特許第5912979号(P5912979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5912979
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】物品集積システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/40 20060101AFI20160414BHJP
   B65G 57/09 20060101ALI20160414BHJP
   B65G 17/34 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   B65B35/40
   B65G57/09
   B65G17/34
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-173352(P2012-173352)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-31204(P2014-31204A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086852
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 守
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】浦 正樹
【審査官】 山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−026610(JP,A)
【文献】 特開2005−096954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/40
B65G 17/34
B65G 57/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する第1搬送手段と、平坦部、円弧部およびこの円弧部の下方に収容部を有し、かつ、その搬送面に物品を支持する受け部材と支え部材が設けられた第2搬送手段と、前記第1搬送手段によって搬送された物品を前記収容部で前記受け部材と支え部材との間に受け渡す受け渡し手段とを備えた物品集積システムにおいて、
前記第2搬送手段は、前記収容部で前記受け部材と支え部材との間に予め設定された複数の物品を収容すると、これら物品を平坦部まで搬送して起立させるものであって、
前記第2搬送手段の搬送面には、前記受け部材と支え部材とがその間隔を異ならせて複数組設けられ、かつ収容する物品に応じて使用する受け部材と支え部材とを選択可能であることを特徴とする物品集積システム。
【請求項2】
前記第2搬送手段が複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品集積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を集積する物品集積システムに係り、特に、複数の物品を積み重ねて集積し、一度にその姿勢を変更する物品集積システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の物品集積システムは従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された「集積供給装置」は、無端状搬送体に一定の間隔でバケットを取り付けたバケットコンベヤを有しており、ベルトコンベヤに一定の間隔をおいて載置した物品を搬送し、前記バケットコンベヤへの受け渡し位置で、円弧状の搬送経路でほぼ水平状態になった各バケット上に物品を受け渡し、その後、バケットコンベヤの走行により水平な搬送経路で各バケットを直立した状態にすることにより、複数の物品を起立した姿勢に集積する。