(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、電磁弁マニホールド1は、電磁弁33(
図1では図示略)が搭載されたバルブブロック11を含む各種のブロックを一方向に連接してなる複数(本実施形態では、2つ)のブロック群2a,2bを備えている。これらブロック群2a,2bは、各ブロックの連接方向(
図1における左右方向)が互いに平行となる状態で該連接方向と直交する直交方向(
図1における上下方向)に積層されている。なお、本実施形態の電磁弁マニホールド1は、載置テーブル3上において連接方向が該載置テーブル3の載置面3aと平行になる姿勢で設置されている。そして、電磁弁マニホールド1は、各バルブブロック11で作動流体(例えば、圧縮エア)の流れる方向を制御することで、該バルブブロック11の総数に応じた複数の図示しない流体圧機器(例えば、エアシリンダ等)の駆動を並行して制御することが可能となっている。なお、以下の説明では、連接方向及び直交方向と直交する方向(
図1における紙面直交方向)を前後方向とし、直交方向の載置テーブル3側を下側とするとともに、載置テーブル3と反対側を上側とする。
【0017】
詳述すると、
図1及び
図2示すように、ブロック群2aは、複数(本実施形態では、8つ)のバルブブロック11と、外部に接続される給気ポート24及び排気ポート25を有する給排気ブロック12と、連接方向一端側に配置される電装ブロック13と、連接方向他端側に配置されるエンドブロック14と、電装ブロック13とエンドブロック14との間に配置される中間ブロック15とを備えている。なお、
図2では、説明の便宜上、一部のバルブブロック11の図示を省略している。そして、各ブロック11〜15は、連接ネジ16及び連接ナット17によって連結されている。なお、本実施形態のブロック群2aでは、各ブロック11〜15は、連接方向一端側から電装ブロック13、給排気ブロック12、2つのバルブブロック11、中間ブロック15、6つのバルブブロック11、エンドブロック14の順に配置されている。
【0018】
また、
図1に示すように、ブロック群2bは、複数(本実施形態では、6つ)のバルブブロック11と、電装ブロック13と、エンドブロック14と、中間ブロック15とを備えている。各ブロック11,13〜15は、ブロック群2aと同様に、連接ネジ16及び連接ナット17によって連結されている。なお、本実施形態のブロック群2bでは、各ブロック11,13〜15は、連接方向一端側から電装ブロック13、中間ブロック15、6つのバルブブロック11、エンドブロック14の順に配置されており、中間ブロック15及びエンドブロック14は、直交方向においてブロック群2aの中間ブロック15及びエンドブロック14と対向している。そして、ブロック群2aとブロック群2bとは、締結部材としての積層ロッド18及び積層ナット19によって直交方向に積層されて互いに連結されている。
【0019】
図3(a)、(b)に示すように、ブロック群2a,2bには、連接方向に延びるとともに各バルブブロック11に供給される作動流体が流通する結合給気流路21、及び連接方向に延びるとともに各バルブブロック11から排出される作動流体が流通する結合排気流路22がそれぞれ形成されている。なお、結合給気流路21及び結合排気流路22がそれぞれ結合流路に相当する。これら結合給気流路21及び結合排気流路22の連接方向一端側(
図3における左側)は電装ブロック13により閉塞され、結合給気流路21及び結合排気流路22の連接方向他端側(
図3における右側)はエンドブロック14により閉塞されている。つまり、本実施形態では、電装ブロック13及びエンドブロック14により閉塞手段が構成されている。
【0020】
ブロック群2aの結合給気流路21は、給排気ブロック12の給気ポート24(
図1参照)に連通しており、外部(作動流体の供給源)から作動流体が供給されるようになっている。また、ブロック群2aの結合排気流路22は、給排気ブロック12の排気ポート25(
図1参照)に連通しており、内部を流通する作動流体が排気ポート25から外部(例えば、排気用配管)に排出されるようになっている。これにより、ブロック群2aの各バルブブロック11に対して一箇所の給気ポート24及び排気ポート25から作動流体が給排されるようになっている。一方、ブロック群2bの結合給気流路21及び結合排気流路22は、中間ブロック15を介してブロック群2aの結合給気流路21及び結合排気流路22にそれぞれ連通している。これにより、ブロック群2bのバルブブロック11に対して上記給気ポート24及び排気ポート25から作動流体が給排されるようになっている。
