【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの用途があり、それらの用途において入力光学信号のTE偏光状態およびTM偏光状態は、各々が独立に操作され得るように空間的に分割される必要がある(例えば、PMD(偏光モード分散)補償器では、二つの状態に関する信号の分散は、均等化される必要がある)。しかしながら、入力光信号が分割されるとき、または信号が回転されるとき、偏光ビームスプリッターにおけるまたは偏光回転子における非効率に起因して、通例、信号の中に誤差がもたらされ、存在する。誤差は、非効率に分割されたTEモードおよび/またはTMモード、あるいは非効率に回転されたTEモードまたはTMモードを含む。
【0007】
主要な直交成分から光学信号の誤差成分を実質的に除去する装置および方法が、所望される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
光学的構造物であって、該光学的構造物は、
入力端と、第一の出力および第二の出力を有する出力端とを備えている偏光ビームスプリッターと、
入力端および出力端を有する第一の偏光回転子と、入力端および出力端を有する第二の偏光回転子とを備えている偏光回転子システムと、
第一の入力および第二の入力を有する入力端と、出力端とを備えている偏光ビームコンバイナーと
を備え、
該偏光ビームスプリッターの該第一の出力は、該第一の偏光回転子の該入力端に動作可能に接続され、該第一の偏光回転子の該出力端は、該偏光ビームコンバイナーの該第一の入力に動作可能に接続され、
該偏光ビームスプリッターの該第二の出力は、該第二の偏光回転子の該入力端に動作可能に接続され、該第二の偏光回転子の該出力端は、該偏光ビームコンバイナーの該第二の入力に動作可能に接続されている、光学的構造物。
(項目2)
少なくとも一つの付加的な光学要素を備えている、項目1に記載の光学的構造物。
(項目3)
前記少なくとも一つの付加的な光学要素は、フィルター、偏光子、導波管、反射器、結合器、連結器、位相変調器、強度変調器、周波数偏移トランスデューサー、発振器、電力スプリッター、共振器または光検出器である、項目2に記載の光学的構造物。
(項目4)
光学的構造物であって、該光学的構造物は、
入力端および出力端を有する第一のスプリッター導波管と、出力端を有する第二のスプリッター導波管とを備えている偏光ビームスプリッターと、
入力端および出力端を有する第一の第一の偏光回転子と、入力端および出力端を有する第二の偏光回転子とを備えている偏光回転子システムと、
入力端および出力端を有する第一のコンバイナー導波管と、入力端および出力端を有する第二のコンバイナー導波管とを備えている偏光ビームコンバイナーと
を備え、
該第一のスプリッター導波管の出力端は、該第一の偏光回転子の該入力端に動作可能に接続され、該第一の偏光回転子の該出力端は、該第一のコンバイナー導波管の該入力端に動作可能に接続され、該第二のスプリッター導波管の該出力端は、該第二の偏光回転子の該入力端に動作可能に接続され、該第二の偏光回転子の該出力端は、該第二のコンバイナー導波管の該入力端に動作可能に接続されている、光学的構造物。
(項目5)
前記第一のスプリッター導波管は、第一のスプリッターコネクター導波管を介して前記第一の偏光回転子に動作可能に接続され、前記第二のスプリッター導波管は、第二のスプリッターコネクター導波管を介して前記第二の偏光回転子に動作可能に接続されている、項目4に記載の光学的構造物。
(項目6)
前記第一のコンバイナー導波管は、第一のコンバイナーコネクター導波管を介して前記第一の偏光回転子に動作可能に接続され、前記第二のコンバイナー導波管は、第二のコンバイナーコネクター導波管を介して前記第二の偏光回転子に動作可能に接続されている、項目4に記載の光学的構造物。
(項目7)
前記第一のスプリッター導波管は、TMモードをサポートし、前記第二のスプリッター導波管は、TEモードをサポートする、項目4に記載の光学的構造物。
(項目8)
前記第一のスプリッター導波管は、TEモードをサポートし、前記第二のスプリッター導波管は、TMモードをサポートする、項目4に記載の光学的構造物。
(項目9)
前記第一の偏光回転子は、TMモードをTEモードに変換し、前記第二の偏光回転子は、TEモードをTMモードに変換する、項目4に記載の光学的構造物。
