(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912462
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】米飯加工食品用包装材及び米飯加工食品用包装体
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20160414BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20160414BHJP
B65D 65/10 20060101ALI20160414BHJP
B65D 75/54 20060101ALI20160414BHJP
B65D 75/66 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
A23L1/10 F
B65D85/50 E
B65D65/10 A
B65D75/54
B65D75/66
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-263595(P2011-263595)
(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公開番号】特開2013-116048(P2013-116048A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2014年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(72)【発明者】
【氏名】白井 直人
(72)【発明者】
【氏名】田中 庸介
【審査官】
上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−113834(JP,A)
【文献】
特開2002−051714(JP,A)
【文献】
特開2007−126196(JP,A)
【文献】
特開2008−061596(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3167045(JP,U)
【文献】
特開2007−000108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10−7/104
B65D 65/10
B65D 85/50
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に分割可能に構成された外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に構成された内フィルムとを備え、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされた米飯加工食品用包装材において、
内フィルムは、幅方向の両側部側に配置されて外側が外フィルムにシールされる一対の第1フィルムと、米飯加工食品に対応して幅方向の中央部側に配置される一対の第2フィルムとを備え、一方の第2フィルムは、他方の第2フィルムの先端部を両面から挟むように配置される一対の先端部を備えると共に、該一対の先端部が折り返され、他方の第2フィルムの先端部を両面から押し付ける一対の折返部を備えていることを特徴とする米飯加工食品用包装材。
【請求項2】
幅方向に分割可能に構成された外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に構成された内フィルムとを備え、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされた米飯加工食品用包装材において、
内フィルムは、幅方向の両側部側に配置されて外側が外フィルムにシールされる一対の第1フィルムと、米飯加工食品に対応して幅方向の中央部側に配置される一対の第2フィルムとを備え、一方の第2フィルムは、中心線に沿って折目を付けた二つ折りとされることで他方の第2フィルムの先端部を両面から挟む一対の先端部を備えると共に、該一対の先端部の一方のみが折り返されて他方の第2フィルムの先端部の片面のみを押し付ける折返部を備えており、又は一対の先端部の両方が折り返されて他方の第2フィルムの先端部を両面から押し付ける一対の折返部を備えており、中心線に沿った折目が一方の第1フィルムの内側に重なるように配置されていることを特徴とする米飯加工食品用包装材。
【請求項3】
前記内フィルムの第2フィルムには、外フィルムと反対側に突出する複数の凹凸と、外フィルムに向かって突出する複数の凹凸との両方又は一方が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の米飯加工食品用包装材。
【請求項4】
前記内フィルムの第2フィルムは、無延伸ポリプロピレンからなり、前記内フィルムの第1フィルム及び外フィルムは、二軸延伸ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の米飯加工食品用包装材。
【請求項5】
