特許第5913093号(P5913093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5913093新規ピリミジン誘導体と、癌とさらなる疾患の治療におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913093
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】新規ピリミジン誘導体と、癌とさらなる疾患の治療におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/49 20060101AFI20160414BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 13/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   C07D239/49CSP
   A61P35/00
   A61P37/08
   A61P37/00
   A61P31/12
   A61P43/00 111
   A61P11/00
   A61P17/00
   A61P27/02
   A61P13/00
   A61P15/00
   A61P37/06
   A61P11/02
   A61P35/02
   A61P31/00
   A61P31/04
   A61P31/10
   A61K31/505
   A61K31/506
   A61K31/5377
【請求項の数】23
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2012-511356(P2012-511356)
(86)(22)【出願日】2010年5月20日
(65)【公表番号】特表2012-527443(P2012-527443A)
(43)【公表日】2012年11月8日
(86)【国際出願番号】GB2010050825
(87)【国際公開番号】WO2010133885
(87)【国際公開日】20101125
【審査請求日】2013年5月13日
(31)【優先権主張番号】61/180,238
(32)【優先日】2009年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300022641
【氏名又は名称】アストラゼネカ アクチボラグ
(73)【特許権者】
【識別番号】000002912
【氏名又は名称】大日本住友製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,ニコラス・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】マキナリー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トム,スティーヴン
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/067081(WO,A1)
【文献】 国際公開第2000/012487(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/114817(WO,A1)
【文献】 国際公開第2003/043588(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAPLUS/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
Xは、−CH−、−NR−、−O−又は−S(O)−を表し;
は、C1−6アルキル、C2−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、又はヒドロキシC1−6アルコキシC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、又はフェニルを表し、ここで前記フェニルは、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、又は−S−C1−6アルキルを表し;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はC1−6アルコキシを表し;
は、直結合、−(CR10−、−CH=CH−(CR10−、−C≡C−(CR10−、−O−(CR10−、−C(O)−O−(CR10−、又は−O−(CH−NR−(CH−を表し;
は、−NR1112、C3−6シクロアルキル、フェニル、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員複素環式環を表し、ここで前記フェニル及び複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
は、C1−6アルキル、フルオロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、−S(O)−C1−6アルキル、又は−CH−C(O)−O−C1−6アルキルを表し;
は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、又は−(CH−NR1112を表し;
は、水素又はC1−6アルキルを表し;
とR10は、それぞれの出現時に、同一で、又は異なって、水素又はメチルを表し;
11とR12は、独立して、水素、C1−4アルキル、又はC1−4アルコキシC2−4アルキルを表し;
mは、1、2、3、4、5又は6を表し;
nは、0、1又は2を表し;そして
qは、0、1、2、3、4、5又は6を表す]の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Xが−CH−を表す、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
がC1−6アルキルを表す、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
が水素を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
がフェニルを表し、ここで前記フェニルは、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
がメチルを表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
がC1−6アルコキシを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
が水素を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
が連結−X−に対してフェニル環のオルト位で結合する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
qが、1、2又は3を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
qが2又は3を表す、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
が、−(CR10−、−CH=CH−(CR10−、又は−C≡C−(CR10−を表す、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
が−O−(CR10−を表す、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
が連結−X−に対してフェニル環のパラ位で結合する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
が連結−X−に対してフェニル環のメタ位で結合する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
が連結−X−に対してフェニル環のオルト位で結合する、請求項1〜8又は10〜13のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
が、NR1112、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員複素環式環を表し、ここで前記複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項18】
がNR1112を表して、R11とR12はともにメチルを表す、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項19】
5−(4−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(2−(ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−5−(4−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(2−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(3−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−イニル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メチルベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
(R)−2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸メチル;
(R)−2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸メチル、および
その医薬的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
5−(2−メトキシ−4−(3−モルホリノプロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(2−メトキシ−4−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;および
その医薬的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される希釈剤又は担体とともに含む医薬組成物。
【請求項22】
医薬品としての使用のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項23】
癌の治療における使用のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ピリミジン誘導体に、そしてより特別には、TLR7アゴニストとして作用する新規ピリミジン誘導体に関する。本発明はまた、そのようなピリミジン誘導体の製造の方法とその製造中の新規中間体に、そのようなピリミジン誘導体を含有する医薬組成物に、医薬品の製造におけるそのようなピリミジン誘導体の使用に、そしてアレルギー疾患、自己免疫疾患、ウイルス疾患、そして特に癌のような、TLR7によって媒介される状態の治療におけるそのようなピリミジン誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
Toll様受容体(TLR)は、マクロファージ及び樹状細胞(DC)が含まれる、多様な免疫細胞上で発現される。TLRは、病原体関連分子パターン(PAMP)と呼ばれる、病原体上の分子モチーフを認識する(1)。今日まで、ヒトでは13種のTLRが同定されて、これらには、細胞表面に限定されるTLR1、2、4、5及び6と、エンドソーム中で発現されるTLR3、7、8及び9が含まれる。異なるTLRは、異なる病原体由来のリガンドを認識する[例えば、TLR2(細菌リポタンパク質)、3(二本鎖RNA/ポリ(I:C))、4(リポ多糖)、5(フラゲリン)、7(一本鎖RNA)、及び9(CpG含有DNA)](2)。DCのような抗原提示細胞上でのTLRのライゲーションは、好炎症性サイトカインの産生、DC成熟化、及び獲得免疫系のプライミングをもたらす(3)。TLR7とTLR9は、形質細胞様樹状細胞(pDC)によって発現されて、リガンド認識がインターフェロン−α(INF−α)の分泌をもたらす(4)。細菌又はウイルスの成分を単独療法として、及び/又は抗腫瘍剤と組み合わせて投薬して使用する、TLRの活性化の影響について検討する前臨床試験は、多様なマウス腫瘍モデルにおいて、腫瘍増殖の阻害を示した(5)。
【0003】
数多くの皮膚疾患(例、性器いぼ、伝染性軟いぼ、及びメラノーマ)を治療するために使用されている、イミダゾキノリン、イミキモドが含まれる、いくつかの低分子TLR7アゴニストについては記載されたことがある。メラノーマの症例では、局所適用されるイミキモド(Aldara,Graceway Pharmaceuticals,テネシー州ブリストル)が皮膚転移性メラノーマ及び悪性ほくろにおいて治療応答を実証して(6)、表在性基底細胞癌(BCC)の治療用に承認された(7)。前臨床試験と臨床試験は、イミキモドには1型IFN及びIFN誘導遺伝子の誘導を介して機能する可能性があって、それが次いで腫瘍細胞の増殖に対して直接効果を及ぼす、及び/又は獲得免疫系の成分を利用することができることを示している(6,7)。852Aは、別のイミダゾキノリンであり、イミキモドとは異なって、全身投与に適している。現在、852Aは、メラノーマを含めて、数多くの癌適応症において第II相臨床試験中である(8)。
【0004】
それでも、疾患、例えば、癌の治療において、他の既知のTLR7アゴニスト(例えば、852A)と比較して、その優れた潜在能力及び/又は有利な物理特性(例えば、より高い透過性、及び/又はより低い血漿タンパク結合性)及び/又は好ましい毒性プロフィール及び/又は好ましい代謝プロフィールの故により有効である、さらなるTLR7アゴニストが依然として求められている。
【0005】
これから本明細書で説明するように、本発明のピリミジン誘導体は、TLR7を in vitro で活性化することが可能である。この活性の結果として、本発明のピリミジン誘導体は、ヒトの疾患、例えば癌の予防又は治療において、単独療法として、又は他の化学療法剤又は放射線療法のレジメンと組み合わせて有用であることが期待される。
【発明の概要】
【0006】
故に、本発明の第一の側面により、式(I):
【0007】
【化1】
【0008】
[式中:
Xは、−CH−、−NR−、−O−又は−S(O)−を表し;
は、C1−6アルキル、C2−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、又はヒドロキシC1−6アルコキシC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、又はフェニルを表し、ここで前記フェニルは、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、又は−S−C1−6アルキルを表し;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はC1−6アルコキシを表し;
は、直結合、−(CR10−、−CH=CH−(CR10−、−C≡C−(CR10−、−O−(CR10−、−C(O)−O−(CR10−、又は−O−(CH−NR−(CH−を表し;
は、メチル、ヒドロキシ、−NR1112、C3−6シクロアルキル、フェニル、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員複素環式環を表し、ここで前記フェニル及び複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
は、C1−6アルキル、フルオロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、−S(O)−C1−6アルキル、又は−CH−C(O)−O−C1−6アルキルを表し;
は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、又は−(CH−NR1112を表し;
は、水素又はC1−6アルキルを表し;
とR10は、それぞれの出現時に、同一で、又は異なって、水素又はメチルを表し;
11とR12は、独立して、水素、C1−4アルキル、又はC1−4アルコキシC2−4アルキルを表し;
mは、1、2、3、4、5又は6を表し;
nは、0、1又は2を表し;そして
qは、独立して、0、1、2、3、4、5又は6を表す]の化合物、又はその医薬的に許容される塩を提供する。但し、式(I)の化合物は:
[3−(2−アミノ−4−メチル−6−ペンチルアミノ−ピリミジン−5−イルメチル)]−安息香酸エチルエステル;
[3−(2−アミノ−4−メチル−6−ペンチルアミノ−ピリミジン−5−イルメチル)−フェニル]−メタノール;
4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル;
(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシフェニル)メタノール;
4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フルオロ安息香酸メチル;
(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フルオロフェニル)メタノール;又は
(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)メタノール以外である。
【0009】
1つの態様において、式(I):
[式中:
Xは、−CH−、−NR−、−O−又は−S(O)−を表し;
は、C1−6アルキル、C2−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、又はヒドロキシC1−6アルコキシC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、又はフェニルを表し、ここで前記フェニルは、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、又は−S−C1−6アルキルを表し;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はC1−6アルコキシを表し;
は、直結合、−(CR10−、−CH=CH−(CR10−、−C≡C−(CR10−、−O−(CR10−、−C(O)−O−(CR10−、又は−O−(CH−NR−(CH−を表し;
は、メチル、ヒドロキシ、−NR1112、C3−6シクロアルキル、フェニル、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員複素環式環を表し、ここで前記フェニル及び複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
は、C1−6アルキル、フルオロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、−S(O)−C1−6アルキル、又は−CH−C(O)−O−C1−6アルキルを表し;
は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、又は−(CH−NR1112を表し;
は、水素又はC1−6アルキルを表し;
とR10は、それぞれの出現時に、同一で、又は異なって、水素又はメチルを表し;
11とR12は、独立して、水素、C1−4アルキル、又はC1−4アルコキシC2−4アルキルを表し;
mは、1、2、3、4、5又は6を表し;
nは、0、1又は2を表し;そして
qは、0、1、2、3、4、5又は6を表す]の化合物、又はその医薬的に許容される塩を提供する。但し、式(I)の化合物は:
[3−(2−アミノ−4−メチル−6−ペンチルアミノ−ピリミジン−5−イルメチル)]−安息香酸エチルエステル;
4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル;又は
4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フルオロ安息香酸メチル以外である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
式(I)のどの好適なR及びL−R基も、フェニル環のどの利用可能な炭素原子へも結合してよいが、同一の炭素原子へは結合せず、そしてRは、Lより選択されるどの好適なリンカーを介してもフェニル環へ連結してよいと理解されたい。
【0011】
上記に定義される式(I)の化合物のあるものが1以上の不斉炭素原子によって、光学活性又はラセミの形態で存在し得る以上、本発明には、その定義において、上記に言及した活性を保有する、あらゆるそのような光学活性又はラセミの形態が含まれると理解されたい。光学活性型の合成は、当該技術分野でよく知られた有機化学の標準技術によって、例えば、光学活性のある出発材料からの合成によるか又はラセミ型の分割によって行うことができる。同様に、上記に言及した活性は、以下に言及する標準実験技術を使用して評価することができる。
【0012】
上記の式(I)のある化合物は、非溶媒和型だけでなく、例えば、水和型のような溶媒和型で存在し得ると理解されたい。本発明には、TLR7を活性化するすべてのそのような溶媒和型が含まれると理解されたい。
【0013】
また、式(I)のある化合物は、結晶型で存在して、多形を明示する場合があると理解されたい。本発明には、TLR7を活性化するすべてのそのような形態が含まれる。
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、本明細書において、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを意味するために使用される。
【0014】
「C1−6アルキル」という用語は、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の飽和炭素鎖を意味すると企図される。しかしながら、「プロピル」のような個々のアルキル基への言及は、直鎖バージョンだけに特定されて、tert−ブチルのような個々の分岐鎖アルキル基への言及は、分岐鎖バージョンだけに特定される。例えば、「C1−6アルキル」には、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、及びイソヘキシルが含まれる。「C1−4アルキル」及び「C1−7アルキル」という用語は、上記に準じて解釈される。
【0015】
「C3−6シクロアルキル」という用語は、飽和した3〜6員の単環式炭素環を意味すると企図される。例えば、「C3−6シクロアルキル」には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが含まれる。
【0016】
「C1−6アルコキシ」という用語は、酸素へ連結した、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の飽和した炭素鎖を意味すると企図される。例えば、「C1−6アルコキシ」には、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、及びヘキソキシが含まれる。
【0017】
