(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
患者の心室へ傘形の心室仕切装置を送り込み、この心室仕切装置をしぼんだ形態から拡張された形態へ拡張することによって心室の有効容積を縮小するように機械的に上記仕切装置を展開する、送り込みシステムであって、このシステムは、
近位端及び遠位端を有する細長い送り込みカテーテルと、
上記送り込みカテーテルの遠位端近傍の機械的なエキスパンダーであって、上記仕切装置を開き心室に固定するため仕切装置へ圧力を加え外側へ拡張する複数のアームを有するエキスパンダーと、
機械的なエキスパンダーに遠位の連結エレメントであって、上記仕切装置の中央ハブに展開可能に固定され、展開の前にしぼんだ仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた機械的なエキスパンダーを保持する連結エレメントと、
を備えた送り込みシステム。
上記拡張制御装置は、細長い送り込みカテーテルの近位端に機械的なエキスパンダーの拡張を制御する、ボタン、ノブ、スライダー、あるいはダイヤルを備えた、請求項2に記載の送り込みシステム。
機械的なエキスパンダーの複数のアームは、それらの近位端及び遠位端で連結され、近位端及び遠位端が互いに近接したときに外側へ拡張する、請求項1に記載の送り込みシステム。
【発明の概要】
【0011】
心室仕切装置は、心不全を治療するための解決策を提供する。これらの装置は、一般的に、患者の心室を、有効な領域及び非有効領域へ仕切るように機能する。そのような装置が適切に機能するために、それらは、患者の心腔内の特定位置に展開される。仕切装置の送り込みは、患者の生体構造によって、及び送り込み装置または仕切装置自体の態様または特徴によって、複雑になるかもしれない。したがって、患者の心室に仕切装置を送り込み展開するための装置、システム、及び方法を提供することは有益であろう。
【0012】
本明細書に記述された心室容積を縮小するためのシステムは、仕切装置を送り込むための送り込みシステム及び装置を含んでもよい。仕切装置すなわちインプラントは、傘形の仕切りインプラントであってもよく、また、心室容積を縮小するためのシステムの一部として含まれてもよい。送り込みシステムは、心室へインプラントを案内し、インプラント内にそれを位置決めし、心室を仕切るためにインプラントを拡張し、適所にそれを展開してカテーテルからインプラントを解放するガイドカテーテルを含んでもよい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この明細書には、心臓を仕切るためのシステム、装置、及び方法が記述されている。上記システムは、仕切装置もしくはインプラント、それらを挿入し再配置し及び/又は除去するためのアプリケーター、並びに、それらを位置決めし展開し除去する方法を含んでもよい。本明細書に記述されたインプラントは、患者の心臓の心室、特に左心室に挿入可能な心臓のインプラントである。このインプラントは、心臓壁を支持してもよく、あるいはいくつかの変形では、心室を生産的及び非生産的領域へ仕切るための、及び/又は、心室の体積を縮小するための、心室の仕切装置である。
【0014】
例えば、本明細書に記述された装置及びシステムは、送り込みシステム(あるいはカテーテルやシース/ガイド具のような挿通具)、及び、患者の心室内で拡張するように構成された、複数のリブを含む心室の仕切装置を含んでもよい。上記送り込みシステムは、一もしくは複数のカテーテル(例えばガイドカテーテル、送り込みカテーテルなど)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記述されたシステムは、ガイドカテーテルの遠位端で心室仕切装置を拡張するように構成された拡張可能な部材と、ガイドカテーテルの遠位先端で心室仕切装置をガイドカテーテルに連結するように構成された連結エレメントとを有する細長いカテーテルを含む。
【0015】
患者の心室の体積を減じるシステムが本明細書に記述されている。このシステムは、心室の仕切装置とともに、本明細書に詳細に記述されるような送り込み装置(あるいは送り込みシステム)を含んでもよい。本明細書に記述される送り込みシステムと仕切装置とのいかなる組み合わせが用いられてもよい。
【0016】
例えば、患者の心室内へ心室の仕切装置を送り込み、及び、しぼんだ送り込み形態から膨らんだ展開形態へ仕切装置を拡張することにより心室の有効容積を縮小するために仕切装置を展開するシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、心室内に仕切装置を固定し開くために、しぼんだ仕切装置に圧力を加えることにより仕切装置の複数の支柱を拡張するように構成された、ガイドカテーテルの遠位端の近くの拡張部材と、及び、展開に先立ってしぼんだ仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するため仕切装置のハブに展開可能に固定するよう構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、を含んでもよい。
【0017】
上記システムは、圧力を加えて心室仕切装置を拡張するため拡張部材を拡張する拡張制御手段をさらに含んでもよい。拡張部材に接続された膨張管腔、拡張部材を拡張するため拡張部材に着けるプルワイヤー、等を含む、いずれの適切な拡張制御手段が用いられてもよい。拡張制御手段は、細長いガイドカテーテルの近位端に、ボタン、ノブ、スライダーあるいはダイヤルのような、拡張部材の拡張を制御する操作可能な制御手段を含んでもよい。
【0018】
上記システムは、また、心室仕切装置のハブから連結エレメントを解放するための展開制御手段を含んでもよい。(これらに限定されないが)心室仕切装置から連結エレメントをねじって外すための、連結エレメントに接続されたトルクシャフト、心室仕切装置を解放するため引っ掛けピンを引くための、連結エレメントに接続されたプルワイヤー、等を含む、いずれの適切な展開制御手段が用いられてもよい。
【0019】
展開制御手段及び拡張制御手段は、別々に作動されてもよい。いくつかの変形例では、拡張制御手段は、仕切装置を拡張/収縮するために繰り返し作動されてもよい。
【0020】
記述するように、本明細書に記述されたいずれのシステムもまた、心室仕切装置を含んでもよい。例えば、システムは、中央のハブで結合された複数の支柱を有する傘のような構造を備えた心室仕切装置を含んでもよい。
【0021】
カテーテル(例えばガイドカテーテル)は、いかなる適切な拡張部材を含んでもよい。例えば、拡張部材は、圧力を加えて心室仕切装置を拡張するため加圧された流体を放出する複数の開口、膨張可能な拡張部材(例えばバルーン)、あるいは機械的なエキスパンダーを備えた液圧式の拡張部材であってもよい。機械的な拡張部材は、それらの近位端及び遠位端で連結され、近位端と遠位端とが互いに接近したとき外側へ拡張するように構成された複数の支柱を含んでもよい。
【0022】
カテーテルは、また、螺旋形のねじ、引っ掛けピン等のような機械的な連結部材を含むいずれの適切な連結エレメントを含んでもよい。
【0023】
システムのいくつかの変形において、ガイドカテーテルは、さらに、片手での解放動作を有する近位のハンドルを備える。
【0024】
本明細書に記述されるシステムは、また、ガイドカテーテルの遠位端領域を曲げるステアリング機構を含んでもよい。このステアリング機構は、操縦のためにカテーテルを曲げるため一もしくは複数のカテーテルの側部を引くテンドンあるいはプルワイヤーを含んでもよい。非常に詳しく以下に記述された幾つかの変形例において、カテーテルは、一もしくは複数の方向に選択的に曲げることによって操縦されるのに適している。いくつかの変形において、カテーテルは、一もしくは複数の方向にカテーテルを柔軟にしながら、カラムの強度を考慮した(カテーテルを軸方向に押す/引くことを可能にしながら)ヒンジ・ポイントあるいはカットアウトを含んでいる。カテーテルは、また複数層で形成されてもよく、例えば、ガイドカテーテルは、カラムの強度を提供し、内側カテーテルが存在する管腔を有する金属もしくは他の適切な材料で形成された外側カテーテルを含んでもよい。この内側カテーテルは、また一もしくは複数の管腔(例えば膨張管腔、かん流管腔など)を含んでもよい。カテーテルは、またプルワイヤー及び/又はトルクワイヤを含んでもよい。
