特許第5912775号(P5912775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東電工株式会社の特許一覧 ▶ 日昌株式会社の特許一覧

特許5912775キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法
<>
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000002
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000003
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000004
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000005
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000006
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000007
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000008
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000009
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000010
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000011
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000012
  • 特許5912775-キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912775
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】キャリアテープ接続用粘着テープ、キャリアテープ接続用フィルムおよびキャリアテープ接続方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20160414BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20160414BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
   B65H37/04 B
   C09J201/00
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-81289(P2012-81289)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-209540(P2013-209540A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591243860
【氏名又は名称】日昌株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】花井 啓臣
(72)【発明者】
【氏名】河邊 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】林 三樹夫
(72)【発明者】
【氏名】金井 和人
【審査官】 磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−189008(JP,A)
【文献】 特開2000−124665(JP,A)
【文献】 国際公開第00/059799(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/02
B65H 37/04
C09J 201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突き合わされたキャリアテープの端部同士に亘って貼り付けられるキャリアテープ接続用粘着テープであって、
前記キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、貼り付けたときにキャリアテープの表面、裏面、およびトップテープが設けられている側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有する
ことを特徴とするキャリアテープ接続用粘着テープ。
【請求項2】
突き合わされたキャリアテープの端部同士に亘って貼り付けられるキャリアテープ接続用粘着テープであって、
前記キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、キャリアテープの送り孔に対応する貫通孔を一側辺にそって形成しており、貼り付けたときにキャリアテープの表面、裏面、および前記一側辺とは逆側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有する
ことを特徴とするキャリアテープ接続用粘着テープ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のキャリアテープ接続用粘着テープにおいて、
前記キャリアテープ接続用粘着テープの長手方向の端辺に切り裂き開始用の切込みが形成している
ことを特徴とするキャリアテープ接続用粘着テープ。
【請求項4】
キャリアテープ接続用粘着テープに貼り合わせられたキャリアテープ接続用フィルムであって、
ベースフィルム、前記キャリアテープの幅より大きい幅に一体形成された粘着剤層を有する粘着テープおよびアプリケーションテープを積層して貼り合せ、キャリアテープの送り孔に対応する貫通孔を、少なくともアプリケーションテープに亘って打ち抜き形成しており、
