特許第5912963号(P5912963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912963
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】杭打機
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/14 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
   E02D7/14
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-163690(P2012-163690)
(22)【出願日】2012年7月24日
(65)【公開番号】特開2014-25200(P2014-25200A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】冨田 庸公
【審査官】 石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−069927(JP,A)
【文献】 実公平01−024197(JP,Y2)
【文献】 特開2003−193467(JP,A)
【文献】 特開平11−036303(JP,A)
【文献】 特開2006−160432(JP,A)
【文献】 特開2008−081242(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2569852(JP,Y2)
【文献】 特開2009−228220(JP,A)
【文献】 米国特許第04606155(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00−13/10
E21B 15/00−15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシンの前部に前後方向に起伏可能に設けられたリーダと、該リーダを前記ベースマシンの後部側から支持するバックステーと、該バックステーの上端に取り付けられて前記リーダの後部側に設けられたリーダ長手方向のガイドレールに沿って移動可能なステーホルダと、該ステーホルダを前記リーダのあらかじめ設定された位置に固定するためのホルダロックとを備えた杭打機において、前記ホルダロックは、前記ステーホルダに設けられたケース部内に、前記リーダの後部側に設けられたロック孔に係合可能なロックピンと、前記ロック孔に対する係合位置と非係合位置とに前記ロックピンを移動させる油圧式のロックシリンダとを配置し、前記ケース部の後壁に、前記ロックピンに設けたインジケータがロックピンの非係合位置で後壁から外部に突出可能な通孔と、該通孔を開閉して前記インジケータの外部への突出を規制するシャッタと、前記通孔を閉じる方向に前記シャッタを付勢する付勢手段と、前記通孔を開く方向に前記シャッタを移動させる電動シリンダとを設けるとともに、前記シャッタが通孔を開く方向に電動シリンダを作動させるためのスイッチとして、スプリングリターン式のスイッチを設けたことを特徴とする杭打機。
【請求項2】
前記シャッタは、前記通孔を開く方向には前記電動シリンダの作動によって移動し、前記通孔を閉じる方向には前記付勢手段の付勢力によって移動することを特徴とする請求項1記載の杭打機。
【請求項3】
前記電動シリンダは、前記スイッチを操作したときに前記シャッタを前記通孔の開方向に移動させたストロークエンドで停止して待機状態とし、前記スイッチの操作を終了したときに、逆方向に作動してストロークエンドで停止して待機状態とする電気回路を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の杭打機。
【請求項4】
前記リーダは、前記ベースマシンの前部に設けられたリーダアームに直立状態からベースマシンの後方に向かって倒れる方向に回動可能に設けられ、前記ベースマシンの後部には、前記リーダをあらかじめ設定された倒れ角度から直立状態の範囲でリーダを後方から支持する前記バックステーと、前記倒れ角度から水平状態の範囲でリーダを下方から支持する後部サポートシリンダとを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の杭打機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機に関し、詳しくは、ベースマシンに起伏可能に設けたリーダを、リーダの長さ方向に移動可能なステーホルダを介してバックステーにて支持した大型の杭打機に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の杭打機では、ベースマシンの前部に起伏可能に設けられてバックステーにより後方から支持されるリーダを、水平方向に寝かせた状態で輸送するため、リーダとバックステーとの連結部に、リーダの長さ方向に移動可能なステーホルダを設けるとともに、ステーホルダをリーダの所定位置で固定するためのホルダーロックを設けている。