【0025】
一つの変形例において、患者の心室へ心室仕切装置を送り込み、及び、しぼんだ送り込み形態から拡張され展開された形態へ仕切装置を拡張することによって心室の有効容積を縮小するために仕切装置を展開するシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、しぼんだ仕切装置を開き心室内に固定するために圧力を加えることにより仕切装置を拡張するように構成された、ガイドカテーテルの遠位端の近くの拡張部材と、展開に先立ってしぼんだ仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するため仕切装置のハブに展開可能に固定されるように構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、圧力を加えて仕切装置を拡張するため拡張部材を拡張する、細長いガイドカテーテルの近位端での拡張制御手段と、及び、仕切装置のハブから連結エレメントを分離することによってガイドカテーテルから仕切装置を解放する展開制御手段と、を含んでもよい。
【0026】
上述したように、患者の心室内へ仕切装置を送り込み展開するシステムを含む、本明細書に記述したどのシステムでも、記述した特徴の何かを含んでもよい。例えば、システムは、拡張部材に接続された膨張管腔を備えた拡張制御手段、拡張部材を拡張するため拡張部材を引っ張るプルワイヤー、等を含んでもよい。システムは、また、拡張部材の拡張を制御するための細長いガイドカテーテルの近位端に、ボタン、ノブ、スライダー、あるいはダイヤルのような制御手段を含んでもよい。
【0027】
また、本明細書には、患者の心室へ傘形の心室仕切装置を送り込み、かつしぼんだ形態から拡張された形態へ仕切装置を拡張することによって、心室の有効容積を縮小するために機械的に仕切装置を展開するための送り込みシステムが記述されている。これらのシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、仕切装置へ圧力を加えて開くように操作されたとき、外側へ延在するように構成された複数のアームを有するガイドカテーテルの遠位端近くの機械的なエキスパンダーと、及び、仕切装置の中央のハブに展開して固定され、かつ展開に先立ってしぼんだ仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するように構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、を備えてもよい。
【0028】
また、本明細書には、患者の心室へ傘形の心室仕切装置を送り込み、かつしぼんだ形態から拡張された形態へ仕切装置を拡張することによって、心室の有効容積を縮小するために仕切装置を展開するための送り込みシステムが記述されている。この送り込みシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、それらの近位端及び遠位端で連結され、かつ近位端と遠位端とが互いに近接したときに外側へ拡張するように構成された複数のアームを備えた、ガイドカテーテルの遠位端近くのエキスパンダーであって、仕切装置を開きかつ心室内に固定するため仕切装置に圧力を加えるように構成された機械的なエキスパンダーと、仕切装置のハブに展開して固定され、かつ展開に先立ってしぼんだ仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するように構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、を備える。
【0029】
いくつかの変形例では、患者の心室内へ傘形の心室仕切装置を送り込み、かつしぼんだ形態から拡張された形態へ仕切装置を拡張することによって心室の有効容積を縮小するために仕切装置を展開する送り込みシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、仕切装置を開き心室内に仕切装置を固定するために圧力を加えて膨張されたときに外側へ広がるように構成された、ガイドカテーテルの遠位端近くの膨張式のエキスパンダーと、膨張式のエキスパンダーを仕切装置の中央ハブ領域から近位に間隔をあけるように構成された、ガイドカテーテルの膨張式エキスパンダーに遠位の、遠位先端スペーサーと、遠位先端スペーサーと膨張式エキスパンダーとの間のテーパー領域と、及び、仕切装置の中央ハブに展開して固定され、かつ展開に先立って仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するように構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、を含む。
【0030】
また、本明細書には、患者の心室へ傘形の心室仕切装置を送り込み、かつしぼんだ形態から拡張された形態へ仕切装置を拡張することによって心室の有効容積を縮小するために仕切装置を機械的に展開する送り込みシステムが記述されており、このシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、細長いカテーテルの長さに沿って延在する流体源ラインからの開口であって、細長いガイドカテーテルの遠位端近くに位置して仕切装置を拡張するため流体を放出し仕切装置の近位端領域へ圧力を加えるように構成された複数の開口を備えた、ガイドカテーテルの遠位端近くの圧力エキスパンダーと、及び、仕切装置の中央ハブに展開して固定され、かつ展開に先立って仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するように構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、を備える。
【0031】
また、心室内に心室仕切装置を固定することによって心室の有効容積を減じるためのシステムが記述されている。このシステムは、中央ハブ、複数の支柱、及び、膜を有し、しぼんだ送り込み形態及び拡張され展開された形態を有する、傘形の心室仕切装置と、送り込みシステムとを備える。この送り込みシステムは、近位端及び遠位端を有する細長いガイドカテーテルと、心室仕切装置を開くために支柱に対して圧力を加えることによって心室仕切装置を外側へ拡張し膨張するように構成された、連結された複数のアームを備えガイドカテーテルの遠位端近くの機械的エキスパンダーと、機械的エキスパンダーに連結された拡張プルワイヤーと、及び、仕切装置の中央ハブに展開して固定され、かつ展開に先立ってしぼんだ仕切装置によって少なくとも部分的に囲まれた拡張部材を保持するように構成された、拡張部材に遠位の連結エレメントと、を含んでもよい。
【0032】
心室を仕切る方法、及び心室容積を減じる方法もまた記述されている。本明細書に記述される方法は、一般的に、患者の心室内へ、送り込みつまりガイドカテーテルの遠位端を進める工程、心室内にガイドカテーテルの遠位端を位置決めする工程、心室を仕切るために心室内の心室仕切装置を拡張する工程、及び、ガイドカテーテルの遠位端から心室仕切装置を展開する工程を含んでもよい。その装置は、心室壁に、固定され及び/又は密閉されてもよい。
【0033】
例えば、心臓病を治療するため心室容積を減じる方法が本明細書に記述されている。この方法は、収縮した形態において強化された膜を有する傘形で拡張可能な仕切装置を、仕切装置が解放可能に連結された細長いガイドカテーテルを用いて、患者の心室の頂点近傍に位置決めすること、仕切装置を拡張するため収縮した仕切装置の近位端領域に圧力を加えてガイドカテーテルの遠位端近くの拡張部材を拡張すること、及び、仕切装置を展開するためにガイドカテーテルの拡張部材に遠位の連結エレメントを解放することを備える。
【0034】
いくつかの変形において、上記方法は、また、心室壁へ仕切装置の周辺を固定する工程を含んでいる。例えば、ガイドカテーテルは、仕切装置を開き心室壁に固定するため拡張するように構成されてもよい。また、上記方法は、心室壁への仕切装置の周辺を密閉する工程を含んでもよい。
【0035】
