特許第5912118号(P5912118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912118
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】難燃性コポリエステル組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/02 20060101AFI20160414BHJP
   C08K 5/3477 20060101ALI20160414BHJP
   C08K 5/51 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   C08L67/02
   C08K5/3477
   C08K5/51
【請求項の数】17
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2013-527331(P2013-527331)
(86)(22)【出願日】2011年9月2日
(65)【公表番号】特表2013-536892(P2013-536892A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】US2011050282
(87)【国際公開番号】WO2012031171
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年8月26日
(31)【優先権主張番号】61/444,489
(32)【優先日】2011年2月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/222,918
(32)【優先日】2011年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/379,776
(32)【優先日】2010年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エリック ヤング
【審査官】 藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−152400(JP,A)
【文献】 特表2004−537630(JP,A)
【文献】 特開2005−162912(JP,A)
【文献】 特表2006−513310(JP,A)
【文献】 特表2007−514828(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/078140(WO,A1)
【文献】 特表2012−514113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 67/00 − 67/08
C08K 3/00 − 3/40
C08K 5/00 − 5/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと(ii)金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物。
【請求項2】
該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 7.5重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
請求項1に記載のコポリエステル組成物。
【請求項3】
該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜95重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
請求項1に記載のコポリエステル組成物。
【請求項4】
(a) 95重量%〜98重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 2重量%超〜5重量%の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
請求項に記載のコポリエステル組成物。
【請求項5】
該メラミンがメラミンイソシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メラミンホスフェート、又はこれらの混合物を含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載のコポリエステル組成物。
【請求項6】
該金属ホスフィン酸塩は、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸亜鉛、又はこれらの混合物を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載のコポリエステル組成物。
【請求項7】
該難燃剤混合物が少なくとも2.5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載のコポリエステル組成物。
【請求項8】
該コポリエステル組成物はさらにアンチ・ドリップ剤又は耐衝撃性改質剤又はこれらの混合物を含む、請求項1から7までのいずれか1項に記載のコポリエステル組成物。
【請求項9】
コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法。
【請求項10】
該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 7.5重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
請求項9に記載のコポリエステル組成物の製造方法。
【請求項11】
該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜95重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
請求項9に記載のコポリエステル組成物の製造方法。
【請求項12】
該ブレンドすることが、二軸コンパウンディング、2ロータ連続コンパウンディング、Banbury(登録商標)バッチ・ミキサ、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項9から11までのいずれか1項に記載のコポリエステル組成物の製造方法。
【請求項13】
コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は、
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに、
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とから成る、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品。
【請求項14】
該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 7.5重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
請求項13に記載の物品。
【請求項15】
該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜95重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
請求項13に記載の物品。
【請求項16】
該物品が、押し出し、押し出しブロー成形、射出成形、ブローフィルム法又はカレンダリングによって製造される、請求項13から15までのいずれか1項に記載の物品。
【請求項17】
該物品が、フィルム、シート又は異形材である、請求項13から16までのいずれか1項に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃特性を維持しながらコポリエステル組成物の難燃性を改善するために、コポリエステル中にハロゲンフリー難燃性添加剤の組み合わせを使用することに関する。より具体的には、本発明は、衝撃特性を維持しながら難燃性を改善するために、コポリエステル中に窒素含有難燃剤及び金属ホスフィン酸塩を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
耐炎性を改善するために、具体的には、特定の燃焼性基準、例えばUL94 V0又はASTM−E−84に基づくクラスAを満たすために、ある種のポリマーには難燃性材料が添加される。しかし、燃焼性基準を満たすのに十分な量の難燃性材料を添加すると、有効量の難燃性材料を含有するコポリエステル・フィルム又はシートの耐衝撃性に不都合な影響を及ぼすことがある。
【0003】
コポリエステルは種々様々な手段で難燃化することができるが、しかしこれらの方法はいくつかの欠点を有している。ハロゲン化合物、例えばDeclorane Plus、デカブロモジフェニルオキシド又はデカブロモジフェニルエーテルが効果的な難燃剤であり得るが、しかし燃焼中の煙毒性、燃焼中のダイオキシン型化合物の形成、又は生体蓄積のおそれに起因して市場では異議を申し立てられることがあり得る。液状リン化合物、例えばトリフェニルホスフィット又はトリフェニルホスフェートは、コポリエステルを難燃化することができるがしかし、有効使用レベルでは、これらはコポリエステルを可塑化して軟化させ、ひいては耐熱性を低下させて歪ませることになる。メラミン及びリン・クラスの固形難燃剤を使用することもできるが、しかしこれまで、難燃性を達成するために必要とされる濃度はコポリエステルを脆弱にするか、又は引張り強度特性を低下させた。内装仕上げ用途、例えば壁保護製品、並びに手持ち式及び定置式の電化製品のためのハウジングにおいて使用されるプラスチックは全て、種々の規則又は基準において指定された燃焼性要件を有している。これらの用途は、燃焼性要件に加えて耐久性又は物理特性の要件も有している。加えて建造物及び構造物並びに電化製品のいくつかの用途は、ハロゲン含有化合物の使用を禁止した。従って、物理特性を維持し非ハロゲン難燃剤を使用する、これらの用途において用いられるコポリエステルが必要である。
【0004】
非ハロゲン難燃剤を含む改善されたコポリエステル組成物、及び良好の耐炎性及び耐衝撃性を呈するフィルム又はシートが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 96〜98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級又はUL 94に基づくV0等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0006】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
96〜98重量%のコポリエステルと;
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物と
をブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0007】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 96〜98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0008】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0009】
別の態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
55〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0010】
別の態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩と
から成る、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0011】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜約98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0012】
1つの態様において、本発明は、
コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
55〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
90重量%超〜約98重量%のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0013】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩と
から成る、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0014】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 96〜98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級又はUL 94に基づくV0等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0015】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 96〜98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級又はUL 94に基づくV0等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0016】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
96〜98重量%のコポリエステルと;
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物と
をブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0017】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0018】
