(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中空筒状をなす木材製の打球部と、一部が前記打球部の中空部に内装されて接合されるとともに残り部分が前記打球部から露出される繊維強化樹脂製のバット本体と、を備えた野球又はソフトボール用バットであって、
前記打球部内周とバット本体外周との間には、中空筒状の内筒部が配置され、
前記内筒部は、繊維強化樹脂或いは金属により形成されているとともに、軸方向にその肉厚が変化し、前記肉厚が変化する部分が、該内筒部の軸方向全体に亘って形成されていることを特徴とする野球又はソフトボール用バット。
前記内筒部は、該内筒部のグリップ側端部の位置が、前記打球部のグリップ側端部の位置と同一となるよう配置されている請求項1又は2に記載の野球又はソフトボール用バット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、引用文献1に記載されるバットは、以下に説明するいわゆる内圧成形法により成形される。すなわち、打球部90内にバット本体91の打球芯部92を挿入し、バットの軸線方向において、打球部90とテーパー部93との境界部の近傍の外周を補強部材96で被覆した状態で、当該バットを金型内に配置する。そして、金型内に配置された成形前のバットのバット本体91内部に圧縮空気を注入し、バット本体91内部から加圧するとともに金型を加熱することによって、繊維強化樹脂製のバット本体91及び補強部材96が木材製の打球部90に接合されて成形される。
【0006】
しかし、このような内圧成形法によってバットを成形した場合、
図11の矢印で示すように、繊維強化樹脂材料からなるバット本体91内部に加えられた圧力が、木材製の打球部90に対してその外周方向への圧力となって作用する。そのため、打球部90内部に過度な負荷が掛かる可能性がある。
【0007】
また、バットを内圧成形する際、バット本体91を構成する繊維強化樹脂材料が加熱により溶融し、その溶融樹脂が木材製の打球部90内周面に浸透する場合がある。結果として、バット本体91において木材製の打球部90で被覆された部分では、打球部90内周面に浸透した溶融樹脂に相当する分、成形後のバットにおける繊維強化樹脂の樹脂量が減少する可能性がある。
【0008】
したがって、このような従来のバットでは、打球部90内部に掛かった負荷に基づく打球部90に対する影響、或いは、バット本体91の繊維強化樹脂量の減少に基づくバット本体91に対する影響等によって、バットの強度が低下するという現象が生じていた。このため、打球部90で打球したときの応力の影響をそれぞれの部位において受け易くなるという可能性があった。特許文献1に記載されるような補強部材96の被覆によりバット外周面からその強度を向上させた場合であっても、依然として、打球部90内部に掛かる負荷、或いは、打球部90内部におけるバット本体91部分の繊維強化樹脂量の減少に起因して、バット内部では、その強度が十分に保持できない事態が生じてしまうことになる。そのため、複合材料製バットにおいて、打球部90で打球した場合に、耐衝撃性、耐久性になお改善の余地が生じることとなっていた。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、木材と繊維強化樹脂とからなる複合材料製の野球又はソフトボール用バットにおいて、その強度を向上させて、優れた耐衝撃性、及び耐久性を付与することである。さらに別の目的は、その強度を向上させて、優れた耐衝撃性、及び耐久性が付与された、木材と繊維強化樹脂とからなる複合材料製の野球又はソフトボール用バットの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中空筒状をなす木材製の打球部と、一部が前記打球部の中空部に内装されて接合されるとともに残り部分が前記打球部から露出される繊維強化樹脂製のバット本体と、を備えた野球又はソフトボール用バットであって、前記打球部内周とバット本体外周との間には、中空筒状の内筒部が配置され、前記内筒部は、
繊維強化樹脂或いは金属により形成されているとともに、軸方向にその肉厚が変化
し、前記肉厚が変化する部分が、該内筒部の軸方向全体に亘って形成されていることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、打球部内周とバット本体外周との間に配置された内筒部が、バット本体内部からの加圧に対する受圧部として機能することができる。複合材料製のバットを内圧成形法で成形した場合、繊維強化樹脂材料からなるバット本体内部に加えられた圧力が、バット本体外周に配置された木材製の打球部に対し、その外周方向への圧力となって作用する。このとき、打球部内周とバット本体外周との間に配置された内筒部が、当該外周方向への圧力を受圧し、打球部の内部に過度の圧力が掛かることを抑制することができる。これにより、過度の圧力が掛かることに基づく影響を回避し、バット自体に好適な耐衝撃性、耐久性を付与することができる。