その後、押し出し手段によって複数の物品を同時に押し出し、案内手段によって案内してケース内に物品を収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−6919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような物品集積システムでは、物品のサイズや形状が変更になった場合には、多数のアタッチメント(バケット)すべての位置を変更する必要があり、多大の時間と労力がかかるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、物品を搬送する第1搬送手段と、平坦部、円弧部およびこの円弧部の下方に収容部を有し、かつ、その搬送面に物品を支持する受け部材と支え部材が設けられた第2搬送手段と、前記第1搬送手段によって搬送された物品を前記収容部で前記受け部材と支え部材との間に受け渡す受け渡し手段とを備えた物品集積システムにおいて、前記第2搬送手段は、前記収容部で前記受け部材と支え部材との間に予め設定された複数の物品を収容すると、これら物品を平坦部まで搬送して起立させるものであって、前記第2搬送手段の搬送面には、前記受け部材と支え部材とがその間隔を異ならせて複数組設けられ、かつ収容する物品に応じて使用する受け部材と支え部材とを選択可能であることを特徴とするものである。
【0006】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記第2搬送手段が複数設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
第2搬送手段の搬送面には、物品支持部を構成する前記受け部材と支え部材が、その間隔を異ならせて複数組設けられているので、物品のサイズや形状が変わった場合には、使用する受け部材と支え部材からなる物品支持部を他の物品支持部に変更するだけでよく、型替えが極めて簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は物品集積システムの全体の配置を示す平面図である。(実施例1)
図2図2は物品集積システムの動作を説明する図である。
図3図3は型替えを行う際の第2搬送コンベヤの動きを説明する図である。
図4図4図2と異なる物品に対する物品集積システムの動作を説明する図である。
図5】第2搬送ゴンベヤの概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
物品を一列で搬送する第1搬送コンベヤと、この第1搬送コンベヤの下流端の側部に、第1搬送コンベヤと直交する方向を向けて配置され、平坦部(水平搬送部)、円弧部(プーリ等の回転体の周囲を回転する円弧状搬送部)およびこの円弧部の下方に設置され、第1搬送コンベヤから押し出されてきた物品を収容する収容部を有し、その搬送面には受け部材と支え部材とからなる物品支持部が設けられた第2搬送コンベヤと、前記第1搬送コンベヤによって搬送され、ストッパによって停止されている物品を押し出して第2搬送コンベヤに受け渡す受け渡し手段とを備えている。前記第2搬送コンベヤには、物品支持部が、受け部材と支え部材の間隔を異ならせて複数箇所設けられており、集積する物品の形状やサイズ等に応じてそのいずれかの物品支持部を選択して使用する。さらに、この物品集積システムでは、第2搬送コンベヤが2列平行して配置されており、第1搬送コンベヤから一方の第2搬送コンベヤに物品を受け渡して、この第2搬送コンベヤで物品の起立および取り出しを行っている間に、他方の第2搬送コンベヤに物品の受け渡しを行うことができるので、能力を向上させることができる。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この物品集積システムは、物品2を水平に寝かした状態にして一列で搬送する第1搬送手段(第1搬送コンベヤ4)と、この第1搬送コンベヤ4の搬送方向(矢印F参照)と直交する方向に配置され、第1搬送コンベヤ4から受け渡された複数の物品2を起立した状態で集積する第2搬送手段(第2搬送コンベヤ6、8)と、前記第1搬送コンベヤ4によって搬送されてきた物品2を第2搬送コンベヤ6、8に受け渡す受け渡し手段(プッシャ10、12)と、第2搬送コンベヤ6、8上に集積された複数の物品2を取り出して、集積テーブル14上に移載するロボット等の移載手段(図示せず)を備えている。なお、この実施例では、物品集積装置の処理能力を向上させるために、2列の第2搬送コンベヤ6、8を有し、2台のプッシャ10、12で第1搬送コンベヤ4上の物品を受け渡すようになっているが、必ずしも第2搬送コンベヤは2列に限るものではなく単列であったり、3列以上であったりしても良い。