「C1−6アルコキシC1−6アルキル」という用語は、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の別の飽和炭素鎖へ酸素を介して連結した、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の飽和した炭素鎖を意味すると企図される。例えば、「C1−6アルコキシC1−6アルキル」には、限定されないが、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、プロポキシエチル、及びブトキシプロピルが含まれる。「C1−4アルコキシC2−4アルキル」という用語は、上記に準じて解釈される。
【0018】
「ヒドロキシC1−6アルキル」という用語は、水素原子の1つがヒドロキシ基に置き換わっている、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の飽和した炭素鎖を意味すると企図される。例えば、「ヒドロキシC1−6アルキル」には、限定されないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシイソプロピル、4−ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、及びヒドロキシイソヘキシルが含まれる、
「ヒドロキシC1−6アルコキシ」という用語は、酸素へ連結して、水素原子の1つがヒドロキシ基に置き換わっている、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の飽和した炭素鎖を意味すると企図される。例えば、「ヒドロキシC1−6アルコキシ」には、限定されないが、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、1−ヒドロキシイソプロポキシ、4−ヒドロキシブトキシ、ヒドロキシペントキシ、及びヒドロキシヘキソキシが含まれる。
【0019】
「ヒドロキシC1−6アルコキシC1−6アルキル」という用語は、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の別の飽和炭素鎖へ酸素を介して連結して、そしてその炭素鎖の両方でなくて一方の水素原子の1つがヒドロキシ基に置き換わっている、直鎖でも分岐鎖でもよい、長さが1〜6の炭素原子の飽和した炭素鎖を意味すると企図される。例えば、「ヒドロキシC1−6アルコキシC1−6アルキル」には、限定されないが、ヒドロキシメトキシメチル、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシプロポキシエチル、3−ヒドロキシプロポキシエチル、1−ヒドロキシイソプロポキシエチル、4−ヒドロキシブトキシペンチル、ヒドロキシペントキシエチル、及びヒドロキシヘキソキシエチルが含まれる。
【0020】
「アリール」という用語は、フェニル又はナフチルを意味すると企図される。
他に述べなければ、「複素環式環」という用語は、環炭素原子又は環窒素原子を介して連結する、窒素、酸素、又はイオウより選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む、4、5、6又は7員の完全飽和又は部分飽和の単環式環を意味すると企図される。4、5、6又は7員の複素環式環の例には、限定されないが、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、モルホリニル、オキサタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、アゼパニル、及びジアゼパニルが含まれる。さらにこの定義は、イオウ原子が酸化されてS(O)又はS(O)基となったイオウ含有環を含む。
【0021】
本発明の第一の側面のさらなる態様において、下記の(1)〜(61)のパラグラフ中のL、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、X、及びqの以下の定義のそれぞれは、式(I)の最も広い定義を制限するために、個別に、又は他の以下の定義の1以上と組み合わせて使用してよい。例えば、当業者は、パラグラフ(24)、(26)、(34)、(42)及び(58)を組み合わせれば、RがC1−6アルコキシを表し、Lが−O−(CR10−を表して、連結−X−に対してフェニル環のパラ位で結合し、qが1、2又は3を表し、そしてRがNR1112(ここでR11とR12は、ともにメチルを表す)を表す、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供し得ることを理解されよう。また、例えば、当業者は、パラグラフ(36)、(51)及び(61)を組み合わせれば、Lが−C(O)−O−(CR10−を表し、qが0を表し、そしてRがメチルを表す、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供し得ることを理解されよう。
【0022】
(1)Xは、−CH−を表す;
(2)Xは、−NR−を表す;
(3)Xは、−O−を表す;
(4)Xは、−S(O)−を表す;
(5)Rは、C1−6アルキル、C2−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシを表す;
(6)Rは、C1−6アルキル又はヒドロキシC1−6アルキルを表す;
(7)Rは、C1−6アルキルを表す;
(8)Rは、ブチルを表す;
(9)Rは、水素又はC1−6アルキルを表す;
(10)Rは、水素を表す;
(11)Rは、C1−6アルキルを表す;
(12)Rは、フェニルを表し、ここで前記フェニルは、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(13)Rは、フェニルを表し、ここで前記フェニルは、ハロゲン又はフルオロC1−6アルキルより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(14)Rは、フェニルを表し、ここで前記フェニルは、−CH−C(O)−O−C1−6アルキルより選択される単一の置換基で置換されていてもよい;
(15)Rは、フェニルを表し、ここで前記フェニルは、−CH−C(O)−O−CH又は−CH−C(O)−O−CH−CHより選択される単一の置換基で置換されていてもよい;
(16)Rは、C1−6アルキルを表す;
(17)Rは、メチルを表す;
(18)Rは、C1−6アルコキシを表す;
(19)Rは、−S−C1−6アルキルを表す;
(20)Rは、連結:−X−に対してフェニル環のオルト位で結合する;
(21)Rは、水素、フッ素、メチル、又はC1−6アルコキシを表す;
(22)Rは、水素又はC1−6アルコキシを表す;
(23)Rは、水素を表す;
(24)Rは、C1−6アルコキシを表す;
(25)Rは、メトキシを表す;
(26)Lは、連結:−X−に対してフェニル環のパラ位で結合する;
(27)Lは、連結:−X−に対してフェニル環のメタ位で結合する;
(28)Lは、連結:−X−に対してフェニル環のオルト位で結合する;
(29)Lは、−(CR10−、−CH=CH−(CR10−、又は−C≡C−(CR10−を表す;
(30)Lは、−O−(CR10−又は−C(O)−O−(CR10−を表す;
(31)Lは、−O−(CH−NR−(CH−を表す;
(32)Lは、−O−(CR10−又は−C(O)−O−(CR10−を表し、ここでqは、1、2、3、4又は5を表して、Rは、−NR1112、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員複素環式環を表し、ここで前記フェニル及び複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(33)Lは、−O−(CR10−又は−C(O)−O−(CR10−を表し、ここでRとR10はともに水素を表し、qは、1、2、3、4又は5を表し、そしてRは、−NR1112、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員複素環式環を表し、ここで前記フェニル及び複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(34)Lは、−O−(CR10−を表す;
(35)Lは、−O−(CR10−を表し、ここでRとR10は、ともに水素を表す;
(36)Lは、−C(O)−O−(CR10−を表す;
(37)Lは、直結合を表す;
(38)Rは、ヒドロキシ、−NR1112、C3−6シクロアルキル、フェニル、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員の複素環式環を表し、ここで前記フェニルと複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(39)Rは、−NR1112、C3−6シクロアルキル、フェニル、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員の複素環式環を表し、ここで前記フェニルと複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(40)Rは、NR1112、又はO、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員の複素環式環を表し、ここで前記複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(41)Rは、NR1112を表す;
(42)Rは、NR1112を表し、ここでR11とR12は、ともにメチルを表す;
(43)Rは、O、N又はSより独立して選択される1、2又は3のヘテロ原子を含む単環の4、5、6又は7員の複素環式環を表し、ここで前記複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(44)Rは、複素環式環がLへ連結するのに介する窒素原子に加えて、O、N又はSより独立して選択される1又は2のさらなるヘテロ原子を含んでもよい、窒素連結した単環の4、5、6又は7員の複素環式環を表し、ここで前記複素環式環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(45)Rは、ピペラジニル、ピペリジニル、又はピロリジニルを表し、ここで前記ピペラジニル、ピペリジニル又はピロリジニル環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(46)Rは、ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、又はピロリジン−1−イルを表し、ここで前記ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル又はピロリジン−1−イル環は、Rより選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい;
(47)Rは、ピペラジニル、ピペリジニル、又はピロリジニルを表し、ここで前記ピペラジニル、ピペリジニル又はピロリジニル環は、単一のメチル置換基で置換されていてもよい;
(48)Rは、ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、又はピロリジン−1−イルを表し、ここで前記ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル又はピロリジン−1−イル環は、単一のメチル置換基で置換されていてもよい;
(49)Rは、未置換のピペラジニル、ピペリジニル又はピロリジニル環を表す;
(50)Rは、フェニルを表す;
(51)Rは、メチルを表す;
(52)Rは、ヒドロキシを表す;
(53)Rは、水素又はメチルを表す;
(54)Rは、水素を表す;
(55)Rは、メチルを表す;
(56)qは、1、2、3、4、5又は6を表す;
(57)qは、1、2、3又は4を表す;
(58)qは、1、2又は3を表す;
(59)qは、2又は3を表す;
(60)qは、3を表す;
(61)qは、0を表す。
【0023】
式(I)の特別な新規化合物には、限定されないが、以下の化合物:
5−(4−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
4−(2−アミノ−4−メチル−6−ペンチルアミノ−ピリミジン−5−イルメチル)−フェノール;
5−(4−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(2−(ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
3−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェノキシ)プロパン−1−オール;
6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−5−(4−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル;
4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル;
4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシヘプタン−3−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル;
4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−4−(ジメチルアミノ)ブチル・ベンゼンスルホン酸塩;
3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−4−メトキシ安息香酸メチル;
3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−4−フルオロ安息香酸メチル;
4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フルオロ安息香酸メチル;
5−(2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
2−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェノール;
5−(2−エトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(2−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェノール;
5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
6−メチル−N−ペンチル−5−(3−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−イニル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メチルベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチル;
2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチルとその医薬的に許容される塩が含まれる。
【0024】
1つの態様において、4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−4−(ジメチルアミノ)ブチルを提供する。
【0025】
さらなる態様において:
3−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシフェノキシ)プロパン−1−オール;
5−(2−メトキシ−4−(3−モルホリノプロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(2−メトキシ−4−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;
5−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン;及び
(S)−2−(2−アミノ−5−(4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)ペンタン−1−オールより選択される式(I)の化合物とその医薬的に許容される塩を提供する。
【0026】
本発明の1つの態様において、本明細書に記載のあらゆる「実施例」又はその医薬的に許容される塩を提供する。
式(I)の化合物の好適な医薬的に許容される塩は、例えば、式(I)の化合物の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、又はマレイン酸のような無機又は有機酸との酸付加塩である。
【0027】
本発明の化合物は、プロドラッグ(即ち、ヒト又は動物の体内で分解して、本発明の化合物を放出する化合物)の形態で投与してよい。プロドラッグを使用して、本発明の化合物の物理特性及び/又は薬物動態特性を改変させてよい。プロドラッグは、特性修飾基を付けることができる好適な基又は置換基を本発明の化合物が含有するときに生成することができる。プロドラッグの例には、式(I)の化合物中のアミノ基で生成され得る、in vivo 切断可能アミド誘導体が含まれる。
【0028】
従って、本発明には、有機合成によって利用可能になる場合と、ヒト又は動物の体内においてそのプロドラッグの切断によって利用可能になる場合の上記に定義されるような式(I)の化合物が含まれる。従って、本発明には、有機合成手段によって生成される式(I)の化合物とまた、ヒト又は動物の体内において前駆化合物の代謝により産生されるそのような化合物が含まれるので、式(I)の化合物は、合成的に生成される化合物であっても、代謝的に産生される化合物であってもよい。
【0029】
式(I)の化合物の好適な医薬的に許容されるプロドラッグは、望まれない薬理活性も不当な毒性もなく、ヒト又は動物の身体への投与に適しているとする妥当な医学的判断に基づくものである。
【0030】
様々な形態のプロドラッグが、例えば、以下の文献に記載されている:
a)「Methods in Enzymology(酵素学の方法)」42巻、309-396頁、K. Widder, et al. 監修(アカデミックプレス、1985);
b)「Design of Pro-drugs(プロドラッグの設計)」H. Bundgaard 監修(エルセヴィエ、1985);
c)「A Textbook of Drug Design and Development(医薬品の設計・開発教程)」Krogsgaard-Larsen 監修、及び H. Bundgaard, 第5章「Design and Application of Pro-drugs(プロドラッグの設計及び応用)」H. Bundgaard 著、113-191頁(1991);
d)H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8, 1-38 (1992);
e)H. Bundgaard, et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, 285 (1988);
f)N. Kakeya, et al., Chem. Pharm. Bull., 32, 692 (1984);
g)T. Higuchi and V. Stella,「Pro-Drugs as Novel Delivery Systems(新規送達系としてのプロドラッグ)」, A.C.S. シンポジウム・シリーズ、14巻;及び
h)E. Roche (監修), 「Bioreversible Carriers in Drug Design(ドラッグデザインにおける生可逆性担体)」、ペルガモン・プレス(1987)。
【0031】
アミノ基を保有する式(I)の化合物の好適な医薬的に許容されるプロドラッグは、例えば、その in vivo 切断可能アミド誘導体である。アミノ基からの好適な医薬的に許容されるアミドには、例えば、アセチル、ベンゾイル、フェニルアセチルと、置換ベンゾイル及びフェニルアセチル基のようなC1−10アルカノイル基と形成されるアミドが含まれる。フェニルアセチル及びベンゾイル基上の環置換基の例には、アミノメチル、N−アルキルアミノメチル、N,N−ジアルキルアミノメチル、モルホリノメチル、ピペラジン−1−イルメチル、及び4−(C1−4アルキル)ピペラジン−1−イルメチルが含まれる。
【0032】
式(I)の化合物の in vivo 効果は、式(I)の化合物の投与後にヒト又は動物の体内で生成される1以上の代謝産物によって一部発揮される場合がある。上記に述べたように、式(I)の化合物の in vivo 効果はまた、前駆化合物(プロドラッグ)の代謝によって発揮される場合がある。
【0033】
式(I)の化合物の製造
式(I)の化合物の合成のある方法を本発明のさらなる特徴として提供する。このように、本発明のさらなる側面により、方法(a)、(b)、(c)又は(d)[ここで、他に定義しなければ、諸変数は、式(I)の化合物について上記に定義される通りである]を含む、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の製造の方法を提供する:
(a)RがC1−6アルキルを表して、Lが−O−(CR10−を表すときは、ハロ−(CR10−R基と式(IX):
【0034】
【化2】
【0035】
の化合物の反応;
(b)Lが−C(O)−O−(CR10−を表して、RがNR1112を表すときは、塩化オキサリル又は塩化チオニル、好適なカップリング剤、及びあってもよい好適な塩基の存在下での、式:OH−(CR10−NR1112のアルコールと式(XVI):
【0036】
【化3】
【0037】
の酸との反応;
(c)Lが、−(CR10−(mは、2、3、4、5、又は6を表す)、−CH=CH−(CR10−、又は−C≡C−(CR10−を表すときは、ヨウ化銅、好適な触媒、及び好適な塩基の存在下での、式(XVIII)の化合物と式(XVII)の化合物の反応;
【0038】
【化4】
【0039】
(d)RがC1−6アルコキシ又は−S−C1−6アルキルを表すときは、好適な塩基の存在下での、適正なアルコール又はアルキルチオールと式(XXXIII):
【0040】
【化5】
【0041】
の化合物の反応;そしてその後、必要ならば:
(i)式(I)の化合物を式(I)の別の化合物へ変換すること;
(ii)あらゆる保護基を外すこと;
(iii)ラセミ混合物を別々のエナンチオマーへ分離させること;
(iv)その医薬的に許容される塩を製造すること;及び/又は
(v)その結晶型を製造すること。
【0042】
式(Ia)[ここで、Xは、CHを表し、Rは、C1−6アルキルを表し、Lは、−O−(CR10−を表し、Etは、エチル基を表し、Rは、C1−6アルコキシ以外であり、他のすべての変数は、式(I)の化合物について上記に定義される通りである]の化合物は、以下の反応スキーム1に記載のように製造することができる。
【0043】
【化6】
【0044】
工程(i)−式(II)の化合物と式(III)の化合物の反応によって、式(IV)の化合物を製造することができる。この反応は、トルエンのような好適な溶媒中の酢酸及びピペリジンの存在下に、そして好適な温度、例えば、50℃〜150℃で行うことができる。
【0045】
工程(ii)−式(IV)の化合物の還元によって、式(V)の化合物を製造することができる。この反応は、Pd/Cのような触媒とともに、H雰囲気(1〜20バール)下に、EtOHのような好適な溶媒において、そして好適な温度、例えば20℃〜100℃で行ってよい。
