(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱可塑性裏材が、x方向と、前記x方向に直交するy方向とを有し、前記遠位キャップが、前記ステムを超えて前記x方向及び前記y方向の両方に延びる張出し部分を有し、前記x方向又は前記y方向の一方のみに延びる前記張出し部分が、前記第2の方向に向けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、本開示の実施形態がより詳細に参照され、その1つ以上の実施例は、図面で図示される。一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、他の実施形態と共に使用され、第3の実施形態を得ることもできる。本開示はこれらの及び他の修正及び変形を含むことが意図される。
【0026】
図1A及び2Aは、本開示の方法において、器具と接触する前の構造化表面の直立要素上の代表的な遠位キャップ12に関するいくつかの実施形態の平面図を示す。
図1B及び2Bは、
図1A及び2Aに示される実施形態の側面図を示す。直立要素は、熱可塑性裏材14に付着された近位端、及び遠位キャップ12を有するステム10を有する。ステム10は、典型的に、遠位キャップ12の面積よりも小さい断面積を有する。ステム10を超えて伸長する遠位キャップ12の部分は、張出し部分と呼ばれる。例示の実施形態において、直立要素は、ステム10のあらゆる側面上に張出し部分を有する。いくつかの実施形態において、遠位キャップ12は、
図1Aに示されるように円形であり、またいくつかの実施形態では、遠位キャップ12は、
図2Aに示されるように楕円形である。以下に記載のように、他の遠位キャップの形状も可能である。直立要素は、裏材14の第1の表面上にあると言える。裏材14の第1の表面は、
図1B及び2Bに示される上面である。本明細書に開示される任意の実施形態において、直立要素が付着される表面は、第1の表面又は第1の主表面と呼ぶことができる。
図1B及び2Bに示されるように、張出し部分は、ステム10を超えて少なくとも第1の方向に延びる。例示の実施形態において、第1の方向は、熱可塑性裏材14に概して平行の方向である。直立要素の他の実施形態において、張出し部分が伸長する方向は、熱可塑性裏材に対してある角度をなし得る。例えば、第1の方向は、熱可塑性裏材と平行の状態から5度、10度、又は20度まで逸脱し得る。
【0027】
図1C及び2Cは、本開示の方法において、器具と接触した後の構造化表面の直立要素上の代表的な遠位キャップ12に関するいくつかの実施形態の平面図を示す。
図1D及び2Dは、
図1C及び2Cに示される実施形態の側面図を示す。本開示に従う方法では、器具が遠位キャップ12の少なくともいくつかの張出し部分と接触するとき、直立要素の2つの隣接した列の間を器具が通過するにつれて、張出し部分16の少なくとも一部が、第1の方向と異なる第2の方向に向けられる。例示の実施形態において、器具と接触する張出し部分16は、熱可塑性裏材14に向かって下方に向けられる。張出し部分16がそれらの元の方向から変化する度合いは、例えば、器具の種類及び寸法、並びに以下に記載される他の要因に依存し得る。例示の実施形態において、張出し部分16の少なくとも一部が熱可塑性裏材の方に向けられる角度である、第2の方向と第1の方向との間の角度は、例えば、5度〜90度、10度〜75度、又は20度〜60度の範囲であってもよい。例示の実施形態において、遠位キャップ12は、第2の方向に向けられるステム10の両側に張出し部分を有するが、器具が直立要素の両側で使用されるか否かに応じて、本開示に従って、構造化表面がステム10の片側のみで第2の方向に向けられた張出し部分16の一部を有すること、及び/又は本開示に従ってそうさせることが可能である。
【0028】
本開示に従う方法は、直立要素の2つの隣接した列の間に器具を通過させる工程を含む。
図3は、本開示の方法に関するいくつかの実施形態に従って、直立要素の隣接した列の間を通過する器具25の側面図の顕微鏡写真である。例示の実施形態に示されるように、張出し部分の少なくとも一部が、第1の方向と異なる第2の方向に向けられるように、器具25が、2つの隣接した列において、遠位キャップ12の少なくともいくつかの張出し部分と接触する。例示の実施形態において、張出し部分の一部は、熱可塑性裏材の方に向けられる。
【0029】
図3に例示される実施形態において、器具25は針である。針は、任意の好適な材料(例えば、金属又はポリマー)で作製されてもよい。例示の実施形態において、針は金属製である。他の実施形態において、器具は、例えば、ワイヤー(例えば、針のように硬いか、又はギターストリングのようにより可撓性)又は任意の好適な材料で作製されたシムであってもよい。
【0030】
ここで
図4を参照して、複数の器具25(図示されるような針)は、熱可塑性裏材14上の直立要素の複数の隣接した列の間に示される。複数の針の使用は、複数の列において同時に遠位キャップ12を形成することを可能にする。複数の器具は、熱可塑性裏材14上の直立要素の複数の列の間で自己整列することができ、これは、例えば、針の先端のテーパー化、及び針のいくらかの可撓性によって可能にすることができる。
【0031】
図4において、複数の器具25の配列は、熱可塑性裏材14の少なくとも一部分について、全ての列の遠位キャップ12が、それぞれの側に接触するように、直立要素の複数の列の間に位置付けられて示されているが、有用な構造化表面を製造するために、全ての列の遠位キャップ12が器具と接触する必要はないと考えられる。例えば、器具は、一列おき、又は三列おきに配置されてもよい。また多数の器具の群を使用して、1つのセクション又は領域で直立要素の多数の列を処理することができる一方で、隣接したセクション又は領域は、器具に接触しないままであり得る。あるいは、熱可塑性裏材14上の直立要素の異なるセクション又は領域が、異なる寸法又は形状を有する器具に接触されてもよい。したがって、構造化表面における遠位キャップ12の形状は、適用要件に応じて調整され得る。
【0032】
図4において、複数の器具25の少なくともいくつかは、異なる長さを有するか、又は別の方法で、それらの先端が互いに整列しないように位置付けられる。これは要件ではなく、いくつかの実施形態において、器具の先端が互いに整列してもよい。例示の実施形態において、複数の器具が複数の列の間を通過するにつれて、それぞれの遠位キャップ12は、一度にたった1つの器具に接触するが、遠位キャップ12の両側が連続的に接触する。この実施形態において、同時に両側に接触させることによる遠位キャップ12のピンチングは回避されてもよく、いくつかの用途に有利であり得る。
【0033】
器具が針である上述の実施形態を含むいくつかの実施形態において、器具はテーパー状である。
図5は、テーパー状の先端を有する器具35が、直立要素の2つの隣接した列において、遠位キャップ12にどのように接触し得るかを示す。器具35は、直立要素のステム10を超えて延びる、張出し部分16に接触する。
図5に示される実施形態において、器具35のテーパー状部分が、直立要素の隣接した列の間に適合し、遠位キャップ12に接触する。図に示されるように、器具35は、成形作用を達成するために、熱可塑性裏材14に触れる必要はない。
【0034】
図6に示される実施形態において、器具は、シム45A又は45Bであり、金属シム、ポリマーシム、又は任意の好適な材料で作製され、かつ任意の好適な形状のシムであり得る。シムが可撓性である場合、複数の列の間を通過した多数のシムは、直立要素の列の間で自己整列し得る。
図6に示されるビューにおいて、シム45A又は45Bは、ビューアーに見える直立要素の列の間を通過し、その列の後ろにある直立要素の列は、ビューアーに見えない。シム45Aは、それが熱可塑性裏材14に対して垂直に配置される配向で示され、一端が熱可塑性裏材14に対して、又はその付近で平坦である。シム45Bは、それが熱可塑性裏材14に対してある角度をなして配置される配向で示され、シム45Bの1つの角部のみが、直立要素の隣接した列の間を通過する。本開示を実行するために有用であり得る好適なシムは、標準隙間ゲージを含み、テーパー状であり得るか、又は平行な側面を有し得る。
【0035】
上述の実施形態を含むいくつかの実施形態において、器具は、熱可塑性裏材を切断しない。これらの実施形態のいくつかにおいて、器具は、裏材の領域をブリッジングすることによって断続スリットが形成されるように、熱可塑性裏材を断続的様式で切断しない。いくつかの実施形態において、器具は、熱可塑性裏材の表面を部分的に切り込まない。上述のように、器具は、いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材に触れる必要さえない。
【0036】
しかしながら、他の実施形態において、器具はブレード(例えば、回転カッター)であってもよく、熱可塑性裏材を切断するか、又は部分的に切断しながら、熱可塑性裏材上の直立要素の遠位キャップを成形し得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、直立要素の隣接した列のいくつかの対の間の器具(例えば、回転カッター)によって、断続スリットが熱可塑性裏材に切り込まれる。断続スリットは、裏材の完全なブリッジング領域によって中断される。ブリッジング領域は、裏材が切断されていない領域であり、それらは断続スリットと共線的である。断続スリットは、複数の列と同一方向に線状であり得る。断続スリットのいずれかの側面状の裏材の複数の部分は、典型的に隣接しており、回転カッターが直立要素の複数の列の間を通過した後に離間配置されない。断続スリットは、熱可塑性裏材の厚さを完全に切断し得るか、又は直立要素の隣接した列のいくつかの対の間で熱可塑性裏材の第1の面(すなわち、直立要素が突出する同一面)を部分的に切り込んでもよい。部分的なスリットは、裏材の厚さを5、10、20、30、40、50、60、70、80、又は90%、例えば、40〜90%の範囲で貫通し得る。更に、ブリッジング領域の熱可塑性裏材は、切断されなくてもよいか、又は裏材の厚さを通して延びず、断続スリットと共線的である、ブリッジング領域の熱可塑性裏材に部分的深さ切断が存在し得る。部分的深さ切断は、5、10、20、30、40、50、60、70、80、又は90%まで裏材の厚さに貫通し得る。断続スリットは、直立要素の全ての列の間、直立要素の一列おき、又は必要に応じて均等若しくは不均等に離間配置され得る他のパターンで位置付けられてもよい。
【0038】