前記内フィルムの第1フィルムと第2フィルムとは、幅方向の一部が重なり合うように配置され、当該重なり合う領域において、シールされていることを特徴とする請求項4に記載の米飯加工食品用包装材。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の米飯加工食品用包装材を二つ折りとして米飯加工食品を挟み、重なり合う前記内フィルムの第1フィルム同士をシールし、又は重なり合う前記内フィルムの第1フィルムと外フィルムとをシールしたことを特徴とする米飯加工食品用包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おにぎりなどの米飯を塊状に加工した米飯加工食品と、この米飯加工食品と一緒に食される海苔などのシート状食品とを分離した状態で包装し、開封時に米飯加工食品とシート状食品とを一体的にすることのできる米飯加工食品用包装材、及びこの米飯加工食品用包装材によって米飯加工食品を包装した米飯加工食品用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、米飯加工食品用包装材として、幅方向に分割可能に形成される外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に形成される内フィルムとを備え、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとをシールしたものが提供されている。
【0003】
このような米飯加工食品用包装材にあっては、米飯加工食品とシート状食品との間に内フィルムを介在させることで、米飯加工食品とシート状食品とを分離した状態で包装することができる一方、開封時には、内フィルムを幅方向に分離するようにスライドさせ、米飯加工食品とシート状食品との間から内フィルムを取り除くことで、米飯加工食品とシート状食品とを一体にして食することができるようにされている。
【0004】
ところで、開封時において、内フィルムをスライドさせると、内フィルムと米飯加工食品との間の摩擦抵抗によって米飯加工食品の形状が崩れてしまうといった所謂飯割れが発生することがある。そこで、飯割れを防止することができるようにした米飯加工食品用包装材が特許文献1に記載されている。
【0005】
この米飯加工食品用包装材は、内フィルム全面に複数の凹凸を設けたことを特徴としている。内フィルムは、複数の凹凸によって米飯加工食品との接触面積が減少し、開封時において内フィルムをスライドさせる際に、米飯加工食品との間の摩擦抵抗を低減させることができる。したがって、この米飯加工食品用包装材は、開封時において、内フィルムを円滑にスライドさせて米飯加工食品とシート状食品との間から取り除き、飯割れが発生しないようにすることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された米飯加工食品用包装材にあっては、複数の凹凸が内フィルム全面に設けられている一方、外フィルムは良好な外観を呈するように平坦に成形されている。したがって、内フィルムと外フィルムとは、異なる性状となっていることから、内フィルムと外フィルムとをヒートシールすると、両フィルムのシール部分において熱収縮度合いに差が生じる。その結果、シール部分が幅方向の中央部側に向かって丸くなる、すなわち、シール部分がカールしてしまう。そうすると、この米飯加工食品用包装材は、カールしたシール部分が障害となって米飯加工食品の包装しにくくなる。
【0007】
そこで、本出願人は、このような課題を解決した米飯加工食品用包装材について特許出願している(特願2011−088522号)。この米飯加工食品用包装材は、内フィルムを一対(2枚)の第1フィルムと一対(2枚)の第2フィルムとから構成し、第1フィルムが外側に配置されて外フィルムにシールされ、第2フィルムが内側に配置され、第2フィルムの各外側が第1フィルムと重なり合い感熱性の接着剤によってシールされ、第2フィルムの各内側が単に重なり合わされたものとされている。
【0008】
そして、第1フィルムは、シールした際に、シール部分がカールしないように、外フィルムと熱収縮度合が同程度の材質で形成されている。また、第2フィルムは、米飯加工食品に対して円滑にスライドするように、複数の凹凸を設けたものとされている。
【0009】
そして、この米飯加工食品用包装材は、例えばふんわりと柔らかく握られた米飯加工食品を包装するため、米飯加工食品を挟むように二つ折り(正確には上向きコ字状)にされ、外周の三方を重ね合わせてシールされる。したがって、米飯加工食品を包装した状態の米飯加工食品用包装材は、米飯加工食品の底部側で折り曲げられ、米飯加工食品の頂部側で内側に寄せられる。
【0010】
しかしながら、一対の第2フィルムは、開封に際して分離できるように、内側において単に重ね合わされているだけであるため、米飯加工食品を包装した際に、折り曲げられた米飯加工食品の底部側や内側に寄せられた米飯加工食品の頂部側などにおいて、重ね合わされた一方の第2フィルムが他方の第2フィルムから浮く状態となって、合わせ目が離れる。
【0011】
そうすると、米飯加工食品の湿気がこの第2フィルムの浮いた部分からシート状食品の方へ流入し、シート状食品を湿気らせることがある。
【0012】
そこで、