【0046】
工程(iii)−式(V)の化合物をグアニジン又は炭酸グアニジンとMeOH又はEtOHのような好適な溶媒において、そして好適な温度、例えば、50℃〜150℃で反応させることによって、式(VI)の化合物を製造することができる。
【0047】
工程(iv)−式(VI)の化合物をオキシ塩化リンと好適な温度、例えば、50℃〜110℃で反応させることによって、式(VII)の化合物を製造することができる。
工程(v)−式(VII)の化合物を式:NHCHRのアミンの過剰量とブタノール又は1,4−ジオキサンのような好適な溶媒において、好適な温度、例えば、50℃〜150℃で反応させることによって、式(VIII)の化合物を製造することができる。あるいは、この反応は、マイクロ波において、好適な温度、例えば、50℃〜200℃で実施してよい。
【0048】
工程(vi)−式(VIII)の化合物をDCMのような好適な溶媒中のBBrの溶液と、好適な温度、例えば、0℃〜15℃で反応させることによって、式(IX)の化合物を製造することができる。
【0049】
工程(vii)−式(IX)の化合物をハロ−R又はハロ−(CR10−Rの基と、好適な塩基、例えばCsCOの存在下に、好適な溶媒、例えばNMP又はDMFにおいて、NaIの存在下であってもよく、そして好適な温度、例えば50℃〜150℃で反応させて、式(Ia)の化合物をもたらすことができる。
【0050】
あるいは、R13がアリール基を表す式(X):
【0051】
【化7】
【0052】
の化合物を、式:NHCHRのアミンの過剰量と反応させることによって、式(VIII)の化合物を製造することができる。この反応は、ブタノール又は1,4−ジオキサンのような好適な溶媒において、そして好適な温度、例えば50℃〜150℃で行ってよい。あるいは、この反応は、マイクロ波において、好適な温度、例えば50℃〜200℃で実施してよい。
【0053】
式(VI)の化合物を式:R13SOClの塩化スルホニルアリールと反応させることによって、式(X)の化合物を製造することができる。この反応は、DCMのような好適な溶媒において、トリエチルアミン又はDIPEAのような好適な塩基の存在下に、そしてDMAPのような触媒を添加して、好適な温度、例えば0℃〜50℃で行ってよい。
【0054】
あるいは、スキーム2に示すように、式(III)の化合物をNaHのような塩基と、THF又はDMFのような好適な溶媒において、好適な温度、例えば0℃〜室温(20℃)で反応させることに、式(XI)[ここでLGは、好適な脱離基、例えば、臭素又は塩素を表す]の化合物の添加を続けることによって、式(V)の化合物を製造することができる。次いで、この反応物を、好ましくは、例えば50℃〜100℃で、KIのような添加剤の存在下であってもよく、加熱する。
【0055】
【化8】
【0056】
あるいは、スキーム3[ここでHalは、臭素又はヨウ素を表す]に示すように、式(XII)の化合物と式(XIII)の化合物の間のヘック(Heck)反応によって、式(V)の化合物を製造することができる。この反応は、Pd(OAc)又は1,1’−ビス(ジtert−ブチルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)クロリド(Pd−118)のようなパラジウム触媒、NaHCO又はジシクロヘキシルメチルアミンのような塩基、及び塩化又は臭化テトラブチルアンモニウムを使用して、行ってよい。この反応は、THF又はDMAのような好適な溶媒において、好適な温度、例えば50℃〜150℃で実施する。
【0057】
【化9】
【0058】
あるいは、XがCHを表して、Lが−C(O)−O−を表して、Rがメチルを表す式(I)の化合物は、式(XIV):
【0059】
【化10】
【0060】
[式中、LGは、ブロモを表して、これは市販品を利用可能であるか、又はDCM、CHCl、又はCClのような好適な溶媒中で光と過酸化ジベンゾイル又は2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル開始剤の存在下にN−ブロモスクシンイミドを使用する、適正な前駆体の臭素化によって製造する]の化合物よりスキーム2に従って製造することができる。
【0061】
が−C(O)−O−(CR10−を表して、RがNR1112を表す式(Ib)の化合物は、(XV)型の化合物より、スキーム4に従って、EtOHのようなアルコールを含有するLiOH水溶液のような塩基の存在下に、そして好適な温度、例えば20℃〜50℃でのこのエステルの加水分解に続く、式(XVI)の酸の、例えばCOCl又はSOClでの、又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩又はベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロリン酸塩のようなカップリング剤での活性化と、NR1112を含有する好適なアルコール基との、NMP、DMF、MeCN又はTHFのような有機溶媒における、そして通常は好適な塩基、例えばトリエチルアミン又はDIPEAの存在下、好適な温度、例えば0℃〜50℃での反応によって製造することができる。
【0062】
【化11】
【0063】
が、−(CR10−(そしてmは、2、3、4、5又は6を表す)、−CH=CH−(CR10−、又は−C≡C−(CR10−を表す、式(Ic)、(Id)、又は(Ie)の化合物は、式(XVII)の化合物よりスキーム5に従って製造することができる。CuIに続いて添加する式(XVII)の化合物とPd(PPhのようなPd(0)触媒の存在下、THFのような好適な溶媒中、トリエチルアミン又はDIPEAのような好適な塩基の存在下、そして好適な温度(例、50℃〜100℃)で6〜24時間の式(XVII)のアルキンとの反応によって、式(Ic)の化合物を得る。EtOHのような好適な溶媒中、Hの圧力(例、1〜3バール)の下での式(Ic)の化合物のPd/Cのような触媒での還元によって、式(Id)の化合物を得る。同じ条件下でのさらなる還元によって、式(Ie)の化合物を得る。
【0064】
【化12】
【0065】
が直結合を表して、Rが単環の4、5、6又は7員の複素環式環を表す式(I)の化合物は、式(XIX)の化合物と式(XX)の化合物よりスキーム3に従って、そして反応スキーム1式(V)の化合物からの工程に従うことによって製造することができる。この反応は、酢酸パラジウム又はPd−118のようなパラジウム触媒、NaHCO又はジシクロヘキシルメチルアミンのような塩基、そして塩化又は臭化テトラブチルアンモニウムを使用して行ってよい。この反応は、THF又はDMAのような好適な溶媒において、そして好適な温度、例えば50℃〜150℃で実施する。
【0066】
【化13】
【0067】
Xがイオウ原子を表す式(I)の化合物は、式(XXI)の化合物を式(XXII)の化合物と反応させてから、反応スキーム1の式(VI)からの工程に従うことによって製造することができる。この反応は、エチレングリコールのような好適な溶媒において、KCOのような塩基の存在下に、好適な温度、例えば80℃〜200℃で行ってよい。
【0068】
【化14】
【0069】
Xが酸素原子を表す式(I)の化合物は、式(XXIII)[式中、LGは、好適な脱離基、例えば臭素を表す]の化合物を式(XXIV)の化合物と反応させてから、反応スキーム1の式(V)からの工程に従うことによって製造することができる。この反応は、THFのような好適な溶媒において、KCOのような塩基の存在下に、好適な温度、例えば20℃〜200℃で行ってよい。
【0070】
【化15】
【0071】
XがNH基を表す式(I)の化合物は、式(XXV)の化合物を式(XXVI)の化合物と反応させてから、反応スキーム1の式(V)からの工程に従うことによって製造することができる。ベンジル保護基は、この経路中の簡便な工程での接触水素化によって外すことができる。この反応は、トルエンのような好適な溶媒において、そして酢酸ロジウムのような好適な触媒とともに、好適な温度、例えば50℃〜150℃で行ってよい。
【0072】
【化16】
【0073】
XがNR基(ここでRは、C1−6アルキルである)を表す式(I)の化合物は、式(XXV)の化合物を式(XXVII)の化合物と反応させてから、反応スキーム1の式(V)からの工程に従うことによって製造することができる。
【0074】
【化17】
【0075】
がC1−6アルコキシ又は−S−C1−6アルキル基を表す式(I)の化合物は、スキーム6に従って製造することができる。
【0076】
【化18】
【0077】
工程(i)−式(XXVIII)の化合物をグアニジン又は炭酸グアニジンと、MeOH又はEtOHのような好適な溶媒において、好適な温度、例えば50℃〜150℃で反応させることによって、式(XXIX)の化合物を製造することができる。
【0078】
工程(ii)−式(XXIX)の化合物をPOClと、好適な温度、例えば50℃〜110℃で反応させることによって、式(XXX)の化合物を製造することができる。
工程(iii)−式(XXX)の化合物を式:NHCHRのアミンの過剰量と、ブタノール又は1,4−ジオキサンのような好適な溶媒において、そして好適な温度、例えば50℃〜150℃で反応させることによって、式(XXXI)の化合物を製造することができる。あるいは、この反応は、マイクロ波において、好適な温度、例えば0℃〜200℃で実施することができる。
【0079】
工程(iv)−式(XXXI)の化合物を適正なアルコール又はアルキルチオールと、NaHのような好適な塩基の存在下で反応させることによって、式(I)の化合物を製造することができる。
【0080】
生物学的アッセイ
TLR7を in vitro で活性化する化合物の能力について、以下に記載のヒトTLR7アッセイを使用して評価した。
【0081】
ヒトTLR7アッセイ
pNiFty2−SEAPレポータープラスミドをすでに安定的に発現しているHEK293細胞系において、組換えヒトTLR7を安定的に発現させたが、このレポーター遺伝子の組込みは、抗生物質のゼオシンでの選択によって維持した。最も一般的なヒトTLR7の変異体配列(EMBL配列:AF240467によって表される)を哺乳動物細胞発現ベクターのpUNO中へクローニングして、このレポーター細胞系へトランスフェクトした。抗生物質のブラスチシジンを使用して、発現が安定した形質移入体を選択した。このレポーター細胞系では、5つのNFκB部位を近位ELAM−1プロモーターと複合して含んでなるNFκB/ELAM−1複合プロモーターによって、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現が制御される。TLRシグナル伝達は、NFκBの転座とこのプロモーターの活性化をもたらして、SEAP遺伝子の発現が生じる。この細胞を0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下に標準化合物とともに37℃で一晩インキュベートした後で産生されるSEAPのレベルを定量することによって、TLR7特異的な活性化を評価した。化合物によるSEAP産生の濃度依存的な誘導を、その化合物でのSEAP誘導の最大レベルの半分を産生する化合物の濃度(EC50)として表現した。ヒトTLR7アッセイを使用して本発明の化合物についてのTLR7活性を評価して、その結果を以下の表1に示すが、ここでは各化合物のTLR7活性化の度合いをpEC50値として表現する。
【0082】
表1
【0083】
【表1】
【0084】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される希釈剤又は担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、癌の治療に使用してよい。この組成物は、例えば、錠剤又はカプセル剤として、経口投与に;無菌の溶液剤、懸濁液剤、又は乳剤として非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、又は注入が含まれる)に;軟膏剤又はクリーム剤として局所投与に;又は坐剤として直腸投与に適した形態であり得る。
【0085】
式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩はまた、吸入用のエアースプレー剤として投与することができる。エアースプレー剤(例、スプレー剤、エアゾール剤、乾燥粉末調製物、等)は、水溶液剤又は懸濁液剤として製剤化しても、エアゾール剤として、例えば、液化推進剤を使用することによって、加圧目盛り量吸入器のような加圧パック剤より送達してもよい。乾燥粉末調製物も使用してよい。吸入に適したエアゾール剤は、懸濁液剤でも溶液剤でもよく、典型的には、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩と、フルオロカーボン又は水素含有クロロフルオロカーボン又はこれらの混合物のような適正な推進剤を含有するものである。具体的には、それは、ヒドロフルオロアルカン、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンのようなヘプタフルオロアルカン(HFA)、又はこれらの混合物を含有してよい。エアゾール剤は、当業者によく知られた、界面活性剤(例、オレイン酸又はレシチン)及び共溶媒(例、エタノール)、等のような追加の調製賦形剤を含有してもよい。具体的には、エアゾール調製物は、「TurbuhalerTM」として知られる吸入器を使用して送達することができる。
【0086】
経口投与には、本発明の化合物を、アジュバント又は担体、例えば、乳糖、サッカロース、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、又はアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチン又はポリビニルピロリドン;及び/又は滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ロウ、パラフィン、等と混合してから、錠剤へ圧縮してよい。被覆された錠剤が求められるならば、上記の記載のように調製した錠芯を、アラビアゴム、ゼラチン、タルカン、及び二酸化チタンを含有し得る濃縮糖溶液剤でコートしてよい。あるいは、錠剤は、易揮発性の有機溶媒に溶かした好適なポリマーでコートしてよい。
【0087】
軟ゼラチンカプセル剤の調製には、本発明の化合物を、例えば、植物油又はポリエチレングリコールと混合してよい。硬ゼラチンカプセル剤は、錠剤用の上記賦形剤のいずれかを使用して、該化合物の顆粒を含有してよい。また、本発明の化合物の液体又は半固体製剤を硬ゼラチンカプセル剤へ充填してよい。
【0088】
経口適用のための液体調製物は、本発明の化合物を含有して、残余は糖と、エタノール、水、グリセロール、及びプロピレングリコールの混合物である、シロップ剤又は懸濁液剤、例えば、溶液剤の形態であってよい。このような液体調製物は、着色剤、香味剤、濃化剤としてのサッカリン及び/又はカルボキシメチルセルロース、又は当業者に知られた他の賦形剤を含有してもよい。
【0089】
通常、式(I)の化合物は、温血動物へその動物の表面積1mにつき5〜5000mg、即ちほぼ0.1〜100mg/kgの範囲内の単位用量で投与されるものであり、これが通常は治療有効量をもたらす。錠剤又はカプセル剤のような単位剤形は、普通、例えば1〜250mgの有効成分を含有する。好ましくは、1〜50mg/kgの範囲の1日用量を利用する。しかしながら、1日用量は、治療される宿主、特別な投与経路、治療される病気の重症度に依存して、必然的に変化するものである。従って、最適投与量は、特別な患者を治療している医療従事者によって決定され得る。
【0090】
投与の経路と投与レジメンに関するさらなる情報について、読者には、「Comprehensive Medicinal Chemistry(医化学総説)」(Corwin Hansch;編集局長)、ペルガモン・プレス(1990)が参考になる。
【0091】
本明細書の文脈において、「療法」という用語には、反対のことへの特定の適用がなければ、「予防」も含まれる。「療法の」及び「療法的に」という用語は、それに従って解釈されたい。
【0092】
本明細書に使用するように、「治療」という用語は、疾患の症状の1つ、いくつか、又はすべてを完全に、又は一部緩和するために、又は根底にある病理を是正又は代償するために疾患に対処することというその普通の通常の意味を有すると企図される。
【0093】
本明細書に使用するように、「予防」という用語は、その普通の通常の意味を有すると企図されて、疾患の発現を防ぐ一次予防と、疾患がすでに発症していて、その疾患の増悪又は悪化に対して、又はその疾患に関連した新たな症状の発現に抗して患者が一時的又は永続的に保護される二次予防が含まれる。
【0094】
本発明において定義される化合物は、in vitro で有効なTLR7アクチベータである。従って、本発明の化合物は、TLR7単独で、又はそれに一部媒介される疾患又は医学的状態の治療に潜在的に有用な薬剤であることが期待される。例えば、下記のパラグラフ1〜8に収載される以下の疾患及び状態は、本発明の化合物で治療可能であるかもしれない。
【0095】
1.呼吸器:気管支、アレルギー、内因性、外因性、運動誘発性、薬物誘発性(アスピリン及びNSAID誘発性が含まれる)、及び粉塵誘発性喘息が含まれ、間欠性と永続性、そしてすべての重症度の喘息と気道の過剰反応性の他の原因が含まれる、気道の閉塞性疾患;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸性の気管支炎が含まれる、気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺と関連疾患;過敏性肺炎;原因不明の線維化性胞隔炎、特発性間質性肺炎、抗新生物療法と慢性感染症(結核、アスペルギルス症、及び他の真菌感染症が含まれる)を複雑にする線維症が含まれる肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎及び血栓性障害と肺性高血圧;気道の炎症性及び分泌性状態に関連した慢性咳と医原性の咳の治療が含まれる鎮咳活性;薬物性鼻炎及び血管運動性鼻炎が含まれる、急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)が含まれる、通年性及び季節性のアレルギー性鼻炎;鼻ポリープ;感冒と、呼吸合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSが含まれる)、及びアデノウイルスによる感染症が含まれる、急性ウイルス感染症;
2.皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、又は他の湿疹性皮膚炎と遅延型過敏反応;植物及び光線皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性及び萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増多症、円形脱毛症、男性型脱毛症、スイート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;蜂巣炎(感染性と非感染性);皮下脂肪組織炎;皮膚リンパ腫、非メラノーマ皮膚癌、及び他の異形成病変;固定薬疹が含まれる、薬物起因性障害;
3.眼:眼瞼炎;通年性及び春期アレルギー性結膜炎が含まれる、結膜炎;虹彩炎;前部及び後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響を及ぼす自己免疫性の変性又は炎症性障害;交感性眼炎が含まれる、眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、及び細菌感染症が含まれる、感染症;
4.尿泌尿器:間質性腎炎及び糸球体腎炎が含まれる、腎炎;ネフローゼ症候群;急性及び慢性(間質性)膀胱炎が含まれる膀胱炎と、ハナー潰瘍;急性及び慢性尿道炎;前立腺炎;精巣上皮炎、卵巣炎、及び卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起機能不全(男性と女性の両方);
5.同種移植片拒絶:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚、又は角膜の移植に続くか又は輸血に続く、急性及び慢性の拒絶;又は慢性の移植片対宿主病;
6.慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレイブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質症候群、及びセザリー症候群が含まれる、他の自己免疫及びアレルギー性障害;
7.腫瘍:前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸及び結腸癌、胃癌、皮膚癌、及び脳腫瘍が含まれる一般的な癌と、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫のような骨髄及びリンパ増殖系に影響を及ぼす悪性疾患(白血病が含まれる)の治療;転移性疾患及び腫瘍再発、及び腫瘍随伴症候群の予防及び治療が含まれる;並びに、
8.感染性疾患:生殖器いぼ、尋常性いぼ、足底いぼ、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟いぼ症、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HPV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、帯状疱疹ウイルス(VZV)、リノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザのようなウイルス疾患;結核及びトリ結核菌、ライ病のような細菌性疾患;真菌性疾患、クラミジア症、カンジダ症、アスペルギルス症、クリプトコッカス髄膜炎、ニューモシスティス・カリニ、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーム感染症、及びリーシュマニア症のような他の感染性疾患。
【0096】
本明細書に言及する治療の方法では、式(I)の化合物を哺乳動物、より特別にはヒトへ投与することが想定される。同様に、本明細書に言及する疾患又は医学的状態の治療への式(I)の化合物の使用についても、式(I)の化合物を哺乳動物、より特別にはヒトへ投与することが想定される。
【0097】
故に、本発明の別の側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、医薬品としての使用に提供する。
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、TLR7により媒介される疾患の治療における使用を提供する。本発明の1つの態様において、TLR7により媒介される前記疾患は、癌である。本発明のさらなる態様において、前記癌は、前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、肝臓癌、腎癌、卵巣癌、結腸癌、胃癌、皮膚癌、脳腫瘍、悪性骨髄腫、及びリンパ増殖性腫瘍より選択される。本発明の1つの態様において、TLR7により媒介される前記疾患は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症、又は皮膚疾患である。