このホルダーロックは、一般に、リーダの軸線に直交する方向に移動可能なロックピンと、該ロックピンが係合するロック孔と、前記ロックピンをロック孔に抜き差しするためのロックシリンダとによって形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、リーダを後方に倒してベースマシンの上に水平方向に寝かせて輸送状態にする杭打機では、ベースマシンの後部側に、倒した状態のリーダを下方から支持する後部サポートシリンダを設けており、寝かせた状態から適当な角度に立ち上がるまでは、ホルダーロックのロック状態を解除してステーホルダを移動可能とした状態で下方から後部サポートシリンダにより支持し、そこから直立状態まではホルダーロックをロック状態にしてステーホルダをリーダに固定してバックステーにより後部側からリーダを支持するようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2569852号公報
【特許文献2】特開2009−228220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステーホルダを固定したロック状態におけるロックピンは、ロックシリンダで係合孔に係合したロック位置に押圧されているだけでなく、ロック孔に係合する方向に付勢するスプリングによってもロック位置に保持されており、ロック状態では、ロックシリンダによるロック解除操作を行わない限り、ロック孔からロックピンが抜け出さないように考慮されている。さらに、ロックピンを作動させるロックシリンダの操作スイッチにも、油圧回路及び電気回路によるインターロック機構が組み込まれている。しかし、何らかの原因で予期せぬときにロックシリンダが誤作動し、ロック孔からロックピンが抜けてロック状態が解除されると、ステーホルダが移動してしまうためにバックステーでリーダを支持できなくなり、リーダが転倒するおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、従来のスプリングによる安全対策、インターロック機構による安全対策に加えて、ホルダロックがロック解除状態になることをより確実に防止することができる安全機構を備えた杭打機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、ベースマシンの前部に前後方向に起伏可能に設けられたリーダと、該リーダを前記ベースマシンの後部側から支持するバックステーと、該バックステーの上端に取り付けられて前記リーダの後部側に設けられたリーダ長手方向のガイドレールに沿って移動可能なステーホルダと、該ステーホルダを前記リーダのあらかじめ設定された位置に固定するためのホルダロックとを備えた杭打機において、前記ホルダロックは、前記ステーホルダに設けられたケース部内に、前記リーダの後部側に設けられたロック孔に係合可能なロックピンと、前記ロック孔に対する係合位置と非係合位置とに前記ロックピンを移動させる油圧式のロックシリンダとを配置し、前記ケース部の後壁に、前記ロックピンに設けたインジケータがロックピンの非係合位置で後壁から外部に突出可能な通孔と、該通孔を開閉して前記インジケータの外部への突出を規制するシャッタと、前記通孔を閉じる方向に前記シャッタを付勢する付勢手段と、前記通孔を開く方向に前記シャッタを移動させる電動シリンダとを設けるとともに、前記シャッタが通孔を開く方向に電動シリンダを作動させるためのスイッチとして、スプリングリターン式のスイッチを設けたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の杭打機における前記シャッタは、前記通孔を開く方向には前記電動シリンダの作動によって移動し、前記通孔を閉じる方向には前記付勢手段の付勢力によって移動することを特徴とし、前記電動シリンダは、前記スイッチを操作したときに前記シャッタを前記通孔の開方向に移動させたストロークエンドで停止して待機状態とし、前記スイッチの操作を終了したときに、逆方向に作動してストロークエンドで停止して待機状態とする電気回路を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、前記リーダが、前記ベースマシンの前部に設けられたリーダアームに直立状態からベースマシンの後方に向かって倒れる方向に回