いくつかの変形において、上記方法は、また、ガイドカテーテル端の仕切装置を心室内へ経皮的に案内することを含んでいる。例えば、上記方法は、送り込みカテーテルの内側管腔を通して心室へ仕切装置を進めることを含んでもよい。
【0036】
上記方法は、ガイドカテーテルの遠位端近傍で膨張式拡張部材を拡張することによって、拡張部材を拡張する工程を含んでもよい。拡張部材を拡張する工程は、アームの近位端と遠位端とを互いに近接させながら広げることによって近位端及び遠位端で連結された複数のアームを拡張することを備えてもよい。いくつかの変形例において、拡張部材を拡張する工程は、仕切装置を拡張するため、仕切装置の近位端領域に圧力を加え、ガイドカテーテルの遠位端領域の近くに位置決めされた複数の開口から流体を排出することを備える。
【0037】
カテーテル(装置を案内し位置決めしたガイドカテーテル)から仕切装置を解放する工程は、装置が心室の適切な領域、一般的に尖端領域、に位置決めされた後、実行されてもよい。この案内は、透視診断法のような可視化の下で行なわれるかもしれない。一旦位置決めされたならば、装置は展開され、連結部材を非係合とすることによって、カテーテルから解放されてもよい。例えば、連結エレメントは、螺旋形のコイルねじを回転して回収するトルクシャフトを回転させることによって(例えば、ねじとトルクシャフトは、連結エレメントの一部を形成するかもしれない)仕切装置のハブから解放されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、発明の特徴を具体化する仕切装置を拡大した形態で図示する。
【
図2A】
図2Aは、送り込みシステム(ガイドカテーテル)及び
図1に示される仕切装置を含む、心室容積を減じるためのシステムを図示する。
【
図2B】
図2Bは、送り込みシステム(ガイドカテーテル)及び
図1に示される仕切装置を含む、心室容積を減じるためのシステムを図示する。
【
図2C】
図2Cは、仕切装置を含む、心室容積を減じるシステムの別の変形例を示す。
【
図3A】
図3Aは、心室を第1の生産的部分及び第2の非生産的部分に仕切るため、
図2に示す送り込みシステムを有する
図1に示す仕切装置の展開を図示する、患者の左心室の模式的な図である。
【
図3B】
図3Bは、心室を第1の生産的部分及び第2の非生産的部分に仕切るため、
図2に示す送り込みシステムを有する
図1に示す仕切装置の展開を図示する、患者の左心室の模式的な図である。
【
図3C】
図3Cは、心室を第1の生産的部分及び第2の非生産的部分に仕切るため、
図2に示す送り込みシステムを有する
図1に示す仕切装置の展開を図示する、患者の左心室の模式的な図である。
【
図3D】
図3Dは、心室を第1の生産的部分及び第2の非生産的部分に仕切るため、
図2に示す送り込みシステムを有する
図1に示す仕切装置の展開を図示する、患者の左心室の模式的な図である。
【
図3E】
図3Eは、心室を第1の生産的部分及び第2の非生産的部分に仕切るため、
図2に示す送り込みシステムを有する
図1に示す仕切装置の展開を図示する、患者の左心室の模式的な図である。
【
図5】
図5は、ガイドカテーテルが回収されながら仕切装置の位置を維持するように構成された送り込みシステムの様々な実施形態を図示する。
【
図6】
図6は、ガイドカテーテルが回収されながら仕切装置の位置を維持するように構成された送り込みシステムの様々な実施形態を図示する。
【
図7】
図7は、ガイドカテーテルが回収されながら仕切装置の位置を維持するように構成された送り込みシステムの様々な実施形態を図示する。
【
図8】
図8は、ガイドカテーテルが回収されながら仕切装置の位置を維持するように構成された送り込みシステムの様々な実施形態を図示する。
【
図9】
図9は、「ワイヤーに関する」バルーンシステムを含む送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図10】
図10は、「ワイヤーに関する」バルーンシステムを含む送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図11A】
図11Aは、「ワイヤーに関する」バルーンシステムを含む送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図11B】
図11Bは、「ワイヤーに関する」バルーンシステムを含む送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図12】
図12は、「ワイヤーに関する」バルーンシステムを含む送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図13A】
図13Aは、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図13B】
図13Bは、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図13C】
図13Cは、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図13D】
図13Dは、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図13E】
図13Eは、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図13F】
図13Fは、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図14】
図14は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図15】
図15は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図16】
図16は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図17】
図17は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図18】
図18は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図19】
図19は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図20】
図20は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図21】
図21は、拡張可能な部材が機械的な拡張部材である送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図22】
図22は、フレーム及び送り込みカテーテルが単一のチューブから形成された送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図23A】
図23Aは、フレーム及び送り込みカテーテルが単一のチューブから形成された送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図23B】
図23Bは、フレーム及び送り込みカテーテルが単一のチューブから形成された送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図24】
図24は、フレーム及び送り込みカテーテルが単一のチューブから形成された送り込みシステムの一実施形態を図示する。
【
図25】
図25は、フレームとカテーテルとが別個の部品から形成された送り込みシステムの別の実施形態を図示する。
【
図26】
図26は、フレームとガイドカテーテルとがチューブから形成され、ともに折った送り込みシステムの別の実施形態を図示する。
【
図27A】
図27Aは、拡張可能な部材が液圧式システムである送り込みシステムの実施形態を図示する。
【
図27B】
図27Bは、拡張可能な部材が液圧式システムである送り込みシステムの実施形態を図示する。
【
図29】
図29は、展開システム、つまりハンドルの変形を図示する。
【
図30】
図30は、展開システム、つまりハンドルの変形を図示する。
【
図31】
図31は、展開システム、つまりハンドルの変形を図示する。
【
図32】