【0012】
また、バット成形時の熱圧工程によって繊維強化樹脂材料が溶融した場合であっても、バット本体外周と打球部内周との間に配置される内筒部により、木材製の打球部にバット本体を構成する繊維強化樹脂材料中の溶融樹脂が浸透することが抑制される。これにより、打球部とバット本体との接合後において、バット本体中の繊維強化樹脂の樹脂量が減少する事態を回避でき、打球部に内装されたバット本体の強度低下を抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記内筒部の内周面は、前記バット本体の外周面に接して該外周面を覆っていることを要旨とする。
この構成によれば、バット本体からの圧力を受圧すること、バット本体からの繊維強化樹脂の打球部への浸透を抑制すること、との効果をより好適に発揮することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記内筒部は、該内筒部のグリップ側端部の位置が、前記打球部のグリップ側端部の位置と同一となるよう配置されていることを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、内筒部は打球部に被覆された位置に配置されているため、バット本体からの繊維強化樹脂材料の打球部への浸透を抑制すること、バット本体からの圧力を受圧すること、との効果をさらに好適に発揮することができる。また、バット外観に内筒部が過度に露出することがなくバットの外観形状が好適に維持される。なお、内筒部のグリップ側端部の位置と前記打球部のグリップ側端部の位置とが同一となるよう配置するとの事項は、これらの位置が上下方向において多少ずれていて、ほぼ同一の位置に配置されているものを包含するものとする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、
中空筒状をなす木材製の打球部と、一部が前記打球部の中空部に内装されて接合されるとともに残り部分が前記打球部から露出される繊維強化樹脂製のバット本体と、前記打球部内周とバット本体外周との間に配置されるとともに軸方向にその肉厚が変化するように形成された中空筒状の内筒部と、を備えた野球又はソフトボール用バットを製造する製造方法であって、前記打球部の中空部内に前記内筒部を挿入して、該打球部の中空部と該内筒部を接着する工程と、前記バット本体の一部を、前記内筒部内に挿入する工程と、前記バット本体内を加圧して、該バット本体を前記内筒部を介して前記打球部に接合する内圧成形工程と、を含むことを要旨とする。
【0017】
この構成によれば、打球部の中空部内に内筒部を挿入、接着するとの簡単な工程を付加することのみで、複合材料製のバットを内圧成形法で成形した場合であっても、打球部の内部に過度の圧力が作用することを抑制する効果と、バット本体の繊維強化樹脂量が減少することを抑制する効果とを併せ奏することができる。打球部内周とバット本体外周との間に配置された内筒部が、内圧成形工程時の打球部外周方向への圧力を受圧し、打球部の内部に過度の圧力が掛かることを抑制することができる。これにより、過度の圧力に基づく影響を回避し、バット自体に好適な耐衝撃性、耐久性を付与することができる。また、バット成形時の熱圧工程によって繊維強化樹脂材料が溶融した場合であっても、内筒部の存在が、木材製の打球部へのバット本体からの溶融樹脂の浸透を抑制することができる。これにより、打球部とバット本体との接合後において、バット本体の繊維強化樹脂中の樹脂量が減少する事態を回避でき、打球部に内装されたバット本体の強度低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、木材と繊維強化樹脂とからなる複合材料製の野球又はソフトボール用バットにおいて、その強度を向上させて、優れた耐衝撃性、及び耐久性を付与することができる。さらに、その強度を向上させて、優れた耐衝撃性、及び耐久性が付与された、木材と繊維強化樹脂とからなる複合材料製の野球又はソフトボール用バットの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態としてのバットについて、
図1〜
図4を参照して説明する。ここで、バット1のヘッド側を上側と規定するとともに、バット1のグリップエンド部側を下側と規定して説明する。
【0021】
(バット1の構成)
図1又は
図2に示すように、本実施形態のバット1は、打球部2と、打球部2にその一部が内装されるバット本体3と、打球部2とバット本体3との間に配置される内筒部8と、バット1の外周の一部を被覆する補強部9とから構成されている。
図1に示すように、バット1の全体形状は、打球部2の上方ではその外径寸法がストレート形状に形成されるとともに、バット本体3の下方では打球部2より外径寸法が小さいストレート形状に形成され、両者の間は、外径寸法が徐々に縮径するテーパー形状となっている。