ブリッジング領域を含む任意のこれらの実施形態について、ブリッジング領域は、断続スリットの方向に垂直な方向に整列又はずらして配置され得る。1つの断続スリットのブリッジング領域が、隣接した中断スリットのブリッジング領域の間で実質的に中間に位置するように、ブリッジング領域が、ずらして配置されてもよい。ブリッジング領域がこの様式でずらして配置されるとき、構造化表面ハンドルを統合ユニットとして作製するために必要なブリッジング領域の数は最小化される。
【0039】
更に、ブリッジング領域を含む任意のこれらの実施形態について、種々の長さのブリッジング領域が有用であり得る。いくつかの実施形態において、隣接した列の対の間の任意のブリッジング領域は、裏材の長さの50%(いくつかの実施形態では、40、30、25、20、15、又は10%)までの複合長を有する。いくつかの実施形態において、フックストリップが屈曲する能力を最大化するために、ブリッジング領域の複合長を最小化することが望ましい場合がある。ブリッジング領域の複合長を最小化することは、任意の特定のブリッジング領域の長さを最小化するか、又はブリッジング領域の間の距離を最大化するかの少なくとも一方によって達成され得る。いくつかの実施形態において、1つのブリッジング領域の長さは、3、2、又は1.5mmまで、少なくとも0.25、0.5、又は0.75mmである。いくつかの実施形態において、ブリッジング領域の数は、1.5、1.25、1.0、0.75、0.60、又は0.5/cmまでである。ブリッジング領域間の距離は、例えば、少なくとも0.75、1.0、1.25、1.5、又は1.75cmであり得る。更に、ブリッジング領域間の断続スリット又は部分的スリットの長さは、典型的に、ブリッジング領域の間の距離を最大化するように選択される。いくつかの実施形態において、ブリッジング領域の間の断続スリット又は部分的スリットの長さは、少なくとも8mm(いくつかの実施形態では、少なくとも10、12、14、15、16、17、18、19、又は20mm)である。
【0040】
いくつかの実施形態において、直立要素の隣接した列のいくつかの対の間の器具(例えば、回転カッター)によって、部分的スリットが熱可塑性裏材に切り込まれる。部分的スリットは、複数の列と同一方向に線状であり得る。部分的なスリットは、裏材の厚さを5、10、20、30、40、50、60、70、80、又は90%、例えば、40〜90%の範囲で貫通し得る。部分的スリットが、40〜90%の範囲で裏材の厚さを貫通するとき、部分的スリットは、直立要素の隣接した列の間で屈曲するのを可能にするが、裏材は容易に破断しない。いくつかの実施形態において、部分的なスリットは、50〜90、50〜85、55〜85、60〜80、又は65〜80%の範囲で裏材の厚さを貫通する。部分的スリットは、直立要素の全ての列の間、直立要素の一列おき、又は必要に応じて均等若しくは不均等に離間配置され得る他のパターンで位置付けられてもよい。
【0041】
器具が、熱可塑性裏材に断続スリット又は部分的スリットを提供するブレードである任意の実施形態について、構造化表面はロール形態であってもよく、そこからパッチが所望の用途(例えば、機械的締結)に適した寸法で切断される。断続スリットを中断するブリッジング領域は、構造化表面を統合ユニットとして扱われるのを可能にする。同様に、部分的スリットは熱可塑性裏材を通して延びないため、構造化表面は、統合ユニットとして扱われ得る。ブリッジング領域を含む任意の実施形態のブリッジング領域、又は部分的スリットを有する実施形態の裏材の未切断部分は、本開示に従って構造化され、及び/又は本開示に従ってロール形態で扱われるように作製され、必要に応じて変換されるのを可能にする。
【0042】
いくつかの実施形態において、直立要素の隣接した列のいくつかの対の間の器具(例えば、回転カッター)によって、完全なスリットが熱可塑性裏材に(すなわち、全体裏材厚を通して)切り込まれる。これらの実施形態において、構造化表面は、通常、以下で更に詳述されるように、締結積層体の一部として支持材料に接合される。スリットは、列の方向に線状であってもよく、裏材の上端から下端に延びて、熱可塑性裏材の別個の隣接するストリップを支持材料上に形成し得る。スリットは、直立要素の全ての列の間、直立要素の一列おき、又は必要に応じて均等若しくは不均等に離間配置され得る他のパターンで位置付けられてもよい。
【0043】
本明細書に開示される方法及び構造化表面の裏材及び直立要素に好適な熱可塑性材料には、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンホモポリマー、エチレン、プロピレン、及び/又はブチレンのコポリマー、エチレンビニルアセテート及びアクリル酸エチレン等のエチレンを含有するコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエチレンブチラート、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)等のポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン、ポリフェニレン硫化物、並びにそれらの混合物が挙げられる。典型的に、構造化表面は、ポリオレフィンで作製される(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらの材料のコポリマー及びブレンド)。
【0044】
本明細書に開示される方法及び構造化表面において、熱可塑性裏材及び直立要素は、典型的に統合型である(つまり、ユニットとして同時に形成される、一体型)。裏材上の直立ステムは、例えば、逆形状のステムを有する空洞を有する、連続的に移動する成形型表面の上に熱可塑性材料を送給することによって作製することができる。熱可塑性材料は、2つのロールによって形成されたニップ、又はダイ面とロール表面との間のニップの間を、空洞を有するロールの少なくとも1つとともに通過することができる。空洞は、ループ係合ヘッドを有する末端保護されたステムの逆形状であり得るか、又はループ係合ヘッドのないステムの逆形状であってもよい(例えば、締結要素に対する前駆体)。本明細書に開示される方法において、用語「ステム」は、実施形態に応じてループ係合ヘッドのあるステム、又はループ係合ヘッドのないステムを含むものとする。ニップにより提供される圧力は、樹脂を空洞に押し込む。いくつかの実施形態では、真空を使用して、空洞へのより容易な充填のために空洞を空にすることができる。ニップは、典型的に、凝集性裏材が空洞の上に形成されるように十分に幅広い。金型表面及び空洞は、一体形成された裏材及び直立要素をストリッパーロール等により金型表面から剥離する前に、任意に空冷又は水冷されてもよい。空洞を退出する際に形成されたステムが、ループ係合ヘッドを有さない場合、形成された突起は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,077,870号(Melbyeら)及び同第5、845,375号(Millerら)に記載されるようなキャッピング方法により続いてフックに形成され得る。典型的には、キャッピング方法は、熱及び/又は圧力を使用して、直立要素の先端部分を変形させる工程を含む。熱及び圧力は、両方使用される場合、順次又は同時に印加され得る。
【0045】
他の好適なツールロールは、例えば、米国特許第4,775,310号(Fischer)に開示されるもの等の複数のステム形成空洞をその周辺部に画定する一連のプレートから形成されるものを含む。空洞は、例えば、掘削又はフォトレジスト技法によってプレートに形成されてもよい。更に他の好適なツールロールは、例えば、米国特許第6,190,594(Gormanら)において、それらの製造方法とともに開示される、ワイヤーラップロールを含んでもよい。直立要素を有する熱可塑性裏材を形成するための別の例示的方法は、米国特許第7,214,334号(Jensら)に記載される、直立ステム形成空洞の配列を画定する可撓性成形型を使用する工程を含む。直立ステムを有する熱可塑性裏材を形成するための更に他の有用な方法は、米国特許第6,287,665号(Hammer)、同第7,198,743号(Tuma)、及び同第6,627,133号(Tuma)に見出すことができる。
【0046】
本開示に従う方法及び/又は本開示に従う構造化表面に有用な前駆体であり得るいくつかの材料は、例えば、3M Company(St.Paul)から商品名「CS−600」又は「CS−1010」として市販されている。
【0047】
任意のその様々な実施形態における本開示の方法について、熱可塑性裏材の厚さは、所望の用途に応じて、約400、250、150、100、75、又は50マイクロメートルまでであり得る。いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材の厚さは、30〜約225マイクロメートル、約50〜200マイクロメートル、又は約100〜約150マイクロメートルの範囲内である。いくつかの実施形態において、直立要素は、3mm、1.5mm、1mm、又は0.5mmまでの最大高(裏材の上)を有し、いくつかの実施形態では、少なくとも0.05mm、0.1mm、又は0.2mmの最小高を有する。いくつかの実施形態において、直立要素は、少なくとも約2:1、3:1、又は4:1のアスペクト比(つまり、高さ対最大幅点での幅の比)を有する。
【0048】
本開示に従う方法及び/又は構造化表面の任意の実施形態について、複数列の直立要素は均等に離間配置され得る。均等に離間配置された複数の列について、複数の列の間の間隙は、10、5、2.5、又は1パーセントまで異なってもよい。
【0049】
本開示に従う構造化表面を作製する方法のいくつかの実施形態において、直立要素は、少なくとも248/平方センチメートル(cm
2)(1600/平方インチin
2)の初期密度を有する。例えば、直立要素の初期密度は、少なくとも394/cm
2(2500/in
2)、550/cm
2(3500/in
2)、又は少なくとも約787/cm
2(5000/in
2)であってもよい。いくつかの実施形態において、直立要素の初期密度は、約1575/cm
2(10000/in
2)又は約1182/cm
2(7500/in
2)までであり得る。例えば、394/cm
2(2500/in
2)〜1575/cm
2(10000/in
2)の範囲の初期密度が有用であり得る。しかしながら、直立要素の間隙は均一である必要はない。ステムの初期密度は、直立要素の列の間を通過するために有用な器具の厚さに影響する。
【0050】
