(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912213
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】生体液中の分析物を測定するためのサイズ自己制御式組成物および試験装置
(51)【国際特許分類】
G01N 33/52 20060101AFI20160414BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20160414BHJP
C12Q 1/00 20060101ALI20160414BHJP
C12Q 1/54 20060101ALI20160414BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20160414BHJP
G01N 33/66 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
G01N33/52 B
C12M1/34 E
C12Q1/00 Z
C12Q1/54
G01N27/46 338
G01N33/66 A
G01N33/66 C
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2007-546857(P2007-546857)
(86)(22)【出願日】2005年12月12日
(65)【公表番号】特表2008-523415(P2008-523415A)
(43)【公表日】2008年7月3日
(86)【国際出願番号】US2005045235
(87)【国際公開番号】WO2006065900
(87)【国際公開日】20060622
【審査請求日】2008年12月11日
【審判番号】不服2014-8372(P2014-8372/J1)
【審判請求日】2014年5月7日
(31)【優先権主張番号】60/635,711
(32)【優先日】2004年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507021757
【氏名又は名称】バイエル・ヘルスケア・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】マーファート,カレン・エル
【合議体】
【審判長】
中島 庸子
【審判官】
▲高▼ 美葉子
【審判官】
長井 啓子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−535615(JP,A)
【文献】
特表平6−504376(JP,A)
【文献】
特表2001−525554(JP,A)
【文献】
特表平11−508693(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/113917(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00−3/00
C12M 1/00
G01N 33/00
BIOSIS/WPI(DIALOG)
PuMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体液中の分析物の量を測定するための反応性製剤であって、
(a)0.05〜10μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含有する水溶性膨張可能ポリマー基質と;
(b)前記分析物と反応するための酵素系と;
を含み、
前記非水溶性粒子の前記水溶性膨張可能ポリマー基質に対する重量比が、1/2から2/1であり、前記反応性製剤が6〜16μmの厚さのコーティングとして適用される、前記反応性製剤。
【請求項2】
前記分析物がグルコースであり、前記酵素系がヘキソキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ−PQQ、およびグルコースオキシダーゼからなる群の1つの構成分子を含む、請求項1に記載の反応性製剤。
【請求項3】
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、およびその共重合体からなる群の少なくとも1つの構成分子を含む、請求項1に記載の反応性製剤。
【請求項4】
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、100,000より低い分子量を有する、請求項1に記載の反応性製剤。
【請求項5】
前記非水溶性粒子が1〜10μmの公称サイズを有する、請求項1に記載の反応性製剤。
【請求項6】
生体液中の分析物の量を測定する方法であって、
(a)前記生体液の試料を試験ストリップに適用するステップ〔ここで、前記試験ストリップが非多孔質基質を含み、その上に、0.05〜10μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含有する水溶性膨張可能ポリマー基質を含む製剤中の前記分析物と反応するための酵素系を含む単一膜が沈着され、前記非水溶性粒子の前記水溶性膨張可能ポリマー基質に対する重量比が、1/2から2/1である〕;および
(b)光学的または電気化学的方法によって前記酵素系に対する前記試料の反応を測定するステップ;そして
(c)前記生体液中に存在する前記分析物の量または濃度を測定するステップ;
とを含み、前記膜が6〜16μmの厚さを有する、前記方法。
【請求項7】
前記分析物がグルコースであり、前記生体液が全血である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記酵素系が、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
全血中のグルコース含有量を測定する反応性製剤であって、
