特許第5912707号(P5912707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5912707太陽熱利用システム及びそのポンプ回転数制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912707
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】太陽熱利用システム及びそのポンプ回転数制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24J 2/42 20060101AFI20160414BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   F24J2/42 J
   F24H1/00 621D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-62178(P2012-62178)
(22)【出願日】2012年3月19日
(65)【公開番号】特開2013-194983(P2013-194983A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】青嶋 竜太
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−340404(JP,A)
【文献】 特開2000−160504(JP,A)
【文献】 特開2010−025440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
1/18 − 1/20
F24J 1/00 − 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を受光することで熱媒を加熱する集熱器と、前記集熱器にて加熱された熱媒を利用して冷水を加熱する熱交換器と、前記熱交換器による加熱により得られた温水を貯湯する缶体と、前記熱交換器から前記集熱器を経て再度前記熱交換器に熱媒を循環させるポンプと、を備えた太陽熱利用システムであって、
前記熱交換器から前記集熱器まで熱媒が移送される配管上に設置され、当該設置箇所における熱媒の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出された熱媒温度が高くなるに従って、前記ポンプの回転数を小さくすると共に、当該熱媒温度が所定温度以上である場合、前記ポンプを停止させる制御部と、を備え、
前記ポンプは、前記配管上に設置されると共に、
前記ポンプ及び前記温度検出部は、前記熱交換器及び前記缶体と共に、同一ユニット内に配置されている
ことを特徴とする太陽熱利用システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記温度検出部により検出された熱媒温度が高くなるほど、前記ポンプの回転数の変化量を小さくする
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽熱利用システム。
【請求項3】
太陽光を受光することで熱媒を加熱する集熱器と、前記集熱器にて加熱された熱媒を利用して冷水を加熱する熱交換器と、前記熱交換器による加熱により得られた温水を貯湯する缶体と、前記熱交換器から前記集熱器を経て再度前記熱交換器に熱媒を循環させるポンプと、前記熱交換器から前記集熱器まで熱媒が移送される配管上に設置され、当該設置箇所における熱媒の温度を検出する温度検出部と、を備え、前記ポンプは、前記配管上に設置されると共に、前記ポンプ及び前記温度検出部は、前記熱交換器及び前記缶体と共に、同一ユニット内に配置されている太陽熱利用システムのポンプ回転数制御方法であって、
前記温度検出部により検出された熱媒温度が高くなるに従って、前記ポンプの回転数を小さくすると共に、当該熱媒温度が所定温度以上である場合、前記ポンプを停止させる制御工程
を備えることを特徴とする太陽熱利用システムのポンプ回転数制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱利用システム及びそのポンプ回転数制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集熱器に対して熱媒を供給し、太陽光の受光によって加熱された熱媒を利用して冷水を加熱し、加熱により得られた温水を家庭内等に供給する太陽熱利用システムが提案されている。この太陽熱利用システムには、缶体内における冷水の上昇温度から求められる熱量と、熱媒温度とに基づいて、熱媒の流量を求めるものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−174664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に太陽熱利用システムでは、熱媒をポンプの駆動により循環させている。しかし、特許文献1に記載の太陽熱利用システムでは、熱媒を循環させるにあたり適切なポンプの回転数が考慮されておらず、回転数が大きい場合にはポンプの無駄な運転となり、消費電力の増大につながっている。