【0011】
第1搬送コンベヤ4は、ローラコンベヤあるいはベルトコンベヤ等の搬送コンベヤであり、搬送される物品2の幅よりもやや広い間隔に配置された両側一対のサイドガイド16(16a、16b)によって、物品2の両側をガイドしつつ搬送する。両サイドガイド16の一方16b(図1の下方)は、複数箇所のスライド手段18に連結されてスライドできるようになっており、物品2のサイズに応じてスライドさせることにより他方側のガイド16aとの間隔を調整可能である。この第1搬送コンベヤ4上の、第2搬送コンベヤ6、8への受け渡し位置には、2列の第2搬送コンベヤ6、8にそれぞれ対応して2箇所のストッパ(第1ストッパ20、第2ストッパ22)が設けられており、これらストッパ20、22により第1搬送コンベヤ4によって搬送されてきた物品2を停止させる。これらストッパ20、22は、例えば、シリンダ等によって昇降してローラコンベヤのローラ間から搬送面上に出没できるようになっている。また、第1搬送コンベヤ4上には、物品2の有無、通過を検出するセンサ24、26が設けられている。
【0012】
第2搬送コンベヤ6、8の構成について図1図2および図5により説明する。2列の第2搬送コンベヤ6、8は同一の構成なので、各構成部分については同一の符号を付して説明する。第2搬送コンベヤ6、8は、上流側(第1搬送コンベヤ4側)の上部に配置された上方プーリ28と、そのほぼ真下に配置された下方プーリ29(図5参照)および前記上流側の上方プーリ28とほぼ同じ高さで下流側に配置された下流側プーリ30の3箇所のプーリ28、29、30に掛け回された無端状のベルト32を備えている。この無端状ベルト32は、上流側の上方プーリ28と下流側プーリ30との間のほぼ水平な搬送部(平坦部A)と、上方プーリ28の周囲を移動する円弧状の搬送部(円弧部B)と、上流側の上方プーリ28と下方プーリ29の間のほぼ垂直な搬送部とを有しており、この垂直搬送部に、前記第1搬送コンベヤ4から受け渡された物品2を収容する収容部Cが設けられている。
【0013】
前記無端状ベルト32には、所定の間隔で取り付けられた受け部材34と支え部材36からなる物品支持部38が設けられている。物品支持部38の受け部材34が上流側に、そして、支え部材36が下流側に位置しており、これら受け部材34と支え部材36の間に、所定個数の物品2を支持する。この実施例では、図5に示すように、受け部材34と支え部材36の間隔が異なる複数の物品支持部38が設けられている。第2搬送コンベヤ6、8では、この物品集積システムで集積される物品2の形状やサイズ、個数等に応じて、適宜の間隔を有する受け部材34と支え部材36からなる物品支持部38を選択して使用する。この物品集積システムでは、図2に示すように、上流側の上方プーリ28の前後(上流側と下流側)を使用して物品2の受け渡しおよび集積を行うようになっており、選択した物品支持部38の受け部材34を、収容部Cに位置させて第1搬送コンベヤ4から供給された複数の物品2を受け取り、その後、無端状ベルト32を前進させて支え部材36と受け部材34を平坦部Aに移動させることにより、前記物品2を起立させた状態で集積する。
【0014】
この実施例に係る物品集積システムでは、2列の第2搬送コンベヤ6、8を備えており、各第2搬送コンベヤ6、8の下流側の駆動プーリ30が、それぞれ別のサーボモータ40、42によって駆動されるようになっており、各サーボモータ40、42の駆動によって各無端状ベルト32がそれぞれ進退動する。無端状ベルト32を後退(上流側へ走行)させ、あるいは前進させることにより、受け部材34を前記収容部Cに位置させた状態にして、第1搬送コンベヤ4によって搬送されてきた物品2をこの受け部材34上に受け渡す。なお、この実施例では、第2搬送コンベヤ6、8を、プーリ28、29、30に掛け回した無端状ベルト32を有するベルトコンベヤで構成したが、ベルトコンベヤに限らず、スプロケットに掛け回した一対の無端状チェーンに受け部材と支え部材を設けるようにしても良い。
【0015】
