特許第5912797号(P5912797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912797
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】ソーラーパネル装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20160414BHJP
【FI】
   H02S20/10 K
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-92578(P2012-92578)
(22)【出願日】2012年4月16日
(65)【公開番号】特開2013-221288(P2013-221288A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2014年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】大鷲 高司
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−132780(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0031469(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
F24J 2/52
E04D 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
額縁状の枠部材を備えるソーラーパネル部材と、
該ソーラーパネル部材が取り付けられ、底部と、低側壁と、該低側壁に相対する高側壁と、互いに相対する傾斜側壁とを備え箱型の架台と
を具備するソーラーパネル装置において、
前記各側壁の上端には水平フランジが設けられるとともに、該水平フランジに垂直な外壁が設けられ、
前記水平フランジに、前記ソーラーパネル部材を構成する額縁状の枠部材が載置状態とされているとともに、
前記低側壁の外壁の上端には係止庇部が形成されており、前記低側壁の水平フランジ、外壁、及び、係止庇部によって構成された嵌入凹部に、前記低側壁側に位置する前記枠部材が嵌入状態とされ、
前記傾斜側壁のうち前記高側壁側に位置する外壁には固着手段が設けられ、該固着手段にて前記ソーラーパネル部材が取り付けられていることを特徴とするソーラーパネル装置。
【請求項2】
額縁状の枠部材を備えるソーラーパネル部材と、
底部と、低側壁と、該低側壁に相対する高側壁と、互いに相対する傾斜側壁とを備える箱型の架台と
を具備するソーラーパネル装置の製造方法であって、
前記各側壁の上端には水平フランジが設けられるとともに、該水平フランジに垂直な外壁が設けられ、
前記低側壁の外壁の上端には係止庇部が形成されており、前記低側壁の水平フランジ、外壁、及び、係止庇部によって構成された嵌入凹部に、前記枠部材のうち、前記低側壁側に位置する部位を嵌入する工程と、
前記水平フランジに、前記ソーラーパネル部材を構成する額縁状の枠部材を載置する工程と、
前記傾斜側壁のうち前記高側壁側に位置する外壁に設けられた固着手段にて前記ソーラーパネル部材を取り付ける工程とを有することを特徴とするソーラーパネル装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーパネル部材と、該ソーラーパネル部材が取り付けられる架台とからなるソーラーパネル装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ソーラーパネル部材が取り付けられる架台は、高さの異なるブロックや高さの異なるブロックを連結するフレーム材等から構成されており、架台の設置後に、ソーラーパネル部材を、架台に取り付けるようにしたソーラーパネル装置が、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11ー177114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示されているソーラーパネル装置においては、高さの異なるブロックや高さの異なるブロックを連結するフレーム材等からなる架台を組み立てた後に、ソーラーパネル部材を設置しなければならず、架台の組み立てに、時間や労力や費用が係るという問題があった。
【0005】