図5に示すような内フィルム200によって合わせ目が浮きにくいようにすることができる。この内フィルム200は、シート状食品Bを介して外フィルム100の両外側に重ね合わされる一対(2枚)の第1フィルム211,212と、外フィルム100の内側に重ね合わされて凹凸(図示せず)を全面に設けた一対(2枚)の第2フィルム221,222とを備えている。
【0013】
そして、一方の第2フィルム221を二つ折りとし、この先端部221a,221aが他方の第2フィルム222の先端部222aを外側と内側の両面から挟み、一方の第2フィルム221の折目221cと一方の第1フィルム221の内側とが感熱性の接着剤によってシールされる。一方の第2フィルム221の先端部221a,221aが他方の第2フィルム222の先端部222aを両面から挟むことで、合わせ目が浮きにくくされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−51714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図5に示した内フィルム200は、一方の第2フィルム221を二つ折りにしているものの、全面に凹凸が設けられていることから、折目221cをきつく付けることができない。したがって、一方の第2フィルム221は、二つ折りにされた状態から平坦な状態に展開しようとする力Fが作用する。すなわち、一方の第2フィルム221の先端部221aは、他方の第2フィルム222の先端部222aを挟んだ状態から浮き上がり、合わせ目が離れがちになる。
【0016】
そうすると、この米飯加工食品用包装材にあっても、米飯加工食品Aを包装した際に、例えば、米飯加工食品Aの底部や頂部側などにおいて、米飯加工食品Aの湿気が第2フィルム221,222の合わせ目の浮いた部分からシート状食品Bの方に流入し、シート状食品Bを湿気らせることがある。
【0017】
そこで、本発明は、重ね合わされる一対の内フィルムの内側と外側とを確実に隔絶することができるようにした米飯加工食品用包装材及びこの米飯加工食品用包装材によって米飯加工食品を包装した米飯加工食品用包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明にかかる米飯加工食品用包装材は、幅方向に分割可能に構成された外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に構成された内フィルムとを備え、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされた米飯加工食品用包装材において、内フィルムは、幅方向の両側部側に配置されて外側が外フィルムにシールされる一対の第1フィルムと、米飯加工食品に対応して幅方向の中央部側に配置される一対の第2フィルムとを備え、
一方の第2フィルムは、他方の第2フィルムの先端部を両面から挟むように配置される一対の先端部を備えると共に、該一対の先端部が折り返され、他方の第2フィルムの先端部を
両面から押し付ける
一対の折返部を備えていることを特徴とする。
【0019】
この米飯加工食品用包装材によれば、内フィルムが一対の第1フィルムと一対の第2フィルムとを備え、一方の第2フィルムの先端部が折り返され、他方の第2フィルムの先端部を押し付ける折返部が備えられ、この折返部は展開しようとする力が作用して、他方の第2フィルムの先端部を押す状態となる。したがって、一方の第2フィルムの折返部は、第2のフィルムの合わせ目を塞ぐ弁のように作用して、内フィルムの内側と外側とを確実に隔絶する。
【0020】
本発明にかかる米飯加工食品用包装材は、
幅方向に分割可能に構成された外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に構成された内フィルムとを備え、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされた米飯加工食品用包装材において、内フィルムは、幅方向の両側部側に配置されて外側が外フィルムにシールされる一対の第1フィルムと、米飯加工食品に対応して幅方向の中央部側に配置される一対の第2フィルムとを備え、一方の第2フィルムは
、中心線に沿って折目を付けた二つ折りとされ
ることで他方の第2フィルムの先端部を両面から挟む一対の先端部を備えると共に、該一対の先端部の一方のみが折り返されて他方の
第2フィルムの先端部の片面のみ
を押し付ける
折返部を備えており、又は
一対の先端部の両方が折り返されて他方の
第2フィルムの先端部を両面から押し付ける
一対の折返部を備えており、中心線に沿った折目が一方の第1フィルムの内側に重なるように配置されていることを特徴とする。
【0021】
この米飯加工食品用包装材によれば、一方の第2フィルムが中心線に沿って折目を付けた二つ折りとされ、一方の第2フィルムの両先端部が他方のフィルムの先端部を両面から挟む。そして、他方のフィルムの先端部の片面のみ押し付ける折返部が一方の先端部を折り返すことで設けられ、又は他方のフィルムの先端部を両面から押し付ける折返部が両方の先端部を折り返して設けられる。すなわち、一方の第2フィルムは、折返部を設けていない他方のフィルムの先端部と折返部を設けた一方の先端部とが他方の第2フィルムを両面から挟み、又は両方折返部が他方の第2フィルムの先端部を両面から挟んでいる。なお、他方の第2フィルムの先端部は、一対の折返部によって両側から挟まれることで、バランスよく押される状態となる。
