(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
本出願は、1998年9月18日付けで出願された標題「低電圧モジュール方式室内イオン化システム」の米国仮出願第60/101,018号の利益を請求する。
【0003】
静電荷がデバイス歩留まりに対して大きな悪影響を与えるので、静電荷を抑制することが半導体製造においては重要な問題である。静電気によって引き寄せられた異物と静電放電事象とによって引き起こされるデバイスの欠陥が、全体的な製造損失の大きな原因となる。
【0004】
集積回路の生産のためのプロセスの多くは、大きな静電荷と相補電圧とをウェハおよびデバイスの表面上に発生させる。
【0005】
空気イオン化は、非導電性材料および絶縁された導体上の静電荷を除去する最も効果的な方法である。空気イオン化装置は、周囲雰囲気内に、空気中で移動電荷キャリアとして働く大量の正イオンと負イオンとを発生させる。イオンは、空気中を流動しながら、逆の極性の電荷を帯びた粒子および表面に引きつけられる。静電帯電した表面の中和が、このプロセスによって迅速に実現できる。
【0006】
空気イオン化は、コロナ放電として知られているプロセスでイオンを発生させる電気イオン化装置を使用して行われることが可能である。電気イオン化装置は、上記プロセスによって、尖端の周囲の電界が周囲空気の絶縁耐力を越えるまでその電界を増大させることによって、空気イオンを発生させる。電子が電極から周囲空気中へと流れている時に、負コロナが発生する。正コロナは、空気分子から電極内への電子の流れの結果として発生する。
【0007】
所与の出力のイオン化装置によって可能な限り最大の静電荷の低減を実現するためには、そのイオン化装置が、互いに等しい量の正イオンと負イオンとを発生させなければならない。すなわち、そのイオン化装置の出力が「平衡化されて」いなければならない。そのイオン化装置が平衡状態にない場合には、絶縁された導体および絶縁体が帯電状態となる可能性があり、その結果として、イオン化装置が、それが解決する問題よりも多くの問題を生じさせることになる。イオン化装置は、電源ドリフト、片方の極性の電源の故障、電極の汚染、または、電極の劣化のために、不平衡状態になる可能性がある。これに加えて、イオン化装置の出力が平衡状態にあっても、システム構成要素の劣化のせいで、イオン出力全体がその所望レベルよりも低下する可能性もある。
【0008】
したがって、イオン化システムは、フィードバックによる監視および自動平衡化システムと、修正されない不平衡状態と範囲外の出力とを検出するための警報装置とを含む。殆どのフィードバックシステムは、完全にまたは主としてハードウェアベースである。こうしたフィードバックシステムの多くは、フィードバック制御信号がハードウェア構成要素値に基づいて決定されているので、高度に精密な平衡制御を実現することは不可能である。さらに、こうしたハードウェアベースのフィードバックシステムの平衡制御の範囲全体が、ハードウェア構成要素値に基づいて制限される可能性もある。さらに、こうしたハードウェアベースのフィードバックシステムの多くは、その個々の構成要素が適切な動作を行うために相互に依存し合っているので、容易には修正できない。
【0009】
作業空間内の実際の平衡状態が、イオン化装置のセンサによって検出される平衡状態とは異っているかも知れないので、帯電プレート監視装置が、電気イオン化装置の実際の平衡状態を較正し定期的に測定するために一般的に使用されている。
【0010】
この荷電プレート監視装置は、静電荷減衰時間を定期的に測定するためにも使用される。減衰時間が遅すぎるか早すぎる場合には、事前設定イオン電流値を増減することによって、イオン出力を調整できる。この調整は、典型的には、(一方が正イオン発生に関し、他方が負イオン発生に関する)2つのトリマー電位差計を調整することによって行われる。作業空間内での実際のイオン出力が、イオン化装置に設定されたイオン出力電流値に関する目標イオン出力と必ずしも相関関係にあるとは限らないので、減衰時間の定期的な測定が必要である。例えば、単位時間当たりに所望量のイオンを発生させるために、イオン出力電流が最初にある一定の値(例えば0.6μA)に工場で設定される場合がある。イオン化装置の放射源上の粒子付着のためにイオン出力が上記値よりも低下する場合のように、そのイオン化装置の電流が上記値から逸脱する場合には、イオン化装置の高電圧電源が、イオン電流の初期値を回復するように調整される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
室内イオン化システムは、典型的には、単一のコントローラに接続されている複数の電気イオン化装置を含む。
図1(従来技術)は、コントローラ16に単一の線路14でデイジーチェーン形に接続されている複数の天井装着放射源モジュール12
1〜12
n(「ポッド(pod)」とも呼ばれる)を含む、従来の室内イオン化システム10を示す。各々の放射源モジュール12が、電気イオン化装置18と、
(1)装置のオン/オフ機能と、
