特許第5912367号(P5912367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912367
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20160414BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   H05K13/08 U
   H05K13/04 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-208385(P2011-208385)
(22)【出願日】2011年9月26日
(65)【公開番号】特開2013-69948(P2013-69948A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】吉井 貴志
(72)【発明者】
【氏名】池田 善紀
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/089036(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査用の基板上に装着された電子部品の位置を測定する測定装置であって、前記基板として光源から照射された光を内部で乱反射する基板を使用し、この乱反射した光による前記電子部品の透過像と前記基板表面に設けられた位置決めマークの透過像をカメラで撮像するとともに、前記基板に前記光源からの光が斜めから照射されると、前記電子部品および前記位置決めマークに照射した光は反射されてレンズにより結像されないとともに、前記基板内部に入射して乱反射した光は前記レンズにより結像されるように構成されている、測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査用の基板上に装着された電子部品の位置を測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査専用治具基板に実装された電子部品の位置を測定する検査装置は、例えば特許文献1などに開示されている。このように実装済み電子部品の位置を測定して、基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置において、装着ヘッドに対する吸着ノズルの取り付け位置についてのオフセットデータとして活用して、電子部品装着装置における電子部品の実装精度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、基板上に装着された電子部品の位置を検査するために、この電子部品をカメラで撮像するに際して、バックライト照明をする照明灯が必要であり、高価なものとなっていた。
【0005】
そこで、検査用の基板上に装着された電子部品の位置を検査するために、この電子部品をカメラで撮像するに際して、バックライト照明を必要とすることなく、測定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、検査用の基板上に装着された電子部品の位置を測定する測定装置であって、基板として光源から照射された光を内部で乱反射する基板を使用し、この乱反射した光による電子部品の透過像と基板表面に設けられた位置決めマークの透過像をカメラで撮像するとともに、基板に光源からの光が斜めから照射されると、電子部品および位置決めマークに照射した光は反射されてレンズにより結像されないとともに、基板内部に入射して乱反射した光はレンズにより結像されるように構成されている
【発明の効果】
【0008】
本発明は、検査用の基板上に装着された電子部品の位置を検査するために、この電子部品をカメラで撮像するに際して、バックライト照明を必要とすることなく、測定できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子部品装着装置の平面図である。
図2】照明灯を点灯させて傾斜光を検査用基板上に装着された電子部品に照射した状態の簡略説明図である。
図3】電子部品が装着された検査用基板の平面図である。
図4】検査用基板に照明灯からの光を斜めに照射した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図であり、電子部品装着装置1の装置本体2上の前部及び後部には部品供給装置3A、3B、3C、3Dが4つのブロックに分かれて複数並設されている。部品供給装置3Aはレーン番号(部品供給ユニットの配置番号)が100番台であり、部品供給装置3Bはレーン番号が200番台であり、部品供給装置3Cはレーン番号が300番台であり、部品供給装置3Dはレーン番号が400番台である。