(a)0.05〜10μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含有する水溶性膨張可能ポリマー基質と;
(b)前記グルコースを酸化する酵素系;
(c)指示薬と;
を含み、前記非水溶性粒子の前記水溶性膨張可能ポリマー基質に対する重量比が、1/2から2/1であり、前記反応性製剤が6〜16μmの厚さのコーティングとして適用される、前記反応性製剤。
【請求項10】
全血試料のグルコース含有量を測定する試験ストリップであって、
(a)非多孔質な基質;
(b)(1)0.05〜10μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含有する水溶性膨張可能ポリマー基質;(2)前記グルコースを酸化するための酵素系;および(3)指示薬;を含む、前記非多孔質な基質上に沈着される試薬層;
(c)(b)の前記試薬層用の保護カバー;
(d)前記試薬層と前記保護カバーの間にあり、前記血液試料を受けるための毛細チャネルを有する接着層;
を含み、前記試薬層が6〜16μmの厚さを有し、前記非水溶性粒子の前記水溶性膨張可能ポリマー基質に対する重量比が、1/2から2/1である、前記試験ストリップ。
【請求項11】
前記非水溶性粒子が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスからなる群の少なくとも1つの構成分子である、請求項1に記載の反応性製剤。
【請求項12】
前記非水溶性粒子が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスからなる群の少なくとも1つの構成分子である、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記非水溶性粒子が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスからなる群の少なくとも1つの構成分子である、請求項9に記載の反応性製剤。
【請求項14】
前記非水溶性粒子が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスからなる群の少なくとも1つの構成分子である、請求項10に記載の試験ストリップ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の属する分野
〔0001〕 本発明は概して、生体液中の分析物量を測定するのに使用される製剤に関する。重要な一応用例では、本発明は、血液または他の流体のグルコース含有量を測定するのに適用される。
【0002】
発明の背景
〔0002〕 全血などの生体液中の分析物の定量測定は、特定の医学的症状の診察および治療において非常に重要である。例えば、自らの食餌および薬剤を調整するために血液中のグルコースレベルを頻繁に試験しなければならない、糖尿病患者の血液中のグルコースレベルの測定などである。血液のグルコース含有量の測定はいくつかの方法によって行うことができる。1つの方法は、グルコース含有量を測定電流に関連させる電気化学バイオセンサを利用する。別の方法は、指示薬の反応により発色することなどによって、グルコース含有量の視覚的指標を提供する。本発明は光学的測定に特に有用であるが、電気化学的バイオセンサへの応用例もある。
【0003】
〔0003〕 一連の反応の最後のステップとして化学的に酸化された場合に、発色する指示薬または他の測定可能な反応を利用する方法を記載した多くの特許があった。例えば、分析物酸化酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)または分析物デヒドロゲナーゼ(例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ)などの酵素を利用する方法である。使用される方法は同様であるが、異なる酵素、メディエータ、および指示薬を利用する。
【0004】
〔0004〕 グルコースオキシダーゼ酵素を利用する方法は、多くの米国特許および特許出願において教示される。代表的なものは、米国特許第4,211,845号、第4,808,529号、第5,116,729号、第5,264,348号、第5,620,863号、および特許出願公開第2003/0077702A1号である。これらの特許は、グルコースが過酸化水素の放出によりグルコン酸に酸化される方法を教示しる。過酸化水素は、ペルオキシダーゼの存在下において指示薬を酸化して、血液試料のグルコース含有量を示す測定可能な色を発色すると言われる。いくつかの最近の特許は、グルコースが最初にグルコン酸に変換され、その後、過酸化水素の放出によりグルコノラクトンに変換される過程を示唆している。また、グルコノラクトンが最初に形成され、その後、グルコン酸に加水分解されることも示唆された。どの方法スキームが正しいかに関わらず、グルコースオキシダーゼ酵素は、乾式ストリップ法、および血液のグルコース含有量を測定するための他の技術で幅広く使用されてきた。
【0005】
〔0005〕 グルコースセンサで、ベンジンタイプの指示薬および複素環アジンなどの様々な指示薬が使用されてきた。例えば、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンおよびシリンガルダジン、ルミノール、o-トリジン、o-ジアニシチン(O-dianisitine)などである。別の群の指示薬は、テトラゾリウム色素前駆体である。このような指示薬を記載した特許の例としては、米国特許第5,126,275号、第5,322,680号、第5,300,637号、第5,290,536号、第5,360,595号および第6,586,199号が挙げられる。テトラゾリウム指示薬は、以下に記載する本発明の好ましい態様で使用される。
【0006】