図32は、展開システム、つまりハンドルの変形を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
心室を仕切ることによって心室容積を減じる装置、システム、及び方法は、心臓または循環障害を治療するために用いることができる。一般的に、本明細書に記述された装置及びシステムは、生産的な(productive)、及び、非生産的(non-productive)な領域へ心室を仕切るための仕切装置を含んでいる。本明細書に記述された仕切装置は、また、心室容積縮小装置またはインプラントと呼ばれるかもしれない。また、心室容積縮小インプラントを送り込む及び/又は展開する送り込み装置が本明細書に記述される。この送り込み装置は、また、カテーテル、より詳細にはガイドカテーテルと呼ばれるかもしれない。本明細書で用いられるように、ガイドカテーテルは、患者の心室へ仕切装置を送り込み及び/又は展開するために用いられてもよい。本明細書に記述されたシステムのどれでも、ガイドカテーテル及び仕切装置/容積縮小装置の両方を含んでもよい。仕切装置は、ガイドカテーテルに予め載せられてもよい。以下の説明は、図示する実施形態に発明を限定するものではなく、むしろいかなる当業者にもこの発明を用いることを可能にするように意図されている。
【0040】
心室仕切装置は、患者の心室内で拡張するように構成された複数のリブと、リブによって強化されてもよい膜とを典型的に含んでいる。リブは、また、支柱と呼ばれるかもしれない。いくつかの変形例において、仕切装置/容積縮小装置は、リブまたは支柱が延在するハブを有する傘タイプ装置またはインプラントであってもよい。即ち、この装置は、しぼんだ送り込み形態(たたんだ傘に似ている)と、拡張された送り込み形態とを有することができる。仕切装置は、拡張された形態において予めバイアスをかけられているかもしれないが、送り込み装置(ガイドカテーテル)は、心室においてインプラントを完全に拡張し、位置決めし、かつ固定するのに役立つ拡張エレメントを含んでもよい。例えば、いくつかの変形において、インプラントは、展開形態へ少なくとも部分的に自ら拡張するニチノールのような記憶材料で形成された複数の支柱またはリブを含んでいる。ガイドカテーテルにより展開したとき、ガイドカテーテルは、仕切装置の拡張及び心室壁への挿入を行わせてもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、本明細書に記述されたシステムは、ガイドカテーテルの遠位端に、心室仕切装置を拡張するように構成された拡張可能な部材と、ガイドカテーテルの遠位の先端に、心室仕切装置をガイドカテーテルに連結するように構成された連結エレメントとを有する細長いガイドカテーテルを含んでいる。一般的に、本明細書に記述された方法は、患者の心室内へガイドカテーテルの遠位端を進める工程と、心室内にガイドカテーテルの遠位端を位置決めする工程と、ガイドカテーテルの遠位端から心室仕切装置を展開する工程と、及び、心室を仕切るため心室内で心室仕切装置を拡張する工程とを含んでいる。
【0042】
図1は、発明の特徴を具体化し、仕切り膜11(図示せず)、好ましくは仕切装置の中央に置かれたハブ12、及び、複数のリブ14で形成された半径方向に拡張可能な補強フレーム13を含む仕切部品10の一つの変形を図示する。好ましくは、仕切り膜11は、
図1に示されるようなフレーム13の近位もしくは圧力側に固定される。リブ14は、ハブ12に固定される遠位端15、及び中心線軸17から離れて曲がる、あるいは朝顔形に広がるように構成される自由近位端16を有する。自由近位端16の放射状の拡張は、患者の仕切られた心腔の生産的部分を部分的に形成する、比較的滑らかな受圧面18を膜11が呈するように、フレーム13に固定された膜11を広げる。リブ14は、リブに固定された膜11による以外に束縛されないとき(
図1に示されるように)、リブの自由近位端16が中心線軸17から離れて所望の角度変位まで拡張するように、予め形づくられている。いくつかの変形例において、インプラントは、ハブ12の遠位端で一もしくは複数の足部を含んでいる。いくつかの変形例では、膜の端は、心室壁に対するシールを構成してもよい(例えば密封面または強化材を含むことによって)。
【0043】
図2Aは、患者の心腔へ仕切装置10(
図1で示されたような)を送り込み、
図3A〜
図3Eに図示されるような、心腔を仕切るために仕切装置10を展開するシステム30の一つの変形例を図示する。この送り込みシステムは、典型的にはガイドカテーテルを含んでいる。
図2Bは、
図2Aに示されるガイドカテーテル及び送り込みカテーテルを含む送り込みシステムの模式図を示す。
【0044】
ガイドカテーテルは、近位端34と遠位端35との間で延在する内側管腔33を有している。止血バルブ(図示せず)がガイドカテーテル31の近位端34に設けられてもよい。ガイドカテーテル31の近位端34における洗浄ポート36は、内側管腔33と流体が連通するようになっている。
【0045】
送り込みカテーテル32は、内側管腔41及び近位の注入ポート42を有する外側シャフト40、内側管腔41内に配置され第1管腔44及び第2管腔45を有する内側シャフト43を有する。バルーン膨張ポート46は、第1管腔44と流体が連通し、また、洗浄ポート47は、第2管腔45と流体が連通する。トルクシャフト48は、内側シャフト43の第2管腔44内に回転自在に配置され、トルクシャフトの内側管腔51と流体が連通しその近位端50に設けられた注入ポート49を有する。この実施例においてトルクシャフト48は、非常に弾力のあるニチノールあるいはステンレス鋼のような適切な材料から形成されたハイポチューブ(hypotube)で少なくとも一部分、形成されている。トルクノブ52は、注入ポート49から遠位にあるトルクシャフト48の近位端50に固定される。螺旋形のコイルねじ53は、トルクシャフト48の遠位端54に固定され、また、トルクシャフト48の近位端50のトルクノブ52の回転は、トルクシャフト48の遠位端54のねじ53を回転し、仕切装置10の展開を容易にする。この実施例において、ねじ及びトルクシャフトは、それが送り込まれてもよいように仕切装置を解放可能にしっかり取り付ける、ガイドカテーテルに連結エレメントを形成する。膨張式のバルーン55は、内側シャフト43の遠位端に密閉して固定され、第1管腔44と流体が連通する内部56を有している。膨張式の拡張部材は、ガイドカテーテルの一部を形成してもよい拡張部材のほんの一つの変形例である。膨張流体は、バルーン55を通り延在する内側シャフト43の部分におけるポート44aを通り内部56に送り込まれてもよい。ポート57を通る膨張流体によるバルーン55の膨張は、仕切り部品10の固定を容易にする。
【0046】
述べたように、仕切り部品10を送り込むために、それは、螺旋形のコイルねじのような連結機構によって送り込みカテーテル32の遠位端に固定される。仕切り部品10は、ガイドカテーテル31を通って滑動可能に進められるほどに小さい横断寸法を有する、第1の送り込み形態にたたまれる(
図3A)。いくつかの実施態様において、ガイドカテーテル31は、従来の方式で、予め皮膚を通して導入され大腿動脈のような患者の血管構造を通って所望の心腔へ進められる。仕切り部品10が取り付けられた送り込みカテーテル32(
図3C)は、ガイドカテーテル31の遠位端から仕切られる患者の心腔57の中へ仕切り部品10の展開の準備ができるまで、ガイドカテーテル31の内側管腔を通って進められる。
【0047】
連結エレメント(示されるように、ねじ53)に装着された仕切り部品10は、リブ14の自由近位端16がガイドカテーテル内に接触した状態で、
図3Bに示すようにハブ12が心臓壁に係合するまで、ガイドカテーテル31の内側管腔の外へ部分的に押し進められてもよい。リブ14の自由近位端16がガイドカテーテルの遠位端35(図示せず)を出るまで送り込みカテーテル32が適所に保持されながら、ガイドカテーテル31は引っ込められる。リブ14の自由近位端16は、心腔に対して、好ましくは心腔内膜組織へリブ14の鋭い近位の先端21を押すように外側に拡張する。これは、
図3Cに示される。
【0048】
仕切り部品が心腔内で展開され、好ましくは部分的にその中に固定された状態にて、バルーンを膨張するためにポート44aを通りバルーン内側56へ案内される、送り込みカテーテル32の内側シャフト43の第1管腔44へ、膨張流体が膨張ポート46を通って導入されてもよい。これは
