特許第5912933号(P5912933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5912933情報処理装置およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912933
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20160414BHJP
【FI】
   G06Q50/10 100
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-150595(P2012-150595)
(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公開番号】特開2014-13495(P2014-13495A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】岡山 亮
(72)【発明者】
【氏名】大平 亮
(72)【発明者】
【氏名】水鳥 裕太
(72)【発明者】
【氏名】檜山 貴寛
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−211373(JP,A)
【文献】 特開2003−099558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ITサービスの運用に関する情報を運用担当者に参照または編集させるための管理画面について、その管理画面で表示させるべき情報項目を定めた本番定義データにしたがって情報項目を設定した管理画面を表示させる第1の管理画面表示部と、
前記管理画面に表示させるべき情報項目を設計担当者に定義させるための定義画面を表示させる定義画面表示部と、
前記定義画面に対する設計担当者の入力データであって、前記管理画面で表示させるべき情報項目を定めた未確定定義データを所定の記憶領域へ格納する格納部と、
前記定義画面に対する入力結果の確認が指示された場合に、前記未確定定義データにしたがって情報項目を設定した仮の管理画面を表示させる第2の管理画面表示部と、
前記定義画面に対する入力データの確定が指示された場合に、前記未確定定義データを前記本番定義データへ反映させる確定処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記定義画面表示部は、前記定義画面での入力結果の確認が指示された場合も、前記定義画面に対する入力データの表示を維持し、
前記第2の管理画面表示部は、表示中の定義画面とともに前記仮の管理画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記定義画面では、前記管理画面における複数の情報項目のそれぞれについて、運用担当者の権限に応じた表示有無を設定可能であり、
前記第2の管理画面表示部は、前記定義画面に対する入力結果の確認が指示された場合に運用担当者の権限の選択画面を表示させ、その選択画面で選択された権限に応じた情報項目を設定した仮の管理画面を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ITサービスの運用に関する情報を運用担当者に参照または編集させるための管理画面をついて、その管理画面で表示させるべき情報項目を定めた本番定義データにしたがって情報項目を設定した管理画面を運用担当者へ提供する機能と、
前記管理画面で表示させるべき情報項目を設計担当者に定義させるための定義画面を表示させる機能と、
前記定義画面に対する設計担当者の入力データであって、前記管理画面で表示させるべき情報項目を定めた未確定定義データを所定の記憶領域へ格納する機能と、
前記定義画面に対する入力結果の確認が指示された場合に、前記未確定定義データにしたがって情報項目を設定した仮の管理画面を表示させる機能と、
前記定義画面に対する入力データの確定が指示された場合に、前記未確定定義データを前記本番定義データへ反映させる機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理技術に関し、ITサービスの管理を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ITサービスの運用管理の分野においてITIL(Information Technology Infrastructure Library)が浸透してきている。ITILは、ITサービスの運用において発生したインシデントを管理するためのフレームワークや、ITサービスが抱える問題を管理するためのフレームワーク等を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−118686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ITサービスのインシデント管理や問題管理のための情報を参照または編集させるための管理画面が、ITサービス管理部門の運用担当者へ提供されることがある。管理画面の設定はITサービス管理部門の設計担当者によりなされることがあり、管理画面において表示させるべき情報項目を定義するための定義画面が設計担当者へ提供されることがある。本発明者は、設計担当者が定義画面を用いて管理画面の構成を定義する際に、その定義内容の確認における利便性を向上させる余地があると考えた。