別の態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜35モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
65〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
85重量%超〜約92.5重量%未満のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0019】
別の態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩と
から成る、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0020】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0021】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
90重量%超〜約98重量%のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0022】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩と
から成る、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0023】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
96〜98重量%のコポリエステルと;
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む
、2〜4重量%の難燃剤混合物と
をブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0024】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 96〜98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2〜4重量%の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラスA又はクラス1等級を有しており、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0025】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0026】
別の態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
85重量%超〜約92.5重量%未満のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0027】
別の態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩と
から成る、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0028】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜約98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む。
【0029】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
90重量%超〜約98重量%のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は
ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を
有している、
コポリエステル組成物の製造方法を含む。
【0030】
1つの態様において、本発明は、コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩と
から成る、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は
ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品を含む。
【0031】
1つの態様では、コポリエステルは、100モル%のTPAを含む二酸成分、及び31モル%の1,4−CHDMと69モル%のエチレングリコールとを含むグリコール成分を含み、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0032】
1つの態様では、コポリエステルは、100モル%のTPAを含む二酸成分、及び3.5モル%の1,4−CHDMと96.5モル%のエチレングリコールとを含むグリコール成分を含み、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0033】
1つの態様では、コポリエステルは、100モル%のTPAを含む二酸成分、及び12モル%の1,4−CHDMと88モル%のエチレングリコールとを含むグリコール成分を含み、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0034】
1つの態様では、コポリエステルは、100モル%のTPAを含む二酸成分、及び20モル%の1,4−CHDMと80モル%のエチレングリコールと0.1モル%の無水トリメリット酸を含むグリコール成分を含み、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0035】
1つの態様では、コポリエステルは、100モル%のTPAを含む二酸成分、及び50モル%の1,4−CHDMと50モル%のエチレングリコールとを含むグリコール成分を含み、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0036】
1つの態様では、コポリエステルは、100モル%のTPAを含む二酸成分、及び62.5モル%の1,4−CHDMと37.5モル%のエチレングリコールとを含むグリコール成分を含み、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%である。
【0037】
1つの態様において、本発明は、コポリエステルと難燃剤混合物とを含むコポリエステル組成物濃縮物を含み、濃縮物は、濃縮物の総重量を基準として15重量%を上回る難燃剤を含む。
【0038】
1つの態様において、本発明は、上記のコポリエステル組成物のいずれかを含む物品を含む。
【0039】
1つの態様において、本発明は、上記コポリエステル組成物のいずれかを含む物品を含み、物品は押し出し、射出成形、又はカレンダリングによって製造される。
【0040】
1つの態様において、本発明は、上記コポリエステル組成物のいずれかを含むフィルム、シート又は異形材を含む。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の特定の実施態様及び実施例に関する下記の詳細な説明を参照することによって、本発明をより容易に理解することができる。
【0042】
本発明の目的に従って、本発明の特定の実施態様が「発明の概要」に記載されており、これらを以下にさらに詳しく説明する。また、本発明の他の実施態様もここに説明する。
【0043】
本発明は、コポリエステルと難燃剤の組み合わせとを含むコポリエステル組成物であって、コポリエステル組成物が良好な難燃性及び良好な耐パンクチャ性を呈するものを提供する。本発明は、衝撃特性を維持しながら難燃性を改善するために、2種のハロゲンフリー難燃性添加剤を組み合わせて使用することを伴う。難燃性添加剤のうちの一方は、アミン含有化合物である。他方は金属ホスフィン酸塩化合物である。難燃剤の組み合わせをコポリエステルと一緒に適宜の濃度で添加すると、UL 94 V0等級を達成し、そしてASTM E−84に基づく試験時にはクラスA等級を達成する一方で、延性計装化衝撃特性(ASTM D3763)を維持する難燃化組成物が得られる。
【0044】
本発明において有用なコポリエステルは、芳香族二酸残基と、2種又は3種以上のグリコールの残基とを含む。
【0045】
本明細書中に使用される「コポリエステル」という用語は、「ポリエステル」を含むものとし、また、1種又は2種以上の二官能性カルボン酸及び/又は多官能性カルボン酸と、1種又は2種以上の二官能性ヒドロキシル化合物及び/又は多官能性ヒドロキシル化合物とを反応させることによって調製された合成ポリマーを意味するものとする。典型的には、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であってよく、二官能性ヒドロキシル化合物は二価アルコール、例えばグリコールであってよい。さらに、本出願において使用される互いに交換し得る「二酸」又は「ジカルボン酸」という用語は、多官能性酸、例えば分岐剤を含む。本出願において使用される「グリコール」という用語の一例としては、ジオール、グリコール、及び/又は多官能性ヒドロキシル化合物が挙げられる。或いは、二官能性カルボン酸は、ヒドロキシルカルボン酸、例えばp−ヒドロキシ安息香酸であってもよく、そして二官能性ヒドロキシル化合物は、2つのヒドロキシル官能基を有する芳香核、例えばヒドロキノンであってもよい。本明細書中に使用される「残基」という用語は、対応モノマーからの重縮合反応及び/又はエステル化反応によってポリマーに組み込まれた任意の有機構造を意味する。本明細書中に使用される「反復単位」は、カルボニルオキシ基を介して結合されたジカルボン酸残基とジオール残基とを有する有機構造を意味する。このように、例えばジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマー又はこれと関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、又はこれらの混合物から誘導されてよい。従って本明細書中に使用されるジカルボン酸という用語は、ジカルボン酸、及び、ポリエステルを形成するためのジオールとの反応プロセスにおいて有用な、関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、又はこれらの混合物を含む任意のジカルボン酸誘導体を含むものとする。本明細書中に使用される「テレフタル酸」という用語は、テレフタル酸自体、及びその残基、並びに、ポリエステルを形成するためのジオールとの反応プロセスにおいて有用な、関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、又はこれらの混合物を含む任意のテレフタル酸誘導体を含むものとする。「改質用芳香族二酸」という用語は、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸を意味する。「改質用グリコール」という用語は1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のグリコールを意味する。
【0046】
1実施態様の場合、出発材料としてテレフタル酸を使用してよい。別の実施態様の場合、出発材料としてジメチルテレフタレートを使用してよい。別の実施態様の場合、出発材料として且つ/又は中間材料として、テレフタル酸とジメチルテレフタレートとの混合物を使用してよい。
【0047】
本発明に使用されるコポリエステルは典型的には、ジカルボン酸とジオールとから調製することができる。ジカルボン酸とジオールとは実質的に等しい比率で反応し、これらの対応残基としてコポリエステル・ポリマーに組み込まれる。従って、本発明のコポリエステルは、実質的に等しいモル比率の酸残基(100モル%)とジオール(及び/又は多官能性ヒドロキシル化合物)残基(100モル%)とを含有することができるので、反復単位の総モルは100モル%に等しい。本開示に提供されたモル・パーセンテージは従って、酸残基の総モル、ジオール残基の総モル、反復単位の総モルを基準としてよい。例えば、総酸残基を基準として30モル%のイソフタル酸を含有するコポリエステルは、コポリエステルが全部で100モル%の酸残基のうち、30モル%のイソフタル酸残基を含有することを意味する。従って、酸残基100モル毎に30モルのイソフタル酸残基がある。別の例において、総ジオール残基を基準として30モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するコポリエステルは、コポリエステルが全部で100モル%のジオール残基のうち、30モル%のシクロヘキサンジメタノール残基を含有することを意味する。従って、ジオール残基100モル毎に30モルの1,4−シクロヘキサンジメタノール残基がある。
【0048】
コポリエステルは70〜100モル%の芳香族二酸を含む。1実施態様では、コポリエステルは70〜100モル%のテレフタル酸(TPA)を含む。或いは、コポリエステルは80〜100モル%のTPA、又は90〜100モル%のTPA、又は95〜100モル%のTPA、又は100モル%のTPAを含む。本開示の目的において、「テレフタル酸」及び「ジメチルテレフタレート」という用語は相互に交換可能に使用される。
【0049】
テレフタル酸に加えて、本発明において有用なコポリエステルのジカルボン酸成分は、最大30モル%、最大20モル%、最大10モル%、最大5モル%、又は最大1モル%の1種又は2種以上の改質用芳香族ジカルボン酸を含むことができる。さらに別の実施態様は0モル%の改質用芳香族ジカルボン酸を含む。従って、1種又は2種以上の改質用芳香族ジカルボン酸が存在するならば、その量は前記終点値のうちのいずれか、例えば0.01〜30モル%、0.01〜20モル%、0.01〜10モル%、0.01〜5モル%、0.01〜1モル%を範囲とすることができる。1実施態様の場合、本発明において使用してよい改質用芳香族ジカルボン酸の一例としては、最大炭素原子数が20であり、線状、パラ配向型、又は対称であるものが挙げられる。本発明において使用されてよい改質用芳香族ジカルボン酸の一例としては、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−、1,5−、2,6−、2,7−ナフタレンジカルボン酸、及びトランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、及びこれらのエステルが挙げられる。1実施態様の場合、改質用芳香族ジカルボン酸はイソフタル酸である。