【0098】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、TLR7により媒介される疾患の治療用医薬品の製造への使用を提供する。本発明の1つの態様において、TLR7により媒介される前記疾患は、癌である。本発明のさらなる態様において、前記癌は、前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、肝臓癌、腎癌、卵巣癌、結腸癌、胃癌、皮膚癌、脳腫瘍、悪性骨髄腫、及びリンパ増殖性腫瘍より選択される。本発明の1つの態様において、TLR7により媒介される前記疾患は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症、又は皮膚疾患である。
【0099】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、癌の治療用医薬品の製造への使用を提供する。本発明の1つの態様において、前記癌は、前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、肝臓癌、腎癌、卵巣癌、結腸癌、胃癌、皮膚癌、脳腫瘍、悪性骨髄腫、及びリンパ増殖性腫瘍より選択される。
【0100】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症、又は皮膚疾患の治療用医薬品の製造への使用を提供する。
【0101】
本発明の1つの側面において、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を癌の治療における使用に提供する。
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、癌の治療のために使用する方法を提供する。本発明の1つの態様において、前記癌は、前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、肝臓癌、腎癌、卵巣癌、結腸癌、胃癌、皮膚癌、脳腫瘍、悪性骨髄腫、及びリンパ増殖性腫瘍より選択される。
【0102】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症、又は皮膚疾患の治療のために使用する方法を提供する。
【0103】
本発明のさらなる側面により、TLR7の活性化が有益である疾患に罹患しているヒトを治療する方法を提供し、該方法は、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療有効量を、その治療を必要とするヒトへ投与する工程を含んでなる。本発明の1つの態様において、TLR7の活性化が有益である疾患は、癌である。本発明のさらなる態様において、前記癌は、前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、肝臓癌、腎癌、卵巣癌、結腸癌、胃癌、皮膚癌、脳腫瘍、悪性骨髄腫、及びリンパ増殖性腫瘍より選択される。本発明の1つの態様において、TLR7の活性化が有益である疾患は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症、又は皮膚疾患である。
【0104】
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、前立腺癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、乳癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、肺癌であってよい。
【0105】
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、子宮癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、膵臓癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、肝臓癌であってよい。
【0106】
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、腎癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、卵巣癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、結腸癌であってよい。
【0107】
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、胃癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、皮膚癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、脳腫瘍であってよい。
【0108】
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、悪性骨髄腫癌であってよい。
本明細書に記載のどの側面又は態様においても、癌は、リンパ増殖性腫瘍であってよい。
【0109】
上記に明確化した抗癌治療は、単独療法として適用しても、本発明の化合物に加えて、慣用の外科療法、放射線療法、又は化学療法を伴ってよい。このような化学療法には、以下のカテゴリーの抗腫瘍剤の1以上を含めてよい:
(i)アルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾラミド、及びニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば、ゲンシタビンと、5−フルオロウラシル及びテガフールといったフルオロピリミジン類、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、及びヒドロキシ尿素のような抗葉酸剤);抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン類);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド、タキソール及びタキソテレのようなタキソイド類、及びポロキナーゼ阻害剤);及びトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、及びカンプトテシン)のような、医科腫瘍学において使用される他の抗増殖/抗新生物薬とそれらの組合せ;
(ii)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、及びヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、及び酢酸シプロテロン)、LHRLアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、及びブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、及びエキセメスタン)、並びにフィナステリドのような5α−レダクターゼの阻害剤といった、細胞増殖抑止剤;
(iii)抗浸潤剤[例えば、4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願WO01/94341)、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミド(ダサチニブ、BMS−354825;J. Med. Chem., 2004, 47, 6658-6661)、及びボスチニブ(SKI−606)のようなc−Srcキナーゼファミリー阻害剤、マリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーター受容体機能の阻害剤、又はヘパラナーゼへの抗体];
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば、そのような阻害剤には、増殖因子抗体と増殖因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体のトラスツツマブ[HerceptinTM]、抗EGFR抗体のパニツムマブ、抗erbB1抗体のセツキシマブ[Erbitux,C225])、及び、Stern et al. Critical reviews in oncology/haematology, 2005, Vol. 54, pp 11-29 によって開示されるあらゆる増殖因子又は増殖因子受容体抗体が含まれ;そのような阻害剤にはまた、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、表皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)、及び6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033)のようなEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブのようなerbB2チロシンキナーゼ阻害剤)、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;インスリン増殖因子ファミリーの阻害剤;イマチニブ及び/又はニロチニブ(AMN107)のような血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤;セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤のようなRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えば、ソラフェニブ(BAY43−9006)、チピファルニブ(R115777)、及びロナファルニブ(SCH66336))、MEK及び/又はAKTキナーゼを介した細胞シグナル伝達の阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、Plt3キナーゼ阻害剤、CSF−1Rキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;auroraキナーゼ阻害剤(例えば、AZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528、及びAX39459)、並びに、CDK2及び/又はCDK4阻害剤のようなサイクリン依存型キナーゼ阻害剤が含まれる;
(v)血管内皮増殖因子の効果を阻害するもののような抗血管新生剤[例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体のベバシズマブ(AvastinTM)、並びに、例えば、バンデタニブ(ZD6474)、バタラニブ(PTK787)、スニチニブ(SU11248)、アキシチニブ(AG−013736)、パゾパニブ(GW786034)、及び4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212内の実施例240)のような、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856、及びWO98/13354に開示されるような化合物、並びに他の機序によって作用する化合物(例えば、リノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、及びアンジオスタチン)];
(vi)コンブレタスタチンA4のような血管傷害剤と、国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、及びWO02/08213に開示される化合物;
(vii)エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えば、ジボテンタン(ZD4054)又はアトラセンタン;
(viii)アンチセンス療法、例えば、ISIS2503、抗rasアンチセンスのような、上記に列挙される標的へ指向されるもの;
(ix)例えば、異常p53又は異常BRCA1若しくはBRCA2のような異常遺伝子を置換するアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、又は細菌の窒素レダクターゼ酵素を使用するようなGDEPT(遺伝子指向型酵素プロドラッグ療法)アプローチ、及び、多剤耐性遺伝子治療のような、化学療法又は放射線療法への患者耐性を高めるアプローチが含まれる、遺伝子治療アプローチ;並びに
(x)例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインでのトランスフェクションのような、患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるための ex-vivo 及び in-vivo アプローチ、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、サイトカインにトランスフェクトされた樹状細胞のようなトランスフェクトされた免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインにトランスフェクトされた腫瘍細胞系を使用するアプローチと抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチ、制御性T細胞、骨髄由来サプレッサー細胞、又はIDO(インドールアミン2,3−デオキシゲナーゼ)発現樹状細胞のような免疫抑制細胞の機能を減少させるアプローチ、及びNY−ESO−1、MAGE−3、WT1、又はHer2/neuのような腫瘍関連抗原に由来するタンパク質又はペプチドからなる癌ワクチンを使用するアプローチが含まれる、免疫療法アプローチ。
【0110】
本発明のこの側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物と上記に明確化されるような追加の抗腫瘍物質を含んでなる医薬製品を癌の併用治療に提供する。
本発明のこの側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩と上記の(i)〜(ix)に収載される任意の1つを含んでなる、癌の治療における使用に適した組合せを提供する。
【0111】
故に、本発明のさらなる側面において、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせた、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【0112】
本明細書において、「組合せ」という用語が使用される場合、これが同時、分離、又は連続の投与を意味すると理解されたい。本発明の1つの側面において、「組合せ」は、同時の投与を意味する。本発明の別の側面において、「組合せ」は、分離の投与を意味する。本発明のさらなる側面において、「組合せ」は、連続の投与を意味する。投与が連続又は分離である場合、第二成分を投与するときの遅れは、この組合せの有益な効果を失わせるようなものであってはならない。
【0113】
本発明のさらなる側面により、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される希釈剤又は担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0114】
本発明のさらなる側面により、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される希釈剤又は担体と一緒に含む医薬組成物を、癌の治療における使用に提供する。
【0115】
本発明の別の特徴により、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、ヒトのような温血動物における癌の治療に使用の医薬品の製造における使用を提供する。
【0116】
本発明の別の特徴により、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、ヒトのような温血動物での癌の治療における使用に提供する。
【0117】
故に、本発明の追加の特徴において、癌の治療を必要とする、ヒトのような温血動物においてそれを治療する方法を提供し、該方法は、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記動物へ投与することを含む。
【0118】
本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤と組み合わせて含んでなるキットを提供する。
【0119】
本発明のさらなる側面により:
a)第一の単位剤形での式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩;
b)第二の単位剤形での、本明細書の上記の(i)〜(ix)に収載される1つより選択される抗腫瘍剤;及び
c)前記第一及び第二の剤形を含有するための容器手段を含んでなるキットを提供する。
【0120】
本発明の1つの側面において、式(I)の化合物は、ワクチンアジュバントとして有用であり得る。
本発明のさらなる側面として、本明細書に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩をワクチンアジュバントとしての使用に提供する。
【0121】
本発明のさらなる側面として、ワクチンアジュバントとしての、本明細書に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、疾患又は状態の治療用ワクチンの製造における使用を提供する。
【0122】
なおさらに、本発明は、疾患又は状態を治療するか又はそのリスクを抑える方法を提供し、該方法は、ワクチンと本明細書に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む。
【0123】
なおさらに、本発明は、患者においてワクチンへの応答を高める方法を提供し、該方法は、ワクチンと本明細書に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む。
【実施例】
【0124】
これから本発明を以下の「実施例」で例解するが、ここでは一般に、他に述べなければ、すべての出発材料が市販品を利用可能である。「実施例」において使用するすべての溶媒と市販の試薬は、実験室グレードであって、受領したまま使用した。すべての操作を周囲温度、即ち、17〜28℃の範囲、典型的には20℃で、適宜、窒素のような不活性気体の雰囲気下で行った。「マイクロ波」加熱は、CEM DiscoverTMマイクロ波反応器において変動出力マイクロ波照射を使用して、一定温度まで加熱することを意味する。水素化反応は、Buchi PetericTMシステム又はThalesNano H−CubeTMシステムを使用して、詳述するように行った。すべての溶液の濃縮は、例えば、Buchi RotavaporTMロータリーエバポレーターを使用して、減圧下(真空中)の蒸発によって行った。
【0125】
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカ(粒径<63μm;空隙60A(オングストローム);表面積:約500m/g)でコートしたアルミニウム又はガラス支持プレートを蛍光(UV254)指示薬とともに使用して行った。溶出の後で、プレートをUV254照射によって可視化するか、又はヨウ素(シリカ上へプレ吸着)、過マンガン酸カリウムの水溶液、又は硝酸アンモニウムセリウム(IV)の水溶液のような好適な指示薬で呈色させた。指示薬調製法の例は、「Experimental Organic Chemistry: Preparative and Microscale(実験有機化学:調製法と微量分析)」第2版(Harwood, L., Moody, C. and Percy, J.)、ウィリーブラックウェル(1998)に見出すことができる。
【0126】
分析用HPLCは、Waters XBridgeTMC8 3.5μmカラム(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、0.1%ギ酸水溶液、0.1%酢酸アンモニウム水溶液、又は0.1% NH水のいずれかにおけるMeCNの勾配で溶出させる);Waters XBridgeTMC18 3.5μmカラム(0.1% NH水中のMeCNの勾配で溶出させる);Waters SymmetryTMC18 3.5μmカラム(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中のMeCNの勾配で溶出させる);Waters SunfireTMC8 3.5μmカラム(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中のMeCNの勾配で溶出させる);又は、Phenomenex GeminiTMC18 3μmカラム(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中のMeCNの勾配で溶出させる)のいずれかを使用して行った。Agilant 1100TMシステム、又は同等物でのダイオードアレイを使用して、溶出したピークのUVスペクトルを測定した。
【0127】
シリカ(粒径<63μm;空隙60A(オングストローム);表面積:約500m/g)上での中速液体クロマトグラフィー(MPLC)は、プレ充填Biotage FLASHTMカラム、又はその同等物(例、Thomson SINGLE StEPTM、Biotage IsoluteTM、Teledyne Isco RediSepTM、又はSilicycle UltraPureシリカカラム)を推奨の溶媒流速と試料ローディングで使用して行った。TLC又は分析用HPLCのいずれかによって、画分の純度を定量した。
【0128】
分取用HPLCは、Phenomenex GeminiTMC18 5μmカラム、Waters SunfireTMC18 5μmカラム、Waters XBridgeTMC8 5μmカラム、又はWaters XTerraTM5μmカラムのいずれかを使用し、他に詳述しなければ、0.1〜0.2%トリフルオロ酢酸水溶液中のMeCN、0.1〜0.2%酢酸アンモニウム水溶液中のMeCN、又は0.1〜0.2% NH水溶液中のMeCNのいずれかを溶出液として詳述のように使用して行った。220又は254nmのような波長でのUV分光法による検出に従って画分を回収した。TLC又は分析用HPLCのいずれかによって、画分の純度を定量した。
【0129】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、Bruker Avance 600(600MHz)、Bruker DRX 500(500MHz)、又はVarian UnityInova 500MHz、400MHz、又は300MHzの機器で記録した。クロロホルム−d(CDCl;δ 7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d(d−DMSO;δ 2.50ppm)、又は内部標準のテトラメチルシラン(TMS;δ 0.00ppm)の中央ピークのいずれかを基準値として使用した。他に特定しなければ、H NMRスペクトルは、重水素化DMSOを使用して決定した。以下の略語をNMRデータに使用する:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、dd=二重項の二重項、tt=三重項の三重項、br=ブロード、qn.=五重項。質量スペクトルは、分析用HPLCに続いて、Agilent MSD又は類似の機器(+ve及び−ve APCI、及び/又はエレクトロスプレー(他に述べなければ、「マルチモード+」で))で記録した。