図2に示すように、打球部2の下側の端部は、バット1のテーパー形状部分の略中間部分の位置に配設されている。つまり、木材製の打球部2は、バット1の上端部からテーパー形状部分の略中間部分に亘る部分の外周面を被覆している。そして、補強部9が、バット1のテーパー形状部分の外周を被覆している。
【0022】
次に、バット1を構成する各部について説明する。
図2に示すように、木材製の打球部2は、片側が開口した有底円筒形状に形成されている。打球部2の外周面は、材料となる木材を切削することにより、通常使用される野球用バット或いはソフトボール用バットの打球部に適用される形状に形成されている。打球部2は、上側から下側に向かって外径寸法が変化しない打球ストレート部2aに、上側から下側に向けて外径寸法が徐々に縮径する打球テーパー部2bが連設して形成されている。また、打球部2の内部には、打球部2の下側端部の開口部22から上端部に向けて内径寸法が同一となる内径ストレート形状の円筒状の穴が切削されて、中空部21が形成されている。
【0023】
打球部2に使用される木材は、野球或いはソフトボール用バットとして一般的に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トネリコ材、ヤチダモ材、ホワイトアッシュ材、メープル材などの広葉樹散孔材等、或いは、竹材などが挙げられる。材料としての木材は、単材であってもよく、或いは、複数種類の木材からなる複合材であってもよい。
【0024】
図2に示すように、繊維強化樹脂製のバット本体3は、打球部2内に挿入される打球芯部4と、グリップ部6と、打球芯部4とグリップ部6とを連結するテーパー部5と、グリップ部6の下端側に形成されるグリップエンド部7とから構成されている。打球部2内にバット本体3の打球芯部4を挿入した状態では、バット本体3のテーパー部5、グリップ部6、及びグリップエンド部7が内筒部8内に挿入されることなく、打球部2の中空部21から露出している。バット本体3は、繊維強化樹脂材料としてのプリプレグをマンドレルに複数層巻回することによって中空略円筒形状に形成されている。
【0025】
バット本体3を構成する打球芯部4は、その外径寸法が、上下方向に同一径となる中空円筒形状に形成されている。また、バット本体3を構成するグリップ部6も打球芯部4と同様、その外径寸法が上下方向に同一径となる中空円筒形状に形成されている。そして、打球芯部4とグリップ部6との間を連結するテーパー部5は、打球芯部4からグリップ部6に向けてその外径寸法が縮径するように形成されている。グリップ部6の下側端部には、グリップ部6の外径寸法より大径のグリップエンド部7が形成されている。
図2に示すように、バット本体3は、打球芯部4、テーパー部5、グリップ部6に亘ってこれらの外周面が連続して形成されており、段差、突起等のない平滑面となっている。
【0026】
図2又は
図3に示すように、打球部2の中空部21内には、内筒部8が挿入されている。内筒部8は、外径断面が円形状で、且つ、外径が上下方向に同一径となるように形成され、内部に中空状部81を備えた中空円筒形状となっている。内筒部8の外形状は、中空部21の内形状に合致しており、内筒部8の外径は中空部21の内径と同一となるよう形成されている。また、内筒部8の上下方向の長さは、打球部2の中空部21の長さと同一となるよう形成されている。これにより、内筒部8を中空部21内に挿入したとき、内筒部8の外周面が中空部21の内周面に摺接するとともに、内筒部8の上側端部が有底円筒形状の打球部2の底部に接した状態で、内筒部8の下側端部と打球部2の開口部22とが同一の位置に配置されることになる。
【0027】
図3に示すように、内筒部8の内周面は、上下方向の全体に亘って小径部82と大径部83とが交互に連接して形成されて、上下方向の断面が凹凸形状となっている。本実施形態では、大径部83は、小径部82に対し、上下方向の断面が矩形状の溝状に形成されている。また、小径部82と大径部83の上下方向への長さはほぼ同一に形成されている。さらに、小径部82と大径部83とにおける径方向での段差、即ち、溝状に形成された大径部83の小径部82に対する深さは、小径部82及び大径部83の上下方向への長さとほぼ同一となるように形成されている。小径部82の直径dは、バット本体3の打球芯部4の外径と略同一に形成されている。これにより、バット本体3を内筒部8内に挿入したときに、打球芯部4の外周面が内筒部8の小径部82の内周面に接するようになる。なお、
図3は、内筒部8の内周面の断面形状を模式的に表しているものであり、小径部82及び大径部83の上下方向への長さ、段差の深さ、及び小径部82及び大径部83の形成される個数については
図3記載のものに限定されない。例えば、
図3で図示されるよりも、小径部82及び大径部83の上下方向への長さが短く形成され、径方向での段差が浅く形成され、小径部82及び大径部83がより多く形成されていることが好ましい。小径部82及び大径部83は、内筒部8の内周面を凹凸面として形成するものであり、これにより、内筒部8とバット本体3との接合状態を強固に保持することができる。