前記貫通孔が形成されていない側の側辺においてキャリアテープの裏面側に折り込まれて、前記粘着剤層がキャリアテープの表面、裏面、および前記貫通孔が形成されていない側の側辺の各々と接触することを特徴とするキャリアテープ接続用フィルム。
【請求項5】
請求項4に記載のキャリアテープ接続用フィルムにおいて、
前記ベースフィルムおよびアプリケーションテープを粘着テープの両端部より突出して形成してある
ことを特徴とするキャリアテープ接続用フィルム。
【請求項6】
突き合わされたキャリアテープの端部同士を、粘着テープを介して接続するキャリアテープ接続方法であって、
前記粘着テープは、前記キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、
端部同士を突き合わせ配置した前記キャリアテープの突合せ部位に前記粘着テープを貼り付けるとき、キャリアテープの表面、裏面、およびトップテープが設けられている側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有し、
キャリアテープにおいて前記トップテープが設けられている側の側辺からはみ出ている粘着テープをキャリアテープの裏面側に折り込んで貼り付ける
ことを特徴とするキャリアテープ接続方法。
【請求項7】
突き合わされたキャリアテープの端部同士を、粘着テープを介して接続するキャリアテープ接続方法であって、
前記粘着テープは、キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、キャリアテープの送り孔に対応する貫通孔を一側辺にそって形成してあり、
端部同士を突き合わせ配置した前記キャリアテープの突合せ部位に前記粘着テープを貼り付けるとき、キャリアテープの表面、裏面、および前記一側辺とは逆側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有し、
キャリアテープの送り孔に粘着テープの貫通孔が合致するよう貼り付けるとともに、キャリアテープの前記一側辺とは逆側の側辺からはみ出ている粘着テープをキャリアテープの裏面側に折り込んで貼り付ける
ことを特徴とするキャリアテープ接続方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のキャリアテープ接続方法において、
前記粘着テープよりも剛性を有するアプリケーションテープに粘着テープを貼り付け保持した状態でキャリアテープに貼り付け、その後にアプリケーションテープを粘着テープから取り除く
ことを特徴とするキャリアテープ接続方法。
【請求項9】
請求項8に記載のキャリアテープ接続方法において、
前記粘着テープの表面に離形処理が施されており、粘着テープの粘着剤層の粘着力よりもアプリケーションテープの粘着力を弱く設定し、
前記粘着テープをアプリケーションテープと一体にして折り込んでキャリアテープに粘着テープを貼り付けた後に、当該アプリケーションテープの弾性復元力によって粘着テープの表面から自然剥離させて剥離起点を形成する
ことを特徴とするキャリアテープ接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ部品などの電子部品を電子部品実装装置へ供給するキャリアテープの端部同士を付き合せ接続するのに用いるキャリアテープ接続用粘着テープ、この粘着テープを供給するのに用いるキャリアテープ接続用フィルムおよびこの粘着テープを利用したキャリアテープ接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープを利用したキャリアテープ接続方法としては、例えば、端部同士を突き合わされたキャリアテープの表面と裏面につなぎテープとして2枚の帯状テープと1枚の送孔テープの3枚を貼り付ける方法が提案されている。すなわち、キャリアテープの一側辺に沿って形成された送り孔の部分のみを覆う送孔テープ、キャリアテープのチップ部品を収納する部品収納部を覆うトップテープ部分のみを覆う帯状テープ、部品収納部の裏面側を覆う帯状テープの3枚を長手方向に沿って貼り付けている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−124665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記接続方法によれば、表側の帯状テープがキャリアテープの表面に貼り合わされた剥離用のトップテープの上に貼り付けられるので、部品取り出しのためにトップテープをキャリアテープ表面から剥がすことにより、表面側の帯状テープをトップテープと一体に取り除かれる。したがって、裏面の一側辺寄りの帯状テープと表面の他側辺寄りの送孔部分の送孔テープの2カ所で両キャリアテープが接続された状態となる。このように、表裏面のそれぞれ一辺寄りにだけ接続していた状態では接続強度が弱く、両キャリアテープが突き合わせ部位においてに折れやすくなっている。それ故にキャリアテープの送りや巻取りに支障をきたすおそれがある。
【0004】
また、細い3本の各テープのそれぞれをキャリアテープの側辺に沿って平行に精度よく位置合せして貼り付けなければならない。特にキャリアテープの表面側は、トップテープ上および送り孔のピッチのそれぞれに合致させて貼り付けなければならい。トップテープ上に精度よく貼り付いていなければ、トップテープ剥離時に不要な引張力が作用し、キャリアテープ内の部品が飛散する恐れがある。
【0005】
また、キャリアテープの側辺に帯状テープが平行に貼り付いていない場合、トップテープ部分の帯状テープと送孔テープとが貼り付いてしまう。そのままトップテープを剥離すると、剥離エラーまたは両テープが同時に剥離されてしまうこともある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、端部同士を突き合わされたキャリアテープを、粘着テープを用いて確実かつ強固に接続することを目的とするキャリアテープ接続用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、前記キャリアテープ接続用粘着テープに用いるキャリアテープ接続用フィルムを提供する。
