(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912796
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
F25D 19/00 20060101AFI20160414BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20160414BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
F25D19/00 522A
F25D19/00 510D
F25D11/00 101C
A47F3/04 K
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-92416(P2012-92416)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-205005(P2013-205005A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】512098865
【氏名又は名称】株式会社アリガ
(74)【代理人】
【識別番号】100132621
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 孝行
(74)【代理人】
【識別番号】100123364
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 徳子
(72)【発明者】
【氏名】高久 勝広
(72)【発明者】
【氏名】江尻 敦司
(72)【発明者】
【氏名】小川 春陽
(72)【発明者】
【氏名】渡部 健春
【審査官】
▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−066041(JP,A)
【文献】
実開平01−063977(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第00084660(EP,A2)
【文献】
特開2002−257467(JP,A)
【文献】
実開昭58−051171(JP,U)
【文献】
米国特許第06539740(US,B1)
【文献】
特開2008−075954(JP,A)
【文献】
特開2002−243336(JP,A)
【文献】
特開2003−222452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 19/00
A47F 3/04
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台内に設けられた冷却室に、冷却用ファンと、冷媒配管が接続された冷却器が備えられ、冷気循環を行うショーケースであって、
前記冷却器は、回転できるようにスプリング自由蝶番を介して前記冷却室の基板底面に取り付けられ、
前記冷却室の基板底面には、貫通孔が形成され、
前記冷媒配管は、前記冷却器の回転方向に沿って円弧状に形成され、前記冷却器の回転に伴って前記貫通孔を通って挿入出できるようになっていることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記冷却室の基板底面は傾斜しており、傾斜方向の下端部に水路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却器を有する業務用ショーケースに関し、特に冷却器が固定設置されたショーケースの清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ショーケースの清掃装置としては、
特公昭63−037305号公報に記載の技術が知られている。この公報には、冷却器の風下側に水が配置されており、この水皿には水があふれるぐらい十分な給水が行われている。そして水皿に落下したほこり等はあふれ出た水と共に給水路を伝ってドレン排水口より排出されることで、陳列室内を清潔に保つ技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭63−037305号
【特許文献2】特開2002−243336号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来技術にあっては水を常に循環するための装置が必要であり、コストアップが問題であった。よって、こういった装置を備えることなく清潔かつ衛生的に保つ必要がある。冷気循環を行うショーケースにおいては、冷却用ファンから送風された空気は冷却器に送られる。このとき、陳列室内を循環している空気は、陳列室内の小さなチリやほこり等を含んでおり、更に陳列品の鮮度を保つための湿度が含まれている。このチリやほこり及び湿度を有する空気は冷却器において冷却されると、飽和水蒸気圧の低下により結露し、チリやほこりを含んだ水滴となって滴下する。その為、冷却器下部はチリやほこりが堆積しやすい。
【0005】
この冷却器下部は、陳列室内を循環している空気の通り道になっており、そこに溜まったチリやほこりは、ショーケース内の陳列品の衛生を保つために、清掃して取り除く必要があるが、冷却器が冷却室の陳列室内側底面近くの狭いスペースに固定設置されている為、その部分の清掃が困難であるという問題があった。また、小型のショーケースにおいて、冷却器が容易に取り外し可能なものもあるが、大型のショーケースになると、冷却器も大きいため固定設置せざるを得ない。よって、清掃時には冷却器を取り外すために、例えば業者等に依頼しなければならず、コストがかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、基台内に設けられた冷却室に冷却用ファンと冷却器が備えられたショーケースにおいて、冷却器を取り外すことなく容易に冷却器下部を清掃可能なショーケースの清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する為、基台内に設けられた冷却室に冷却用ファンと冷却器が備えられ、冷気循環を行うショーケースにおいて、前記冷却室の基板底面と前記冷却器の間に形成され
るスプリン
グ自由蝶番を設けて冷却器がスムーズに回転でき、また自在型伸縮冷媒配管を設け容易に冷却器底面及び床面が清掃できるように冷却器を固定式で無く移動可能な冷却器を設けたものである。