(2)個々の放射源モジュール12が適正に機能していないことが検出される場合に信号線路14内の単一の警報線路を通してコントローラ16に警報信号を送る機能と、
を含む、限られた機能を果たすための通信/制御回路系20と、を含む。
【0012】
この
図1の従来のシステムに関する重大な問題点の1つは、コントローラ16と放射源モジュール12
1−12
nとの間に「インテリジェントな」通信が存在しないということである。従来の方式の1つでは、信号線路14が、4つの線路、すなわち、電力線路、グランド線路、警報線路、および、オン/オフ線路を有する。警報線路を通して伝送される警報信号は、誤動作する放射源モジュール12の識別に関する情報を全く含まない。したがって、コントローラ16は、警報信号を受け取っても、どの放射源モジュール12が誤動作しているのか判別できない。さらに、警報信号は、問題のタイプ(例えば、負イオン放射源が不良なのか、正イオン放射源が不良なのか、不平衡状態なのか)を識別しない。したがって、どの放射源モジュール12が警報信号を送ったのか、および、何のタイプの問題点が存在するのかを識別する作業に、時間を要することになる。
【0013】
従来の室内イオン化システムに関するさらに別の問題点は、コントローラ16からイオン出力電流または平衡のような個々の放射源モジュール12のパラメータを遠隔調整することが不可能であるということである。これらのパラメータは、典型的には、個々の放射源モジュール12上のアナログトリマー電位差計を介して、手動で設定を変更することによって調整される。(幾つかのタイプの電気イオン化装置の平衡状態は、ディジタル電位差計設定を制御する(+)/(ー)ボタンまたはUP/DOWNボタンを押すことによって調整される。)天井装着放射源モジュール12を有する従来のシステム10に関する典型的な調整作業は次の通りである。
【0014】
(1)荷電プレート監視装置によって範囲外パラメータを削除する。
(2)梯に上って、平衡設定および/またはイオン出力電流電位差計設定を調整する。
(3)梯から降りて、測定区域からその梯を取り除く。
(4)荷電プレート監視装置上の新たな値を読み取る。
(5)必要に応じてステップ(1)〜(4)を繰り返す。
【0015】
この手動調整プロセスは時間浪費的でありじゃまである。さらに、室内の作業者の物理的存在が、荷電プレート表示値に干渉する。
【0016】
再び
図1を参照すると、この図に示されているように、個々の放射源モジュール12の間の信号線路14は、圧着、はんだ付けまたは他の方法でコネクタが各ワイヤの末端に取り付けられている複数のワイヤから成る。信号線路14の長さが放射源モジュール12間で異っている場合があるので、これらのコネクタは現場で(すなわち、据え付け中に)取り付けられる。すなわち、放射源モジュール12
1と放射源モジュール12
2との間の信号線路14の長さは、放射源モジュール12
3と放射源モジュール12
4との間の信号線路14の長さとは異っている場合がある。コネクタを現場で取り付けることによって、信号線路14が正確な長さに適切に設定されることが可能であり、それによって、より整然とした据え付けが結果的にもたらされる。
【0017】
現場でコネクタを取り付ける時に生じる問題点の1つは、コネクタが逆に取り付けられることがあるということである。この誤りは、システム全体が起動されるまで検出されない場合がある。この時には、据え付け業者がどのコネクタが逆であるのかを発見しなければならず、そのコネクタを配線し直すことによって問題を修復しなければならない。
【0018】
従来の室内イオン化装置10は、高電圧システムまたは低電圧システムのどちらであってもよい。高電圧システムでは、高電圧がコントローラ16で発生させられ、正放射源と負放射源とに対する接続のために複数の放射源モジュール12に電力ケーブルを介して配給される。低電圧システムでは、低電圧がコントローラ16で発生させられて、複数の放射源モジュール12に配給され、これらの放射源モジュールでは、正放射源と負放射源とに対する接続のために所望の高電圧に電圧が昇圧される。どちらのシステムでも、電圧は交流または直流のどちらであってもよい。電圧が直流である場合には、電圧は、定常直流でもパルス直流でもよい。各々のタイプの電圧が利点と欠点とを有する。
【0019】
従来のシステム10の欠陥の1つは、放射源モジュール12の全てが同一のモードで動作しなければならないということである。したがって、低電圧直流システムでは、放射源モジュール12の全てが定常イオン化装置またはパルスイオン化装置のどちらか一方だけを使用しなければならない。
【0020】
