(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912608
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】旋回軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 33/58 20060101AFI20160414BHJP
F16C 19/40 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
F16C33/58
F16C19/40
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-22909(P2012-22909)
(22)【出願日】2012年2月6日
(65)【公開番号】特開2013-160308(P2013-160308A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092347
【弁理士】
【氏名又は名称】尾仲 一宗
(72)【発明者】
【氏名】菊地 俊亮
【審査官】
北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−127319(JP,A)
【文献】
特開2004−011821(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/020087(WO,A1)
【文献】
特開平03−041217(JP,A)
【文献】
特開2000−314418(JP,A)
【文献】
特開2010−151152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00−19/56、33/30−33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に沿って二条列の断面略V字形状の外側軌道溝が形成された外輪,外周面に沿って前記外輪の前記外側軌道溝に対向する二条列の断面略V字形状の内側軌道溝が形成された内輪,前記外側軌道溝と前記内側軌道溝で形成される軌道路に配設され且つ前記外輪と前記内輪の相対回転に伴って前記軌道路で荷重を負荷して循環する多数のローラ,及び前記ローラ間に位置して前記軌道路に配設されたセパレータから成る旋回軸受において,
前記外輪の前記外側軌道溝は,前記外輪の軸方向内側に位置してローラ転動面が転動する転走面と前記外輪の軸方向外側に位置し且つ一方のローラ端面を旋回摺動する案内面を備えた案内部から構成され,
前記内輪の前記内側軌道溝は,前記内輪の軸方向外側に位置して前記ローラ転動面が転動する転走面と前記内輪の軸方向内側に位置し且つ他方のローラ端面を旋回摺動する案内面を備えた案内部から構成され,
前記外側軌道溝と前記内側軌道溝との前記案内部は,前記ローラの前記ローラ端面を案内し且つ前記外輪の前記内周面と前記内輪の前記外周面とにそれぞれ形成された前記案内面と,前記案内面から前記外側軌道溝と前記内側軌道溝との底部まで延びる逃がし溝とからそれぞれ構成され,
前記外輪は,前記転走面が前記ローラ転動面の有効接触長さより大きく形成されており,前記案内部が前記転走面より幅寸法を小さく形成されており,前記外輪の前記転走面側の前記内周面が前記案内面側の前記内周面より内径側に突出して形成されており,
前記内輪は,前記転走面が前記ローラ転動面の有効接触長さより大きく形成されており,前記案内部が前記転走面より幅寸法を小さく形成されており,前記転走面側の前記外周面が前記案内面側の前記外周面より外径側に突出して形成されており,
前記外輪と前記内輪との前記転走面は,前記逃がし溝と連続して逃がし溝形状の前記転走面側の始点が前記ローラの面取り形状の開始位置より前記ローラ端面側に位置してローラ端部の面取り部の寸法範囲内であり,前記転走面の前記案内部側において前記転走面の有効接触部分の端部位置は,前記ローラ転動面における前記面取り部の開始位置よりも前記ローラ端面側の位置であり,
前記外輪と前記内輪との前記案内部の前記幅寸法は,前記ローラの半径寸法よりも大きく,前記ローラの直径よりも小さく形成されており,
前記外輪と前記内輪との前記逃がし溝は,前記案内部の前記転走面側に断面形状くさび状で前記転走面との交点位置がR形状に且つ前記案内面に対して更に傾斜したテーパ面に形成して,前記案内部と前記転走面との同時研削加工を可能にすると共に,前記ローラの半径以下の幅寸法に形成されて,前記案内面の面積を低減していることを特徴とする旋回軸受。
【請求項2】
前記外輪と前記内輪との前記案内部における前記案内面は,前記ローラのスキューを防止するために,前記ローラの回転中心に跨がって前記ローラの半径以下の幅寸法で前記ローラの回転中心に対して直角方向に傾斜したテーパ面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の旋回軸受。