本発明の更に他の目的は、トップテープをめくり取った状態であっても接続強度を十分確保することができ、キャリアテープ突き合わせ部位での折れを抑制することができるようにするキャリアテープ接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、突き合わされたキャリアテープの端部同士に亘って貼り付けられるキャリアテープ接続用粘着テープであって、前記キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、貼り付けたときにキャリアテープの表面、裏面、およびトップテープが設けられている側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有することを特徴とする。
【0008】
(作用・効果)この構成によれば、突き合わせ配置したキャリアテープにおける突合せ箇所の表面から粘着テープを貼り付け、キャリアテープの他側辺からはみ出ている粘着テープを両キャリアテープの裏面側に折り込んで貼り付けることができる。したがって、粘着テープをキャリアテープの少なくとも表面、裏面、およびトップテープが設けられている側の側辺の各々に亘って大きい面積で貼り付けることで、高い接続強度を得ることができる。また、キャリアテープの側面の接触部位に粘着剤層を有する場合、より大きい面積で貼り付けられるので、一層に高い接続強度を得ることができる。
【0009】
また、この場合、キャリアテープの表面側ではその全幅に亘って粘着テープが貼り付けられる。つまり、部品収納用の凹部列に沿ってキャリアテープ表面に貼り合せられたトップテープの幅方向両脇においても粘着テープがキャリアテープに貼り付けられることになる。したがって、部品取り出しのためにトップテープをキャリアテープ表面から剥がすと、トップテープに一体化された粘着テープ部分は、トップテープの幅で細い帯状に切り裂かれることになる。トップテープと一体に粘着テープが部分的にめくり取られても、キャリアテープ表面の送り孔の領域、キャリアテープの側辺、および、キャリアテープ裏面には粘着テープが残存しているので、なおも十分な接続強度を確保することができる。
【0010】
また、トップテープがめくり取られた状態でも、キャリアテープ少なくとも表面および裏面に貼り残された粘着テープによって、キャリアテープ突き合わせ部位での連続性が確保され、キャリアテープの送りや巻取りを円滑に行うことができる。
【0011】
また、この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0012】
突き合わされたキャリアテープの端部同士に亘って貼り付けられるキャリアテープ接続用粘着テープであって、
前記キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、キャリアテープの送り孔に対応する貫通孔を一側辺に沿って形成してあり、貼り付けたときにキャリアテープの表面、裏面、および前記一側辺とは逆側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有することを特徴とする。
【0013】
(作用・効果)この構成によれば、突き合わせ配置したキャリアテープにおける突合せ箇所の表面に、キャリアテープの一側辺に沿って形成した送り孔に貫通孔が合致するよう粘着テープを貼り付け、キャリアテープの他側辺からはみ出ている粘着テープを両キャリアテープの裏面側に折り込んで貼り付けることができる。したがって、粘着テープを両キャリアテープの少なくとも表面、裏面、および前記一側辺とは逆側の側辺の各々に亘って大きい面積で貼り付けることで、高い接続強度を得ることができる。また、キャリアテープの側面の接触部位に粘着剤層を有する場合、より大きい面積で貼り付けられるので、一層に高い接続強度を得ることができる。
【0014】
この場合、キャリアテープの表面側ではその全幅に亘って粘着テープが貼り付けられる。つまり、部品収納用の凹部列に沿ってキャリアテープ表面に貼り合せられたトップテープの幅方向両脇においても粘着テープがキャリアテープに貼り付けられることになる。したがって、部品取り出しのためにトップテープをキャリアテープ表面から剥がすと、トップテープに一体化された粘着テープ部分は、トップテープの幅で細い帯状に切り裂かれることになる。トップテープと一体に粘着テープが部分的にめくり取られても、キャリアテープ表面の送り孔の領域、キャリアテープの側辺、および、キャリアテープ裏面には粘着テープが残存しているので、なおも十分な接続強度を確保することができる。
【0015】
また、トップテープがめくり取られた状態でも、キャリアテープ表面、側辺、および、裏面に貼り残された粘着テープによって、キャリアテープ突き合わせ部位での連続性が確保され、キャリアテープの送りや巻取りを円滑に行うことができる。
【0016】
なお、本発明に係るキャリアテープ接続用テープの実施態様は、粘着テープの長手方向の端辺に切込みを形成してあることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、トップテープをキャリアテープ表面から剥離する際、トップテープの幅で粘着テープを切り裂くことになる。このとき、粘着テープ端辺の切込みに剪断力が集中して粘着テープの切り裂きの起点となるので、当該切り裂きの開始を円滑にする。
【0018】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成もとる。
キャリアテープ接続用粘着テープに貼り合わせられたキャリアテープ接続用フィルムであって、
ベースフィルム、前記キャリアテープの幅より大きい幅に一体形成された粘着剤層を有する粘着テープおよびアプリケーションテープを積層して貼り合せ、キャリアテープの送り孔に対応する貫通孔を、少なくともアプリケーションテープに亘って打ち抜き形成しており、
前記貫通孔が形成されていない側の側辺においてキャリアテープの裏面側に折り込まれて、前記粘着剤層がキャリアテープの表面、裏面、および前記貫通孔が形成されていない側の側辺の各々と接触することを特徴とする。