動可能に設けられ、前記ベースマシンの後部には、前記リーダをあらかじめ設定された倒れ角度から直立状態の範囲でリーダを後方から支持する前記バックステーと、前記倒れ角度から水平状態の範囲でリーダを下方から支持する後部サポートシリンダとを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の杭打機によれば、スプリングリターン式のスイッチを操作して電動シリンダをシャッタの開方向に作動させたときだけ通孔を開くことができるので、電動シリンダを作動させる操作とロックシリンダの操作とを同時に行うことによってホルダロックのロック状態を解除することができ、シャッタが通孔を閉じているときにロックシリンダが誤作動しても、シャッターによってインジケータが外部に突出することが防止され、ロックピンがロック孔から抜け出てロック解除状態になることはなく、簡単な構造でロック状態を確実に保持しておくことができる。これにより、ホルダロックのロック状態を確実に保持することができる。また、ロックピンが非係合位置にあるときには、インジケータが通孔から外部に突出するので、ホルダロックがロック解除状態であり、ステーホルダがリーダに固定されていないことを外部から確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一形態例を示す杭打機における作業状態の側面図である。
図2】同じくリーダを後方に倒していく第1段階の状態を示す側面図である。
図3】同じくリーダを後方に倒していく第2段階の状態を示す側面図である。
図4】同じくリーダを後方に水平方向に倒した状態を示す側面図である。
図5】ステーホルダを固定した状態のホルダロックの一例を示す断面側面図である。
図6図5のVI−VI断面図である。
図7図5のVII−VII矢視図である。
図8図6のVIII−VIII断面図である。
図9】ステーホルダを解放した状態のホルダロックの一例を示す断面側面図である。
図10図9のX−X断面図である。
図11図9のXI−XI矢視図である。
図12図10のXII−XII断面図である。
図13】電動シリンダを作動させる電気回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、図1に示すように、本形態例に示す杭打機11は、クローラを備えた下部走行体12と、該下部走行体12上に旋回可能に設けられた上部旋回体13とで構成されたベースマシン14と、上部旋回体13の前部に前後方向に揺動可能に設けられた前後調整用のリーダアーム15と、該リーダアーム15の先端に前後方向に起伏可能に設けられたリーダ16と、作業状態に立ち上げたリーダ16をベースマシン14の後部側から支持する左右一対のバックステー17と、後方に倒したリーダ16をベースマシン14の後部側で下方から支持する後部サポートシリンダ18とを備えている。リーダ16は、前記リーダアーム15の先端に、下部が前後方向に回動可能に取り付けられる基本リーダ16aと、該基本リーダ16aの上部に着脱可能に連結される上部リーダ16bとで形成されており、基本リーダ16aの上部後面側には、前記バックステー17の上端に設けられたステーホルダ19をリーダ長手方向に移動可能にガイドするための一対のガイドレール16cが設けられている。また、ステーホルダ19には、該ステーホルダ19をリーダ16の所定位置に固定するためのホルダロック20(図5乃至図9参照)が設けられている。
【0013】
図1に示す作業状態では、前記リーダアーム15及び前記リーダ16が起立状態となっており、前記ホルダロック20は、図5乃至図8に示すロック状態で、ステーホルダ19をリーダ16のあらかじめ設定された位置に固定した状態となっている。この作業状態で、リーダ16に昇降可能に設けられたオーガドライブなどの作業装置を昇降させて所定の杭打作業などを行う。
【0014】
作業終了後に、杭打機11を輸送に適した状態に分解するため、ベースマシン14から上部リーダ16bを取り外す際には、図2から図4に示すようにしてリーダ16をベースマシン14の後方に倒し、水平方向に寝かせた状態にする。まず、図1に示す作業状態のリーダ16を図2に示す第1段階まで倒す操作は、ステーホルダ19を介してバックステー17がリーダ16の所定位置に連結されている状態のまま、バックステー17のステーシリンダ17aを縮め、リーダアーム15の先端部を回動中心としてリーダ16を後方に向けて倒し、リーダ16の中間部が後部サポートシリンダ18によって下方から支持された第1段階の状態にする。この第1段階に至るまでのリーダ16は、リーダアーム15とバックステー17とによって支持されている。
【0015】