様々な形状の直立要素は、本開示を実施するために有用であり得る。直立要素は、ステムを超えて第1の方向(いくつかの実施形態では、x方向又は横方向)に延びる張出し部分を有する遠位キャップを有する。本開示に従う方法及び構造化表面における遠位キャップの張出し部分は、典型的に、「ループ係合」する。本明細書で使用される、用語「ループ係合」は、本明細書に開示される構造化表面上の直立要素がループ状の材料に機械的に付着される能力に関する。直立要素のループ係合性は、標準的な織布、不織布、又はニット材料を使用することによって決定及び画定されてもよい。ループ係合張出し部を有する遠位キャップを有する直立要素の領域は、一般に、ループ状の材料と併せて、ループ係合ヘッドのないステムの領域よりも高い剥離強度、高い動剪断力、又は高い動摩擦のうちの少なくとも1つを提供する。「ループ係合張出し部」又は「ループ係合ヘッド」を有する遠位キャップを有する直立要素は、フック要素に対する前駆体であるリブを含まない(例えば、リブの方向に延伸すると、フック要素を形成するように押出された後、切断されたプロファイルである、細長いリブ)。そのようなリブは、それらが切断及び延伸される前に、ループを係合することができない。典型的に、ループ係合張出し部を有する遠位キャップを有する直立要素は、約1(いくつかの実施形態において、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、又は0.45)ミリメートルまでの最大厚さ寸法を有する。
【0051】
一般に、ループ係合ヘッドを有する直立要素は、ステムの形状と異なる遠位キャップ形状を有する。例えば、直立要素はマッシュルーム(例えば、ステムに対して拡大される円形若しくは楕円形ヘッドを有する)、フック、ヤシの木、釘、T字、又はJ字の形状であってもよい。いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材は、x方向及び、x方向に直交するy方向を有する。これらの実施形態のいくつかにおいて、張出し部分の少なくとも一部は、y方向(いくつかの実施形態では、縦方向)に対してゼロでない角度で延びる。ゼロでない角度は、30〜90度、50〜90度、60〜90度、75〜90度、80〜90度、又は85〜90度の範囲である。いくつかの実施形態において、各遠位キャップは、複数の(すなわち、少なくとも2つの)方向に延びるループ係合張出し部を有する。これらの実施形態のいくつかにおいて、遠位キャップは、ステムを超えてx方向及びy方向の両方に延びる張出し部分を有する。いくつかの実施形態において、遠位キャップは、ステムを超えてあらゆる側に延びる張出し部分を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法で処理する前の直立要素は、マッシュルームヘッドを有するステムを含む(例えば、2つの隣接した列の間に器具を通過させる前は、遠位キャップは円形又は楕円形である)。また遠位キャップは、有角であり得る(例えば、2つの隣接した列の間に器具を通過させる前は、最初に正方形又は菱形であり得る)。いくつかの実施形態において、ステムを超えてあらゆる側に延びる張出し部分は、実質的に体積が等しい(例えば、円形又は正方形遠位キャップ等)。実質的に体積が等しいとは、ステムのあらゆる側の材料の体積が等しくてもよいことを意味する。しかしながら、当該技術分野において通常の技術を有する者に理解されるように、上述の直立要素を裏材上に作製するプロセスに起因する、いくらかの変動が存在し得る。ステムのあらゆる側の材料の体積は、例えば、約10(いくつかの実施形態では、5、2.5、又は1)パーセントまでで異なってもよく、実質的に体積が等しいと考えられ得る。
【0052】
本開示に従う方法は、直立要素の2つの隣接した列の間に器具を通過させる工程を含む。器具の少なくとも一部分は、2つの隣接した列の直立要素の少なくとも一部分の間に位置付けられなければならない。したがって、単に遠位キャップの上部に接触するようにのみ設計された装置は、典型的に、実際に2つの遠位キャップの間である任意の部分を有さない。
【0053】
いくつかの実施形態において、器具は、直立要素の隣接した列の間で引っ張られる。そのような実施形態において、この方法は、典型的に、熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる器具と接触される、張出し部分を生じる。他の実施形態において、器具は、直立要素の隣接した列の間で押出される。そのような実施形態において、この方法は、典型的に、熱可塑性裏材から離れて上方に向けられる器具と接触される、張出し部分を生じる。いくつかの実施形態において、器具は不動であり、熱可塑性裏材は器具の下で引っ張られる。熱可塑性裏材の引張が遠位キャップに対して更なる上方又は下方運動を生じるか否かに応じて、器具と接触される張出し部分は、それぞれ熱可塑性裏材から離れて向けられ得るか、又は熱可塑性裏材に向かって下方に向けられてもよい。
【0054】
上記の特定の実施形態に加えて、器具は、直立要素の2つの隣接した列の間に適合することができる限り、任意の好適な形状であり得る。器具は、例えば、円形断面(例えば、ギターストリング等)又は非円形断面を有するワイヤー又は針であり得る。器具は、典型的に、ステムを過度に推し進めることなく、遠位キャップの張出し部分と接触するのに十分大きいはずである(すなわち、適切な厚さ又は直径を有する)。器具の最大厚さ又は直径は、ステムの間の間隙であってもよく、典型的に、熱可塑性裏材に付着された近位端よりも、遠位キャップに近づくにつれて大きくなる。本開示に従う方法は、例えば、器具の直径又は厚さが異なるピン密度に対して調整するように選択され得るため、多様なピン密度(直立要素の密度)に有用である。例えば、複数列のステム間の間隙、遠位キャップの寸法、遠位キャップ間の間隙、及び第2の方向への(いくつかの実施形態では、裏材に向かう)所望量のキャップ偏向に応じて、様々な厚さ又は直径のワイヤーを選択することができる。例えば、Eギターストリングは、直立要素の密度が550/cm
2(3500/in
2)であるときに有用であり得る。複数列の間の間隙が大きい場合、様々なB又はGギターストリングが有用であり得る。同様に、異なる寸法の様々な隙間ゲージ又は針が、異なる構造化表面に対して選択されてもよい。
【0055】
器具は、典型的に、熱可塑性裏材に対して押出される場合、それが屈曲しないように十分な強度を有するが、直立要素を破壊することなく、列の間に整列するように、いくらかの可撓性を有利に有する。器具の可撓性は、典型的に、処理される材料のウェブに対する列間隙にいくらかの変動性がある場合であっても、隣接した列の間に定置することを可能にする。この作用に起因して、複数列の間で使用される複数の器具は、自己整列すると考えられてもよく、この方法の頑丈性及び再現性を向上させ得る。
【0056】
器具は、2つの隣接した列の間を通過するが、熱可塑性裏材に対して0度〜90度の間の角度で位置付けられるため、熱可塑性裏材に垂直に保持され得る。いくつかの実施形態において、器具は、熱可塑性裏材に対して10度〜60度の角度で位置付けられる。いくつかの実施形態において、器具は、熱可塑性裏材に対して15度〜45度の角度で位置付けられる。同様に、熱可塑性裏材がその下に引っ張られるか、又は直立要素を通して引っ張られる間に、器具を下方に保持するために適応される圧力は異なり得る。この圧力は、器具を遠位キャップと接触させて維持するために十分である必要がある。本開示に従う方法で複数の器具が使用されるとき、個別の器具の長さは、所望の程度の自己整列のための可撓性及びプロセスの頑丈性を提供するように、過剰に長いために針又はワイヤーが容易にずれることなく、又は互いにクロスオーバーすることなく選択することができる。より直径の小さいワイヤー又は針について、この長さは、個別の針又はワイヤーの所望の剛性を提供するように、有利に短縮されてもよい。
図4で上に示されるように、個別の針又はワイヤーは、全て同一の長さである必要はないと考えられる。加えて、器具はワイヤー様であり得るが、末端は、遠位キャップの張出し部分を成形するために有用な異なる形状を有する。
【0057】
上述及び
図3及び4に示される実施形態を含む、器具が針(例えば、皮下注射針)である実施形態において、針は、熱可塑性裏材の上に冷気を吹送して、遠位キャップの張出し部分を有する針の摩擦によって生成される任意の熱をオフセットするために更に有用であり得る。他の実施形態において、針は、例えば、特定の最終用途について、色素又は接着剤のビーズを送達するために有用であり得る。
【0058】
本開示に従う方法のいくつかの実施形態において、器具は、切れ刃(例えば、回転切れ刃)である。これらの実施形態において、遠位キャップを成形することに加えて、器具は、熱可塑性裏材にスリットを提供する。断続スリットは、例えば、隙間を有する回転切れ刃を使用して、ブリッジング領域を形成することによって作製することができる。隙間内のブレードの高さを調整して、所望の実施形態に応じて、ブリッジング領域が部分的に切断されるか、又は全く切断されないようにしてもよい。部分的スリットは、例えば、回転ダイのブレードの高さを調整して、所望の深さのスリットを作製することによって作製することができる。熱可塑性裏材の厚さ全体を通る中断スリット又は非中断スリットについては、連続ウェブの表面、直立要素を有する表面、又は反対表面のいずれかから切断を行ってもよい。しかしながら、典型的に、熱可塑性裏材の厚さを通るスリットについては、直立要素が突出する同一表面にスリットを作製する。同様に、部分的スリットについては、直立要素が突出する同一表面にスリットを作製する。本明細書に開示される回転切断方法は、場合によっては、直立要素の列をクロスオーバーするか、又は切断するスリットを生じさせ得る。例えば、回転ダイが、直立要素の列の間にスリットを形成するように位置付けられてもよいが、ウェブプロセスの変動性及び回転ダイの剛性は、スリットが直立要素の列をクロスオーバーし、後にその意図される位置に戻るようにしてもよい。
【0059】
その任意の実施形態における本開示に従う方法を複数回(例えば、2回以上)反復して、所望の結果を達成し得る。そのような場合、方法の第1の用途及び後次の用途に使用される器具は、必要に応じて異なってもよい。更に、いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材は、上端及び下端を有し、直立要素の2つの隣接した列の間の器具は、上端で開始し、下端又はそれらの間の熱可塑性裏材の任意の部分まで連続し得る。
【0060】
本開示に従う方法は、構造化表面に固有の形状の遠位キャップを有する直立要素を提供することができる。いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材は、x方向と、x方向に直交するy方向とを有し、遠位キャップは、ステムを超えてx方向及びy方向の両方に延びる張出し部分を有し、x方向又はy方向の一方のみに延びる張出し部分が、第2の方向に向けられる。本開示の方法を適用する前に、前駆体材料内の直立要素の顕微鏡写真は、
