【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
【0053】
<ポリウレタン(A)の合成>
(合成例1:ポリウレタン1の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)226gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)103.8g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート161.9gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン1を含有する樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液1の粘度は500dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は588g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン1の重量平均分子量は46,000であり、ポリウレタン1中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約44%であった。
【0054】
(合成例2:ポリウレタン2の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,3−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)229gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート(IPDI)274.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン2を含有する樹脂溶液2を得た。得られた樹脂溶液2の粘度は400dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は594g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン2の重量平均分子量は40,000であり、ポリウレタン2中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約44%であった。
【0055】
(合成例3:ポリウレタン3の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,3−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
【0056】
【0057】
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)229gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート(IPDI)274.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン3を含有する樹脂溶液3を得た。得られた樹脂溶液3の粘度は430dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は594g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン3の重量平均分子量は42,000であり、ポリウレタン3中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約39%であった。また、ポリウレタン3中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約4.4%であった。
【0058】
(合成例4:ポリウレタン4の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びグリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてMEK272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン4を含有する樹脂溶液4を得た。得られた樹脂溶液4の粘度は550dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン4の重量平均分子量は72,000であり、ポリウレタン4中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約37%であった。
【0059】
(合成例5:ポリウレタン5の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、グリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
【0060】
【0061】
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン5を含有する樹脂溶液5を得た。得られた樹脂溶液5の粘度は530dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン5の重量平均分子量は71,000であり、ポリウレタン5中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約33%であった。また、ポリウレタン5中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約3.7%であった。
【0062】
(比較合成例1:ポリウレタン6の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセル220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)226gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)103.8g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート161.9gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン6を含有する樹脂溶液6を得た。得られた樹脂溶液6の粘度は550dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は588g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン6の重量平均分子量は50,000であり、ポリウレタン6中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約0%であった。
【0063】
(比較合成例2:ポリウレタン7の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセル220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びグリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてMEK272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン7を含有する樹脂溶液7を得た。得られた樹脂溶液7の粘度は560dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン7の重量平均分子量は73,000であり、ポリウレタン7中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約0%であった。
【0064】
(比較合成例3:ポリウレタン8の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリテトラメチレングリコール(商品名「PTMG2000」、三菱化学社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びグリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160gを仕込んだ。次いで、溶剤としてMEK272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン8を含有する樹脂溶液8を得た。得られた樹脂溶液8の粘度は505dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン8の重量平均分子量は72,000であり、ポリウレタン8中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は0%であった。
【0065】
(比較合成例4:ポリウレタン9の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセル220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
【0066】
【0067】
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)229gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート(IPDI)274.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン9を含有する樹脂溶液9を得た。得られた樹脂溶液9の粘度は420dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は594g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン9の重量平均分子量は43,000であり、ポリウレタン9中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は0%であった。また、ポリウレタン9中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約4.4%であった。
【0068】