図3Dに示される。膨張したバルーンは、仕切り部品10の受圧面18を押圧し、鋭い近位の先端21が心腔内膜組織へ十分に押圧されるのを確保する。
【0049】
仕切装置10が心腔内に適切に位置決めされた状態で、トルクシャフト48のノブ52は、送り込みカテーテル32の螺旋形のコイルねじ53をハブ12から離すために反時計回りに回転される。これは、
図3Eに示される。トルクシャフト48の反時計方向回転は、ハブ12内に固定された連結バー20に乗っている螺旋形のコイルねじ53を回転させる。一旦、螺旋形のコイルねじ53が連結バー20と非係合となれば、その後、ガイドカテーテル31及び送り込みカテーテル32を含む送り込みシステム30は、患者から取り除かれてもよい。
【0050】
内側管腔33を通して治療のあるいは診断のための流体を注入するために、ガイドカテーテル31の近位端には洗浄ポート36が設けられてもよい。同様に、本質的に同じ目的のため、送り込みカテーテル32の近位端には、内側管腔41に連通する洗浄ポート42が設けられてもよい。第1内側管腔44を通りバルーン55の内部56へ膨張流体を送り込むため、送り込みカテーテルの近位部分に膨張ポート46が設けられる。洗浄ポート47は、内側シャフト43の第2内側管腔45と流体が連通するように設けられる。注入ポート49は、様々な流体の送り込みのため、トルクシャフトの内側管腔51と流体が連通するようにトルクシャフト48の近位端に設けられてもよい。
【0051】
この実施例における仕切り部品10は、患者の心腔57を、主たる生産的な、つまり動作部分58と、第2の、本質的に非生産的な部分59とに仕切り、それによって、心室容積を縮小する。動作部分58は、元の心室57よりずっと小さく、改善された駆出率を提供する。仕切ることは、駆出率を増加させて、改善された血流を提供する。時間とともに、非生産的な部分59は、最初に血栓で満たされ、そしてセル状成長で満たされる。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン及び共重合体のようなバイオ吸収性フィラー及び混合物が最初に非生産的な部分59を満たすために使用されてもよい。フィラーは、DMSOのような適当な溶剤で適切に供給されてもよい。組織増殖あるいは血栓を促進する他の材料が非生産的な部分59に展開されてもよい。
【0052】
図2Cは、仕切装置10を送り込むためのシステム30の別の変形例を図示する。送り込みシステムの実施形態は、様々な実施形態が異なって示されるが、共通部分は、同じ符号が付される。
【0053】
送り込みシステム30は、ガイドカテーテル31及び送り込みカテーテル32を含んでいる。
図2Bに示される変形例のように、ガイドカテーテル31は、近位端34と遠位端35との間で延在する内側管腔33を有している。送り込みカテーテル32の外側シャフト37周りを密閉するため、止血バルブ(図示せず)がガイドカテーテル31の近位端34に設けられてもよい。ガイドカテーテル31の近位端34の洗浄ポート36は、内側管腔33と流体が連通する。
【0054】
送り込みカテーテル32は、シャフト37の内部と流体が連通する近位の注入ポート39を有するアダプター38を、その近位端に備えた外側シャフト37を有する。外側シャフト37は、その内側内に配置され、その実質的な長さに沿って延在する織物(webs)によって外側シャフトの内面に固定される内側シャフトを有してもよい。上記注入ポートは、内側シャフトと外側シャフトとの間の通路と流体が連通してもよく、上記織物によって一部分形成されてもよい。好ましくはハイポチューブ(例えば、ステンレス鋼または非常に弾性的なNiTiで形成された)で形成されたトルクシャフトは、内側シャフトの内側管腔内に配置され、アダプター38内に固定された近位端46を有する。バルーン膨張ポート47は、トルクシャフト44の内側管腔と流体が連通する。トルクシャフト44は、内側シャフト41の内側管腔45内に回転自在に配置され、回転ノブ49に固定される。螺旋形のコイルねじ50は、トルクシャフト44の遠位端51へ固定され、また、トルクシャフト44の近位端46のトルクノブ49の回転は、ねじ51を回転させ、仕切装置10の展開を容易にする。膨張式のバルーン53の近位端52は、トルクシャフトの遠位端51に近位のトルクシャフト44の周りに接着剤54によって密閉して固定される。バルーン53は、トルクシャフト44の内側管腔48と流体が連通する内側55を有している。膨張流体は、トルクシャフト44の内側管腔48と流体が連通するバルーン内側55にポート47を通って送り込まれてもよい。バルーン53の遠位端56は、螺旋形のねじ50に接着剤57によって密閉して固定される。バルーン53の内側55に送り込まれた膨張流体の損失を防ぐために、バルーン53の近位及び遠位端52、56は、粘着剤54、57によってブロックされる。トルクシャフト44の遠位端51において流体の吐水口58を通る膨張流体の送り込みは、心腔の壁59への仕切り部品10の固定を容易にするため仕切装置10の隣接面に順番に圧力を加えてバルーン53を膨らませる。上述した
図3A〜
図3Eに実質的に示されるように、装置は挿入されてもよい。
図4は、上述の
図3Dに似ており、
図2Cに図示されるものに類似の仕切装置及び送り込みカテーテルの展開を図示する。
【0055】
図3Eでは、仕切装置10が心腔57内に適切に位置決めされた状態で、トルクシャフト44のノブ49は(
図2Cに示すように)、ハブ12内に固定されたステム23から送り込みカテーテル32の螺旋形のコイルねじ50を離すために反時計回りに回転される。トルクシャフト44の反時計方向への回転は、ハブ12内に固定された連結バー26に乗っている螺旋形のコイルねじ50を回転させる。一旦、螺旋形のコイルねじ50が連結バー26と非係合になれば、その後、ガイドカテーテル31及び送り込みカテーテル32を含む送り込みシステム30は、患者から取り除かれてもよい。
【0056】
処置中に内側管腔33を通して治療用、診断用、あるいは他の流体のような流体を注入するために、ガイドカテーテル31の近位端34には、洗浄ポート36が設けられている。同様に、本質的に同じ目的のため、アダプター38の近位の注入ポート39は、送り込みカテーテル32の通路43と流体が連通する。
【0057】
この実施例では、インプラントは、また、心室壁に対して置かれ壁に対してシールを形成可能なように、膜の端を堅くするのに役立つように用いられてもよいシール要素、ストランド19を含んでいる。そのストランドは、また、装置を回収するのに役立つように用いられてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、例えば、大動脈弓を通ってガイドカテーテル31が引っ込められるとき、患者の脈管を通して引っ込められるように、それは曲がり始める。いくつかの実例において、この屈曲は、送り込みカテーテルの遠位の先端を、従って仕切装置を、位置からずらすかもしれない。例えば、ガイドカテーテルは、心臓の中心の方へ、つまり心室中隔の方へ、装置を進めるかもしれない。いくつかの実例において、送り込みカテーテル及び/又は仕切装置は、それが引っ込められるとき、ガイドカテーテルによって移動されないか、あるいは位置変更されないことが好ましいかもしれない。これは、いくつかの実施形態のうちの一つで達成されるかもしれない。第1の実施形態において、
図5に示すように、リング60が送り込みカテーテル32の遠位端に加えられる。ワイヤー62がそのリングに連結されてもよい。そのワイヤーは、送り込み及び/又はガイドカテーテルの長さに沿って配置され、ガイドカテーテルが脈管へ引っ込まれるとき、送り込みカテーテルの遠位端の位置を維持するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例において、ワイヤーは、送り込みカテーテルの形状をロックもしくは保持する、硬直ワイヤー(あるいは他のエレメント)である。いくつかの変形例において、ワイヤーはプルワイヤーである。