〔0006〕 本発明に関して特に興味深いことは、米国特許第6,200,773号およびその親特許である米国特許第5,902,731号に記載された方法である。これらの特許では、血液のグルコース含有量の試験は、共同因子NADまたはPQQあるいはその誘導体としてグルコース脱酸素酵素、テトラゾリウム色素前駆体、ジアフォラーゼ酵素または類縁物質、および亜硝酸塩を利用する。第'773号特許の
図5は、テトラゾリウム色素前駆体のホルマザンへの還元による色の発色によってグルコースが検出される方法の図である。
【0007】
〔0007〕 血液中のグルコースの量を測定するための酵素の使用に関する初期の特許は、米国特許3,630,957号である。グルコースオキシダーゼおよびペルオキシダーゼを耐水性ポリマーフィルム中に均一に分散させて、グルコースと反応させ、そして発色させた。フィルムは、基質、例えばポリマーフィルム上に支持することができる。石灰の粉末(chalk)、二酸化チタン、コロイド状珪酸(実施例で使用)などを含む充填物を加えることができ、フィルムを不透明にするために顔料を含めることができることが示唆された。血液は試薬含有フィルムに適用され、その後発色された色を読み取る前に拭き取られた。赤血球によるグルコース測定との干渉を少なくするために不透明な充填剤を使用することはまた、米国特許第5,968,765号で検討された。
【0008】
〔0008〕 興味深い別の特許は、米国特許第4,312,834号であり、大きな成分のアクセスをブロックしながら、試薬へのアクセスを提供する細かい不溶性粒子を含む耐水性フィルムの使用を記載する。フィルムは、フィルム、箔などの担体上に支持することができた。特許権者は、特定の分子のアクセスに関心を持っており、細かい粒子(「フィルムオープナ」と呼ぶ)の量は特定の限度を有するべきであることを述べた。珪藻土ゲル、シリカゲル、および石膏などの様々なタイプの粒子が提案された。二酸化チタンは、フィルムオープナ、およびフィルムの回復性を良くする手段の両方として提案された。一般的に、200〜400μmの比較的厚いフィルムが、実施例における基質フィルム上に沈着され、ある場合では、多数の層が適用された。第'957号特許と同様に、試料、例えば血液の過剰分は反応が起こった後に拭き取られた。
【0009】
〔0009〕 試験ストリップは、多くの特許で記載されてきた。というのも、それらが生体試料中の分析物の検出に幅広く使用されるからである。各試験ストリップ応用例は、正確かつ一貫性のある結果を得ようとする場合に克服しなければならない独自の問題を有する。全血を試験することは、赤血球がグルコースの存在を示すように発色された色、または電子化学的測定に干渉しないことが必要である。ある場合では、特定の成分が試験ストリップ中に含まれており、それによって赤血球が試料から濾過される。別の場合では、所定の期間の経過後に試料が拭き取られ、それによって発色された色を測定することができる。全血を試験する場合に起こる別の問題は、試料中の赤血球の濃度に関する。赤血球は一般的に、試料中の赤血球の量によって測定され、ヘマトクリット値と呼ばれる。ヘマトクリットは血液試料中で20から60%まで変化することがあるので、グルコース測定が影響を受けることがある。また、グルコースを保持する血漿を発色させるために試薬に移動させること(または、電気化学的反応)は、遅らされるまたは不完全である可能性がある。
【0010】
〔00010〕 グルコースと反応する試薬に赤血球が到達することを防ぐことは、当業界の多くの作業者の関心事であった。上記の第'765号特許の試験ストリップでは、特にポリアクリル酸、指示薬および不透明な充填剤、例えば二酸化チタン、タルクなどを含んだ、全血から赤血球を分離させる薬剤が50.8から5080μm(0.002から0.2インチ)厚さの多孔質膜に添加された。コーティング溶液は、多孔質膜の表面に沈着され、または膜内に吸収された。
【0011】
〔00011〕 米国特許第5,306,623号では、全血を分離することが可能なコーティングが、ポリビニルスルホン酸、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびポリアクリル酸を含むポリマーの群から選択された。分離コーティングは、血液を試験するための試薬と共に多孔質基質上に沈着された。
【0012】
〔00012〕 全血のヘマトクリットに対する血液試験ストリップの感度は、米国特許第5,789,255号で検討された。発明者は、0.1〜2%w/vの高分子量(>750,000)アクリル酸ポリマーの追加により、グルコース測定に対する様々なヘマトクリットの効果が少なくなることを発見した。
【0013】
〔00013〕 全血試料中のグルコースを測定する理想的な試験ストリップは、血液試料のヘマトクリットに関係なく、迅速、正確かつ一貫性のある結果を提供する。安定した端点と組み合わせた速い反応時間は、明らかに時間にあまり依存しておらず、したがって使用者の手の中でより便利な試験を提供する。使用者にとって重要な別の態様では、試験ストリップは適用された血液の量に反応しないものであるべきである。以下により詳細に説明する試験ストリップは、その理想的な性能に近づく。
【0014】
発明の概要
〔00014〕 本発明は一般的に、生体液中の分析物を測定する光学的または電子化学的方法で使用されるサイズ自己制御式試薬製剤、および試薬製剤を含む試験ストリップに関する。グルコースは特に興味深い分析物であるが、他の生体液中の他の分析物は本発明の範囲内にあると考えられる。
【0015】
〔00015〕 本発明の製剤は一般的に、約0.05から20μm、好ましくは約1から10μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含む水溶性膨張可能ポリマー基質と、分析物と反応するための酵素系を含む。非水溶性粒子の水溶性膨張可能ポリマー基質に対する重量比は、約1/2から2/1である。
【0016】