【請求項3】
前記外輪の前記外側軌道溝に位置する側の前記ローラ端面は前記案内面に対して両端側の2箇所で接触ガイドされ,前記内輪の前記内側軌道溝に位置する側の前記ローラ端面は前記案内面に対してローラ回転中心の1箇所で接触ガイドされることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回軸受。
【請求項4】
前記外輪には,前記ローラと前記セパレータとを前記軌道路に組み込むための組込孔が形成されており,前記組込孔の前記軌道路側の開口部は,前記転走面の全域と前記案内部の前記逃がし溝とに開口して前記案内面から偏倚していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の旋回軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,半導体製造装置,精密機械,測定・検査装置,医療機器,各種ロボット,各種組立装置,搬送機械,工作機械,マイクロマシーン等の各種装置における旋回部に組み込んで使用される旋回軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
また,従来知られている複列ローラ軸受は,内周面の周方向に沿って2条の外側転走溝が形成された外輪と,外輪の外側転走溝と対向する2条の内側転走溝が外周面の周方向に沿って形成された内輪と,これらの外側転走溝及び内側転走溝が互いに対向して形成された転走路に配列され且つ内輪又は外輪の回転に伴って転走路で荷重を負荷しながら循環する多数のローラとから構成されている。外側転走溝及び内側転走溝は,ローラが転走する転走面とローラの軸方向端面と微小隙間を介して対向するスキュー規制面とが交わって断面略V字状に形成されており,また,外側転走溝のスキュー規制面には,ローラの自転軸に対向する部位を挟んで一対の環状溝が外輪の内周面の周方向に沿って形成されている。また,内側転走溝のスキュー規制面には,ローラの自転軸に対向する部位を挟んで一対の環状溝が内輪の外周面の周方向に沿って形成されている。更に,外輪には,外側転走溝の最深部から半径方向に貫通する潤滑油の排出通路が設けられている(例えば,特許文献1参照)。
【0003】
従来,組み立て作業が容易で小形化が可能なアンギュラコンタクト円筒ころ軸受として,本出願人が先に開発した
図15及び
図16に示されるものが知られている。該アンギュラコンタクト円筒ころ軸受は,
図15に示すように,外輪51と内輪52との間に円筒ころ53の軌道路60が複列で形成されており,各軌道路60内に配列された円筒ころ53の自転軸が外輪51及び内輪52の回転軸に対して傾斜しているタイプである。外輪51には,円筒ころ53を軌道路60に組み込むために組込孔55が形成されており,組込孔55は蓋部材67で閉鎖されている。外輪51の内周面58は,外側軌道溝56の外側も内側も同じレベルで段差は形成されていない。同様に,内輪52の外周面59は,内側軌道溝57の外側も内側も同じレベルで段差は形成されていない。外側軌道溝56及び内側軌道溝57は,断面V型形状であって,ころ転動面61を受ける転動面63,65と,ころ端面62を受ける案内部64,66とは同じ形状に形成されている。また,該アンギュラコンタクト円筒ころ軸受は,軌道溝56,57間に配列した円筒ころ53間にセパレータ54が組み込まれている(
図16)。セパレータ54は,
図16に示すように,円筒ころ53が転動する軌道のそれぞれの転動面63,65に僅かな隙間で対向する対向面で成る上面68と下面69,上面68と下面69とを連設された柱部70,及び円筒ころ53の端面62側に面する軌道のそれぞれの案内面に僅かな隙間で対向する端面を有している。また,セパレータ54の両側には円筒ころ53を嵌入する凹部が対称に形成され,更に,セパレータ54の両側面の凹部は中央部に向かって漸次膨出する凸状の円弧形状に形成され,円筒ころ53がセパレータ54の凹部の凸状部分に接触して回転案内されるものである(例えば,特許文献2参照)。
【0004】
また,
図17に示すような複列旋回軸受が知られている。該複列旋回軸受は,外輪71と内輪72との間に設けられた複数列の転走路74にローラ等の転動体73が装填されたものである。該複列旋回軸受は,内周に複数列の転走溝75が設けられた外輪71と,外輪71の内側に配置され且つ外周には外輪71の転走溝75に対応する複数列の転走溝76が設けられた内輪72と,内外輪の転走溝間に形成される転走路74に装填される多数の転動体73とを備えている。外輪71又は内輪72には,その半径方向に貫通して転走路74への転動体73の挿入を可能にする挿入孔77が転走路74毎に個別に設けられている(例えば,特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2009/020087号公報