【0011】
前記各部品供給装置3A、3B、3C、3Dは、取付台であるカート台のフィーダベース上に部品供給ユニット5を多数並設したものであり、部品供給側の先端部が基板としてのプリント基板Pの搬送路に臨むように前記装置本体2に連結具(図示せず)を介して着脱可能に配設され、この連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
【0012】
そして、各部品供給装置3A、3B、3C、3Dは、部品供給側の先端部が装着ヘッド6のピックアップ領域(部品の取出し領域)に臨むように配設されており、各部品供給ユニット5は前記カート台に回転自在に載置した供給リールに巻回した状態で順次繰り出された収納テープに所定間隔で開設した送り孔にその歯が嵌合した送りスプロケットを所定角度回転させて収納テープを電子部品の部品吸着取出位置まで送りモータにより間欠送りするテープ送り機構と、剥離モータの駆動により吸着取出位置の手前でキャリアテープからカバーテープを引き剥がすためのカバーテープ剥離機構とを備え、カバーテープ剥離機構によりカバーテープを剥離してキャリアテープの収納部に装填された電子部品を順次部品吸着取出位置へ供給して先端部から後述する保持具としての吸着ノズルにより取出し可能である。
【0013】
そして、手前側の部品供給装置3B、3Dと奥側の部品供給装置3A、3Cとの間には、基板搬送機構を構成する2つの供給コンベア、位置決め部8、8(コンベアを有する)及び排出コンベアが設けられている。前記各供給コンベアは上流より受けた各プリント基板Pを前記各位置決め部8に搬送し、この各位置決め部8で位置決め機構(図示せず)により位置決めされた各基板P上に電子部品が装着した後、各排出コンベアに搬送し、その後下流側装置に搬送する。なお、前記位置決め機構により、プリント基板Pは前後左右方向(平面方向)、上下方向(垂直方向)の位置決めがされる。
【0014】
Y方向にY軸駆動モータによりガイドレール9に沿って移動する各ビーム10にはその長手方向、即ちX方向にX軸駆動モータにより移動する装着ヘッド6が設けられ、この装着ヘッド6には複数本の吸着ノズルが設けられる。そして、前記装着ヘッド6には前記吸着ノズルを上下動させるための上下軸駆動モータが搭載され、また鉛直軸周りに回転させるためのθ軸駆動モータが搭載されている。従って、装着ヘッド6の吸着ノズルはX方向及びY方向に移動可能であり、鉛直軸回りに回転可能で、かつ上下動可能となっている。
【0015】
12は部品認識カメラで、各種電子部品が吸着ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために前記吸着ノズルに吸着保持された電子部品を撮像する。19は前記装着ヘッド6に設けられた基板認識カメラで、プリント基板Pに付された位置決めマークを撮像する。そして、各前記カメラ12、19により撮像された画像は、認識処理装置により認識処理される。
【0016】
前述した電子部品装着装置1は、前記プリント基板P上に装着された電子部品の実装位置を検査する検査装置としても機能するものであり、以下その構成について説明する。
【0017】
図2において、前記検査のための検査用基板PPは乳白色のガラス基板やセラミック基板であって、この検査用基板PPに後述の光源である照明灯20からの光が斜めから照射された場合に、この検査用基板PP内部で乱反射する材質で作製されている。
【0018】
また、この検査用基板PP上には、この検査用基板PP上に装着された電子部品21の位置を認識するために、この装着された電子部品21の周辺位置に基板位置決めマークMが蒸着により付されている(図3参照)。具体的には、図3に示すように、位置決めマークMは装着後の電子部品21を跨ぐように且つこの電子部品と所定間隔を存して、検査用基板PP上に付されている。
【0019】
20は前記検査用基板PP上に装着された電子部品21及び前記位置決めマークに斜め上方から光(傾斜光)を照射する複数個の照明灯で、前記電子部品21を平面視した場合における最長部の長さより長い間隔を置いて配設される。この複数個の照明灯20は、所定間隔を存して一列に複数個配設した照明灯20群を対向するように、前記間隔を置いて前記装着ヘッド6に二列配設するようにしてもよいし、前記間隔を直径とする円周上に環状に所定間隔を存して複数個配設するようにしてもよい。22は前記基板認識カメラ19の下面に取り付けられる鏡筒で、内部に反射像を結像するためのレンズ23が配設されている。
【0020】