【0028】
内筒部8の材質は、特に限定されないが、例えば、繊維強化樹脂、熱可塑性樹脂、或いは、金属等により形成されることが好ましい。繊維強化樹脂の場合、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の補強繊維からなるものを適宜選択することができる。また、熱可塑性樹脂の場合、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、EVA樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等から適宜選択することができる。さらに、金属の場合、アルミニウム合金、チタン合金等から適宜選択することができる。これらは、バット1全体における重量バランス、バット1の打球部2における反発性能等にも考慮して適宜選択することができる。また、バット1を内圧成形法で成形した場合に、バット本体3内部からの圧力を吸収して打球部2に作用する圧力を低減させ得る剛性を備えた硬質部材として機能するとともに、繊維強化樹脂材料からなるバット本体3からの溶融樹脂の浸透を抑制し得る材質を備えた部材として機能する。
【0029】
打球部2の打球テーパー部2bからバット本体3のテーパー部5に至る部分の外周には、補強部9が被覆されている。補強部9は、打球部2で打球したときの応力が打球部2とテーパー部5との間の境界部に作用した場合の影響を回避するべく、当該境界部を補強してバット1の十分な強度を保持するための機能を担っているものである。
【0030】
補強部9の材質は、特に限定されないが、例えば、繊維強化樹脂、熱可塑性樹脂、或いは、金属等により形成されている。繊維強化樹脂の場合、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の補強繊維からなるものを適宜選択することができる。また、熱可塑性樹脂の場合、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、EVA樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等から適宜選択することができる。さらに、金属の場合、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ステンレス、鉄鋼(クロムモリブデン鋼、軟鋼)等を含有する各種金属合金から適宜選択することができる。
【0031】
打球部2の中空部21内に内筒部8及びバット本体3が挿入され、その外周面に補強部9が被覆されたバット1は、
図1に示すように、打球部2からグリップ部6に亘ってこれらの外周面が連続して形成されて、段差、突起等のない平滑な外形状を呈している。
【0032】
(バット1の製造方法)
次に、
図4を参照しながら、バット1の製造方法について説明する。まず、
図4(a)に示すように、適切な大きさの木材を切削することによって打球部2を加工成形する。打球部2に使用される木材は、単材であってもよく、複数の木材を貼り合わせるなどした複合材であってもよく、或いは、複数種類の木材からなる廃材であってもよい。木材は、100mm角で、長さが400mm程度のものを用意し、外形がバット1の打球部2に相当する形状となるように切削研磨する。これにより、打球部2は、上側から下側に向かって外径寸法が変化しない打球ストレート部2aと、当該打球ストレート部2aに連設して上側から下側に向けて外径寸法が徐々に小さくなる打球テーパー部2bとが形成される。
【0033】
打球部2の中心部分に、直径25mm程度で、且つ、打球部2の下端部側の開口部22から上側に向かって、内径ストレート形状の穴を切削して中空部21を形成する。これにより、打球部2の下端部側が開口部22として開口するとともに、有底円筒形状の打球部2が形成される。また、必要に応じて、打球部2の開口部22の外周面を所定寸法に面取り加工してもよい。
【0034】
次に、中空円筒形状の内筒部8について説明する。本実施形態の内筒部8は、アルミニウム合金の押出成形とスピニング加工との併用により加工成形される。まず、加熱溶融されたアルミニウム合金を押出成形することにより均一な厚みを有するアルミニウム合金製の円管を形成する。ここで、管の厚みは内筒部8をバット1に装着した状態でのバット1全体の重量分布、打球部2における反発性能等を考慮して決定すればよい。アルミニウム合金を材料として内筒部8を形成する本実施形態の場合、例えば、1mm〜3mmの範囲の厚みで形成することが好ましい。
【0035】
続いて、得られたアルミニウム合金の円管を打球部2の中空部21の長さと同一長となるよう切断して、複数のアルミニウム合金からなる円筒を形成する。さらに、切断されたアルミニウム合金製の円筒のそれぞれについて、その内周面をスピニング加工することにより、大径部83を形成する。これにより、中空部21と同一長で、且つ、中空部21の内径と同一の外径を備えた内筒部8を製造することができる。