【特許文献2】特開2000−314418号公報
【特許文献3】特開2002−13540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで,従来の複列ローラ軸受は,転走溝における転走面とローラ端面の案内部とが連続する位置に逃がし溝が形成されている。該逃がし溝は,転走溝の転走面と案内面を正確な形状に研削加工できるようにするために,ある程度の幅を持たせている。また,複列ローラ軸受は,内輪の外周面と外輪の内周面とが幅方向において半径方向に同一位置で外周面と内周面とがそれぞれ形成しており,そのため,ローラ端面の案内部であるスキュー規制面を形成するためその周方向両側に環状溝を形成した構造に構成されている。また,逃がし溝は,転走溝を研削加工するときに,研削加工時に砥石から離脱した砥粒が排出され,転走溝の形状が転写された砥石の隅部の形状が僅かに崩れても,転走溝の転走面には研削加工の残りが発生することなく必要な形状が形成されるという機能を果たす。しかしながら,従来の複列ローラ軸受では,逃がし溝は,転走面側にも形成されており,ローラ転動面の有効接触長さに対して,内輪及び外輪の転走面側の有効接触長さが小さくなっていた。その結果,複列ローラ軸受の荷重の負荷能力が低下するという問題がある。また,内輪の案内面は,従来の複列旋回軸受では,ローラ端面の直径方向の幅寸法範囲にわたりすべり接触する構造に形成されており,ローラ端面の接触面積が広くなり,摩擦抵抗が大きくなるという問題があった。
【0007】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,二条列の軌道溝を備えた外輪と内輪,前記軌道溝間に形成された軌道路に配設される荷重を負荷して循環する多数のローラ,及び前記ローラ間で軌道路に配設されるセパレータから構成された旋回軸受において,二条列の前記軌道溝がローラ転動面が転動する転走面とローラ端面を受ける案内部とで断面略V字形状に形成され,前記案内部が前記ローラ端面をガイドする案内面と研削時の砥石の逃がし溝とで構成されており,前記外輪の内周面には前記軌道溝を境に幅方向に段差が形成され,前記内輪の外周面には前記軌道溝を境に幅方向に段差が形成され,それによって,前記ローラ転動面が転動する前記転走面を前記ローラ転動面の全域を受けて定格荷重(負荷容量)が最大限になるように構成し,前記ローラ端面をガイドする前記案内面を可及的に小さく構成して接触抵抗を低減させることができる旋回軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は,内周面に沿って二条列の断面略V字形状の外側軌道溝が形成された外輪,外周面に沿って前記外輪の前記外側軌道溝に対向する二条列の断面略V字形状の内側軌道溝が形成された内輪,前記外側軌道溝と前記内側軌道溝で形成される軌道路に配設され且つ前記外輪と前記内輪の相対回転に伴って前記軌道路で荷重を負荷して循環する多数のローラ,及び前記ローラ間に位置して前記軌道路に配設されたセパレータから成る旋回軸受において,
前記外輪の前記外側軌道溝は,前記外輪の
軸方向内側に位置してローラ転動面が転動する転走面と前記外輪の
軸方向外側に位置し且つ一方のローラ端面を旋回摺動する
案内面を備えた案内部から構成され,
前記内輪の前記内側軌道溝は,前記内輪の
軸方向外側に位置して前記ローラ転動面が転動する転走面と前記内輪の
軸方向内側に位置し且つ他方のローラ端面を旋回摺動する
案内面を備えた案内部から構成され,
前記外側軌道溝と前記内側軌道溝との前記案内部は,前記ローラの前記
ローラ端面を案内し且つ前記外輪の前記内周面と前記内輪の前記外周面とにそれぞれ形成された
前記案内面と,前記案内面から前記外側軌道溝と前記内側軌道溝との底部まで延びる逃がし溝とからそれぞれ構成され,
前記外輪は,前記転走面
が前記ローラ転動面の有効接触長さより大きく形成
されており,前記案内部が前記転走面より幅寸法を小さく形成
されており,
前記外輪の前記転走面側の前記内周面が前記案内面側の前記内周面より内径側に突出し
て形成され
ており,
前記内輪は,前記転走面
が前記ローラ転動面の有効接触長さより大きく形成
されており,前記案内部
が前記転走面より幅寸法を小さく形成
されており,前記転走面側の前記外周面が前記案内面側の前記外周面より外径側に突出し
て形成されて
おり,
前記外輪と前記内輪との前記転走面は,前記逃がし溝と連続して逃がし溝形状の前記転走面側の始点が前記ローラの面取り形状の開始位置より前記ローラ端面側に位置してローラ端部の面取り部の寸法範囲内であり,前記転走面の前記案内部側において前記転走面の有効接触部分の端部位置は,前記ローラ転動面における前記面取り部の開始位置よりも前記ローラ端面側の位置であり,