【0021】
次に、各種のブロックの構成について説明する。なお、各ブロック群2a,2bに含まれる同種のブロックは同様に構成されている。
図2及び
図4に示すように、バルブブロック11は、略長方形板状(カセット状)のベース31、及びベース31に設けられた電磁弁収容部32に収容される一対の電磁弁33を備えており、略長方形板状に形成されている。なお、本実施形態の電磁弁33には、ソレノイドへの通電によりポペット(ともに図示略)を往復動させることで、3つのポート間の連通状態を切り換える形式の電磁弁が採用されている。
【0022】
ベース31には、連接方向(板厚方向)に貫通するバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35が形成されている。なお、バルブ給気流路34及びバルブ排気流路35がそれぞれバルブ流路に相当する。これらバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35は、電磁弁収容部32における直交方向下側において、前後方向に間隔を空けて形成されている。また、ベース31には、バルブ給気流路34と電磁弁33の給気ポート(図示略)とを接続する給気接続流路36a,36b、及びバルブ排気流路35と電磁弁33の排気ポート(図示略)とを連通する排気接続流路37a,37bが形成されている。さらに、ベース31には、上記流体圧機器に接続される第1及び第2出力ポート38,39、及びこれら第1及び第2出力ポート38,39と電磁弁33の出力ポート(図示略)とそれぞれ連通する第1及び第2出力流路41,42が形成されている。なお、第1及び第2出力ポート38,39には、配管接続用の直管状をなす継手43a,43bがそれぞれ固定されている。そして、電磁弁33の作動に応じてバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35と第1及び第2出力ポート38,39との連通状態が切り換えられることで、作動流体の流れる方向が制御されるようになっている。また、ベース31には、連接方向に貫通し、連接ネジ16が挿通されるバルブ連接孔45が、バルブ給気流路34及びバルブ排気流路35の前後方向両側に形成されている。
【0023】
図2及び
図5に示すように、給排気ブロック12は、略長方形板状に形成されている。給排気ブロック12には、連接方向に貫通する一括給気流路51及び一括排気流路52が、連接方向においてバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35と対向する位置にそれぞれ形成されている。また、給排気ブロック12には、一括給気流路51と上記給気ポート24とを接続する給気接続流路53、及び一括排気流路52と排気ポート25とを接続する排気接続流路54が形成されている。なお、給気ポート24及び排気ポート25には、配管接続用の直管状をなす継手55a,55bがそれぞれ固定されている。さらに、給排気ブロック12には、連接方向に貫通し、連接ネジ16が挿通される給排気連接孔56が、連接方向においてバルブ連接孔45と対向する位置に形成されている。
【0024】
図2、
図6及び
図7に示すように、電装ブロック13は、外部コネクタ61、及び外部コネクタ61が実装される配線基板62を備えている。なお、
図6では、説明の便宜上、外部コネクタ61を二点鎖線で示す。外部コネクタ61には、各電磁弁33を駆動させる駆動電力(制御信号)が入力される複数のピン63が設けられている。また、
図6に示すように、配線基板62は、対応するブロック群2a,2bのバルブブロック11に搭載された電磁弁33から延びる個別ケーブル64の接続端部64aを電気的に接続可能に形成されている。そして、配線基板62は、該配線基板62上における接続端部64aの接続位置に応じて、電磁弁33を対応するピン63毎に個別に接続されるように回路が形成されている。これにより、ブロック群2aの各バルブブロック11に設けられた電磁弁33には、該ブロック群2aの電装ブロック13に設けられた外部コネクタ61を介して駆動電力が供給され、ブロック群2bの各バルブブロック11に設けられた電磁弁33には、該ブロック群2bの電装ブロック13に設けられた外部コネクタ61を介して駆動電力が供給されるようになっている。
【0025】
図2及び
図7に示すように、電装ブロック13には、連接方向に貫通し、連接ネジ16が挿通される電装連接孔65が、連接方向においてバルブ連接孔45と対向する位置に形成されている。なお、ブロック群2aの電装ブロック13における載置テーブル3側の底面には、連接方向他端側に延出されるとともに、設置ネジ66が挿通されることにより載置テーブル3に固定されるブラケット67が設けられている。