【0005】
本発明は発明者の上記着想にもとづきなされたものであり、その主な目的は、ITサービスの管理画面の定義作業を支援する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置は、ITサービスの運用に関する情報を運用担当者に参照または編集させるための管理画面について、その管理画面で表示させるべき情報項目を定めた本番定義データにしたがって情報項目を設定した管理画面を表示させる第1の管理画面表示部と、管理画面に表示させるべき情報項目を設計担当者に定義させるための定義画面を表示させる定義画面表示部と、定義画面に対する設計担当者の入力データであって、管理画面で表示させるべき情報項目を定めた未確定定義データを所定の記憶領域へ格納する格納部と、定義画面に対する入力結果の確認が指示された場合に、未確定定義データにしたがって情報項目を設定した仮の管理画面を表示させる第2の管理画面表示部と、定義画面に対する入力データの確定が指示された場合に、未確定定義データを本番定義データへ反映させる確定処理部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ITサービスの管理画面の定義作業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態の情報システムの構成を示す図である。
図2】管理ページの一例を示す図である。
図3】管理ページの一例を示す図である。
図4図1の運用管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】定義ページの一例を示す図である。
図6】デフォルトの試験用ブラウザのウィンドウを示す図である。
図7】権限選択ページの一例を示す図である。
図8】運用管理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施の形態の情報システム100の構成を示す。管理対象装置10は、エンドユーザのPCや携帯情報端末等のエンドユーザ端末12に対してITサービスを提供する情報処理装置であり、例えば、ウェブページによる情報提供サービスを実行するウェブサーバである。運用管理装置14は、管理対象装置10の運用に関する各種のイベントを管理する情報処理装置であり、具体的にはITILに則したインシデント管理・問題管理・変更管理(以下、総称して「イベント管理」とも呼ぶ。)のためのデータ処理を実行する。管理対象装置10には、ITサービス管理アプリケーションのエージェントソフトウェアがインストールされてもよく、運用管理装置14には、そのエージェントソフトウェアと適宜通信するマネージャソフトウェアがインストールされてもよい。
【0011】
運用管理装置14は、ITサービスマネジメント装置であり、管理対象装置10に関するイベント管理のための各種情報(以下「管理情報」とも呼ぶ。)を運用担当者へ提示するウェブページ(以下「管理ページ」とも呼ぶ。)を運用担当者PC16へ提供して表示させる。管理ページは、運用担当者に管理情報を参照・編集させるためのウェブページである。また運用管理装置14は、管理ページに表示させるべき情報項目を設計担当者に定義させるための専用画面(ウェブページであってもよく、以下「定義ページ」とも呼ぶ。)を設計担当者PC18へ提供して表示させる。
【0012】
運用担当者PC16は、ITサービス管理部門の運用担当者により操作されるPCであり、運用管理装置14から提供された管理ページをディスプレイに表示させる。運用担当者は、管理対象装置10に関するイベント管理のための管理情報を管理ページへ入力し、またイベント管理のステータス(例えば申請前〜完了)の進捗に応じて管理情報を更新する。なお図1では運用担当者PC16を1つ示したが、情報システム100は、権限の異なる複数の運用担当者が操作する複数の運用担当者PC16を含む。
【0013】
設計担当者PC18は、ITサービス管理部門における管理ページ設計の担当者(以下「設計担当者」とも呼ぶ。)により操作されるPCであり、運用管理装置14から提供された定義ページをディスプレイに表示させる。
【0014】
図1の各装置は、LAN・WAN・インターネット等の通信網を介して接続される。また管理対象装置10・運用管理装置14・運用担当者PC16・設計担当者PC18は、システム運用サービス(アウトソーシングサービス)を提供するSI企業に設置されてもよく、各装置の物理的な設置位置は問わない。
【0015】
ここで管理ページについて説明する。図2および図3は管理ページの一例を示す。管理ページ80では、左側のペインに基本情報ブロックと経過情報ブロックを含み、右側のペインに社外申請者情報ブロックとエスカレーション情報ブロックと分類情報ブロックを含む。各情報ブロックは、運用担当者がイベント管理のための情報を入力するべき複数の情報項目を含む。
【0016】