前記外輪と前記内輪との前記案内部の前記幅寸法は,前記ローラの半径寸法よりも大きく,前記ローラの直径よりも小さく形成されており,
前記外輪と前記内輪との前記逃がし溝は,前記案内部の前記転走面側に断面形状くさび状で前記転走面との交点位置がR形状に且つ前記案内面に対して更に傾斜したテーパ面に形成して,前記案内部と前記転走面との同時研削加工を可能にすると共に,前記ローラの半径以下の幅寸法に形成されて,前記案内面の面積を低減していることを特徴とする旋回軸受に関する。
【0009】
また
,前記外輪と前記内輪との前記案内部における前記案内面は,前記ローラのスキューを防止するために,前記ローラの回転中心に跨がって前記ローラの半径以下の幅寸法で前記ローラの回転中心に対して直角方向に傾斜したテーパ面に形成されている。
とする請求項
1に記載の旋回軸受。
【0010】
また,
この旋回軸受において,前記外輪の前記外側軌道溝に位置する側の前記ローラ端面は
,前記案内面に対して両端側の2箇所で接触ガイドされ,前記内輪の前記内側軌道溝に位置する側の前記ローラ端面は
,前記案内面に対してローラ回転中心の1箇所で接触ガイドされる。また,前記外
輪には,前記ローラと前記セパレータとを前記軌道路に組み込むための組込孔が形成されており,前記組込孔の前記軌道路側の開口部は,前記転走面の全域と前記案内部の前記逃がし溝とに開口して前記案内面から偏倚している。
【発明の効果】
【0011】
この発明による旋回軸受は,上記のように構成されているので,2つの軌道溝に挟まれた外輪の内側内周面と軸受の取付面側である外輪の外側内周面とに段差が形成され,同時に,2つの軌道溝に挟まれた内輪の外周面と軸受の取付面側の内輪の外周面とに段差が形成され,外輪と内輪に形成される軌道溝の転走面の有効接触長さを最大限に確保しながら,内輪におけるローラ端面を案内する案内部の幅を縮小してローラ端面の接触抵抗を可及的に低減すると共にローラのスキューを防止することができ,外輪内周面や内輪外周面に段差を形成することで,軸受の外部から軌道溝への異物が入り込み難くなって,内部に潤滑剤の保持できる空間を形成することもできる。即ち,この旋回軸受は,従来構造に比べて内側軌道溝と外側軌道溝との転走面のローラ転動面に対する有効接触長さを長くして,軸受の定格荷重を向上でき,軌道溝への異物が入り込み難いので,ローラが異物を噛み込むことを予防でき,段差による空間が油溜まりとなって潤滑性能が向上する。内輪及び外輪は,案内部の幅を縮小してローラ案内面を縮小でき,ローラ端面と滑り接触する面積が小さくでき,接触摩擦抵抗を低減でき,内輪と外輪とはスムーズに相対回転できる。
【0012】
また,この旋回軸受は,外輪の内側内周面が両外側内周面よりも軌道路を転走するローラの中心位置に接近し,また,内輪の両外側外周面が内側外周面よりも軌道路を転走するローラの中心位置に接近しているので,逃がし溝形状の転走面側の始点がローラの面取り形状の開始位置よりローラ端面側に位置してローラ端部の面取り部の寸法範囲に位置し,転走面の有効接触部分の端部位置は,ローラ転動面における面取り部の開始位置よりもローラ端面側の位置になるように構成され,軌道溝の転走面の有効接触長さをローラの有効接触長さよりも長く設定でき,従来の旋回軸受に比べて,軌道溝の転走面の有効接触長さが長くなり,軸受の定格荷重を最大限に構成することができ,負荷能力が向上する。また,この旋回軸受は,案内面と逃がし溝で構成される案内部の幅寸法は,ローラの半径寸法よりも大きく,ローラの直径よりも小さく形成されており,案内面でローラ端面を確実に案内するので,滑り接触するローラ端面と案内面の面積を低減して,接触摩擦抵抗を減らすことができ,外輪と内輪とがスムーズに相対回転できる。
【0013】
また,この旋回軸受は,逃がし溝が案内面の転走面側に形成され,その断面形状がくさび状で転走面との交点位置がR形状になり,逃がし溝の幅寸法がローラの半径以下で且つ逃がし溝が案内面に対して更に傾斜したテーパ面に形成されているので,外輪側の軌道溝の案内面は,ローラ端面と接触する構造であり,ローラ進行方向の直径両端位置が内輪側の軌道溝では,ローラ端面の外周側位置と逃がし溝が対向する。ローラが回転しながら軌道溝を転走するとき,ローラ端面の外周側の位置は,案内面に対して相対回転速度が大きくなる。ローラ端面の外周側に対向する案内面側には,逃がし溝が形成されて,ローラ端面との滑り接触が発生せず,その結果,接触摩擦抵抗が小さくスムーズに相対回転できる。更に,内輪の外側軌道溝及び外輪の内側軌道溝における転走面と案内部の案内面及び逃がし溝とは,砥石で同時に研削加工することができる。また,前記外輪又は前記内輪に形成された組込孔の前記軌道路側の開口部は,前記転走面の全域と前記案内部の前記逃がし溝とに開口して前記案内面から偏倚しているので,ローラの転動時には,ローラ端面が組込孔の開口に引っ掛かったり,落ち込んだりすることがなく,ローラは,スムーズに転動できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明による旋回軸受である一実施例の複列アンギュラローラベアリングを示す外観図である。