【0022】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記内フィルムの第2フィルムには、外フィルムと反対側に突出する複数の凹凸と、外フィルムに向かって突出する複数の凹凸との両方又は一方が設けられていることが好ましい。
【0023】
この米飯加工食品用包装材によれば、外フィルムと反対側に突出するように第2フィルムに設けられた複数の凹凸が米飯加工食品と接触することで、第2フィルムと米飯加工食品との接触面積を減少させることができ、また、外フィルムに向かって突出するように第2フィルムに設けられた複数の凹凸がシート状食品と接触することで、第2フィルムとシート状食品との接触面積を減少させることができる。そして、開封に際して、第2フィルムが米飯加工食品上を円滑にスライドすることで、所謂飯割れを防止し、また、第2フィルムがシート状食品上を円滑にスライドすることで、シート状食品の形状崩れを防止することができる。
【0024】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記内フィルムの第2フィルムは、無延伸ポリプロピレンからなり、前記内フィルムの第1フィルム及び外フィルムは、二軸延伸ポリプロピレンからなることが好ましい。
【0025】
この米飯加工食品用包装材によれば、内フィルムの第2フィルムが無延伸ポリプロピレンからなることで、高い滑り性を発揮し、米飯加工食品及びシート状食品に対して極めて円滑にスライドさせることができる。そして、内フィルムの第1フィルム及び外フィルムが同じ二軸延伸ポリプロピレンからなることで、熱収縮度合を一致させ、したがって、内フィルムの第1フィルムと外フィルムとをヒートシールしても、シール部分がカールしないようにすることができる。
【0026】
また、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材において、前記内フィルムの第1フィルムと第2フィルムとは、幅方向の一部が重なり合うように配置され、当該重なり合う領域において、シールされていることが好ましい。
【0027】
この米飯加工食品用包装材によれば、異なる種類の第1フィルムと第2フィルムとをシールによって確実に接続することができる。なお、シールとしては、ヒートシール、超音波シール、パートコートシールなどを採用することができる。
【0028】
また、本発明に係る米飯加工食品用包装体は、前記本発明に係る米飯加工食品用包装材を二つ折りとして米飯加工食品を挟み、重なり合う前記内フィルムの第1フィルム同士をシールし、又は重なり合う前記内フィルムの第1フィルムと外フィルムとをシールしたことを特徴としている。
【0029】
この米飯加工食品用包装体によれば、本発明に係る米飯加工食品用包装材を二つ折りとして米飯加工食品を挟むことで、ふんわりと柔らかく握られた米飯加工食品を潰すことなく包装することができる。なお、重なり合う内フィルムの第1フィルム同士をシールすることで、米飯加工食品用包装体には襠(まち)が作られず、また、重なり合う内フィルムの第1フィルムと外フィルムとをシールすることで、米飯加工食品用包装体には襠(まち)が作られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、内フィルムが一対の第1フィルムと一対の第2フィルムとを備え、さらに、一方の第2フィルムが二つ折りとされ、その先端部が折り返されて他方の第2フィルムの先端部を挟む折返部を備えていることにより、内フィルムの内側と外側とを確実に隔絶することができるため、米飯加工食品の湿気がシート状食品の方に流入しないようにした米飯加工食品用包装材及び米飯加工食品用包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係る米飯加工食品用包装材の一実施形態を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明に係る米飯加工食品用包装材の一実施形態を示し、(a)は断面正面図、(b)は要部拡大断面正面図である。
【
図3】本発明に係る米飯加工食品用包装体の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図4】本発明に係る米飯加工食品用包装材の一実施形態を示し、(a)は開封途中の概略斜視図、(b)は開封後の概略斜視図である。
【
図5】従来の米飯加工食品用包装材を示す断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る米飯加工食品用包装材の一実施形態について、
図1及び
図2を参酌しながら説明する。この米飯加工食品用包装材は、おにぎりや寿司などの米飯加工食品A(本実施形態においては、三角形状のおにぎり)と、シート状にされた海苔や薄焼き卵、畳鰯などのシート状食品B(本実施形態においては、海苔)とを分離した状態で包装するものである。
【0033】