〔00016〕 好ましい一態様において、本発明の試薬製剤は、反応剤として、グルコースと反応するための酵素系、および指示薬を含む。酵素系としては、グルコースデヒドロゲナーゼ、およびこの酵素に対する共同因子、例えばNAD、テトラゾリウム塩指示薬、および特に好ましい態様におけるメディエータとしての酵素ジアフォラーゼが含まれる。試薬は、小さな非水溶性粒子、好ましくは二酸化チタンおよび炭酸カルシウムを含む水溶性膨張可能ポリマー基質と組み合わされる。ポリマー基質は、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体から選択されることが好ましい。粒子のポリマー基質に対する重量比は、約1/2から2/1であることが好ましい。試験ストリップを作る際、本発明の製剤は、非多孔質基質上で、約6から16μm、好ましくは約7から10μmの厚さの膜として成型される。膜は、毛細チャネル、および試験ストリップを終了させる保護トップを含む接着層で覆われる。カバーは、透明または半透明であってもよい。
【0017】
〔00017〕 別の態様では、本発明は、迅速かつ安定した反応を与え、試料の量に反応しない、生体液中の分析物、例えば全血中のグルコース用の光学的または電子化学的方法による試験方法である。本発明の方法は、薄膜が非多孔質基質上に成型される試験ストリップを利用し、膜は水溶性膨張可能ポリマー基質中に0.05から20μm、好ましくは1〜10μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含む。薄膜は、好ましくは約6から16μmの厚さ、より好ましくは約7から10μmの厚さをしており、反射性粒子のポリマー基質に対する重量比は約1/2から2/1であることが好ましい。
【0018】
好ましい態様の記載
〔00022〕 本発明は概して、グルコース、ラクテート、コレステロール、トリグリセリド、遊離脂肪酸、ビリルビン、アスコルベート、過酸化水素、および尿酸を含む(しかしこれらには限られない)、生体液中の分析物を測定するための製剤に関する。本発明の重要な一応用例は、全血のグルコース含有量を測定することであり、以下においてより詳細に説明する。製剤は、グルコースを測定するのに使用するための他の試薬に代えることができることが当事者には明らかである。
【0019】
血液中のグルコース測定
光学的方法
〔00023〕 血液中のグルコースは、ヘキソキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ-PQQ、およびグルコースオキシダーゼを含む(しかしこれらには限られない)、グルコースを酸化するための酵素を利用する試薬システムによって測定することができる。
【0020】
〔00024〕 グルコースオキシダーゼを利用する方法では、これらの酵素がグルコースと反応して、酸化グルコースおよび過酸化水素を生成する。過酸化水素は、ペルオキシダーゼの存在下で指示薬化合物を酸化する。酸化された指示薬は、血液試料のグルコース含有量に相関する色を発色する。
【0021】
〔00025〕 本発明の他の態様では、NAD、FADまたはPQQなどの共同因子、メディエータ、例えばジアフォラーゼ、およびテトラゾリウム色素前駆体などの指示薬と共にグルコースデヒドロゲナーゼを使用して、試料のグルコース含有量に比例する視覚的な反応を生成する。このような反応は通常、以下の一連の反応で説明される:
グルコース+GDH-共同因子
oxid→グルコノラクトン+GDH-共同因子
red
GDH-共同因子
red+メディエータ
oxid→GDH-共同因子
oxid+メディエータ
red
メディエータ
red+テトラゾリウム指示薬→メディエータ
oxid+ホルマザン。
【0022】
〔00026〕 一連の反応に従って、グルコースはグルコノラクトンに変換され、デヒドロゲナーゼ-共同因子が還元され、その後利用可能なグルコースとのさらなる反応のためにメディエータによって再び酸化される。
【0023】
デヒドロゲナーゼ
〔00027〕 グルコースとの反応に特異的なデヒドロゲナーゼは、グルコースデヒドロゲナーゼと呼ばれる。これらは、Toyobo、Kyowa、Amano、Genzyme、Biozymeその他から市販されており、伝統的な発酵および/または組換え方法によって作り出される天然酵素または組換え酵素のいずれかである。効果的にするため、このようなデヒドロゲナーゼは、NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)およびその誘導体、FAD(フラビン・アデニン・ジヌクレオチド)およびその誘導体、およびPQQ(ピロロキノリンキノン)およびその誘導体などの共同因子を必要とする。
【0024】
メディエータ
〔00028〕 メディエータは一般に、グルコースとの反応して対応するラクトンを形成した後に、還元されたデヒドロゲナーゼ-共同因子を再び酸化するのに使用される。メディエータ(米国特許第6,200,773号では水素化物エキストラクタと呼ばれる)の例としては、ジアフォラーゼ、PMS(フェナジンメトサルフェート)、PES(フェナジンエトサルフェート)、DCIP(2,6-ジクロロフェノールインドフェノール)、およびフェロセンが含まれる。電子化学的センサで一般に使用されるメディエータは、フェリシアニドである。
【0025】
テトラゾリウム指示薬
〔00029〕 テトラゾリウム指示薬は一般に、米国特許第5,360,595号および上記その他に記載される。米国特許第6,200,773号では、特定のテトラゾリウム色素前駆体は、デヒドロゲナーゼ-共同因子の組み合わせとの反応において特に有用であると記載される。特に、WST-4と示されたテトラゾリウム化合物が以下の実施例で使用される。
【0026】
支持基質