【
図2】
図1の複列アンギュラローラベアリングのA−A’断面位置を示す断面図である。
【
図3】
図1の複列アンギュラローラベアリングのB−O−C断面位置に示し,2つの軌道溝に対して1 つの組込孔が形成されている実施形態を示す断面図である。
【
図4】
図3の符号Dの領域を示す拡大断面図である。
【
図5】
図4の符号Kの領域におけるローラと,外輪の内側軌道溝と内輪の外側軌道溝から成る軌道路とを示す拡大断面図である。
【
図6】
図5の符号Eの領域を拡大して示す説明図である。
【
図7】外輪の内側軌道溝と内輪の外側軌道溝との間の軌道路を転動するローラを示す斜視図である。
【
図8】ローラ間に配設されるセパレータの実施形態を示す斜視図である。
【
図10】
図9のH−H断面位置におけるセパレータを示す拡大断面図である。
【
図11】ローラに接触するセパレータの端面を示す正面図である。
【
図12】
図11のJ−J断面におけるセパレータの貫通孔方向から見たローラとセパレータとの配列状態を示す説明図である。
【
図13】ローラが端面両側に位置するセパレータの別の例を示す斜視図である。
【
図14】
図13と同様な位置でのセパレータの更に別の例を示す斜視図である。
【
図15】外輪の内側軌道溝と内輪の外側軌道溝とから成る軌道路にローラを配設
したローラを従来の複列ローラ軸受を示す断面図である。
【
図16】
図15の複列ローラ軸受におけるローラ間に配設されたセパレータを示す斜視図である。
【
図17】転動体を組み込む挿入孔が軌道路毎に設けられた従来の複列旋回軸受を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,図面を参照して,この発明による旋回軸受の一実施例について説明する。この発明による旋回軸受は,
図1〜
図4に示すように,概して,外輪1,内輪2,及びそれらの間に形成された軌道路10に配設されたローラ3とローラ3間に配設されたセパレータ4(
図8)から構成されている。外輪1又は内輪2のいずれか一方に即ち実施例では外輪1に,円筒ころのローラ3とセパレータ4を組み込むための組込孔5が形成されて,断面V溝状の軌道溝6,7を複数列(図では2条列)を有する複列のアンギュラコンタクト円筒ころ軸受である。外輪1には,内周面8に断面V溝状の外側軌道溝6が形成され,また,内輪2には,外周面9に断面V溝状の内側軌道溝7が形成されている。また,この実施例では,外側軌道溝6と内側軌道溝7との作用線Fと軸受半径方向との成す角,即ち,転動体荷重が負荷される方向と軸受の中心軸に垂直な平面とのなす角の接触角αは,
図4に示されるように,45°の角度に形成されている。従って,外側軌道溝6と内側軌道溝7の各条列から延びる作用線Fの延長線の交差する交差角βは,互いに直交して90°の角度に形成されている。外輪1及び内輪2には,ベース,機器等の他の部材に取り付けて固定されるためにザグリ状の取付け用孔30,31が形成されている。このアンギュラコンタクト円筒ころ軸受の軌道溝6,7の配列は,背面配列構造又は正面配列構造に構成され,本実施例では,背面配列構造に構成されている。背面配列状態では,
図4に示すように,外側軌道溝6の転走面13の中央部間距離aよりも,内側軌道溝7の転走面15の中央部間距離bが大きくなっている。また,外側軌道溝6と内側軌道溝7とから成る軌道路10を転動するローラ3のローラ荷重の作用線F同士は,ローラ3のピッチ円の外側で互いに交差している。背面配列状態は,ローラ荷重の作用点間の距離が大きく,モーメント荷重に対する負荷能力が高くなる。
【0016】
この旋回軸受の仕様は,本実施例では,例えば,内輪1の内周面寸法,即ち内径寸法が160mm,外輪1の外周面32の寸法,即ち外径寸法が295mm,外輪1と内輪2との幅寸法が35mmに形成されている。ローラ3は,例えば,直径Daと長さLrの比率が略1:1に形成されているが,詳しくは,直径Daの寸法はφ6mmであり,長さLrは直径寸法よりも僅かに小さく形成されている。この旋回軸受は,その軸方向両端側には,防じん部品としてシールが設けられるように,外輪1と内輪2との間の端面側にシール溝41が設けられている。外輪1には,油孔24が形成されており,本実施例では,4箇所に形成されており,油孔24同士は,例えば,互いに外輪1の周方向に90°隔置するように形成されている。油孔24は,例えば,直径φ2mmの貫通孔であり,外輪1の外周面32側に管用テーパ雌ねじが形成されている。この旋回軸受では,ローラ3及びセパレータ4の軌道路10への組み込むための組込孔5は,本実施例では外輪1に
2箇所形成され,油孔24と干渉しない位置に形成されている