【0130】
他の方法は、いずれも、例えば、「Experimental Organic Chemistry:Preparative and Microscale(実験有機化学:調製法と微量分析)」第2版(Harwood, L., Moody, C. and Percy, J.)、ウィリーブラックウェル(1998)に詳述されるような標準実験技術を使用して行った。
【0131】
本明細書の科学的なパートでは、以下の略語を使用することがある:EtOAc=酢酸エチル;DCM=ジクロロメタン;NMP=N−メチルピロリジノン;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;THF=テトラヒドロフラン;MeOH=メタノール;EtOH=エタノール;MeCN=アセトニトリル;Pd/C=パラジウム担持カーボン;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;sat.=飽和;aq.=水性;DMA=N,N−ジメチル−アセトアミド;conc.=濃縮;r.t.=室温;h=時間;min(s)=分;M=モル濃度;MS=質量分析法;APCI=大気圧化学イオン化法;ESI=電子スプレーイオン化法;SCX=スルホン酸吸着剤での固相抽出;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;RPHPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー;FCC=シリカを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィー;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン。
【0132】
実施例1:5−(4−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
(i)2−(4−メトキシ−ベンジル)−3−オキソ−酪酸エチルエステル
4−メトキシ−ベンズアルデヒド(10.0g)のトルエン(150mL)溶液へアセト酢酸エチル(11.7mL)を加えた。次いで、ピペリジン(0.80mL)と酢酸(2.30mL)を加えて、この混合物を還流で20時間加熱した。次いで、溶媒を除去して、生じる橙色のオイルをEtOH(0.30L)に溶かして、10% Pd/C(0.50g)を加えて、H(2バール)下に3時間撹拌した。この反応混合物を珪藻土(CeliteTM)に通して濾過して、溶媒を蒸発によって除去した。粗生成物をFCCによって精製して、副題化合物(12.7g)をオイルとして得た;1H NMR: 7.19 (1H, t), 6.75 (3H, m), 4.15 (2H, q), 3.78 (4H, m), 3.13 (2H, d), 2.20 (3H, s), 1.26 (3H, t); LC-MS m/z 249 ESI。
【0133】
(ii)2−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−ピリミジン−4−オール
工程(i)からの生成物(5.30g)のエタノール(50.0mL)溶液へ炭酸グアジニウム(3.90g)を加えて、80℃で15時間加熱した。冷却後、生成物を固形物として濾過して取って、これを水に懸濁させて濾過によって回収し、EtOAcで洗浄して乾燥させて、副題化合物(3.40g)を得た;1H NMR: 10.83 (1H, s), 7.08 (2H, d), 6.79 (2H, d), 6.34 (2H, s), 3.69 (3H, s), 3.56 (2H, s), 2.00 (3H, s); LC-MS m/z 246 ESI。
【0134】
(iii)4−クロロ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−ピリミジン−2−イルアミン
工程(ii)の生成物(1.00g)をPOCl(10.0mL)へ加えて、この混合物を100℃で15時間加熱した。溶媒を除去して、残渣を水で希釈して、飽和NaHCOでpH7へ調整した。この混合物を50℃で2時間加熱してから、EtOAcで抽出し、乾燥させて溶媒を除去して、副題化合物(0.71g)を白色の固形物として得た;1H NMR: 7.02 (2H, d), 6.85 (2H, d), 6.84 (2H, s), 3.88 (2H, s), 3.71 (3H, s), 2.21 (3H, s); LC-MS m/z 263 ESI。
【0135】
(iv)5−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−N−ペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン
ジオキサン(30.0mL)中の工程(iii)の生成物(3.00g)へペンチルアミン(5.30mL)を加えて、この混合物を100℃で48時間加熱した。溶媒を除去して、残渣をEtOAcに溶かして飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させて、溶媒を除去した。この粗製の化合物をFCCによって精製して、表題化合物(2.30g)を白色の固形物として得た;1H NMR: 7.02 (2H, d), 6.81 (2H, d), 6.31-6.22 (1H, m), 5.83 (2H, s), 3.69 (3H, s), 3.66 (2H, s), 3.25 (2H, q), 2.03 (3H, s), 1.43 (2H, q), 1.28-1.06 (4H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 315。
【0136】
実施例2:4−(2−アミノ−4−メチル−6−ペンチルアミノ−ピリミジン−5−イルメチル)−フェノール
実施例1の生成物(2.30g)のDCM溶液へBBrの溶液(DCM中1M,14.6mL)を0℃で加えて、1時間撹拌した。氷と水を加えて、この混合物を30分間撹拌してから、有機相を分離させ、水層をEtOAcで抽出して、合わせた有機物を乾燥させて、溶媒を蒸発によって除去した。粗生成物をFCCによって精製して、表題化合物(1.11g)をクリーム色の固形物として得た;1H NMR: 11.96 (1H, s), 7.57 (1H, s), 7.07 (2H, s), 6.93 (2H, d), 6.67 (2H, d), 3.69 (2H, s), 3.38-3.32 (2H, m), 2.16 (3H, s), 1.46 (2H, q), 1.27-1.18 (2H, m), 1.15-1.07 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 301。
【0137】
実施例3:5−(4−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例2の生成物(0.10g)のDMF(2.00mL)懸濁液へCsCO(0.24g)を加えて、室温で30分間撹拌した。2−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(0.096g)、CsCO(0.24g)、及びNaI(0.05g)の混合物も30分間撹拌して、この2つの混合物を合わせて、110℃で2時間加熱した。この反応物を濾過し、水で希釈し、EtOAcで抽出し、乾燥させて、溶媒を除去した。粗生成物をRPHPLCによって精製して、表題化合物(0.035g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.00 (2H, d), 6.81 (2H, d), 6.04 (1H, t), 5.62 (2H, s), 3.97 (2H, t), 3.65 (2H, s), 3.24 (2H, q), 2.57 (2H, t), 2.19 (6H, s), 2.01 (3H, s), 1.43 (2H, qn), 1.27-1.08 (4H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 372。
【0138】
実施例4:5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
ジメチルアミノ−プロピルクロリド塩酸塩(0.105g)を使用して、実施例3の方法によって表題化合物を製造して、生成物(0.039g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.02 (2H, d), 6.81 (2H, d), 6.53 (1H, s), 6.10 (2H, s), 3.93 (2H, t), 3.68 (2H, s), 3.30-3.24 (2H, m), 2.53-2.48 (2H, m), 2.27 (6H, s), 2.06 (3H, s), 1.86 (2H, qn), 1.43 (2H, qn), 1.26-1.06 (4H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 386。
【0139】
実施例5:6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
N−(2−クロロエチル)−ピペリジン塩酸塩(0.12g)を使用して、実施例3の方法によって表題化合物を製造して、生成物(0.058g)を白色の固形物として得た;1H NMR: 7.00 (2H, d), 6.81 (2H, d), 6.03 (1H, t), 5.61 (2H, s), 3.98 (2H, t), 3.65 (2H, s), 3.23 (2H, q), 2.60 (2H, t), 2.42-2.37 (4H, m), 2.01 (3H, s), 1.50-1.33 (8H, m), 1.26-1.18 (2H, m), 1.16-1.07 (2H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 412。
【0140】
実施例6:6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
N−(2−クロロエチル)−ピロリジン塩酸塩(0.115g)を使用して、実施例3の方法によって表題化合物を製造して、生成物(0.035g)を無色のオイルとして得た。
【0141】
1H NMR: 7.00 (2H, d), 6.81 (2H, d), 6.04 (1H, t), 5.61 (2H, s), 3.99 (2H, t), 3.65 (2H, s), 3.24 (2H, q), 2.74 (2H, t), 2.37-2.20 (4H, m), 2.02 (3H, s), 1.69-1.63 (4H, m), 1.48-1.37 (2H, m), 1.27-1.08 (4H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 398。
【0142】
実施例7:5−(4−(2−(ベンジル(メチル)アミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン
N−(2−クロロエチル)−N−メチルベンジルアミン塩酸塩(0.147g)を使用して、実施例3の方法によって表題化合物を製造して、生成物(0.032g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.35-7.18 (5H, m), 7.00 (2H, d), 6.81 (2H, d), 6.05 (1H, t), 5.62 (2H, s), 4.10-4.01 (2H, m), 3.65 (2H, s), 3.55 (2H, s), 3.24 (2H, q), 2.70 (2H, t), 2.21 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.43 (2H, qn), 1.27-1.09 (4H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 448。
【0143】
実施例8:3−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−フェノキシ)プロパン−1−オール
実施例2の生成物(0.35g)のDMF(10.0mL)懸濁液へCsCO(0.25g)を加えて、この混合物を室温で30分間撹拌した。3−ブロモ−1−プロパノール(0.158mL)とNaI(0.05g)を加えて、この混合物を100℃で9時間加熱した。この反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、乾燥させて、溶媒を除去した。粗生成物を10:1 DCM−MeOHで溶出させるFCCによって精製して、表題化合物(0.24g)を、静置時に固化する無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.00 (2H, d), 6.80 (2H, d), 6.05 (1H, t), 5.62 (2H, s), 4.50 (1H, t), 3.96 (2H, t), 3.64 (2H, s), 3.53 (2H, q), 3.24 (2H, q), 2.01 (3H, s), 1.82 (2H, qn), 1.43 (2H, qn), 1.28-1.17 (2H, m), 1.17-1.07 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 359。
【0144】
実施例9:6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
(i)5−(4−(3−クロロプロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例8の生成物(0.32g)のDCM(5mL)溶液へSOCl(0.5mL)を加えて、この溶液を室温で36時間撹拌した。溶媒を除去して、この粗製材料を、DCMに次いで20:1のDCM−MeOHで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(0.124g)を橙色のオイルとして得た;1H NMR: 7.88 (1H, t), 7.07 (2H, d), 6.87 (2H, d), 4.04 (2H, t), 3.79-3.74 (4H, m), 3.36-3.25 (2H, m), 2.20 (3H, s), 2.17-2.10 (2H, m), 1.51-1.43 (2H, m), 1.27-1.15 (2H, m), 1.12-1.02 (2H, m), 0.80 (3H, t)。
【0145】
(ii)6−メチル−N−ペンチル−5−(4−(3−(ピロリジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
トリエチルアミン(0.09mL)、NaI(0.01g)、及び工程(i)の生成物(0.04g)のDMF(2mL)懸濁液へピロリジン(0.027mL)を加えた。この混合物を80℃で15時間加熱してから室温へ冷やし、水で希釈し、EtOAcで抽出し、乾燥させて、溶媒を除去した。粗生成物をRPHPLCによって精製して、表題化合物(7mg)を橙色のオイルとして得た;1H NMR: 7.86 (s, 1H), 7.41 (s, 2H), 7.07 (d, 2H), 6.86 (d, 2H), 4.00 (t, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.22 (t, 2H), 3.17 (s, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.15-2.06 (m, 2H), 2.02-1.83 (m, 4H), 1.30-1.15 (m, 4H), 1.15-1.03 (m, 6H), 0.81 (t, 3H); LC-MS m/z 412。
【0146】
実施例10:6−メチル−5−(4−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例9工程(i)の生成物(0.04g)と1−メチルピペラジン(0.0354mL)を使用して、実施例9工程(ii)の方法によって表題化合物を製造して、生成物(9mg)を黄色のオイルとして得た;1H NMR 7.00 (2H, d), 6.79 (2H, d), 6.02 (1H, t), 5.61 (2H, s), 3.92 (2H, t), 3.64 (2H, s), 3.23 (2H, q), 2.42-2.24 (10H, m), 2.13 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.81 (2H, qn), 1.42 (2H, qn), 1.28-1.16 (2H, m), 1.16-1.06 (2H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 441。
【0147】
実施例11:5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
(i)4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンズアルデヒド
DMF(50mL)中の4−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアルデヒド(2g)及びCsCO(12.85g)へ3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(2.493g)とNaI(0.394g)を加えた。生じる懸濁液を100℃で1時間撹拌した。この反応混合物を濾過して、EtOAc(100mL)で希釈した。有機相を水と塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過して、蒸発によって濃縮して、副題化合物(2.23g)を黄色のオイルとして得た;1H NMR: 10.17 (1H, s), 7.65 (1H, d), 6.67 (1H, d), 6.64 (1H, dd), 4.12 (2H, t), 3.90 (3H, s), 2.35 (2H, t), 2.14 (6H, s), 1.87 (2H, qn)。
【0148】
(ii)2−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジリデン)−3−オキソブタン酸エチル
工程(i)からの生成物(2.23g)のトルエン(50mL)溶液へアセト酢酸エチル(1.489mL)、ピペリジン(0.047mL)、及び酢酸(0.145mL)を加えて、この混合物を110℃で5日間撹拌した。溶媒を減圧下に除去して副題化合物(3.57g)を得て、これを精製せずに次の工程に使用した。
【0149】
(iii)2−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−3−オキソブタン酸エチル
工程(ii)からの生成物(3.57g)及び10% Pd/C(0.2g)のEtOH(50mL)懸濁液を3バール下に室温で16時間水素化した。この反応混合物を珪藻土(CeliteTM)に通して濾過して、濾液を蒸発によって濃縮した。粗生成物をEtOAc中0〜10% MeOHで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(1.25g)を黄色のオイルとして得た;1H NMR: 6.95 (1H, d), 6.51 (1H, d), 6.40 (1H, dd), 4.10-4.00 (2H, m), 3.96 (2H, t), 3.83 (1H, t), 3.77 (3H, s), 3.01-2.81 (2H, m), 2.34 (2H, t), 2.14 (9H, s), 1.82 (2H, qn), 1.12 (3H, t)。
【0150】
(iv)2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−オール
工程(iii)からの生成物(1.25g)のEtOH(20mL)溶液へ炭酸グアニジン(0.716g)を1分量で加えて、この混合物を80℃で15時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(20mL)で希釈し、水で洗浄し、乾燥させて、蒸発させた。残渣をヘキサン−EtOAc(5:1;20mL)に懸濁させて、固形物を濾過によって回収して、副題化合物(0.87g)を薄黄色の固形物として得た;1H NMR: 6.72 (d, 1H), 6.60 (s, 2H), 6.48 (d, 1H), 6.35 (dd, 1H), 3.93 (t, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.46 (s, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.13 (s, 6H), 1.90 (s, 3H), 1.84-1.78 (m, 2H)。
【0151】
v)4−クロロ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−2−アミン
実施例1工程(iii)の方法と工程(iv)の生成物を使用して、副題化合物(0.71g)を製造して、黄褐色の固形物を得た;1H NMR: 6.83 (s, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.54 (d, 1H), 6.41 (dd, 1H), 4.00 (t, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.75 (s, 2H), 3.05-2.95 (m, 2H), 2.63 (s, 6H), 2.15 (s, 3H), 2.11-2.01 (m, 2H)。
【0152】
(vi)5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(v)からの生成物(100mg)のNMP(2mL)溶液へアミルアミン(0.127mL)を加えて、150℃で15時間撹拌した。この混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、飽和NaHCO(10mL)、水(10mL)、及び飽和塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させて、溶媒を蒸発によって除去した。粗生成物をRPHPLCに次いでジエチルエーテルでの摩砕によって精製して、表題化合物(8mg)を白色の固形物として得た;1H NMR: 6.60 (d, 1H), 6.53 (d, 1H), 6.37 (dd, 1H), 5.86 (t, 1H), 5.61 (s, 2H), 3.93 (t, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 3.21 (q, 2H), 2.35-2.30 (m, 2H), 2.12 (s, 6H), 1.98 (s, 3H), 1.80 (q, 2H), 1.46-1.36 (m, 2H), 1.28-1.18 (m, 2H), 1.17-1.08 (m, 2H), 0.82 (t, 3H); LC-MS m/z 416。