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、消費電力の増大を抑制することが可能な太陽熱利用システム及びそのポンプ回転数制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の太陽熱利用システムは、太陽光を受光することで熱媒を加熱する集熱器と、集熱器にて加熱された熱媒を利用して冷水を加熱する熱交換器と、熱交換器による加熱により得られた温水を貯湯する缶体と、熱交換器から集熱器を経て再度熱交換器に熱媒を循環させるポンプと、を備えた太陽熱利用システムであって、熱交換器から集熱器まで熱媒が移送される配管上に設置され、当該設置箇所における熱媒の温度を検出する温度検出部と、温度検出部により検出された熱媒温度が高くなるに従って、ポンプの回転数を小さくすると共に、当該熱媒温度が所定温度以上である場合、ポンプを停止させる制御部と、を備え、ポンプは、配管上に設置されると共に、ポンプ及び温度検出部は、熱交換器及び缶体と共に、同一ユニット内に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の太陽熱利用システムによれば、検出された熱媒温度が高くなるに従って、ポンプの回転数を小さくする。ここで、本件発明者らは、熱媒の温度が高くなるに従って熱媒の粘度が低くなることを見出した。このため、熱媒温度が高くなるに従ってポンプの回転数を小さくすることで、熱媒の粘度が低くなった場合に熱媒の粘度が高いときと同様にポンプを回転させて無駄に電力を消費してしまう事態を防止することができる。従って、消費電力の増大を抑制することができる。
【0008】
また、本発明の太陽熱利用システムにおいて、制御部は、温度検出部により検出された熱媒温度が高くなるほど、ポンプの回転数の変化量を小さくすることが好ましい。
【0009】
この太陽熱利用システムによれば、熱媒温度が高くなるほどポンプの回転数の変化量を小さくする。ここで、本件発明者らは、熱媒の粘度の変化量は、温度が高くなるに従って小さくなることを見出した。よって、ポンプの回転数の変化量についても熱媒温度が高くなるほど小さくすることで、より適切に回転数を設定することができ、一層消費電力の増大を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の太陽熱利用システムのポンプ回転数制御方法は、太陽光を受光することで熱媒を加熱する集熱器と、集熱器にて加熱された熱媒を利用して冷水を加熱する熱交換器と、熱交換器による加熱により得られた温水を貯湯する缶体と、熱交換器から集熱器を経て再度熱交換器に熱媒を循環させるポンプと、熱交換器から集熱器まで熱媒が移送される配管上に設置され、当該設置箇所における熱媒の温度を検出する温度検出部と、を備え、ポンプは、配管上に設置されると共に、ポンプ及び温度検出部は、熱交換器及び缶体と共に、同一ユニット内に配置されている太陽熱利用システムのポンプ回転数制御方法であって、温度検出部により検出された熱媒温度が高くなるに従って、ポンプの回転数を小さくすると共に、当該熱媒温度が所定温度以上である場合、ポンプを停止させる制御工程を備えることを特徴とする。
【0011】
この太陽熱利用システムのポンプ回転数制御方法によれば、検出された熱媒温度が高くなるに従って、ポンプの回転数を小さくする。ここで、本件発明者らは、熱媒の温度が高くなるに従って熱媒の粘度が低くなることを見出した。このため、熱媒温度が高くなるに従ってポンプの回転数を小さくすることで、熱媒の粘度が低くなった場合に熱媒の粘度が高いときと同様にポンプを回転させて無駄に電力を消費してしまう事態を防止することができる。従って、消費電力の増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、消費電力の増大を抑制することが可能な太陽熱利用システム及びそのポンプ回転数制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る太陽熱利用システムを示す斜視図である。
図2】熱媒平均温度とポンプの回転数との相関を示す図である。
図3】本実施形態に係る太陽熱利用システムのポンプ回転数制御方法を含むポンプPの駆動制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る太陽熱利用システムの概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る太陽熱利用システム1は、太陽熱を利用して温水を得るものであって、集熱器10と、貯湯タンクユニット20と、これらを接続する配管Lとを備えている。
【0015】
集熱器10は、太陽光を受光することで熱媒を加熱するものであって、例えば屋根の上などの太陽光を受光し易い位置に設置されるものである。
【0016】