(項目10)
前記第一の偏光回転子は、TEモードをTMモードに変換し、前記第二の偏光回転子は、TMモードをTEモードに変換する、項目4に記載の光学的構造物。
(項目11)
TMモードおよびTEモードは、前記第二のコンバイナー導波管の中に組み合わされる、項目4に記載の光学的構造物。
(項目12)
複数の一次誤差モードは、前記第一のコンバイナー導波管の中に組み合わされる、項目11に記載の光学的構造物。
(項目13)
TMモードおよびTEモードは、前記第一のコンバイナー導波管の中に組み合わされる、項目4に記載の光学的構造物。
(項目14)
複数の一次誤差モードは、前記第二のコンバイナー導波管の中に組み合わされる、項目
13に記載の光学的構造物。
(項目15)
少なくとも一つの付加的な光学要素を備えている、項目4に記載の光学的構造物。
(項目16)
前記少なくとも一つの付加的な光学要素は、フィルター、偏光子、導波管、反射器、結合器、連結器、位相変調器、強度変調器、周波数偏移トランスデューサー、発振器、電力スプリッター、共振器または光検出器である、項目15に記載の光学的構造物。
(項目17)
光学的構造物であって、該光学的構造物は、
入力端、出力端、および該入力端と該出力端との間に延びる長さを有する中央部分を備えている第一の偏光回転子であって、該中央部分は、該中央部分の該長さに沿った可変の断面の幾何学的形態を有し、該幾何学的形態は、電磁信号の偏光モードの回転を該電磁信号が該中央部分の該長さに沿って伝搬するときに引き起こす、第一の偏光回転子と、
入力端、出力端、および該入力端と該出力端との間に延びる長さを有する中央部分を備えている第二の偏光回転子であって、該中央部分は、該中央部分の該長さに沿って変化する断面の幾何学的形態を有し、該幾何学的形態は、電磁信号の偏光モードの回転を該電磁信号が該中央部分の該長さに沿って伝搬するときに引き起こす、第二の偏光回転子と、
偏光ビームスプリッターであって、該偏光ビームスプリッターは、
入力端および出力端を有する第一のスプリッター導波管であって、該第一のスプリッター導波管は、少なくとも一つの導波TE偏光モードと、少なくとも一つの導波TM偏光モードとをサポートする、第一のスプリッター導波管と、
入力端および出力端を有する第二のスプリッター導波管であって、該第二のスプリッター導波管は、導波TE偏光モードと導波TM偏光モードとのうちの少なくとも一方をサポートし、該第一のスプリッター導波管と該第二のスプリッター導波管とは一体となって断熱領域を形成し、該断熱領域の中で該TE偏光モードと該TM偏光モードとのうちの一方を有する光は、該第一のスプリッター導波管の中に残り、該第一のスプリッター導波管から出て該第一のスプリッター導波管の該出力端を経由して該第一の偏光回転子の中に入り、該TE偏光モードと該TM偏光モードとのうちのもう一方を有する光は、わずかに結合して該第二のスプリッター導波管の中に入り、該第二のスプリッター導波管から出て該第二のスプリッター導波管の該出力端を経由して該第二の偏光回転子の中に入る、第二のスプリッター導波管と
を備えている、偏光ビームスプリッターと、
偏光ビームコンバイナーであって、該偏光ビームコンバイナーは、
入力端および出力端を有する第一のコンバイナー導波管であって、該第一のコンバイナー導波管は、該第一の偏光回転子または該第二の偏光回転子のうちの一方からの該TE偏光モードと該TM偏光モードとのうちの少なくとも一方をサポートする、第一のコンバイナー導波管と、
入力端および出力端を有する第二のコンバイナー導波管であって、該第二のコンバイナー導波管は、該第一の偏光回転子または該第二の偏光回転子のうちのもう一方からの該TE偏光モードと該TM偏光モードとのうちの少なくとも一方をサポートし、該第一のコンバイナー導波管と該第二のコンバイナー導波管とは一体となって断熱領域を形成し、該断熱領域の中で該TE偏光モードと該TM偏光モードとのうちの一方を有する光は、実質的に該第一のコンバイナー導波管の中に残り、該第二のコンバイナー導波管内の該TE偏光モードと該TM偏光モードとのうちのもう一方を有する実質的にすべての光は、該第一のコンバイナー導波管の中にわずかに結合し、それによって該第一のコンバイナー導波管と該第二のコンバイナー導波管とのうちの一方の中に該TEモードと該TMモードとを実質的に組み合わせる、第二のコンバイナー導波管と