次に、装着済みの電子部品21の実装位置の検査のための電子部品21の装着動作について簡単に説明する。初めに、検査専用治具基板である前記検査用基板PPが上流装置より供給コンベアを介して位置決め部8に搬送されて位置決め固定され、検査対象の電子部品21の装着座標データに従い、装着ヘッド6が移動して、検査対象の電子部品21の部品種に対応した吸着ノズルが装着すべき電子部品21を所定の部品供給ユニット5から吸着して取出す。
【0021】
詳述すると、この場合、対象電子部品21を収納する部品供給ユニット5上方に位置するよう移動するが、Y方向はY軸駆動モータが駆動してビーム10が移動し、X方向はX軸駆動モータが駆動して装着ヘッド6が移動し、既に所定の部品供給ユニット5は送りモータ及び剥離モータが駆動されて部品吸着取出位置にて前記電子部品21が取出し可能状態にあるため、上下軸駆動モータが所定の前記吸着ノズルを下降させて前記電子部品21を吸着して取出し、次に装着ヘッド6は上昇する。
【0022】
そして、前記吸着ノズルは位置決め部8にて位置決めされたプリント基板P上の所定位置に前記電子部品21を装着するように移動するが、この装着ヘッド6の移動途中において、装着ヘッド6が移動しながら部品認識カメラ12の上方位置を通過する際に吸着ノズルに吸着保持された前記電子部品21が部品認識カメラ12により撮像される(フライ認識)。
【0023】
そして、この撮像結果に基づいて前記電子部品21が当該吸着ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき認識処理装置により認識処理されるが、Y軸駆動モータ及びX軸駆動モータを駆動させて前記電子部品21を保持した吸着ノズルは検査用基板PPまで移動する。検査用基板PP上へ前記電子部品21を装着する前に、基板認識カメラ19が検査用基板PPに付された基板位置決めマークMを撮像し、認識処理装置により認識処理されて検査用基板PPの位置が把握される。
【0024】
従って、装着データの装着座標にプリント基板Pの位置認識結果及び前記電子部品21の位置認識処理結果を加味して、制御装置によりY軸駆動モータ、X軸駆動モータ及びθ軸駆動モータが補正制御され、各装着ヘッド6の吸着ノズルが位置ずれを補正しつつ、それぞれ前記電子部品21がプリント基板P上の所定位置に装着される。
【0025】
以上のように、検査専用治具基板である前記検査用基板PP上に検査対象の電子部品21が装着された段階で、以下に示すような検査が行われる。即ち、前述したように、前記装着ヘッド6を前記検査用基板PPに実装された検査対象の電子部品21に上方へ移動させる。そして、前記照明灯20を点灯させると、検査用基板PPに対して斜めに光(傾斜光)が照射される。
【0026】
すると、図2及び図4に示すように、前記検査用基板PPは乳白色のガラス基板やセラミック基板であって、この検査用基板PPに前記照明灯20からの光が斜めから照射されると、前記電子部品21や位置決めマークMに照射した光は反射されて前記レンズ23により結像されないが、前記検査用基板PP内部に入射して乱反射した光は前記レンズ23により結像されて、前記基板認識カメラ19は前記電子部品21及び位置決めマークMの透過像を撮像することとなる。
【0027】
そして、この透過像を認識処理装置が認識処理し、前記位置決めマークMの位置がわかるので、この位置決めマークMに対する実装済みの電子部品21の位置関係から、この実装済みの電子部品21の位置ズレが判明する。従って、この位置ズレ量を電子部品装着装置1に設けた記憶手段に格納し、前記装着ヘッド6に対する吸着ノズルの取り付け位置についてのオフセットデータとして活用して、電子部品装着装置1における電子部品の実装精度を高めることができる。この吸着ノズルの取り付け位置については、前記装着ヘッド6に垂直方向に昇降しないような斜め取り付けがされた場合にも、対応できる。
【0028】
なお、前記プリント基板Pや、検査用基板PPには、前記プリント基板P、検査用基板PP上に装着された電子部品21の位置を認識するために、前記位置決めマークMの他、このプリント基板P、検査用基板PP全体の位置を認識するための全体認識用位置決めマークも付されるので、前述した方法で、この全体認識用位置決めマークについても撮像し、位置認識することができる。この場合、前記位置決めマークM及び全体認識用位置決めマークは形状を同一にしてもよいし、異なる形状にしてもよい。
【0029】
以上のように、本発明は検査用基板PP上に装着された電子部品21の位置を検査するために、この電子部品21を基板認識カメラ19で撮像するに際して、バックライト照明を必要とすることなく、測定できるようにすることができる。
【0030】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0031】
1 電子部品装着装置
6 装着ヘッド
19 基板認識カメラ
20 照明灯
21 電子部品
PP 検査用基板
図1
図2
図3
図4