【0050】
本発明において有用なコポリエステルのカルボン酸成分はさらに、最大10モル%の、例えば最大5モル%又は最大1モル%の炭素原子数2〜16の1種又は2種以上の脂肪族ジカルボン酸、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びドデカン二酸でさらに改質することができる。特定の実施態様は、0.01モル%以上、例えば0.1モル%以上、又は1モル%以上、又は5モル%以上、又は10モル%以上の1種又は2種以上の改質用脂肪族ジカルボン酸を含むこともできる。さらに別の実施態様は0モル%の改質用脂肪族ジカルボン酸を含有する。従って、1種又は2種以上の改質用脂肪族ジカルボン酸が存在するならば、その量は前記終点値のうちのいずれか、例えば0.01〜10モル%、及び0.1〜10モル%を範囲とすることができる。ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%である。
【0051】
テレフタル酸のエステル、及び他の改質用ジカルボン酸又はこれらの対応するエステル及び/又は塩をジカルボン酸の代わりに使用してよい。ジカルボン酸エステルの好適な一例としては、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジイソプロピル、ジブチル、及びジフェニルエステルが挙げられる。1実施態様の場合、エステルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、及びフェニルエステルのうちの少なくとも1種から選択される。
【0052】
本発明のコポリエステル組成物における有用なコポリエステルは、ジオール残基又は二酸残基の総モル・パーセンテージを基準として、0〜10モルパーセント、例えば0.01〜5モルパーセント、0.01〜1モルパーセント、0.05〜5モルパーセント、0.05〜1モルパーセント、又は0.1〜0.7モルパーセントのそれぞれ1つ又は2つ以上の分岐モノマー残基を含むことができる。分岐モノマーはここでは分岐剤とも呼ばれ、3つ又は4つ以上のカルボキシル置換基、ヒドロキシル置換基、又はこれらの組み合わせを有している。特定の実施態様の場合、分岐モノマー又は分岐剤は、ポリエステルの重合前及び/又は重合中及び/又は重合後に添加してよい。本発明において有用なコポリエステルは、このように線状又は分岐状であり得る。
【0053】
分岐モノマーの一例としては、多官能性酸又は多官能性アルコール、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、クエン酸、酒石酸、及び3−ヒドロキシグルタル酸などが挙げられる。1実施態様の場合、分岐モノマー残基は、0.1〜0.7モルパーセントの、下記のもの、すなわち無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、グリセロール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリトリトール、トリメチロールエタン、及び/又はトリメシン酸のうちの少なくとも1種から選択された1つ又は2つ以上の残基を含むことができる。分岐モノマーは、ポリエステル反応混合物に添加してよく、或いは例えば米国特許第5,654,347号明細書及び5,696,176号明細書(分岐モノマーに関連するこれらの開示内容が、参照することにより本明細書中に組み入れられる)に記載されているような濃縮物の形態のポリエステルとブレンドしてもよい。
【0054】
コポリエステルの下記実施態様の全ては、本発明の実施態様の全てにおいて有用である。特定の実施態様において、コポリエステルのグリコール成分はエチレングリコールと、1,4−シクロヘキサンジメタノールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、1〜65モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、35〜99モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、1〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、50〜99モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約1〜31モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約69〜99モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約31モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約69モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約5〜65モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約35〜95モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約5〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約50〜95モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約10〜65モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約35〜90モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約10〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約50〜90モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約20〜65モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約35〜80モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約20〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約50〜80モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約30〜65モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約35〜70モル%のエチレングリコールとを含む。1実施態様の場合、コポリエステルのグリコール成分は、約30〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと、約50〜70モル%のエチレングリコールとを含む。
【0055】
1,4−シクロヘキサンジメタノールはシス、トランス、又は、例えばシス/トランス比60:40〜40:60のこれらの混合物であってよい。別の実施態様の場合、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールは60〜80モル%の量で存在することができる。或いは、1,2−及び1,3−シクロヘキサンジメタノールを個別に、又は互いに組み合わせて且つ/又は1,4−シクロヘキサンジメタノールと組み合わせて使用してよい。
【0056】
本発明の実施態様の全てにおいて有用なコポリエステル組成物のコポリエステル部分のグリコール成分は、エチレングリコール又は1,4−シクロヘキサンジメタノールではない、25モル%以下の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有することができ、1つの実施態様では、本発明において有用なコポリエステルは15モル%未満の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有してよい。別の実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステルは10モル%以下の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有してよい。別の実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステルは5モル%以下の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有してよい。別の実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステルは3モル%以下の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有してよい。別の実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステルは0モル%の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有してよい。特定の実施態様は、0.01モル%以上、例えば0.1モル%以上、1モル%以上、5モル%以上、又は10モル%以上の1種又は2種以上の改質用グリコールを含有することもできる。従って1種又は2種以上の改質用グリコールが存在するならば、その量は前記終点値のうちのいずれか、例えば0.01〜15モル%、及び0.1〜10モル%を範囲とすることができる。
【0057】
本発明の全ての実施態様において有用なコポリエステルにおいて有用な改質用グリコールは、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のジオールを意味し、その炭素原子数は2〜16であってよい。好適な改質用グリコールの一例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、p−キシレングリコール、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール又はこれらの混合物が挙げられる。別の実施態様では、改質用グリコールは1,3−プロパンジオール及び/又は1,4−ブタンジオールである。
【0058】
2種の難燃性材料のうちの第1のものは、メラミンとして知られている種類の窒素含有難燃剤に由来する材料である。この種類の材料の一例としてはメラミンシアヌレート、メラミンポリホスフェート、及びメラミンホスフェートが挙げられる。これらのメラミンは「Melapur」の商品名でBASF/Cibaから入手可能である。
【0059】
第2の難燃性材料は、金属ホスフィン酸塩として知られている種類の材料に由来するものである。この種類の材料の一例としては、ホスフィン酸アルミニウム又はホスフィン酸亜鉛が挙げられる。これらの金属ホスフィン酸塩は、Exolitの商品名でClariantから種々の形態で入手可能である。
【0060】
難燃性を改善するために2種類の難燃剤を組み合わせることが示唆されてはいるが、本発明の場合、難燃性コポリエステル組成物を達成するために使用する、コポリエステル中の難燃剤レベルが予想外に低い。(ガラス繊維強化型ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)中の金属ホスフィン酸塩及びメラミンシアヌレートと組み合わされた金属ホスフィン酸塩の難燃性メカニズム)Ulrike, B Schartel, B. Macromolecular Materials and Engineering, 200, 293, pp. 206-217)。Clariant及びBASF/Cibaの開示内容は、ポリマー量を基準として、より高いレベルの組み合わせ難燃剤を使用することを例示している。Clariantは2つの例、すなわち30%のガラス繊維で充填された強化ナイロン66組成物と、30%のガラス繊維で充填されたポリブチレンテレフタレート(PBT)組成物とを提供した。ナイロン66組成物の場合、UL 94 V0等級を達成するために必要となる難燃剤レベルは16%であった。ナイロン66調製物はガラス繊維で30%充填されているので、調製物中の難燃剤の有効パーセンテージは23%であった。PBT組成物の場合、UL 94 V0等級を達成するために必要となる難燃剤レベルは20%であった。この場合、UL 94 V0等級を達成するための、調製物中の難燃剤の有効パーセンテージは29%であった。
【0061】
これとは異なり、本発明の特定の実施態様は、延性耐パンクチャ性(計装化衝撃ASTM D3763)を8ジュールを上回るように維持しながら、UL 94 V0等級の組み合わせを達成するために5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムと90%のコポリエステルとを使用する。コポリエステルの重量を基準としたこの10%という難燃剤ローディング率は、上述のナイロン66及びPBTを使用したClariant及びBASF/Cibaの例よりも著しく低い。加えて、UL 94 V0等級又は衝撃特性を維持するがしかし両方の特性を維持することはない種々様々な難燃剤レベル及び組み合わせもある。2.5%のホスフィン酸アルミニウム/2.5%のメラミンシアヌレートを有する組成物、又は2.5%ホスフィン酸アルミニウム/5%のメラミンシアヌレートを有する組成物は耐パンクチャ性を維持したがしかしUL 94 V0等級を達成することはなかった。5%のホスフィン酸アルミニウム/10%のメラミンシアヌレートを有する組成物、又は10%ホスフィン酸アルミニウム/5%のメラミンシアヌレートを有する組成物は両方ともUL 94 V0等級を達成したが、しかし両組成物とも、耐パンクチャ性において脆性破壊を有した(計装化衝撃ASTM D3763)。本発明は、7.5%〜15%の難燃剤添加率がUL 94 V0と耐パンクチャ性の維持との組み合わせをもたらすという予想外の発見である。
【0062】
1態様の場合、UL 94 V0等級であること、及び最大負荷時のエネルギーが少なくとも8ジュールであることを満たすのに有用な本発明のコポリエステル組成物は、7.5重量%超〜15重量%未満の、メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む難燃剤混合物を含む。1態様の場合、本発明のコポリエステル組成物は、8重量%超〜15重量%未満又は9重量%超〜13重量%未満の、メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む難燃剤混合物を含み、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。