(図1参照)。この旋回軸受では,組込孔5を通じて複数の転動体のローラ3及びローラ3間にセパレータ4が組み込まれる。また,組込孔5は,蓋部材25で閉鎖される。蓋部材25は,例えば,特開2010−230053号公報に開示されているものを使用することができる。蓋部材25の軌道溝6側の端部は,軌道溝6の形状に対応した形状に形成されている。蓋部材25は,外周面に軸方向に形成されたスリット28と,スリット28の端部付近に周方向に形成されたスリットを有する。蓋部材25の他方の端部にはねじ孔29Hが形成されている。ねじ孔29Hの口元は,対応した頭部形状の止めねじ29を締めこむことによって,スリット28が広がり蓋部材25の外形が拡径して,組込孔5に対して蓋部材25が固定されるようになる。蓋部材25の他方の端部は,外輪1の外周面32よりも凹んだ位置になっている。
【0017】
この発明による旋回軸受は,特に,外輪1の内周面8に形成した外側軌道溝6を境に内周面8に段差を形成すると共に,内輪2の外周面9に形成した内側軌道溝7を境に外周面9に段差を形成し,転走面13,15のローラ転動面11との接触面積を大きく,案内部14,16のローラ端面12との接触面積を小さく構成したことを特徴としている。特に,
図4及び
図5に示すように,外輪1の外側軌道溝6は,断面略V字形状の一面が転走面13に形成され,他面が案内部14に形成されている。案内部14は,研削加工のための砥石(図示せず)用の逃がし溝19と,ローラ端面12をガイドする案内面17とで構成されている。同様に,内輪2の内側軌道溝7は,断面V溝状の一面が転走面15に形成され,他面が案内部16に形成されている。案内部16は,研削加工のための砥石(図示せず)用の逃がし溝20と,ローラ端面12をガイドする案内面18とで構成されている。更に,外輪1の外側軌道溝6は,外輪1の軸方向内側に位置してローラ転動面11が転動する転走面13と外輪1の軸方向外側に位置し且つ一方のローラ端面12を旋回摺動する案内面17を備えた案内部14から構成されている。また,内輪2の内側軌道溝7は,内輪2の軸方向外側に位置してローラ転動面11が転動する転走面15と内輪2の軸方向内側に位置し且つ他方のローラ端面12を旋回摺動する案内面18を備えた案内部16から構成されている。また,外側軌道溝6と内側軌道溝7との案内部14,16は,ローラ端面12を案内し且つ外輪1の内周面8と内輪2の外周面9にそれぞれ形成された案内面17,18と,案内面17,18から外側軌道溝6と内側軌道溝7との底部まで延びる逃がし溝19,20とからそれぞれ構成されている。
【0018】
この旋回軸受については,特に,外輪1は,転走面13をローラ転動面11の有効接触長さより大きく形成して案内部14を転走面13より幅寸法を小さく形成するため,転走面13側の内周面8が案内面17側の内周面8より内径側に突出して内周面8が外側軌道溝6を境に段差に形成されると共に,内輪2は,転走面15をローラ転動面11の有効接触長さより大きく形成して案内部16を転走面15より幅寸法を小さく形成するため,転走面15側の外周面9が案内面18側の外周面9より外径側に突出して外周面9が内側軌道溝7を境に段差に形成されていることを特徴としている。外側軌道溝6の転走面13はテーパ面21に,また,内側軌道溝7の転走面15はテーパ面22に形成されている。また,外輪1の内側の内周面8は,外輪1の外側の内周面8よりも,軌道溝6を転走するローラ3の中心O位置に接近している。また,内輪2の外側の外周面9は,内輪2の内側の外周面9よりも,軌道溝6を転走するローラ3の中心O位置に接近している。それ故に,外輪1の取付面側に位置する内周面8と2つの軌道溝6の内側に位置する内周面8では,半径方向にtoの段差が生じており,また,内輪2の取付面側に位置する外周面9と2つの軌道溝7の内側に位置する外周面9では,半径方向にtiの段差が生じている。
【0019】
また,組込孔5の軌道路10側の開口部5Aは,外輪1の転走面13の全域と案内部14の逃がし溝19とに開口して,開口部5Aの縁部は逃がし溝19の範囲内に形成されて案内面17から外れるように偏倚しており,それによって,組込孔5に蓋部材25が嵌入された場合に,蓋部材25の軌道路10側の先端部がローラ端面12に当接することがなく,ローラ3が開口部5Aに落ち込んだり引っ掛かったりすることがない。また,外側軌道溝6と内側軌道溝7との転走面13,15の有効接触長さLt1寸法は,ローラ3の有効接触長さLr1よりも長く形成されている。軌道溝6,7の案内部14,16の幅寸法は,ローラ3の半径Da/2よりも長く,直径Daよりも短く形成されている。しかも,外輪1と内輪2との案内部14,16における案内面17,18は,ローラ3のスキューを防止するに十分な長さであってローラ3の回転中心Oに跨がって,ローラの半径Da/2以下の幅寸法に形成され,ローラ3の回転中心Oに対して直角方向に傾斜したテーパ面42に形成されている。
【0020】