貯湯タンクユニット20は、集熱器10にて暖められ配管Lを通じて液送されてきた熱媒を利用して冷水を加熱すると共に、加熱により得られた温水を家庭等に供給するものである。また、貯湯タンクユニット20は、家庭等にて温水が使用されていないときには温水を貯湯しておくものである。この貯湯タンクユニット20は、冷水配管21と、缶体22と、熱交換器23と、温水配管24と、ポンプPと、制御部25とを備えている。
【0017】
冷水配管21は、缶体22内に冷水を供給するための配管である。缶体22は、冷水配管21から冷水を導入すると共に加熱により得られた温水を貯湯しておくものである。熱交換器23は、缶体22内に設けられており、配管Lを通じて流れてきた熱媒と冷水との熱交換を行って、冷水を加熱するものである。温水配管24は、熱交換器23の加熱により得られた温水を家庭等に供給するための配管である。
【0018】
ポンプPは、配管L上に設けられており、その駆動により熱交換器23から集熱器10を経て再度熱交換器23に熱媒を循環させるものである。制御部25は、貯湯タンクユニット20の弁の開閉制御や、ポンプPのオンオフ制御等を行うものである。
【0019】
さらに、太陽熱利用システム1は、高温センサT1、低温センサT2、熱媒入サーミスタ(温度検出部)T3、及び熱媒出サーミスタ(温度検出部)T4を備えている。
【0020】
高温センサT1は集熱器10内又は集熱器10の出口近傍に設けられ、集熱器10にて加熱された熱媒の温度を検出するものである。低温センサT2は、缶体22の下部外壁に設置され、熱交換器23付近における水(加熱時には温水)の温度を検出するものである。
【0021】
熱媒入サーミスタT3は、集熱器10から液送され貯湯タンクユニット20に流入する熱媒の温度を検出するものであり、熱交換前の熱媒温度を検出するものである。熱媒出サーミスタT4は、貯湯タンクユニット20から集熱器10に液送される熱媒の温度を検出するものであり、熱交換後の熱媒温度を検出するものである。
【0022】
次に、本実施形態に係る太陽熱利用システム1のポンプ制御方法の概略について説明する。まず、ポンプPが停止しているものとする。この状態において、制御部25は、高温センサT1と低温センサT2からの信号に基づいて、それぞれの温度を検出し、これらの温度差(T1−T2)がA℃以上であるか否かを判断する。これらの温度差(T1−T2)がA℃以上であると判断した場合、制御部25は、ポンプPをオンさせる。
【0023】
また、ポンプPの運転中においても、制御部25は、高温センサT1と低温センサT2からの信号に基づいて、それぞれの温度を検出する。そして、制御部25は、これらの温度差(T1−T2)がB℃以下であるか否かを判断する。これらの温度差(T1−T2)がB℃以下であると判断した場合、制御部25は、ポンプPをオフする。
【0024】
さらに、制御部25は、ポンプPが高温の熱媒により故障しないように、熱媒温度に応じてポンプPを強制的にオフする。この場合において制御部25は、熱媒出サーミスタT4からの信号に基づいて熱媒温度を検出し、この温度がX℃以上であるか否かを判断する。熱媒温度がX℃以上であると判断した場合、制御部25は強制的にポンプPをオフし、所定の時刻に到達するまでポンプPのオフ状態を維持することとなる。
【0025】
さらに、本実施形態に係る太陽熱利用システム1では、熱媒温度に基づいてポンプPの回転数を制御する。具体的に制御部25は、熱媒入サーミスタT3及び熱媒出サーミスタT4からの信号に基づいて熱媒平均温度((T3+T4)/2)を算出する。次いで、制御部25は、熱媒平均温度に基づいてポンプPの回転数を決定する。
【0026】
図2は、熱媒平均温度とポンプPの回転数との相関を示す図である。制御部25は、図2に示す相関データを記憶しており、熱媒平均温度を算出すると相関データに基づいてポンプPの回転数を決定する。例えば、図2に示すように熱媒平均温度がTa℃である場合、制御部25は、相関データに基づいてポンプPの回転数をPaと決定する。
【0027】
ここで、本件発明者らは、熱媒の温度が高くなるに従って熱媒の粘度が低くなることを見出した。このため、図2に示す相関データは、熱媒平均温度が高くなるに従って回転数が小さくなるように設定されており、制御部25は、平均熱媒温度が高くなるに従って、ポンプPの回転数を小さくすることとなる。これにより、熱媒の粘度が低くなった場合に熱媒の粘度が高いときと同様にポンプPを回転させて、無駄に電力を消費してしまう事態を防止することができる。
【0028】
さらに、本件発明者らは、熱媒の粘度の変化量は、温度が高くなるに従って小さくなることを見出した。このため、図2に示す相関データはやや下に凸となるように設定されており、制御部25は、平均熱媒温度が高くなるほど、ポンプPの回転数の変化量を小さくすることとなる。より具体的に説明すると、図2において温度Ta℃からΔt℃上昇した場合、回転数の変化量はPa−Pa’である。これに対して、温度Tb(>Ta)℃からΔt℃上昇した場合、回転数の変化量はPb−Pb’である。図2から明らかなように、回転数の変化量Pb−Pb’は、回転数の変化量Pa−Pa’よりも小さく、制御部25は、平均熱媒温度が高くなるほど、ポンプPの回転数の変化量を小さくすることとなる。これにより、適切に回転数を設定することができ、無駄に電力を消費してしまう事態を一層防止することができる。