【0063】
UL 94 V0等級であること、及び最大負荷時のエネルギーが少なくとも8ジュールであることを満たすのに有用な本発明のコポリエステル組成物の全ての実施態様において、具体的な範囲の上記難燃剤混合物が有用である。1実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、7.5重量%超〜15重量%未満又は7.5重量%超〜約14重量%又は7.5重量%超〜約13重量%又は7.5重量%超〜約12重量%又は7.5重量%超〜約11重量%又は7.5重量%超〜約10重量%又は7.5重量%超〜約9重量%又は7.5重量%超〜約8重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約8重量%〜15重量%未満又は約8重量%〜約14重量%又は約8重量%〜13重量%又は約8重量%〜約12重量%又は約8重量%〜約11重量%又は約8重量%〜約10重量%又は約8重量%〜約9重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約9重量%〜15重量%未満又は約9重量%〜約14重量%又は約9重量%〜約13重量%又は約9重量%〜約12重量%又は約9重量%〜約11重量%又は約9重量%〜約10重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約10重量%〜15重量%未満又は約10重量%〜約14重量%又は約10重量%〜約13重量%又は約10重量%〜約12重量%又は約10重量%〜約11重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約11重量%〜15重量%未満又は約11重量%〜約14重量%又は約11重量%〜約13重量%又は約11重量%〜約12重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約12重量%〜15重量%未満又は約12重量%〜約14重量%又は約12重量%〜約13重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約13重量%〜15重量%未満又は約13重量%〜約14重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様において、メラミンと金属ホスフィン酸塩との混合物を含む難燃剤混合物は、約14重量%〜15重量%未満であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。
【0064】
本発明の特定の実施態様では、コポリエステル中の火炎液滴(flaming droplet)の発生は、2.5重量%のホスフィン酸アルミニウム及び2.5重量%のメラミンシアヌレート、又は2.5重量%のホスフィン酸アルミニウム及び5重量%のメラミンシアヌレートを有するコポリエステル組成物中で低減又は排除される。これにより、UL 94 V2等級がもたらされた。本発明の特定の実施態様は、上記コポリエステルのうちのいずれか、及び5重量%未満のメラミンと5重量%の金属ホスフィン酸塩とを含む難燃剤の組み合わせ、及び0.5〜2.0重量%のドリップ抑制剤を含むコポリエステル組成物を含む。ドリップ抑制剤はフルオロポリマーを含む。本発明の特定の実施態様は、上記コポリエステルのうちのいずれか、及びメラミンと金属ホスフィン酸塩との7.5重量%未満の組み合わせを含む難燃剤の組み合わせ、及び0.5〜2.0重量%のドリップ抑制剤を含むコポリエステル組成物を含み、コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有する。本発明の特定の実施態様は、上記コポリエステルのうちのいずれか、及びメラミンと金属ホスフィン酸塩との約2.5重量%未満の組み合わせを含む難燃剤の組み合わせ及び0.5〜2.0重量%のドリップ抑制剤を含むコポリエステル組成物を含み、コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有する。ドリップ抑制剤はフルオロポリマーを含む。フルオロポリマーの一例としてはTeflon(登録商標)が挙げられる。
【0065】
さらに、(ナイロン66及びPBT中の使用レベルに関して上述したような、難燃性ポリマー及びプラスチックにおいて典型的に報告されている難燃剤量と比較して)極めて少量の2種の難燃性添加剤を使用することによって、ASTM E−84に基づいて試験すると、種々の建築基準法のクラスA又はクラス1を達成し得ることが判っている。Spectar(登録商標)14471コポリエステル及びProvista NXT(両方とも米国テネシー州Kingsport在Eastman Chemical Companyから入手)の試料を、種々の添加率のメラミンシアヌレート(例えばCiba/BASFのMelapur MC 25)及びホスフィン酸アルミニウム(例えばClariantのExolit OP 1240)と一緒にコンパウンディングした。90%のPETG/5%のメラミンシアヌレート/5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物を、セメントボード及び石膏ボードの両方に付着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験すると、調製物は種々の建築基準法のクラスA又はクラス1を達成した。96%のPETG/2%のメラミンシアヌレート/2%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物を、セメントボードに付着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験すると、調製物は種々の建築基準法のクラスA又はクラス1を達成した。96%のProvista NXT/2%のメラミンシアヌレート/2%ホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物を、修正ASTM E−84テストに従って試験し(基板に付着させる代わりに、ワイヤメッシュによって支持された、10インチ幅、24フィート長のストリップにおいて試料を試験する)、調製物は種々の建築基準法のクラスA又はクラス1を達成した。
【0066】
クラスA又はクラス1の可燃性等級は、火炎伝播指数(flame spread index:FSI)が25以下であり、煙発生指数(smoke developed index:SDI)が450以下であることを必要とする。96%のPETG/2%のメラミンシアヌレート/2%のホスフィン酸アルミニウムの調製物は、セメント・ボードに付着させると、15 FSI及び250 SDIを達成し、そしてTMA/2%のメラミンシアヌレート/2%のホスフィン酸アルミニウムで改質された96%のPETGの調製物は5 FSI及び250 SDIを達成した。90%のPETG/5%のメラミンシアヌレート/5%のホスフィン酸アルミニウムから、難燃剤成分濃度がより低い、96%のPETG/2%のメラミンシアヌレート/2%のホスフィン酸アルミニウムまでの調製物の範囲は、クラスA又はクラス1等級を満たす。本発明の1実施態様では、FSI及びSDIの結果は、98%のPETG/1%のメラミンシアヌレート/1%のホスフィン酸アルミニウムまでのより低い難燃剤成分濃度の調製物によってクラスA又はクラス1等級を満たすことが可能であることを示唆している。
【0067】
ASTM E−84等級であること、及び最大負荷時のエネルギーが少なくとも8ジュールであることを満たすのに有用な本発明のコポリエステル組成物の全ての実施態様において、下記具体的な範囲の上記難燃剤混合物が有用である。1実施態様の場合、メラミンと金属ホスフィン酸との混合物を含む難燃剤混合物は2重量%超〜10重量%又は2重量%超〜約9重量%又は2重量%超〜約8重量%又は2重量%超〜約7重量%又は2重量%超〜約6重量%又は2重量%超〜約5重量%又は2重量%超〜約4重量%又は2重量%超〜約3重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様の場合、メラミンと金属ホスフィン酸との混合物を含む難燃剤混合物は約3重量%〜10重量%未満又は約3重量%〜約9重量%又は約3重量%〜約8重量%又は約3重量%〜約7重量%又は約3重量%〜約6重量%又は約3重量%〜約5重量%又は約3重量%〜約4重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。別の実施態様の場合、メラミンと金属ホスフィン酸との混合物を含む難燃剤混合物は約4重量%〜10重量%未満又は約4重量%〜約9重量%又は約4重量%〜約8重量%又は約4重量%〜約7重量%又は約4重量%〜約6重量%又は約4重量%〜約5重量%であり、重量%はコポリエステルの重量を基準とする。
【0068】
ASTM D256に記載されているようなノッチ付きアイゾッド衝撃強度が、一般的な靱性測定方法である。アイゾッド法によって試験すると、ポリマーは、試験片が破断して2つの別々の部分になる完全破断破壊モード、又は試験片が1つの部分のままである部分破断・非破断欠損モードを呈することができる。完全破断欠損モードは低エネルギー破壊と関連付けられる。部分破断・非破断欠損モードは高エネルギー破壊と関連付けられる。
【0069】
本発明において有用なコポリエステル組成物は、下記特性のうちの1つ又は2つ以上の特性を有することができる。1実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステル組成物は、耐パンクチャ性によって示されるように、ASTM D3763に基づいて定義された100mm x 100mm x 1.5mm厚のプラークのバーによって、23℃における最大負荷時の計装化エネルギー約14ジュールを呈する。1実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて定義された100mm x 100mm x 1.5mm厚のプラークのバーによって、23℃における最大負荷時の計装化エネルギー約8.0ジュールを呈する。1実施態様の場合、本発明において有用なコポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて定義された100mm x 100mm x 1.5mm厚のプラークのバーによって、23℃における最大負荷時の計装化エネルギー7.0ジュール超を呈する。
【0070】
メラミンシアヌレート/ホスフィン酸アルミニウムの組み合わせは、難燃剤なしのコポリエステルと比較してコポリエステルのノッチ付きアイゾッド衝撃強度を低下させた。本発明の特定の実施態様は、コポリエステル組成物のノッチ付きアイゾッド衝撃強度を改善するために耐衝撃性改質剤を含む。耐衝撃性改質剤は、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、メチルメタクリレートブタジエンスチレン(MBS)、アクリル(ブチルアクリレートメチルアクリレート)、コポリエステルエーテルコポリマー(COPE、Eastman Chemical Companyの商品名ECDEL)、エチレンメタクリレートコポリマー(EMAC)、脂肪族芳香族コポリエステル(Eastman Chemical Companyの商品名Eastar Bio)、及び反応性アクリル(エチレンアクリルエステルグリシジルメタクリレート)を含むプラスチック及び/又はエラストマーを含む。
【0071】
本発明において有用なコポリエステル組成物のポリエステル部分は、文献から知られている方法によって、例えば均質溶液中のプロセスによって、溶融物中のエステル交換法によって、及び二相界面法によって形成することができる。好適な方法の一例としては、100℃〜315℃の温度で、0.1〜760mm Hgの温度で、コポリエステルを形成するのに十分な時間にわたって、1種又は2種以上のジカルボン酸と1種又は2種以上のグリコールとを反応させる工程が挙げられる。コポリエステルを生成する方法に関して米国特許第3,772,405号明細書を参照されたい。このような方法に関する開示内容は参照することによって本明細書中に組み込まれる。
【0072】
別の態様において、本発明は下記方法、すなわち:
(I) 初期コポリエステルを生成するのに十分な時間にわたって、150〜240℃の温度で、触媒の存在において本発明のコポリエステルのうちのいずれかに有用なモノマーを含む混合物を加熱し;
(II) 工程(I)の初期コポリエステルを1〜4時間にわたって240〜320℃の温度で加熱し;そして
(III) いかなる未反応グリコールをも除去する
ことを含む方法によって生成されたコポリエステルを含むフィルム又はシートに関する。
【0073】
この方法において使用するのに適した触媒の一例としては、有機亜鉛又は錫化合物が挙げられる。このタイプの触媒の使用は当業者によく知られている。本発明において有用な触媒の例としては、酢酸亜鉛、ブチル錫tris−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジアセテート、及びジブチル錫オキシドが挙げられる。他の触媒の一例としては、チタン、亜鉛、マンガン、リチウム、ゲルマニウム、及びコバルトが挙げられる。触媒量は、触媒金属を基準として、そして最終ポリマーの重量を基準として、10ppm〜20,000ppm又は10ppm〜10,000ppm又は10ppm〜5,000ppm又は10ppm〜1,000ppm又は10ppm〜500ppm又は10ppm〜300ppm又は10ppm〜250ppmであり得る。このプロセスはバッチ法又は連続法で実施することができる。
【0074】
典型的には、工程(I)は50重量%以上のグリコールが反応するまで実施することができる。工程(I)は、大気圧〜100psigの圧力下で実施してよい。本発明において有用な触媒のうちのいずれかとの関連において使用される「反応生成物」という用語は、触媒と、ポリエステルを形成する際に使用されるモノマーのいずれかとの重縮合又はエステル化反応の任意の生成物、並びに触媒と任意の他のタイプの添加剤との重縮合又はエステル化反応の生成物を意味する。
【0075】