従来の低電圧直流システム10の別の欠陥は、放射源ベースの低電圧電源のために線形電圧調整器が一般的に使用されるということである。線形電圧調整器を通過する電流はその出力における電流と同一なので、線形電圧調整器の両端間での大きな電圧降下(例えば、30V入力/5V出力によって引き起こされる25Vの電圧降下)が、線形電圧調整器が大量の電力を消費することを生じさせ、一方、こうした大量の電力は、多量の熱を発生させる。したがって、線形電圧調整器の潜在的な過熱の可能性が入力電圧を制限し、一方、この入力電圧の制限が、単一のコントローラ16に接続されることが可能な放射源モジュールの量を制限する。さらに、電力線路は無損失ではないので、この電力線路の電流はいずれも電力線路の両端間で電圧降下を生じさせる。これらの最終的な影響は、線形電圧調整器が放射源モジュール12で使用される時には、モジュールベースの高電圧電源を駆動するのに十分な電圧を放射源モジュール12の全てが受け取ることを確実なものにするように、連続するデイジーチェーン形放射源モジュール12の相互間の距離と、コントローラ16と全ての放射源モジュール12との間の距離とが制限されなければならないということである。
【0021】
したがって、放射源モジュールの融通性および制御と、放射源モジュールとの通信とを改善することを可能にする、室内イオン化システムが、依然として必要とされている。さらに、より簡単な形で誤配線問題を自動的に検出して訂正する方法も依然として必要とされている。さらに、放射源モジュールのモードの個別制御を可能にする方法も依然として必要とされている。本発明は、これらの必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0022】
正放射源および負放射源と、その正放射源と負放射源とに別々に関連付けられている正の高電圧電源と負の高電圧電源とを有する電気イオン化装置において、正イオン出力と負イオン出力とを平衡させるための方法および装置が提供される。平衡基準値が、ソフトウェアによって調整可能なメモリ内に記憶される。電気イオン化装置の動作時には、平衡基準値が、上記放射源に近接した位置にあるイオン平衡センサによって測定される平衡測定値に対して比較される。平衡基準値が平衡測定値に等しくない場合には、正の高電圧電源および負の高電圧電源の少なくとも一方が自動的に調整される。この調整は、平衡測定値が平衡基準値に等しくなることを生じさせる形で行われる。さらに、電気イオン化装置の較正時または初期セットアップ時に、実際のイオン平衡が、荷電プレート監視装置を用いて電気イオン化装置付近の作業空間内で測定される。実際の平衡測定値が自動イオン平衡スキームが真の平衡状態をもたらしていないことを示す場合には、平衡基準値が調整される。
【0023】
同様の方法および装置がイオン出力電流の制御のために提供され、この場合には、イオン出力基準値が、ソフトウェアによって調整可能なメモリ内に記憶され、イオン出力電流基準値が、電気イオン化装置内の電流計測回路系によって測定された実際イオン電流値と比較され、所望イオン出力電流を維持するために自動調整が行われる。電気イオン化装置の較正時または初期セットアップ時に、荷電プレート監視装置を使用して、電気イオン化装置の付近の作業空間内で減衰時間が測定される。減衰時間が遅すぎるか早すぎる場合にはイオン出力電流基準値が調整され、一方、このことは、新たなイオン出力電流基準値に一致するように実際イオン出力電流を増減させる。
【0024】
平衡基準値およびイオン出力電流基準値の両方が、遠隔制御装置によって、または、電気イオン化装置に接続されているシステムコントローラによって調整されてもよい。
【0025】
本発明は、さらに、予め決められた区域内のあちこちに間隔を置いて配置されている複数の放射源モジュールと、放射源モジュールを制御するためのシステムコントローラと、複数の放射源モジュールをシステムコントローラにデイジーチェーン形に電気的に接続するための電線とを含み、電線が上記放射源モジュールに対する通信および給電の両方を実現する、予め決められた区域のためのイオン化システムも提供する。
【0026】
イオン化システムの1つの実施様態では、各々の放射源モジュールが個別のアドレスを有し、システムコントローラが各々の放射源モジュールを個別にアドレス指定して制御する。各放射源モジュールの平衡基準値とイオン出力電流基準値とが、システムコントローラによってまたは遠隔制御送信機によって個々に調整される。
【0027】
イオン化システムの別の実施様態では、誤配線状態の検出時に、各放射源モジュールの中に入る電線の相対的位置を自動的に変更するために、誤配線保護回路系が各々の放射源モジュール内に備えられている。
【0028】
イオン化システムの別の実施様態では、電線上での線路損を最小限に抑えるために、各々の放射源モジュールにスイッチング電源が備えられている。
【0029】
イオン化システムの別の実施様態では、複数の異なった動作電力モードのいずれか1つのモードに各放射源モジュールを設定するための電力モード設定が備えられている。
【0030】