【0153】
この表題化合物は、以下の方法によっても作製することができる:
THF(5mL)中の実施例36からの生成物(0.17g)とトリエチルアミン(0.072mL)の混合物へ塩化メタンスルホニル(0.040mL)を0℃で加えて、この混合物を30分間撹拌した。飽和NaHCOを加えて、この混合物をCHClで2回抽出してから、合わせた有機層を乾燥させて、濃縮した。残渣をDMF(5mL)に溶かしてから、ジメチルアミン(40%水溶液、2mL)を加えて、この混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、この混合物を4% NH溶液と塩水で処理して、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で2回洗浄し、乾燥させて、濃縮した。残渣をFCCによって精製して、表題化合物(0.10g)を白色の固形物として得た;1H NMR: 6.61 (d, 1H), 6.53 (d, 1H), 6.37 (dd, 1H), 6.18 (br t, 1H), 5.91 (brs, 2H), 3.94 (t, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.53 (s, 2H), 3.22 (q, 2H), 2.42 (t, 2H), 2.20 (s, 6H), 2.00 (s, 3H), 1.85 (tt, 2H), 1.42 (tt, 2H), 1.24 (m, 2H), 1.13 (m, 2H), 0.82 (t, 3H); LC-MS m/z 415 ESI。
【0154】
実施例12:4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル
(i)4−(2−(エトキシカルボニル)−3−オキソブチル)−3−メトキシ安息香酸メチル
アセト酢酸エチル(4.4mL)のTHF(60mL)溶液へNaH(鉱油中60%,1.45g)を0℃で10分にわたり少量ずつ加えて、この混合物を10分間撹拌した。4−(ブロモメチル)−3−メトキシ安息香酸メチル(7.5g)のTHF(40mL)溶液を加えて、この混合物を70℃へ温めて、15時間撹拌した。この反応物を氷/水(300mL)へ注いで、30分間撹拌した。この水性混合物をEtOAcで抽出し、乾燥させて、蒸発によって濃縮して、副題化合物を得た。この反応を同一のスケールで繰り返した。この粗生成物の2つのバッチを合わせて、8:2〜7:3のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(14.7g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.48 (dd, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.24 (d, 1H), 4.05 (q, 2H), 3.95 (dd, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.10 (dd, 1H), 3.00 (dd, 1H), 2.17 (s, 3H), 1.09 (t, 3H)。
【0155】
(ii)4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル
実施例1工程(ii)の方法と工程(i)からの生成物(14.7g)を使用して副題化合物を生成して、副題化合物(8.6g)を無色の固形物として得て、これをさらに精製せずに使用した;1H NMR: 10.78 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.45 (s, 1H), 6.98 (d, 1H), 6.34 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.61 (s, 2H), 1.93 (s, 3H); LC-MS m/z 304。
【0156】
(iii)4−((2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル
実施例1工程(iii)の方法と工程(ii)からの生成物(8.6g)を使用して副題化合物を生成して、副題化合物(9.05g)を無色の固形物として得て、これをさらに精製せずに使用した;1H NMR: 7.50 (s, 2H), 7.49 (d, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.81 (d, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.84 (s, 2H), 2.16 (s, 3H)。
【0157】
(iv)4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸メチル
工程(iii)の生成物(5g)のNMP(80mL)溶液へペンチルアミン(7.22mL)を加えて、この混合物を150℃で15時間撹拌した。この反応混合物を冷やし、EtOAc(200mL)で希釈し、水(3x200mL)、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。残渣をジエチルエーテル(20mL)に懸濁させて、生成した固形物を濾過によって採取して、表題化合物(1.21g)を無色の固形物として得た;1H NMR 7.48 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 6.81 (d, 1H), 6.07 (t, 1H), 5.68 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.68 (s, 2H), 3.25-3.20 (m, 2H), 1.93 (s, 3H), 1.47-1.38 (m, 2H), 1.27-1.08 (m, 4H), 0.81 (t, 3H); LC-MS m/z 373。
【0158】
実施例13:4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチル−ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル
4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル
実施例12工程(iii)からの生成物(1.2g)のNMP(20mL)溶液へ(S)−2−アミノペンタン−1−オール(0.769g)を加えて、この混合物を120℃で60時間撹拌した。次いで、この反応混合物を冷やし、EtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(2x50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。粗生成物を20:1〜10:1のDCM−MeOHで溶出させるFCCによって精製して、橙色のオイル(0.475g)を得た。100mgの試料をRPHPLCによってさらに精製して、表題化合物(15mg)を橙色のゴムとして得た;1H NMR: 7.48 (d, 1H), 7.46 (dd, 1H), 6.89 (d, 1H), 5.68 (s, 2H), 5.50 (d, 1H), 4.58-4.48 (m, 1H), 4.17-4.05 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.70 (s, 2H), 3.39-3.20 (m, 2H), 1.99 (s, 3H), 1.54-1.39 (m, 1H), 1.33-1.20 (m, 1H), 1.16-1.02 (m, 2H), 0.76 (t, 3H); LC-MS m/z 389。
【0159】
実施例14:4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシヘプタン−3−イルアミノ)−6−メチル−ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル
(i)ヘプト−2−エン酸(E)−tert−ブチル
バレルアルデヒド(5.81g)のTHF(100mL)溶液へtert−ブトキシカルボニル−メチレントリフェニルホスホラン(25.4g)を加えて、この混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣をジエチルエーテルにスラリー化させてから、この混合物を濾過した。濾液を蒸発によって濃縮し、残渣を97:3のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(8.5g)を得た;1H NMR (CDCl3): 6.86 (dt, 1H), 5.73 (dt, 1H), 2.25-2.09 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.47-1.27 (m, 4H), 0.90 (t, 3H)。
【0160】
(ii)3−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)ヘプタン酸(S)−tert−ブチル
(S)−N−ベンジル−1−フェニルエタンアミン(15.59g)の撹拌THF(150mL)溶液へn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M,27.66mL)を−78℃で加えた。この反応混合物を30分間撹拌してから、THF(50mL)中の工程(i)からの生成物(8.5g)を加えて、この反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。この混合物を飽和NHCl溶液で冷まして、室温へ温めた。この混合物をEtOAcと水の間で分配し、有機相を水で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。残渣を95:5のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(12.7g)を得た;1H NMR (CDCl3): 7.49-7.15 (m, 10H), 3.87-3.70 (m, 2H), 3.48 (d, 1H), 3.35-3.21 (m, 1H), 1.99-1.78 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.39 (s, 9H), 1.36-1.14 (m, 6H), 0.88 (t, 3H); LC-MS m/z 396 ESI。
【0161】
(iii)(S)−3−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)ヘプタン酸
工程(ii)からの生成物(12g)をDCM(40mL)とトリフルオロ酢酸(2mL)に溶かして、生じる混合物を24時間撹拌した。溶媒を蒸発によって除去して、副題化合物(17g)を得た;LC-MS m/z 340 ESI。
【0162】
(iv)(S)−3−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)ヘプタン−1−オール
工程(iii)からの生成物(12g)をTHF(120mL)に溶かして、ボラン−THF錯体(THF中1M,132.3mL)を滴下した。次いで、この混合物を室温で一晩撹拌してから、MeOHに続いて2M HCl(20mL)を加えた。この混合物を蒸発によって濃縮して、生じる残渣をMeOHに溶かして、SCX樹脂により精製した。生じる残渣を9:1〜4:1のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによりさらに精製して、副題化合物(6g)を得た;1H NMR (CDCl3): 7.45-7.13 (m, 10H), 4.00-3.91 (m, 1H), 3.85 (d, 1H), 3.69 (d, 1H), 3.56-3.43 (m, 1H), 3.27-3.15 (m, 1H), 2.84-2.71 (m, 1H), 2.61 (s, 1H), 1.77-1.63 (m, 1H), 1.55 (s, 2H), 1.47-1.20 (m, 8H), 0.93 (t, 3H); LC-MS m/z 326 ESI。
【0163】
(v)(S)−3−アミノヘプタン−1−オール
工程(iv)からの生成物(5g)及び5% Pd/C(0.5g)のEtOH(25mL)溶液を、5バールの気圧を室温で5日間使用して水素化した。次いで、さらなる分量の5% Pd/C(1.50g)を加えて、この混合物を、5バールの気圧を室温でさらに1日間使用して水素化した。次いで、この反応混合物を濾過して、溶媒を蒸発によって除去して、副題化合物(1.8g)を得た;1H NMR (CDCl3): 3.89-3.74 (m, 2H), 2.94-2.84 (m, 1H), 2.79-2.41 (m, 3H), 1.70-1.60 (m, 1H), 1.55-1.38 (m, 2H), 1.39-1.19 (m, 5H), 0.96-0.83 (m, 3H)。
【0164】
(vi)4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシヘプタン−3−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル
実施例12工程(iii)からの生成物(0.1g)と工程(v)の生成物(0.08g)を使用して、実施例13の方法によって表題化合物を製造した。粗生成物をRPHPLCによって精製して、表題化合物(9mg)を無色のゴムとして得た;1H NMR: 7.49 (d, 1H), 7.46 (dd, 1H), 6.90 (d, 1H), 6.44-6.25 (m, 2H), 4.39-4.33 (m, 1H), 4.29-4.20 (m, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.74 (s, 2H), 3.30-3.28 (m, 2H), 2.03 (s, 3H), 1.66-1.47 (m, 2H), 1.47-1.32 (m, 2H), 1.29-0.97 (m, 4H), 0.76 (t, 3H); LC-MS m/z 417。
【0165】
実施例15:4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イル−アミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−4−(ジメチルアミノ)ブチル・ベンゼンスルホン酸塩
(i)(S)−4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸
実施例12工程(iii)の生成物(0.30g)の撹拌ブタン−1−オール(2mL)懸濁液へ(S)−2−アミノ−1−ペンタノール(192mg)を加えて、この混合物をマイクロ波において180℃で2時間加熱した。5M KOH(0.5mL)を加えてから、この混合物をマイクロ波において1時間の時間にわたり120℃まで加熱した。次いで、この混合物を蒸発によって濃縮して、残渣をMeOH(2mL)で希釈した。氷酢酸を約7のpHまで滴下してから、この混合物をRPHPLCによって精製して、副題化合物(53mg)を無色の固形物として得た;1H NMR: 7.47 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 6.85 (d, 1H), 5.74 (s, 2H), 5.52 (d, 1H), 4.15-4.06 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.68 (s, 2H), 3.38-3.33 (m, 1H), 3.28-3.22 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.52-1.41 (m, 1H), 1.32-1.21 (m, 3H), 1.15-1.03 (m, 2H), 0.76 (t, 3H); LC-MS m/z 375。
【0166】
(ii)4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−4−(ジメチルアミノ)ブチル・ベンゼンスルホン酸塩
工程(i)の生成物(69mg)、トリエチルアミン(0.077mL)、4−(ジメチルアミノ)−1−ブタノール(0.12mL)、及び4−ジメチルアミノピリジン(4.50mg)のDMF(2mL)懸濁液へ1−プロパンホスホン酸・環式無水物(0.35mL)の溶液(THF中1.57M)を加えた。この混合物を室温で60時間撹拌してから、EtOAc(10mL)で希釈した。この溶液を水(2x10mL)で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。粗生成物をRPHPLCによって精製して無色のゴムを得て、これをMeCN(0.5mL)に溶かした。ベンゼンスルホン酸(7.9mg)を加えて、溶媒を蒸発させて残渣を得て、これをジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物(27.0mg)を無色の固形物として得た;1H NMR: 7.61-7.58 (m, 1H), 7.48-7.45 (m, 3H), 7.34-7.27 (m, 5H), 6.93 (d, 1H), 6.21-6.06 (m, 1H), 4.63-4.57 (m, 1H), 4.27 (t, 2H), 4.20-4.12 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.73 (s, 2H), 3.41-3.33 (m, 4H), 2.42 (s, 6H), 2.03 (s, 3H), 1.77-1.67 (m, 2H), 1.66-1.57 (m, 1H), 1.53-1.43 (m, 1H), 1.34-1.21 (m, 2H), 1.15-1.03 (m, 2H), 0.77 (t, 3H); LC-MS m/z 474。
【0167】
実施例16:3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−4−メトキシ安息香酸メチル
(i)3−(ブロモメチル)−4−メトキシ安息香酸メチル
4−メトキシ−3−メチル安息香酸メチル(16g)をEtOAc(100mL)に溶かしてから、N−ブロモスクシンイミド(18.96g)と2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(1g)を加えた。次いで、この混合物を80℃まで4時間加熱した。室温へ冷却後、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液を加え、有機相を分離させ、塩水で洗浄し、乾燥させて、溶媒を蒸発によって除去した。この粗生成物をイソヘキサン−EtOAc(9:1)の混合物に溶かすと固形物が生成し、これを採取して、副題化合物(11.82g)を得た;1H NMR (CDCl3): 8.05-7.98 (m, 2H), 6.91 (d, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.89 (s, 3H).LC-MS m/z 260。
【0168】
(ii)3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−4−メトキシ安息香酸メチル
工程(i)からの生成物(11.82g)と実施例12工程(i)〜(iv)の方法を使用して表題化合物を製造して、固体の生成物(2.0g)を得た;1H NMR: 7.83 (d, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.11 (d, 1H), 6.08 (s, 1H), 5.69 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.63 (s, 2H), 3.25- 3.07 (m, 2H), 1.93 (s, 3H), 1.50-1.33 (m, 2H), 1.25-1.01 (m, 4H), 0.79 (t, 3H); LC-MS m/z 373。
【0169】
実施例17:3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−4−フルオロ安息香酸メチル
(i)4−フルオロ−3−メチル安息香酸メチル
4−フルオロ−3−メチル安息香酸(10g)のMeOH(150mL)溶液へSOCl(5.68mL)をN下に0℃で10分の時間にわたり滴下した。生じる混合物を室温で24時間撹拌してから、溶媒を蒸発によって除去した。残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCO、飽和塩水で洗浄し、乾燥させててから、蒸発によって濃縮して、副題化合物(9.85g)を得た;1H NMR: 7.93-7.83 (m, 2H), 7.04 (dd, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.31 (s, 3H)。
【0170】
(ii)3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−4−フルオロ安息香酸メチル
工程(i)からの生成物(12.8g)と実施例12工程(i)〜(iv)の方法を使用して表題化合物を製造して、無色の固形物(0.27g)を得た;1H NMR: 7.89-7.81 (m, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.32 (dd, 1H), 6.31 (t, 1H), 5.74 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.77 (s, 2H), 3.27-3.22 (m, 2H), 1.95 (s, 3H), 1.44 (qn, 2H), 1.27-1.07 (m, 4H), 0.79 (t, 3H); LC-MS m/z 361。
【0171】
実施例18:4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フルオロ安息香酸メチル
(i)4−(ブロモメチル)−3−フルオロ安息香酸メチル
3−フルオロ−4−メチル安息香酸(15g)より実施例17工程(i)の方法によって副題化合物を製造して、生成物(14.5g)を橙色のオイルとして得た;1H NMR: 7.70 (dd, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.45 (dd, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.31 (d, 3H)。
【0172】
(ii)4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−フルオロ安息香酸メチル
工程(i)からの生成物(12.8g)と実施例12工程(i)〜(iv)の方法を使用して表題化合物を製造して、無色の固形物(40mg)を得た;1H NMR: 7.70-7.63 (m, 2H), 6.97 (dd, 1H), 6.53-6.41 (m, 1H), 6.00 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.81 (s, 2H), 3.28-3.21 (m, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.44 (qn, 2H), 1.29-1.07 (m, 4H), 0.81 (t, 3H); LC-MS m/z 361。