また、架台へのソーラーパネル部材の取り付けには、多くの取り付け部材が必要となり、架台へのソーラーパネル部材の取り付けに、多大の時間や労力や費用が係るという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来のソーラーパネル装置が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、
額縁状の枠部材を備えるソーラーパネル部材と、
該ソーラーパネル部材が取り付けられ、底部と、低側壁と、該低側壁に相対する高側壁と、互いに相対する傾斜側壁とを備える箱型の架台と
を具備するソーラーパネル装置において、
前記各側壁の上端には水平フランジが設けられるとともに、該水平フランジに垂直な外壁が設けられ、
前記水平フランジに、前記ソーラーパネル部材を構成する額縁状の枠部材が載置状態とされているとともに、
前記低側壁の外壁の上端には係止庇部が形成されており、前記低側壁の水平フランジ、外壁、及び、係止庇部によって構成された嵌入凹部に、前記低側壁側に位置する前記枠部材が嵌入状態とされ、
前記傾斜側壁のうち前記高側壁側に位置する外壁には固着手段が設けられ、該固着手段にて前記ソーラーパネル部材が取り付けられていることを特徴とする。
また、額縁状の枠部材を備えるソーラーパネル部材と、
底部と、低側壁と、該低側壁に相対する高側壁と、互いに相対する傾斜側壁とを備える箱型の架台と
を具備するソーラーパネル装置の製造方法であって、
前記各側壁の上端には水平フランジが設けられるとともに、該水平フランジに垂直な外壁が設けられ、
前記低側壁の外壁の上端には係止庇部が形成されており、前記低側壁の水平フランジ、外壁、及び、係止庇部によって構成された嵌入凹部に、前記枠部材のうち、前記低側壁側に位置する部位を嵌入する工程と、
前記水平フランジに、前記ソーラーパネル部材を構成する額縁状の枠部材を載置する工程と、
前記傾斜側壁のうち前記高側壁側に位置する外壁に設けられた固着手段にて前記ソーラーパネル部材を取り付ける工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ソーラーパネル装置の設置を、短時間に、且つ、容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のソーラーパネル装置の斜視図である。
図2図2は、本発明のソーラーパネル装置を構成する箱型架台の斜視図である。
図3図3は、本発明のソーラーパネル装置を構成するソーラーパネル部材の斜視図である。
図4図4は、本発明のソーラーパネル装置を構成する箱型架台の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図5図5は、本発明のソーラーパネル装置の組み立て順序を説明するための一部断面を含む斜視図である。
図6図6は、本発明のソーラーパネル装置の組み立て順序を説明するための一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図7図7は、本発明のソーラーパネル装置が組み立てられた状態の垂直断面を含む側面図である。
図8図8は、本発明のソーラーパネル装置のソーラーパネル部材の箱型架台の取り付けを説明するための部分拡大斜視図である。
【実施例】
【0010】
先ず最初に、図1図4を用いて、ソーラーパネル装置Sの全体構成について説明する。ソーラーパネル装置Sは、ソーラーパネル部材S1と、ソーラーパネル部材S1が取り付けられる架台S2とから構成されている。
【0011】
ソーラーパネル部材S1は、ソーラーパネル1と、ソーラーパネル1を囲むように、ソーラーパネル1が取り付けられた額縁状の枠部材2とを有している。
【0012】
次に、図2及び図4を用いて、架台S2について説明する。
【0013】
架台S2は、箱型に形成されており、底部3と、一方の相対する側壁4、5とを有しており、一方の相対する側壁4、5のうちの一方の側壁4は、もう一方の側壁5より、高さが低く形成されている。以下、高さが低くい側壁4を、単に、低い側壁4と称し、高さが高い側壁5を、単に、高い側壁5と称する。架台S2のもう一方の相対する側壁6、6は、同一形状に形成されており、且つ、低い側壁4から高い側壁5に向かって上方に傾斜して形成されている。以下、もう一方の相対する側壁6、6を、単に、傾斜側壁6、6と称する。このように、架台S2は、底部3と、低くい側壁4と、高い側壁5と、傾斜側壁6、6とから形成されている。以下、このような架台S2を、箱型架台S2と称する。