典型的には、工程(II)及び工程(III)は同時に行うことができる。これらの工程は、当業者に知られた方法によって、例えば0.002psig〜大気圧未満の圧力下に反応混合物を置くことによって、又は高温窒素ガスを混合物上に吹き付けることによって実施することができる。
【0076】
特定の実施態様の場合、コポリエステル濃縮物が、コポリエステル、及びメラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む難燃剤の組み合わせを含み、難燃剤は、コポリエステル濃縮物の総重量を基準としてコポリエステル濃縮物の15重量%超を占める。濃縮物中の難燃剤の組み合わせは、濃縮物の総重量を基準として、コポリエステル濃縮物の20重量%超又は30重量%超又は40重量%超又は50重量%超又は60重量%超又は70重量%超又は80重量%超又は90重量%超を占める。
【0077】
難燃性材料は、物品として最終的に形成するための数多くの方法で、濃縮形態でコポリエステル中に組み入れることができる。
【0078】
難燃剤をプラスチック・コンパウンディング・ライン、例えば二軸コンパウンディング・ライン内に個々に又は一緒に組み込むことによって、コポリエステル組成物濃縮物を形成する。この事例において、コポリエステル・ペレットを4〜6時間にわたって150°F〜160°Fで乾燥させることによって、湿分を低減する。次いで、ペレットを押し出し機のスロート内に供給し、そして430〜520°Fで溶融することによって、粘性の熱可塑性材料を生成する。或いは、難燃剤を予めブレンドし、単独の粉末として、ロス・イン・ウェイト・フィーダによって添加するか、又はロス・イン・ウェイト・フィーダにおいて個々に添加する。2つのスクリュの回転が難燃剤をコポリエステル中に分散する。次いで混合物をダイを通して押し出すことによって複数のストランドを生成する。特定の実施態様では、ストランドを水トラフに通すことによってペレットを冷却する。水トラフから出たらストランドを乾燥させ、そしてダイサー内に供給することによってストランドを切断してペレットにする。或いは混合物は、複数の開口を備えた円形の平らなプレート・ダイを通して水中に押し出すこともできる。平らなプレート・ダイは回転カッターを有している。回転カッターはストランドを、これらがダイから押し出されるのに伴ってスライスすることによりペレットを生成する。連続水流がペレットを冷却し、これらを乾燥区間、典型的には遠心分離器に搬送することによって、ペレットを水から分離する。
【0079】
或いは、難燃剤をプラスチック・コンパウンディング・ライン、例えば2ロータ式連続コンパウンディング・ミキサ(例えばFarrell Continuous Mixer)内に個々に又は一緒に組み込むことによって、コポリエステル組成物濃縮物を形成する。この事例では、コポリエステル・ペレットを150〜160°Fで4〜6時間にわたって乾燥させることによって湿分を低減する。コポリエステル・ペレット及び難燃剤を連続ミキサのスロート内に供給し、430°〜520°Fで溶融して均質混合物にする。放出オリフィスの面積を変化させることによって、ミキサの出力速度を制御する。溶融物をスライスして「ローフ(loaves)」にし、2つのロール・ミル又は一軸押し出し機のスロートに供給することができる。溶融物が2ロール式ミルに供給される場合、溶融物はロールの一方を覆うことによって濃縮物シートを形成し、このシートを切断してストリップにし、これらのストリップは一軸押し出し機のスロートに供給される。次いで混合物を、ダイを通して押し出すことによって、複数のストランドを生成する。ストランドを水トラフに通すことによってペレットを冷却する。水トラフから出たらストランドを乾燥させ、そしてダイサー内に供給することによってストランドを切断してペレットにする。或いは混合物は、複数の開口を備えた円形の平らなプレート・ダイを通して水中に押し出すこともできる。平らなプレート・ダイは回転カッターを有している。回転カッターはストランドを、これらがダイから押し出されるのに伴ってスライスすることによりペレットを生成する。連続水流がペレットを冷却し、これらを乾燥区間、典型的には遠心分離器に搬送することによって、ペレットを水から分離する。「ローフ」(比較的大きい濃縮物部分)が一軸押し出し機に供給される事例では、混合物をダイを通して押し出すことによって複数のストランドを生成する。ストランドを水トラフに通すことによってペレットを冷却することができる。水トラフから出たらストランドを乾燥させ、そしてダイサー内に供給することによってストランドを切断してペレットにする。或いは混合物は、複数の開口を備えた円形の平らなプレート・ダイを通して水中に押し出すこともできる。平らなプレート・ダイは回転カッターを有している。回転カッターはストランドを、これらがダイから押し出されるのに伴ってスライスすることによりペレットを生成する。連続水流がペレットを冷却し、これらを乾燥区間、典型的には遠心分離器に搬送することによって、ペレットを水から分離する。
【0080】
或いは、難燃剤を高強度ミキサ、例えばBanbury(登録商標)バッチ型ミキサ内に個々に又は一緒に組み込むことによって、コポリエステル組成物濃縮物を形成する。この事例では、コポリエステル・ペレットを150〜160°Fで4〜6時間にわたって乾燥させることによって湿分を低減することができる。コポリエステル・ペレット及び難燃剤を高強度ミキサ内に装入し、そしてペレット/難燃剤混合物を圧縮するようにラムを混合チャンバ内に降下させる。2つの回転ミキサ・ブレードがペレットを溶融し、そして難燃剤を溶融物中に分散する。所期温度に達したら、ミキサ底部でドアを開き、混合物を2ロール・ミルに落下させる。次いで2ロール・ミルから生じたリボンを一軸押し出し機に供給することができる。次いで混合物を、ダイを通して押し出すことによって複数のストランドを生成する。ストランドを水トラフに通すことによってペレットを冷却することができる。水トラフから出たらストランドを乾燥させ、そしてダイサー内に供給することによってストランドを切断してペレットにする。或いは混合物は、複数の開口を備えた円形の平らなプレート・ダイを通して水中に押し出すこともできる。平らなプレート・ダイは回転カッターを有している。回転カッターはストランドを、これらがダイから押し出されるのに伴ってスライスすることによりペレットを生成する。連続水流がペレットを冷却し、これらを乾燥区間、典型的には遠心分離器に搬送することによって、ペレットを水から分離する。
【0081】
本発明において有用なフィルム及び/又はシートは、当業者には明らかないかなる厚さを有することもできる。1実施態様において、本発明のフィルムの厚さは30ミル未満又は20ミル未満又は10ミル未満又は5ミル未満である。1実施態様の場合、本発明のシートの厚さは30ミル未満である。1実施態様の場合、本発明のシートの厚さは30ミル〜100ミル又は30ミル〜200ミル又は3ミル〜500ミルである。
【0082】
本発明はさらに、本発明のポリマー組成物を含むフィルム及び/又はシートに関する。ポリエステルをフィルム及び/又はシートに形成する方法は当業者によく知られている。本発明のフィルム及び/又はシートの一例としては、押し出しフィルム及び/又はシート、カレンダリング加工フィルム及び/又はシート、圧縮成形フィルム及び/又はシート、射出成形フィルム又はシート、及び溶液流延フィルム及び/又はシートが挙げられる。フィルム及び/又はシートの製造方法の一例としては、押し出し、カレンダリング、押し出し成形、圧縮成形、及び溶液流延が挙げられる。これらのフィルム又はシートは、更なる処理、例えば延伸(一軸又は二軸)、ヒートセット、表面処理などによって形成されてよく、又はこのような処理を施してよい。
【0083】
本発明は、コポリエステル組成物を含むプラスチック物品を含む。プラスチック物品は、例えば、連続的なフラット・シート又は異形材を製造するためのコポリエステル組成物の押し出し、又は不連続な物品を形成するための射出成形、又は連続的なフィルム又はシートを製造するためのカレンダリングを含むプロセスによって形成してよい。
【0084】
本発明の1実施態様はフラット・シート又は異形材を含む。シート又は異形材は、フラット・シート又は異形材を製造するためにコポリエステル組成物を押し出すことによって調製される。この事例では、コポリエステル組成物のペレットを150〜160°Fで4〜6時間にわたって乾燥させ、次いで一軸押し出し機、二軸押し出し機、又は円錐二軸押し出し機に供給する。コポリエステル組成物ペレットをスクリュによって押し出し機バレルの下流に搬送して圧縮することによって、ペレットを溶融し、そして押し出し機の端部から溶融物を放出する。溶融物をスクリーニング装置に通すことによって破片を除去し、且つ/又はメルトポンプに通すことによって、押し出し機に起因する圧力変動を低減する。次いで溶融物をダイに通すことにより、連続的なフラット・シートを形成するか、又は異形材用ダイ内に供給することによって、連続的な形状を形成する。フラット・シート用ダイを含む本発明の1実施態様の場合、溶融物を典型的には3つの、一連の金属ロール上に押し出すことにより、溶融物を冷却し、そしてシート上に仕上げを施す。フラット・シートを次いで、シートを冷却するのに十分な距離又は時間にわたって、連続シートの形態で搬送する。次いでシートを所期の幅にトリミングし、次いで巻き上げてロールにするか、又は剪断又は鋸引きによって所期寸法のシート形態にする。フラット・シートは、機械的手段によって成形物品にすることにより、所期の成形物品を形成し、次いで水で噴霧すること、又は水トラフを通して搬送すること、又は成形物品上に空気を吹き付けることによって冷却する。次いで物品を所期長さに鋸引き又は剪断する。異形材用ダイの場合、ダイは、成形材の所期形状を製造するように設計される。ダイから出た後、水で噴霧すること、又は水トラフを通して搬送すること、又は成形物品上に空気を吹き付けることによって異形材を冷却する。次いで異形材を所期長さに鋸引き又は剪断する。
【0085】
本発明の別の実施態様は、ニート・コポリエステル・ペレットと難燃剤の濃縮物とを混合し、次いでコポリエステル組成物を押し出すことを含む。難燃剤濃縮物は単独のペレットとしてコンパウンディングすることができ、或いは、メラミンシアヌレート又はホスフィン酸アルミニウムを含有する2種の別個のペレットとしてコンパウンディングすることによって、難燃剤成分の比を所望の場合に変化させることができる。ペレットを押し出し前に4〜6時間にわたって150°F〜160°Fで乾燥させる。低強度ミキサ、例えばリボン・ブレンダ、タンブラ、又は円錐スクリュ・ブレンダ内でブレンドした後、ペレットを別々に又は一緒に乾燥させる。次いで、例えば一軸押し出し機、二軸押し出し機、又は円錐二軸押し出し機を含む押し出し機にペレットを供給する。ペレットをスクリュによって押し出し機バレルの下流に搬送して圧縮することによって、ペレットを溶融し、そして押し出し機の端部から溶融物を放出する。溶融物を典型的にはスクリーニング装置に通すことによって破片を除去し、且つ/又はメルトポンプに通すことによって、押し出し機に起因する圧力変動を低減する。次いで溶融物をダイに通すことにより、連続的なフラット・シートを形成するか、又は異形材用ダイ内に供給することによって、連続的な形状を形成する。フラット・シート用ダイの場合、溶融物を典型的には3つの、一連の金属ロール上に押し出すことにより、溶融物を冷却し、そしてシート上に仕上げを施す。フラット・シートを次いで、シートを冷却するのに十分な距離又は時間にわたって、連続シートの形態で搬送する。次いでシートを所期の幅にトリミングし、次いで巻き上げてロールにするか、又は剪断又は鋸引きによってシート形態にする。フラット・シートは、機械的手段によって成形物品にすることにより、所期の成形物品を形成し、次いで水で噴霧すること、又は水トラフを通して搬送すること、又は成形物品上に空気を吹き付けることによって冷却することもできる。次いで物品を所期長さに鋸引き又は剪断することができる。フィルムの場合、フィルムは巻き上げてロールにしてよい。異形材用ダイの場合、ダイは、物品の所期形状を製造するように設計される。ダイから出た後、水で噴霧すること、又は水トラフを通して搬送すること、又は成形物品上に空気を吹き付けることによって異形材を冷却することができる。次いで異形材を所期長さに鋸引き又は剪断することができる。
【0086】
本発明の別の実施態様は、コポリエステルと難燃剤とを含むコポリエステル組成物のペレットを押し出すことにより、射出成形物品を製造することを含む。この事例において、ペレットを4〜6時間にわたって150°F〜160°Fで乾燥させることによって、ペレットを乾燥させ、これらのペレットを往復式一軸押し出し式に供給する。スクリュの回転及び往復作用によってペレットを溶融する。ペレットが所期温度に達したら、押し出し機の端部でゲートを開き、そして溶融プラスチックをスクリュによって、加熱された型内にポンピングすることによって、所期形状の物品を形成する。型が充填されたら、型を通して冷却剤をポンピングすることによって、型及び溶融プラスチックを冷却する。プラスチックが固化されたら、型を開きそして物品を型から取り出す。
【0087】
本発明の別の実施態様は、ニート・コポリエステル・ペレットと2種の難燃剤の混合物とを混合し、次いでコポリエステル組成物を押し出すことによって、射出成形物品を製造することを含む。難燃剤濃縮物はコポリエステルと一緒に、単独のペレットとしてコンパウンディングすることができ、或いは、メラミンシアヌレート又はホスフィン酸アルミニウムを含有する2種の別個のペレットとしてコンパウンディングすることによって、コポリエステル組成物中の難燃剤の所期比を提供することができる。ペレットを4〜6時間にわたって150°F〜160°Fで乾燥させ、次いで往復式一軸押し出し機に供給する。例えばリボン・ブレンダ、タンブラ、又は円錐スクリュ・ブレンダを含む低強度ミキサ内でブレンドした後、ペレットを別々に又は一緒に乾燥させることができる。ペレットが所期温度に達したら、押し出し機の端部でゲートを開き、そして溶融プラスチックをスクリュによって、加熱された型内にポンピングすることによって、所期形状の物品を形成する。型が充填されたら、型を通して冷却剤をポンピングすることによって、型及び溶融プラスチックを冷却する。プラスチックが固化されたら、型を開きそして物品を型から取り出す。
【0088】