【0026】
図2及び
図8に示すように、エンドブロック14は、略長方形板状に形成されている。エンドブロック14には、連接方向他端側が閉塞された給気閉塞穴71及び排気閉塞穴72が、連接方向においてバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35と対向する位置に形成されている。また、エンドブロック14には、連接方向に貫通するエンド連接孔73が、連接方向においてバルブ連接孔45と対向する位置に形成されている。なお、エンドブロック14における載置テーブル3側の底面には、連接方向他端側に延出されるとともに、設置ネジ74が挿通されることにより載置テーブル3に固定されるブラケット75が設けられている(
図1参照)。
【0027】
エンドブロック14には、直交方向に貫通するエンド積層孔76が前後方向に間隔を空けて2つ形成されている。また、エンドブロック14には、連接方向一端側の側面14aに開口し、エンド積層孔76が連通するナット収容部77が形成されている。このナット収容部77には、積層ナット19をエンド積層孔76と同軸上に配置可能に形成されている。本実施形態では、ブロック群2aに設けられたエンドブロック14のナット収容部77にのみ積層ナット19が圧入され、ブロック群2bに設けられたエンドブロック14のナット収容部77は、空洞になっている。そして、ブロック群2aのエンドブロック14とブロック群2bのエンドブロック14とは、エンド積層孔76に積層ロッド18が挿通されることにより直交方向に連結されている。
【0028】
具体的には、積層ロッド18は、軸状に形成されるとともに、その両端部に積層ナット19が螺合するネジ部18a,18bが形成されている。また、積層ロッド18の軸方向中央部付近には、工具等で把持するための把持部18cが形成されている。そして、エンドブロック14同士は、積層ロッド18のネジ部18aがブロック群2aのエンドブロック14に固定された積層ナット19に螺合するとともに、ブロック群2bのエンドブロック14から直交方向上側に突出するネジ部18bに積層ナット19が螺合することで、互いに連結されている。
【0029】
図2及び
図9に示すように、中間ブロック15は、略長方形板状に形成されるとともに中間ブロック15には、連接方向に貫通する中間給気流路81及び中間排気流路82が、連接方向においてバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35と対向する位置にそれぞれ形成されている。なお、中間給気流路81及び中間排気流路82がそれぞれ中間流路に相当する。また、中間ブロック15には、連接方向に貫通する中間連接孔83が、連接方向においてバルブ連接孔45と対向する位置に形成されている。
【0030】
中間ブロック15には、中間給気流路81に連通するとともに直交方向に貫通する給気連通流路84、及び中間排気流路82に連通するとともに直交方向に貫通する排気連通流路85が形成されている。なお、給気連通流路84及び排気連通流路85がそれぞれ連通流路に相当する。そして、ブロック群2aに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85は、配管アダプタ86を介してブロック群2bに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85に連結されている。
【0031】
具体的には、給気連通流路84及び排気連通流路85の直交方向下端部及び上端部には、直交方向中央部よりも大きな内径を有する下側開口部84a,85a及び上側開口部84b,85bがそれぞれ形成されている。一方、配管アダプタ86は、略円筒状に形成されている。そして、配管アダプタ86は、ブロック群2aに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85の上側開口部84b,85bと、ブロック群2bに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85の下側開口部84a,85aとに嵌合している。また、配管アダプタ86の両端部外周には、Oリング等のシール部材87がそれぞれ装着されており、該シール部材87が給気連通流路84及び排気連通流路85と配管アダプタ86との間で径方向に圧縮されることにより、これらの間が気密にシールされている。なお、ブロック群2aに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85の下側開口部84a,85aと、ブロック群2bに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85の上側開口部84b,85bとは、プラグ88がそれぞれ樹脂溶着されることにより閉塞されている。