第1搬送コンベヤ4の、第2搬送コンベヤ6、8と逆側(図1の下方)の側方から、第2搬送コンベヤ6、8方向へ向かって前進して、第1搬送コンベヤ4上に停止した物品2を押し出して第2搬送コンベヤ6、8に受け渡す受け渡し手段(第1プッシャ10、第2プッシャ12)が設けられている。このプッシャ10、12は、シリンダ等の駆動手段によって進退動するようになっており、このプッシャ10、12によって第1搬送コンベヤ4上にストッパ20、22で停止している物品2を押し出して、第2搬送コンベヤ6、8に設けられている前記受け部材34上に載置させる。第1搬送コンベヤ4と第2搬送コンベヤ6、8との間には、デッドプレート44が配置されており、物品2はこのデッドプレート44上を滑って押し出される。
【0016】
プッシャ10、12の前面は円弧状のガイド面10a(図2では第1プッシャ10だけを示す)になっており、受け部材34上に所定個数の物品2が受け渡された後、これら物品2を無端状ベルト32の走行によって前進(上昇)させて平坦部Aに移動させる際に、これら物品2の回転方向の外側をガイドする。このプッシャ10、12は、第1搬送コンベヤ4の搬送面のやや上方を水平移動して物品2を押し出すようにしているが、次の物品2を押し出すために後退する際には、第1搬送コンベヤ4上の物品2に干渉しないように一旦上昇してから後退するようになっている。
【0017】
デッドプレート44の下面側に、このデッドプレート44の下方に隠れる後退位置(図3参照)と、第2搬送コンベヤ6、8の受け部材34の上方へ突出する前進位置(図2参照)との間で進退動するスライド部材(第1シャッター46、第2シャッター48)が設けられている。なお、図2では、第1シャッター46だけを示している。このシャッター46、48は、プッシャ10、12によって押し出された物品2が受け部材34に乗り移る際に、受け部材34上または受け部材34に載っている物品2上に直接落下しないように、このシャッター46、48を前進させてその上に物品2を一旦載せてから、シャッター46、48を後退させて第2搬送コンベヤ6、8に引き渡すようにしている。
【0018】
第2搬送コンベヤ6、8の側方(図1の右方)に、物品2を集積させる集積テーブル14が配置されている。この集積テーブル14上には2本の平行なガイド52、54が配置されており、これら2本のガイド52、54間に所定個数の物品2を挿入することにより集積された複数(この実施例では5個)の物品2を所定の幅に保持することができる。集積テーブル14の第2搬送コンベヤ6、8寄りに、2本のガイド52、54と直交する方向を向けて押し出しバー56が配置されている。この押し出しバー56はその端部に取り付けたスライダ58が、集積テーブル14の側部に前記ガイド52、54と平行に配置されたレール60に係合しており、押し出しバー56は、モータ等の駆動によりレール60に案内され2本のガイド52、54に沿って進退動する。
【0019】
第2搬送コンベヤ6、8から集積テーブル14へ物品2を移載するロボット等の移載手段(図示せず)が設けられており、第2搬送コンベヤ6、8上の平坦部Aに物品2が移動して起立した状態になったときに、ロボット等により複数の物品2を一度に把持して集積テーブル14上に移動して、2本のガイド52、54間の第2搬送コンベヤ6、8に近い位置(図1の左寄り)に挿入する。集積テーブル14上に物品2が移載されると、前記押し出しバー56が作動して複数個の集積された物品2を下流側(図1の右側)へ移動させる。物品2が集積テーブル14上に移載されるごとに押し出しバー56が作動して、物品2を順次下流側へ押し出していく。その後、集積された物品2は、下流側の包装機、箱詰め機等(図示せず)に送られる。前記2本のガイド52、54の一方52は、スライド部材62に連結されており、集積された物品2の幅に応じてスライドさせることにより、ガイド52、54の間隔を変更できるようになっている。
【0020】
前記構成の物品集積システムの作動について説明する。第1搬送コンベヤ4によって、物品2が両側のサイドガイド16a、16bに案内されて1列で連続的に搬送される。第1搬送コンベヤ4によって搬送されてきた物品2は、第2搬送コンベヤ6、8への受け渡し位置に設けられているストッパ20、22によって停止される。この実施例では、第2搬送コンベヤ6、8が2列設けられており、交互に複数(例えば5個)の物品2を連続して受け渡すようになっている。先ず、第1列の第2搬送コンベヤ6へ物品2を供給する場合には、第1ストッパ20を第1搬送コンベヤ4上に突出させるとともに、第2ストッパ22を第1搬送コンベヤ4上から退避させる。第2列の第2搬送コンベヤ8に物品2を受け渡す場合には、第2ストッパ22を第1搬送コンベヤ4上に突出させる。