【0008】
また、第2の解決手段は、前記載のショーケースにおいて、冷却器を上下・移動を目的に自在型に動く、冷媒配管を設け、自由蝶番を支点に上下するファンケーシングにより構成としたものである。
【0009】
また、冷却器とファンケーシングが自由に回転できるようにスプリング自由蝶番を設けたことである。
【0010】
ショーケースの清掃時に、冷却用ファンケーシングと冷却器が折りたたむことができショーケース床面及び冷機器全体を簡単に清掃ができ、短時間での清掃効果を発揮する。
【0011】
冷却器を上下左右移動させるときに冷媒配管も上下伸縮させることができる様に伸縮配管を設けた。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明にあっては、冷却器及びファンケーシングを折りたたむことができる。よって、チリやほこりを含んで滴下した水滴等は庫内床面に堆積されるが清掃時に容易に冷却器を折りたたむことができ、簡単に冷却器下部を清掃ができ基台内を清潔に維持することができる。また、従来は冷却器を取り外さなければ清掃できなかった箇所が簡単に清掃可能となり、清掃コストの低減を図ることができる。
【0013】
また、ショーケースの清掃装置では、冷却器を上下・左右移動を目的に自在型に動く冷媒配管を設けファンケーシング・冷却器を移動でき、容易に清掃が可能となり雑菌の繁殖の温床を除去することが可能となり、また、クリーンな冷却器を再現できることから熱交換効率を高めることができ冷却効率の向上を図ることができる
【0014】
また、ショーケース庫内清掃時に冷却器とファンケーシングが折りたたむことができ、ショーケースのハッチバック方式の場合は客側(正面側)より清掃ができる。また、正面クローズケースの場合は売り子側(裏側)より清掃することができ清掃作業を短縮できる
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態におけるショーケースの斜視図である。
【
図2】実施の形態におけるショーケースの縦断面図である。
【
図3】実施の形態における冷却器近傍の拡大断面図である。
【
図4-1】本発明の実施の形態を示す冷却器及びファンケーシンクの断面図
【
図4-2】冷却器及びファンケーシンクの上下移動過程の断面図
【
図4-3】冷却器及びファンケーシンクの移動時の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実態の形態を
図1〜
図4−3に基づいて説明する。
【0017】
図1は実施の形態におけるショーケースの斜視図、
図2は実施の形態におけるショーケースの側断面図である。
【0018】
まず構成を説明すると、基台5上にそれぞれ透明な前壁12と一対の側壁7,8と天壁9とが配置され、後背部には引き違いの扉10,11が設けられている。
【0019】
陳列室内には、側壁7,8に懸架される陳列棚13が配置されている。そして、基台5内部の基板14上には冷却器1が配置され、前壁12と陳列室内底板15との間に形成される吸込口16と冷却器1の間には冷却用ファン4aが設けられている。これにより、陳列室内底板15と扉10,11の間には吐出口17が設けられ矢印で示す冷気の循環路を形成している。
【0020】
図2中、基台5内部の扉10,11側には、水路19及びドレン排水口20が設けられ陳列室内及び基台5内部をシャワー等で洗浄した際の水を排水することができる。尚、本実施の形態では基板14は水路19側が低くなるように傾斜が設けられていて効率よく排水することができる。また、基台5の内部にはブロック状に複数分割された、断熱材6が埋設され、冷気循環路の断熱効果を高めることで、熱効率の向上を図っている。更に、冷却器1から送風された冷気が直接あたる扉10,11の下部には、基台5の外表面近傍の断熱材6内には防露ヒータ18が設けられ、冷気と外気との温度差により生ずる過度の結露発生を防止している。また、水路19には、ゴミ受け21が挿入されている。
【0021】
図3は実施の形態の冷却器1・ファンケーシング4b・冷媒配2a周辺を拡大した拡大断面図である。冷却器1には回転蝶番3が設けられ冷媒配管2aは伸縮性のある素材で形成され、パイプシャフト2bに挿入される。冷却器1と基板14間に隙間をなくし冷却器全体を熱交換することで高湿度管理ができるショーケースが可能となる。
【0022】
次に作用を説明する。冷却用ファン4aから送風された空気は冷却器1に送られる。このとき、陳列室内を循環している空気は、陳列室内の小さなチリやほこり等を含んでおり、更に陳列品の鮮度を保つための湿度が含まれている。このチリやほこり及び湿度を有する空気は冷却器1において冷却されると、飽和水蒸気圧の低下により結露し、チリやほこりを含んだ水滴となって滴下する。この水滴は基板14の冷却器1下部に落下、基台外に流れるがゴミ等は冷却器1及び基板14に付着する。
図4−1〜
図4−3は、清掃メンテナンスとして冷却器1及びファンケーシング4bを折りたたんで、シャワー等により水で洗浄して清掃することで基台5内を清潔に維持することができる。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態のショーケースの清掃装置においては、基板14と冷却器1の間に形成される自由回転できる蝶番3とフアンケーシング4bと基板14に自由蝶番3が設けられており、上下左右移動できる冷媒配管2aとで構成されており、冷却器及びファンケーシングを折りたたんで清掃することで基台内を清潔に維持することができ、清掃コストの低減を図ることができる。以上のように、本実施形態によれば従来は冷却器を取り外さなければ清掃できなかった箇所が簡単に清掃できるものである。
【0024】
以上、実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。例えば、冷却器とファンケーシングを一体加工でも良い。
【符号の説明】
【0025】
2a 冷媒配管
2b 挿入部
3 スプリング自由蝶番
4a ファンモータ
4b ファンケーシング
5 基台
6 断熱材
7,8 側壁
9 天壁
10、11 扉
12 陳列棚
13 側壁
14 基板
15 陳列室内底板
16 吸込口
17 吐出口
18 防露ヒータ
19 水路
20 排水口
21 ゴミ受け