〔00030〕 本発明の試薬層は一般に、実質的に非多孔質な支持基質、一般にはポリエステル、ポリカーボネートなどのポリマーストリップまたはハンドル上に配置される。このようなストリップは、発色された色を読み取るのに使用される器具とともに使用するために適した寸法を有する。例えば、実施例に記載されたストリップは、約1.5×4.1 mm(0.060×0.160インチ)であり、約51μm(0.002インチ)の厚さを有する。本発明には重要ではないが、基質は光学的に透明であることが好ましく、試薬担持層などの他の表面への付着を助けるように、製造中に適用された1つまたは複数のコーティングを含むことができる。
【0027】
電子化学的方法
〔00031〕 電子化学的センサでは、測定され、試料中の分析物(例えば、グルコース)の量に相関する電流を生成するために、血液(または、他の)試料に接触する電極に電位が印加される。電極は、試料中の分析物を酸化する酵素試薬、および還元された酵素を再び酸化するメディエータを含む固体層と接触する。反応物質は以下のステップで説明することができる:
グルコース+E
oxid→E
red+酸化グルコース(グルコノラクトン)
E
red+n Med
oxid→n Med
red+E
oxid
n Med
oxid→Med
oxid+ne
-。
【0028】
〔00032〕 式中、E
oxidおよびE
redは、酵素の酸化還元中心の酸化型および還元型であり、Med
oxidおよびMed
redは、メディエータの酸化型および還元型である。
〔00033〕 普通、電子化学的センサで使用される反応製剤は、指示薬が必要ではないことを除いて、光学方法で使用されるものと同様である。
【0029】
試薬層製剤
〔00034〕 本発明の試薬層は、血液試料中のグルコースと反応し、迅速および均一な反応を生じさせる、試薬を含む単一の極めて薄い層である。試薬層は、赤血球などの大きな粒子の移動をブロックし、所望の成分の移動を可能にするという点において、サイズ自己制御式であることを特徴とすることができる。一般には、非水溶性粒子を含む水溶性膨張可能ポリマー基質、およびグルコースデヒドロゲナーゼおよびその共同因子などのグルコースとの反応のための酵素、メディエータ、および光学的検出が使用される場合の指示薬として説明することができる。追加の成分としては、洗浄剤、界面活性剤などを挙げることができる。
【0030】
〔00035〕 ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体が含まれていてもよい。一般的に、このようなポリマーは、低分子量オリゴマーを含む、比較的低い分子量、例えば100から100,000ダルトンを有することを特徴とする。このようなポリマーは、水溶液中で高い溶解度を有し、一般的に低い粘度を有する。これらは普通、所望のpH、例えば7.5を維持するように緩衝化された溶液中に溶解される。ポリマーは、全血などの中性pH溶液中で再水和された場合に迅速に膨らむ。このようなポリマーは分析物(例えば、グルコース)の試薬への迅速なアクセスを提供することが考えられる。
【0031】
〔00036〕 粒子としては、二酸化チタン、カルボン酸カルシウム、ベントナイト粘土、シリカ、硫酸化バリウム、粉末金属、ラテックスなどが含まれていてもよい。適切な粒子は基本的に水に溶けることができず、約0.05から20μmの公称サイズを有するが、1から10μmの範囲であることが好ましい。粒子は、試薬または試料成分の望ましくない移動を可能にする細孔を有するべきではない。
【0032】
〔00037〕 洗浄剤および界面活性剤としては、特に、Silwet L-7600(ポリジメチルシロキサンメチルエトキシレート)、Gerepon T-77(ナトリウムN-オレイル-N-メチルタウレート)、Zwittergentt 3-12(N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオー1-プロパンスルホネート)などの一般用材料(proprietary material)が含まれていてもよい。
【0033】
〔00038〕 含めることができる他の添加物は、乳化剤、湿潤剤、増粘剤、顔料、および同様の添加物である。
〔00039〕 コーティングを適用および乾燥させた後、反射性粒子のポリマー基質に対する重量比は一般に、約1/2から2/1の間である。適用したように、コーティングは6から16μmの厚さ、好ましくは約7から10μmの厚さであってもよい。このようなコーティングは、当業界で一般に使用されるものよりずっと薄い。以下の実施例で示すように、このような薄い膜により迅速かつ安定した反応を提供することができることが分かったことは驚くべきことであった。
【0034】
光学的方法用の試験ストリップの作成
〔00040〕 試薬層は、上記成分を、グラビアまたはマイアロッドコーティングなどの、当業者によく知られている技術を使用して基質に適用されそして乾燥される、均一な水性コーティング中に混ぜることによって調製される。コーティングを適用する方法は成功に重要ではないと考えられるので、他のコーティング方法を使用することもできる。
【0035】
〔00041〕 基質にコーティングを適用した後、透明または不透明であってもよい保護トップ、好ましくは親水性コーティングポリエステルで覆われる。追加の不透明な層を加えることもできる。他の2層を結合させ、また血液試料を導入するための毛細通路を形成する接着層が、反応層と保護トップの間に配置される。実施例で分かるように、本発明の試験ストリップは毛細管のサイズには反応しない。すなわち、試験ストリップは、固定量の血液(または、他の生体液)を適用する必要がない。
【0036】
〔00042〕 以下の各実施例では、記載した成分は、基材を作るように均一に混合されるまで、ある期間、最初は低シア、その後高シアでポリマー、緩衝液、粒子、およびアジュバントを蒸留水中に混ぜることによって組み合わされた。その後、診断試薬が基材内に混ぜられ、混ぜられた成分は、10μm厚さのコーティングとして実質的に非多孔質のポリカーボネートまたはポリエステル支持材料のストリップに適用された。50または80μの厚さを有する、3M F9460のスペーサ接着層が添加された。最後に、親水性コーティングポリエステル(3M 9971)の保護トップが、トランスファ接着剤の使用により適用された。不透明な材料の片は、少量の追加された不透明性を与えるように、ポリエステルトップの外側に適用された。