を備えている、偏光ビームコンバイナーと
を備えている、光学的構造物。
(項目18)
少なくとも一つの付加的な光学要素を備えている、項目17に記載の光学的構造物。
(項目19)
前記少なくとも一つの付加的な光学要素は、フィルター、偏光子、導波管、反射器、結合器、連結器、位相変調器、強度変調器、周波数偏移トランスデューサー、発振器、電力スプリッター、共振器または光検出器である、項目18に記載の光学的構造物。
(項目20)
光学信号を純化する方法であって、該方法は、
光学的構造物を提供することであって、該光学的構造物は、
入力端および出力端を有する第一のスプリッター導波管と、入力端を有する第二のスプリッター導波管とを備えている偏光ビームスプリッターと、
入力端および出力端を有する第一の偏光回転子と、入力端および出力端を有する第二の偏光回転子とを備えている偏光回転子システムと、
入力端および出力端を有する第一のコンバイナー導波管と、入力端および出力端を有する第二のコンバイナー導波管とを備えている偏光ビームコンバイナーと
を備え、
該第一のスプリッター導波管の該出力端は、該第一の偏光回転子の該入力端に動作可能に接続され、該第一の偏光回転子の該出力端は、該第一のコンバイナー導波管の該入力端に動作可能に接続され、該第二のスプリッター導波管の該出力端は、該第二の偏光回転子の該入力端に動作可能に接続され、該第二の偏光回転子の該出力端は、該第二のコンバイナー導波管の該入力端に動作可能に接続されている、ことと、
TMモードとTEモードとを含む光信号を該偏光ビームスプリッターの中に入力することであって、該光信号は、別個のTMモードとTEモードとに分割され、該TMモードと該TEモードとのうちの一方は、該第一の偏光回転子を介して回転され、該TMモードと該TEモードとのうちのもう一方は、該第二の偏光回転子を介して回転されて、該回転されたTMモードと該回転されたTEモードとを該第一のコンバイナー導波管と該第二のコンバイナー導波管とのうちの一方の中に組み合わせ、その間、一次TM誤差成分と一次TE誤差成分とは、該第一のコンバイナー導波管と該第二のコンバイナー導波管とのうちのもう一方の中に組み合わされ、それによって一次的なTMモードと一次的なTEモードとを該一次TM誤差成分と該一次TE誤差成分とから分離する、ことと
を包含する、方法。
(項目21)
前記光学的構造物は、少なくとも一つの付加的な光学要素を備えている、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記少なくとも一つの付加的な光学要素は、フィルター、偏光子、導波管、反射器、結合器、連結器、位相変調器、強度変調器、周波数偏移トランスデューサー、発振器、電力スプリッター、共振器または光検出器である、項目21に記載の方法。
(項目23)
組み合わされた偏光ビームスプリッター、偏光回転子および偏光ビームコンバイナーを構成する方法であって、該方法は、
第一の導波管と、該第一の導波管に隣接して位置決めされた第二の導波管とを備えている光学的構造物を提供することであって、該導波管構造物は、クラッディング材料の中に配置されたコア材料を備えている、ことと、
該導波管構造物上にレジスト層を配置することであって、該レジスト層は、該第一の導波管の露出された領域と、該第二の導波管の露出された領域とを露出したままにする、ことと、
該第一の導波管の該露出された領域と、該第二の導波管の該露出された領域とをエッチングすることであって、その結果、第一の偏光回転子は、該第一の導波管の中間部分に形成され、第二の偏光回転子は、該第二の導波管の中間部分に形成され、偏光ビームスプリッターは、該導波管構造物の第一の端末部分に形成され、偏光ビームコンバイナーは、該導波管構造物の第二の端末部分に形成される、ことと
を包含する、方法。
(項目24)
前記組み合わされた偏光ビームスプリッター、偏光回転子および偏光ビームコンバイナーは、付加的な光学要素を備えている、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記少なくとも一つの付加的な光学要素は、フィルター、偏光子、導波管、反射器、結合器、連結器、位相変調器、強度変調器、周波数偏移トランスデューサー、発振器、電力スプリッター、共振器または光検出器である、項目24に記載の方法。