【0036】
繊維強化樹脂製のバット本体3は、所定形状のマンドレルに、繊維強化樹脂材料からなるプリプレグを複数回巻回することにより形成される。この工程で使用するマンドレルは、バット本体3の全体形状に相当する形状のマンドレルを使用してもよく、或いは、バット本体3を分割した形状のものを適宜準備して、それぞれにプリプレグを巻回するといった構成としてもよい。プリプレグは、所定形状のものを複数枚用意し、適宜マンドレルの所定箇所に巻回する。
【0037】
繊維強化樹脂材料は、カーボン繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂等の成形用樹脂を含浸させて強度を向上させた複合材料であり、プリプレグを構成する強化繊維としては、カーボン繊維、ガラス繊維、各種セラミックス繊維、ボロン繊維、銅、ステンレス等の金属繊維、アモルファス繊維、芳香族ポリアミド等の有機繊維、それらの混織物等を適宜用いることができる。また、プリプレグを構成する繊維強化樹脂材料の繊維方向は、特に限定されないが、バット1の強度を確保する観点から言えば、バット1の上下方向に対して、0゜となるストレート層、15゜〜75゜となるバイアス層、及び90゜となるフープ層を適宜選択してそれぞれ複数回巻回することが好ましい。
【0038】
このようにして、
図4(a)に示すような、マンドレルの周囲にプリプレグが複数層巻回された繊維強化樹脂材料からなるバット本体3が形成される。その後、バット本体3からマンドレルを引き抜いて、中空円筒状のバット本体3の内部に、伸縮自在のエラストマーチューブ10を挿入する。
【0039】
次に、
図4(a)に示すように、打球部2の開口部22から、内筒部8を中空部21内に挿入する。このとき、内筒部8の外周面及び中空部21の内周面に接着剤を塗布しておき、所定時間硬化させることにより内筒部8外周面を打球部2内周面に接着させる。
【0040】
続いて、
図4(b)に示すように、エラストマーチューブ10が内在された状態のバット本体3を、内筒部8内に挿入する。このときも、バット本体3の打球芯部4の外周面及び打球部2の内周面に接着剤を塗布しておく。バット本体3を内筒部8内に挿入することにより、
図4(c)に示すように、内筒部8内にバット本体3の打球芯部4が挿入されるとともに、テーパー部5、グリップ部6、グリップエンド部7は、打球部2から外部に露出された状態となる。
【0041】
その後、補強部9を、打球部2の打球テーパー部2bからバット本体3のテーパー部5に亘る部分の外周面に被覆する。本実施形態では、補強部9の強度、及び、打球部2での打球面の確保の観点、及び、打球部2とバット本体3との境界部分に掛かる応力の集中を緩和するとの観点から、テーパー部5側の部分の方が打球部2側の部分より上下方向に幅広となるような被覆幅で被覆している。補強部9の被覆は、
図4(c)に示すように、被覆部分にテープ11を複数回巻回することによって行う。ここで、テープ11の材質は特に限定されないが、繊維強化樹脂、熱可塑性樹脂、或いは、金属等、バット本体3及び打球部2との接着性の良好な材料が適している。
【0042】
その後、バット本体3の内部にエラストマーチューブ10が内在された状態で、バット成形用の金型内に配置し、上金型により型締めした後、エラストマーチューブ10内に圧縮空気を注入してエラストマーチューブ10を拡開する。そして、繊維強化樹脂材料からなるバット本体3を内筒部8の内周面に密着させた状態で金型を加熱することにより、打球部2、内筒部8、バット本体3、補強部9が接合されて一体成形されたバット1が得られる。このとき、繊維強化樹脂材料からなるバット本体3の溶融樹脂が、大径部83の溝状の隙間に入り込んで硬化し、バット本体3と内筒部8とのより強固な接合状態が創出される。
【0043】
以上のようにして成形されたバット1は、打球部2及びバット本体3に補強部9が密着されて、
図1に示すような、打球部2からグリップ部6に亘る外周面が、段差、突起等のない平滑面として形成されることになる。
【0044】
(作用)
以上詳述した本実施形態のバット1の作用について以下に説明する。
木材製の打球部2と繊維強化樹脂製のバット本体3との間には、打球部2の内周面を覆うように内筒部8が介在される。内筒部8は金属、繊維強化樹脂、熱可塑性樹脂等の硬質材で形成されており、バット本体3外周を被覆するように作用する。また、内筒部8のこのような配置により、打球部2の内周面とバット本体3の外周面との接触が回避される。
【0045】
本実施形態では、内筒部8はアルミニウム合金で成形されているため、内筒部8に適度な硬度を付与し、内筒部8は硬質内筒として機能する。また、内筒部8がアルミニウム合金製であるため、バット1成形時の内圧成形工程時にバット本体3を構成する繊維強化樹脂からの溶融樹脂の浸透を抑制するように作用する。
【0046】