【0032】
また、中間ブロック15には、直交方向に貫通する中間積層孔89が前後方向に間隔を空けて2つ形成されている。さらに、中間ブロック15には、連接方向一端側の側面15aに開口し、中間積層孔89が連通するナット収容部90が形成されている。このナット収容部90には、積層ナット19を中間積層孔89と同軸上に配置可能に形成されている。本実施形態では、ブロック群2aに設けられた中間ブロック15のナット収容部90にのみ積層ナット19が圧入され、ブロック群2bに設けられた中間ブロック15のナット収容部90は、空洞になっている。そして、中間ブロック15同士は、エンドブロック14と同様に、中間積層孔89に積層ロッド18が挿通されることにより直交方向に連結されている。
【0033】
ブロック群2aでは、電装連接孔65、給排気連接孔56、バルブ連接孔45、中間連接孔83及びエンド連接孔73に連接ネジ16を挿通するとともに該連接ネジ16の先端に連接ナット17を螺着することにより、各ブロック11〜15同士が互いに連結されている。これにより、
図3(a)に示すように、バルブ給気流路34、一括給気流路51及び中間給気流路81が互いに結合して結合給気流路21が構成されるとともに、バルブ排気流路35、一括排気流路52及び中間排気流路82が互いに結合して結合排気流路22が構成されている。ここで、上記のように中間給気流路81及び中間排気流路82はバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35と対向する位置に形成されているため、中間ブロック15は、電装ブロック13とエンドブロック14との間のどの位置に配置しても、結合給気流路21及び結合排気流路22が構成されるようになっている。これにより、中間ブロック15は、電装ブロック13とエンドブロック14との間の任意の位置に配置可能となっている。
【0034】
同様に、ブロック群2bは、電装連接孔65、バルブ連接孔45、中間連接孔83及びエンド連接孔73に連接ネジ16を挿通するとともに該連接ネジ16の先端に連接ナット17を螺着することにより、各ブロック11,13〜15同士が互いに連結されており、
図3(b)に示すように、結合給気流路21及び結合排気流路22が構成されている。
【0035】
そして、ブロック群2a,2bは、各ブロック群2a,2bに設けられたエンドブロック14のエンド積層孔76、及び中間ブロック15の中間積層孔89に積層ロッド18をそれぞれ挿通し、エンドブロック14同士及び中間ブロック15同士を直交方向に連結することにより、直交方向に積層された状態で連結されている。なお、
図1に示すように、電磁弁マニホールド1(ブロック群2a)は、ブラケット67,75に設置ネジ66,74が挿通されることにより、載置テーブル3上に固定されている。
【0036】
次に、本実施形態の電磁弁マニホールドの作用について説明する。
電磁弁マニホールド1において、制御する流体圧機器の数を増やすためにバルブブロック11の数を増やしたい場合がある。こうした場合、例えば
図10に示すように、ブロック群2bに新たなバルブブロック11を増設するとともに、ブロック群2aにおいて中間ブロック15の位置を連接方向一端側に隣接するバルブブロック11と入れ換える。これにより、ブロック群2aの連接方向の寸法、すなわち電磁弁マニホールド1の設置面積を増設前と同じにしたまま、バルブブロック11の増設が可能となる。なお、バルブブロック11の増設に伴い新たなブロック群を増設しても、電磁弁マニホールド1の設置面積を増設前と同じにしたまま、バルブブロック11の増設が可能となる。
【0037】
また、例えば新たな機器(図示略)を載置テーブル3上に別途設置するような場合に、電磁弁マニホールド1の設置面積を減らすことで当該機器の設置面積を確保したいことがある。こうした場合、例えば
図11に示すように、ブロック群2aにおける中間ブロック15の連接方向一端側のバルブブロック11の1つをブロック群2bに移設するとともに、もう1つのバルブブロック11を該中間ブロック15の連接方向他端側に移設することで、電磁弁マニホールド1のバルブブロック11の総数を変えることなく、ブロック群2aの連接方向の寸法が小さくなる。すなわち、電磁弁マニホールド1の設置面積を減らすことができる。なお、新たなブロック群を増設し、該ブロック群にブロック群2aのバルブブロック11を移設してもても、電磁弁マニホールド1のバルブブロック11の総数を変えることなく、電磁弁マニホールド1の設置面積を減らすことができる。