【0029】
図3は、本実施形態に係る太陽熱利用システム1のポンプ回転数制御方法を含むポンプPの駆動制御を示すフローチャートである。まず、図3において、ポンプPは停止しているものとする。この状態において制御部25は、高温センサT1及び低温センサT2の信号から、それぞれの温度を検出する(S1)。
【0030】
次いで、制御部25は、これらの温度差(T1−T2)がA℃以上であるか否かを判断する(S2)。温度差(T1−T2)がA℃以上でないと判断した場合(S2:NO)、処理はステップS1に移行する。
【0031】
温度差(T1−T2)がA℃以上であると判断した場合(S2:YES)、制御部25は、ポンプPをオンさせる(S3)。その後、制御部25は、ポンプPの回転数を最大とし(S4)、最大回転数でt分以上経過したか否かを判断する(S5)。このステップS4,S5の処理により、熱媒を循環させて、配管L内や集熱器10内に存在するエアーを抜き切ることとなる。
【0032】
t分以上経過していないと判断した場合(S5:NO)、制御部25は、熱媒出サーミスタT4からの信号に基づいて熱媒温度を検出し(S6)、この温度がX℃以上であるか否かを判断する(S7)。熱媒温度がX℃以上であると判断した場合(S7:YES)、制御部25は強制的にポンプPをオフする(S8)。そして、図3に示す処理は終了する。なお、上記処理を経てポンプPが停止された場合、ポンプPは、所定の時刻に到達するまでオフ状態を維持することとなる。一方、熱媒温度がX℃以上でないと判断した場合(S7:NO)、処理はステップS4に移行する。
【0033】
ところで、t分以上経過したと判断した場合(S5:YES)、制御部25は、熱媒入サーミスタT3及び熱媒出サーミスタT4からの信号に基づいて熱媒平均温度((T3+T4)/2)を算出する(S8)。次いで、制御部25は、熱媒平均温度に基づいてポンプPの回転数を決定する(S9)。なお、ステップS9においては図2を参照して説明したようにしてポンプPの回転数を決定する。
【0034】
その後、制御部25は、高温センサT1及び低温センサT2の信号から、それぞれの温度を検出する(S10)。次いで、制御部25は、これらの温度差(T1−T2)がB℃以下であるか否かを判断する(S11)。温度差(T1−T2)がB℃以下であると判断した場合(S11:YES)、制御部25は強制的にポンプPをオフする(S8)。そして、図3に示す処理は終了する。
【0035】
一方、温度差(T1−T2)がB℃以下でないと判断した場合(S11:NO)、制御部25は、熱媒出サーミスタT4からの信号に基づいて熱媒温度を検出し(S12)、この温度がX℃以上であるか否かを判断する(S13)。熱媒温度がX℃以上でないと判断した場合(S13:NO)、処理はステップS8に移行する。
【0036】
熱媒温度がX℃以上であると判断した場合(S13:YES)、制御部25は強制的にポンプPをオフする(S8)。そして、図3に示す処理は終了する。なお、上記処理を経てポンプPが停止された場合、ポンプPは、所定の時刻に到達するまでオフ状態を維持することとなる。
【0037】
このようにして、本実施形態に係る太陽熱利用システム1及びポンプ回転数制御方法によれば、検出された熱媒温度が高くなるに従って、ポンプPの回転数を小さくする。ここで、本件発明者らは、熱媒の温度が高くなるに従って熱媒の粘度が低くなることを見出した。このため、熱媒温度が高くなるに従ってポンプPの回転数を小さくすることで、熱媒の粘度が低くなった場合に熱媒の粘度が高いときと同様にポンプPを回転させて無駄に電力を消費してしまう事態を防止することができる。従って、消費電力の増大を抑制することができる。
【0038】
また、熱媒温度が高くなるほどポンプPの回転数の変化量を小さくする。ここで、本件発明者らは、熱媒の粘度の変化量は、温度が高くなるに従って小さくなることを見出した。よって、ポンプPの回転数の変化量についても熱媒温度が高くなるほど小さくすることで、より適切に回転数を設定することができ、一層消費電力の増大を抑制することができる。
【0039】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0040】
例えば、本実施形態において熱媒入サーミスタT3及び熱媒出サーミスタT4からの信号に基づいて熱媒平均温度を算出し、これに基づいてポンプPの回転数を決定しているが、特にこれに限らず、いずれか一方のみの温度に基づいてポンプPの回転数を決定してもよい。さらには、高温センサT1により検出される熱媒温度に基づいてポンプPの回転数を決定してもよいし、低温センサT2等により検出される温度から熱媒温度を推定してポンプPの回転数を決定してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…太陽熱利用システム
10…集熱器
20…貯湯タンクユニット
21…冷水配管
22…缶体
23…熱交換器
24…温水配管
25…制御部
L…配管
P…ポンプ
T1…高温センサ
T2…低温センサ
T3…熱媒入サーミスタ(温度検出部)
T4…熱媒出サーミスタ(温度検出部)
図1
図2
図3