(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレットPC、携帯ゲーム機などの携帯情報機器において、加速度センサが広く利用されている。代表的な加速度センサとして、静電容量式(例えば、特許文献1参照)、ピエゾ抵抗式(例えば、特許文献2参照)、ガス式(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)が知られている。
【0003】
静電容量式とピエゾ抵抗式は、MEMS(Micro−Electro Mechanical Systems)素子を用いた加速度センサである。より詳細には、MEMS素子を利用することにより“機械的な可動部分”が半導体チップ中に形成される。そして、半導体チップの加速による当該可動部分の移動が、容量変化やピエゾ素子を通して検出される。但し、機械的な可動部分を形成しなければならないことは、歩留まりの低下を招き、製造コストの観点から好ましくない。
【0004】
ガス式の加速度センサの場合、半導体チップ内の空間にヒータ及び温度センサが設けられ、更に、その空間にガスが封入される。半導体チップの加速により、空間内のガスが移動し、ガスの温度分布が変化する。その温度分布の変化を温度センサで検出することにより、半導体チップの加速が検知される。このガス式加速度センサの場合、“機械的な可動部”は不要であり、歩留まり及び製造コストの観点から好ましい。
【0005】
尚、一般的なセンサに関連する技術として、次のものも知られている。特許文献6には、加速度センサのパッケージ全体をプリント基板に対して垂直に実装する方式が開示されている。特許文献7には、テーパー形状の基板上に磁気センサを配置する方式が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す概念図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図3A】
図3Aは、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図3B】
図3Bは、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図4A】
図4Aは、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図4B】
図4Bは、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の一例を示す概念図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の他の例を示す概念図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の更に他の例を示す概念図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す概念図である。
【
図9】
図9は、第2の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図10A】
図10Aは、第2の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図10B】
図10Bは、第2の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図11A】
図11Aは、第2の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図11B】
図11Bは、第2の実施の形態に係る半導体装置の作用を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第2の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の一例を示す概念図である。
【
図13】
図13は、第2の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の他の例を示す概念図である。
【
図14】
図14は、第2の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の更に他の例を示す概念図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態に係る半導体装置のパッケージ構成の更に他の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1の実施の形態
1−1.構成
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す概念図である。半導体装置は、ガス式加速度センサ10と、そのガス式加速度センサ10が搭載された半導体パッケージ100とを備えている。
【0013】
半導体パッケージ100の底面は、以下、「パッケージ底面110」と参照される。以下の説明において、パッケージ底面110に平行な平面は、便宜上、XY平面と参照される。X方向とY方向は、XY平面を形成する方向(水平方向)であり、互いに直交する。Z方向は、XY平面に垂直な方向(鉛直方向)であり、X方向及びY方向の各々と直交する。
図1には、XZ面内の構成が概念的に示されている。
【0014】
ガス式加速度センサ10は、空間内のガスの温度分布の変化を検出することにより、半導体装置の加速度を検知する。より詳細には、ガス式加速度センサ10は、空間内に配置されたヒータ20、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2を備えている。ヒータ20は、通電により熱を発生する。第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2は、熱源であるヒータ20の両側に配置されている。言い換えれば、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2は、ヒータ20を挟んで対向するように配置されている。典型的には、第1温度センサ30−1とヒータ20との間隔は、第2温度センサ30−2とヒータ20との間隔と等しい。これら第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2を用いることによって、空間内のガスの温度分布の変化を検出することができる。