情報エリア82は、データ入力が必須となる情報項目(必須項目)である。情報エリア84は、参照のみ可能で編集不可の情報項目(参照項目)である。情報エリア86は、ページの閲覧者が管理者権限を有する場合に表示される一方、一般の担当者権限である場合は非表示となる情報項目である。すなわち図2は、閲覧者である運用担当者が管理者権限を有する場合の管理ページの表示態様を示しており、図3は、閲覧者である運用担当者が担当者権限である場合の管理ページの表示態様を示している。
【0017】
権限の異なる複数の運用担当者(例えば、後述の事業責任者・インシデント管理プロセスオーナー・インシデント管理担当者)は、各自の権限に応じた態様の管理ページを確認する。そして、管理ページで表示された情報項目へ管理情報を新規入力し、または既存の管理情報を変更する。そして運用担当者が登録ボタン88を押下すると、運用管理装置14は、管理ページに対する運用担当者の入力データを運用管理装置14へ送信して登録する。すなわち運用管理装置14が保持する管理情報を更新する。
【0018】
既述したように、管理ページで表示すべき情報項目は設計担当者が定義ページを介して定義するが、本発明者は管理ページの定義作業について以下のような課題を発見した。
(1)定義ページでの定義内容を反映させた管理ページを確認したい場合、定義ページでの定義内容を一旦確定させた上で管理ページを表示させる必要があった。そのため、管理ページの構成を定める原本の定義データが変更されることとなり、その定義データを元の(すなわち変更前の)状態に戻すことは容易でなかった。
(2)定義ページでの定義内容を確定させると定義ページの表示が終了するため、定義ページでの定義内容と、管理ページの表示態様とを比較確認することが容易でなかった。
(3)運用担当者の権限に応じた表示・非表示設定を行なった場合、各権限が付与されたユーザ名でログイン・ログアウト操作を繰り返す必要があり手間が大きかった。
【0019】
そこで本実施の形態の運用管理装置14では、定義ページにおいて管理ページの情報項目を編集中に、刻々と変化する定義内容を仮の定義データへ逐次記録する。この仮の定義データは、変更される可能性がある未確定の定義データであり、運用担当者に実際に提供される本番用の管理ページの定義データとは別の領域に記録される。そして、編集中の定義ページの表示を維持したまま、定義ページにおける現在の定義内容を反映した模擬的な管理ページを仮の定義データにもとづいて表示させる。いわゆる管理ページ画面のシミュレーション表示機能を実現する。
【0020】
また、運用担当者の権限を指定した表示・非表示設定がなされた場合は、シミュレーション時に権限の選択ページを表示させ、権限毎のログイン・ログアウトを要求することなく、その選択ページで選択された権限に応じた模擬的な管理ページを表示させる。
【0021】
本番用の定義データとは異なる仮の定義データにもとづいて、定義ページで編集中の定義内容であり、すなわち変更される可能性がある未確定の定義内容を反映した管理ページの表示態様を確認できるため、本番用の定義データへの影響を排除し、(1)の課題を解決する。また定義ページとともに模擬的な管理ページを並行して表示させることで、設計担当者による確認を容易なものとし、(2)の課題を解決する。また、ログイン・ログアウトを要求することなく、任意の権限に応じた模擬的な管理ページを表示させることで、(3)の課題を解決する。以下、運用管理装置14の構成を詳細に説明する。
【0022】
図4は、図1の運用管理装置14の機能構成を示すブロック図である。運用管理装置14は、管理対象装置10に関するイベント管理のためのデータ処理を実行するデータ処理部30と、データ処理部30によるデータ処理のための各種データを記憶するデータ記憶部20を備える。データ処理部30は、管理画面提供部32と、管理情報更新部38と、定義画面提供部40と、仮定義更新部44と、本番定義更新部46と、シミュレート設定部48を含む。データ記憶部20は、管理情報保持部22と、本番定義データ保持部24と、仮定義データ保持部26を含む。
【0023】
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。例えば、データ処理部30の各機能ブロックは、ITサービス管理のためのマネージャソフトウェアの一部を構成するプログラムモジュールとして記録媒体に格納され、運用管理装置14のストレージへインストールされてもよい。そして、運用管理装置14のメインメモリに読み込まれて、運用管理装置14のCPUが実行することで、各機能ブロックの機能が発揮されてもよい。
【0024】
管理情報保持部22は、管理対象装置10に関するイベント管理のための管理情報を保持する記憶領域である。例えば、図2および図3の管理ページ80の各情報項目(基本情報のステータスやシステムコード等)に対して運用担当者が入力したデータを保持する。
【0025】
本番定義データ保持部24は、運用管理装置14が運用担当者に対して実際に提供する管理ページ、言い換えれば、運用担当者の実際の運用業務を支援するための管理ページ(以下「本番管理ページ」とも呼ぶ。)の定義データを保持する記憶領域である。
【0026】