【0021】
また、第1列および第2列の第2搬送コンベヤ6、8では、先ず、集積する物品2のサイズ、形状および数量等に応じて、受け部材34と支え部材36からなる複数の物品支持部38のうち最適な物品支持部38を選択する。そして、サーボモータ40、42により無端状ベルト32を前進または後退させ、選択した物品支持部38の受け部材34を収容部Cの、第1搬送コンベヤ4の搬送面およびデッドプレート44の表面の高さよりもやや低い高さに位置させる。この状態で、先ず第1プッシャ10を前進(第1搬送コンベヤ4の搬送方向と直交する方向に移動)させて、第1ストッパ20によって停止している先頭の物品2を第2搬送コンベヤ6の収容部Cに位置している受け部材34上に押し出す。このとき、物品2がデッドプレート44を通過して受け部材34上に移動するよりも先に第1シャッター46を前進させておき、物品2を第1シャッター46上で無端状ベルト32に接する位置まで移動させる。
【0022】
第1シャッター46の上に物品2が載り、受け部材34がこの第1シャッター46のやや下方に位置した状態で、第1シャッター46を後退させることにより物品2を受け部材34上に落下させる。受け部材34は第1シャッター46の直ぐ下に位置しているので、物品2が落下する際に姿勢が変わったり位置がずれてしまう等の不安定な状態になるおそれはない。
【0023】
第1シャッター46が後退した後、第1プッシャ10を後退させるとともに、無端状ベルト32を後退させて物品2を載せている受け部材34を、物品2の高さよりもやや大きい高さだけ下降させる。次に、第1シャッター46を再び前進させ、続いて受け部材34およびその上に載っている物品2を上昇させる。物品2の上面が第1シャッター46の下面に接する高さ、あるいは第1シャッター46の下面より僅かに低い高さまで上昇させる。この状態で、次に第1搬送コンベヤ4によって搬送されて第1ストッパ20によって停止している物品2を、第1プッシャ10によって押圧して、第1シャッター46上で無端状ベルト32に接する位置まで押し出す。
【0024】
前記のように受け部材34上に載った1個目の物品2が第1シャッター46の下面に接するか、または接近した高さに位置し、第1シャッター46の上面には2個目の物品2が載った状態から、第1シャッター46を後退させて2個目の物品2を1個目の物品2上に落下させる。この場合も、2個目の物品2の直ぐ下に1個目の物品2が位置しているので、2個目の物品2を安定した姿勢で落下させることができる。その後、受け部材34を下降させ、上に乗っている2個目の物品2の上面が、前記第1搬送コンベヤ4およびデッドプレート44の搬送面よりもほぼ物品1個分の高さだけ低い位置まで下降させる。前記のように2個目の物品2を供給したときと同様に、第1シャッター46を前進させ、続いて、受け部材34とともに物品2を上昇させた後、第1シャッター46上に3個目の物品2を供給する。その後、第1シャッター46を後退させて3個目の物品2を受け部材34上の2個目の物品2の上に載せる。
【0025】
さらに、4個目の物品2を、同様の動作で受け部材34上に乗っている3個目の物品2の上に載せ、また、最後の5個目の物品2をその上に積み重ねる。この場合も、受け部材34上の物品2を一旦下げてから第1シャッター46を前進させ、物品2を上昇させた後(図2に示す状態)、第1搬送コンベヤ4の第1ストッパ20によって停止している物品2を第1シャッター46上に押し出す(図2は、第1搬送コンベヤ4上からデッドプレート44上へ物品2を押し出し始めた状態を示す)。このまま第1プッシャ10によって5個目の物品2を第1シャッター46上に押し出し、その後、第1シャッター46を後退させて5個目の物品2を積み重ねる。
【0026】
