダウンフラグがON)と判定すると処理をS405へ移行し、”印刷速度を低下させて印刷する”情報が記憶されていない(速度ダウンフラグがOFF)と判定すると処理をS406へ移行する。
【0053】
S405:速度ダウンフラグに”印刷速度を低下させて印刷する”情報が記憶されていると判定したCPU101は、低下させた印刷速度で次の記録媒体24の印刷を行うため、印刷速度を20ppmの標準の印刷速度から10ppmの印刷速度に低下させる。また、CPU101は、速度ダウンフラグに“標準の印刷速度で印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグOFF)させる。
【0054】
S406:次に、CPU101は、間欠印刷フラグに“間欠印刷モードで印刷する”情報が記憶されているか否かを判定し、“間欠印刷モードで印刷する”情報が記憶されている(間欠印刷フラグがON)と判定すると処理をS407へ移行し、“間欠印刷モードで印刷する”情報が記憶されていない(間欠印刷フラグがOFF)と判定すると処理をS408へ移行する。
【0055】
S407:間欠印刷フラグに“間欠印刷モードで印刷する”情報が記憶されていると判定したCPU101は、印刷動作を停止したまま15秒間待機する。
S408:CPU101は、記録媒体24の給紙を開始し、露光、現像、転写、定着等の1枚の記録媒体24の印刷動作を行う。このとき、CPU101は、装置内紙有りフラグをONとする。
【0056】
なお、CPU101は、印刷枚数が31枚以上50枚以下になったとき、印刷速度を低下させ、印刷枚数が50枚を超えたとき、間欠印刷を行うようにしているが、プリンタ1が設置されている環境条件に応じ、低温時(例えば、10℃以下)では、印刷枚数が41枚以上60枚以下になったとき、印刷速度を低下させ、印刷枚数が60枚を超えたとき、間欠印刷を行うようにする。
【0057】
このように、本実施例では、記録媒体の印刷動作間の時間間隔が20秒以上とならない状態で両面印刷かつ高デューティー印刷を行った記録媒体の枚数を計数し、その記録媒体の枚数が第1の閾値を超えると、印刷速度を標準の印刷速度より低下させ、さらにその記録媒体の枚数が第2の閾値を超えると、1枚の記録媒体の印刷動作が終了した後、所定時間印刷動作を停止し、その後に1枚の記録媒体の印刷動作を再開する印刷動作を繰り返す間欠印刷モードへ移行する。
【0058】
なお、本実施例では、特定印刷枚数計数部101cにおいて、両面印刷判断部101aが両面印刷と判断し、かつ印刷条件判定部101bが所定の印刷密度より高い印刷であることを判定したときに、印刷した枚数を計数する例として記載した。
しかし、これに限ったものでなく、両面印刷判断部101aが両面印刷と判断したときに、印刷した枚数を特定印刷枚数計数部101cが計数することとしても一定の効果が得られる。同様に、印刷条件判定部101bが所定の印刷密度より高い印刷であることを判定したときに、印刷した枚数を特定印刷枚数計数部101cが計数することとしても良い。
【0059】
以上説明したように、第1の実施例では、記録媒体の印刷動作間の時間間隔が20秒以上とならない状態で両面印刷かつ高デューティー印刷を行った記録媒体の枚数を計数し、その記録媒体の枚数が第1の閾値を超えると、印刷速度を標準の印刷速度より低下させ、さらにその記録媒体の枚数が第2の閾値を超えると、間欠印刷を行うようにしたことにより、冷却部材を排出部に設けることなく、スタッカにおいて重なり合う記録媒体同士の貼り付きを防止することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0060】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様なので、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施例の作用について説明する。なお、プリンタの動作およびプリンタが行う印刷制御の概略は、第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
本実施例では、第2の所定時間W(秒)あたりの印刷枚数が第3の閾値C枚以上、かつ印刷密度が高デューティーの条件で印刷速度を下げ、また印刷速度に応じて第2の所定時間Wを変化(変更)させるようにしている。
【0061】