本発明の別の実施態様は、ニート・コポリエステル・ペレットと難燃剤の濃縮物とを混合することによって、コポリエステル組成物を形成し、次いでコポリエステル組成物をカレンダリングすることによりフィルム製品を製造することを含む。カレンダリングは、連続的な共回転平行ローラを介してフィルム又はシートを形成するよく知られた方法である。カレンダリング法において、ペレットは、事前乾燥されることを必要としない。それというのも処理温度が十分に低い(350°〜400°F)ので、ポリエステルの分解及び加水分解が有意な量では発生しないからである。或いは難燃剤はコポリエステルと、メラミンシアヌレートとホスフィン酸アルミニウムとの両方を含有する単独のペレットとして混合することもでき、又は、メラミンシアヌレート又はホスフィン酸アルミニウムを含有する2種の別個のペレットとして混合することによって、難燃剤成分の比を変化させることもできる。或いは、難燃剤(粉末形態)とコポリエステル・ペレットとをミキサで混合することができ、これはコポリエステル組成物の事前コンパウンディングされたペレットなしでカレンダに供給される。コポリエステル組成物は、例えばBuss Ko-kneader、プラネタリ・ギア押し出し機を含む高強度のミキサ又は押し出し機、Farrell連続ミキサ、二軸押し出し機、又はBanbury(登録商標)型ミキサを使用することによって溶融してよい。次いで溶融物をカレンダに搬送する。カレンダは典型的には、事実上3つ又は4つ以上の大型直径の加熱済みローラのシステムから成っている。これらのローラは高粘度プラスチックをフィルム又はシートに変換する。フラット・シート又はフィルムを連続ウェブの形態で搬送することによってシートを冷却する。次いでこれを所期の幅にトリミングし、次いで巻き上げてロールにするか、又は剪断又は鋸引きによってシート形態にする。
【0089】
コポリエステル組成物は、難燃剤の濃縮物及びコポリエステルを混合又はブレンドすることによって調製してよい。コポリエステル組成物は或いは、難燃剤濃縮物とコポリエステルとをブレンドすることによってコポリエステル組成物を形成することに関して前述した混合法又はブレンド法のいずれかを用いて、難燃剤をコポリエステルと直接にブレンドすることによって調製してもよい。2種の難燃剤はコポリエステルと同時に又は順次に混合又はブレンドしてよい。
【0090】
本発明の他の実施態様を下に示す。
【0091】
項目1.
コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜約98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと(ii)金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物。
【0092】
項目2.
該難燃剤混合物が8〜14重量%である、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0093】
項目3.
該難燃剤混合物が9〜13重量%である、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0094】
項目4.
該難燃剤混合物が2〜8重量%である、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0095】
項目5.
該難燃剤混合物が2〜4重量%である、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0096】
項目6.
該メラミンがメラミンイソシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メラミンホスフェート、又はこれらの混合物を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0097】
項目7.
該金属ホスフィン酸塩は、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸亜鉛、又はこれらの混合物を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0098】
項目8.
該難燃剤混合物が少なくとも2.5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0099】
項目9.
該難燃剤混合物が少なくとも5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0100】
項目10.
該難燃剤混合物が少なくとも10重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0101】
項目11.
該難燃剤混合物がそれぞれ少なくとも5重量%の該メラミン及び該金属ホスフィン酸塩を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0102】
項目12.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約10ジュールよりも大きい、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0103】
項目13.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約12ジュールよりも大きい、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0104】
項目14.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約14ジュールよりも大きい、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0105】
項目15.
該コポリエステル組成物はさらに耐衝撃性改質剤を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0106】
項目16.
該コポリエステル組成物はさらにアンチ・ドリップ剤を含む、項目1に記載のコポリエステル組成物。
【0107】
項目17.
該アンチ・ドリップ剤はフルオロポリマーを含む、項目16に記載のコポリエステル組成物。
【0108】
項目18.
コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
85重量%超〜約98重量%のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法。
【0109】
項目19.
該ブレンドすることが、二軸コンパウンディング、2ロータ連続コンパウンディング、Banbury(登録商標)バッチ・ミキサ、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目18に記載の方法。
【0110】
項目20.
コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は、
(a) 85重量%超〜約98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに、
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とから成る、2重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品。
【0111】
項目21.
該物品が、押し出し、射出成形、又はカレンダリングによって製造される、項目20に記載の物品。
【0112】
項目22.
該物品が、フィルム、シート又は異形材である、項目20に記載の物品。
【0113】
項目23.
コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 85〜92.5重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物。
【0114】
項目24.
該難燃剤混合物が8〜14重量%である、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0115】
項目25.
該難燃剤混合物が9〜13重量%である、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0116】
項目26.
該メラミンがメラミンイソシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メラミンホスフェート、又はこれらの混合物を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0117】
項目27.
該金属ホスフィン酸塩は、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸亜鉛、又はこれらの混合物を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0118】
項目28.
該難燃剤混合物が少なくとも2.5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0119】
項目29.
該難燃剤混合物が少なくとも5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0120】
項目30.
該難燃剤混合物がそれぞれ少なくとも10重量%の該メラミン及び該金属ホスフィン酸塩を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0121】
項目31.
該難燃剤混合物がそれぞれ少なくとも5重量%の該メラミン及び該金属ホスフィン酸塩を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0122】
項目32.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約10ジュールよりも大きい、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0123】
項目33.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約12ジュールよりも大きい、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0124】
項目34.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約14ジュールよりも大きい、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0125】
項目35.
該コポリエステル組成物はさらに耐衝撃性改質剤を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0126】
項目36.
該コポリエステル組成物はさらにアンチ・ドリップ剤を含む、項目23に記載のコポリエステル組成物。
【0127】
項目37.
該アンチ・ドリップ剤はフルオロポリマーを含む、項目36に記載のコポリエステル組成物。
【0128】
項目38.
コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
85重量%超〜約92.5重量%未満のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法。
【0129】
項目39.
該ブレンドすることが、二軸コンパウンディング、2ロータ連続コンパウンディング、Banbury(登録商標)バッチ・ミキサ、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目38に記載の方法。
【0130】
項目40.
コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は、
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに、
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とから成る、7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品。
【0131】
項目41.
押し出し、射出成形、又はカレンダリングによって製造される、項目40に記載の物品。
【0132】
項目42.
該物品が、フィルム、シート又は異形材である、項目40に記載の物品。
【0133】
項目43.
コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 90重量%超〜約98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと
(ii)金属ホスフィン酸塩と
を含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物。
【0134】
項目44.
該難燃剤混合物が2〜8重量%である、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0135】
項目45.
該難燃剤混合物が2〜4重量%である、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0136】
項目46.
該メラミンがメラミンイソシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メラミンホスフェート、又はこれらの混合物を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0137】
項目47.
該金属ホスフィン酸塩は、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸亜鉛、又はこれらの混合物を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0138】
項目48.
該難燃剤混合物が少なくとも2.5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0139】
項目49.
該難燃剤混合物が少なくとも5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0140】
項目50.
該難燃剤混合物が少なくとも2重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0141】
項目51.