そのため、米飯加工食品用包装材は、幅方向に分割可能に構成された外フィルム100と、外フィルム100と同方向に分離可能に構成された内フィルム200とを備え、両フィルム100,200が外フィルム100よりも一回り小さな四角形(図面では長方形)状のシート状食品Bを介して重ね合わされ、シート状食品Bを囲むように外フィルム100と内フィルム200とがシールされている(シール部分を網点で図示)。
【0034】
そして、外フィルム100は、例えば二軸延伸ポリプロピレン(OPP)によって平面視略長方形状に平坦に形成されており、長手方向と直交する幅方向に分割可能とするため、外フィルム100を長手方向の全長に亘って二条の切断補助手段101,101が貼着されている。
【0035】
切断補助手段101,101は、外フィルム100の長手方向に延びるように線状又は帯状のカットテープや糸などによって構成され、外フィルム100の長手方向の中心線に対して対称になるように設けられる。図示した二条の切断補助手段101,101は、平行な直線状に設けられているが、中間部分の間隔を広げるように設けてもよい。また、切断補助手段101,101は、1本だけ設けてもよい。
【0036】
そして、切断補助手段101,101を摘みやすいようにするため、切断補助手段101,101を貼着した外フィルム100の端部であって、切断補助手段101,101の外側に一対の切込102,102が入れられている。換言すれば、2本の切込102,102が二条の切断補助手段101,101の端部を挟んだ状態とされ、この部分が摘片103とされている。なお、外フィルム100と内フィルム200とは、この切込102,102を含まないようにシールされる。
【0037】
そして、内フィルム200は、シート状食品Bを介して外フィルム100の両外側に重ね合わされる一対(2枚)の第1フィルム211,212と、外フィルム100の内側に重ね合わされる一対(2枚)の第2フィルム221,222とを備え、全体として外フィルム100とほぼ同サイズの平面視略長方形状に形成されている。
【0038】
そして、第1フィルム211,212は、外フィルム100と同じく二軸延伸ポリプロピレンによって平坦な長方形状に形成され、外側部が外フィルム100の内側部と重なり合ってヒートシールされる。第1フィルム211,212も外フィルム100も、ともに二軸延伸ポリプロピレンによって形成されているため、ヒートシールしてもカールしない。
【0039】
そして、一対の第2フィルム221,222は、滑り性の高い無延伸ポリプロピレンによって形成され、表裏両面に複数の凹凸220aが全面に設けられている(
図2(a)では図示せず、
図2(b)では片面にのみ設けられた凹凸220aを図示)。
【0040】
すなわち、凹凸220aは、外フィルム100と反対方向、換言すれば、米飯加工食品Aに向かって突出することで、米飯加工食品Aとの接触面積を減少させ、また、外フィルムの方向、換言すれば、シート状食品Bに向かって突出することで、シート状食品Bとの接触面積を減少させている。
【0041】
このような凹凸220aによって、開封に際して、第2フィルム221,222をスライドさせたときに、米飯加工食品Aの飯割れやシート状食品Bの形状崩れが生じないようにすることができる。
【0042】
この複数の凹凸220aは、エンボス加工を施すことによって、微細な畳目状の凹部と菱形状の凸部とから形成される(
図1において網目によって図示)。この凹凸220aの高低差は、特に限定されず適宜設計されるものであるが、極端に低いと凹凸220aの効果が得られず、一方、余りに高くするのは加工や包装などが困難であることから、概ね0.1mm〜1mm程度、好ましくは、0.1〜0.5mm程度の高低差に形成されていればよい(
図2(b)では、実際の比率で図示していない。)。
【0043】
そして、一方の第2フィルム221は、
図2にも示すように、中心線に沿って(中心線上及び中心線からわずかに外れたラインを含む。)、折目221cを付けた二つ折りとされ、その先端部221a,221aが折り返されて他方の第2フィルム222の先端部222aを挟む一対の折返部221b,221bを設けている。一方の第2フィルム221の折目221cは、一方の第1フィルム211の内側と重なり、また、他方の第2フィルム222の基端側が他方の第1フィルム212の内側と重なり、その重なり合った部分がヒートシール、超音波シール、パートコートシールなどによってシールされている。
【0044】
一方の第2フィルム221の折目221cは、一方の第1フィルム211の内側にシールされるものの、凹凸220aが形成されていることからも、きつく付けられた折り目となっていない。したがって、一方の第2フィルム221の両先端部221a,221aは、間隔が開く、すなわち、展開する方向の力が作用する。
【0045】
しかし、一方の第2フィルム221の先端部221a,221aも、他方の第2フィルム222の先端部222aの方に折り返され、折返部221b,221bを設けていることから、この折返部221b,221bには展開する方向の力Pが作用する。すなわち、一方の第2フィルム221の折返部221b,221bが他方の第2フィルム222の先端部222aを押す弁のように作用して、第2フィルム221,222の内側の合わせ目を塞ぐ状態となる。したがって、第2フィルムは、この折返部221b,221bによって内側と外側とを確実に隔絶することができるものとなっている。