【0038】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)中間ブロック15に、連接方向と直交する直交方向に延びる中間積層孔89を形成し、ブロック群2a,2bを、直交方向に積層し、中間積層孔89に積層ロッド18を挿通することにより互いに連結した。
【0039】
上記構成によれば、ブロック群2a,2bに含まれるバルブブロック11の数を増減させることでブロック群2a,2bの連接方向の寸法が変化し、直交方向に積層するブロック群の数を増減させることで直交方向の寸法が変化するため、電磁弁マニホールド1の外形形状を様々な形状に変化させることができる。そのため、上記のように設置面積を増加させずにバルブブロック11を増設したり、バルブブロック11の総数を変えずに(制御可能な流体圧機器の数を変えずに)設置面積を減らしたりすることができる。
【0040】
(2)ブロック群2a,2bに設けられたエンドブロック14に、直交方向に延びるエンド積層孔76を形成し、ブロック群2a,2bを、中間積層孔89に加え、エンド積層孔76に積層ロッド18を挿通することにより互いに連結したため、ブロック群2a,2b同士をしっかりと連結することができ、ブロック群2bを安定して支持することができる。
【0041】
(3)中間ブロック15に、中間給気流路81に連通するとともに直交方向に貫通する給気連通流路84、及び中間排気流路82に連通するとともに直交方向に貫通する排気連通流路85を形成した。そして、ブロック群2aの中間ブロック15の中間給気流路81及び中間排気流路82と、ブロック群2bの中間ブロック15の中間給気流路81及び中間排気流路82とを給気連通流路84及び排気連通流路85を介して互いに連通させた。そのため、ブロック群2a,2b毎に給排気ブロック12を設けずともよくなり、電磁弁マニホールド1の構成を簡素化することができる。
【0042】
(4)ブロック群2aの中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85を、配管アダプタ86を介してブロック群2bの中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85に連結した。そして、配管アダプタ86と給気連通流路84及び排気連通流路85との間を径方向に圧縮されるシール部材87により気密にシールした。そのため、例えばブロック群2aの中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85と、ブロック群2bの中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85とを直接連結し、中間ブロック15間でシール部材87を直交方向に圧縮して該中間ブロック15間をシールする場合に比べ、容易に気密性を確保することができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図12に示すように、本実施形態のブロック群2aは、複数のバルブブロック11と、電装ブロック13と、エンドブロック14と、中間ブロック15とを備えており、給排気ブロック12を備えていない。そして、
図13に示すように、ブロック群2bの中間ブロック15に設けられた給気連通流路84及び排気連通流路85の上側開口部84b,85bには、配管接続用の継手55a,55bがそれぞれ固定されており、上側開口部84b,85bは、それぞれ外部に接続される給気ポート24及び排気ポート25として構成されている。
【0045】
このように構成された電磁弁マニホールド1では、ブロック群2a,2bの各バルブブロック11に対して、ブロック群2bの中間ブロック15に設けられた給気ポート24及び排気ポート25から作動流体が給排されるようになっている。
【0046】
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(4)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(5)ブロック群2bの中間ブロック15に給気ポート24及び排気ポート25を設け、該中間ブロック15が給排気ブロックとしても機能するようにしたため、いずれのブロック群2a,2bにも給排気ブロックを設けずともよく、部品点数を削減して電磁弁マニホールド1の構成を簡素化することができる。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図14及び