【0014】
低くい側壁4には、水平フランジ4aと該水平フランジ4aに垂直な外壁4bとが形成されており、また、高い側壁5にも、水平フランジ5aと該水平フランジ5aに垂直な外壁5bとが形成されており、更に、傾斜側壁6、6にも、それぞれ、水平フランジ6aと該水平フランジ6aに垂直な外壁6bとが形成されている。各水平フランジ4a、5a、6a、6aの上面は、面一に形成されており、また、各外壁4b、5b、6b、6bの上端も、面一に形成されている。
【0015】
低くい側壁4の外壁4bの上端には、箱型架台S2の内部方向に向かって、且つ、水平フランジ4aと略平行に、舌片状の係止庇部4cが形成されている。このような係止庇部4cを形成することにより、水平フランジ4aと外壁4bと係止庇部4cとからなる、ソーラーパネル部材S1の額縁状の枠部材2が嵌入される嵌入凹部H1が形成されている。このような係止庇部4c、換言すれば、嵌入凹部H1は、低くい側壁4の両端や両端付近に形成する。実施例には、係止庇部4cを、低くい側壁4の両端に、一対、形成されている例が示されているが、一対の係止庇部4cの中間部に、一個以上の係止庇部4cを形成することもできる。
【0016】
また、傾斜側壁6の高い側壁5側に位置する外壁6bには、ボルトやリベット等の固着具挿入孔6b1が穿設されている。
【0017】
次に、図5図8を用いて、ソーラーパネル部材S1の箱型架台S2への取り付けについて説明する。
【0018】
先ず最初に、図5に示されているように、ソーラーパネル部材S1の高い側壁5側が、高い側壁5から上方に位置するように傾斜させた後、ソーラーパネル部材S1を構成する額縁状の枠部材2の低くい側壁4側に位置する部分を、低くい側壁4に形成された嵌入凹部H1に嵌入する。その後、ソーラーパネル部材S1の高い側壁5側を下動させて、図7に示されているように、ソーラーパネル部材S1の枠部材2を、低くい側壁4の水平フランジ4a、高い側壁5の水平フランジ5a及び傾斜側壁6の水平フランジ6aに載置することにより、ソーラーパネル部材S1を、箱型架台S2に設置する。なお、5cは、箱型架台S2を構成する高い側壁5の外壁5bに形成された、作業者の手が挿入可能な凹部であり、このような凹部5cを形成することにより、箱型架台S2へのソーラーパネル部材S1の取り付け作業を、容易に行なうことができる。
【0019】
また、図8に示されているように、ソーラーパネル部材S1を構成する額縁状の枠部材2の傾斜側壁6側に位置する相対する枠部2aのうち、高い側壁5側の枠部2aには、固着具挿入孔6b1に挿入される、一例としての固着具Bのボルトb1が螺合されるナットb2が取着されている。高い側壁5側の枠部2aに取着されたナットb2に、ワッシャーb3を介して、ボルトb1を、螺合させることにより、ソーラーパネル部材S1が、箱型架台S2に取り付けられることになる。枠部材2が、合成樹脂で射出成形される場合には、ナットb2を、枠部材2と一体的に成形することができる。
【0020】
箱型架台S2が、公知の容器のように、箱型架台S2同士を、ネスティングすることができるように構成されているので、ソーラーパネル装置の設置場所への搬送効率を高めることができる。
【0021】
上述したように、箱型架台S2に、ソーラーパネル部材S1を取り付けるように構成したので、ソーラーパネル装置Sの設置を、短時間に、且つ、容易に行なうことができる。
【0022】
また、箱型架台S2を構成する低くい側壁4の水平フランジ4a、高い側壁5の水平フランジ5a及び相対する傾斜側壁6、6の水平フランジ6aに、ソーラーパネル部材S1を構成する額縁状の枠部材2を載置するとともに、低くい側壁4側に位置する枠部材2を、低くい側壁4の水平フランジ4aと外壁4bと外壁4bの上端に形成された係止庇部4cとからなる嵌入凹部H1に嵌入するように構成したので、ソーラーパネル装置Sを、短時間に、且つ、容易に設置することができる。
【符号の説明】
【0023】
H1・・・・・・・・・・嵌入凹部
S・・・・・・・・・・・ソーラーパネル装置
S1・・・・・・・・・・ソーラーパネル部材
S2・・・・・・・・・・箱型架台
1・・・・・・・・・・・ソーラーパネル
2・・・・・・・・・・・枠部材
3・・・・・・・・・・・底部
4・・・・・・・・・・・低い側壁
4c・・・・・・・・・・係止庇部
5・・・・・・・・・・・高い側壁
6・・・・・・・・・・・傾斜側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8