内筒部8の内周面には、小径部82と大径部83とが交互に複数形成されている。これにより、バット本体3を構成する繊維強化樹脂材料が大径部83内で溶融硬化するとともに、小径部82がバット本体3の外周面に食い込むように作用する。
【0047】
(効果)
以上詳述した本実施形態のバット1によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)内筒部8が、バット本体3外周を被覆していることから、バット1を内圧成形法で成形した場合であっても、バット本体3内を加圧する際の圧力が内筒部8によって吸収される。内筒部8は、バット本体3内部から打球部2外方に向けて作用する圧力の受圧部として機能し、圧力を減衰させることができる。また、内筒部8を、金属、繊維強化樹脂、熱硬化樹脂等の材質で形成することにより、内筒部8に適度な硬度を付与して硬質内筒として機能させることができる。これにより、打球部2の内部に過度な負荷が掛かる事態を抑制することができ、結果として、バット1の耐衝撃性、耐久性を向上させることができる。
【0048】
(2)内筒部8が、バット本体3と打球部2との間に介在されていることから、バット本体3と打球部2との接触を回避することができる。本実施形態では内筒部8の上側端部が有底円筒形状の打球部2内の底部に接しているとともに、内筒部8の下側端部の位置が、打球部2の開口部22の位置と同一となるよう配置されている。したがって、打球部2の内周面が内筒部8で覆われた状態となり、打球部2の内周面がバット本体3の外周面と接触することがない。これにより、バット1を内圧成形法で成形した場合に、バット本体3を構成する繊維強化樹脂材料が溶融した場合であっても、溶融樹脂が木材製の打球部2に浸透することが抑制される。結果として、バット本体3を構成する繊維強化樹脂の樹脂量の減少が抑制され、バット本体3の強度を好適に保持することができる。本実施形態では、内筒部8をアルミニウム合金により成形しているため、溶融樹脂の打球部2への浸透をより好適に抑制することができる。
【0049】
(3)内筒部8の内周面に形成された小径部82及び大径部83に基づく凹凸形状により、バット本体3を構成する繊維強化樹脂材料が溶融硬化する際、凸形状の小径部82がバット本体3の外周面に食い込むように硬化する。したがって、バット本体3が内筒部8内に強固に保持されるようになり、内筒部8内からのバット本体3の抜け止め効果が強力に発揮される。
【0050】
(第2実施形態)
(バット1の構成)
以下、第2実施形態としてのバットについて、
図6を参照して説明する。第2実施形態では、内筒部18の形状が第1実施形態とは異なっている以外は、第1実施形態のバット1と同じ構成を備えている。
【0051】
図6に示すように、第2実施形態の内筒部18は、その内周面構造が第1実施形態の内筒部8と異なっている。内筒部18の内径は、上下方向の端部に位置する両開口部分で最も大きく、各端部から上下方向中間部に向けてその内径が徐々に小さくなり、上下方向中間部で最も小さくなるように形成されている。つまり、奥へ行くほど縮径するテーパー形状となっている。
【0052】
バット本体3の打球芯部4の外径は、内筒部18の上下方向中間部における最小内径に相当する大きさとして形成されている。なお、バット1の製造方法は、第1実施形態と同様に行えばよい。
【0053】
(作用)
以上詳述した第2実施形態のバット1の作用について、第1実施形態と異なる部分を以下に説明する。
【0054】
木材製の打球部2と繊維強化樹脂製のバット本体3との間に介在される内筒部18は、その上下方向の部位によって肉厚が異なる。したがって、内筒部18が配置された打球部2における重量、硬度等を軸線方向の各部位によって異ならせるように作用する。
【0055】
(効果)
第2実施形態のバット1によれば、第1実施形態のバット1の効果(1)、(2)に加えて、次のような効果を奏することができる。
【0056】
(4)内筒部18の肉厚を異ならせることにより、バット1全体のバランス、反発性能を変更することができる。バット1の耐衝撃性、耐久性を向上させる内筒部18の構成により、バット1の性能をも向上させ得るという新たな機能を付加することができる。
【0057】
(第3実施形態)
(バット1の構成)
以下、第2実施形態としてのバットについて、
図8を参照して説明する。第3実施形態では、内筒部28の形状が第1実施形態とは異なっている以外は、第1実施形態のバット1と同じ構成を備えている。
【0058】
図8に示すように、第3実施形態の内筒部28は、その外周面構造が第1実施形態の内筒部8と異なっている。内筒部28の外周面には、断面矩形状で周方向に凹設された溝部29が形成されている。本実施形態の溝部29は、内筒部28を上下方向に略4等分する位置に3箇所形成されており、上下方向の幅と径方向の深さとが略同一となるように凹設されている。
【0059】
したがって、第3実施形態のバット1によれば、第1実施形態のバット1の効果(1)、(2)に加えて、次のような効果を奏することができる。