仮定義データ保持部26は、運用管理装置14が、定義ページを介して管理ページの表示態様を定義中の設計担当者に対して提供すべき模擬的な管理ページ(以下「仮管理ページ」とも呼ぶ)の定義データを保持する記憶領域である。仮管理ページは、定義ページに対する設計担当者による現在までの入力データ(言い換えれば定義内容)を反映した確認用の管理ページであると言える。後述するように、仮定義データ保持部26の定義データは、設計担当者による定義ページへのデータ入力に伴って逐次更新される。そのため、仮管理ページにおける各情報項目の表示態様も、設計担当者による定義ページへのデータ入力に伴って逐次変化する。
【0027】
本番管理ページおよび仮管理ページの定義データは、図2および図3の管理ページ80の構成、言い換えれば、表示態様を定めたデータである。具体的には、管理ページ80に表示されるべき情報項目の種類(図2はブロックレベル、図3は項目レベル)や、各情報項目の配置場所(すなわち画面レイアウト)、表示・非表示の有無を定めたデータである。さらに、各情報項目の編集可否や、必須指定の有無、ワークフローのステータス毎の表示・非表示の有無、表示対象とするユーザ権限等を定めたデータである。
【0028】
以下、本番定義データ保持部24に格納される定義データを「本番定義データ」と呼び、仮定義データ保持部26に格納される定義データを「仮定義データ」と呼ぶこととする。なお本番定義データ保持部24と仮定義データ保持部26は、同じストレージ内の異なるフォルダであってもよく、言い換えれば、本番定義データと仮定義データは運用管理装置14の記憶領域において異なるフォルダパス配下に記憶されるものであってよい。
【0029】
管理画面提供部32は、本番管理ページを運用担当者PC16へ提供する第1提供部34と、仮管理ページを設計担当者PC18へ提供する第2提供部36を含む。第1提供部34は、管理ページの提供要求を運用担当者PC16から受け付ける。第1提供部34は、本番定義データ保持部24に格納された本番定義データにしたがって複数種類の管理情報項目を並べて配置したウェブページである本番管理ページのデータを設定する。また第1提供部34は、本番管理ページのデータに、複数種類の管理情報項目のそれぞれに対する運用担当者の入力データを管理情報保持部22から取得して設定する。そして第1提供部34は、本番管理ページのデータを運用担当者PC16へ送信し、運用担当者PC16のウェブブラウザに本番管理ページを表示させる。
【0030】
第2提供部36は、管理ページのシミュレーション表示の要求を設計担当者PC18から受け付ける。第2提供部36は、仮定義データ保持部26に格納された仮定義データにしたがって複数種類の管理情報項目を並べて配置したウェブページである仮管理ページのデータを設定する。仮管理ページは画面構成を確認するものであり、典型的には、仮管理ページの各情報項目の値は未設定の状態(空欄)となる。第2提供部36は、仮管理ページのデータを設計担当者PC18へ送信し、設計担当者PC18のウェブブラウザに仮管理ページを表示させる。
【0031】
本実施の形態の管理画面提供部32は、定義データの格納位置を示すフォルダパス文字列を値とする環境変数(以下「定義格納位置変数」とも呼ぶ。)を参照して、その環境変数が示すフォルダから定義データを読み込む。定義格納位置変数は、その初期状態において本番定義データ保持部24のフォルダパスが設定される。シミュレート設定部48は、管理ページのシミュレーション表示の要求を設計担当者PC18から受け付けた場合に、定義格納位置変数が示すフォルダパスを、仮定義データ保持部26のフォルダパスへ変更する。定義格納位置変数が本番定義データ保持部24のフォルダパスを示す場合、管理画面提供部32は第1提供部34として機能し、定義格納位置変数が仮定義データ保持部26のフォルダパスを示す場合、管理画面提供部32は第2提供部36として機能する。
【0032】
なお定義格納位置変数は、システム環境変数でなくユーザ環境変数(ユーザシェルの環境変数)であってもよい。この場合、運用担当者PC16の定義格納位置変数は本番定義データ保持部24を示した状態のまま、設計担当者PC18の定義格納位置変数のみが仮定義データ保持部26を示すように変更される。これにより、運用担当者による本番管理ページを用いた運用管理業務と、設計担当者による定義ページおよび仮管理ページを用いた管理ページの設計業務とを並行して実施させることができる。
【0033】
管理情報更新部38は、本番管理ページの各情報項目に対して運用担当者が入力した管理情報を運用担当者PC16から取得し、管理情報保持部22が保持する管理情報を更新する。言い換えれば、運用担当者による本番管理ページへの入力データを、管理情報保持部22が保持する管理情報へ反映させる。
【0034】
また管理対象装置10から自動的に管理情報が送信される場合、管理情報更新部38は、その管理情報を受け付けて管理情報保持部22の管理情報を更新する。この管理情報の取得・更新処理は、公知のITサービス管理アプリケーションの仕組み(エージェントソフトウェアとマネージャソフトウェアの連携)により実現されてもよい。
【0035】