【0019】
(作用・効果) この構成によれば、ベースフィルムを剥がしてアプリケーションテープに貼り付け保持させた状態で粘着テープをキャリアテープに接続し、接続した後に粘着テープからアプリケーションテープを取り除くことができる。この際、粘着テープが薄くて扱いにくいものであっても、アプリケーションテープに貼り付け保持した状態では不当に曲がったり皺がつくことなくキャリアテープに的確かつ容易に貼り付けることができる。また、少なくともアプリケーションテープに形成した貫通孔を貼付け治具などのガイドピンに挿嵌することにより、キャリアテープへの粘着テープの位置合わせも容易になる。
【0020】
なお、本発明の係るキャリアテープ接続用フィルムの実施態様は、前記アプリケーションテープを前記粘着テープの両端辺より突出していることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、粘着テープの粘着面に触れることなくアプリケーションテープの端部を持って取り扱うことができる。また、貼り付け箇所への粘着テープの搬入、および、貼り付け処理後におけるアプリケーションテープのめくり取りを容易に行うことができる。
【0022】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成もとる。
突き合わされたキャリアテープの端部同士を、粘着テープを介して接続するキャリアテープ接続方法であって、前記粘着テープは、前記キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、端部同士を突き合わせ配置した前記キャリアテープの突合せ部位に前記粘着テープを貼り付けるとき、キャリアテープの表面、裏面、およびトップテープが設けられている側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有し、キャリアテープにおいて前記トップテープが設けられている側の側辺からはみ出ている粘着テープをキャリアテープの裏面側に折り込んで貼り付けることを特徴とする。
【0023】
また、突き合わされたキャリアテープの端部同士を、粘着テープを介して接続するキャリアテープ接続方法であって、
前記粘着テープは、キャリアテープの幅より大きい幅に形成し、キャリアテープの送り孔に対応する貫通孔を一側辺に沿って形成してあり、
端部同士を突き合わせ配置した前記キャリアテープの突合せ部位に前記粘着テープを貼り付けるとき、キャリアテープの表面、裏面、および前記一側辺とは逆側の側辺の各々と接触する、一体形成された粘着剤層を有し、
キャリアテープの送り孔に粘着テープの貫通孔が合致するよう貼り付けるとともに、キャリアテープの前記一側辺とは逆側の側辺からはみ出ている粘着テープをキャリアテープの裏面側に折り込んで貼り付けることを特徴とする。
【0024】
(作用・効果) この方法によれば、一連に接続されたキャリアテープは、少なくとも表面全幅、裏面、およびトップテープが設けられている側の側辺の各々を粘着テープで接続される。したがって、粘着テープの貼り付け面積が大きく、テープ送り力によってキャリアテープ突き合わせ端が引き離されるようなおそれがなく、確実かつ円滑なテープ送りを行うことができる。なお、キャリアテープの側面の接触部位に粘着剤層を有するので、より大きい面積で貼り付けられる。従って、一層に高い接続強度を得ることができる。
【0025】
また、電子部品実装装置において、キャリアテープからの部品取り出しがテープ接続箇所に至ると、トップテープの剥離に伴って、トップテープに貼り合わされている粘着テープ部分が細い帯状に切り裂かれながらトップテープと一体に剥離されることになる。この場合、トップテープの両脇において、粘着テープはキャリアテープ表面側の両端部分、側辺、および、裏面にしっかり貼り付け固定されている。したがって、トップテープの剥離時に、トップテープの両側辺で粘着テープを切り裂く剪断力が効率よく粘着テープに作用して粘着テープ部分が円滑に切り裂かれてゆく。また、粘着テープ部分がトップテープとともに取り除かれても、送り孔の周辺、キャリアテープの側辺、および、裏面に貼り付けられている粘着テープによってテープ接続機能は十分残存している。したがって、キャリアテープの送りが円滑に行われる。
【0026】
なお、本発明方法の実施態様は、粘着テープよりも剛性を有するアプリケーションテープに粘着テープを貼り付け保持した状態でキャリアテープに貼り付け、その後にアプリケーションテープを粘着テープから取り除くことを特徴とする。
【0027】
この方法によれば、粘着テープが薄くて扱いにくいものであっても、アプリケーションテープに貼り付け保持された粘着テープは不当に曲がったり皺が発生したりすることがない。したがって、キャリアテープに粘着テープを容易に貼り付けることができる。
【0028】
さらに、本発明方法の実施態様は、粘着テープの表面に離形処理が施されており、粘着テープの粘着剤層の粘着力よりもアプリケーションテープの粘着力を弱く設定し、
前記粘着テープをアプリケーションテープと一体にして折り込んでキャリアテープに粘着テープを貼り付けた後に、当該アプリケーションテープの弾性復元力によって粘着テープの表面から自然剥離させて剥離起点を形成することが好ましい。
【0029】
この方法によれば、粘着テープを貼り付けた後に、弾性復元力によってアプリケーションテープが粘着テープから部分的に剥離されるので、アプリケーションテープを容易に取り除くことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、突き合わされたキャリアテープを粘着テープを用いて確実強固に接続するとともに、トップテープをめくり取った状態も、接続強度を十分確保することができ、かつ、キャリアテープ突き合わせ部位での折れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】キャリアテープを表面側から見た斜視図である。
図2】キャリアテープ接続手順を示す斜視図である。
図3】キャリアテープ接続手順を示す斜視図である。