この旋回軸受は,軌道溝6,7や防じん部品の組込位置を除き,外輪1の内周面8と内輪2の外周面9との間の距離tは,外輪1と内輪2との幅方向において等しい長さに形成されている。外側軌道溝6と内側軌道溝7との逃がし溝19,20は,案内面17,18の転走面13,15側に周面全周に形成されている。逃がし溝19,20のローラ直径方向の幅寸法は,ローラ半径Daよりも小さく形成されている。ローラ3が軌道路10に組み込まれている状態で,軸受半径方向の断面位置から見た時の逃がし溝19,20とローラ3のローラ転動面11とで形成される断面形状は,くさび状に形成されている。逃がし溝19,20の傾斜面は,
図6に示すように,案内面17,18に対して,ローラ端面12との間に角度θを成すように傾斜している。即ち,外輪1と内輪2との逃がし溝19,20は,案内部14,16と転走面13,15とを同時研削加工するために,案内部14,16の転走面13,15側に断面形状くさび状で転走面13,15との交点位置がR形状に且つ案内面17,18よりも大きく傾斜したテーパ面43に形成されており,ローラ3の半径Da/2以下の幅寸法に形成されている。本実施例では,角度θは12°である。逃がし溝19,20と転走面13,15との交差位置は,
図6に示すように,例えば,円弧形状で,半径寸法Rnの最大値は0. 5mmになっている。案内面17,18に対する逃がし溝19,20の深さは,ローラ直径Daの10%未満の7.5%であって,0. 45mmに形成されている。この旋回軸受は,別の実施例として,複数の軌道溝が正面合せ構造にも構成することができる。
【0021】
この旋回軸受では,
図6に示すように,転走面13,15の有効接触長さLt1は,ローラ3の有効接触長さLr1よりも長く形成されている。即ち,ローラ3の有効接触長さをLr1,転走面13,15の有効接触長さをLt1,ローラ3の面取部23の軸方向長さをLr2とすると,Lr1<Lt1,Lt1<Lr1+2×Lr2になっている。また,案内部14,16側における転走面13,15の有効接触部分の端部位置REは,ローラ端部の面取り部23の開始位置RSよりもローラ端面12側の位置にあって面取り部23の寸法範囲内になっている。ローラ3の面取り部23の形状の開始位置RSから,転走面13,15の有効接触部の端部位置REまでの長さをLt2とすると,Lt2<Lr2になっている。即ち,外輪1と内輪2との転走面13,15は,逃がし溝19,20と連続して逃がし溝形状の転走面13,15側の始点である端部位置REがローラ3の面取り部23の形状の開始位置RSよりローラ端面12側に位置してローラ端部の面取り部23の寸法範囲内である。また,
図5及び
図7に示されるように,外輪1の外側軌道溝6に位置する外輪1側のローラ端面12は,案内面17に対して直径方向の両周端の2箇所の接触位置T1でほぼ点接触状態で接触ガイドされる。また,内輪2の内側軌道溝7に位置する内輪2側のローラ端面12は,案内面18に対してローラ回転中心Oを通る直径方向の1箇所の接触位置T2でほぼ線接触状態で接触ガイドされることになる。
【0022】
この旋回軸受において,セパレータ4は,種々の形状のものを使用することができ,例えば,一例が
図8〜
図12,別の例が
図13,更に別の例が
図14に示されている。
まず,
図8及〜
図12に示されたセパレータ4を説明する。セパレータ4は,外輪1の外側軌道溝6と内輪2の内側軌道溝7とで形成される軌道路10に組込孔5から装填されて両端面4Sがローラ3間に配設される。セパレータ4は,移動方向にローラ3を隔置するための両端面4Sで幅即ちセパレータ4の厚みを有した外周面33が4つの辺33Sから成る略四角形状に形成され,中心部に貫通孔37が形成されている。即ち,セパレータ4は, ローラ3のローラ転動面11と対向する凹部35側から見た形状が略四角形である。セパレータ4は,外周面33の各辺33Sに溝部34が形成されている。また,セパレータ4は,ローラ3に対向する面には,各辺33S間であるローラ転動方向に延び且つローラ3のローラ転動面11に対応する断面円弧状の凹部35が直交(90°)して十字状に形成されており,4隅には平面の凸部36が形成されている。セパレータ4の外周面33は,外輪1と内輪2の軌道溝6,7の案内部14,16と転走面13,15に対向して軌道路10に配設されている。言い換えれば,セパレータ4は,外周面33の転走面13,15側同士の間に円弧状の凹部35が形成されている。また,セパレータ4の貫通孔37の縁部で,セパレータ4の中心と凸部36とを結ぶ4箇所には,セパレータ4の軸方向に突出するローラ3と接触する接触凸部39が形成されている。セパレータ4の凹部35は,ローラ転動面11に対応して断面が円弧状であり,特に,
図11と
図12に示すように,凹部35でローラ3の軸方向中央付近の狭い範囲に接触した状態でローラ3を回転案内する。
【0023】