第1の実施例では、高デューティーの印刷動作の時間間隔によっては、記録媒体の放熱ができていても印刷速度を低下させてしまう場合(例えば、19秒間隔で高デューティーの印刷を行う場合等)がある。これは、放熱条件が異なっても記録媒体同士の貼り付きが発生しないようにしているためであり、条件によっては必要以上に、所定時間における印刷枚数であるスループット(印刷処理性能)を大きく低下させてしまうことがある。したがって、本実施例では、スループットの低下を最小限に抑えるようにしている。
【0062】
本実施例では、印刷速度の切替は、標準で印刷枚数が30枚に到達したときと、50枚に到達したときに行う。また、同じ印刷速度であっても記録媒体の厚さで定着温度を切替えるため、紙厚がmedium(例えば、68〜104g/m
2)のときは、標準で印刷枚数が30枚に到達したときと、50枚に到達したときに印刷速度を切替え、紙厚がlight(例えば、68g/m
2未満)のときは、標準よりも10枚多い、印刷枚数が40枚に到達したときと、60枚に到達したときに印刷速度を切替える。
【0063】
さらに、記録媒体の大きさによって記録媒体同士の貼り付き易さが異なり、A4判の記録媒体とA3判の記録媒体とでは、A3判の記録媒体のほうがA4判の記録媒体より貼り付き易いので、A3判では、上記の印刷枚数より5枚少ない時点で印刷速度を切替える。
このように、
図1に示す印刷制御部100のCPU101は、記録媒体の厚さおよび記録媒体の大きさの少なくともいずれか一つに応じて印刷速度を切替えるための閾値を変更する。
【0064】
具体的な動作は、
図1に示す印刷制御部100のCPU101が、特定印刷枚数計数部101cにより両面印刷かつ高デューティー(4色合計で100%以上)画像の印刷の条件で特定印刷カウンタ101dに印刷枚数を計数し、印刷速度30ppm以上では、印刷カウンタを30秒で1つのウィンドウとし、過去5つのウィンドウの累積である第2の所定時間(150秒)で印刷枚数が30枚を超えると印刷速度を10ppmに低下し、50枚を超えると10秒間停止させる間欠印刷モードに移行する。
【0065】
また、印刷速度20〜29ppmでは、印刷カウンタを60秒で1つのウィンドウとし、過去5つのウィンドウの累積である第2の所定時間(300秒)で印刷枚数が30枚を超えると印刷速度を10ppmに低下し、50枚を超えると10秒間停止させる間欠印刷モードに移行する。
さらに、印刷速度19ppm以下では、印刷カウンタを120秒で1つのウィンドウとし、過去5つのウィンドウの累積である第2の所定時間(600秒)で印刷枚数が30枚を超えると印刷速度を10ppmに低下し、50枚を超えると10秒間停止させる間欠印刷モードに移行する。
【0066】
なお、上述した印刷速度は、紙の厚さに応じて変化(紙の厚さが厚いほど印刷速度を低下)させる印刷速度であり、その印刷速度および1つのウィンドウの時間は、実験に基づいて決定されたパラメータである。
このように、印刷速度に応じて印刷枚数を計数する時間を決定することで、記録媒体の放熱条件をきめ細かく判定することができ、これによって、高デューティー画像の印刷頻度が落ちたときに間欠印刷モードに移行することを抑制し、スループットの低下を抑えることができる。
【0067】
次に、プリンタの印刷制御部が行う処理の詳細を説明する。
まず、プリンタの印刷制御部が行う印刷枚数計数処理を
図6の第2の実施例における印刷枚数計数処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。なお、この印刷枚数計数処理は、
図3におけるS1で行われる処理である。
S501〜S504:
図4におけるS301〜S304と同様の処理なのでその説明を省略する。なお、S501において、変数WORK1〜変数WORK5は、“0”に初期化される。
【0068】
S505:高デューティー印刷を行ったと判定したCPU101は、排出センサ21がONからOFFに変化したか否か、すなわち記録媒体24が排出センサ21を通過して排出されたか否かを判定し、記録媒体24が排出センサ21を通過して排出されたと判定すると処理をS506へ移行し、記録媒体24が排出センサ21を通過していないと判定すると記録媒体24が排出センサ21を通過して排出されるまで待機する。
S506:記録媒体24が排出センサ21を通過したと判定したCPU101は、両面印刷判断部101aにより第1面(おもて面)の印刷または第2面(裏面)の印刷を行ったかを判定し、第1面の印刷を行ったと判定すると処理をS507へ移行し、第2面の印刷を行ったと判定すると処理をS508へ移行する。
【0069】