図8Aに示され、一方処理後の直立要素は、
図8Bに示される。いくつかの実施形態において、熱可塑性裏材は、縦方向及び横断方法を有する不定長のウェブである。熱可塑性裏材が縦方向に移動するか、又は器具が直立要素の列の間で縦方向にのみ移動する実施形態において、横方向に延びる張出し部分のみが第2の方向に向けられる。
【0061】
構造化表面上の直立要素の遠位キャップを成形する他の方法が既知である。例えば、加熱したゴムロール及びバックアップロールのギャップニップに直立要素を通過させることによって、ステムを超えて延びる遠位キャップの張出部分を裏材に向かって押し下げる。このプロセスは、米国特許第6,132,660号(Kampfer)に記載されている。しかしながら、ゴムロールは摩耗する可能性があり、プロセスの変更を生じさせる。更に、プロセスは律速であってもよく、遠位キャップの形状をどの程度変更することができるかが制限される。
【0062】
対照的に、本開示に従う方法は、急速に劣化し得るゴムの使用を必要としないため、容易に実行される。更に、器具の寸法及び形状は、遠位キャップの成形における多用途性のために調整され得る。
【0063】
本明細書に記載の方法に従う構造化表面及び/又は本明細書に記載の方法に従って作製される構造化表面は、処理されない同等の構造化表面よりもループ状の材料と係合されるとき、高い剥離強度を有し得る。同等の構造化表面は、本開示の方法に曝露されていないことを除いて、本明細書に開示される構造化表面と「同一」である。同等の構造化表面は、同一の寸法(例えば、長さ、幅、及び厚さ)、直立要素の同一の密度及び高さ、同一のステム寸法、直立要素の同一の構成(例えば、列)を有し、本開示の構造化表面と同一の材料から作製される。以下の実施例に示されるように、結果は、使用されるループ状の材料及び遠位キャップの開始形状に依存し得るが、剥離性能は、一般に、本明細書に記載の方法を使用して高められる。いくつかの実施形態において、y方向又は縦方向の剥離の向上が最も顕著である。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態に従う構造化表面は、遠位キャップを有し、各遠位キャップは、ステムを超えてあらゆる方向に延びる張出し部分を有し、ステムを超えてあらゆる方向に延びる張出し部分が、実質的に等しい体積であり、直立要素の少なくともいくつかについて、x方向又はy方向の一方のみに延びる張出し部分が、熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる。典型的に、直立要素は、熱可塑性裏材上に列で整列する。これらの実施形態において、用語「実質的に体積が等しい」は、前駆体材料について上述される意味と同義である。前駆体材料は、例えば、円形の遠位キャップを有してもよい。そのような前駆体材料から生じる構造化表面の遠位キャップは、円形にされた張出し部分を有し、下方に向けられているものと向けられていないものとがある。構造化表面のいくつかの実施形態において、熱可塑性裏材は、縦方向及び横方向を有する不定長のウェブであり、y方向は縦方向であり、x方向は横方向であり、横方向に延びる張出し部分のみが、熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる。
【0065】
本明細書に開示される方法を実行するいくつかの実施形態において、複数の器具は、テンプレート構造化表面を備えるツールに位置付けられ、テンプレート構造化表面は、複数列のテンプレート直立要素を有するテンプレート熱可塑性裏材を備え、テンプレート直立要素は、テンプレート熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位先端を有するステムを備え、複数の器具が、テンプレート構造化表面上の複数列のテンプレート直立要素の間に位置付けられる。このツールのいくつかの実施形態において、器具は、針、ワイヤー、又はシムの少なくとも1つを含む。典型的に、そのようなツールにおいて、器具は、本明細書に開示される方法を実行するために好適な距離だけツールから延びるように位置付けられる。
【0066】
本明細書に記載される方法を実行するためのツールの一実施形態は、
図7に示される。
図7において、一連の皮下注射針125は、所望の構造化表面と整列するように所望の間隙を有して組み立てられる。所望の間隙は、例えば、ステムウェブ(図示せず)の列の中に針を入れることによって達成することができ、ステム上に遠位キャップがないことを除いて、処理される構造化表面と同一であり得る。ステムウェブは、二重スティックテープ(図示せず)でゴム片に保持されることができ、針125が位置付けられた後、第2のゴム片105がそれらの上に配置され、アセンブリがクランプ100に配置される。針125の数を調整して、処理される構造化表面の所望の幅にこの方法を適用することができる。装置をハンドル115で把持することによって、本開示に従う方法を構造化表面に手で適用することができる。針125の長さは、上述のように調整されてもよい。例えば、針は、ゴム片105を超えて0.5cm〜5cm、いくつかの実施形態において、1cm〜3cm又は1.5cm〜2.5cmだけ延び得る。
【0067】
器具を位置付けるための他の方法も可能である。例えば、テンプレート構造化表面は、熱可塑性裏材上に直立レール又は縁部を有し得る。そのような構造化表面は、例えば、プロファイル押出成形によって(例えば、米国特許第4,894,060号(Nestegard)に記載される方法と同様の方法を使用して)調製することができる。器具は、レール又は縁部の間に配置することができる。
【0068】
有利に、本開示に従う方法は、器具、直立要素、又は熱可塑性裏材を加熱する必要がない。驚くべきことに、本開示に従う方法は、外部加熱が存在しない場合であっても、遠位キャップの接触した張出し部分の永久的変形を生じる。いくつかの実施形態において、外部加熱は必要でないが、器具及び/又は熱可塑性裏材を加熱することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、本開示の方法を適用することが有用であり得るが、遠位キャップは、例えば、米国特許第5,077,870号(Melbyeら)及び同第5,845,375号(Millerら)に記載されるもの等の熱及び圧力を使用するキャッピング工程から依然として温かい。
【0069】
器具と接触する前又は接触している間に遠位キャップが加熱される実施形態において、加熱は、典型的に、遠位キャップの溶解温度以下で実行される。直立要素を形成するために使用される熱可塑性材料がコポリマー(例えば、エチレン及びプロピレンのコポリマー)であるとき、遠位キャップは、1つを超える溶解温度を有し得る。これらの実施形態において、「遠位キャップの溶解温度を下回る」とは、溶解温度の少なくとも1つを下回ることを意味する。熱可塑性ウェブを加熱することは、例えば、オーブン等の加熱チャンバ内で実行され得るか、又は赤外線照射若しくは熱気処理が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、構造化表面は、器具と接触する前に、40℃〜80℃(いくつかの実施形態では、50℃〜60℃)の範囲で加熱されてもよい。器具が針である実施形態において、熱気は、針を通して導入されて、器具及び/又は構造化表面を加熱し得る一方、遠位キャップは器具と接触する。他の実施形態において、器具は、加熱されたワイヤー又は加熱されたシムであってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、本開示に従う方法は、熱可塑性裏材を少なくとも一方向に延伸する工程を含む。遠位キャップを1つ又は複数の器具と接触させた後に延伸させることが最も有利であり得る。遠位キャップを1つ又は複数の器具と接触させる前に延伸させることもできるが、延伸の結果として、列間隙の変動性が増大し得る。
【0071】
直立要素を有する熱可塑性裏材を延伸させることは、例えば、機械的締結具であり得る、結果として得られる構造化表面のコストを低減するために有用であり得る。しかしながら、単位面積当たりの直立要素(例えば、フック要素)の数が減少した結果として、性能が低下する可能性もある。本開示の方法は、例えば、ループ状の繊維と係合することができる直立要素のパーセンテージを増加させることによって、及び/又はそのような係合のそれぞれを保持する力を増加させることによって、直立要素の密度の減少から性能の潜在的損失をオフセットするために有用であり得る。また延伸する前に、より高いピン密度(直立要素の密度)で開始することは、従来の機械的締結具に相当し得る、延伸後の直立要素の密度を生じる。例えば、直立要素の密度が550/cm
2(3500/in
2)であるとき、約2:1の比に延伸することによって、機械的締結具の従来のピン密度である、約248/cm
2(1600/in
2)の直立要素の密度をもたらす。直立要素を有する熱可塑性裏材を延伸することは、少なくとも裏材において、延伸された誘導分子配向を提供する。
【0072】
熱可塑性裏材が延伸される実施形態について、当該技術分野において既知の技法を使用して、2軸的又は1軸的にウェブ上で延伸を行うことができる。熱可塑性裏材が不定長のウェブであるとき、例えば、縦方向の1軸的延伸は、熱可塑性ウェブをロールの上で漸増速度で推進させることによって行うことができる。熱可塑性ウェブの1軸的、連続2軸的、及び同時2軸的延伸を可能にする、最も汎用的な延伸方法は、平らなフィルムテンター装置を用いる。そのような装置は、複数のクリップ、グリッパー、又は他のフィルム端把持手段を、熱可塑性ウェブの対向する端部に沿って使用して、分岐レールに沿って異なる速度で把持手段を推進させることによって、所望の方向に1軸的、連続2軸的、又は同時2軸的延伸が得られるように、熱可塑性ウェブを把持する。クリップ速度を縦方向に増加させることは、一般に、縦方向の延伸を生じる。分岐するレール等の手段は、一般に、横方向の延伸を生じる。1軸的及び2軸的延伸は、例えば、米国特許出願第2005/0202205号(Petersenら)及びそこに引用される参照文献に開示される方法及び装置によって達成することができる。平らなフィルムテンター延伸装置は、例えば、Bruckner Maschinenbau GmbH,Siegsdorf,Germanyから市販されている。
【0073】
いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ又は幅の少なくとも1つを少なくとも1.5倍(いくつかの実施形態では、少なくとも2、2.5、又は3倍)増加させる。いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ又は幅の両方を少なくとも1.5倍(いくつかの実施形態では、少なくとも2、2.5、又は3倍)増加させる。いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ又は幅の少なくとも1つを10倍まで(いくつかの実施形態では、7又は5倍まで)増加させる。いくつかの実施形態において、延伸は、熱可塑性裏材の長さ又は幅の両方を10倍まで(いくつかの実施形態では、7又は5倍まで)増加させる。
【0074】
延伸を調整して、所望の製品特性(例えば、所望のループとの係合)を最大化することができる。いくつかの実施形態において、延伸は、少なくとも自然な延伸比まで行われる。熱可塑性フィルム(例えば、本明細書に記載される熱可塑性裏材)が、熱可塑性材料の融点を下回る温度、特にフィルムの線延伸温度を下回る温度で1軸的又は2軸的に延伸されるとき、熱可塑性フィルムは、不均一に延伸する場合があり、延伸部分と非延伸部分との間に明確な境界が形成される。この減少は、ネッキング又は線延伸と称される。しかしながら、十分に高い程度まで延伸されると、熱可塑性裏材の実質的に全体が均一に延伸される。これが起こる延伸比は、「自然な延伸比」又は「自然な延伸倍率」と称される。自然な延伸比は、例えば、熱可塑性裏材の多様な位置で測定された局所延伸比の相対標準偏差が約15パーセントを下回る、延伸比として画定され得る。自然な延伸比を上回る延伸は、厚さ、引張り強度、及び弾性率等の著しくより均一な特性又は特徴を提供することが理解される。任意の所与の熱可塑性裏材及び伸長条件について、自然な延伸比は、熱可塑性裏材を形成する熱可塑性樹脂の組成物、ツールロール上の急冷条件に起因する形成された熱可塑性裏材の形態学、並びに例えば、延伸の温度及び速度等の要因によって決定される。更に、2軸的に延伸された熱可塑性裏材について、一方向の自然な延伸比は、最終延伸比を含む、他方向の延伸条件によって影響される。したがって、一方向の自然な延伸比が他方向の固定延伸比を前提とするといえるか、あるいは、自然な延伸比を生じる一対の延伸比(1つは第1の方向及び1つは第2の方向)であるといえる。用語「延伸比」は、延伸前の同一部分の線状寸法に対する延伸後の熱可塑性裏材の所与の部分の線状寸法の比を指す。
【0075】
いくつかの実施形態において、延伸は上昇温度で行われる。これは、熱可塑性裏材が延伸するためにより可撓性であるのを可能にし得る。加熱は、例えば、赤外線照射、熱気処理によって、又は加熱チャンバ内で延伸を行うことによって提供することができる。いくつかの実施形態において、加熱は、熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、直立要素が突出する表面に対向する表面)にのみ適用され、加熱から生じ得る末端保護されたステムに対する任意の損傷を最小化する。例えば、これらの実施形態において、熱可塑性裏材の第2の表面と接触しているローラーのみが加熱される。
【0076】
延伸後、熱可塑性裏材の厚さは、延伸前の熱可塑性裏材の厚さ対延伸後の熱可塑性裏材の厚さの比が、例えば、2:1又は3:1〜10:1、いくつかの実施形態では、5:1〜10:1であり得るように減少する。熱可塑性裏材の厚さは、例えば、5〜200μm、10〜100μm、又は30〜70μmの範囲であり得る。
【0077】
延伸後、直立要素の最終密度は、直立要素の初期密度未満である。本開示に従って構造化表面を作製する方法のいくつかの実施形態において、直立要素は、少なくとも20/cm
2(129/in
2)、40/cm
2(258/in
2)、60/cm
2(387/in
2)、75/cm
2(484/in
2)、100/cm
2(645/in
2)、又は124/cm
2(800/in
2)の最終密度(すなわち、伸長後)を有する。例えば、直立要素の最終密度は、少なくとも248/cm
2(1600/in
2)、又は少なくとも約394/cm
2(2500/in
2)であってもよい。いくつかの実施形態において、直立要素の最終密度は、約787/cm
2(5000/in
2)又は約1182/cm
2(7500/in
2)までであり得る。例えば、124/cm
2(800/in
2)〜1182cm
2(7500/in
2)、124/cm
2(800/in
2)〜787/cm
2(5000/in
2)、及び124/cm
2(800/in
2)〜394/cm
2(2500/in
2)が有用であり得る。再度、直立要素の間隙は均一である必要はない。
【0078】
本明細書に開示される構造化表面を作製する方法又は構造化表面の任意の実施形態について、熱可塑性裏材は、ロール形態であってもよく、そこから構造化表面のパッチ(例えば、機械的締結具のパッチ)が所望の用途に適切な寸法に切断され得る。この用途において、熱可塑性裏材はまた、所望の寸法に切断されたパッチであり得る。これらの実施形態のいくつかにおいて、熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、直立要素が突出する第1の表面に対向する表面)は、接着剤(例えば、感圧性接着剤)でコーティングされてもよい。そのような実施形態において、熱可塑性裏材がロール形態であるとき、剥離ライナーが暴露された接着剤に適用されてもよい。
【0079】
本明細書に開示される構造化表面を作製する方法のいくつかの実施形態において、熱可塑性裏材は、少なくともそれが最初に形成されるとき、支持材料に接合されない。裏材が支持材料に接合されないとき、裏材は、支持材料(例えば、基材、締結タブ、締結テープ等)に積層(例えば、押出し積層)、接着、結合(例えば、超音波結合又は圧縮結合)されないか、ないしは別の方法で付着されないことを意味し得る。他の実施形態において、方法は、熱可塑性裏材の第2の表面(すなわち、直立要素が突出する第1の表面に対向する表面)を支持材料に接合する工程を更に含む。熱可塑性裏材は、例えば、積層(例えば、押出し積層)、接着(例えば、感圧性接着剤)、又は他の結合方法(例えば、超音波結合、圧縮結合、又は表面結合)によって、支持材料に接合されてもよい。そのような接合方法は、遠位キャップの張出し部分を器具と接触させる前、遠位キャップの張出し部分を器具と接触させた後、又は必要に応じて熱可塑性裏材を任意に伸長させる前若しくはさせた後に実行されてもよい。熱可塑性裏材は、直立ステムを有する熱可塑性裏材の形成中に、支持材料に接合されてもよい。裏材が感圧性接着剤により支持材料に接合される前に、熱可塑性裏材にスリットを付ける工程が該方法に含まれる実施形態において、感圧性接着剤の粘度は、接合プロセス中にスリットを通過しないように選択され得る。構造化表面を支持材料に接合することから生じる物品は、締結積層体、例えば、吸収性物品の前側腰部区域と後側腰部区域とを接合するために有用な吸収性物品の後板に接合された締結タブであってもよい。
【0080】
支持材料は、連続的(すなわち、任意の貫通穴がない)又は断続的(例えば、貫通穿孔又は孔を含む)であり得る。支持材料は、織布ウェブ、不織布ウェブ(例えば、スパンボンドウェブ、スパンレースウェブ、風成ウェブ、メルトブロウンウェブ、及び固着カードウェブ)、テキスタイル、プラスチックフィルム(例えば、単層又は多層フィルム、共押出フィルム、側方積層フィルム、又は発泡体層を含むフィルム)、及びそれらの組み合わせを含む、種々の好適な材料を含み得る。いくつかの実施形態において、支持材料は、繊維性材料(例えば、織布、不織布、又はニット材料)である。いくつかの実施形態において、支持材料は、例えば、少なくとも1つのメルトブロウン不織布の層、及び少なくとも1つのスパンボンドされている不織布の層、又は不織布剤の任意の他の好適な混合を有する、多層の不織布材を含む。例えば、支持材料は、スパンボンド−メルトボンド−スパンボンド、スパンボンド−スパンボンド、又はスパンボンド−スパンボンド−スパンボンドの多層材料であってもよい。又は、支持材料は不織布層及び高密度フィルム層を含む複合ウェブであり得る。
【0081】
有用な支持材料を提供する繊維性材料は、天然繊維(例えば、木製又は綿繊維)、合成繊維(例えば、熱可塑性繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の混合から作製されてもよい。熱可塑性繊維を形成するための例示的材料には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらのポリマーのコポリマー及びブレンド)、ポリエステル、及びポリアミドが挙げられる。繊維は、例えば、ある熱可塑性材料のコアと、別の熱可塑性材料のシースとを有する、多成分繊維であってもよい。
【0082】
有用な支持材料は、特定の用途に望ましい任意の好適な坪量又は厚さを有し得る。繊維性支持材料について、坪量は、例えば、1平方メートル当たり少なくとも約20、30、又は40グラム、1平方メートル当たり約400、200、又は100グラムまでの範囲であってもよい。支持材料は、約5mm、約2mm、又は約1mmまでの厚さ、及び/又は少なくとも約0.1、約0.2、又は約0.5mmの厚さであり得る。
【0083】
支持材料の1つ以上の領域は、力が印加されるとき、少なくとも一方向に延伸し、力が除去された後にほぼ元の寸法に戻る、1つ以上の弾性的延伸性材料を含んでもよい。しかしながら、器具が熱可塑性裏材を切断する実施形態を含む、いくつかの実施形態において、裏材の第2の面に接合された支持材料の少なくとも該部分は伸縮性でない。いくつかの実施形態において、裏材の第2の面に接合された支持材料の部分は、裏材を通るスリットに対して垂直方向の横方向に、10パーセントまで(いくつかの実施形態では、9、8、7、6、又は5パーセントまで)の伸長を有する。
【0084】
熱可塑性裏材を支持材料に接合した後に形成され得る締結積層体は、例えば、吸収性物品において有用であり得る。例示的な吸収性物品は、少なくとも前側腰部区域、後側腰部区域、及び前側腰部区域と後側腰部区域を二等分する長手方向の中心線を有し、前側腰部区域又は後側腰部区域の少なくとも1つは、本明細書に開示される方法に従う構造化表面を含む。締結積層体は、吸収性物品の左長手方向縁部又は右長手方向縁部の少なくとも1つから外側に延びる、前側腰部区域又は後側腰部区域の少なくとも1つに結合される、締結タブの形態であってもよい。他の実施形態において、締結積層体は、吸収性物品の一体型耳部分であり得る。
【0085】