【0037】
電気化学的センサ
〔00043〕 光学的指示薬を除く試薬層は、例えば米国特許出願公開第2001/0042683号に記載したようなものなどの、電気化学的センサを作り出すために電極に適用される。
【実施例】
【0038】
実施例1
〔00044〕 試薬層は、表Aに記載した成分を混ぜ、これらを基質に適用し、上に記載したように試験ストリップを完成させることによって作成された。試験ストリップの性能は、既知量のグルコースを含む全血の少量の試料(約600 nL)を試薬層に加え、ストリップを小さい読み取り領域(例えば、0.75 mm直径)の拡散反射測定機器内に配置し、約60秒の期間にわたって発色された色を読み取ることによって測定された。結果は、K/S、Kubelka-Munk関数(1-R)
2/2Rとして報告され、式中、Rは測定した反射率である。
図1aから分かるように、測定した色強度は、試験した各グルコース濃度に対して期間にわたって一定のままであった。グルコース計の反応は、
図1bに示すように、グルコース含有量に対してプロットされた。反応時間は速く、12秒および52秒間の結果は極めて同様であることが明らかである。したがって、本発明の試験ストリップは迅速な反応を与え、読み取り時間に過度には影響を受けないという結論に達することができる。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例2
〔00045〕 別の試薬層は、表Bに記載した成分を混ぜ、これらを基質に適用し、上に記載したように試験ストリップを完成させることによって作成された。一連の試験は、既知量のグルコースを含む全血試料で、実施例1と同様に行われた。試験の結果は、
図2a〜bに示される。発色された色は、いくつかの追加の色がより高い濃度で発色されたことを除いて、60秒の期間にわたって実質的に一定であったことが分かるだろう。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例3
〔00046〕 試薬層は、表Cに記載した成分を混ぜ、これらを基質に適用し、上に記載したように試験ストリップを完成させることによって作成された。試薬層は実施例1および2と同様に試験された。結果は、
図3a、b、cに示される。
図3aおよび3bは、実施例1および2と同様の結果を報告する。
図2aおよびbに記されたより高いグルコース濃度での追加の色発色は、この実施例では現れない。
【0043】
〔00047〕 追加の結果は
図3cに示される。3つの別個のヘマトクリット(20%、40%、60%)を有する全血の試料が測定され、結果をプロットした。本発明の試験ストリップは、血液中の赤血球の濃度によってあまり影響を受けないことが明らかであろう。
【0044】
【表3】
【0045】
実施例4
〔00048〕 試薬層は、表Dに記載した成分を混ぜ、これらを基質に適用し、上に記載したように試験ストリップを完成させることによって作成された。得られた試験ストリップは、前の実施例と同様に試験された。結果は、
図4a、b、cに示される。測定した色発色の一貫性は、前の実施例で見られるものよりさらに大きい。すなわち、色発色は最初の数秒で実質的に完了するという結論に達することができる。
【0046】
〔00049〕
図4cは、本発明の試験ストリップの別の利点を示す。2つの試験ストリップ設計が比較された。最初のものは、血液試料がそれを通して入る50μmの毛細間隙を有し、第2のタイプは80μmの毛細間隙を有した。
図4cは、毛細間隙の高さの差異および試料容量の得られる変化は、結果に重要な影響を与えないことを示す。この結果に対する理由は明らかではないが、血液試料によって最初に再水和された後に、血液試料から試薬層にグルコースを拡散することができないことによる可能性がある。いずれにせよ、これは本発明の試験ストリップに対する重要な利点を示す。というのは、適用される血液の量に反応しないからである。
【0047】
【表4】
【0048】
〔00050〕
代替実施形態A
生体液中の分析物の量を測定するための反応製剤であって、
(a)水溶性膨張可能ポリマー基質;
(b)約0.05から20μmの公称サイズを有する非水溶性粒子:
(c)前記分析物と反応する酵素系;
とを含み、
前記非水溶性粒子の前記水溶性膨張可能ポリマー基質に対する重量比は、約1/2から2/1である、前記反応製剤。
【0049】
〔00051〕
代替実施形態B
前記酵素系が、グルコース、ラクテート、コレステロール、トリグリセリド、遊離脂肪酸、ビリルビン、アスコルベート、過酸化水素および尿酸からなる群の1つの構成分子と反応するように構成された、代替実施形態Aの反応製剤。
【0050】
〔00052〕
代替実施形態C
前記分析物が、グルコースであり、前記酵素系が、ヘキソキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ-PQQ、およびグルコースオキシダーゼからなる群の1つの構成分子を含む、代替実施形態Aの反応製剤。
【0051】
〔00053〕
代替実施形態D
前記粒子が、二酸化チタン、カルボン酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスの少なくとも1つの構成分子である、代替実施形態Aの反応製剤。
【0052】
〔00054〕
代替実施形態E
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体からなる群の少なくとも1つの構成分子を含んでいる、代替実施形態Aの反応製剤。
【0053】
〔00055〕
代替実施形態F
少なくとも1つの界面活性剤、洗浄剤(detergent)、または増粘剤をさらに含む、代替実施形態Aの反応製剤。
