【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)ハーブの選択
(ハーブ抽出液の作成)
表1に示した各種ハーブ1gを、Alc.59v/v%のニュートラルスピリッツ100mlに室温(10〜20℃)にて10日間浸漬してハーブ抽出液を作成した。
【0042】
(発泡酒の製造)
次のようにして、Alc.3.5v/v%、麦芽使用比率は24重量%の発泡酒(本発明でいうビールテイスト発酵液)を製造した。
【0043】
仕込み水90kgに対して、糖シロップ(加藤化学社製)を17kg、麦芽5kg、ホップ65gを加え、これを70分間煮沸した後、静置して浮遊物を除き、発酵原液を得た。
【0044】
発酵原液に酵母(Weihenstephan−34株)を、生菌数10×10
6cells/mLになるよう添加し、温度13℃で7日間発酵を行った後、更に0℃で7日間貯酒を行った。その後、濾過により酵母を取り除き、アルコール度数3.5v/v%、原麦汁エキス分7.8w/w%に調整し、発泡酒を得た。
【0045】
(添加テスト)
得られた各種ハーブ抽出液を、発泡酒に1ml/Lとなるよう添加して、訓練を受けた専門パネル5名によって官能評価試験を実施した。評価項目と評価基準は以下の通り。
【0046】
(1)ハーブ抽出液の特徴の評価
ハーブ抽出液添加前の発泡酒を対照として、添加後のサンプルにおいてハーブ抽出液の特徴が感じられるかどうかを、香りと味の2つの観点から下記の基準に従って評価した。
「感じない」=5点、「感じるが、気にならない程度」=4点、「感じる」=3点、「強く感じる」=2点、「非常に強く感じる」=1点
香りと味のそれぞれについて、パネルの評点の平均値を計算し、更にこの2つの評点の平均値を計算した。
【0047】
この平均値が3点を超える場合、添加後のサンプルにおいてハーブ抽出液の特徴が感じられないとし、○とした。逆に、3点以下の場合はハーブ抽出液の特徴が感じられるとして×とした。
【0048】
(2)味の厚みの評価
ハーブ抽出液添加前の発泡酒を対照として、味の厚みが増強されたと感じるかどうかを、下記の基準に従って評価した。
【0049】
「強く感じる」=5点、「やや強く感じる」=4点、「対照と同程度」=3点、「あまり感じない」=2点、「全く感じない」=1点
以上の結果を、(表1)に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
抽出液を添加しても、もとの発泡酒と比べてハーブの特徴がそれほど強く感じられなかったのは、コリアンダー、ジンジャー、ターメリックの3種類のみであった。その中でも、コリアンダーは、その抽出液の添加によっても香味が気にならない程度の変化であった。また、発泡酒に対して味の厚みを増強する効果を有しているのは、コリアンダー、ジンジャー、ナツメグの3種類のみであった。特にコリアンダーは増強効果が最も強かった。
【0052】
以上の結果から、コリアンダー抽出液が、もとの発泡酒の香り及び味の設計品質を大きく変えることなく、味の厚みを増強する効果が最も強いことが分かった。よって、ビールテイスト発酵飲料の香味を改善するハーブとして、コリアンダーを選択した。
【0053】
(実施例2)浸漬アルコール度数の影響
(コリアンダー抽出液の作成)
コリアンダーシードの粉末1gを、各種アルコール度数に調整したニュートラルスピリッツ100mLに室温(10〜20℃)にて3日間浸漬してコリアンダー抽出液を作成した。
【0054】
(ビールテイスト発酵液の製造)
次のようにして、Alc.5v/v%の、原料に麦原料を含まない、もしくは麦芽使用比率50重量%の、いわゆる「新ジャンル」のビールテイスト発酵液を製造した。
【0055】
ビールテイスト発酵液(麦芽使用比率0重量%)の製造
仕込み水90kgに対して、糖シロップ(加藤化学社製)を22kg、ホップ65gを加え、これを70分間煮沸した後、静置して浮遊物を除き、発酵原液を得た。発酵原液に酵母(Weihenstephan−34株)を、生菌数10×10
6cells/mLになるよう添加し、温度20℃で8日間発酵を行った後、濾過により酵母を取り除き、アルコール度数5v/v%、原麦汁エキス分7.5w/w%に調整し、ビールテイスト発酵液を得た。