本発明は、さらに、互いに固定した相互関係にありかつ第1の通信線路と第2の通信線路とを含む、配線済み電線の相対的位置を変更するための回路も提供する。この回路は、第1の通信線路に関連付けられている第1のスイッチと、第2の通信線路に関連付けられている第2のスイッチと、第1と第2のスイッチとに接続されている出力制御信号を有するプロセッサとを備える。第1のスイッチは、初期位置である第1の位置と、その初期位置である第1の位置とは逆の第2の位置とを有する。同様に、第2のスイッチは、初期位置である第1の位置と、その初期位置である第1の位置とは逆の第2の位置とを有する。プロセッサの出力制御信号は、第1のスイッチと第2のスイッチとがその各スイッチの第1の位置または第2の位置に置かれることを引き起こし、第1の通信線路と第2の通信線路とが、第1のスイッチと上記第2のスイッチの両方がそれらの初期位置である第1の位置にある時に第1の構成を有し、第1のスイッチと第2のスイッチの両方がそれらの第2の位置にある時に第2の構成を有する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の好適な実施例の詳細な説明を添付図面を参照しながら検討することによって、本発明をより適切に理解することが可能である。本発明を例示するために、現時点で好ましい実施様態が各図面に示されている。しかし、本発明はこれらの図に示されている構成と装置とには限定されない。
【0033】
単なる説明の便宜のために特定の術語がここで使用されているが、これらの術語が本発明を限定するとは理解されてはならない。添付図面では、複数の図面にわたって同一の要素を示すために、同一の参照符号が使用されている。
【0034】
図2は、本発明によるモジュール方式室内イオン化システム22である。このシステム22は、RS−485通信/電力線路26によってデイジーチェーン形にシステムコントローラ28に接続されている、複数の天井装着放射源モジュール24
1〜24
nを含む。本発明の1つの実施例では、最多で10個の放射源モジュール24が単一のシステムコントローラ28にデイジーチェーン形に接続されており、連続した放射源モジュール24が互いに約2.13〜7.32m(7〜24フィート)の間隔を置いて配置されている。各々の放射源モジュール24が電気イオン化装置と通信/制御回路系とを含み、これらの各々が
図6に詳細に示されている。システム22は、さらに、放射源モジュール24に命令を送るための赤外(IR)遠隔制御送信機30も含む。送信機30の回路系が、
図3〜5とにさらに詳細に示されている。システムコントローラ28の回路系が
図8にさらに詳細に示されている。
【0035】
システム22は、
図1に示されているような従来のシステムを上回る改善された機能をもたらす。改善された機能の幾つかは次の通りである。
【0036】
(1)各々の放射源モジュール24の平衡とイオン出力とが個々に調整される。こうした調整を行うために、各々の放射源モジュール24が、遠隔制御送信機30を経由して、または、システムコントローラ28によって、個々にアドレス指定されてもよい。アナログタイプのトリマー電位差計を使用する代わりに、放射源モジュール24は、ディジタルもしくは電子電位差計および/またはD/A変換器を使用する。平衡値とイオン電流値とがシステムコントローラ内のメモリロケーションに記憶され、ソフトウェア制御によって調整される。平衡値(電圧値に関係付けられる)は、B
REFとしてメモリ内に記憶され、イオン電流はC
REFとしてメモリ内に記憶される。
【0037】
(2)平衡調整とイオン出力調整とが遠隔制御によって行われてもよい。したがって、較正時および設定時にはユーザが「立ち入り禁止」区域の外側に立っている間に、および、荷電プレート監視装置を読み取るのに十分に近い距離に立っている間に、個々の放射源モジュール24を調整することができる。
【0038】
(3)問題の診断および修正が従来のシステムの場合よりも容易にかつ迅速に行われるように、放射源モジュール24が、識別情報と詳細な警報状態情報とをシステムコントローラ28に送る。例えば、放射源モジュール24
3は、システムコントローラ28に警報信号を送って、負放射源が不良であるか、正放射源が不良であるか、または、非平衡であるかを表示することが可能である。
【0039】
(4)各放射源モジュール24の中に組み込まれている誤配線保護回路系は、RS−485通信/電力線路26を据付け者がスイッチを反転、すなわち転極することを見込む。この回路系は、線路が逆向きにされている場合に自己修正を行い、それによって、線路の再配線を不要にする。従来の信号線路では、その線路が反転される場合には、通信または電力の配送は不可能になる。
【0040】
(5)各々の放射源モジュール24のモードが個別に設定されることが可能である。したがって、幾つかの放射源モジュール24が定常直流モードで動作し、一方、他の放射源モジュール24がパルス直流モードで動作することが可能である。
【0041】
(6)スイッチング電源(すなわち、スイッチングレギュレータ)が、線形電圧調整器の代わりに放射源モジュール24で使用される。このスイッチング電源は線路損失を減少させ、それによって、互いに遠く離れている場合、および/または、そのシステムコントローラ28から遠く離れている場合がある放射源モジュール24に対して、システムコントローラ28が適切な動作電圧を供給することを可能にする。スイッチング電源は、出力を駆動するためにそのスイッチング電源が必要とする電力だけしか線路から減じないので、線形電源よりも効率が高い。したがって、通信/電力線路26を挟んだ電圧降下は、線形電源に比較して小さい。したがって、よりゲージの小さいワイヤが使用されてよい。スイッチング電源は、従来の低電圧システムの場合に比較して放射源モジュール24が互いにより遠く離して配置されることと、システムコントローラ28からより遠く離して配置されることとを可能にする。