【0046】
この米飯加工食品用包装材は、
図3に示すように、二つ折り(正確には、上向きコ字状)にされ米飯加工食品を挟み、内フィルム200の外側と外フィルム100の外側とを重ね合わせてシールすることで、あるいは、図示しないが内フィルム200の外側同士を重ね合わせてシールすることで米飯加工食品用包装体となる。
【0047】
このような米飯加工食品用包装体は、米飯加工食品用包装材が二つ折りにされることで、ふんわりと柔らかく握られた米飯加工食品Aを包装することができるものとなっている。また、内フィルム200の外側と外フィルム100の外側とが重ね合わされた米飯加工食品用包装体は、襠(まち)10を有するものとなっている。
【0048】
そして、この米飯加工食品用包装体は、米飯加工食品Aの底部側や頂部側において、折り曲げられ、内フィルム200の第2フィルム221,222の合わせ目が浮き上がろうとしても、一方の第2フィルム221の折返部221b,221bが他方の第2フィルム222の先端部222aを押す弁のように作用するため、第2フィルム222の内側にある米飯加工食品Aから発生した湿気が第2フィルム221,222の合わせ目からシート状食品Bの方へ流れず、シート状食品Bが湿気らないようにされている。
【0049】
このような米飯加工食品用包装体を開封するには、摘片103を引っ張る。すると、
図4(a)に示すように、外フィルム100が切断補助手段101,101に沿って誘導されつつ裂かれる。そして、外フィルム100は、全長に亘って裂かれると、完全に分割される。
【0050】
そして、
図4(b)に示すように、分割された外フィルム100と内フィルム200とを反対方向に引っ張る。すると、内フィルム200は、一方の第2フィルム221の折返部221b,221bが他方の第2フィルム222の先端部222aを押さえているだけであるから、一方の第2フィルム221と他方の第2フィルム222とが分離し、米飯加工食品Aとシート状食品Bとの間をスライドする。内フィルム200の第2フィルム221,222には、凹凸220aが形成されていることから、円滑にスライドし、米飯加工食品Aの飯割れやシート状食品Bの形状崩れが生じない。
【0051】
また、一方の第2フィルム221の先端部221a,221aに折返部221b,221bが設けられ、折返部221b,221bが米飯加工食品Aを引っ張らないことからも、米飯加工食品Aが飯割れしないようにされている。さらに、第1フィルムと第2フィルムとは、シールされていることから、内フィルム200を反対方向に引っ張ったときに、第2フィルム221,222が内部に残存するようなことはない。
【0052】
そして、湿気っていないシート状食品Bが米飯加工食品Aを挟むことで、パリパリ感をもって食することができる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施形態に限定することなく種々変更することができる。例えば、第2フィルムに設ける凹凸220aは、外フィルムと反対側にのみ突出し、又は外フィルムに向かってのみ突出させてもよい。さらには、本発明に係る米飯加工食品用包装材は、第2フィルムに凹凸220aを必ずしも形成しなくてもよい。
【0054】
さらに、一方の第2フィルム221は、中心線に沿って折目221cを付けた二つ折りとして一方の先端部221a,221bにのみ折返部221bのみ設けてもよいし、さらに、二つ折りとしないで平坦な状態とし、先端部に折返部221bのみ設けてもよい。一つの折返部221bは、米飯加工食品Aを配置する側に設けてもよいし、シート状食品Bを配置する側に設けてもよい。いずれにしても、一つの折返部221bによって、展開する方向の力Pが他方の第2フィルム222の先端部222aに作用する。したがって、一つの折返部221bは、第2フィルム221,222の内側の合わせ目を塞ぐ弁のように内フィルム200の内側と外側とを隔絶する。
【0055】
また、本発明に係る米飯加工食品用包装材は、ふんわりと柔らかく握られた米飯加工食品Aを好適に包装することができるが、硬く握られた米飯加工食品Aを包装してもよく、この場合は、二つ折りにしないで、米飯加工食品Aの外形に沿って折り曲げるように包装してもよい。
【0056】
具体的には、米飯加工食品用包装材は、内フィルム200の下半分側に面して米飯加工食品Aを載せ、この米飯加工食品Aが載せられた側の米飯加工食品用包装材を米飯加工食品Aに向かって折り返すとともに、上半分側の米飯加工食品用包装材を、米飯加工食品Aを包むように折り返し、上半分側の米飯加工食品用包装材の上端両隅部を重ね合わせた後、この両隅部をラベルなどで封止する三角包装の構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0057】
100……外フィルム
200……内フィルム
211……一方の第1フィルム
212……他方の第1フィルム
220a…凹凸
221……一方の第2フィルム
221a…先端部
221b…折返部
221c…折目
222……他方の第2フィルム
222a…他方の第2フィルムの先端部
A…………米飯加工食品
B…………シート状食品