【0173】
実施例19:5−(2−メトキシベンジル)−6−メチル−N4−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
2−メトキシ−ベンズアルデヒド(10g)より実施例1の方法によって表題化合物を製造して、生成物(0.74g)を淡褐色の固形物として得た;1H NMR: 7.19 (1H, td), 7.00 (1H, d), 6.86-6.73 (2H, m), 6.03-5.90 (1H, m), 5.76 (2H, s), 3.86 (3H, s), 3.65 (2H, s), 3.29-3.16 (2H, m), 2.02 (3H, s), 1.51-1.39 (2H, m), 1.31-1.12 (4H, m), 0.84 (3H, t); LC-MS m/z 315。
【0174】
実施例20:2−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェノール
実施例19の生成物(0.6g)を使用して実施例2の方法によって製造して、生成物(0.52g)を無色の固形物として得た;1H NMR: 11.87 (1H, s), 7.89 (1H, t), 7.34 (2H, s), 7.05 (1H, t), 6.88-6.78 (2H, m), 6.74-6.68 (1H, m), 3.67 (2H, s), 3.37 (2H, q), 2.20 (3H, s), 1.49 (2H, qn), 1.29-1.11 (4H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 301。
【0175】
実施例21:5−(2−エトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例20の生成物(0.1g)とCsCO(0.5g)のDMF(2mL)懸濁液を30分間撹拌した。次いで、ブロモエタン(0.03mL)を加えて、生じる懸濁液を80℃で1時間加熱した。次いで、この混合物を冷やし、濾過して、EtOAc(10mL)と水(5mL)を加えた。有機相を分離させ、乾燥させ、濃縮して粗生成物を得て、これをRPHPLCによって精製して、表題化合物(27mg)を無色の固形物として得た;1H NMR: 7.13 (1H, td), 6.96 (1H, d), 6.82-6.74 (2H, m), 5.93 (1H, t), 5.62 (2H, s), 4.09 (2H, q), 3.62 (2H, s), 3.23 (2H, q), 1.99 (3H, s), 1.41 (2H, qn), 1.39 (3H, t), 1.28-1.08 (4H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 329。
【0176】
実施例22:5−(2−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例20の生成物(0.1g)とN,N−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(0.105g)を使用して実施例3の方法によって表題化合物を製造して、無色の固形物(27mg)を得た;1H NMR: 7.14 (1H, td), 6.96 (1H, d), 6.81-6.74 (2H, m), 5.92 (1H, t), 5.63 (2H, s), 4.05 (2H, t), 3.63 (2H, s), 3.23 (2H, q), 2.41 (2H, t), 2.15 (6H, s), 1.99 (3H, s), 1.90 (2H, qn), 1.42 (2H, qn), 1.28-1.17 (2H, m), 1.17-1.07 (2H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 386。
【0177】
実施例23:5−(3−メトキシベンジル)−6−メチル−N4−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
3−メトキシ−ベンズアルデヒド(10g)より実施例1の方法によって表題化合物を製造して、淡褐色の固形物(3.7g)を得た;1H NMR: 7.16 (1H, dd), 6.75-6.66 (3H, m), 6.30 (1H, s), 5.82 (2H, s), 3.72 (2H, s), 3.70 (3H, s), 3.30-3.23 (2H, m), 2.03 (3H, s), 1.49-1.39 (2H, m), 1.29-1.08 (4H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 315。
【0178】
実施例24:3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェノール
実施例23の生成物(0.9g)を使用して実施例2の方法によって表題化合物を製造して、淡褐色の固形物(0.72g)を得た;1H NMR: 9.25 (1H, s), 7.20-6.93 (2H, m), 6.65 (2H, s), 6.60-6.53 (2H, m), 6.50 (1H, s), 3.71 (2H, s), 3.43-3.20 (2H, m), 2.10 (3H, s), 1.46 (2H, qn), 1.31-1.06 (4H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 301。
【0179】
実施例25:5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例24の生成物(0.1g)とN,N−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(0.105g)を使用して実施例3の方法によって表題化合物を製造して、無色の固形物(0.054g)を得た;1H NMR: 7.14 (1H, dd), 6.72-6.64 (3H, m), 6.10 (1H, t), 5.63 (2H, s), 3.92 (2H, t), 3.69 (2H, s), 3.25 (2H, q), 2.31 (2H, t), 2.12 (6H, s), 2.01 (3H, s), 1.80 (2H, qn), 1.43 (2H, qn), 1.28-1.19 (2H, m), 1.18-1.09 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 386。
【0180】
実施例26:6−メチル−N−ペンチル−5−(3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例24の生成物(0.1g)とN−2−クロロエチルピペリジン塩酸塩(0.122g)を使用して実施例3の方法によって表題化合物を製造して、無色のオイル(0.045g)を得た;1H NMR: 7.14 (1H, dd), 6.74-6.65 (3H, m), 6.09 (1H, t), 5.63 (2H, s), 3.98 (2H, t), 3.69 (2H, s), 3.24 (2H, q), 2.60 (2H, t), 2.42-2.37 (4H, m), 2.01 (3H, s), 1.51-1.33 (8H, m), 1.27-1.19 (2H, m), 1.17-1.10 (2H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 412。
【0181】
実施例27:5−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例24の生成物(0.1g)とN−2−ジメチルアミノクロリド塩酸塩(0.096g)を使用して実施例3の方法によって表題化合物を製造して、淡褐色の固形物(0.022g)を得た;1H NMR: 7.15 (1H, dd), 6.72 (1H, d), 6.69-6.65 (2H, m), 6.10 (1H, t), 5.63 (2H, s), 3.97 (2H, t), 3.69 (2H, s), 3.25 (2H, q), 2.58 (2H, t), 2.19 (6H, s), 2.01 (3H, s), 1.43 (2H, qn), 1.29-1.09 (4H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 372。
【0182】
実施例28:6−メチル−N−ペンチル−5−(3−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)ベンジル)ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例24の生成物(0.1g)とN−2−クロロエチルピロリジン塩酸塩(0.115g)を使用して実施例3の方法によって表題化合物を製造して、無色のオイル(0.036g)を得た;1H NMR: 7.15 (1H, dd), 6.74-6.65 (3H, m), 6.11 (1H, s), 5.65 (2H, s), 3.99 (2H, t), 3.70 (2H, s), 3.27-3.22 (2H, m), 2.74 (2H, t), 2.44-2.36 (4H, m), 2.02 (3H, s), 1.71-1.63 (4H, m), 1.44 (2H, qn), 1.30-1.19 (2H, m), 1.18-1.10 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 398。
【0183】
実施例29:5−(3−((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
(i)2−(3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸エチル
3−ブロモメチル安息香酸メチル(6g)を使用する実施例12の方法を使用して、副題化合物(0.7g)を静置時に固化する橙色のオイルとして得た;1H NMR: 7.79-7.71 (2H, m), 7.45-7.32 (2H, m), 6.36 (1H, s), 5.78 (2H, s), 4.29 (2H, q), 3.82 (2H, s), 3.29-3.22 (2H, m), 2.01 (3H, s), 1.49-1.38 (2H, m), 1.28-1.07 (7H, m), 0.79 (3H, t)。
【0184】
(ii)(3−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)メタノール
LiAlH(THF中1M,0.88mL)のTHF(2mL)溶液へ工程(i)の生成物(0.21g)のTHF(2mL)溶液を0℃で加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、さらなる分量のLiAlH(0.88mL)を加えて、この混合物を室温で15時間撹拌した。次いで、この混合物を2M NaOH(20mL)へ慎重に注いで、水相をEtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させて、蒸発によって濃縮して、副題化合物(0.176g)を無色の固形物として得て、これをさらに精製せずに使用した;1H NMR: 7.19 (1H, dd), 7.09 (2H, d), 7.07 (2H, s), 6.97 (1H, d), 6.12 (1H, t), 5.10 (1H, t), 4.43 (2H, d), 3.72 (2H, s), 3.24 (2H, q), 2.01 (3H, s), 1.44 (2H, qn), 1.28-1.10 (4H, m), 0.82 (3H, t)。
【0185】
(iii)5−(3−(クロロメチル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(ii)からの生成物(0.176g)の撹拌DCM(5mL)溶液へSOCl(0.049mL)を室温で加えた。この混合物を1時間撹拌してから、溶媒を除去して、副題化合物(0.182g)を黄色のオイルとして得て、これをさらに精製せずに使用した;1H NMR: 7.97 (1H, t), 7.34-7.25 (3H, m), 7.21 (2H, s), 7.15-7.09 (1H, m), 4.72 (2H, s), 3.86 (2H, s), 3.37 (2H, q), 2.19 (3H, s), 1.47 (2H, qn), 1.27-1.17 (2H, m), 1.15-1.06 (2H, m), 0.80 (3H, t)。
【0186】
(iv)5−(3−((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(iii)の生成物(0.09g)のDMF(2mL)溶液へジメチルアミンの2M EtOH溶液(0.4mL)を加えて、この混合物を室温で15時間撹拌した。次いで、飽和NaHCOを加えて、水相をEtOAc(2x10mL)で抽出した。合わせた有機相を水(3x5mL)で洗浄し、乾燥させて、濃縮して残渣とし、これをRPHPLCによって精製して、表題化合物(44mg)を灰白色の固形物として得た;1H NMR: 7.19 (1H, dd), 7.07-7.03 (2H, m), 6.98 (1H, d), 6.13 (1H, s), 5.63 (2H, s), 3.72 (2H, s), 3.29 (2H, s), 3.24 (2H, q), 2.10 (6H, s), 2.00 (3H, s), 1.43 (2H, qn), 1.27-1.20 (2H, m), 1.18-1.10 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 342。
【0187】
実施例30:5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−イニル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチル−ピリミジン−2,4−ジアミン
(i)5−(4−ヨードベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
4−ヨードベンジルブロミドとアセト酢酸エチルを使用する実施例12の方法を使用して、副題化合物(60mg)を固形物として得た;1H NMR: 7.59 (2H, d), 6.91 (2H, d), 6.16-6.09 (1H, m), 5.69-5.63 (2H, m), 3.69 (2H, s), 3.27-3.18 (2H, m), 1.99 (3H, s), 1.46-1.37 (2H, m), 1.28-1.06 (4H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 411。
【0188】
(ii)5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−イニル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
窒素でパージしたTHF(2mL)に1−ジメチルアミノ−2−プロピン(24mg)を溶かして、CuI(4.64mg)を加えた。この混合物を30分間撹拌して、THF及びトリエチルアミンの1:1の混合物(2mL)中の工程(i)の生成物(0.1g)とPd(PPh(14.08mg)の懸濁液へ加えた。次いで、この反応混合物を100℃まで16時間加熱し、冷やして、蒸発によって濃縮した。残渣をRPHPLCによって精製して、表題化合物(9mg)を固形物として得た;1H NMR: 7.31 (2H, d), 7.09 (2H, d), 6.16-6.11 (1H, m), 5.65 (2H, s), 3.74 (2H, s), 3.41 (2H, s), 2.22 (6H, s), 2.00 (3H, s), 1.46-1.40 (2H, m), 1.27-1.16 (4H, m), 1.14-1.06 (2H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 366。
【0189】
実施例31:5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例30の生成物(8mg)をEtOHに溶かして、10% Pt/C反応カートリッジ(ThalesNano Nanotechnology,ハンガリーより入手可能)を使用するH−cubeTM水素発生器において「フルHモード」を使用して水素化した。溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣をRPHPLCにより精製して、表題化合物(1mg)を固形物として得た;1H NMR: 7.06 (2H, d), 7.00 (2H, d), 6.09-6.03 (1H, m), 5.62 (2H, s), 3.68 (2H, s), 3.25-3.19 (2H, m), 2.19-2.13 (2H, m), 2.09 (6H, s), 2.00 (3H, s), 1.66-1.59 (2H, m), 1.46-1.38 (2H, m), 1.25-1.17 (4H, m), 1.16-1.08 (2H, m), 0.81 (3H, t); LC-MS m/z 370。
【0190】
実施例32:5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
(i)5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−イニル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
臭化3−ヨードベンジルを使用する実施例30の方法を使用して、副題化合物(60mg)を得た;LC-MS m/z 366。
【0191】
(ii)5−(3−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(i)からの生成物(0.06g)を使用する実施例31の方法を使用して、副題化合物(8mg)を固形物として得た;1H NMR: 7.15 (1H, t), 7.00-6.89 (3H, m), 6.12-6.06 (1H, m), 5.62 (2H, s), 3.70 (2H, s), 3.29 (2H, s), 3.28-3.21 (2H, m), 2.18-2.13 (2H, m), 2.08 (6H, s), 2.01 (3H, s), 1.69-1.57 (2H, m), 1.49-1.38 (2H, m), 1.27-1.18 (2H, m), 1.18-1.07 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 370。
【0192】
実施例33:5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メチルベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
(i)5−(4−メトキシ−2−メチルベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(10g)を使用する実施例1の方法を使用して、副題化合物(0.67g)をクリーム色の固形物として得た;1H NMR: 6.77 (d, 1H), 6.59 (dd, 1H), 6.49 (d, 1H), 5.97 (t, 1H), 5.63 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 3.22 (q, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.42 (qn, 2H), 1.29-1.09 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)。
【0193】
(ii)4−((2−アミノ−4−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メチルフェノール
工程(i)の生成物(0.5g)を使用する実施例2の方法を使用して、副題化合物(0.350g)を無色の固形物として得て、これをさらに精製せずに使用した;1H NMR: 8.96 (s, 1H), 6.58 (s, 1H), 6.48-6.30 (m, 2H), 5.95 (s, 1H), 5.62 (s, 2H), 3.48 (s, 2H), 3.22 (q, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.41 (qn, 2H), 1.28-1.09 (m, 4H), 0.82 (t, 3H); LC-MS m/z 313 (マルチモード -)。
【0194】
(iii)5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メチルベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(ii)の生成物(0.1g)とジメチルアミノプロピル−クロリド塩酸塩(0.075g)を使用する実施例3の方法を使用して、表題化合物(13mg)を無色の固形物として得た;1H NMR: 6.76 (d, 1H), 6.57 (dd, 1H), 6.47 (d, 1H), 5.97 (t, 1H), 5.63 (s, 2H), 3.91 (t, 2H), 3.52 (s, 2H), 3.22 (q, 2H), 2.34-2.27 (m, 5H), 2.12 (s, 6H), 1.90 (s, 3H), 1.79 (qn, 2H), 1.46-1.36 (m, 2H), 1.27-1.06 (m, 4H), 0.81 (t, 3H); LC-MS m/z 400。
【0195】
実施例34:2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチル
(i)4−((2−アミノ−4−ブロモ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェノール及び4−((2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェノール
実施例1工程(iii)の生成物(1g)の撹拌DCM(20mL)懸濁液へBBrの溶液(DCM中1M,15.2mL)をN下に0℃で10分の時間にわたり少量ずつ加えた。生じる混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、この混合物を2M HCl(30mL)とMeOH(10mL)で希釈してから、室温で30分間撹拌した。有機相を分離させて、水相をEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させて、蒸発によって濃縮して、副題化合物の1:1の混合物(0.230g)を得て、これを精製せずに後続の工程に使用した;1H NMR: 6.90 (4H, d), 6.67 (4H, d), 3.89-3.79 (4H, m), 2.22 (3H, s), 2.20 (3H, s)。