【0042】
次に、システム22の個々の構成要素を説明する。
【0043】
図3は、遠隔制御送信機30の概略的なブロック線図を示す。送信機30は、2つのロータリエンコーダスイッチ32と、4つの押しボタンスイッチ34と、4:2デマルチプレクサ36と、シリアルエンコーダ38と、周波数変調器40と、IRドライブ回路42とを含む。ロータリエンコーダスイッチ32は、個々の放射源モジュール24を「アドレス指定」するのに使用される7つのバイナリデータ線路を与えるために使用される。4つの押しボタンスイッチ34が、回路系に電力を接続するために、かつ、4:2デマルチプレクサ36を通過する信号を生じさせるために使用される。
【0044】
4:2デマルチプレクサ36は、2つの2入力NANDゲートと1つの4入力NANDゲートとを備える。2つの出力信号を発生させる従来の4:2デマルチプレクサとは異って、デマルチプレクサ36は、3つの出力信号、すなわち、2つのデータ線路と1つのイネーブル線路とを生じさせる。「イネーブル」信号(従来の4:2デマルチプレクサによっては発生させられない)が、押しボタンの押し下げの結果として4つの入力のいずれかがLOWになる時に生じる。この信号は、LEDをオンにするために、および、エンコーダの出力と変調器の出力とを使用可能にするために使用される。
【0045】
ロータリエンコーダスイッチ32からの7つのバイナリデータ線路と、デマルチプレクサ36からの2つのデータ線路と1つのイネーブル線路とがシリアルエンコーダ38に送られ、このシリアルエンコーダではシリアルデータストリームが生じさせられる。変調器40は、デマルチプレクサ36からのイネーブル線路と、エンコーダ38からのシリアルデータとを受け取り、変調信号を生成する。そして、この変調信号は、IR情報を送信するためのIRダイオードドライブ回路に送られる。
【0046】
図4および5は、
図3の回路レベルの図である。
【0047】
図6は、1つの放射源モジュール24の概略的なブロック線図を示す。この放射源モジュール24は、少なくとも次の3つの基本的機能を果たすが、それは、イオンの発生と監視、システムコントローラ28との通信、および、送信機30からのIRデータの受信である。
【0048】
放射源モジュール24は、3つの入力系路と2つの出力系路とを含む閉ループトポロジを使用してイオンを発生させる。これら3つの入力系路の内の2つの経路が正イオン電流と負イオン電流とを監視し、電流計測回路56または58と、多入力A/D変換器60と、マイクロコントローラ44とを含む。第3の入力系路はイオン平衡を監視し、センサアンテナ66と、増幅器68と、多入力A/D変換器60と、マイクロコントローラ44とを含む。2つの出力経路は、高電圧電源52または54の電圧レベルを制御し、マイクロコントローラ44と、ディジタル電位差計(または、その代替物としてのD/A変換器)と、アナログスイッチと、高電圧電源52または54と、出力放射源62または64とを含む。ディジタル電位差計およびアナログスイッチはレベルコントローラ48または50の一部である。
【0049】
動作時には、マイクロコントローラ44が、システムコントローラ28から得られる基準イオン出力電流値C
REFを保持する。その次に、マイクロコントローラ44が、この値を、A/D変換器60から読み取られる測定値または実際値C
MEASと比較する。この測定値は、正電流値と負電流値とを平均することによって得られる。C
MEASがC
REFと相違する場合には、マイクロコントローラ44が、正放射源と負放射源とに関連付けられているディジタル電位差計(またはD/A変換器)に命令を送り、その電位差計の出力を同じ量(または、概ね同じ量)だけ増減させる。正レベルコントローラ48、50のアナログスイッチが、マイクロコントローラ44によって制御され、このマイクロコントローラ44は、放射源モジュールのモードに応じて、定常直流イオン化のためにアナログスイッチを常にオン状態にしておくか、あるいは、変動する割合でアナログスイッチを振動させる。それから、アナログスイッチからの出力信号が、正の高電圧電源52と負の高電圧電源54とに送られる。これらの高電圧電源52、54はその直流信号を受け取り、放射源尖端62、64上に高電圧電位を生じさせる。上記のように、高電圧電位のための戻り経路が正または負の電流計測回路56、58に接続されている。電流計測回路56、58は、高電圧電源52、54が抵抗器を通して電流を得る時に生じさせられる電圧を増幅する。その次に、高電圧戻り回路が、この信号を、(このために4つの入力を有する)A/D変換器60に送る。A/D変換器60は、マイクロコントローラ44によって要求される時に、高電圧戻り回路によって生じさせられる電圧レベルに対応するシリアルデータストリームを生じさせる。それから、マイクロコントローラ44が、これらの値を、プログラムされた値と比較して、ディジタル電位差計を調整する。