図4】キャリアテープ接続手順を示す斜視図である。
図5】接続したキャリアテープを裏面側から見た斜視図である。
図6】接続部位での部品取り出し状態を示す斜視図である。
図7】接続したキャリアテープの要部を示す縦断正面図である。
図8】接続部位での部品取り出し状態を示す縦断正面図である。
図9】キャリアテープ接続用フィルムの斜視図である。
図10】キャリアテープ接続用フィルムからベースフィルムをめくり取る状態の斜視図である。
図11】貫通孔を有する粘着テープの変形例である。
図12】貫通孔を有しない粘着テープの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の一実施例説明する。
【0033】
図1に示すように、キャリアテープ1は、ベーステープ1a、凹部2、トップテープ4および送り孔5から構成されている。
【0034】
凹部2は、ベーステープ1aの表面にテープ長手方向に一定のピッチで形成されている。各凹部2には、チップ部品である小型の電子部品3が収納される。
【0035】
トップテープ4は、各凹部2に電子部品3が収納された状態でベーステープ1aの表面に貼り合せる。
【0036】
送り孔5は、ベーステープ1aの一側辺に沿って所定のピッチで形成されている。したがって、トップテープ4をベーステープ1aの表面から剥離して凹部2を開放することにより、収納された電子部品3を取り出すよう構成されている。なお、キャリアテープ1は、一般的にリール巻き状態で電子部品実装装置に装填される。
【0037】
電子部品実装装置において実装処理が進むと、装填されているキャリアテープ1の終端に、新しいテープリールから繰り出したキャリアテープ1の先端を接続する。その基本的な接続手順について、以下に説明する。
【0038】
(1)先ず、図2に示すように、先行しているキャリアテープ1の終端と後続のキャリアテープ1の始端とを、突き合わせ部位の前後に位置する送り孔5のピッチが一定となる状態に突き合わせる。この場合、送り孔5に嵌合するガイドピンを所定の間隔に立設配備した接続治具を用いることでテープ同士の位置合わせが容易になる。また、専用の裁断鋏みなどを用いてテープ端を所定のジグザグ形状に切断しておく。この場合、接続部位での位置合わせ精度が高まるとともに接触面積が拡大されるので、接続部位で折れ曲がるようなことなく円滑に巻取り湾曲させることができる。
【0039】
(2)次に、図3に示すように、上記のように突き合わされたキャリアテープ1の突き合わせ箇所の表面に、所定長さに亘って粘着テープ6を貼り付ける。
【0040】
この粘着テープ6は、その幅がキャリアテープの幅より大きく、裏面全体に粘着剤層が形成されている。また、粘着テープの一側辺に沿って送り孔5と同径の貫通孔7が送り孔ピッチと同ピッチで形成されている。これら貫通孔7が送り孔5の位置と合致するよう粘着テープ6を両キャリアテープ1に亘って貼り付ける。また、このように貼り付けられた粘着テープ6の他側辺がキャリアテープ1の他方の側辺tから大きくはみ出ることになる。
【0041】
(3)次に、図4図5および図7に示すように、キャリアテープ1の他方の側辺tからはみ出ている粘着テープ6をキャリアテープ1の側辺tに沿って折り曲げてキャリアテープ1の側辺tおよび裏面に貼り付ける。これによって、突き合わされた両キャリアテープ1の接続が完了する。
【0042】
このようにして一連に接続されたキャリアテープ1は、その表面全幅に亘って粘着テープ6で接続されるとともに、キャリアテープ1の側辺tおよびキャリアテープ裏面においても粘着テープ6で接続されている。それ故に粘着テープの貼り付け面積が大きくなる。したがって、テープ送り力によってキャリアテープ1の突き合わせ端が引き離されるおそれがなく、確実かつ円滑なテープ送りや部品取り出し後のテープ巻取り回収を行うことができる。
【0043】
また、電子部品実装装置において、キャリアテープ1からの部品取り出しがテープ接続箇所に至ると、図6に示すように、トップテープ4のめくり上げに伴って、図8に示すように、トップテープ4に貼り合わされている粘着テープ部分6aが細帯状に切り裂かれながらトップテープ4と一体にめくり取られる。ここで、粘着テープ6の長手方向の端辺の全幅に亘って細かいジグザグ状の切込みsが予め形成されている。この切込みsに剪断力が集中して切り裂きの起点が形成される。したがって、粘着テープ部分6aの切り裂き開始が円滑に行われる。なお、切込みsの個数は特に限定されず、適宜に設定変更可能である。
【0044】
この場合、トップテープ4の両脇において、粘着テープ6は、キャリアテープ表面、側辺t、および、裏面にしっかり貼り付け固定されている。したがって、トップテープ4のめくり上げ時に、トップテープ4の両側辺で粘着テープ6を切り裂く剪断力が効率よく粘着テープ6に作用して粘着テープ部分6aが円滑に切り裂かれてゆく。
【0045】
また、粘着テープ部分6aがトップテープ4とともにめくり取られても、送り孔5の周辺、キャリアテープ1の側辺t、および、裏面に貼り付けられている粘着テープ6によってテープ接続機能は十分残存する。
【0046】
なお、キャリアテープ1の上記接続に用いる粘着テープ6は、ラベル状の積層フィルムとして供給されるものであり、そのキャリアテープ接続用フィルム10の外観が図9に示されている。
【0047】
このキャリアテープ接続用ラベル10は、表面に剥離面を形成したベースフィルム11の表面に粘着テープ6を貼り合せ保持するとともに、その上に透明なアプリケーションテープ12を貼り合せた3層の積層構造になっている。ベースフィルム11は粘着テープ6より長く形成され、かつ、ベースフィルム11の全長に亘ってアプリケーションテープ12が貼り合わされている。
【0048】
また、ベースフィルム11、粘着テープ6、および、アプリケーションテープ12を貼り合せ積層した後に、これら3層に亘って打ち抜き加工を施すことで粘着テープ6の貫通孔7が形成される。
【0049】