受け部材34上に5個の物品2が積み重ねられた状態にした後、第1プッシャ10を少し後退させて、第1プッシャ10と物品2との接触を外す。続いてサーボモータ40により無端状ベルト32を前進させ、第2搬送コンベヤ6の垂直搬送部に設けられた収容部Cに水平に寝かした状態で積み重ねられていた5個の物品2を上昇させる。これら5個の物品2は、受け部材34によって持ち上げられ、無端状ベルト32と逆側の面を第1プッシャ10のガイド面10aに案内されて第2搬送コンベヤ6の円弧部Bを通過し、平坦部Aに達する。収容部Cでは受け部材34上に上下に積み重ねられていた5個の物品2は、平坦部Aに移動すると、前後を支え部材36と受け部材34に挟まれて起立した状態に集積される。このように第1プッシャ10にガイド面10aを設けているので、収容部Cに受け渡した物品2を平坦部Aで起立状態に姿勢を変える際に、安定した物品2の移動を行うことができる。
【0027】
第2搬送コンベヤ6の平坦部Aに、支え部材36と受け部材34からなる物品支持部38によって搬送方向の前後を支持された5個の物品2は、図示しないロボット等の移載手段によって把持され、支え部材36と受け部材34の間から取り出されて、集積テーブル14上に移載される。集積テーブル14の2本のガイド52、54間に移載された物品2は、押し出しバー56の作動により図1の右側に押し出される。
【0028】
第1搬送コンベヤ4によって搬送されてきた物品2が、第1ストッパ20によって停止され、第1プッシャ10によって第1列の第2搬送コンベヤ6に受け渡される。この第2搬送コンベヤ6に5個の物品2が受け渡された後、物品2を起立した状態で集積し、集積テーブル14に移載している間に、第1搬送コンベヤ4によって搬送されてきた後続の物品2を、第2搬送コンベヤの第2列(図1の右側の搬送コンベヤ8)に受け渡しを行う。この場合も、前記第1列の第2搬送コンベヤ6への物品2の受け渡しと同様の動作を順次行う。このように第2搬送コンベヤを2列のコンベヤ6、8から構成したことにより、一方の搬送コンベヤ6または8で物品2の起立、ロボットによる取り出し等の作業を行っている間に、他方の搬送コンベヤ8または6に次の物品2の受け渡しを行うことができるので、この物品集積システムの能率を大幅に向上させることができる。
【0029】
前記集積工程では、比較的大型の物品2(図2参照)を取り扱ったが、例えば、前記物品2に比較して厚さの薄い物品102(図4参照)の集積を行う場合には、この物品102に適した間隔で受け部材34と支え部材36が配置されている物品支持部38を選択して、この物品支持部38を上流側の上方プーリ28の近辺に移動させる(図3に矢印Gで示すように無端状ベルト32を下流側に走行させ、あるいは逆方向に後退させて移動させる)。第2列の第2搬送コンベヤ8の使用する物品支持部38の受け部材34を収容部Cに位置させて、前記作動と同様の作動を行う。図4は、図2と同様に第5番目の物品102を受け渡す状態を示している。この実施例のように、第2搬送コンベヤ6、8に、一組の受け部材34と支え部材36からなる物品支持部38を予め複数箇所設けておき、集積する物品2、102のサイズ等に応じて適宜の物品支持部38を選択して用いるようにしたので、異なる物品に切り換えるための型替えを極めて容易に行うことができる。なお、前記実施例では、第2搬送コンベヤ6、8の上流側に上方プーリ28と下方プーリ29を上下ほぼ同じ位置に配置して垂直搬送部を設け、この垂直搬送部に第1搬送コンベヤ4からの物品2の受け渡しを行う際の物品収容部Cを形成したが、必ずしも垂直搬送部に収容部Cを設ける構成に限定されるものではなく、例えば、上流側の下方プーリ29を第1搬送コンベヤ4側に設け、円弧部Bの上流側(下方)を傾斜搬送部とし、この傾斜搬送部に収容部Cを設けるようにしても良い。また、前記実施例では、第1プッシャ10の前面に物品2を移動させて起立させる際のガイド面10aを設けたが、物品を前進させる際のガイドを第1プッシャ10と一体にする必要はなく、例えば、第1プッシャ10と別に固定のガイド部材を設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0030】
A 平坦部
B 円弧部
C 収容部
4 第1搬送手段(第1搬送コンベヤ)
6 第2搬送手段(第1列の第2搬送コンベヤ)
8 第2搬送手段(第2列の第2搬送コンベヤ)
10 受け渡し手段(第1プッシャ)
12 受け渡し手段(第2プッシャ)
34 受け部材
36 支え部材
図1
図2
図3
図4
図5