【0050】
センサアンテナ66と、(34.2の利得を有する増幅器のような)増幅器68と、レベル調整器(図示されていない)と、A/D変換器60とを使用することによって、放射源モジュール24のイオン平衡が実現される。センサアンテナ66は、正放射源モジュール62と負放射源モジュール64との間に、この間の各モジュールから等距離の位置に配置されている。放射源モジュール24において非平衡がある場合には、センサアンテナ66上に電荷が蓄積するだろう。この蓄積された電荷は増幅器68によって増幅される。この増幅された信号が、A/D変換器60の入力範囲に適合するようにレベルシフトされ、それから、マイクロコントローラ44で使用するためにA/D変換器60に送られる。
【0051】
マイクロコントローラ44とシステムコントローラ28との間に配置されている通信回路は、誤配線保護回路70とRS−485符号器/復号器72とを含む。
【0052】
通信/電力線路26にコネクタを取り付ける際に据え付け者が誤って配線接続を逆転(すなわち、反転または転極)する場合にさえ、誤配線保護回路によって、放射源モジュール24が正常に動作することが可能である。放射源モジュール24が最初に電源投入されると、マイクロコントローラ44は、2つのスイッチをオンにし、RS−485線路を読み取る。この初期読取り値から、マイクロプロセッサ44が、期待状態(expected state)に通信/電力線路26があるかどうかを判定する。通信/電力線路26がその期待状態にあり、かつ、予め決められた時間期間の間その期待状態のままである場合には、通信/電力線路26の通信線路が反転させられずに、マイクロコントローラ44内のプログラムが次のステップに進む。しかし、その線路が期待状態とは反対である場合には、通信/電力線路26の通信線路を正しい状態に電子的に反転させるために、誤配線保護回路70に関連したスイッチが逆向きにされる。通信/電力線路26が修正されると直ぐに、システムコントローラ28が放射源モジュール24と通信するための経路が動作状態になる。入力電力を適正な極性に自動的に適合させるために、全波ブリッジが備えられる。
【0053】
図7は、誤配線保護回路70の回路レベル線図である。反転スイッチ74
1、74
2は、通信線路を電気的に極性反転(flip)させ、全波ブリッジ76が電力線路を反転させる。好適な4ワイヤ配列方式では、2つのRS−485通信線路が外側にあり、2つの電力線路が内側にある。
【0054】
再び
図6を参照すると、システムコントローラ28が個々の放射源モジュール24と通信しようとする時に、送られる第1のバイトは「アドレス」である。この時点では、放射源モジュール24内のマイクロコントローラ44は、放射源モジュールアドレス回路から「アドレス」を検索する必要がある。放射源モジュールの「アドレス」が、放射源モジュール24上に位置した2つのロータリエンコーダスイッチ90の調整によって据え付け時に設定される。マイクロコントローラ44が、ロータリエンコーダスイッチ90とシリアルシフトレジスタ92とからアドレスを取得する。ロータリエンコーダスイッチ90は、シリアルシフトレジスタ92への7つのバイナリデータ線路を提供する。必要に応じて、マイクロコントローラ44は、「アドレス」を決定するために、スイッチの設定を逐次的にシフトインし、そのアドレスをそのメモリ内に記憶する。
【0055】
放射源モジュール24は、IR受信機96とIR復号器98と2つのロータリエンコーダスイッチ90とを含む、IR受信機回路94を含む。赤外信号が受信されると、IR受信機96は、搬送周波数を取り除き、IR復号器98に送られるシリアルデータストリームだけを残す。IR復号器98はそのデータを受け取り、最初の5つのデータビットを、ロータリエンコーダスイッチ90上の5つの最上位データビットと比較する。これらのデータビットが一致する場合には、IR復号器98が、マイクロコントローラ44に入力される4つの並列データ線路と1つの有効な伝送信号とを生じさせる。
【0056】
放射源モジュール24は、さらに、マイクロコントローラ44が暴走した時にマイクロコントローラ44をリセットするための、ウォッチドッグタイマ100も含む。
【0057】
放射源モジュール24は、さらに、システムコントローラ102から20〜28VDCを受け取り、+12VDC、+5VDC、−5VDCおよびグランドを生じさせるスイッチング電源102も含む。上記のように、大きな電圧降下を引き起こす原因となる長い配線距離のために、電力を維持するようにスイッチング電源が選択されている。
【0058】
図12は、放射源モジュールのマイクロコントローラ44に関連付けられているソフトウェアの簡明なフローチャートである。
【0059】