(比較合成例5:ポリウレタン10の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)20.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)185gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)93.0g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート145.1gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン10を含有する樹脂溶液10を得た。得られた樹脂溶液10の粘度は600dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は3838g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン10の重量平均分子量は53,000であり、ポリウレタン10中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約54%であった。
【0069】
(比較合成例6:ポリウレタン11の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、グリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)40.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
【0070】
【0071】
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)202gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)112.4g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート175.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン11を含有する樹脂溶液11を得た。得られた樹脂溶液11の粘度は550dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は3231g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン10の重量平均分子量は75,000であり、ポリウレタン11中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は45%であった。また、ポリウレタン11中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約5.0%であった。
【0072】
<表皮層用塗料の調製>
(表皮層用塗料1)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の表皮層用塗料1を得た。
【0073】
(表皮層用塗料2)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25g、及び意匠用フィラー(商品名「サイリシア 420」、富士シリシア化学社製、湿式法シリカ、平均粒子径3.1μm)13.5gを添加し、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料2を得た。
【0074】
(表皮層用塗料3)
合成例2で得た樹脂溶液2 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の表皮層用塗料3を得た。
【0075】
(表皮層用塗料4)
合成例3で得た樹脂溶液3 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料4を得た。
【0076】
(表皮層用塗料5)
合成例3で得た樹脂溶液3 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5070D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径7μm)13.5gを添加し、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料5を得た。
【0077】
(表皮層用塗料6)
合成例4で得た樹脂溶液4 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料6を得た。
【0078】
(表皮層用塗料7)
合成例4で得た樹脂溶液4 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5070D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径7μm)9.0gを添加しMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分25%の表皮層用塗料7を得た。
【0079】
(表皮層用塗料8)
合成例5で得た樹脂溶液5 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料8を得た。
【0080】
(表皮層用塗料9)
合成例5で得た樹脂溶液5 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5150D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径15μm)9.0gを添加し、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分25%の表皮層用塗料9を得た。
【0081】
(比較表皮層用塗料1)
比較合成例1で得た樹脂溶液6 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料1を得た。
【0082】
(比較表皮層用塗料2)
比較合成例2で得た樹脂溶液7 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の比較表皮層用塗料2を得た。
【0083】
(比較表皮層用塗料3)
比較合成例3で得た樹脂溶液8 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の比較表皮層用塗料3を得た。
【0084】
(比較表皮層用塗料4)
比較合成例4で得た樹脂溶液9 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料4を得た。
【0085】
(比較表皮層用塗料5)
比較合成例5で得た樹脂溶液10 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料5を得た。
【0086】
(比較表皮層用塗料6)
比較合成例6で得た樹脂溶液11 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の比較表皮層用塗料6を得た。
【0087】
(比較表皮層用塗料7)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)0.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料7を得た。
【0088】
(比較表皮層用塗料8)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)13.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料8を得た。
【0089】
<意匠層用組成物の調製>
(意匠層用組成物1)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール40.0g、を仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)146gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート143.0gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する意匠層用樹脂溶液1を得た。粘度は420dPa・s/20℃、固形分は40%、GPCにより測定した重量平均分子量は44,000であった。得られた意匠層用樹脂溶液1 100.0gに対しノンリーフィングタイプのアルミペースト(商品名「MH−6601」、旭化成工業製、固形分65%)12.0g、溶剤としてMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の意匠層用組成物1を得た。
【0090】
(意匠層用組成物2)
蒸着用のアルミニウムを意匠層用組成物2とした。
【0091】
(意匠層用組成物3)
UV反応型のモノマー、顔料、及び重合開始剤を含有するインクジェットプリンター用のUVインクを意匠層用組成物3とした。
【0092】
(意匠層用組成物4)
意匠層用樹脂溶液1 100gに黒顔料分散着色剤(商品名「セイカセブンSS01−323ブラック」、大日精化工業社製、固形分25%、溶剤:MEK、顔料:カーボンブラック)20.0g、溶剤としてMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の意匠層用組成物4を得た。
【0093】
<接着層用樹脂組成物の調製>
以下に示す接着層用樹脂組成物は、接着層を形成するための材料としてだけではなく、意匠層と基材シートとの密着性を向上させるためのプライマーとしても使用することができる。
【0094】
(接着層用樹脂組成物1)
変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン 150S」、日本製紙ケミカル社製)を、メチルシクロヘキサンとメチルエチルケトンを9:1の質量比で含有する混合溶媒に溶解させ、固形分15%としたものを接着層用樹脂組成物1とした。
【0095】
(接着層用樹脂組成物2)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール10.0g、を仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)118gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート62.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm
-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する接着層用樹脂組成物2を得た。得られた接着層用樹脂組成物2の粘度は610dPa・s/20℃、固形分は55%であった。また、接着層用樹脂組成物2に含まれるポリウレタンのGPCにより測定した重量平均分子量は21,000であった。
【0096】
(接着層用樹脂組成物3)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、メチルエチルケトン(MEK)100g、メタクリル酸メチル50.0gを仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。アクリル酸ブチル50.0g、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gの混合物を用意した。混合物の半分を反応容器内に添加し、残りの半分を滴下ロートで1時間かけて反応容器内に滴下した。滴下後、そのままの状態で6時間反応させて、アクリル重合体からなる接着層用樹脂組成物3を得た。得られた接着層用樹脂組成物3の粘度は80dPa・s/20℃、固形分は55%であった。また、接着層用樹脂組成物3に含まれるアクリル重合体のGPCにより測定した重量平均分子量は35,000であった。
【0097】
<機能性成型シートの作製>
(実施例1)
基材シートとして、厚さ1mmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)シート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例1)を得た。
【0098】
(実施例2〜9及び比較例1〜8)
表1に示す種類の表皮層用塗料又は比較表皮層用塗料を用いて表皮層を形成したこと以外は、前述の実施例1の場合と同様にして機能性成型シート(実施例2〜9及び比較例1〜8)を得た。
【0099】
(実施例10)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。45℃で1日熟成させた後、100℃に加熱したしぼ入りのエンボスロールを使用して加工(凹凸加工)を行い、表皮層の表面に凹凸模様を形成した。次いで、基材シートの裏面(意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例10)を得た。
【0100】
(実施例11)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂3を塗工して、90℃2分の乾燥を行い厚さ5μmのプライマー層を作成した。その後、意匠層として意匠用組成物1をバーコーターで塗工し、90℃2分の乾燥を行い厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例11)を得た。
【0101】
(実施例12)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物2であるアルミニウムを蒸着して意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例12)を得た。
【0102】
(実施例13)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面にインクジェットプリンターを使用して意匠層用組成物3であるUVインクを塗布して意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例13)を得た。
【0103】
(実施例14)
厚さ0.5mmのポリプロピレン(PP)シート(表面エネルギー30mN/m)を用意した。このPPシートの表裏両面にコロナ放電処理を行い、表面エネルギー37mN/mの基材シートを得た。得られた基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物1を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物1を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例14)を得た。
【0104】
(実施例15)
基材シートとして、厚さ0.5mmのポリカーボネート(PC)シートを用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物2を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物2を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例15)を得た。
【0105】
<加飾成型品の作製>
真空成型機(商品名「NGF−0404−S型」、布施真空社製)を使用し、80℃に加温したABS樹脂製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例1〜13及び比較例1〜8の機能性成型シートを真空成型によりそれぞれ貼着した。また、同様にして、80℃に加温したポリプロピレン製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例14の機能性成型シートを貼着した。さらに、同様にして、80℃に加温したポリカーボネート製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例15の機能性成型シートを貼着した。紫外線照射機(商品名「ユニキュア UVC−02512S1AA01」、ウシオ電機社製)を使用し、部材表面に貼着された機能性成型シートに対して積算光量2000mJ/cm
2となるようにUV照射して表皮層を硬化させて硬化層を形成して加飾成型品を得た。
【0106】
<評価方法>
(1)三次元成型性(真空成型性)
機能性成型シート(紫外線硬化前)を使用して作製した加飾成型品の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って三次元成型性(真空成型性)を評価した。結果を表1及び2に示す。
◎:表皮層及び意匠層に塗膜割れや白化が全く認められず、型の形状に良好に追従した。
○:三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが、実用上問題ないレベルであった。
△:三次元形状部又は最大延伸部の一部に軽微な塗膜割れ又は白化が認められた。
×:表皮層及び意匠層が型の形状に追従できず、塗膜割れ又は白化が認められた。
【0107】
(2)80℃破断伸度
表皮層用塗料及び比較表皮層用塗料を、乾燥膜厚が約30μmとなるようにそれぞれ離型紙上に塗工した後、45℃で1日熟成させて塗膜を形成した。熟成後、赤外分光光度計を使用して2,270cm
-1のイソシアネート基(無黄変ポリイソシアネート)に由来する吸収が消失していることを確認した上で、塗膜を幅15mm×長さ60mmのサイズにカットして試験片を作製した。作製した試験片について、オートグラフ(商品名「AGS−J 500N」、島津製作所社製)、及び恒温試験装置(商品名「TCR1−200」、島津製作所社製)を使用し、温度80℃、チャック間距離20mm、引張り速度200mm/分の条件で80℃破断伸度を測定した。結果を表1及び2に示す。
【0108】
(3)鉛筆硬度
JIS K5400に準拠し、荷重500gの条件で、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)の鉛筆硬度を測定した。結果を表1及び2に示す。
【0109】
(4)耐溶剤性
キシレンを含ませた脱脂綿を使用して、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)を荷重50g/cm
2で50回ラビングした後の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐溶剤性を評価した。結果を表1及び2に示す。
○:硬化層に著しい変化は認められなかった。
×:硬化層の膨潤又は剥離が認められた。
【0110】
(5)耐光性
JASO M346−1993に準拠し、以下に示す条件でキセノンウェザオメーターを使用して促進試験を実施した。
放射照度:48〜162W/m
2
波長:300〜400nm
ブラックパネル温度:89±3℃
照射時間:8週間
熱量:2000kJ
上記の条件により作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)に対して光照射した。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐光性を評価した。結果を表1及び2に示す。
○:硬化層に変色、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に変色、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
【0111】
(6)耐熱性
作製した加飾成型品(紫外線硬化済み)をオーブンに入れ、120℃で400時間保持する耐熱性試験を行った。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐熱性を評価した。結果を表1及び2に示す。
○:硬化層に黄変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に黄変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
【0112】
(7)耐加水分解性
作製した加飾成型品(紫外線硬化済み)について、温度70℃及び相対湿度95%で8週間保持するジャングル試験を行った。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐加水分解性を評価した結果を表1、2に示す。
○:硬化層に白変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に白変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
【0113】
【0114】
【0115】
表1及び2に示す結果から明らかなように、実施例1〜15の機能性成型シートは、クラックや割れが発生することなく、三次元成型性が良好であった。さらに、実施例1〜15の機能性成型シートを用いて得られた加飾成型品は、耐擦傷性、耐溶剤性、耐光性、耐熱性、及び耐加水分解性に優れていることが確認された。