S507:第1面の印刷を行ったと判定したCPU101は、特定印刷カウンタ101dに値X(0.5)を加算し、処理をS509へ移行する。
S508:第2面の印刷を行ったと判定したCPU101は、特定印刷カウンタ101dに値Y(0.5)を加算し、処理をS509へ移行する。
なお、本実施例では、値Xおよび値Yは、ともに“0.5”とするが、スタッカ25に積層された記録媒体24の放熱状態に応じて値Xを“0.4”、値Yを“0.6”等として加算値を変更するようにしても良い。
【0070】
S509:CPU101は、所定時間が経過したことを示すタイムアップフラグがONであるか否かを判定し、ONである(所定時間が経過した)と判定すると処理をS510へ移行し、OFFである(所定時間が経過していない)と判定すると本処理を終了する。
S510:タイムアップフラグがONであると判定したCPU101は、変数WORK4に記憶されている値を変数WORK5に記憶し、変数WORK3に記憶されている値を変数WORK4に記憶し、変数WORK2に記憶されている値を変数WORK3に記憶し、変数WORK1に記憶されている値を変数WORK2に記憶し、さらに現在の特定印刷カウンタ101dの値を変数WORK1に記憶する。したがって、変数WORK1〜変数WORK5には、所定時間が経過した毎に、直近の5個の特定印刷カウンタ101dの値が記憶される。
【0071】
S511:CPU101は、変数WORK1〜変数WORK5に記憶された特定印刷カウンタ101dの値を合計した加算値を算出する。このようにして、CPU101は、両面印刷判断部101aが両面印刷と判断したときから第2の所定時間が経過するまでの記録媒体の枚数を計数する。
S512:CPU101は、算出した加算値が閾値M(枚)に到達したか否かを判定し、閾値M(枚)に到達したと判定すると処理をS513へ移行し、閾値M(枚)に到達していないと判定すると処理をS514へ移行する。
【0072】
S513:加算値が閾値M(枚)に到達したと判定したCPU101は、速度ダウンフラグに”印刷速度を低下させて印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグON)させる。
S514:CPU101は、加算値が閾値N(枚)を超えたか否かを判定し、閾値N(枚)を超えたと判定すると処理をS515へ移行し、閾値N(枚)を超えていないと判定すると処理をS516へ移行する。
【0073】
S515:加算値が閾値N(枚)を超えたと判定したCPU101は、間欠印刷フラグに“間欠印刷モードで印刷する”情報を記憶(間欠印刷フラグON)させるとともに、速度ダウンフラグに“標準の印刷速度で印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグOFF)させて処理を終了する。
なお、間欠印刷フラグおよび速度ダウンフラグは、後述する印刷制御処理において参照される。
【0074】
S516:加算値が閾値N(枚)を超えていないと判定したCPU101は、タイムアップフラグをOFFし、また特定印刷カウンタ101dを“0”に初期化(クリア)して本処理を終了する。
S517:一方、S502において、印刷要求がないと判定したCPU101は、インターバルタイマで印刷要求の通知があるまでの経過時間を計測する。
S518:CPU101は、インターバルタイマで計測した印刷要求の通知があるまでの経過時間が300秒を超えたか否かを判定し、300秒を超えたと判定すると処理をS519へ移行し、300秒を超えていないと判定すると処理をS502へ移行する。
【0075】
S519:印刷要求の通知があるまでの経過時間が300秒を超えたと判定したCPU101は、スタッカ25に排出された記録媒体24の熱量が失われたものとして間欠印刷フラグに“通常の印刷モードで印刷する”情報を記憶(間欠印刷フラグOFF)させるとともに、速度ダウンフラグに“標準の印刷速度で印刷する”情報を記憶(速度ダウンフラグOFF)させ、処理をS502へ移行する。
【0076】
次に、プリンタの印刷制御部が行うタイマ処理を
図7の第2の実施例におけるタイマ処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。
S601:プリンタ1の印刷制御部100のCPU101は、タイマ処理を開始する。なお、CPU101は、本タイマ処理と上述した印刷枚数計数処理とを並行して行うものとする。
【0077】
S602:CPU101は、タイマにより1秒の経過を待機し、1秒の経過を検知すると処理をS603へ移行する。