図5に示すように、プルワイヤーを引っ張る、あるいは張力をかけることによって、プルワイヤーは、送り込みカテーテルを曲げながらリング60を引っ張る。このことは、リング及び送り込みカテーテルの遠位端が、従って仕切装置が、位置からはずれて移動するのを防ぐかもしれない。プルワイヤーは、例えば、心室中隔の方よりもむしろ心尖の方へ、送り込みカテーテル及び仕切装置を引くために用いられてもよい。この実施形態では、ガイドカテーテルが引っ込められるとき、プルワイヤーが送り込みカテーテルを効果的に操縦可能なように、ガイドカテーテルは柔軟であってもよい。
【0059】
いくつかの別の実施形態において、
図6に示すように、送り込みカテーテル32は操縦可能である。いくつかの変形例において、ガイドカテーテルは操縦可能である(図示せず)。操縦可能な送り込みカテーテルを有することによって、仕切装置の位置決めは、より制御されるかもしれない。例えば、ガイドカテーテルが仕切装置を露出し及び/又は展開するために引き込められるとき、操縦可能な送り込みカテーテルは、インプラントを適所に保持するかもしれない。操縦可能な送り込みカテーテルは、適切ないずれの幾何学的形状部分へ操縦され、あるいは位置決めされるかもしれない。例えば、送り込みカテーテルは、Sカーブ64へ位置決めされるかもしれない。このSカーブは、
図6に示されるように、例えば、心室中隔から離れて心尖の方へカテーテルを位置決めするように構成されてもよい。送り込みカテーテルは、いくつかの異なった機構の一つによって操縦可能である。例えば、
図7に示すように、プルワイヤー(図示せず)は、送り込みカテーテル32(ガイドカテーテル31内の)の様々な部分を延ばし、短くするために用いられて、Sカーブ64を形成してもよい。
図8に示すように、送り込みカテーテルは、ハイポチューブ66、68のような連結シャフトを含んでもよい。連結シャフトは、Sカーブ64を形成するために互いに関して移動してもよい。
【0060】
別の代わりの実施形態(示されない)において、送り込みカテーテルは、ニチノールのような形状固定材料(shape set material)であってもよい。いくつかの変形例において、送り込みカテーテルは、ガイドカテーテルよりも硬くてもよく、その結果、ガイドカテーテルが引き込まれるあるいは引っ込めるとき、より硬い送り込みカテーテルに最小の力を与える。送り込みカテーテルは、適当ないずれの形状にも設定され、適当ないずれの脈管用に構成可能である。
【0061】
いくつかの変形例において、拡張可能な部材のサイズは、送り込みの直径のサイズによって制限されるかもしれない。例えば格納された形態において、つまり拡張可能な部材、仕切装置、及び送り込みカテーテルがガイドカテーテル内にあるとき、各部品は、全体が送り込みの直径になっている。送り込み直径は、好ましくは、患者の脈管を通るガイドカテーテルの通過を可能にするため小さく、よって、拡張可能な部材のサイズ及び/又は送り込みカテーテルのサイズを制限する。これらの制限に取り組むために、いくつかの変形例(例えば
図9)では、送り込みシステム30の部品は、互いに非連結か、あるいは分離可能であるかもしれない。例えば、送り込みシステムは、4つの別個の部品へ分断されてもよい。即ち、仕切装置10、ワイヤー70、着脱可能なハンドル72、及び「ワイヤーに関する(over the wire)」バルーンシステム74である。ワイヤー70は、仕切装置10に連結されるように構成される遠位端に、螺旋形のねじのような、連結機構を含んでもよい。ワイヤーは、従来の心臓血管のワイヤー、あるいは他の適当なワイヤーであってもよい。ワイヤーは、性能を最適化するためグラウンド・プロフィル(ground profile)を有してもよい。ハンドル72は、装置の初期配置の間、ワイヤーに連結されてもよく、次に、バルーンシステム74がワイヤーに連結され仕切装置の方へ前進することを可能にするため、除去されてもよい。この実施例において、ワイヤーへの連結は、ワイヤーがハンドルまたはシステムの内径の長さに沿って配置されるように、ワイヤー上にハンドルあるいはバルーンシステムを位置決めするように形成されてもよい。一旦バルーンシステムが適所に存在すれば、ハンドルは交換されてもよく、あるいは、バルーンシステムは、別個のハンドルを含んでもよい。拡張可能な部材76(バルーン)を有するバルーンシステム74は、従来のバルーンカテーテルであってもよいし、仕切装置を拡張するように構成される他の「ワイヤーに関する」適当なシステムであってもよい。
【0062】
図10に示された一つの変形例では、4つの別個の領域を有する送り込みシステム(例えばガイドカテーテル)が存在してもよく、その各々は、様々な必要量及び特徴部分を有する。例えば、
図10において、ガイドカテーテルは、4つの領域A〜Dを含んでいる。患者の脈管を通りガイドカテーテルを進める、及び/又は、ガイドカテーテルの外へ仕切装置10を押すことができるように、領域Aは、押すことができる。例えば、連結機構がねじであるならば、領域Aは、また、連結機構の構成に依存して回転可能であってもよい。領域Aは、ハイポチューブ、又は、編んだ若しくはコイルを巻いたシャフトを含んでもよい。領域Bは、装置が正確に位置決めされ、例えば展開の間に、隔壁の方へ位置変更されないことを確保するために柔軟であってもよい。領域Aでのように、領域Bもまた回転可能であってもよい。領域Bは、ニチノール(あるいは他の形状記憶材料)のような非常に柔軟な剛性軸、又は、編まれた若しくはコイルを巻いたシャフトを含んでもよい。領域Cは、送り込み直径あるいは形状の全体に大きく影響しないような目立たない形状を有してもよい。領域Cもまた、装置を前進可能、及び/又はハブ12あるいは装置の足部を配置可能とするように、押すことができてもよい。領域Cは、ハイポチューブ又は中実軸かもしれない。領域Dは、仕切装置10に、取り外し可能に取り付けられてもよい。領域Dは、コイル状のねじ、縫合、あるいは引っ掛けピン(以下に述べられた)のような連結機構を含んでもよい。いくつかの変形例において、領域Aから領域Cは、
図9のワイヤー70に類似するワイヤーを形成してもよい。バルーンシステム74は、領域Aから領域Cにわたり進めることができる。
図11A〜
図11Bは、バルーンであり、ガイドカテーテルのワイヤー形成部にわたり送り込み可能である拡張可能な部材を含む送り込みシステムの一つの変形例を図示する。この実施例では、バルーンは、システムの全体形状を最小化するように構成されてもよい。
【0063】
図11A〜
図12に示されるように、仕切装置10を拡張するように構成されるように、バルーンシステム74のバルーン76は、いかなる特徴部分を含んでもよい。
図11Aは、従来の血管形成バルーン先端78Aを示す。
図11Bは、しぼんでいるときに、仕切装置10の遠位の部分へ挿入するように構成された、より押しの強い先端78Bを示す。
図12に示されるように、バルーン76は、3つの部分A、B及びCを含んでもよい。いくつかの実施形態において、部分Aは、送り込みの間、仕切装置10の遠位端内に残る。先端部分の部分Aは、送り込み形状全体に大きく寄与しないように構成するため小さい形状を有することができる遠位の鼻領域である。部分Aは、また、仕切装置に関して部分B及び/又は部分Cを正確な位置に位置決めするように構成される。例えば、バルーン76が十分に前進したとき、部分Aの遠位の先端が仕切装置に接触し、及び拡張可能なバルーン(部分C)が最適に位置決めされ仕切装置を拡張するように、部分Aの長さは選択されてもよい。部分Aはバルーンの一部であってもよく、あるいはチューブのような別個の部分であってもよい。部分Aは、いくつかの実施形態において硬くてもよい。部分Cは、拡張可能なバルーン部分であり、仕切装置の遠位端と相互に作用するように構成される。部分Bは、先細りの領域であってもよい。そのテーパーは、比較的緩やかなもの、あるいはより急激なものであってもよく、また、拡張可能な領域全体がしぼんだ仕切装置に挿入されることを可能にしながら、遠位の先端とバルーンとの間の移行を可能にする。
【0064】
拡張可能な部材の別の実施例が
図13A〜
図15に示されている。この実施例では、拡張可能な部材は、機械的なエキスパンダーである。示されるように、この実施例における機械的なエキスパンダーは、それらの近位及び遠位端で結合される複数のアームあるいは支柱で形成されたフレーム80である。そのアームは、完全にたたまれてもよく、あるいは、互いに相対的にフレームの近位及び遠位端を移動させることにより拡張されてもよい。フレーム80の近位端は、送り込みカテーテル32に連結されてもよく、また、フレームの遠位端は、ねじの先端のような連結機構82を含んでもよい。その連結機構は、