図8は、システムコントローラ28の概略的なブロック線図である。システムコントローラ28は少なくとも3つの基本機能を果たすが、すなわち、放射源モジュール24と通信し、外部監視コンピュータ(図示されていない)と通信し、データを表示する。システムコントローラ28は、RS−485通信104を使用して放射源モジュール24と通信し、RS−232通信106を使用して監視コンピュータと通信することが可能である。システムコントローラ28は、マイクロプロセッサでもよいマイクロコントローラ110を含む。マイクロコントローラ110に対する入力は、5つの押しボタンスイッチ112と、キースイッチ114とを含む。LCDディスプレイ116をスクロールさせて設定を選択および変更するために、押しボタンスイッチ112が使用される。キースイッチ114は、システムを、スタンバイモード、実行モード、または、セットアップモードに設定するために使用される。
【0060】
システムコントローラ28は、さらに、マイクロコントローラ110と共に使用するためのメモリ118とウォッチドッグタイマ120とを含む。メモリ118の一部分は、電力オフ時または電力中断時に、放射源モジュール24に関するC
REFとB
REFと、他のシステム構成情報とを記憶するためのEEPROMである。ウォッチドッグタイマ120は、システムコントローラ28が停止したかどうかを検出して、それ自体のリセットを行う。
【0061】
個々の放射源モジュール24をアドレス指定するために、システムコントローラ28は、さらに、放射源モジュール24の対応する要素の動作とその動作が類似する、2つのロータリエンコーダスイッチ122とシリアルシフトレジスタ124とを含む。
【0062】
システム22のセットアップ時には、各々の放射源モジュール24が、そのロータリエンコーダスイッチ90を介して固有の番号に設定される。その次に、システムコントローラ28が、放射源モジュール24
1〜24
nの状態警報値を得るために、これらのモジュールをポーリング(polling)する。ポーリングの実施例の1つでは、システムコントローラ28が、番号の欠落なしに連続的に番号が放射源モジュール24の各々に割り振られているかどうかを判定するために、放射源モジュール24を検査する。ディスプレイ116を通して、システムコントローラ28がその検査結果を表示し、オペレータに承認を求める。欠落番号を発見した時には、オペレータが放射源モジュール24に番号を割り振り直して、ポーリングを再実行してもよく、または、既存の番号付けの承認の信号を送ってもよい。オペレータが番号付けスキームの承認の信号を送ると、システムコントローラ28が、後続の動作と制御とのために放射源モジュール番号を記憶する。本発明の別の実施例では、システムコントローラ28が、放射源モジュール24に自動的に番号を割り当て、それによって、各放射源モジュール24においてスイッチを設定する必要をなくす。
【0063】
上記のように、遠隔制御送信機30が、放射源モジュール24に対して命令を直接送ってもよく、または、システムコントローラ28を経由して命令を送ってもよい。したがって、システムコントローラ28が、この目的のためにIR受信機126とIR復号器128とを含む。
【0064】
システムコントローラ28は、さらに、同期化リンクであるSYNC IN 130とSYNC OUT 132とを含む。これらのリンクは、複数のシステムコントローラ28に関連付けられている放射源モジュール24の放射率(firing rate)と位相とが互いに同期化されるように、同期化された形で複数のシステムコントローラ28がデイジーチェーン接続されることを可能にする。有限個の放射源モジュール24が単一のシステムコントローラ28によって制御されることが可能なので、この特徴が、さらに多くの放射源モジュール24が同期した形で動作することを可能にする。このスキームでは、1つのシステムコントローラ28がマスタとして動作し、残りのシステムコントローラ28がスレーブコントローラとして動作する。
【0065】
システムコントローラ28は、随意に、表示灯タワー等の形で警報を表示するためのリレーインジケータ134を含んでもよい。この形態では、独立形システムコントローラ28、あるいは、複数のスレーブコントローラを有するマスタシステムコントローラ28、を監視しているオペレータに対して、特定の警報状態が視覚的に伝達されることが可能である。
【0066】
システムコントローラ28は、3つの汎用入力交流スイッチング電源(図示されていない)を収容する。これらの電源は、50−60Hzで90〜240VACのいずれかの線路電圧から絶縁28VDCを生じさせる。この(20VDCから30VDCの間で変化してよい)28VDCが、放射源モジュール24に給電するために放射源モジュール24に供給される。さらに、システムコントローラ28内のオンボードスイッチング電源136が、汎用入力交流スイッチング電源から28VDCを受け取り、+12VDC、+5VDC、−5VDCおよびグランドを生じさせる。電力を維持するためには、スイッチング電源が好ましい。
【0067】
図13および14は、システムコントローラのマイクロプロセッサ110に関連付けられているソフトウェアの簡明なフローチャートである。