該難燃剤混合物がそれぞれ少なくとも1重量%の該メラミン及び該金属ホスフィン酸塩を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0142】
項目52.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約10ジュールよりも大きい、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0143】
項目53.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約12ジュールよりも大きい、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0144】
項目54.
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが約14ジュールよりも大きい、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0145】
項目55.
該コポリエステル組成物はさらに耐衝撃性改質剤を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0146】
項目56.
該コポリエステル組成物はさらにアンチ・ドリップ剤を含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0147】
項目57.
該アンチ・ドリップ剤はフルオロポリマーを含む、項目43に記載のコポリエステル組成物。
【0148】
項目58.
コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
90重量%超〜約98重量%のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法。
【0149】
項目59.
該ブレンドすることが、二軸コンパウンディング、2ロータ連続コンパウンディング、Banbury(登録商標)バッチ・ミキサ、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目58に記載の方法。
【0150】
項目60.
コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は、
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜50モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
50〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに、
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とから成る、2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、そして
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品。
【0151】
項目61.
押し出し、射出成形、又はカレンダリングによって製造される、項目60に記載の物品。
【0152】
項目62.
該物品が、フィルム、シート又は異形材である、項目60に記載の物品。
【0153】
本発明はさらに、好ましい実施態様の下記例によって説明することができるが、言うまでもなくこれらの例は、例示のために含まれているにすぎず、他に特に断りのない限り本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例】
【0154】
下記の略語を使用する:kNはキロニュートンであり;Jはジュールであり;% NBはパーセント非破断(percent no break)であり;J/mは1メートル当たりのジュールであり;LOIは強熱減量(Loss On Ignition)であり;wt.%は重量パーセントであり;TGAはサーモグラフィ分析であり;TPAはテレフタル酸であり;そして1,4−CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。PETGはグリコール改質型ポリエチレンテレフタレートである。例において使用されるPETGは、Eastman Chemical Companyから入手可能なSpectar(登録商標)14471又はProvista NXTである。APET EN001、Eastar(登録商標)15086、EB063及びTiGlaze(登録商標) STは、Eastman Chemical Companyから入手可能なコポリエステルである。Spectar(登録商標)14471又はProvista NXTと難燃剤とを約450°Fで30mmの二軸コンパウンディング押し出し機内で混合してそれぞれの調製物から成るペレットを形成することにより、試料を同様に調製した。次いで、それぞれの調製物試料を射出成形することによって、可燃性、引張り特性、計装化衝撃、アイゾッド衝撃、限界酸素指数、及び熱重量分析のための試験試料を生成した。Spectar(登録商標)14471又はProvista NXT及び難燃剤濃縮物のペレットを混合し、そしてほぼ450°Fの押し出しラインでシートを押し出すことによって、ASTM E84のためにシート試料を調製した。
【0155】
ASTM D638の場合、タイプIの引張りバークロスヘッド速度は50.8mm/分であった。ASTM D256の場合、ノッチ付きアイゾッド、方法Aは試料1.5mm厚を使用した。ノッチなしアイゾッド測定の場合、試料1.5mm厚においてASTM D4812を用いた。ASTM D3763の場合、所期速度は約3.2メートル/秒であり、タップ(tup)の最大力範囲は17.9kNであり、試料支持直径(クランプ内径)は76.0mmであり、そしてタップ直径は12.8mmである。UL94の場合、試験はセクション8 50W (20mm)垂直燃焼試験:V−0、V−1又はV2を用いた。
【0156】
例1:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
90%のSpectar(登録商標)14471と、5%のメラミンシアヌレートと、5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物は、改善された難燃性と耐パンクチャ性との組み合わせを生み出すことが判った。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、5%のメラミンシアヌレート/5%のホスフィン酸アルミニウムの組み合わせは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のSpectar(登録商標)14471調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させず、そしてASTM D256に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断しなかった。
【0157】
例2:難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84の結果
例1と同じ調製物を厚さ0.060インチで押し出し、製造業者の指示書を用いて3M Fastbond 30接着剤を使用して石膏ボードに接着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が25であり、煙発生指数が185であることを示した。このことは、種々の建築基準法のクラスA又はクラス1の内装可燃性分類を表す。
【0158】
例1a:非難燃性コポリエステル組成物
難燃剤を含まない100%のSpectar(登録商標)14471の調製物はUL 94等級がV−2であり、ASTM D256及びASTM D4812に基づくノッチ付き及びノッチなしのアイゾッド強度試験において破断を生じさせず、そして計装化衝撃(ASTM D3637)において延性破壊をもたらさない。
【0159】
例2a:非難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84結果
例1aと同じ調製物を厚さ0.060インチで押し出し、製造業者の指示書を用いて3M Fastbond 30接着剤を使用して石膏ボードに接着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が80であり、煙発生指数が500であることを示した。この材料は、建築基準法要件に分類されない。それというのも煙発生指数が450の限界を上回っているからである。
【0160】
例3a:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
85%のSpectar(登録商標)14471と、5%のメラミンシアヌレートと、10%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物、及び、85%のSpectar(登録商標)14471と、10%のメラミンシアヌレートと、5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物は、改善された難燃性と耐パンクチャ性と靱性との組み合わせを生み出すことが判った。1.5mmにおいて、5%のメラミンシアヌレート/10%のホスフィン酸アルミニウムの組み合わせ、及び10%のメラミンシアヌレート/5%のホスフィン酸アルミニウムの組み合わせは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、ASTM D4812に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断を生じさせなかった。この調製物はASTM D3637に基づいて試験すると、耐パンクチャ性の低下を示し、脆性破壊した。
【0161】
例4a:メラミンシアヌレートを使用した難燃性コポリエステル組成物
95%のSpectar(登録商標)14471と5%のメラミンシアヌレートとから成る調製物、90%のSpectar(登録商標)14471と10%のメラミンシアヌレートとから成る調製物、85%のSpectar(登録商標)14471と15%のメラミンシアヌレートとから成る調製物は、例1aと同じ難燃性と、耐パンクチャ性と、靱性との組みあわせを生み出すことが判った。1.5mmにおいて、これらの調製物は、UL 94 V−2可燃性等級をもたらし、また、100%のSpectar(登録商標)14471調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させず、そしてASTM D4812に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断しなかった。この例は、ASTM D256によって測定したノッチ付き耐衝撃性試験に対して感度を増大させ、100%の脆性破壊を示した。
【0162】
例5a:メラミンシアヌレートを使用した難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84結果
例4aに使用された第2調製物(90%のSpectar(登録商標)14471と10%のメラミンシアヌレート)を0.060インチで押し出し、そして、製造業者の指示書を用いて3M Fastbond 30接着剤を使用して石膏ボードに接着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が65であり、煙発生指数が400であることを示した。これは、種々の建築基準法による内装可燃性分類クラスB又はクラス2等級を表す。
【0163】
例3:メラミンシアヌレート及びメラミンシアヌレート/ホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
例1及び例4aと同じ調製物は、テーブル・ソー上で鋸引きしたときに0.060インチ厚でチップ又は亀裂を形成することはなかった。両調製物は、万能ナイフで一旦切り込みを入れて曲げときに、切り込みに沿って亀裂を生じさせることはなかった。しかし例1aの調製物は切り込みに沿って容易に亀裂を形成する。しかしながら、同じ個所に複数回にわたって切り込みを入れると、両調製物は容易に切り込みに沿って破断した。このことは、両方の難燃剤調製物(5%メラミンシアヌレート/5%ホスフィン酸アルミニウム及び10%ホスフィン酸アルミニウム)が、製作中に多少の脆弱な挙動を呈するが、しかし適切な技術を用いれば成功裡に製作できることを示す。
【0164】
例4:難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84結果
例1と同じ調製物を厚さ0.060インチで押し出し、そして、製造業者の指示書を用いてADH-60マスチック接着剤を使用してセメント・ボードに接着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が0であり、煙発生指数が200であることを示した。これは、種々の建築基準法の内装可燃性分類クラスA又はクラス1等級を表し、例2を著しく改善した結果であることを示す。
【0165】
例6:難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84結果
96%のProvista NXT/2%のメラミンシアヌレート/2%のホスフィン酸アルミニウムから成る調製物を、厚さ0.080インチで押し出し、そして、ASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が15であり、煙発生指数が250であることを示した。これは、種々の建築基準法の内装可燃性分類クラスA又はクラス1等級を表す。
【0166】
例6a及び6b:
例1と同じ調製物を、5%のメラミンシアヌレート/2.5%のホスフィン酸アルミニウム、及び2.5%のメラミンシアヌレート/2.5%のホスフィン酸アルミニウムを含有する調製物と比較した。全ての3種の調製物は耐パンクチャ性を呈したが、しかし難燃剤添加率が低い2種の調製物はUL 94 V0等級を達成しなかった。燃焼液滴によって、これらの調製物の等級はUL 94 V2となった。難燃剤レベルが低いことにより破断点伸びは高くなり、ノッチ付きアイゾッド強度が高くなった。これらの結果は、試験バーが成形プロセスからの残留応力を有することによって不正確であることが考えられる。試験バーが例10a〜10dに示されているように残留応力を有していないときには下記調製物に対して、許容できるUL 94 V0等級が得られた。
【0167】
例5:難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84結果
96%のSpectar(登録商標)14471/2%のメラミンシアヌレート/2%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物を、厚さ0.060インチで押し出し、そして、製造業者の指示書を用いてADH-60マスチック接着剤を使用してセメント・ボードに接着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が15であり、煙発生指数が250であることを示した。これは、種々の建築基準法の内装可燃性分類クラスA又はクラス1等級を表す。
【0168】
例7:メラミンポリホスフェートを使用した難燃性コポリエステル組成物
例1と同じ調製物を、5〜15%のメラミンポリホスフェートを含有する調製物と比較した。これらの調製物の全てはUL 94 V0等級を達成せず、そして耐パンクチャ性を低下させ(計装化衝撃ASTM D3763)脆性破壊した。
【0169】
例8:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