図13Bに示すように、仕切装置10に連結してもよい。フレーム80は、フレーム80をしぼんだ形態から拡張した形態まで移動するように構成した心棒84をさらに含んでもよい。プルワイヤーあるいは他の適当な機構が、移動されてその結果フレーム80を移動させるように、心棒84に連結されてもよい。
図13C〜
図13Fは、
図13A〜
図13Bに示すもののようなガイドカテーテルにインプラント(仕切装置)を装填することを図示する。そのインプラントは、拡張状態においてガイドカテーテルに連結されてもよく、次に、完全にしぼんでもよい(
図13Dに示されるような機械的なエキスパンダーのまわりで)。装填ツール(例えば漏斗)装置が、
図13E及び
図13Fに示すように、送り込みシステムにインプラントを装填するのを助けるように用いられてもよい。一旦、インプラントが装填ツール内に存在されると、システムは、患者へ挿入用の送り込みカテーテル内に装填されてもよい。インプラントは、最初に、洗浄(例えば食塩水で)されてもよい。
【0065】
図14及び
図15は、機械的なエキスパンダーを含む送り込みカテーテルの別の変形例を図示する。この変形例では、エキスパンダー領域は、機械的なエキスパンダー領域をしぼませ又は拡張するように伸縮可能である心棒84によって制御される。
図15は、カテーテルの停止(rest)に関連してエキスパンダーを作動させるためのグリップ(フィンガーグリップ)を近位のハンドルが含んでいる一つの変形例を示す。機械的なエキスパンダーの拡張は、しぼんだインプラントの内側部分を押し、心室壁への拡張及び取り付け(密閉)においてそれを支援する。本明細書に記述された機械的なエキスパンダーは、上述したバルーンエキスパンダーと比較して利点を有するかもしれない。例えば、機械的なエキスパンダーは、正確にコントロールされるかもしれない。さらに、機械的なエキスパンダーは、より最適にインプラントと接触するように形づくられるかもしれない。最後に、機械的なエキスパンダーは、より小さい断面積を有しながら、バルーンよりも大きく拡張可能であり、それにより、より小さい直径の送り込み/ガイドカテーテルを可能にする。さらに、機械的なエキスパンダーは、加圧された膨張流体を必要としなくてもよい。
【0066】
図16〜
図21は、機械的なエキスパンダーの変形例を図示する。例えば、
図16に示されるように、フレーム80は、示されるように、静止位置(resting position)が拡張された位置であるような形状において、ヒートセット・ニチノール、あるいは他の形状記憶材料で形成されてもよい。フレームは、レーザーカット(laser cut)でフレーム80の支柱86を形成するチューブで作製されてもよい。この構成において、心棒84は、ガイドカテーテルを通り進められてもよいように、フレームを半径方向に圧縮するために押されてもよい。その後、心棒84は、支柱86を半径方向に拡張しフレーム80を拡張するために引かれてもよい。
図17に示すように、フレーム80は、端を引き近位及び遠位端を離すことでしぼませてもよい。述べたように、フレーム(アーム/支柱)は、拡張された又は非拡張の形状において、ヒートセット・ニチノール、あるいは他の形状記憶材料から少なくとも一部分が作製されてもよい。フレームは、レーザーカットでありフレーム80の支柱86を形成するチューブで作製されてもよい。この構成において、心棒84は、ガイドカテーテルを通り進められてもよいように、フレームを半径方向に圧縮するために押されてもよい。その後、心棒84は、フレーム80を拡張するために支柱86を半径方向に拡張するように引かれてもよい。ニチノールのようなフレーム80の材料は、支柱が拡張するように熱処理されてもよい。
図18に示すように、フレーム80は、その軸長に沿って対称あるいは非対称の形状を有してもよい。例えば、
図18では、フレームは涙形状である。いくつかの変形例において、涙形状の広い直径領域は、より近位へ、インプラントが最大に拡張する(及び心室の壁と接触する)ところの領域に、より近くに位置する。ニチノールのようなフレーム80の材料は、支柱がフレームの遠位または近位端で拡張するように熱処理されてもよい。この実施形態において、インプラントを開くためより少ない放射状の拡張を要するならば、フレームは、装置のさらに下で装置10に接触してもよい。
図19に示すように、フレーム80は、完全に円形状へ拡張するかもしれない。
図20に示すように、フレーム80は、螺旋状のカット・チューブで作製されてもよい。ニチノールのようなフレーム80の材料は、支柱が拡張する素地を与えられるように熱処理されてもよい。この構成は、拡張部材フレームの螺旋がインプラントのリブに対してある角度でフレームアームに置かれるので、フレーム80の少なくとも一部が装置10のリブ14上で装置10と接触するような状態である。よって、フレームは、膜よりもむしろインプラントのリブを優先的に押すかもしれない。
図21は、曲げ変形(ヒンジ)領域にバイアスをかけるために、フレームを形成するアームが切断される実施例を図示する。この実施例において、フレーム材料における切断部88は、指定の場所でフレームが曲がるように構成される。詳細な図は
図21Aに示される。切断部88は、いずれの適切な装置形状に関して適している場所に設けられてもよい。
【0067】
図22〜
図23Bに示すように、機械的な拡張部材(例えばフレーム80)及びカテーテル32(例えばガイドカテーテル)は、単一のチューブ長で作製されてもよい。
図22に示される実施例では、送り込みカテーテル32の柔軟な部分を形成するために、チューブの遠位端領域は、チューブに切り込まれた凸部をもつスロット90を含んでいる。チューブのより遠位端の方に向かって、フレーム80の拡張可能な支柱86を形成するために、チューブへスロット92が切り取られる。いくつかの変形例において、凸部をもつスロット90は、単一の連続的な螺旋形のカットによって形成されてもよい。あるいは、凸部をもつスロットは、送り込みカテーテル部分の長さに沿って複数の周方向のカットによって形成されてもよい。この実施形態におけるカテーテル32は、回転可能で良好な押し/引き応答性をいまだ有しながら、標準のハイポチューブよりも柔軟かもしれない。
図23A及び
図23Bは、機械的な拡張部材を有するカテーテルを形成するために形成可能なレーザーカット用のいくつかの「展開された」テンプレートの部分的な図を図示する。例えば
図23Aは、カテーテルの長軸と平行に延びるレーザーカットアームを有するバージョンを示し、一方、
図23Bは、一旦構成されたならば、レーザーカットアームがカテーテルの周面のまわりに螺旋状をなすバージョンを示している。
【0068】
図22に示されるように、送り込みシステムは、カテーテル内に、さらにチューブ及び/又はシャフト94を含んでもよい。
図24は、このチューブのより詳細な実施例を示す。チューブ/シャフト94は、装置10を解放するために、連結機構82(あるいは連結機構の一部となる)に連結されるように構成されてもよい。チューブ/シャフト94は、カテーテル32の静止部分から独立して移動し、トルクシャフトと呼ばれるかもしれない。あるいは、又はさらに、チューブ/シャフト94は、いかなる適当な液体も注入されるかもしれない管腔を含んでもよい。
図24に示すように、システムは、さらにプルワイヤー96を含んでもよい。この実施例において、プルワイヤーは、仕切装置を操縦し位置決めするため、カテーテルの遠位端を引き及び/又はそらすように機能してもよい。示されるように、プルワイヤーは、トルクチューブ94を通り抜ける必要がないが、チューブ及び/又は送り込みカテーテル32の外部に沿って延在することができるかもしれない。
図25は、ガイドカテーテルの一部を越えて押し出されたプラスチック・カバー98を含むガイドカテーテルの一つの変形例を示す。別の変形例において、カテーテルは、プラスチックであり、また、機械的な拡張部材は、それに固定される。いくつかの実施形態において、トルクチューブ上にプラスチックを接合するためにリフロープロセスが利用されてもよい。
【0069】
一般的に、ニチノールのような形状記憶または超弾性材料で機械的な拡張部材を形成することは有益である。しかしながら、カテーテルの静止部分(例えば拡張部材に近位の本体領域の静止部分)を、ステンレス鋼のような異なった材料で形成することは望ましいかもしれない。