吸収性物品において使用するための締結積層体は、任意の有用な形状及び寸法を有し得る。締結タブは、使い捨て吸収性物品に付着された製造者の末端部(すなわち、通常、腰部区域内で吸収性物品に永久的に固定される末端部)及び付着点から遠位にあるユーザーの末端部(すなわち、ユーザーによって把持される末端部)を有してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザーの末端部は、製造者の末端部よりも狭い場合がある。これらの実施形態及びその他において、締結タブの異なる位置で、直立要素を別個に処理することが有用であり得る。例えば、器具は、ユーザーの末端部で各列の間を通過されてもよいが、製造者に向かって、器具の間に複数の列が存在し得る。この調整は、例えば、より狭い端部での剥離性能を向上させるために特に有利であり得るが、ループを係合するための直立要素はより少ない。
【0086】
締結積層体は、例えば、生理用ナプキン等の使い捨て物品にも有用であり得る。生理用ナプキンは、典型的に、着用者の下着に隣接して配置されることが意図されるバックシートを含む。バックシートは、生理用ナプキンを下着に固定して付着させるために、直立要素を有する熱可塑性裏材を含んでもよく、遠位キャップと機械的に係合する。
【0087】
本開示に従う吸収性物品のいくつかの実施形態において(例えば、おむつ又は他の失禁用衣類)、物品は、本明細書に開示される構造化表面と係合するループ状の材料を更に含む。ループ状の材料は、例えば、吸収性物品のバックシートとして提供され得るか、又はループ状のパッチを、前側腰部区域又は後側腰部区域のいずれかにおいて、ランディング領域として提供することができる。ループは、対応するフック締結要素と連動する、任意の好適な材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、ループ状の材料は、ニット繊維、織布繊維、又は不織布繊維である。例えば、繊維ループは、ニット、織布、又は不織布裏材から突出し得るか、又は押出し結合、接着剤結合、及び/又は音波結合された繊維ループであってもよい。好適な市販のループ材料は、3M Company(St.Paul,Minn)のニット及び押出し結合されたループ状の材料を含む。いくつかの実施形態において、本開示に従う吸収性物品は、押出し結合されたループを含む。いくつかの実施形態において、本開示に従う吸収性物品は、不織布ループを含む。
【0088】
支持材料が繊維ウェブであるいくつかの実施形態において、接合は、加熱したガス状流体(例えば、周囲空気、脱湿空気、窒素、不活性ガス、又は他のガス混合)を、連続ウェブが移動している間、繊維ウェブの第1の表面の上に衝突させる工程と(第2の表面は、裏材の第1の表面の反対である)、繊維ウェブの第1の表面が、裏材の第2の表面に溶解結合(例えば、表面結合、又はロフト維持結合によって結合)されるように、繊維ウェブの第1の表面を裏材の第2の表面と接触させる工程と、を含む。加熱したガス状流体を繊維ウェブの第1の表面の上に衝突させる工程、及び加熱したガス状流体を裏材の第2の表面上に衝突させる工程は、連続的又は同時に実行されてもよい。用語「表面結合」は、繊維性材料の結合を指すとき、繊維の少なくとも一部分の繊維表面の部分が、裏材の第2の表面の元の(結合前の)形状を実質的に保存し、曝露条件で裏材の第2の表面の少なくともいくつかの部分を実質的に保存するような方法で、直立要素に対向する裏材の第2の表面に溶解結合されることを意味する。定量的に、表面結合された繊維は、表面結合された繊維の表面積の少なくとも約65%が、繊維の結合部分の裏材の第2の表面の上に見えるという点で、埋め込まれた繊維と区別され得る。複数の角度からの検査は、繊維の表面積の全体を可視化するために必須であり得る。用語「ロフト保持結合」は、繊維性材料の結合を指すとき、結合された繊維材料が、結合プロセスに先立って、又は結合プロセスがない場合、材料によって呈されるロフトの少なくとも80%である、ロフトを含むことを意味する。本明細書では、繊維材料のロフトは、ウェブによって占有される全体積(繊維、並びに、繊維によって占有されない材料の間質腔を含む)と繊維の材料のみによって占有される体積との比である。繊維ウェブの一部分のみが、そこに結合される裏材の第2の表面を有する場合、保持されたロフトは、結合領域の繊維ウェブのロフトを、非結合領域のウェブのロフトと比較することによって容易に確認することができる。場合によっては、例えば、繊維ウェブの全体がそこに結合される裏材の第2の表面を有する場合、結合されたウェブのロフトを、結合される前の同一ウェブのサンプルのロフトと比較することが便宜的であり得る。
【0089】
加熱したガス状流体を使用して、連続ウェブを繊維性支持ウェブに接合するための更なる方法及び装置は、いずれも2010年12月21日に出願された同時係属の米国特許出願第12/974,536号及び同第12/974,329号において見出すことができ、参照することによりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0090】
本開示の選択された実施形態
第1の実施形態では、本開示は、構造化表面を作製する方法を提供し、本方法は、
複数列の直立要素を有する熱可塑性裏材を提供する工程であって、直立要素が、熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位キャップを有するステムを含み、それぞれの遠位キャップが、ステムを超えて第1の方向に延びる張出し部分を有する、工程と、
複数列の少なくともいくつかについて、2つの隣接した列の間に器具を通過させる工程であって、張出し部分の少なくとも一部が、第1の方向と異なる第2の方向に向けられるように、器具が、2つの隣接した列において、遠位キャップの少なくともいくつかの張出し部分と接触する、工程と、を含む。
【0091】
第2の実施形態では、本開示は、第1の実施形態の方法を提供し、器具は、熱可塑性裏材を切断しない。
【0092】
第3の実施形態では、本開示は、第1又は第2の実施形態の方法を提供し、器具は、針、ワイヤー、又はシムである。
【0093】
第4の実施形態では、本開示は、第1〜第3の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、器具はテーパー状である。
【0094】
第5の実施形態では、本開示は、第1〜第4の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、熱可塑性裏材を少なくとも一方向に延伸する工程を更に含む。
【0095】
第6の実施形態では、本開示は、第1の実施形態の方法を提供し、器具は、回転カッターである。
【0096】
第7の実施形態では、本開示は、第1〜第6の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、器具又は直立要素の少なくとも1つを加熱する工程を更に含む。
【0097】
第8の実施形態では、本開示は、第1〜第6の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、本方法は、器具又は直立要素を加熱する工程を含まない。
【0098】
第9の実施形態では、本開示は、第1〜第8の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、張出し部分の少なくとも一部が、第2の方向に向けられるとき、熱可塑性裏材の方に向けられる。
【0099】
第10の実施形態では、本開示は、第1〜第9の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、複数の器具は、複数の列の間を同時に通過する。
【0100】
第11の実施形態では、本開示は、第10の実施形態の方法を提供し、複数の器具の少なくともいくつかは、異なる長さを有するか、又はそれらの先端が互いに整列しないように位置付けられる。
【0101】
第12の実施形態では、本開示は、第10又は第11の実施形態の方法を提供し、複数の器具は、直立要素の複数の列の間で自己整列する。
【0102】
第13の実施形態では、本開示は、第10〜第12の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、複数の器具は、テンプレート構造化表面を備えるツールに位置付けられ、テンプレート構造化表面は、複数列のテンプレート直立要素を有するテンプレート熱可塑性裏材を備え、テンプレート直立要素は、テンプレート熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位先端を有するステムを備え、複数の器具は、テンプレート構造化表面上の複数列のテンプレート直立要素の間に位置付けられる。
【0103】
第14の実施形態では、本開示は、第13の実施形態の方法を提供し、複数列のテンプレート直立要素は、熱可塑性裏材の複数列の直立要素と同一の空間的配置を有する。
【0104】
第15の実施形態では、本開示は、第1〜第14の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、熱可塑性裏材は、x方向と、x方向に直交するy方向とを有し、遠位キャップは、ステムを超えてx方向及びy方向の両方に延びる張出し部分を有し、x方向又はy方向の一方のみに延びる張出し部分は、第2の方向に向けられる。
【0105】
第16の実施形態では、本開示は、第15の実施形態に記載の方法を提供し、遠位キャップは、器具を2つの隣接した列の間に通過させる前に円形である。
【0106】
第17の実施形態では、本開示は、第15の実施形態に記載の方法を提供し、遠位キャップは、器具を2つの隣接した列の間に通過させる前に楕円形である。
【0107】
第18の実施形態では、本開示は、第15又は第16の実施形態に記載の方法を提供し、張出し部分は、ステムを超えてあらゆる側に延び、実質的に体積が等しい。
【0108】
第19の実施形態では、本開示は、第1〜第18の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、構造化表面は、機械的締結具である。
【0109】
第20の実施形態では、本開示は、第1〜第19の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、器具は、熱可塑性裏材に対して、15度〜45度の角度で位置付けられる。
【0110】
第21の実施形態では、本開示は、第1〜第20の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、熱可塑性裏材は、縦方向及び横方向を有する不定長のウェブである。
【0111】
第22の実施形態では、本開示は、第21の実施形態に記載の方法を提供し、横方向に延びる張出し部分のみが第2の方向に向けられる。
【0112】
第23の実施形態では、本開示は、第1〜第22の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供し、熱可塑性裏材は、直立要素に対向する第2の表面を有し、本方法は、裏材の第2の表面を支持材料に接合する工程を更に含む。