S603:1秒の経過を検知したCPU101は、特定印刷カウンタ101dの値が“0”より大きいか否かを判定し、“0”より大きいと判定すると処理をS609へ移行し、“0”より大きくないと判定すると処理をS604へ移行する。
【0078】
S604:特定印刷カウンタ101dの値が“0”でないと判定したCPU101は、ウィンドウの数を計数するためのウィンドウカウンタに“1”を加算する。
S605:CPU101は、印刷速度が30ppm以上、かつウィンドウカウンタの値が30を超えているか否かを判定し、印刷速度が30ppm以上、かつウィンドウカウンタの値が30を超えていると判定すると処理をS608へ移行し、一方前記の条件を満足しないと判定すると処理をS606へ移行する。
【0079】
S606:次に、CPU101は、印刷速度が20ppm以上、かつウィンドウカウンタの値が60を超えているか否かを判定し、印刷速度が20ppm以上、かつウィンドウカウンタの値が60を超えていると判定すると処理をS608へ移行し、一方前記の条件を満足しないと判定すると処理をS607へ移行する。
S607:次に、CPU101は、ウィンドウカウンタの値が120を超えているか否かを判定し、ウィンドウカウンタの値が120を超えていると判定すると処理をS608へ移行し、一方前記の条件を満足しないと判定すると本処理を終了する。
【0080】
S608:CPU101は、印刷速度が30ppm以上、かつウィンドウカウンタの値が30を超えている、または印刷速度が20ppm以上、かつウィンドウカウンタの値が60を超えている、またはウィンドウカウンタの値が120を超えていると判定すると、
図6の印刷枚数計数処理において、印刷速度の変更あるいは間欠印刷を行うか否かの判定を開始させるため、タイムアップフラグをONする。また、CPU101は、ウィンドウカウンタの値を“0”にクリアして本処理を終了する。
S609:一方、S603において、特定印刷カウンタ101dの値が“0”であると判定したCPU101は、ウィンドウカウンタの値を“0”にクリアして本処理を終了する。
【0081】
次に、プリンタの印刷制御部が行う閾値算出処理を
図8の第2の実施例における閾値算出処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。
S701:プリンタ1の印刷制御部100のCPU101は、閾値算出処理を開始する。なお、CPU101は、
図6のS503において速度ダウンフラグがOFFかつ間欠印刷フラグがOFFのときに、本処理を行うものとする。
【0082】
S702:CPU101は、受信した印刷データから用紙サイズと用紙厚を取得する。また、CPU101は、閾値Mを30枚、閾値Nを50枚に初期化する。
S703:CPU101は、取得した用紙厚がlightであるか否かを判定し、lightであると判定すると処理をS704へ移行し、lightでないと判定すると処理をS705へ移行する。
S704:用紙厚がlightであると判定したCPU101は、閾値Mに10を加算して閾値Mを40枚、閾値Nに10を加算して閾値Nを60枚にする。
【0083】
S705:次に、CPU101は、取得した用紙サイズがA3判であるか否かを判定し、A3判であると判定すると処理をS706へ移行し、A3判でないと判定すると本処理を終了する。
S706:用紙サイズがA3判であると判定したCPU101は、現在の閾値Mから5を減算して閾値Mとし、また現在の閾値Nから5を減算して閾値Nとして本処理を終了する。
【0084】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、印刷速度に応じて印刷枚数を計数する時間を決定することにより、記録媒体の放熱条件をきめ細かく判定することができ、これによって、高デューティー画像の印刷頻度が落ちたときに間欠印刷モードに移行することを抑制し、スループットの低下を抑えることができるという効果が得られる。
【0085】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、画像形成装置を電子写真方式による複写装置、ファクシミリ装置、あるいはこれらの装置の機能を複合させた複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等としても良い。
また、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置を両面印刷可能なものとして説明したが、片面印刷のみ可能なものとしてもよい。