次に、ホルダロック20のロックを解除してステーホルダ19をリーダ16に沿って移動可能な状態とした後、リーダアーム15を前方に向けて回動し、リーダ16を全体的にベースマシン14の前方に移動させて図3に示す第2段階の状態にする。このリーダ16の前方への移動に伴い、ステーホルダ19は、ガイドレール16cに沿ってリーダ16の上部側に向かって移動する。この状態では、リーダ16は、ステーホルダ19が移動可能な状態となっているため、バックステー17によるリーダ16の支持は外れており、リーダアーム15と後部サポートシリンダ18とによって支持されている。
【0016】
最後に、後部サポートシリンダ18を縮めることにより、図4に示すように、リーダ16をベースマシン14の上方に水平方向に寝かせた状態にする。このようにしてリーダ16を水平状態とした後、上部リーダ16bを取り外して輸送状態とする。
【0017】
図5乃至図12に示すように、ステーホルダ19をリーダ16のあらかじめ設定された位置に固定した状態とするためのホルダロック20は、前記一対のガイドレール16cにそれぞれ移動可能に係合する一対のスライダ21aを備えた基板21と、該基板21の後部側を覆うように設けられた後壁22とを有するケース部23の内部に、前記リーダ16の後部側で、一対のガイドレール16cの間のあらかじめ設定された位置に設けられたロック孔24に係合可能なロックピン25と、基板21に設けられたガイド筒21bにガイドされるロックピン25を、リンク26aを介してロック孔24に対する係合位置と非係合位置とに軸線方向に移動させるための移動手段である油圧式のロックシリンダ26と、前記ロックピン25を前記ロック孔24に係合する方向に付勢する付勢手段である第1コイルスプリング27と、前記ロックピン25が前記ロック孔24に係合していることを検出するための検出手段であるリミットスイッチ28とを収納している。
【0018】
さらに、前記後壁22には、前記ロックピン25の外端に設けたインジケータ29が外部に向かって通過可能な通孔22aと、該通孔22aを開閉するシャッタ30と、前記通孔22aを閉じる方向にシャッタ30を付勢する付勢手段である第2コイルスプリング31と、前記通孔22aを開く方向に前記シャッタ30を移動させるための一対の電動シリンダ32とを設けている。前記インジケータ29は、ロックピン25の外端に、ロックピン25より小径の棒材やパイプ材を一直線状に取り付けたものであって、インジケータ29の長さは、ロックピン25の係合位置でシャッタ30の内面より内側に収まり、非係合位置で通孔22aから突出する長さに設定されている。また、ケース部23の上部には、後部シーブブラケット33が設けられ、ケース部23の両側部分には、バックステー17の上端を連結するためのステーブラケット34がそれぞれ設けられている。
【0019】
前記シャッタ30は、前記通孔22aを閉じる部分を上方にして略十字状に形成されており、中央上部の幅広部30aが後壁22の外面に設けられたガイド部材35に上下動可能にガイドされており、該幅広部30aの先端がガイド部材35の上部内面に当接することでシャッタ30の上方への移動が規制されている。また、シャッタ30の両側部にそれぞれ突出した側部突出片30bには、突出端から上方に屈曲した屈曲片30cがそれぞれ設けられており、シャッタ30の下部中央には、下方に突出したガイド片30dが設けられている。前記側部突出片30bの内面には、後壁22に設けた上下方向の一対の第1長孔22bに挿通されてケース部23の内部に突出するスプリング係止片36aがそれぞれ設けられており、このスプリング係止片36aに前記第2コイルスプリング31の伸縮端が取り付けられている。また、前記屈曲片30cの上端部には、後壁22に設けた上下方向の一対の第2長孔22cに挿通されてケース部23の内部に突出するリング状のシリンダ係止片36bがそれぞれ設けられており、このシリンダ係止片36bに前記電動シリンダ32のシリンダロッド32aが移動可能に貫通している。さらに、前記ガイド片30dの下端には、手動開閉用の部材を係合するための係合孔30eが設けられており、後壁22の外面には、ガイド片30dを上下動可能にガイドするとともに、シャッタ30の下方向への移動を規制するガイド部37が設けられている。
【0020】
前記電動シリンダ32のシリンダロッド32aの先端には、前記シリンダ係止片36bに係止する係止部材32bが設けられており、シリンダロッド32aの基部と係止部材32bとの間の寸法は、シャッタ30が前記通孔22aを開閉する際の移動距離に対して十分に大きな寸法に設定されている。電動シリンダ32とシャッタ30との関係は、伸長側のストロークエンドに位置した状態のシリンダロッド32aが短縮する際に係止部材32bがシリンダ係止片36bに当接し、シリンダロッド32aの短縮方向の作動により、シリンダ係止片36bを介してシャッタ30を通孔22aを開く方向に移動させ、一方、短縮側のストロークエンドに位置した状態のシリンダロッド32aが伸長する際には、シリンダロッド32aがシリンダ係止片36bを貫通して伸長するだけでシリンダ係止片36bは移動せず、シャッタ30は、電動シリンダ32の伸長方向の作動では通孔22aを閉じる方向には移動せず、前記第2コイルスプリング31の短縮方向の付勢力によって通孔22aを閉じる方向に移動するように形成されている。