(5)内筒部28の外周面に溝部29を形成することにより、内筒部28を打球部2の中空部21内に接着する場合の接着性能を向上させることができる。すなわち、バット1の製造工程においては、打球部2の中空部21の内周面及び内筒部28の外周面に接着剤を塗布し、所定時間硬化させてそれぞれを接着させるが、この際、内筒部28の外周面に凹設された溝部29内が接着剤で満たされ、当該部分の接着剤量が多くなる。これにより、当該部分における接着性能が向上し、ひいては内筒部28と中空部21との接着性能が向上することになる。
【0060】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の変更例を適宜組み合わせて適用してもよい。
・ 内筒部8、18、28の形状は、各実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、第1実施形態の内筒部8の内周面に形成された断面凹凸形状を変更し、内筒部8の肉厚が上下方向において同一となるように、内筒部8の外周面及び内周面をともに上下方向において同一径となるように形成してもよい。
【0061】
・ 各実施形態では、内筒部8、18、28の上下方向の長さが打球部2の中空部21の上下方向の長さと同一となるように形成し、内筒部8、18、28のグリップ側端部の位置と打球部2のグリップ側端部の位置とが上下方向に同一の位置となるようにしたが、内筒部8、18、28の長さ及びそのグリップ側端部位置は、これに限定されるものではない。内筒部8、18、28の長さが打球部2の中空部21の長さより短く形成されていてもよく、或いは、若干長く形成されていてもよい。また、内筒部8、18、28のグリップ側端部の位置が打球部2のグリップ側端部の位置とずれていてもよい。
【0062】
・ 各実施形態では、内筒部8、18、28を打球部2の中空部21の上下方向の長さと同一の一つの部材で構成したが、その長さ及び数を変更してもよい。例えば、中空部21の長さより短い複数の内筒部8、18、28を成形し、中空部21内で上下方向に連なるように配置してもよい。
【0063】
・ 第1実施形態の内筒部8は、
図3の形状に限定されない。
図5に示すように、大径部83に対する小径部82の断面形状が矩形状でなくてもよい。
図5(a)に示すように、小径部82の断面形状が矩形状と半球状とが交互に複数形成されていてもよく、
図5(b)に示すように、断面形状が半球状のものが複数形成されていてもよい。また、
図5(c)に示すように、小径部82と大径部83との上下方向の長さが略同一でなく、小径部82が不規則形状に形成されていてもよい。さらに、小径部82及び大径部83の形成される個数、及びそれぞれの上下方向の長さも特に限定されない。
【0064】
いずれの形状であっても、内筒部8の内周面が断面凹凸形状に形成されていることにより、バット1の内圧成形工程時に、バット本体3を構成する繊維強化樹脂材料が溶融硬化する際、凸形状の小径部82がバット本体3の外周面に食い込むように硬化する。これにより、第1実施形態の内筒部8と同様の効果が得られる。なお、小径部82と大径部83とにおける径方向での段差、即ち、溝状に形成された大径部83の小径部82に対する深さは、凸形状の小径部82がバット本体3の外周面に食い込み可能な深さを有していればよい。所定の深さを有していることにより、バット本体3が内筒部8内に強固に保持されるようになり、内筒部8内からのバット本体3の抜け止め効果が強力に発揮される。
【0065】
・ また、第2実施形態の内筒部18も
図6の形状に限定されない。
図7(a)に示すように、内筒部18の内径を、上下方向の端部に位置する両開口部分で最も小さく、上下方向中間部で最も大きくなるように形成してもよい。或いは、
図7(b)、(c)に示すように、内筒部18の上端部での内径と下端部での内径とを異ならせ、内周面は、両端部を繋ぐテーパー面として形成してもよい。また、これらテーパー面を段状に変更することも可能である。
【0066】
・ さらに、第3実施形態の内筒部28も
図8の形状に限定されない。
図9(a)に示すように、周方向に断面半円形状の溝部29を設けてもよく、
図9(b)に示すように、溝部29の上下方向の幅が溝部29以外の上下方向の幅と略同一となるように形成してもよい。
【0067】
・ 内筒部8を
図10(a)に示すような形状に成形してもよい。内筒部8は、上下方向の外径が変化しないストレート筒部8aと、ストレート筒部8aの下端側から径方向に張り出すとともに端縁に向かうに従って外径が縮径するテーパー筒部8bとが一体に構成されている。
図10(b)に示すように、テーパー筒部8bの上端側における径方向への張り出し部分の幅mは、打球部2の開口部22の径方向への厚みnに等しくなるように形成されている。これにより、内圧成形工程時のバット本体3からの圧力により、打球部2の開口部22に過大な負荷を与えることを抑制することができる。