図26は、ニチノールの機械的な拡張領域と、ステンレス鋼の近位領域とを有するカテーテル(あるいはカテーテルの領域)の一つの変形例を図示する。
図26において、ガイドカテーテル32及びフレーム80を単一のチューブによって形成するよりもむしろ、カテーテルは、第1の材料(例えばステンレス鋼)の第1チューブによって形成され、機械的な拡張部材のアームを形成するフレーム80は、第2の材料(例えばニチノール)から形成されてもよい。この構成は、送り込みシステムがよりコスト効率の良い方法で作製されることを可能にするかもしれない。
図26に示すように、フレーム80の近位端及び送り込みカテーテルの遠位端は、送り込みカテーテルの遠位端へフレーム80の近位端を折る(snap)ように構成されたカット100を含んでもよい。カット100は、単純な溶接が生成するものを越えた、強化されたカラム強度を提供するので、フレーム80と送り込みカテーテル32との間の良好な機械的インタフェースを提供する。カット100は、また、タブが曲がることを可能にするかもしれないし、チューブが結合されることを可能にするかもしれない。チューブをともに折った後、カット100は溶接され、タブの柔軟性を取り除きながら閉じられ、それによりタブをともにロックする(最終生産物における欠陥をもたらすかもしれない、溶接される異種金属を必要とせずに)。
【0070】
いくつかの変形例において、拡張可能な部材は、
図27A及び
図27Bに示されるように、圧縮空気を用いることに基づいた部材であり、あるいは液圧に基づいた部材である。この実施例において、拡張可能な部材は、仕切装置を開かせ及び/又は心室壁にそれを密閉するため、仕切装置10の内面18に圧力を加えるように構成される液圧式システムを含んでもよい。このシステムは、装置10を拡張するために仕切装置10の内面18に対して加圧された流体流れを加えるような迅速な食塩導入あるいは他の適切なシステムを用いてもよい。いくつかの変形例において、システムは、装置及び/又は装置を取り囲む領域の放射線不透過性を援助するために造影剤(contrast)を注入してもよい。拡張部材は、仕切装置を展開するために、仕切装置に対して流体を送るように異なった方向/角度で配向された複数のポートを有する流体送り込み部材(チューブ、通路など)を含んでもよい。
【0071】
一般的に、仕切装置10が心室内に適切に位置決めされた後、仕切装置10は展開され、及び/又はガイドカテーテルから解放されてもよい。
図28A〜
図32に示されるように、送り込みシステムは、展開システム、つまりハンドルのいくつかの変形例の一つを含んでもよい。装置の展開は、制御された方法で好ましくは行なわれる。
図28A〜
図28Bに示されるように、システムは、「ピストル形グリップ」ハンドルを含んでもよい。この実施形態は、以下の特徴部分の何かを含んでもよい。即ち、仕切装置10を片手で動作/展開及び解放する、解放の前に仕切装置の回転を可能にするためハンドルとカテーテルとの間の調和された相互作用、仕切装置の解放の前に展開フレーム80の複数の拡張を可能にするトーションバネ、以下により詳しく述べるような引っ掛けピン・連結機構82、及び、送り込みシステム内に予め装填された仕切装置。
【0072】
図29に示される一つの変形例において、システムは、「握りグリップ」ハンドルを含んでもよい。このハンドルは、また、上に列挙した特徴部分のいかなる組合わせを含んでもよい。
図30は、「握りグリップ」ハンドルの別の変形例を示し、これはプルワイヤーの収縮/伸張を駆動するための引き金のような制御を有し、機械的な拡張部材及び/又は連結エレメントに接続されてもよい。
図31に示されるように、システムは、「遠隔グリップ」ハンドルを含んでもよい。このハンドルは、引き金102、スライダー104、及び/又はボタンのような機構によって作動されてもよい。
図32に示すように、システムは、「スライディンググリップ」ハンドルを含んでもよい。このハンドルは、ラチェットで動く親指ボタン106のような機構によって作動されてもよい。本明細書に記述されるハンドルのいずれも、拡張制御及び/又は展開制御の一部として用いられてもよい。
【0073】
仕切装置は、送り込みカテーテルに連結され、次に、いくつかの実施形態の一つにおいて解放されてもよい。いくつかの実施形態において、送り込みシステム内のトルクシャフトは、ハブ12から送り込みカテーテル32の螺旋形のコイルねじ53を外すために回転する。トルクシャフト48の回転は、ハブ12内に固定された連結バー20に乗る螺旋形のコイルねじ53を回転させる。一旦、螺旋形のコイルねじ53が連結バー20と非係合になれば、ガイドカテーテル31及び送り込みカテーテル32を含む送り込みシステム30は、患者から取り除かれてもよい。別の実施形態において、
図33に示されるように、連結機構は、引っ掛けピン機構108である。引っ掛けピン108は、いくつかの部品を含んでもよい。例えば、引っ掛けピンは、保持/解放機構の進入を可能にする装置足部12における機構110を含んでもよい。さらに引っ掛けピンは、穴部(機構110)を部分的に制限するように構成された、機構110内に機構112を含んでいる。いくつかの変形例において、機構112は横ピンである。機構113は、チューブの遠位端における切込114を有するチューブであってもよい。機構115は、その遠位端に球状の機構116を有するロッドであってもよい。チューブ113が適所にある状態で、球状の機構116は、過ぎた横ピン112に取り付けることができない。しかしながら、一旦機構113が除去されると、ロッド115及び端116は、除去することができる。チューブ113は、近位の方向にチューブを引くことにより除去される。この動作は、螺旋形のねじの実施形態を切り離すために要求される回転運動よりも単純かもしれない。
【0074】
図3Eに示されるように、仕切り部品10は、患者の心腔57を、主な生産的な、つまり動作部分58と、第2の、本質的に非生産的な部分59とに仕切る。いくつかの実施形態において、動作部分58は、元の心室57よりもずっと小さく、改善された駆出率を提供する。仕切をすることは、駆出率を増加させて、血流における改善を提供する。
【0075】
いくつかの実施形態において、特定の患者のために最も適切に大きさが合わされ構成された仕切装置を選択することは望ましいかもしれない。このことは、いくつかの異なった変形例の一つにおいて行われるかもしれない。いくつかの実施形態において、患者は、適切な装置サイズを決定するために予め測定されるかもしれない。患者は、これらに限定されないが、機械的なあるいは液圧式の測定具、3Dエコー、CATスキャン、又はLVグラム(LV-gram)を含む、多くの適当な方法のうちの一つで測定されるかもしれない。
【0076】
いくつかの実施形態において、頚部血管を通り装置を配置する方法は、以下の工程を含んでもよい。即ち、局所麻酔、頚部血管へのガイドワイヤの挿入、心室中隔を横切ってガイドワイヤを進める、ワイヤーにわたって位置へ送り込みシステム(及び仕切装置)を進める、心尖へ遠位の先端及び仕切装置を駆動する、インプラントを展開する、ガイド及び送り込みカテーテルを引っ込める。いくつかの実施形態において、大腿血管を通り装置を配置する方法は、以下の工程を含んでもよい。即ち、局所麻酔、大腿血管にガイドワイヤを挿入する−適切な位置決めのためLVグラムを用いてもよい、心室中隔を横切ってガイドワイヤを進める、ワイヤーにわたって弁を横切り位置へ送り込みシステム及び仕切装置(いくつかのケースではガイドカテーテルなしで)を進める、心尖へ遠位の先端及び仕切装置を駆動する、インプラントを展開する、ガイド及び送り込みカテーテルを引っ込める。
【0077】
発明の特定の形態が本明細書に図示され記述されているが、様々な変更及び改善が発明になされることが可能なことは明白だろう。さらに、発明の実施形態の個々の特徴は、いくつかの図において示され、他の図に示されていないかもしれないが、しかしながら、当業者は、発明の一つの実施形態の個々の特徴が別の実施形態のいずれかあるいは全ての特徴と組み合わせることができることを認識するだろう。したがって、発明が説明された特定の実施形態に制限されることを意図するものではない。先行技術と同じくらい広く定義される添付した請求の範囲によってこの発明が規定されるべきであることが意図される。