【0056】
ビールテイスト発酵液(麦芽使用比率50重量%)の製造
仕込み水90kgに対して、糖シロップ(加藤化学社製)を11.8kg、麦芽11.2kg(麦芽使用比率50%)、ホップ65gを加え、これを70分間煮沸した後、静置して浮遊物を除き、発酵原液を得た。発酵原液に酵母(Weihenstephan−34株)を、生菌数10×10
6cells/mLになるよう添加し、温度13℃で7日間発酵を行った後、更に0℃で7日間貯酒を行った。その後、濾過により酵母を取り除き、アルコール度数5v/v%、原麦汁エキス分7.5w/w%に調整し、ビールテイスト発酵液を得た。
【0057】
(ビールテイスト発酵液への添加)
前記のコリアンダー抽出液を、上で製造した原料に麦原料を含まない、もしくは麦芽使用比率50重量%の、ビールテイスト発酵液(Alc.5v/v%)に、1mL/Lとなるよう添加して、ビールテイスト発酵飲料を製造し、訓練を受けた専門パネル1名によって官能評価試験を実施した。評価項目と評価基準は以下の通り。
【0058】
(1)飲みやすさの評価
コリアンダー抽出液添加前の、それぞれのビールテイスト発酵液を対照として、飲みやすさを、下記の基準に従って評価した。
【0059】
「飲みやすい」=5点、「やや飲みやすい」=4点、「対照と同程度」=3点、「やや飲みにくい」=2点、「とても飲みにくい」=1点
(2)飲み応えの評価
コリアンダー抽出液添加前のビールテイスト発酵液を対照として、飲み応えが増強されたと感じるかどうかを評価した。ここで、飲み応えを「味の厚み」と「後味の持続」の2つの観点から評価し、その算術平均をもって「飲み応え」の評価とした。一般にビールテイスト発酵飲料は「後味のキレ」が好ましい香味と見なされるがちであるが、あまりに急速に後味が消えると、飲み応えがないと感じられる場合もあるからである。
【0060】
「味の厚み」と「後味の持続」は、下記の基準に従って評価した。
【0061】
「強く感じる」=5点、「やや強く感じる」=4点、「対照と同程度」=3点、「あまり感じない」=2点、「全く感じない」=1点
(3)総合評価
「飲みやすさ」と「飲み応え」の評点の算術平均値をもって、サンプルのビールテイスト発酵飲料の総合評価とした。もとのビールテイスト発酵液の評点を3点とし、総合評価の値が3点以上で、値が大きいほど優れた品質であるとした。
【0062】
以上の結果を、(表2)、(表3)に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
以上の結果から、どちらのビールテイスト発酵飲料についても、コリアンダーシードを浸漬するときのアルコール水溶液のアルコール度数は、10〜95v/v%のとき飲みやすさと飲み応えを両立した優れた品質となることが明らかとなった。このとき、コリアンダー抽出液を添加することで、麦芽使用比率の少ないビールテイスト発酵飲料の特長である飲みやすさが向上することも明らかとなった。また、15〜80v/v%のとき、より優れた品質となり、20〜60v/v%のとき更に優れた品質となることが明らかとなった。
【0066】
(実施例3)ビールテイスト発酵飲料への添加量の検討
実施例1のコリアンダー抽出液及び発泡酒(ビールテイスト発酵液)を用いて、コリアンダー抽出液の好適な添加濃度の範囲を調べた。
【0067】
コリアンダー抽出液を、発泡酒に(表4)の各サンプルの濃度となるよう添加して、訓練を受けた専門パネル6名によって官能評価試験を実施した。
【0068】
飲みやすさ、飲み応え及び総合評価の評価方法並びに評点の計算方法等については、(実施例2)の方法に従った。
【0069】
添加量が多くなれば、コリアンダーの臭いが強く感じられる可能性もあるため、コリアンダー臭の有無も合わせて評価した。コリアンダー臭が感じられないものを○、やや感じられるものを△、強く感じられるものを×とした。
【0070】
【表4】
【0071】
好適な添加濃度は、0.02〜0.4v/v%であり、より好ましくは0.03〜0.4v/v%、更に好ましくは0.1〜0.2v/v%であった。