【0015】
第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2との間をつなぐ方向は、以下、「S方向」と参照される。
図1に示されるように、本実施の形態によれば、S方向は、パッケージ底面110(XY平面)に対して“斜め”である。つまり、S方向は、XZ面内において、X方向とZ方向の両方に交差する。よって、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2のそれぞれの位置は、X方向において異なるだけでなく、Z方向においても異なることになる。これによる作用、効果を以下に説明する。
【0016】
1−2.作用、効果
図2は、半導体装置に加速がかかっていない状態(例:静止状態)での温度分布を示している。縦軸が温度を表し、横軸がS方向における位置を表している。この状態では、ヒータ20の位置を中心とした対称的な温度分布が形成される。
【0017】
図3Aは、半導体装置に「−X方向の加速」がかかった状態を概念的に示している。
図3Bは、
図3Aで示された状態での温度分布を示している。この場合、空間内のガスは、半導体装置の動きに追従できない。そのため、空間内においては、加速方向A(−X方向)とは逆方向(+X方向)にガスの流れ(相対的な動き)が発生する。空間内で+X方向に熱いガスが流れるため、温度分布も+X方向に偏る。結果として、第2温度センサ30−2の位置では温度が上昇し、その一方で、第1温度センサ30−1の位置では温度が低下する。第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2を用いることにより、このような温度変化のパターンを検出することができる。逆に言えば、このような温度変化のパターンの検出から、「−X方向の加速」を検知することができる。
【0018】
半導体装置に「+X方向の加速」がかかった場合、検出される温度変化のパターンは、
図3Bで示されたものと逆になる。従って、「−X方向の加速」と「+X方向の加速」とを区別することができる。
【0019】
図4Aは、半導体装置に「−Z方向の加速」がかかった状態を概念的に示している。
図4Bは、
図4Aで示された状態での温度分布を示している。この場合、空間内のガスは、半導体装置の動きに追従できない。そのため、空間内においては、加速方向A(−Z方向)とは逆方向(+Z方向)にガスの流れ(相対的な動き)が発生する。空間内で+Z方向に熱いガスが流れるため、温度分布も+Z方向に偏る。結果として、第2温度センサ30−2の位置では温度が上昇し、その一方で、第1温度センサ30−1の位置では温度が低下する。第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2を用いることにより、このような温度変化のパターンを検出することができる。逆に言えば、このような温度変化のパターンの検出から、「−Z方向の加速」を検知することができる。
【0020】
半導体装置に「+Z方向の加速」がかかった場合、検出される温度変化のパターンは、
図4Bで示されたものと逆になる。従って、「−Z方向の加速」と「+Z方向の加速」とを区別することができる。
【0021】
このように、本実施の形態のガス式加速度センサ10によれば、簡易な構成で、X方向とZ方向の2方向の加速度を検知することができる。それは、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2のそれぞれの位置が、X方向において異なっているだけでなく、Z方向においても異なっているからである。すなわち、S方向が、パッケージ底面110に対して“斜め”になっているからである。
【0022】
製品において、半導体パッケージ100は水平に搭載されることが多い。つまり、パッケージ底面110は水平面に平行であることが多い。その場合、本実施の形態に係るガス式加速度センサ10は、水平方向と垂直方向の2方向の加速度を検知可能であると言える。
【0023】
1−3.パッケージ構成例
図5は、パッケージ構成の一例を概念的に示している。
図5において、半導体パッケージ100には半導体チップ40が搭載されている。その半導体チップ40内に、本実施の形態に係るガス式加速度センサ10が形成されている。
【0024】
より詳細には、基板41上に下部絶縁膜42が形成されている。下部絶縁膜42の端部上には側壁絶縁膜43が形成されている。側壁絶縁膜43上には上部絶縁膜44が形成されている。これら下部絶縁膜42、側壁絶縁膜43及び上部絶縁膜44で囲まれるように空間45が形成されている。その空間45の内部にはガスが封入されている。ヒータ20、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2は、その空間45内に設けられており、下部絶縁膜42上に形成されている。尚、ヒータ20、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2は、メタル配線で実現される。そのメタル配線の材料としては、AlやCuが挙げられる。また、各絶縁膜の材料としては、シリコン酸化膜やポリイミドが挙げられる。基板41の材質としては、SiO2、SiC、GaAs、GaN等が挙げられる。
【0025】
図5に示されるように、半導体チップ40は、パッケージ底面110に対して“斜め”に搭載されている。これにより、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2との間をつなぐS方向も、パッケージ底面110に対して“斜め”になる。
【0026】
更に、リードが用いられるパッケージ種の場合を考える。
図5に示されるように、半導体チップ40は、リードアイランド上に搭載され、また、リード150と電気的に接続される。そのリード150は、半導体パッケージ100の側面120から突出している。ここで、半導体チップ40が“斜め”に搭載される場合、それは、側面120から突出しているリード150の外観にも影響を与える。具体的には、