図15に示すように、本実施形態のブロック群2aは、複数(本実施形態では、4つ)のバルブブロック11と、給排気ブロック12と、電装ブロック13と、エンドブロック14と、中間ブロック15とを備えている。また、ブロック群2bは、複数(本実施形態では、4つ)のバルブブロック11と、エンドブロック14と、中間ブロック15とを備えており、電装ブロック13を備えていない。
【0049】
ブロック群2aの中間ブロック15には、アダプタケーブル91を介して配線基板62に電気的に接続される接続基板92が設けられている。一方、ブロック群2bの中間ブロック15には、接続コネクタ93を介して接続基板92、すなわちブロック群2aに設けられた電装ブロック13の配線基板62に電気的に接続される中間基板94が設けられている。この中間基板94には、ブロック群2bのバルブブロック11に搭載された電磁弁33から延びる個別ケーブル64の接続端部64aを電気的に接続可能に形成されている。そして、中間基板94は、該中間基板94上における接続端部64aの接続位置に応じて、電磁弁33をブロック群2aの電装ブロック13に設けられた外部コネクタ61のピン63毎に個別に接続されるように回路が形成されている。
【0050】
このように構成された電磁弁マニホールド1では、ブロック群2a,2bの各バルブブロック11に設けられた電磁弁33には、ブロック群2aの電装ブロック13に設けられた外部コネクタ61を介して駆動電力が供給されるようになっている。
【0051】
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(4)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(5)ブロック群2bの中間ブロック15に、ブロック群2aの電装ブロック13の配線基板62にアダプタケーブル91を介して電気的に接続されるとともにブロック群2bの電磁弁33から延びる個別ケーブル64を、上記電装ブロック13に設けられた外部コネクタ61のピン63毎に個別に接続可能な中間基板94を設けた。そのため、ブロック群2bに電装ブロックを設けずともよく、ブロック群2bの連接方向の小型化を図ることができる。
【0052】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1及び第3実施形態では、ブロック群2aにのみ給排気ブロック12を設けたが、ブロック群2a,2bのそれぞれに給排気ブロック12を設け、中間ブロック15に給気連通流路84及び排気連通流路85を形成しなくてもよい。
【0053】
・上記第2実施形態では、ブロック群2bの中間ブロック15に設けられた給気連通流路84及び排気連通流路85の上側開口部84b,85bをそれぞれ給気ポート24及び排気ポート25として構成した。しかし、これに限らず、給気連通流路84及び排気連通流路85に連通するとともに前後方向に延びるそれぞれ流路を中間ブロック15に形成し、該流路の開口部をそれぞれ給気ポート24及び排気ポート25として構成してもよい。
【0054】
・上記第3実施形態において、ブロック群2aの中間ブロック15に接続基板92を設けず、配線基板62と中間基板94とをアダプタケーブル91によって直接接続してもよい。
【0055】
・上記第1実施形態では、エンドブロック14にエンド積層孔76を形成し、エンド積層孔76及び中間積層孔89に挿通される積層ロッド18により、ブロック群2a,2b同士を互いに連結した。しかし、これに限らず、例えば
図16に示すように、各ブロック群2a,2bに複数の中間ブロック15を設け、各中間ブロック15の中間積層孔89に積層ロッド18を挿通することにより、ブロック群2a,2b同士を互いに連結してもよい。このように構成しても、ブロック群2a,2b同士をしっかりと連結することができ、ブロック群2bを安定して支持することができる。同様に、上記第2及び第3実施形態において、エンドブロック14にエンド積層孔76を形成せず、複数の中間ブロック15を設けてもよい。
【0056】
また、例えば
図17に示すように、1つの中間ブロック15の中間積層孔89に挿通される積層ロッド18のみにより、ブロック群2a,2b同士を連結してもよい。同様に、上記第2及び第3実施形態において、1つの中間ブロック15の中間積層孔89に挿通される積層ロッド18のみにより、ブロック群2a,2b同士を互いに連結してもよい。
【0057】