定義画面提供部40は初期設定部42を含む。定義画面提供部40が定義ページの提供要求を設計担当者PC18から受け付けると、初期設定部42は初期処理として、本番定義データ保持部24に格納された本番定義データを、仮定義データとして仮定義データ保持部26へコピーする。定義画面提供部40は、仮定義データ保持部26が保持する仮定義データにしたがって管理ページの情報項目を定義した(すなわち現在の本番管理ページの構成を反映した)定義ページの初期データを設計担当者PC18へ送信する。そして、設計担当者PC18において定義ページを表示させる。
【0036】
なお、設計担当者PC18には定義ページを表示させるためのGUIクライアントソフトウェアがインストールされてもよい。このGUIクライアントソフトウェアは、運用管理装置14の定義画面提供部40が提供する管理ページの定義情報(仮定義データの内容であり、例えば管理ページに配置するブロックや情報項目、各種パラメータ値等)を示す定義ページをディスプレイに表示させてもよい。すなわち、運用管理装置14の定義画面提供部40と設計担当者PC18のGUIクライアントソフトウェアとが連携して、定義ページを表示させる定義画面表示部として機能してよいことはもちろんである。
【0037】
図5および図6は定義ページの一例を示す。図5および図6の定義ページにおいて設計担当者が設定可能なデータ、例えば管理ページに設定可能なブロック名や、情報項目名、表示形式等のデータは、定義ページのデータに含めて運用管理装置14が提供し、定義ページにおいて選択可能な態様で表示されてもよい。
【0038】
図5は、複数の管理情報項目を含むブロックの配置場所を定義するためのブロック定義ページ50を示している。ブロック定義ページ50の基本エリアは図2の管理ページ80の左ペインに対応し、詳細エリアは管理ページ80の右ペインに対応する。ブロック名フィールド52にはブロック名を入力し、表示有無フィールド54には管理ページ80でのブロックの表示有無を入力する。ブロック定義ページ50で上に配置したブロックほど、管理ページ80でも上に表示される。
【0039】
図6は、ブロック定義ページ50で配置されたブロックの各情報項目について、それらの表示態様を詳細に設定するための入力制御定義ページ70を示している。ブロック名フィールド52には、ブロック定義ページ50で設定されたブロック名が自動設定される。項目名フィールド72には、ブロックに対応する(含まれる)複数の管理情報の項目名が自動設定される。表示形式フィールド74には、運用担当者により編集可能か、もしくは参照のみ可能かを示す情報が入力される。したがって図2の情報エリア84に対応する情報項目には「参照のみ」が指定される。
【0040】
必須指定フィールド76には、運用担当者による情報項目へのデータ入力が必須か、もしくは任意かを示す情報が入力される。したがって図2の情報エリア82に対応する情報項目には「必須」が指定される。表示有無フィールド78には、イベント管理において実施されるべきワークフローにおけるステータスの進捗に応じた表示有無を入力する。例えば図6では、基本情報の項目名「タイトル」について、ステータスが「申請前」および「却下」の場合に表示させる(○)一方、ステータスが「差戻し」の場合に非表示とする(×)ことが指定されている。
【0041】
設計担当者PC18は、各定義ページに対して設計担当者のデータ入力操作がなされる都度、その入力データや、操作対象のデータフィールド・ボタン等の情報を運用管理装置14へ逐次送信する。運用管理装置14の仮定義更新部44は、定義ページに対する入力データ、すなわち管理ページの画面構成の定義情報を受け付け、仮定義データ保持部26へ格納し、仮定義データ保持部26の仮定義データを更新する。例えば、設計担当者が、ブロック定義ページ50の表示有無フィールド54の値を変更すると、その変更後の値が運用管理装置14の仮定義データへ反映される。
【0042】
戻るボタン56は前の定義ページに戻るためのボタンであり、次へボタン58は次の定義ページへ進むためのボタンである。例えば、ブロック定義ページ50で次へボタン58が押下されると入力制御定義ページ70へ画面遷移し、入力制御定義ページ70で戻るボタン56が押下されるとブロック定義ページ50へ画面遷移する。
【0043】
初期値ボタン62は、定義ページの表示内容を初期値に戻すためのボタンである。例えば初期値ボタン62に対する押下操作を運用管理装置14が検出すると、初期設定部42は、本番定義データ保持部24に格納された本番定義データを、仮定義データとして仮定義データ保持部26へ再度コピーしてもよい。そして定義画面提供部40は、現在の本番管理ページの構成を反映した定義ページのデータを運用管理装置14へ再度提供して表示させてもよい。
【0044】
キャンセルボタン64は、定義ページの編集を終了するためのボタンである。例えばキャンセルボタン64に対する押下操作を運用管理装置14が検出すると、仮定義更新部44は、仮定義データ保持部26に保持された仮定義データを削除してもよい。
【0045】
シミュレーションボタン66は定義ページでの定義内容を確認するためのボタンであり、その押下により、現在の定義内容を反映した管理ページの表示態様を示す仮管理ページが表示される。具体的には、シミュレーションボタン66に対する押下操作を運用管理装置14が検出すると、シミュレート設定部48は、定義格納位置変数の値を、仮定義データ保持部26のフォルダパスを指すよう変更する。そして管理画面提供部32(第2提供部36)は、仮定義データを反映した仮管理ページを設計担当者PC18へ提供し、現在の定義内容を反映した本番管理ページのシミュレーション画像(例えば図2図3の画像)を表示させる。