【0113】
第24の実施形態では、本開示は、
x方向及びy方向を有する熱可塑性裏材と、
熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位キャップを有するステムを備える直立要素と、を備え、各遠位キャップが、ステムを超えてあらゆる方向に延びる張出し部分を有し、ステムを超えてあらゆる方向に延びる張出し部分が、実質的に等しい体積であり、直立要素の少なくともいくつかについて、x方向又はy方向の一方のみに延びる張出し部分が、熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる、構造化表面を提供する。
【0114】
第25の実施形態では、本開示は、第24の実施形態に記載の構造化表面を提供し、直立要素の少なくともいくつかについて、張出し部分の全てが円形である。
【0115】
第26の実施形態では、本開示は、第24又は第25の実施形態に記載の構造化表面を提供し、直立要素は、熱可塑性裏材上に列で整列される。
【0116】
第27の実施形態では、本開示は、第24〜第26の実施形態のいずれか1つに記載の構造化表面を提供し、熱可塑性裏材は、縦方向及び横方向を有する不定長のウェブであり、y方向は縦方向であり、x方向は横方向であり、横方向に延びる張出し部分のみが熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる。
【0117】
第28の実施形態では、本開示は、支持材料を含む締結積層体、及び第24〜第27の実施形態のいずれか1つに記載の構造化表面を提供し、熱可塑性裏材は、直立要素に対向する第2の表面を有し、裏材の第2の表面が、支持材料に接合される。
【0118】
第29の実施形態では、本開示は、少なくとも前側腰部区域、後側腰部区域、及び前側腰部区域と後側腰部区域とを二等分する長手方向の中心線を有する、吸収性物品を提供し、前側腰部区域又は後側腰部区域の少なくとも1つは、実施形態28に従う締結積層体を含む。
【0119】
第30の実施形態では、本開示は、構造化表面上の直立要素上に遠位キャップを成形するためのツールを提供し、本ツールは、テンプレート構造化表面及び複数の器具を備え、テンプレート構造化表面は、複数列のテンプレート直立要素を有するテンプレート熱可塑性裏材を備え、テンプレート直立要素は、テンプレート熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位先端を有するステムを備え、複数の器具は、テンプレート構造化表面上の複数列のテンプレート直立要素の間に位置付けられる。
【0120】
第31の実施形態では、本開示は、実施形態30のツールを提供し、複数の器具は、針、ワイヤー、又はシムの少なくとも1つを備える。
【0121】
本開示をより十分に理解できるように、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、単に例示目的であり、いかなる方法でも本開示を制限するものとして構成されているものではないということを理解されたい。
【実施例】
【0122】
フックストリップ
比較例1〜4Aのフックストリップ(3M Company(St.Paul,MN)から表1に列挙される製品番号で入手可能)を、米国特許第5,845,375号(Millerら)に記載の方法を使用して調製した。フックストリップを調製するために使用されるポリマーは、商品名「C700−35N」でDow Chemical Co.(Midland,MI)から入手可能なエチレン−プロピレンコポリマーであった。フック密度は、正方形配列で配列された1平方インチ(248cm
2)当たり1600フックであり、ポスト形状は円錐形であった。表1では、比較例1〜4Aの総厚、ベースフィルム厚、坪量、横方向のキャップ直径、及び縦方向のキャップ直径を記録する。比較例1及び2のキャップ形状は楕円形であった。比較例3、4、及び4Aのキャップ形状は円形であった。比較例4Aを、米国特許第6,132,660号に記載の手順を使用して、比較例4から調製して、「下向きに突出する繊維係合部分を有するフックヘッド」を形成する。
【0123】
【表1】
【0124】
実施例1〜4のフックストリップは、
図7に記載の装置を使用して、対応する比較例(表2)から調製した。装置の器具部分125は、フックストリップの列(縦方向)と整列するように離間配置された、1インチ(2.54cm)幅ストリップの44皮下注射針(25ゲージ)で構成した。整列は、針間隙のテンプレートとして、末端処理されていない1600ppi(1平方インチ当たりのピン)(248/cm
2)ステムウェブを使用することによって達成した。末端処理されていないステムの列に針を配置し、両面テープを使用して、ステムウェブの底(平らな)面を、2.5インチ(6.35cm)×0.5インチ(1.27cm)×0.0625インチ(0.16cm)のゴム片に付着させた。同一寸法を有する第2のゴム片105を針の上部に配置し、得られた器具アセンブリをクランプ100内に配置して、
図7の装置を提供した。針は、クランプの端部から約0.75インチ(1.9cm)の距離だけ延びる。フックストリップの列と整列して針を配置し、フックストリップに対して装置を手で引っ張り、装置の器具部分とフックストリップ裏材との間に形成される角度(手の動く方向)は、約15〜45度の間であった。結果として生じるフック形状の変化(例えば、
図8A〜
図8B)は、使用される角度から独立していた。
【0125】
【表2】
【0126】
試験方法及び試験結果
実施例として調製された材料の解放性能特徴を、4つの異なる試験方法を使用して測定した。全ての試験は、一定温度(23℃+/−2℃)及び一定相対湿度(50%+/−5%)で行った。全ての材料及び装置は、試験に先立って最小24時間、これらの条件で均衡させた。データ記録のためのコンピュータ及び必要な荷重範囲を備えた不変定数の拡張引張試験器具を使用した(Instron Engineering Corporation(Canton,MA)から入手可能なシリーズ4200、4500、又は5500)。器具のクロスヘッド速度は、全ての試験について、12インチ(30.5cm)/分に設定した。
【0127】
押出し結合ループ(EBL)及び不織布ループ試料は、市販の幼児用おむつからループ締結具パッチを除去することによって得られる。EBL試料[米国特許第5,256,231号(Gormanら)に記載]は、Procter & Gamble Company(Cincinnati,OH)から商品名「PAMPERS SWADDLERS」で入手可能な新生児用サイズ1おむつから得られた。不織布ループ試料は、商品名「LUVS」のサイズ4幼児用おむつ(Procter & Gamble Companyから入手可能)から得られた。ナイロンニットループ状試料は、約22g/1平方メートル(gsm)の布地坪量を有し、2軸配向ポリプロピレン(BOPP、坪量約11gsm)のフィルムで裏打ちした。
【0128】
試験方法1では、180度の剥離角度で剪断力係合によりフック材料をループ材料から剥離するために必要な力を測定した。完成したフック試料は、裏材材料として使用される締結テープを用いて、0.5インチ(1.27cm)横方向(CD)×1インチ(2.54cm)縦方向(MD)ストリップとして調製した。フック試料は、1インチ(2.54cm)×8インチ(20.32cm)ペーパーリーダーのほぼ中心に付着された。リーダーは、1つの末端部に剪断力係合を適用し、他の末端部に180度剥離を適用するように、フックから離れて半分に折り畳んだ。完成したループ要素を、少なくとも横方向3インチ(7.62cm)×縦方向2インチ(5.08cm)に切断した。フック試料は、フック側を下に向けて、対応するループ面の上にそっと配置され、4.5パウンド(2.0kg)の携帯型ローラーの1サイクル(1サイクル=1前方通過及び1後方通過)で固定した。剪断力係合は、完成したアセンブリから500gの質量を10秒間垂下することによって行った。ループが付着している間、リーダーの180度剥離末端部を下のつめに付着させ、インストロン器具の上方のつめにおいて、リーダーに垂直に整列させて、微量の緩みを許可した。剥離がフック横方向及びループ横方向で行われるように、材料を配向した。初期つめ分離(ゲージ長)は、3インチ(7.62cm)に設定した。器具を開始し、フック試料がループ試料から完全に解放されるまで上方のつめを移動させた。最大荷重(Max.Load)、平均荷重(Avg.Load)、及び平均ピーク荷重(Avg.Peak)の測定値を重量グラム(gf)(ニュートン)の単位で取った。それぞれ新しい材料を使用して、10回の複製から収集したデータを平均し、平均したデータは、対応する標準偏差値とともに、表3〜5で報告される。
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
試験方法2では、おむつの耳部締結タブを、「Parents Choice」サイズ4おむつ(Walmart Corporation(Bentonville,AR)から入手可能)から除去し、付着位置を特定するようにラベルを付けた(おむつの右側又は左側に配置した)。それぞれの締結タブ上の既存のフック材料を、締結タブの不織布支持材料から除去した。これは、液体窒素への曝露を通して、タブを冷却し、冷たい間に、既存のフック片を不織布支持材料から剥離することによって行った。不織布支持材料を室温に温め、次いで比較例1〜4A及び実施例1〜4(13mm×25.4mm寸法)から選択されたフックストリップを、2層の二重コーティングされた接着テープ(3M Company(St.Paul,MN)から商品名「SCOTCH ADHESIVE TRANFER TAPE NO.924」で入手可能)を使用して、おむつ締結タブの不織布支持材料上に配置した。既存のループ基材もまた、上記と同一の液体窒素の手順を使用して除去した。試験ループ基材(上記の3つのループ試料から選択された)を、以前に除去されたループ基材と同一の位置で、「3M SUPER 77 MULTIPURPOSE SPRAY ADHESIVE」(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)を使用して、おむつに付着させた。おむつの右側及び左側を特定するために、試験ループ基材にラベルを付けた。次いで試験ループ基材を含有するランディング領域の面積を、ランディング領域面積の下約0.5インチ(1.27cm)〜0.75インチ(1.9cm)のおむつから切断した。おむつの耳部締結タブ(比較例1〜4A及び実施例1〜4から選択されたフック材料を含む)を、対応するループ基材(おむつの右側又は左側)に一致させ、フック側を下に向けてループ基材上に配置した。それぞれのフックストリップを、縦方向に一回そっとこすりつけた後、1パウンドの携帯型ローラーをフックの縦方向に2サイクル(1サイクル=1回の前方通過及び1回の後方通過)の移動によって更に固定した。1サイクルの時間は、約2秒であった。ランディング領域を中央で切断して、2つの調製した試験試料を産出した。フック締結タブの指で持ち上げる部分を、インストロン器具の上方のつめに挿入する一方で、ループ基材を下のつめに配置した。剥離がフック横方向及びループ横方向で行われるように、材料を配向した。初期つめ分離(ゲージ長)は、1〜2インチ(2.54〜5.1cm)に設定した。器具を開始し、フック試料がループ試料から完全に解放されるまで上方のつめを移動させた。最大荷重(Max.Load)、平均荷重(Avg.Load)、及び平均ピーク荷重(Avg.Peak)の測定値を、重量グラム(gf)の単位で取った。それぞれ新しい材料を使用して、5回の複製から収集したデータを平均し、平均したデータは、対応する標準偏差値とともに、表6〜8で報告される。