【0021】
このように形成されたホルダロック20は、リーダ16が直立した作業状態から前記第1段階の倒れ角度に至るまでの範囲では、図5乃至図8に示すように、ロックシリンダ26が短縮してロックピン25がロック孔24に係合したロック状態となっている。このロック状態では、第1コイルスプリング27の付勢力が、リンク26aを介してロックピン25をロック孔24に係合した状態を保持するように作用している。さらに、第2コイルスプリング31の付勢力によってシャッタ30が通孔22aを閉じる位置に保持され、シャッタ30によってインジケータ29が通孔22aを通って外部に突出することを防止している。
【0022】
これにより、ロックピン25は、ロックシリンダ26及び第1コイルスプリング27によってロック孔24との係合状態に保持されるとともに、シャッタ30によってロック孔24から抜け出る方向への移動が規制されている。したがって、何らかの原因で、ロックシリンダ26の短縮方向への油圧が失効したとしても第1コイルスプリング27によりロック状態が保持され、さらに、ロックシリンダ26に伸長方向への油圧が第1コイルスプリング27の付勢力より強く作用しても、ロックピン25の抜け方向への移動をシャッタ30が阻止するので、作業状態と第1段階との間の範囲でホルダロック20のロック状態が予期せぬときに解除されることはなく、ステーホルダ19を介してバックステー17がリーダ16を支持した状態を確実に保つことができる。
【0023】
また、リミットスイッチ28の作動によって運転室内に設けたランプの点灯などにより、運転室内でホルダロック20がロック状態であることを確認でき、インジケータ29が外部に突出していないことにより、外部でもホルダロック20がロック状態であることを確認できる。
【0024】
前記図2に示す第1段階から図3に示す第2段階に移行する際には、運転室内において、前記電動シリンダ32を短縮方向に作動させるスイッチを操作して前記電動シリンダ32を短縮方向に作動させ、第2コイルスプリング31の付勢力に抗してシャッタ30が通孔22aを開く位置までシャッタ30を移動させながら、前記ロックシリンダ26を伸長方向に作動させるスイッチを操作してロックシリンダ26を伸長方向に作動させ、リンク26aを介してロックピン25をロック孔24から引き抜き、ロックピン25とロック孔24との係合状態を解除する。このとき、通孔22aが開いているので、ロックピン25の抜け方向への移動に伴ってインジケータ29が通孔22aを通って外部に突出し、図9乃至図12に示すロック解除状態となる。このホルダロック20のロック解除状態は、リミットスイッチ28の作動によってランプなどで運転室内で確認できるとともに、後壁外部へのインジケータ29の突出によって外部からも確認でき、後壁22の色調に対して目立つ色調に着色したインジケータ29を使用することにより、インジケータ29の出没状態を容易に確認することができる。
【0025】
このようにしてホルダロック20によるステーホルダ19のロック状態を解除することにより、ステーホルダ19がガイドレール16cに沿って移動可能な状態になるので、リーダアーム15を前方に向けて回動したときに、ベースマシン14に対するステーホルダ19の位置は変化せずに、リーダ16が前方に移動して図3に示す第2段階になる。このとき、電動シリンダ32を短縮方向に作動させるスイッチが解除されると、電動シリンダ32のシリンダロッド32aが伸長して係止部材32bがシリンダ係止片36bから離れていくが、シリンダ係止片36bを含むシャッタ30は、シリンダロッド32aの伸長によって移動することはない。このとき、シャッタ30は、第2コイルスプリング31の付勢力で通孔22aを閉じる方向に移動し、通孔22aから突出しているインジケータ29の側面にシャッタ30の上縁が当接した位置で停止する。そして、後部サポートシリンダ18を縮めることにより、図4に示すように、ベースマシン14の上方にリーダ16が水平方向に寝た状態になり、この状態で上部リーダ16bを取り外すことにより、輸送状態にすることができる。
【0026】