【0046】
なおシミュレーションボタン66が押下された場合に、設計担当者PC18にインストールされたGUIクライアントソフトウェアが、設計担当者PC18のウェブブラウザを自動起動して、そのウェブブラウザのウィンドウに仮管理ページを表示させてもよい。設計担当者は、ウェブブラウザを手動で起動して運用管理装置14へアクセスする作業が不要となり、定義ページでの定義内容を効率的に確認できる。
【0047】
本実施の形態では、シミュレーションボタン66が押下されても、設計担当者により編集途中の定義ページの表示が維持される。言い換えれば、運用管理装置14の定義画面提供部40と、設計担当者PC18のGUIクライアントソフトウェアとの連携により実現される定義画面表示部は、仮管理ページが表示される場合も、定義ページに対する設計担当者による入力データの表示を維持する。さらに言い換えれば、運用管理装置14の定義画面提供部40は、シミュレーションボタン66が押下されても、編集中の定義ページの表示内容を維持するために、新たな定義ページのデータの提供を抑制し、設計担当者PC18における定義ページの表示更新を抑制する。そして運用管理装置14の管理画面提供部32(第2提供部36)は、表示中の定義ページとともに、仮管理ページを表示させる。好適には編集途中の定義ページと仮管理ページをディスプレイ上で並べて表示させる。
【0048】
またブロック定義ページ50と入力制御定義ページ70のように定義ページが複数画面に亘る場合に、各定義ページにシミュレーションボタン66が設けられる。設計担当者は、管理ページの定義途中に随時、仮管理ページの表示態様を確認できる。また、ある定義内容について第1の仮管理ページを表示させた後、その定義内容を変更してシミュレーションボタン66を押下すると、第1の仮管理ページとは異なる第2の仮管理ページが表示される。そして第1の仮管理ページと第2の仮管理ページとが並行して表示される。これにより、変更内容の反映の確認や、複数の仮管理ページの相互比較が容易になる。
【0049】
OKボタン60は、定義ページでの定義内容を確定するためのボタンであり、その押下により、定義ページでの定義内容が本番定義データへ反映される。具体的には、OKボタン60に対する押下操作を運用管理装置14が検出すると、本番定義更新部46は、そのときに仮定義データ保持部26に保持された仮定義データを、本番定義データ保持部24に保持された本番定義データへ反映させる。本番定義更新部46は、仮定義データ保持部26が保持する仮定義データにより、本番定義データ保持部24が保持する本番定義データを上書き更新してもよい。
【0050】
また本番定義更新部46は、本番定義データの更新に伴って、定義格納位置変数の値を元に戻す。すなわち、定義格納位置変数の値を、本番定義データ保持部24のフォルダパスを指すよう変更する。これにより、管理画面提供部32(第1提供部34)は、更新した本番定義データに基づく本番管理ページを運用担当者PC16へ提供する。
【0051】
なお不図示であるが、運用管理装置14が提供する定義ページには、管理ページの各情報項目について、運用担当者の権限毎に表示・非表示を設定する表示権限定義ページが含まれる。例えば表示権限定義ページは、図6のブロック名フィールド52と項目名フィールド72とを含み、表示有無フィールド78と同様に運用担当者の権限毎に表示(○)もしくは非表示(×)を入力する画面構成であってもよい。実施の形態での権限種類は、(1)事業責任者、(2)インシデント管理プロセスオーナー、(3)インシデント管理担当者であり、(1)(2)は管理者権限、(3)は一般の担当者権限であることとする。他の定義ページと同様に、表示権限定義ページでの定義内容(以下「表示権限定義情報」とも呼ぶ。)も運用管理装置14の仮定義データへ記録される。
【0052】
管理画面提供部32(第2提供部36)は、管理ページのシミュレーション表示の要求を設計担当者PC18から受け付けると、仮定義データ保持部26の仮定義データに表示権限定義情報が含まれるか否かを確認する。仮定義データに表示権限定義情報が含まれる場合、管理画面提供部32(第2提供部36)は、設計担当者に権限種類を選択させるための権限選択ページのデータを設計担当者PC18へ送信する。そして設計担当者PC18のディスプレイに権限選択ページを表示させる。
【0053】
図7は、権限選択ページの一例を示す。設計担当者は、権限選択ページ90に表示された権限種類の中から、仮管理ページによる確認対象とする運用担当者の権限種類を選択する。設計担当者PC18は、権限選択ページ90において権限種類の選択操作がなされると、選択された権限種類の情報を運用管理装置14へ送信する。運用管理装置14の管理画面提供部32(第2提供部36)は、仮定義データで定義された情報項目のうち、選択された権限種類で表示するべき情報項目を設定した仮管理ページを設計担当者PC18へ送信して表示させる。例えば、図7の権限選択ページ90において「事業責任者」もしくは「インシデント管理プロセスオーナー」が選択されると、図2の管理ページ80を表示する。その一方、図7の権限選択ページ90において「インシデント管理担当者」が選択されると、図3の管理ページ80を表示する。