図5に示されるように、側面120からのリード150の突出方向が、パッケージ底面110に対して“斜め”になる。逆に言えば、
図5に示されるようなリード150の外観からは、半導体チップ40が“斜め”に搭載されていることが推定される。
【0027】
尚、パッケージ種は、リード150が用いられるものに限られない。BGA(Ball Grid Array)パッケージ等も本実施の形態に適用可能である。
【0028】
図6は、パッケージ構成の他の例を概念的に示している。本例において、半導体チップ40は、“斜め”には搭載されず、通常通り、パッケージ底面110と平行に搭載される。その代わり、スロープ形状の補助絶縁膜46が、空間45内の下部絶縁膜42上に形成されている。そして、ヒータ20、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2は、その補助絶縁膜46上に形成されている。このような構成によっても、本実施の形態に係る斜め配置が実現される。
【0029】
図7は、パッケージ構成の更に他の例を概念的に示している。
図6で示された例と比較して、補助絶縁膜46が、スロープ形状ではなく階段形状を有している。そして、ヒータ20、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2が、それぞれ別の段上に形成されている。このような構成によっても、本実施の形態に係る斜め配置が実現される。
【0030】
2.第2の実施の形態
第1の実施の形態では、温度変化のパターンが、「−X方向の加速」の場合(
図3B)と「−Z方向の加速」の場合(
図4B)とで同じであった。第2の実施の形態では、それらを区別することができる技術を提案する。尚、第1の実施の形態と重複する説明は、適宜省略する。
【0031】
2−1.構成
図8は、第2の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す概念図である。
図8に示されるように、第2の実施の形態に係るガス式加速度センサ10は、第1ヒータ20−1、第2ヒータ20−2、第1温度センサ30−1、第2温度センサ30−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4を備えている。
【0032】
第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2は、第1ヒータ20−1の両側に配置されている。言い換えれば、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2は、第1ヒータ20−1を挟んで対向するように配置されている。典型的には、第1温度センサ30−1と第1ヒータ20−1との間隔は、第2温度センサ30−2と第1ヒータ20−1との間隔と等しい。また、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2との間をつなぐ方向は、以下、「S1方向」と参照される。このS1方向は、パッケージ底面110に対して“斜め”である。つまり、S1方向は、XZ面内において、X方向とZ方向の両方に交差する。
【0033】
第3温度センサ30−3と第4温度センサ30−4は、第2ヒータ20−2の両側に配置されている。言い換えれば、第3温度センサ30−3と第4温度センサ30−4は、第2ヒータ20−2を挟んで対向するように配置されている。典型的には、第3温度センサ30−3と第2ヒータ20−2との間隔は、第4温度センサ30−4と第2ヒータ20−2との間隔と等しい。また、第3温度センサ30−3と第4温度センサ30−4との間をつなぐ方向は、以下、「S2方向」と参照される。このS2方向は、パッケージ底面110に対して“斜め”である。つまり、S2方向は、XZ面内において、X方向とZ方向の両方に交差する。
【0034】
ここで、本実施の形態によれば、S1方向とS2方向は、“山”あるいは“谷”を形成するような関係にある。より正確に言えば、次の通りである。X方向において、第1温度センサ30−1、第2温度センサ30−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4は、この順番で配置されている。Z方向において、第1温度センサ30−1から第2温度センサ30−2へ向かう方向(
図8の例では−Z方向)は、第3温度センサ30−3から第4温度センサ30−4へ向かう方向(
図8の例では+Z方向)の逆である。これによる作用、効果を以下に説明する。
【0035】
2−2.作用、効果
図9は、半導体装置に加速がかかっていない状態(例:静止状態)での温度分布を示している。縦軸が温度を表し、横軸がS1方向あるいはS2方向における位置を表している。この状態では、S1方向に関して第1ヒータ20−1の位置を中心とした対称的な温度分布が形成され、S2方向に関して第2ヒータ20−2の位置を中心とした対称的な温度分布が形成される。
【0036】
図10Aは、半導体装置に「−X方向の加速」がかかった状態を概念的に示している。
図10Bは、
図10Aで示された状態での温度分布を示している。この場合、空間内のガスは、半導体装置の動きに追従できない。そのため、空間内においては、加速方向A(−X方向)とは逆方向(+X方向)にガスの流れ(相対的な動き)が発生する。その結果、S1方向の温度分布に関して、第2温度センサ30−2の位置では温度が上昇し、その一方で、第1温度センサ30−1の位置では温度が低下する。また、S2方向の温度分布に関して、第4温度センサ30−4の位置では温度が上昇し、その一方で、第3温度センサ30−3の位置では温度が低下する。第1温度センサ30−1、第2温度センサ30−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4を用いることにより、このような温度変化のパターンを検出することができる。逆に言えば、このような温度変化のパターンの検出から、「−X方向の加速」を検知することができる。
【0037】
半導体装置に「+X方向の加速」がかかった場合、検出される温度変化のパターンは、