【0054】
〔00056〕
代替実施形態G
約6から16μmの厚さを有するコーティングとして適用される、代替実施形態Aの反応製剤。
【0055】
〔00057〕
代替実施形態H
前記コーティングが7から10μmの厚さを有する、代替実施形態Gの反応製剤。
〔00058〕
代替実施形態I
前記水溶性膨張可能ポリマーが、約100,000より低い分子量を有する、代替実施形態Aの反応製剤。
【0056】
〔00059〕
代替実施形態J
前記非水溶性粒子が約1から10μmの公称サイズを有する、代替実施形態Aの反応製剤。
〔00060〕
代替方法K
生体液の試料を試験ストリップまたは電子化学センサに適用し、前記試料の量に反応しない迅速かつ安定した反応を得ることによって、生体液中の分析物の量を測定する方法であって、
(a)前記生体液の試料を前記試験ストリップまたは電子化学センサに適用するステップ(ここで、前記試験ストリップまたは電子化学センサが非多孔質基質を含み、その上に、水溶性膨張可能ポリマー基質、および約0.05から20μmの公称サイズを有する非水溶性粒子を含む製剤中の前記分析物と反応するための酵素系を含む薄膜がその上に沈着される);および
(b)光学的または電子化学的方法によって前記酵素系に対する前記試料の反応を測定し、前記生体液中に存在する前記分析物の量を測定するステップ;
とを含む、前記方法。
【0057】
〔00061〕
代替方法L
前記分析物がグルコースであり、前記生体液が全血である、代替方法Kの方法。
〔00062〕
代替方法M
前記酵素系が、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを含む、代替方法Lの方法。
【0058】
〔00063〕
代替方法N
前記薄膜が、約6から16μmの厚さを有する、代替方法Kの方法。
〔00064〕
代替方法O
前記薄膜が、約7から10μmの厚さを有する、代替方法Nの方法。
【0059】
〔00065〕
代替方法P
前記粒子の前記ポリマー基質に対する重量比が、約1/2から2/1である、代替方法Kの方法。
【0060】
〔00066〕
代替方法Q
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体からなる群の少なくとも1つの構成分子を含むポリマー基質である、代替方法Kの方法。
【0061】
〔00067〕
代替方法R
前記粒子が、二酸化チタン、カルボン酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスの少なくとも1つの構成分子を含む粒子である、代替方法Kの方法。
【0062】
〔00068〕
代替方法S
前記膨張可能ポリマーが、約100,000より低い分子量を有する、代替方法Kの方法。
〔00069〕
代替方法T
前記非水溶性粒子が約1から10μmの公称サイズを有する、代替方法Kの方法。
【0063】
〔00070〕
代替実施形態U
全血中のグルコース含有量を測定する反応製剤であって、
(a)水溶性膨張可能ポリマー基質;
(b)約0.05から20μmの公称サイズを有する非水溶性粒子;
(c)前記グルコースを酸化する酵素系;
(d)指示薬;
とを含み、
(b)の反射性粒子のポリマー基質に対する重量比が、約1/2から2/1である、前記反応製剤。
【0064】
〔00071〕
代替実施形態V
前記酵素系が、ヘキソキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ-PQQ、およびグルコースオキシダーゼからなる群の1つの構成分子を含む、代替実施形態Uの反応製剤。
【0065】
〔00072〕
代替実施形態W
前記酵素系が、グルコースデヒドロゲナーゼ、前記グルコースデヒドロゲナーゼのための共同因子、テトラゾリウム塩指示薬、およびメディエータを含む代替実施形態Uの反応製剤。
【0066】
〔00073〕
代替実施形態X
前記粒子が、二酸化チタン、カルボン酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスの少なくとも1つの構成分子である、代替実施形態Uの反応製剤。
【0067】
〔00074〕
代替実施形態Y
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体からなる群の少なくとも1つの構成分子を含んでいる、代替実施形態Uの反応製剤。
【0068】
〔00075〕
代替実施形態Z
前記水溶性膨張可能ポリマーが、所望のpHを維持するように緩衝化された溶液中に溶解される、代替実施形態Uの反応製剤。
【0069】
〔00076〕
代替実施形態AA
少なくとも1つの界面活性剤、洗浄剤、または増粘剤をさらに含む、代替実施形態Uの反応製剤。
【0070】
〔00077〕
代替実施形態BB
約6から16μmの厚さを有するコーティングとして適用される、代替実施形態Uの反応製剤。
【0071】
〔00078〕
代替実施形態CC
前記コーティングが7から10μmの厚さを有する、代替実施形態BBの反応製剤。
〔00079〕
代替実施形態DD
前記水溶性膨張可能ポリマーが、約100,000より低い分子量を有する、代替実施形態Uの反応製剤。
【0072】
〔00080〕
代替実施形態EE
前記非水溶性粒子が約1から10μmの公称サイズを有する、代替実施形態Uの反応製剤。
〔00081〕
代替実施形態FF
全血試料のグルコース含有量を測定する試験ストリップであって、
(a)実質的に非多孔質な基質;
(b)(1)水溶性膨張可能ポリマー基質;(2)約0.05から20μmの公称サイズを有する非水溶性粒子;(3)前記グルコースを酸化するための酵素系;および(4)指示薬;を含む、前記基質上に沈着される試薬層;
(c)(b)の前記試薬層用の保護カバー;
(d)前記試薬層と前記保護カバーの間にあり、前記血液試料を受けるための毛細チャネルを有する接着層;