実際の接続処理においては、図10に示すように、キャリアテープ接続用ラベル10からベースフィルム11をめくり取って、粘着テープ6をアプリケーションテープ12に貼り付け保持した状態でキャリアテープ接続に供される(図2図3の仮想線参照)。そして、キャリアテープ1への貼り付け後にアプリケーションテープ12をめくり取ることになる。
【0050】
この場合、粘着テープ6が薄くて扱いにくいものであっても、アプリケーションテープ12の両端部を持つことで、貼り付け保持した粘着テープ6が不当に曲がったり皺を発生させたりするようなことなく取り扱うことができる。したがって、キャリアテープ1への粘着テープ6の貼り付けが確実かつ容易となる。また、粘着テープ6とアプリケーションテープ12に亘って形成した透孔7を貼り付け治具などに立設したガイドピンに挿嵌することで、キャリアテープ1への粘着テープ6の位置合わせが容易に行える。
【0051】
以下に各キャリアテープ接続に用いる部材の具体例について説明する。
【0052】
〔粘着テープ〕
本発明の粘着テープ6は、基材の一方の面に粘着剤層を有する。
【0053】
粘着テープ6の横幅は、キャリアテープ裏面側に回り込んだ粘着テープ先端が、送り孔5に重複しない範囲で極力幅広にすることが好まし。この構成によって、キャリアテープ裏面側での貼り付け面積を十分に確保し、テープ接続強度を高いものにすることができる。
【0054】
粘着テープ6は、黒色、青色などに着色し、キャリアテープ接続箇所を容易に識別可能にすることが好ましい。この構成によると、実装装置においてテープ接続箇所の検出に基づいて、キャリアテープ1を介して搬送される電子部品3のロット管理などを行う上で有効となる。
【0055】
粘着テープ6の基材は、長手方向の引き裂き強度を幅方向の引き裂き強度に比べて0.75〜0.10倍程度(好ましくは0.75〜0.50倍)に小さく設定して、トップテープ4のめくり上げに伴って粘着テープ部分6aが円滑に引き裂かれるようにする。
【0056】
長手方向の引き裂き強度と、幅方向の引き裂き強度の比は、例えば、各方向への延伸倍率をコントロールすることにより調整することができる。
【0057】
また、粘着テープ6の基材としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等のプラスチック系基材を利用することができる。
【0058】
本発明において、入手しやすく、十分な強度を有し、かつ、直線カット性に優れる点で、ポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルム等の基材を使用することが好ましい。
【0059】
また、粘着テープ6における基材の少なくとも裏面に、粘着剤との密着性を高めるために、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理などの化学的または物理的方法による酸化処理などが施されていてもよい。
【0060】
粘着テープ6における基材の厚さは、10〜100μm程度が好ましく、より好ましくは10〜50μm、最も好ましくは10〜30μmである。基材の厚みが上記範囲を下回ると、粘着テープの強度が不足し、実用性を損なう恐れがある。一方、基材の厚みが上記範囲を上回ると、長手方向への裂け性が低下する傾向があり、キャリアテープへ巻き付け難くなる傾向にある。また、実機(マウンター:パーツカセット)での走行性が悪化する恐れがある。
【0061】
粘着テープ6における基材の裏面を粘着面に形成する粘着剤(ベースポリマー)は、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤およびシリコン系粘着剤の単体あるいは混合剤を使用することができる。また、粘着剤層の厚さは、10〜50μm程度、好ましくは10〜35μm、特に好ましくは15〜30μmである。
【0062】
上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ナノデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が4〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどを挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味する。
【0063】
上記の中でも、アルキル基の炭素数が4〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)、)アクリル酸n−ブチル(BA)である。
【0064】
上記主モノマーの含有量は、アクリル系粘着剤を構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、50〜100重量%が好ましく、より好ましくは70〜100重量%である。
【0065】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マイレン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー(無水マイレン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマーも含む);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピレン、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピレン、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどのヒドロキシル基(水酸基)含有量モノマー;(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのN−置換アミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピレン、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマーなどを挙げることができる。上記官能基含有モノマーの中でも、カルボキシル基含有モノマーが好ましく、より好ましくは、アクリル酸(AA)である。