【0054】
また運用管理装置14の管理画面提供部32(第2提供部36)は、1つの権限選択ページ90で権限種類が選択される都度、それぞれの権限種類に応じた仮管理ページを設計担当者PC18へ提供してよい。言い換えれば、異なる複数の権限種類が権限選択ページ90で順次選択された場合、複数の権限種類に応じた複数の仮管理ページを設計担当者PC18へ順次提供してよい。そして設計担当者PC18は、複数の仮管理ページを並べてディスプレイに表示させてもよい。好適には、設計担当者PC18のディスプレイに、定義ページと、権限選択ページ90と、複数の仮管理ページが並行して表示される。これにより、設計担当者は、複数の権限種類に応じた複数の仮管理ページの表示態様を比較しやすくなり、仮管理ページが権限種類に応じた表示態様となっているかを容易に確認することができる。
【0055】
なお、異なる権限に応じた複数の仮管理ページを提供する際に、仮管理ページからのログアウトや、別の権限を有するユーザ名での再ログインを設計担当者に要求することは抑制される。例えば、運用管理装置14が認証部を備える場合に、認証部は、本番管理ページの提供時にユーザ認証を行なう一方で、仮管理ページの提供時には認証処理をスキップしてもよい。
【0056】
以上の構成による運用管理装置14の動作を説明する。
図8は、運用管理装置14の動作を示すフローチャートである。同図は、設計担当者による管理ページの定義作業を支援するための動作を示している。
【0057】
図8には不図示であるが、管理画面提供部32は、管理ページの提供要求を運用担当者PC16から受け付けると、本番定義データ保持部24の本番定義データにもとづいて情報項目を設定し、管理情報保持部22の保持データにもとづいて各情報項目の値を設定した本番管理ページを運用担当者PC16へ提供して表示させる。管理情報更新部38は、本番管理ページに入力された管理情報を運用担当者PC16から受け付け、またITサービス管理アプリケーションのエージェントソフトウェアが通知する管理情報を管理対象装置10から受け付けて、管理情報保持部22へ格納する。運用管理装置14は、管理対象装置10に関するイベント管理のステータスが終了に至るまで、当該イベントの進捗状況を管理する。例えば、イベント管理のステータスに応じた所定のタスクを運用担当者へ割り当て、そのタスク情報を運用担当者PC16へ通知してもよい。
【0058】
定義ページの提供要求が設計担当者PC18から受け付けられると(S10のY)、初期設定部42は、本番定義データ保持部24の本番定義データを仮定義データとして仮定義データ保持部26へコピーする。定義画面提供部40は、仮定義データ保持部26の仮定義データの内容を示す定義ページを設計担当者PC18へ提供して表示させる(S12)。管理ページの画面構成が定義ページにおいて編集されたことを検出すると(S14のY)、仮定義更新部44は、その編集内容(定義ページでの定義内容)を仮定義データ保持部26へ格納する(S16)。定義ページの編集が未検出であれば(S14のN)、S16をスキップする。
【0059】
定義ページにおけるシミュレーションボタンの押下操作を検出すると、言い換えれば、定義ページでの定義内容の確認要求を設計担当者PC18から受け付けると(S18のY)、シミュレート設定部48は、定義格納位置変数の値を、仮定義データの格納位置を示す値へ変更する(S20)。そして管理画面提供部32は、仮定義データ保持部26の仮定義データにもとづいて管理情報項目を配置した仮管理ページを設計担当者PC18へ提供して表示させる(S22)。定義ページにおけるシミュレーションボタンの押下操作が未検出であれば(S18のN)、S20とS22をスキップする。
【0060】
定義ページにおけるOKボタンの押下操作を検出すると、言い換えれば、定義ページにおける定義内容の確定が設計担当者PC18から通知されると(S24のY)、本番定義更新部46は、仮定義データ保持部26の仮定義データを、本番定義データ保持部24の本番定義データへ反映させる(S26)。そして本番定義更新部46は、定義格納位置変数の値を、本番定義データの格納位置を示す値へ変更する(S28)。定義ページにおけるOKボタンの押下操作が未検出であれば(S24のN)、S26とS28をスキップする。定義ページの終了操作(キャンセルボタンの押下操作等)が未検出であれば、S14に戻り、終了操作を検出した場合は定義ページの表示を終了させて本図のフローを終了する。また定義ページの提供要求を設計担当者PC18から受け付けない場合(S10のN)、以降のステップをスキップして本図のフローを終了する。
【0061】
本実施の形態の運用管理装置14によると、定義ページのシミュレーションボタン操作により、定義ページでの定義内容を反映した管理ページのシミュレーション画像を設計担当者PC18に表示させる。これにより、設計担当者が定義内容の正誤や妥当性を効率的に確認できるよう支援できる。また、シミュレーション画像の表示時点では管理ページの本番定義データは変更していないため、定義ページでの定義内容をキャンセルすること、すなわち本番管理ページの表示態様を変更前の状態のまま維持することも容易になる。