とを含む、前記試験ストリップ。
【0073】
〔00082〕
代替実施形態GG
前記酵素系が、ヘキソキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ-PQQ、およびグルコースオキシダーゼからなる群の1つの構成分子を含む、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0074】
〔00083〕
代替実施形態HH
前記酵素系が、グルコースデヒドロゲナーゼ、前記グルコースデヒドロゲナーゼのための共同因子、テトラゾリウム塩指示薬、およびメディエータを含む、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0075】
〔00084〕
代替実施形態II
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体からなる群の少なくとも1つの構成分子である、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0076】
〔00085〕
代替実施形態JJ
前記水溶性粒子が、二酸化チタン、カルボン酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスの少なくとも1つの構成分子である、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0077】
〔00086〕
代替実施形態KK
b(2)の反射性粒子の(b)(1)の前記ポリマー基質に対する重量比が、約1/2から2/1である、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0078】
〔00087〕
代替実施形態LL
前記ポリマーが、所望のpHを維持するように緩衝化された溶液中に溶解される、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0079】
〔00088〕
代替実施形態MM
(b)の前記試薬層が、少なくとも1つの界面活性剤、洗浄剤、または増粘剤をさらに含む、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0080】
〔00089〕
代替実施形態NN
前記試薬層が約6から16μmの厚さを有する、代替実施形態MMの試験ストリップ。
〔00090〕
代替実施形態OO
前記試薬層が7から10μmの厚さを有する代替実施形態NNの試験ストリップ。
【0081】
〔00091〕
代替実施形態PP
前記水溶性膨張可能ポリマーが、約100,000より低い分子量を有する、代替実施形態FFの試験ストリップ。
【0082】
〔00092〕
代替実施形態QQ
前記粒子が約1から10μmの公称サイズを有する、代替実施形態FFの試験ストリップ。
〔00093〕
代替方法RR
血液試料を試験ストリップに適用し、前記血液試料の量に反応しない迅速かつ安定した反応を得ることによって、全血の試料中のグルコース量を測定する方法であって、
(a)前記血液試料を前記試験ストリップに適用するステップ(ここで、前記試験ストリップは非多孔質基質を含み、その上に、水溶性膨張可能ポリマー基質、約0.05から20μmの公称サイズを有する非水溶性粒子、および指示薬を含む製剤中の前記グルコースと反応するための酵素系を含む薄膜がその上に沈着される);そして
(b)前記指示薬の反応を測定し、前記血液試料中の前記グルコースの量を測定するステップ;
とを含む、前記方法。
【0083】
〔00094〕
代替方法SS
前記酵素系が、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを含む、代替方法RRの方法。
【0084】
〔00095〕
代替方法TT
前記薄膜が、約6から16μmの厚さを有する、代替方法RRの方法。
〔00096〕
代替方法UU
前記薄膜が、約7から10μmの厚さを有する、代替方法TTの方法。
【0085】
〔00097〕
代替方法VV
前記粒子の前記基質に対する重量比が、約1/2から2/1である、代替方法TTの方法。
〔00098〕
代替方法WW
前記粒子が、約1から10μmの公称サイズを有する、代替方法RRの方法。
【0086】
〔00099〕
代替方法XX
前記水溶性膨張可能ポリマー基質が、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレンナトリウムスルホン酸、ポリアクリル酸ラテックス、ポリエチレングリコール、スチレンアクリレート、およびその共重合体からなる群の少なくとも1つの構成分子を含む、代替方法RRの方法。
【0087】
〔000100〕
代替方法YY
前記粒子が、二酸化チタン、カルボン酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、粉末金属、およびラテックスの少なくとも1つの構成分子である、代替方法RRの方法。
【0088】
〔000101〕
代替方法ZZ
前記水溶性膨張可能ポリマーが、約100,000より低い分子量を有する、代替方法RRの方法。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】〔00018〕
図1a、bは、実施例1の結果のプロットである。
【
図2】〔00019〕
図2a、bは、実施例2の結果のプロットである。
【
図3a】〔00020〕
図3a、b、cは、実施例3の結果のプロットである。
【
図3b】
図3a、b、cは、実施例3の結果のプロットである。
【
図3c】
図3a、b、cは、実施例3の結果のプロットである。
【
図4a】〔00021〕
図4a、b、cは、実施例4の結果のプロットである。
【
図4b】
図4a、b、cは、実施例4の結果のプロットである。
【
図4c】
図4a、b、cは、実施例4の結果のプロットである。