【0066】
上記官能基含有モノマーの含有量は、アクリル系粘着剤を構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、20重量%未満が好ましく、より好ましくは、5重量%以下である。
【0067】
上記アクリル系粘着剤は、上記のモノマー成分を公知ないし慣用の重合方法により重合して調整することができ、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や活性エネルギー照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などを挙げることができる。上記の中でも透明性、耐水性、コストなどの点で、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましく、より好ましくは溶液重合法である。
【0068】
上記の溶液重合法に際しては、各種の一般的な溶液を用いることができる。このような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類;トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などの有機溶剤が挙げられる。溶剤は単独で、または2種類以上を組み合わせても使用することもできる。
【0069】
上記アクリル系粘着剤の重合に際しては、重合開始剤を使用することもできる。前記重合開始剤としては、特に限定されず公知ないし慣用のものの中から適宜に選択して使用することができ、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メイルプロピオネート)などのアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジーt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシン)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシン)シクロドデカンなどの過酸化物系重合開始剤などの油溶性重合開始剤などを挙げることができる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせても使用することもできる。重合開始剤の使用量としては、特に限定されず、従来、重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。
【0070】
また、上記アクリル系粘着剤は、架橋剤を添加して架橋してもよい。前記架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物などの各種架橋剤を挙げることができ、これらアクリル系粘着剤に含有する官能基により適宜選択して使用することができる。架橋剤の使用量としては、例えば、上記アクリル系粘着剤100重量部に対して0.01〜10重量部程度、好ましくは0.05〜5重量部程度である。
【0071】
上記ゴム粘着剤としては、天然ゴムや各種の合成ゴムが挙げられる。前記合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などを挙げることができる。
【0072】
上記シリコーン粘着剤としては、例えば、オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴムやシリコーンレジン、または、これをシロキサン系架橋剤、過酸化物系架橋剤などの架橋剤を添加して架橋・重合したものなどを挙げることができる。
【0073】
本発明の粘着テープ6の粘着剤層は、上記粘着剤(ベースポリマー)の他に、他の成分(例えば、適宜な架橋剤、粘着付着剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤など)を含んでいてもよい。
【0074】
本発明の粘着テープ6の粘着剤層の形成方法としては、公知慣用の方法を採用することができ、例えば、必要に応じて溶媒(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなど)を使用して上記粘着剤などを不揮発分濃度が10〜50重量%程度となるように、希釈してコーティング液を調整し、これを基材上または適当なセパレータ(剥離紙など)上に塗布(塗工)し、その後乾燥する方法などを挙げることができる。
【0075】
なお、上記粘着剤の形成方法における塗布(塗工)には、公知のコーティング法を用いることが可能であり、慣用のコータ、例えば、グラビヤコータ、リバースコータ、キスロールコータ、ディップロールコータ、バーコータ、ナイフコータ、スプレーコータ、コンマコータ、ダイレクトコータ、ダイコータなどを用いることができる。
【0076】
また、基材と上記粘着剤層を構成する粘着剤を溶融押し出し成型し、その後、縦または横方向への延伸(1軸延伸)処理を施すことによっても形成することができる。溶融押し出し方法としては、インフレーション法やTダイ法など任意の公知技術を用いることができる。
【0077】
〔キャリアテープ接続用フィルムのベースフィルム〕
【0078】
このベースフィルム11は、周知の剥離紙(セパレータ)を利用することができ、その基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン系などの剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙材などの低接着性基材が好ましい。
【0079】
また、ベースフィルム11の厚さは、16〜300μm程度が好ましく、より好ましくは90〜150μm、特には95〜130μmが好ましい。
【0080】
〔キャリアテープ接続用ラベルのアプリケーションテープ〕
【0081】
このアプリケーションテープ12は、粘着テープ6の基材と同様な材質の基材の裏面に、粘着テープ6の粘着剤層と同様な材質の粘着剤層を備えており、その基材の厚さは、例えば16〜125μm程度、好ましくは38〜75μm、特に好ましくは45〜70μmである。