図10Bで示されたものと逆になる。従って、「−X方向の加速」と「+X方向の加速」とを区別することができる。
【0038】
図11Aは、半導体装置に「−Z方向の加速」がかかった状態を概念的に示している。
図11Bは、
図11Aで示された状態での温度分布を示している。この場合、空間内のガスは、半導体装置の動きに追従できない。そのため、空間内においては、加速方向A(−Z方向)とは逆方向(+Z方向)にガスの流れ(相対的な動き)が発生する。その結果、S1方向の温度分布に関して、第1温度センサ30−1の位置では温度が上昇し、その一方で、第2温度センサ30−2の位置では温度が低下する。また、S2方向の温度分布に関して、第4温度センサ30−4の位置では温度が上昇し、その一方で、第3温度センサ30−3の位置では温度が低下する。第1温度センサ30−1、第2温度センサ30−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4を用いることにより、このような温度変化のパターンを検出することができる。逆に言えば、このような温度変化のパターンの検出から、「−Z方向の加速」を検知することができる。
【0039】
半導体装置に「+Z方向の加速」がかかった場合、検出される温度変化のパターンは、
図11Bで示されたものと逆になる。従って、「−Z方向の加速」と「+Z方向の加速」とを区別することができる。
【0040】
このように本実施の形態によれば、検出される温度変化のパターンが、「−X方向の加速」の場合(
図10B)と「−Z方向の加速」の場合(
図11B)とで異なる。従って、それらをも区別することができる。すなわち、第1の実施の形態と比較して、検出精度が更に向上する。
【0041】
2−3.パッケージ構成例
図12は、パッケージ構成の一例を概念的に示している。
図12において、半導体パッケージ100には2個の半導体チップ40(第1半導体チップ40−1、第2半導体チップ40−2)が搭載されている。
【0042】
第1半導体チップ40−1は、既出の
図5で示された半導体チップ40と同様の構造を有している。この第1半導体チップ40−1には、第1ヒータ20−1、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2が形成されている。また、第1半導体チップ40−1は、パッケージ底面110に対して“斜め”に搭載されている。これにより、第1温度センサ30−1と第2温度センサ30−2との間をつなぐS1方向も、パッケージ底面110に対して“斜め”になる。
【0043】
第2半導体チップ40−2は、既出の
図5で示された半導体チップ40と同様の構造を有している。この第2半導体チップ40−2には、第2ヒータ20−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4が形成されている。また、第2半導体チップ40−2は、パッケージ底面110に対して“斜め”に搭載されている。これにより、第3温度センサ30−3と第4温度センサ30−4との間をつなぐS2方向も、パッケージ底面110に対して“斜め”になる。
【0044】
リードが用いられるパッケージ種の場合、既出の
図5の場合と同様に、半導体パッケージ100の側面120からのリード150の突出方向が、パッケージ底面110に対して“斜め”になる。但し、パッケージ種は、リード150が用いられるものに限られない。BGAパッケージ等も本実施の形態に適用可能である。
【0045】
図13は、パッケージ構成の他の例を概念的に示している。本例では、半導体パッケージ100には1個の半導体チップ40が搭載されている。その半導体チップ40は、“斜め”には搭載されず、通常通り、パッケージ底面110と平行に搭載される。その代わり、スロープ形状の補助絶縁膜46が、空間45内の下部絶縁膜42上に形成されている。S1方向の傾きを有する補助絶縁膜46上には、第1ヒータ20−1、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2が形成されている。一方、S2方向の傾きを有する補助絶縁膜46上には、第2ヒータ20−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4が形成されている。このような構成によっても、本実施の形態に係る斜め配置が実現される。
【0046】
図14は、パッケージ構成の更に他の例を概念的に示している。
図13で示された例と比較して、補助絶縁膜46が、スロープ形状ではなく階段形状を有している。そして、第1ヒータ20−1、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2が、それぞれ別の段上に形成されている。また、第2ヒータ20−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4が、それぞれ別の段上に形成されている。このような構成によっても、本実施の形態に係る斜め配置が実現される。
【0047】
図15は、パッケージ構成の更に他の例を概念的に示している。既出の
図12で示された例と比較して、第1半導体チップ40−1と第2半導体チップ40−2とで上部絶縁膜44が共通化されている。より詳細には、S1方向の傾きを有する第1半導体チップ40−1の第1基板41−1上に、第1下部絶縁膜42−1が形成されている。また、S2方向の傾きを有する第2半導体チップ40−2の第2基板41−2上に、第2下部絶縁膜42−2が形成されている。そして、第1下部絶縁膜42−1、第2下部絶縁膜42−2及び共通の上部絶縁膜44で囲まれるように空間45が形成されている。第1ヒータ20−1、第1温度センサ30−1及び第2温度センサ30−2は、S1方向の傾きを有する第1下部絶縁膜42−1上に形成されている。一方、第2ヒータ20−2、第3温度センサ30−3及び第4温度センサ30−4は、S2方向の傾きを有する第2下部絶縁膜42−2上に形成されている。このような構成によっても、本実施の形態に係る斜め配置が実現される。
【0048】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。