【0068】
図9は、放射源モジュール24
1の平衡制御回路138の概略的なブロック線図である。(演算増幅器とA/D変換器とを含む)イオン平衡センサ140が、放射源モジュール24
1の放射源に比較的近くで測定される平衡測定値B
MEASを出力する。マイクロコントローラ44内に記憶されている平衡基準値142であるB
REF1が、比較器144においてB
MEASと比較される。これらの値が互いに等しい場合には、正または負の高電圧電源146の調整は行われない。これらの値が互いに等しくない場合には、これらの値が等しくなるまで電源146に対して適切な調整が行われる。このプロセスは、放射源モジュール24
1の動作中に連続的にかつ自動的に生じる。較正または初期セットアップの際に、放射源モジュール24
1の付近の作業空間内で実際平衡測定値B
ACTUALを得るために、荷電プレート監視装置から平衡測定値が求められる。比較器の出力が、B
REF1がB
MEASと等しいことを示し、かつ、B
ACTUALがゼロである場合には、放射源モジュール24
1が平衡しており、さらに別の処置は行われない。しかし、比較器の出力が、B
REF1がB
MEASと等しいことを示しており、かつ、B
ACTUALがゼロでない場合には、放射源モジュール24
1が非平衡である。したがって、遠隔制御送信機30またはシステムコントローラ28を使用して、B
ACTUALがゼロに戻されるまでB
REF1が増減調整される。例えば、製造許容差と経時的なシステム劣化とのために、各々の放射源モジュール24が、異ったB
REF値を有する可能性があるだろう。
【0069】
図10は、C
REFとC
MEASとに関して上述した通りの、イオン電流のために使用される
図9と同様の方式である。この
図10では、C
MEASが、
図6に示される回路要素56、58、60を使用して直接測定される通りの実際のイオン出力電流である。比較器152は、(マイクロコントローラ44内のメモリ50に記憶されている)C
REF1をC
MEASと比較する。これらの値が互いに等しい場合には、正または負の高電圧電源146に対しては調整は行われない。これらの値が互いに等しくない場合には、これらの値が互いに等しくなるまで適切な調整が電源146に対して行われる。放射源モジュール24
1の動作中に、このプロセスが連続的かつ自動的に行われる。較正または初期セットアップの際に、放射源モジュール24
1の付近の作業空間内で実際のイオン出力電流C
MEASの表示を得るために、荷電プレート監視装置148から減衰時間の測定値が得られる。この減衰時間が所望範囲内にある時には、それ以上の処置は行われない。しかし、減衰時間が遅すぎるか早すぎる場合には、C
REF1がオペレータによって増減調整される。その次に、比較器152はC
MEASとC
REF1との間の差を示し、上記と同様の形で、これらの値が等しくなるまで適切な調整が電源146に対して自動的に行われる。
【0070】
上記したように、従来の自動平衡システムはハードウェアベースのフィードバックシステムを有し、少なくとも次の問題点を呈する。
(1)フィードバック制御信号がハードウェア構成要素値に基づいて固定されているので、こうしたシステムはあまり厳密な平衡制御を提供できない。
(2)平衡制御の全範囲が、ハードウェア構成要素値に基づいて限定されている。
(3)適正な動作を得るために個々の構成要素が相互依存しあっているので、迅速にかつ低コストで修正を加えることは困難である。
【0071】
従来のイオン電流制御回路系は、上記に類似した問題点を有する。本発明のソフトウェアベースの平衡およびイオン電流制御回路系は、従来のシステムとは対照的に、こうした欠点を全く持たない。
【0072】
図11は、
図2のシステム22のハードウェア構成要素の斜視図である。
【0073】
マイクロコントローラ44、110は、次のような有利な特徴が実現されることを可能にする。
【0074】
(1)マイクロプロセッサが、B
REFとB
MEASとの間の比較とC
REFとC
MEASとの間の比較とのために使用されるコンパレータを監視する。これらの差が両方とも予め決められた値よりも小さい場合には、放射源モジュール24が、正常動作に関連した必要な僅かな調整を行っているものと推定される。しかし、1つ以上の時点において、これらの差の一方または両方が予め決められた値よりも大きい場合には、放射源モジュール24を点検する必要があると推定される。この時点で、警報がシステムコントローラ28に送られる。
【0075】
(2)急激な変化または電位差オーバシュートを回避するために、各々の放射源モジュール24に関する自動的なイオン発生変化と平衡変化との勾配を増減してもよい。例えば、パルス直流モードを使用する時には、パルスレート(すなわち、周波数)を、所望の勾配の増減効果を実現するように、当初の値から所望値に徐々に調整してもよい。パルス直流モードまたは定常直流モードのどちらを使用する時には、所望の勾配の増減効果を実現するために直流振幅を当初の値から所望値に徐々に調整してもよい。