80%のSpectar(登録商標)14471と5%のメラミンシアヌレートと15%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物、80%のSpectar(登録商標)14471と10%のメラミンシアヌレートと10%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物、75%のSpectar(登録商標)14471と10%のメラミンシアヌレートと15%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物、80%のSpectar(登録商標)14471と15%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物、75%のSpectar(登録商標)14471と15%のメラミンシアヌレートと10%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物、70%のSpectar(登録商標)14471と15%のメラミンシアヌレートと15%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物は、UL 94 V0可燃性等級をもたらすことが判った。1.5mmにおけるこれら全ての調製物は、ASTM D3637によって測定して脆弱な耐パンクチャ性を有し、そしてASTM D256によってノッチなしアイゾッド測定して脆性破壊した。
【0170】
例9:メラミンシアヌレートを使用した難燃性コポリエステル組成物のASTM E−84結果
例4aにおいて使用した第2調製物を、厚さ0.060インチで押し出し、そして、製造業者の指示書を用いてADH-60マスチック接着剤を使用して石膏ボードに接着させ、そしてASTM E−84に基づいて試験した。結果は、この調製物の火炎伝播指数が5であり、煙発生指数が500であることを示した。この調製物は、煙発生指数が450未満であるため、分類することができなかった。
【0171】
例10:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
96%のSpectar(登録商標)14471と2%のメラミンシアヌレートと12%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(10a)、95%のSpectar(登録商標)14471と2.5%のメラミンシアヌレートと2.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(10b)、90%のSpectar(登録商標)14471と5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(10c)、85%のSpectar(登録商標)14471と7.5%のメラミンシアヌレートと7.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(10d)は、UL 94 V0可燃性等級をもたらすことが判った。1.5mmにおいてこれらの調製物10a〜10dは、100%のSpectar(登録商標)14471調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させず、そしてASTM D256に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断しなかった。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、調製物10b〜10dは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のSpectar(登録商標)14471調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させず、そしてASTM D256に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断しなかった。
【0172】
例11:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
95%のProvista NXTと2.5%のメラミンシアヌレートと2.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(11a)、90%のProvista NXTと5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(11b)、及び85%のProvista NXTと7.5%のメラミンシアヌレートと7.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(11c)は改善された難燃性と耐パンクチャ性との組みあわせを生み出すことが判った。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、調製物11a〜11cは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のProvista NXT調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させなかった。
【0173】
例12:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
95%のAPET EN001と2.5%のメラミンシアヌレートと2.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(12a)、90%のAPET EN001Tと5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(12b)、及び85%のProvista NXTと7.5%のメラミンシアヌレートと7.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(12c)は改善された難燃性と耐パンクチャ性との組みあわせを生み出すことが判った。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、調製物12a〜12cは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のAPET EN001調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させなかった。
【0174】
例13:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
95%のEastar 15086と2.5%のメラミンシアヌレートと2.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(13a)、90%のEastar 15086と5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(13b)、及び85%のEastar 15086と7.5%のメラミンシアヌレートと7.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(13c)は改善された難燃性と耐パンクチャ性との組みあわせを生み出すことが判った。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、調製物13a〜13cは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のEastar 15086調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させなかった。
【0175】
例14:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
95%のEB062と2.5%のメラミンシアヌレートと2.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(14a)、90%のEB062と5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(14b)、及び85%のEB062と7.5%のメラミンシアヌレートと7.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(14c)は改善された難燃性と耐パンクチャ性との組みあわせを生み出すことが判った。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、調製物14a〜14cは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のEB062調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させず、そしてASTM D256に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断しなかった。
【0176】
例15:メラミンシアヌレート及びホスフィン酸アルミニウムを使用した難燃性コポリエステル組成物
95%のTiGlaze STと2.5%のメラミンシアヌレートと2.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(15a)、90%のTiGlaze STと5%のメラミンシアヌレートと5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(15b)、及び85%のTiGlaze STと7.5%のメラミンシアヌレートと7.5%のホスフィン酸アルミニウムとから成る調製物(15c)は改善された難燃性と耐パンクチャ性との組みあわせを生み出すことが判った。100mm x 100mm x 1.5mmのプラークにおいて、調製物15a〜15cは、UL 94 V0可燃性等級をもたらし、また、100%のTiGlaze ST調製物と比較してASTM D3763に基づく耐パンクチャ衝撃性をほとんど低下させず、そしてASTM D256に基づくノッチなしアイゾッド測定では破断しなかった。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【表4】
【0181】
【表5】
【0182】
【表6】
【0183】
【表7】
【0184】
【表8】
【0185】
【表9】
【0186】
【表10】
【0187】
【表11】
【0188】
【表12】
【0189】
【表13】
【0190】
【表14】
【0191】
図面及び明細書において、本発明の典型的な好ましい実施態様を開示してきた。また特定の用語を採用しているが、これらは総称的且つ記述的な意味において使用されるにすぎず、限定を目的として使用されることはない。本発明の範囲は下記特許請求の範囲において示される。
本開示は以下も包含する。
[1] コポリエステル組成物であって:
該コポリエステル組成物は
(a) 85重量%超〜約98重量%のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに
(b) (i)メラミンと(ii)金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物。
[2] 該コポリエステル組成物は:
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
上記態様1に記載のコポリエステル組成物。
[3] 該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜約98重量%のコポリエステル;及び
(b) 2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
上記態様1に記載のコポリエステル組成物。
[4] 該難燃剤混合物が約2〜約4重量%である、上記態様1から3までのいずれかに記載のコポリエステル組成物。
[5] 該メラミンがメラミンイソシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メラミンホスフェート、又はこれらの混合物を含む、上記態様1から4までのいずれかに記載のコポリエステル組成物。
[6] 該金属ホスフィン酸塩は、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸亜鉛、又はこれらの混合物を含む、上記態様1から5までのいずれかに記載のコポリエステル組成物。
[7] 該難燃剤混合物が少なくとも2.5重量%の該メラミン又は該金属ホスフィン酸塩を含む、上記態様1から6までのいずれかに記載のコポリエステル組成物。
[8] 該コポリエステル組成物はさらにアンチ・ドリップ剤又は耐衝撃性改質剤又はこれらの混合物を含む、上記態様1から7までのいずれかに記載のコポリエステル組成物。
[9] コポリエステル組成物の製造方法であって、該方法
は、
(a) (i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含む、
85重量%超〜約98重量%のコポリエステルと;
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とを含む、2重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物と
を、該コポリエステル組成物を形成するためにブレンドすることを含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物の製造方法。
[10] 該コポリエステル組成物は:
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
上記態様9に記載のコポリエステル組成物の製造方法。
[11] 該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜約98重量%のコポリエステル;及び
(b) 2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
上記態様9に記載のコポリエステル組成物の製造方法。
[12] 該ブレンドすることが、二軸コンパウンディング、2ロータ連続コンパウンディング、Banbury(登録商標)バッチ・ミキサ、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、上記態様9から11までのいずれかに記載のコポリエステル組成物の製造方法。
[13] コポリエステル組成物を含む物品であって:
該コポリエステル組成物を形成するために、該コポリエステル組成物は、
(a) 85重量%超〜約98重量%未満のコポリエステルを含み、
該コポリエステルは
(i) 70〜100モル%のテレフタル酸残基と、
0〜30モル%の炭素原子数8〜12の改質用芳香族二酸残基と、
0〜10モル%の脂肪族ジカルボン酸残基と
を含む二酸成分;及び
(ii) 1〜65モル%のシクロヘキサンジメタノール残基と
35〜99モル%の炭素原子数2〜20の改質用グリコールと
を含むグリコール成分
を含み;
該コポリエステル組成物はさらに、
(b) メラミンと金属ホスフィン酸塩とから成る、2重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物を含み、
該コポリエステル組成物は(1)UL 94 V0等級又は(2)ASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有しており、
該コポリエステル組成物は、ASTM D3763に基づいて100mm x 100mm x 1.5mmのプラーク上で測定して、最大負荷時エネルギーが8ジュールよりも大きく、
該重量%は、該コポリエステルの重量に基づき、
該ジカルボン酸成分の該総モル%は100モル%であり、そして該グリコール成分の総モル%は100モル%である、
コポリエステル組成物を含む物品。
[14] 該コポリエステル組成物は:
(a) 85重量%超〜92.5重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 7.5重量%超〜15重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はUL 94 V0等級を有している、
上記態様13に記載の物品。
[15] 該コポリエステル組成物は:
(a) 90重量%超〜98重量%未満のコポリエステル;及び
(b) 2重量%超〜10重量%未満の難燃剤混合物
を含み、
該コポリエステル組成物はASTM E−84に基づくクラス1又はクラスA等級を有している、
上記態様13に記載の物品。
[16] 該物品が、押し出し、押し出しブロー成形、射出成形、ブローフィルム法又はカレンダリングによって製造される、上記態様13から15までのいずれかに記載の物品。
[17] 該物品が、フィルム、シート又は異形材である、上記態様13から16までのいずれかに記載の物品。