【0062】
また運用管理装置14によると、設計担当者PC18において定義ページと仮管理ページとを並行して表示させるため、それらの比較を容易なものにでき、設計担当者の確認作業を支援できる。例えば設計担当者は、仮管理ページの表示態様を確認することと並行して、定義ページを用いて管理ページの定義内容を修正できる。
【0063】
また、権限選択ページにおいて確認対象の運用担当者権限を設計担当者が任意に選択可能であり、権限選択ページで選択した権限に応じた構成の仮管理ページを表示させる。また、ある権限を一旦選択した権限選択ページにおいて別の権限をさらに選択可能であり、その際にそれまで表示された管理ページからのログアウトや別の権限での再ログインを要求しない。これにより、閲覧者権限毎の表示・非表示設定の正誤や妥当性を設計担当者に容易に確認させやすくなる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0065】
例えば、上記実施の形態では閲覧者の権限に応じた仮管理ページを表示させることとしたが、これに加えて、イベント管理におけるワークフローのステータスに応じた仮管理ページを表示させてもよい。具体的には、管理画面提供部32(第2提供部36)は、管理ページのシミュレーション表示の要求を設計担当者PC18から受け付けると、仮定義データ保持部26の仮定義データに、ワークフローのステータス毎の表示・非表示の有無を示す情報が含まれるか否かを確認する。この情報が含まれる場合、設計担当者にワークフローのステータスを選択させるためのウェブページであるステータス選択ページのデータを設計担当者PC18へ送信する。そして、設計担当者PC18のディスプレイにステータス選択ページを表示させる。設計担当者は閲覧者権限とステータスの両方を指定してもよく、この場合、閲覧者権限とステータスの両方の表示条件をアンド条件として情報項目を設定した仮管理ページを提供してもよいことはもちろんである。
【0066】
ステータス選択ページの構成は、図7の権限選択ページ90と同様であってよい。例えば、権限選択ページ90において選択対象であった複数種類の権限を、イベント管理のためのワークフローで予め定められた複数種類のステータス(図6の申請前・却下・差戻し等)に置き換えたものでもよい。設計担当者は、ステータス選択ページに表示されたステータスの中から、仮管理ページによる確認対象とするステータスを選択する。設計担当者PC18は、ステータス選択ページにおいてステータスの選択操作がなされると、選択されたステータスを運用管理装置14へ通知する。運用管理装置14の管理画面提供部32(第2提供部36)は、仮定義データで定義された情報項目のうち、選択されたステータスで表示するべき情報項目を設定した仮管理ページを設計担当者PC18へ送信して表示させる。
【0067】
例えば、図6で示すように入力制御定義ページ70の表示有無フィールド78が設定された場合、ステータス選択ページで「申請前」が選択されたときの仮管理ページには基本情報の情報項目「タイトル」が表示される。その一方、ステータス選択ページで「差戻し」が選択されたときの仮管理ページでは「タイトル」は非表示となる。本変形例によると、ステータス選択ページにおいて確認対象のステータスを設計担当者が任意に選択可能であり、ステータス選択ページで選択したステータスに応じた構成の仮管理ページを表示させる。これにより、ワークフローのステータス毎の表示・非表示設定の正誤や妥当性を設計担当者に容易に確認させやすくなる。
【0068】
なお、1つのステータス選択ページでステータスが選択される都度、運用管理装置14の管理画面提供部32(第2提供部36)は、それぞれのステータスに応じた仮管理ページを設計担当者PC18へ提供してよい。言い換えれば、異なる複数のステータスが権限選択ページ90で順次選択された場合、複数のステータスに応じた複数の仮管理ページを設計担当者PC18へ順次提供してよい。そして設計担当者PC18は、複数の仮管理ページを並べてディスプレイに表示させてもよい。好適には、設計担当者PC18のディスプレイにおいて、定義ページと、ステータス選択ページと、複数の仮管理ページが並行して表示される。これにより、設計担当者は、複数のステータスに応じた複数の仮管理ページの表示態様を比較しやすくなり、仮管理ページが、イベント管理のためのワークフローのステータスに応じた表示態様かを容易に確認することができる。
【0069】
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0070】
10 管理対象装置、 14 運用管理装置、 16 運用担当者PC、 18 設計担当者PC、 24 本番定義データ保持部、 26 仮定義データ保持部、 32 管理画面提供部、 38 管理情報更新部、 40 定義画面提供部、 44 仮定義更新部、 46 本番定義更新部、 48 シミュレート設定部、 100 情報システム。
図1
図2
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図7
図8