【0068】
・ アルミニウム合金を材料として内筒部8を形成する第1実施形態では、例えば、1mm〜3mmの範囲の厚みで形成することを例示したが、その厚みは当該範囲に限定されない。管の厚みは内筒部8をバット1に装着した状態でのバット1全体の重量分布、打球部2における反発性能等を考慮して決定すればよい。また、繊維強化樹脂、熱可塑性樹脂を材料とする場合には、内筒部8を構成する材質も考慮して決定すればよい。
【0069】
・ 第1実施形態の内筒部8の内周面に形成された小径部82及び大径部83を、第2実施形態の内筒部18の内周面に形成してもよい。また、当該小径部82及び大径部83を第3実施形態の内筒部28の内周面に形成してもよい。さらに、第2実施形態の内筒部18の外周面に第3実施形態の内筒部28の外周面の溝部29を形成してもよい。そして、上記第1、第2実施形態及び変更例で示した内筒部8、18の内周面の断面形状と、上記第3実施形態及び変更例で示した内筒部28の外周面の断面形状との組み合わせは、適宜変更が可能である。
【0070】
・ 内筒部8、18、28の内周面はバット本体3の外周面に接していなくてもよい。これらの間に、例えば、バット1の重量バランスを変更するような環状部材を挿入したり、或いは、バット1の打球部2における反発性能を変更するような筒部材を挿入したりしてもよい。
【0071】
・ 打球部2の中空部21の底部側の周方向に、径の小さい段部を設け、当該段部に内筒部8、18、28の上側端部が接するようにしてもよい。当該段部は周方向に連続して形成してもよく、或いは、周方向の一部に形成してもよい。
【0072】
・ 打球部2の中空部21の内径は、各実施形態で示す態様に限定されない。例えば、中空部21を、開口部22側ほど径が大きくなるように形成してもよい。この場合、中空部21内に挿入される内筒部8、18、28についても、その外径が下側端部に向かうほど大きくなるように形成して、内筒部8、18、28の外周面形状と中空部21の内周面形状とが同一となるようにする。本発明では、内筒部8、18、28が存在するため、打球部2の開口部22側端縁を薄肉化したとしても、バット1の強度を好適に保持することが可能である。
【0073】
・ 補強部9の被覆位置は各実施形態で示す態様に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、打球部2の打球テーバー部2bの外周面のみを被覆するようにしてもよい。また補強部9の被覆幅についても適宜変更することができる。例えば、打球部2側の部分に対する上下方向の被覆幅をより幅広となるように変更してもよい。さらには、補強部9を省略することも可能である。この場合、打球部2内に内筒部8、18、28を接着後、バット本体3を内筒部8、18、28内に挿入して成形することによりバット1を製造するようにすればよい。
【0074】
・ 各実施形態では、内圧成形法によりバット1を加工成形したが、バット1の製造方法はこれに限定されない。例えば、内筒部8、18、28を中空部21内に接着してからバット本体3を内筒部8、18、28内に挿入した状態で、金型内で加熱成形することにより製造してもよい。この場合も、内筒部8、18、28は、バット本体3からの溶融樹脂の打球部2内部への浸透を抑制することに貢献し、打球部2内部に掛かる負荷の低減に貢献することができる。
【0075】
上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的事項について以下に記載する。
(イ)前記内筒部は、金属、繊維強化樹脂、合成樹脂のいずれかの材質で形成されていることを要旨とする。
【0076】
この構成によれば、内筒部を適度な硬度が付与された硬質内筒として機能させることができる。これにより、打球部の内部に過度な負荷が掛かる事態を抑制することができ、結果として、バットの耐衝撃性、耐久性を向上させることができる。
【0077】
(ロ)前記内筒部は、その内周面の径方向の長さが一方の端部から他方の端部において不均一となるように形成されていることを要旨とする。
この構成によれば、挿入された内筒部によりバットの重量バランス、打球部における反発性能等を適宜変更することができる。
【0078】
(ハ)前記野球又はソフトボール用バットを製造する方法は、前記打球部の中空部内に前記内筒部を挿入して、該打球部の中空部と該内筒部を接着する工程と、前記バット本体の一部を、前記内筒部内に挿入する工程と、前記バット本体を前記内筒部を介して前記打球部に接合する工程と、を含むことを要旨とする。
【0079】
この構成によれば、従来の製造方法と比較して、打球部の中空部内に内筒部を挿入、接着するとの工程を付加することで、打球部の内部に過度の圧力が作用することを抑制する効果と、バット本体の繊維強化樹脂量が減少することを抑制する効果とを併せ奏することができる。内筒部を挿入、接着するとの簡単な工程を付加することのみで、耐衝撃性、及び耐久性に優れたバットを容易に製造することができる。