逆に、輸送状態から作業状態にするときは、上部リーダ16bを基本リーダ16aに取り付けて連結した後(図4の状態)、後部サポートシリンダ18を伸ばし(図3の状態)、リーダアーム15を後方に向けて回動する(図2の状態)。そして、ロックピン25とロック孔24との位置を合わせてロックシリンダ26を短縮方向に作動させ、リンク26aを介してロックピン25をロック孔24に挿入する。このとき、ロックピン25がロック孔24に向かって移動することにより、インジケータ29が通孔22aからケース部23の内部に引き込まれるとともに、シャッタ30が移動可能となり、第2コイルスプリング31の付勢力でシャッタ30が通孔22aを閉塞する位置に移動する。
【0027】
すなわち、シャッタ30は、ロックピン25がロック孔24に係合したときに、自動的にロックピン25の抜け方向への移動を規制してロック状態が解除されることを防止する位置に移動する。また、ロックピン25がロック孔24に係合してステーホルダ19のロック状態になったことは、インジケータ29がケース部23内に入って外部から見えなくなることで、外部から容易に確認することができる。
【0028】
図13は、前記電動シリンダ32を伸縮作動させるためのスイッチを含む電気回路の一例を示している。スイッチ40は、スプリングリターン式の自動復帰型スイッチ、例えば押しボタンスイッチであって、押しボタンを押した操作時に電動シリンダ32を短縮方向に作動させ、押しボタンが押されていない待機時(図13に示す位置(ノーマル時))には、電動シリンダ32を伸長方向に作動させるように構成されている。また、電動シリンダ32として、過負荷停止機構あるいは両ストロークエンドを検出するリミットスイッチを備えた電動シリンダを用いることにより、シリンダロッド32aがストロークエンドに到達すると、伸縮作動が自動的に停止するとともに、駆動源であるモータへの通電も遮断され、シリンダロッド32aをストロークエンドに位置した状態に保持することができる。
【0029】
これにより、前記図2に示す第1段階から図3に示す第2段階に移行する際に、スイッチ40の押しボタンを押したままで、ロックシリンダ26を伸長方向に操作してロック解除を行うことができ、ロック解除後にスイッチ40の押しボタンから手を離すと、シリンダロッド32aが伸長してシャッタ30が通孔22aを閉じる方向に移動可能な状態になる。したがって、ホルダロック20のロック解除を行うときのみスイッチ40を操作すればよく、ホルダロック20をロック状態にするとシャッタ30が自動的に通孔22aを閉じる位置に移動するので、操作性及び安全性を高めることができる。
【0030】
このように、本形態例に示す杭打機は、ホルダロック20のロック解除を、ロックシリンダ26とは別の電動シリンダ30を作動させる操作と、ロックシリンダ26の操作とを同時に行わなければならないため、リーダ16が直立した作業状態から前記第1段階の倒れ角度に至るまでの範囲でロックシリンダ26が誤作動してもホルダロック20がロック解除状態になることはなく、ステーホルダ19をリーダ16の所定位置に保持し、バックステー17によってリーダ16を確実に支持した状態に保つことができる。
【0031】
また、シャッタ30は、シリンダロッド32aが伸長した状態でも通孔22aを開く方向に移動可能となっているので、シャッタ30のガイド片30dに設けた係合孔30eにワイヤロープなどを連結することにより、ワイヤロープを引っ張ることによってシャッタ30を移動させ、通孔22aを開くことができる。
【符号の説明】
【0032】
11…杭打機、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…ベースマシン、15…リーダアーム、16…リーダ、16a…基本リーダ、16b…上部リーダ、16c…ガイドレール、17…バックステー、17a…ステーシリンダ、18…後部サポートシリンダ、19…ステーホルダ、20…ホルダロック、21…基板、21a…スライダ、21b…ガイド筒、22…後壁、22a…通孔、22b…第1長孔、22c…第2長孔、23…ケース部、24…ロック孔、25…ロックピン、26…ロックシリンダ、26a…リンク、27…第1コイルスプリング、28…リミットスイッチ、29…インジケータ、30…シャッタ、30a…幅広部、30b…側部突出片、30c…屈曲片、30d…ガイド片、30e…係合孔、31…第2コイルスプリング、32…電動シリンダ、32a…シリンダロッド、32b…係止部材、33…後部シーブブラケット、34…ステーブラケット、35…ガイド部材、36a…スプリング係止片、36b…シリンダ係止片、37…ガイド部、40…スイッチ
図1
図2
図3
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図6
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図13