【0133】
【表6】
【0134】
【表7】
【0135】
【表8】
【0136】
試験方法3では、おむつの耳部締結タブを、「Parents Choice」サイズ4おむつ(Walmart Corporation(Bentonville,AR)から入手可能)から除去し、付着位置を特定するようにラベルを付けた(おむつの右側又は左側に配置した)。それぞれの締結タブ上の既存のフック材料を、締結タブの不織布支持材料から除去した。これは、液体窒素への曝露を通して、タブを冷却し、冷たい間に、既存のフック片を不織布支持材料から剥離することによって行った。不織布支持材料を室温に温め、次いで比較例1〜4A及び実施例1〜4(13mm×25.4mm寸法)から選択されたフックストリップを、2層の二重コーティングされた接着テープ(3M Company(St.Paul,MN)から商品名「SCOTCH ADHESIVE TRANFER TAPE NO.924」で入手可能)を使用して、おむつ締結タブの不織布支持材料上に配置した。既存のループ基材もまた、上記と同一の液体窒素の手順を使用して除去した。試験ループ基材(上記の3つのループ試料から選択された)を、以前に除去されたループ基材と同一の位置で、「3M SUPER 77 MULTIPURPOSE SPRAY ADHESIVE」(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)を使用して、おむつに付着させた。おむつの右側又は左側を特定するために、試験ループ基材にラベルを付けた。次いで試験ループ基材を含有するランディング領域の面積を、ランディング領域面積の下約0.5インチ(1.3cm)〜0.75インチ(1.9cm)のおむつから切断した。フック材料を含む耳部締結タブの部分を、締結タブから慎重に切断した後、ペーパーリーダーのほぼ中心に付着させた(1インチ×3インチ、2.54cm×7.62cm)。付着はステープルで行った。ステープルは、フック面上に位置するステープルの平らな側面を有する、フックストリップの上端部の近くに位置付けた。フックストリップを対応するループ基材(おむつの右側又は左側)と一致させ、フック側を下に向けてループ基材上に配置した。それぞれのフックストリップを、縦方向に一回そっとこすりつけた後、1パウンドの携帯型ローラーをフックの縦方向に2サイクル(1サイクル=1回の前方通過及び1回の後方通過)の移動によって更に固定した。1サイクルの時間は、約2秒であった。ランディング領域を中央で切断して、2つの調製した試験試料を産出した。ペーパーリーダーを、インストロン器具の上方のつめに挿入する一方で、ループ基材を下のつめに配置した。剥離がフック縦方向及びループ縦方向で行われるように、材料を配向した。初期つめ分離(ゲージ長)を、1〜2インチ(2.54〜5.1cm)に設定した。器具を開始し、フック試料がループ試料から完全に解放されるまで上方のつめを移動させた。最大荷重(Max.Load)、平均荷重(Avg.Load)、及び平均ピーク荷重(Avg.Peak)の測定値を、重量グラム(gf)の単位で取った。それぞれ新しい材料を使用して、5回の複製から収集したデータを平均し、平均したデータは、対応する標準偏差値とともに、表9〜11で報告される。
【0137】
【表9】
【0138】
【表10】
【0139】
【表11】
【0140】
試験方法4では、最小の力を使用して、フック及びループ試料を係合させた後に、機械的締結具システムを解放するために必要な力を測定した。2インチ(5.1cm)×5インチ(12.7cm)のスチールプレートを保持することができる90度の試験治具を、インストロン引張試験機の下のつめに挿入した。完成したフック試料(比較例1〜4A及び実施例1〜4から選択された)の1平方インチ(6.5平方cm)の底(平らな)面を、両面接着テープ(3M Company(St.Paul,MN)から商品名「SCOTCH Double Coated TAPE NO.9579」で入手可能)を用いて、240g試験装置の底部に付着させた。完成したループ試料は、両面テープを用いて、2インチ(5.1cm)×5インチ(12.7cm)スチールプレートの片側をパネルの長寸法に対して平行に配向されたループ状の材料の横方向で完全にカバーするように付着させた。ループ試料を含むプレートを、90度の剥離治具に挿入した。フック試料を含む試験装置を、上部インストロンつめに挿入し、圧力を適用しないように慎重に、ループ面の上に軽く設置した。初期つめ分離(ゲージ長)は、9.5インチ(24cm)に設定した。器具を開始し、フック試料がループ試料から完全に解放されるまで上方のつめを移動させた。最大荷重(Max.Load)の測定値は、重量グラム(gf)の単位で記録した。それぞれ新しい材料を使用して、10回の複製から収集したデータを平均し、平均したデータは、対応する標準偏差値とともに、表12〜14で報告される。
【0141】
【表12】
【0142】
【表13】
【0143】
【表14】
【0144】
この開示は、趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更が可能である。したがって、本開示は、上記の実施形態に限定されないが、以下の請求項及び全てのその等価物に詳述する制限によって規制される。本開示は、本明細書に具体的に開示されていない要素を欠いても適宜実施され得る。上記に引用した全ての特許及び特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は以下も包含する。
[1] 構造化表面を作製する方法であって、
複数列の直立要素を有する熱可塑性裏材を提供する工程であって、前記直立要素が、前記熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位キャップを有するステムを含み、それぞれの遠位キャップが、前記ステムを超えて第1の方向に延びる張出し部分を有する、工程と、
前記複数列の少なくともいくつかについて、2つの隣接した列の間に器具を通過させる工程であって、前記張出し部分の少なくとも一部が、前記第1の方向と異なる第2の方向に向けられるように、前記器具が、前記2つの隣接した列において、前記遠位キャップの少なくともいくつかの前記張出し部分と接触する、工程と、
を含む、方法。
[2] 前記器具が、前記熱可塑性裏材を切断しない、上記態様1に記載の方法。
[3] 前記器具が、針、ワイヤー、又はシムである、上記態様1又は2に記載の方法。
[4] 前記器具がテーパー状である、上記態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[5] 前記熱可塑性裏材を少なくとも一方向に延伸する工程を更に含む、上記態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記器具又は前記直立要素の少なくとも1つを加熱する工程を更に含む、上記態様1〜5のいずれか一項に記載の方法。
[7] 前記張出し部分の少なくとも一部が第2の方向に向けられるとき、それが前記熱可塑性裏材に向けられる、上記態様1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[8] 複数の器具が、前記複数列の間を通過する、上記態様1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[9] 前記複数の器具の少なくともいくつかが、異なる長さを有するか、又はそれらの先端が互いに整列しないように位置付けられる、上記態様8に記載の方法。
[10] 前記複数の器具が、前記複数列の直立要素の間で自己整列する、上記態様8又は9に記載の方法。
[11] 前記熱可塑性裏材が、x方向と、前記x方向に直交するy方向とを有し、前記遠位キャップが、前記ステムを超えて前記x方向及び前記y方向の両方に延びる張出し部分を有し、前記x方向又は前記y方向の一方のみに延びる前記張出し部分が、前記第2の方向に向けられる、上記態様1〜10のいずれか一項に記載の方法。
[12] 構造化表面上の直立要素上に遠位キャップを成形するためのツールであって、前記ツールは、テンプレート構造化表面及び複数の器具を備え、前記テンプレート構造化表面が、複数列のテンプレート直立要素を有するテンプレート熱可塑性裏材を備え、前記テンプレート直立要素が、前記テンプレート熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位先端を有するステムを備え、前記複数の器具が、前記テンプレート構造化表面上の前記複数列のテンプレート直立要素の間に位置付けられる、ツール。
[13] x方向及びy方向を有する熱可塑性裏材と、
前記熱可塑性裏材に付着された近位端、及び遠位キャップを有するステムを備える直立要素と、備え、各遠位キャップが、前記ステムを超えてあらゆる方向に延びる張出し部分を有し、前記ステムを超えてあらゆる方向に延びる張出し部分が、実質的に等しい体積であり、前記直立要素の少なくともいくつかについて、前記x方向又は前記y方向の一方のみに延びる前記張出し部分が、前記熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる、構造化表面。
[14] 前記直立要素の前記少なくともいくつかについて、前記張出し部分の全てが丸くされる、上記態様13に記載の構造化表面。
[15] 前記熱可塑性裏材が、縦方向及び横方向を有する不定長のウェブであり、前記y方向が、前記縦方向であり、前記x方向が前記横方向であり、前記横方向に延びる前記張出し部分のみが、前記熱可塑性裏材に向かって下方に向けられる、上記態様13又は14に記載の構造化表面。