・上記各実施形態では、ブロック群2aに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85を、配管アダプタ86を介してブロック群2bに設けられた中間ブロック15の給気連通流路84及び排気連通流路85に連結した。しかし、これに限らず、例えば
図18に示すように、ブロック群2aの中間ブロック15に設けられた給気連通流路84及び排気連通流路85の上側開口部84b,85bと、ブロック群2bの中間ブロック15に設けられた給気連通流路84及び排気連通流路85の下側開口部84a,85aとを直接連通させてもよい。なお、この場合には、ブロック群2aの中間ブロック15とブロック群2bの中間ブロック15との間で直交方向に圧縮されるシール部材101により、これらの間がシールされる。
【0058】
・上記各実施形態では、電磁弁マニホールド1を載置テーブル3上において連接方向が該載置テーブル3の載置面3aと平行になる姿勢で配置したが、例えば
図19に示すように、電磁弁マニホールド1を載置テーブル3上において連接方向が載置面3aと直交する姿勢で配置してもよい。なお、
図19に示す例では、電磁弁マニホールド1は、3つのブロック群2a〜2cを積層してなり、給排気ブロック12の給気ポート24及び排気ポート25は、直交方向に開口するように形成されている。
【0059】
・上記各実施形態では、ブロック群2a,2bを直交方向から見て、略全体が重なる状態で積層したが、これに限らず、例えば
図20(a)に示すように、ブロック群2aとブロック群2bとを前後方向にずらした状態で積層してもよい。なお、
図20(a)に示す構成では、ブロック群2bにも給排気ブロック12が設けられており、中間ブロック15に給気連通流路84及び排気連通流路85は形成されていない。こうした構成は、同図に示すように、バルブブロック11にバルブ給気流路34及びバルブ排気流路35と第1及び第2出力ポート38,39との連通状態を手動で切換可能な手動操作装置を設け、該装置の操作部103をバルブブロック11の直交方向上側の上面に配置する場合に特に有効である。
【0060】
また、例えば
図20(b)に示すように、ブロック群2aとブロック群2bとでバルブブロック11が互いに反対方向を向くようにしてもよい。なお、
図20(b)に示す構成では、ブロック群2bにも給排気ブロック12が設けられており、中間ブロック15に給気連通流路84及び排気連通流路85は形成されていない。また、上記各実施形態においても同様に、ブロック群2aとブロック群2bとでバルブブロック11が互いに反対方向を向くようにしてもよい。
【0061】
さらに、中間ブロック15の中間積層孔89間の前後方向における間隔及びエンドブロック14のエンド積層孔76間の前後方向における間隔が、中間ブロック15とエンドブロック14との間の連接方向における間隔と等しければ、ブロック群2aでの各ブロックの連接方向と、ブロック群2bでの各ブロックの連接方向とが直交するようにブロック群2a,2b同士を積層してもよい。
【0062】
・上記各実施形態において、バルブ給気流路34及びバルブ排気流路35以外にバルブ流路に相当する他の流路を形成してもよい。同様に、中間ブロック15に、中間給気流路81及び中間排気流路82以外の中間流路に相当する他の流路を形成してもよい。
【0063】
・上記各実施形態では、連接ネジ16及び連接ナット17により各ブロック11〜15を互いに連結したが、これに限らず、例えば各ブロック11〜15が連接方向以外の移動を規制した状態で搭載されるDINレール(上記特許文献1参照)を用いて各ブロック11〜15を互いに連結してもよい。
【0064】
・上記各実施形態では、ブロック群2aの中間ブロック15に積層ナット19を設けたが、これに限らず、例えばブロック群2aの中間ブロック15の中間積層孔89にのみネジ溝を形成してもよい。
【0065】
・上記各実施形態において、各ブロック群2a,2bに設けられるバルブブロック11の数は適宜設定可能であり、例えばブロック群2aのバルブブロック11の数がブロック群2bのバルブブロック11より少なくてもよい。また、各ブロック群2a,2bにバルブブロック11をそれぞれ1つだけ設けてもよい。さらに、積層するブロック群の数は、2つ以上あれば、適宜設定可能である。
【0066】
・上記実施形態では、圧力流体として圧縮エアを用いたが、これに限らず、他の流体を用いてもよい。
・上記実施形態では、電磁弁33にソレノイドへの通電によりポペットを往復動させることで3つのポート間の連通状態を切り換える形式のものを採用したが、例えば2つのポート間の連通状態を切り換えるものや、軸状のスプール弁を用いる形式のものを採用してもよい。