【0082】
また、アプリケーションテープ12における粘着剤層の厚さは、6〜12μm程度が好ましく、より好ましくは7〜11μm、特には8〜10μmが好ましい。
【0083】
本発明は以下のような形態で実施することもできる。
【0084】
(1)キャリアテープ接続用フィルム10のベースフィルム11には貫通孔7は必ずしも必要はなく、粘着テープ6をアプリケーションテープ12に貼り合せた2層のテープに貫通孔7を打ち抜き形成した後に、ベースフィルム11に貼り合せるようにしてもよい。
【0085】
(2)粘着テープ6は、上記実施例の形態に限定されるものではなく、以下のような形態であってもよい。
【0086】
例えば、図11(a)に示すように、粘着テープ6は、キャリアテープ1に形成された送り孔5側の側辺からはみ出て裏面側に折り返して貼り付けることができる形状である。また、この粘着テープ6は、キャリアテープ1に貼り付けたとき、裏面側に送り孔5と合致する貫通孔7が形成されているとともに、キャリアテープ1の側辺に接触する部位に沿って折り曲げ線15またはせん孔が形成されている。
【0087】
図11(b)に示すように、粘着テープ6は、キャリアテープ1に形成された送り孔5側の側辺からはみ出て裏面側に折り返して貼り付けることができる形状である。また、この粘着テープ6は、キャリアテープ1に貼り付けたとき、表面側の送り孔5と合致する貫通孔7が形成されているとともに、キャリアテープ1の側辺に接触する部位に沿って折り曲げ線15またはせん孔が形成されている。さらに、キャリアテープ1の側面と接触する部位16に粘着剤層を有さない。
【0088】
さらに、図11(c)に示すように、粘着テープ6は、キャリアテープ1に形成された送り孔5側の側辺からはみ出て裏面側に折り返して貼り付けることができる形状である。また、この粘着テープ6は、キャリアテープ1に貼り付けたとき、表面側と裏面側の送り孔5と合致する貫通孔7が形成されているとともに、キャリアテープ1の側辺に接触する部位に沿って折り曲げ線15またはせん孔が形成されている。さらに、キャリアテープ1の側面と接触する部位16に粘着剤層を有さない。
【0089】
また、粘着テープ6は、図12(a)に示すように、貫通孔が形成されていないキャリアテープ1よりも幅広の形状であってもよい。この粘着テープ6の場合、アプリケーションテープ12にも貫通孔が形成されていなくてもよい。例えば、粘着テープ6の両端からはみ出る部分に貫通孔7を形成しておく。この貫通孔7は、キャリアテープ1と接触する表面側に形成しているが、裏面側に形成しておいてもよい。
【0090】
この実施形態の粘着テープ6において、図12(b)に示すように、裏面に折り返す側のキャリアテープ1の側辺に接触する部位に沿って折り曲げ線15またはせん孔を形成しておいてもよい。さらに、キャリアテープ1の側面と接触する部位16に粘着剤層を有さない。
【0091】
さらに、この実施形態の粘着テープ6において、図12(c)に示すように、裏面に折り返す側のキャリアテープ1の側辺に接触する部位に沿って折り曲げ線15またはせん孔を形成しておくとともに、側面と接触する部位に粘着剤層を有しない。なお、この実施形態では、キャリアテープ1の表面および裏面で送り孔5と合致する貫通孔7が形成されている。
【0092】
(3)切込みsが端辺に予め形成された粘着テープ6をベースフィルム11に貼り合せてもよい。また、粘着テープ6をベースフィルムに貼り合せた状態でプレス裁断加工を粘着テープ6に施してテープ端辺に切込みsを形成し、その上からアプリケーションテープ12を貼り合せるようにしてもよい。
【0093】
(4)粘着テープ6およびアプリケーションテープ12を積層したラベル状のキャリアテープ接続用フィルム10を長尺のベースフィルム11に所定ピッチで貼り付け保持したものに形成してもよい。
【0094】
この構成の場合、アプリケーションテープ12に貼り付け保持した粘着テープ6およびアプリケーションテープ12をベースフィルム11から1セットずつめくり取ってキャリアテープ接続に使用する。
【0095】
(5)キャリアテープ接続用フィルム10におけるベースフィルム11およびアプリケーションテープ12は必ずしも粘着テープ6と同幅である必要はなく、粘着テープ6より幅広であってもよい。
【0096】
(6)粘着テープ6の長手方向全長に亘って、トップテープ4の両側辺に添うミシン目などの切り裂き線を予め形成しておくことも可能である。この構成によれば、粘着テープ6の基材として、厚くて強度の高いものや、切り裂き性の低いものでも使用することが可能となる。
【0097】
(7)上記実施例では、薄くて扱いにくい粘着テープ6をアプリケーションテープ12に貼り付け保持して貼り付け処理する場合を例示しているが、次のように構成してもよい。
【0098】
粘着テープ6の剛性がある程度大きくて取り扱いやすい場合には、アプリケーションテープ12に貼り付け保持することなく、粘着テープ6を単体の状態でキャリアテープ1に貼り付けることも可能である。この場合は、アプリケーションテープ12を省略して、ベースフィルム11に粘着テープ6を貼り付け保持しただけのキャリアテープ接続用フィルム10を構成して供給することもできる。
【0099】
(8)上記実施例では、粘着テープ6の両端部に切込みsが形成されていたが、トップテープ4の剥離開始側のみであってもよい。また、1軸方向に沿って切り裂ける特性を有するテープであれば、切込みsを有さない粘着テープであってもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 … キャリアテープ
2 … 凹部
3 … 電子部品
4 … トップテープ
5 … 送り孔
6 … 粘着テープ
7 … 透孔
10 … キャリアテープ接続用ラベル
11 … ベースフィルム
12 … アプリケーショテープ
s … 切込み
t … キャリアテープの側辺
図1
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図2
図3
図4
図5
図6