また,セパレータ4については,凹部35は,貫通孔37を中心に十字方向に対称に形成されており,セパレータ4がどちら向きに軌道路10に装填されてもローラ3に対して同じ接触状態になるように形成されている(
図9参照)。更に,セパレータ4の凹部35には,その略中央付近に向けて円弧形状に漸次膨出する膨出部38が形成されている(
図10参照)。凹部35における膨出部38は,ローラ転動面11に対するセパレータ4の当接状態,例えば,ローラ3とセパレータ4との相対的な傾斜接触状態で異なるが,ローラ3の周方向に点接触,軸方向に点接触する状態となって,ローラ3に対して面接触状態を避けることができ,接触摩擦抵抗を低減できる接触状態となる機能を有している。また,セパレータ4の外周面33の各辺33Sに形成された溝部34の断面形状は,円弧形状に形成されている。セパレータ4には,中心部に貫通孔37が形成されており,貫通孔37は,潤滑剤溜まり孔の機能を果たし,断面形状がザグリ孔状に段付きに端側の直径が大きく形成され,潤滑剤が保持される。それ故に,セパレータ4は,外周面33に形成された溝部34と貫通孔37によって,潤滑剤が流動し易くなっている。ローラ転動面11は,セパレータ4の凹部35の貫通孔37付近で接触するようになっている(
図11,
図12参照)。セパレータ4のローラ嵌入面の凹部35から見た正面形状は,例えば,略四角形の各辺33Sが5. 95mmに形成されており,外周面33に形成される4 つの円弧状溝部34は同一の大きさであって,例えば,半径寸法が1. 5mmに形成されている。また,ローラ3を嵌入する面である互いに直交する円弧状の凹部35は,例えば,半径方向寸法が3. 1mmに形成されている。また,貫通孔37は,段付き形状であって,例えば,中央部の直径がφ1.5mmであって,周囲端部の直径がφ2. 5mmに形成されている。また,セパレータ3の正面の4隅が凸部36に形成され,凸部36の先端は平面に形成され,円弧状の凹部35が直交していることによって,凹部35は,辺33S側が長く且つ貫通孔37側が短い略三角形状が4 つに形成される(
図9参照)。従って,セパレータ4の凹部35の外周側がローラ転動面11に対向する面が広く,ローラ転動面11の中央位置よりもローラ端面12側の位置で対向面積が広くなり,ローラ端面12側ではセパレータ4との対向面寸法に近い広さに形成されている。
【0024】
次に,別の例のセパレータ44を
図13を参照して説明する。セパレータ44は,上記例のセパレータ4に形成された凹部35が十字状に延びていたが,ローラ3のローラ転動面11に対向して接触する凹部45が一方向に延びているタイプであり,その他の点については実質的に同様な形状に形成されている。セパレータ44は,移動方向にローラ3を隔置するための幅即ちセパレータ44の厚みを有した外周面46が4つの辺46Sから成る略四角形状に形成され,中心部に貫通孔47が形成されている。セパレータ44は,外周面46の各辺46Sに溝部48が形成され,ローラ転動面11側即ち軌道溝6,7の転走面13,15側には大きなサイズの溝部48Lが形成され,ローラ端面12側即ち軌道溝6,7の案内部14,16側には小さなサイズの溝部48Sが形成されている。
【0025】
次に,更に別の例のセパレータ49を
図14を参照して説明する。セパレータ49は,上記例のセパレータ4に形成された凹部35が十字状に延びていたが,ローラ3のローラ転動面11に対向して接触する凹部45が一方向に延びているタイプであり,その他の点については実質的に同様な形状に形成されている。セパレータ49は,移動方向にローラ3を隔置するための幅即ちセパレータ49の厚みを有した外周面46が4つの辺46Sから成る略四角形状に形成され,中心部に貫通孔47が形成されている。セパレータ49は,外周面46の各辺46Sに溝部50が形成され,ローラ転動面11側即ち軌道溝6,7の転走面13,15側には大きなサイズの溝部50Lが形成され,ローラ端面12側即ち軌道溝6,7の案内部14,16側には小さなサイズの溝部50Sが3個形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明による旋回軸受は,半導体製造装置,精密機械,測定・検査装置,医療機器,各種ロボット,各種組立装置,搬送機械,工作機械,マイクロマシーン等の各種装置における旋回部に組み込んで利用して好ましいものである。
【符号の説明】
【0027】
1 外輪
2 内輪
3 ローラ
4,44,49 セパレータ
5 組込孔
5A 組込孔の開口部
6 外側軌道溝
7 内側軌道溝
8 内周面
9 外周面
10 軌道路
11 ローラ転動面
12 ローラ端面
13,15 転走面
14,16 案内部
17,18 案内面
19,20 逃がし溝
42,43 テーパ面
Da ローラ直径
RE 転走面の有効接触部分の端部位置
RS ローラ面取り部の開始位置
Lt1 転走面の有効接触長さ
O ローラの中心位置
to,ti 段差寸法
T1,T2 接触位置