【0196】
(ii)4−ブロモ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチルピリミジン−2−アミン及び4−クロロ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチルピリミジン−2−アミン
工程(i)の生成物(0.23g)、CsCO(2.401g)、及びNaI(0.069g)の撹拌DMF(10mL)懸濁液へ3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩酸塩(0.437g)を加えた。生じる懸濁液を80℃で3時間撹拌し、冷やして、EtOAc(20mL)で希釈した。有機相を水(3x30mL)、塩水(30mL)で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。粗生成物をDCMに次いで10:2のDCM−MeOHで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物の1:1の混合物(0.043g)を得て、さらに精製せずに後続の工程に使用した;1H NMR: 7.00 (d, 4H), 6.88-6.79 (m, 4H), 3.94 (t, 4H), 3.89 (s, 2H), 3.87 (s, 2H), 2.41 (t, 4H), 2.19 (s, 18H), 1.84 (qn, 4H)。
【0197】
(iii)3−(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)アクリル酸(E)−tert−ブチル
MeCN(80mL)中の(3−ブロモフェニル)メタノール(7.3g)、アクリル酸tert−ブチル(15g)、酢酸パラジウム(0.235g)、及びトリ(o−トリル)ホスフィン(1.25g)の混合物を90℃で2時間加熱した。次いで、この溶液を冷やし、蒸発によって濃縮した。生じる残渣をEtOAcに溶かし、水で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。8:2〜7:3のイソヘキサン−EtOAcを使用して溶出させるFCCによって粗生成物を精製して、副題化合物(7.8g)を得た;1H NMR (CDCl3): 7.58 (1H, d), 7.52 (1H, s), 7.45-7.33 (3H, m), 6.38 (1H, d), 4.72 ( 2H, s), 1.53 (9H, s)。
【0198】
(iv)3−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)−3−(3−((tert−ブチルジメチル−シリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(R)−tert−ブチル
(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンのTHF(200mL)溶液へブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M,34mL)を−78℃で加えて、この混合物を45分間撹拌した。工程(iii)の生成物(7.8g)のTHF(20mL)溶液を加えて、撹拌を3時間続けた。次いで、冷却浴を外し、NHCl溶液を加えて、この溶液をそのまま室温へ温めた。EtOAcと水を加え、有機相を分離させ、乾燥させて濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルに通過させて、4:1のイソヘキサン−EtOAcで溶出させた。溶媒の蒸発による除去によって残渣を得て、これをDMF(120mL)に溶かした。イミダゾール(5g)とtert−ブチル−ジメチルシリルクロリドを加えて、この溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、EtOAcと水を加え、有機相を分離させ、乾燥させて濃縮して粗生成物を得て、これを95:5のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(18g)を得た;LC-MS m/z 560 (APCI +)。
【0199】
(v)(R)−3−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)−3−(3−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−メチル)フェニル)プロパン−1−オール
工程(iv)の生成物(18g)をTHF(120mL)に溶かして、LiAlHの溶液(THF中1M,45mL)を加えた。次いで、この混合物を室温で4時間撹拌してから、水を加えた。45% NaOH溶液と水を加えて、この混合物を1時間撹拌した。次いで、溶媒をデカンテーションによって除去して残渣を得て、これをジエチルエーテルに溶かした。この有機溶液を塩水で洗浄し、乾燥させて蒸発によって濃縮して、副題化合物(15.5g)を得た;LC-MS m/z 490 (APCI +)。
【0200】
(vi)(3−((R)−1−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)−3(メトキシメトキシ)プロピル)−フェニル)メタノール
工程(v)からの生成物とDIPEA(17mL)のDCM(160mL)溶液へクロロメチルメチルエーテルを0℃で加えた。この混合物を室温へ温めて、18時間撹拌した。さらなるアリコートのクロロメチルメチルエーテル(0.4mL)を加えて、この混合物をさらに18時間撹拌した。この混合物を水で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。生じる残渣をTHF(250mL)に溶かした。フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(水中75重量%,10mL)を加えて、この混合物を4時間撹拌した。塩水とEtOAcを加え、有機相を分離させ、塩水で洗浄し、乾燥させて蒸発によって濃縮して粗生成物を得て、これを7:3のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(10.9g)を得た;1H NMR (CDCl3): 7.45-7.18 (10H, m), 4.71 (2H, d), 4.42 (2H, s), 4.15-4.08 (1H, m), 3.98-3.94 (1H, m), 3.84-3.64 (2H, m), 3.28-3.22 (5H, m), 2.20-2.10 (1H, m), 1.90-1.78 (1H, m), 1.69 (1H bs), 1.16 (3H, d)。
【0201】
(vii)メタンスルホン酸3−((R)−1−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)−3−(メトキシメトキシ)プロピル)ベンジル
工程(vi)からの生成物(9.5g)とトリエチルアミン(4.8mL)のDCM(100mL)溶液へ塩化メタンスルホニル(1.912mL)をN下に0〜5℃で滴下した。生じる混合物を1時間撹拌してから、溶媒を除去して粗製の副題化合物(11.27g)を得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した;LC-MS m/z 498 (APCI +)。
【0202】
(viii)2−(3−((R)−1−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)−3−(メトキシメトキシ)プロピル)−フェニル)アセトニトリル
DMSO(30mL)及びDMF(30mL)中の工程(vii)の生成物(11.27g)へKCN(6g)を1分量で加えて、この混合物をN下に50℃へ温めた。生じる混合物を50℃で18時間撹拌してから、EtOAcと水の間で分配した。有機相を分離させ、水で洗浄し、乾燥させて蒸発によって濃縮して粗製の副題化合物(7.69g)を得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した;LC-MS m/z 429 (APCI +)。
【0203】
(ix)2−(3−((R)−1−(ベンジル((S)−1−フェニルエチル)アミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸メチル
工程(viii)の生成物(7.69g,17.94ミリモル)の撹拌EtOH(50mL)溶液へ水(10mL)に溶かしたKOH(2.81g)の溶液を室温で加えた。この混合物を還流で24時間撹拌した。次いで、この混合物を蒸発によって濃縮して、生じる残渣をトルエンと共沸させた。この残渣へMeOH(100mL)に続いて濃HCl(3mL)を加えて、この混合物を室温で3日間撹拌した。次いで、この混合物を蒸発によって濃縮して、生じる残渣をEtOAcと水の間で分配した。有機相を分離させ、水で洗浄し、乾燥させて、蒸発によって濃縮した。粗生成物を7:3のイソヘキサン−EtOAcで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(2.32g)をオイルとして得た;1H NMR (CDCl3): 7.43-7.19 (m, 14H); 4.14-4.08 (m, 1H); 3.96-3.92 (m, 2H); 3.70 (s, 3H); 3.66 (s, 2H); 3.62-3.53 (m, 2H); 3.41-3.35 (m, 1H); 2.24-2.15 (m, 1H); 1.84 (br s, 1H); 1.74-1.65 (m, 1H); 1.04 (d, 3H); LC-MS m/z 418 (APCI +)。
【0204】
(x)2−(3−(1−アミノ−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチル
工程(ix)の生成物(2.3g)とPd/C(0.9g)のMeOH(60mL)懸濁液を45psiのH圧下に室温で24時間撹拌した。次いで、この混合物を珪藻土(CeliteTM)に通して濾過して、溶媒を蒸発させて残渣を得て、これを84:16のDCM−MeOHで溶出させるFCCによって精製して、副題化合物(480mg)をオイルとして得た;1H NMR: 7.26-7.07 (m, 4H); 3.89 (t, 1H); 3.64 (s, 2H); 3.61 (s, 3H); 3.47-3.37 (m, 2H); 1.71-1.60 (m, 2H)。
【0205】
(xi)2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)ベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチル
工程(ii)の生成物(0.045g)と工程(x)の生成物(0.107g)のブタン−1−オール(3mL)溶液をマイクロ波管に密封して、マイクロ波反応機において170℃まで2.5時間加熱した。次いで、溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣をEtOAc(5mL)と水(5mL)の間で分配した。有機相を分離させて、水相をEtOAc(5mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させて蒸発によって濃縮して残渣を得て、これをRPHPLCによって精製して、表題化合物(11mg)を無色のゴムとして得た;1H NMR: 7.20-7.13 (m, 1H), 7.10-7.00 (m, 5H), 6.82 (d, 2H), 6.41 (d, 1H), 5.60 (s, 2H), 5.36-5.26 (m, 1H), 4.52 (t, 1H), 3.94 (t, 2H), 3.78 (d, 1H), 3.69 (d, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.57 (s, 4H), 2.37-2.31 (m, 2H), 2.14 (s, 6H), 2.02 (s, 3H), 1.91-1.77 (m, 4H); LC-MS m/z 522。
【0206】
実施例35:2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチル
2−(3−(1−(2−アミノ−5−(4−(3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−3−ヒドロキシプロピル)フェニル)酢酸(R)−メチル
実施例11工程(v)の生成物(0.15g)と実施例34工程(x)の生成物(0.184g)のブタン−1−オール(3mL)溶液をマイクロ波管に密封して、マイクロ波反応機において170℃まで2時間加熱した。次いで、溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣をMeOH(2mL)と濃HSO(0.5mL)で希釈した。次いで、この混合物を65℃で2時間撹拌し、そのまま冷やし、飽和NaHCOでpH7へ調整してから、EtOAc(3x10mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させて、蒸発によって濃縮して粗生成物を得て、これをRPHPLCによって精製して、表題化合物(43.0mg)を無色の固形物として得た;1H NMR: 7.16 (1H, dd), 7.09-7.00 (2H, m), 6.67 (1H, d), 6.55 (1H, d), 6.40 (1H, dd), 6.21 (1H, d), 5.58 (2H, s), 5.32-5.24 (1H, m), 4.47 (1H, s), 3.96 (2H, t), 3.82 (3H, s), 3.65-3.55 (9H, m), 2.34 (2H, t), 2.14 (6H, s), 2.01 (3H, s), 1.87-1.77 (4H, m); LC-MS m/z 552。
【0207】
実施例36:3−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシフェノキシ)プロパン−1−オール
(i)4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ)−2−メトキシベンズアルデヒド
4−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアルデヒド(3.00g)のDMF(30mL)溶液へ(3−ブロモプロポキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(6.85mL)とKCO(4.09g,29.6ミリモル)を加えて、この混合物を室温で14時間撹拌した。塩水を加えてから、この混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水と塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させて、濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、副題化合物(5.97g)を無色のオイルとして得た;1H NMR (CDCl3): 10.29 (1H, s), 7.80 (1H, d), 6.55 (1H, dd), 6.45 (1H, d), 4.15 (2H, t), 3.90 (3H, s), 3.81 (2H, t), 2.00 (2H, tt), 0.89 (9H, s), 0.05 (6H, s)。
【0208】
(ii)(4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ)−2−メトキシフェニル)メタノール
工程(i)の生成物(5.97g)のTHF/MeOH(30mL/3mL)溶液へNaBH(0.35g)を0℃で加えてから、この混合物を1時間撹拌した。この反応物を塩水で冷まして、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させて、濃縮した。残渣をFCCによって精製して、副題化合物(5.76g)を無色のオイルとして得た;1H NMR (CDCl3): 7.14 (1H, d), 6.46 (2H, m), 4.61 (2H, s), 4.06 (2H, t), 3.85 (3H, s), 3.81 (2H, t), 2.15 (1H, br s), 1.99 (2H, tt), 0.89 (9H, s), 0.05 (6H, s)。
【0209】
(iii)2−(4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−3−オキソブタン酸メチル
THF(30mL)中の工程(ii)からの生成物(2.50g)とDIPEA(2.09mL)の混合物へ塩化メタンスルホニル(0.93mL)を室温で加えて、この混合物を2時間撹拌した。生じる固形物を濾過によって除去した。濾液を真空で濃縮してから、DMF(20mL)に溶かした。NaH(55%オイル分散液、0.37g)のDMF(15mL)懸濁液へアセト酢酸メチル(0.99mL)を0℃で加えて、この混合物を15分間撹拌した。この混合物へ上記に記載のDMF溶液とKI(1.27g)を加えて、これをすべて80℃で4時間撹拌した。この混合物を室温へ冷やして、EtOAcで希釈した。次いで、この混合物を飽和NaHCOと塩水で洗浄した。この有機層を乾燥(MgSO)させて、濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、副題化合物(1.80g)を無色のオイルとして得た;1H NMR (CDCl3): 6.99 (1H, d), 6.42 (1H, d), 6.38 (1H, dd), 4.03 (2H, t), 3.89 (1H, t), 3.81 (3H, s), 3.80 (2H, t), 3.67 (3H, s), 3.09 (2H, m), 2.17 (3H, s), 1.97 (2H, tt), 0.88 (9H, s), 0.04 (6H, s)。
【0210】
(iv)2−アミノ−5−(4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−オール
工程(iii)からの生成物(1.78g)のMeOH(50mL)溶液へ炭酸グアジニウム(0.98g)を加えて、この混合物を65℃で7時間加熱した。次いで、この混合物を室温へ冷やして、水(50mL)を加えた。生じる固形物を濾過によって採取して、EtOH/水(50mL/50mL)、水(50mL)、EtOH(50mL)で洗浄して、副題化合物(1.53g)を白色の固形物として得た;1H NMR: 6.71 (1H, d), 6.41 (1H, d), 6.37 (1H, dd), 6.32 (2H, br s), 3.97 (2H, t), 3.79 (3H, s), 3.75 (2H, t), 3.45 (2H, s), 1.92 (3H, s), 1.85 (2H, tt), 0.85 (9H, s), 0.02 (6H, s); LC-MS m/z 433 ESI。
【0211】
(v)2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸2−アミノ−5−(4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イル
工程(iv)からの生成物(1.52g)のTHF(15mL)溶液へN,N,N,N−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン(0.88mL)と2,4,6−トリメチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.15g)を加えて、この混合物を室温で撹拌した。22時間後、0.1N HCl水溶液(45mL)を加えてから、この混合物をCHClで2回抽出した。この有機層を乾燥(MgSO)させて、濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、副題化合物(1.92g)を薄黄色のオイルとして得た;1H NMR (CDCl3): 6.94 (2H, s), 6.71 (1H, d). 6.41 (1H, d), 6.33 (1H, dd), 4.72 (2H, br s), 4.02 (2H, t), 3.81 (2H, t), 3.79 (3H, s), 3.76 (2H, s), 2.61 (6H, s), 2.31 (3H, s), 2.26 (3H, s), 1.98 (2H, tt), 0.89 (9H, s), 0.05 (6H, s); LC-MS m/z 616 ESI。
【0212】
(vi)5−(4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(v)からの生成物(1.90g)のプロピオニトリル(19mL)溶液へトリフルオロ酢酸(0.48mL)とアミルアミン(1.78mL)を加えて、この混合物を100℃で3時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣をEtOAc(50mL)で希釈して、4% NH溶液(20mLx4)と塩水(20mL)で洗浄してから、乾燥(MgSO)させて、濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、副題化合物(1.03g)を薄黄色のオイルとして得た;1H NMR (CDCl3): 6.82 (1H, d), 6.47 (1H, d), 6.40 (1H, dd), 5.10 (2H, br s), 4.03 (2H, t), 3.88 (3H, s), 3.79 (2H, t), 3.72 (1H, q), 3.60 (2H, s), 3.28 (2H, q), 2.36 (3H, s), 1.97 (2H, tt), 1.44 (2H, tt), 1.25 (2H, m), 1.15 (2H, m), 0.89 (9H, s), 0.86 (3H, t), 0.05 (6H, s); LC-MS m/z 502 ESI。
【0213】
(vii)3−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシフェノキシ)プロパン−1−オール
工程(vi)からの生成物(1.03g)のTHF(6mL)溶液へフッ化テトラブチルアンモニウム(1.0M THF溶液,4.1mL)を加えて、この混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、この混合物をEtOAc(30mL)で希釈して、4% NH溶液(20mL)、塩水(20mL)で洗浄してから、乾燥(NaSO)させて濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、表題化合物(0.51g)を白色の固形物として得た;1H NMR (CDCl3): 6.82 (1H, d), 6.48 (1H, d), 6.38 (1H, dd), 4.87 (1H, br t), 4.69 (2H, br s), 4.10 (2H, t), 3.88 (3H, s), 3.86 (2H, t), 3.61 (2H, s), 3.28 (2H, dq), 2.32 (3H, s), 2.04 (2H, tt), 1.90 (1H, br s), 1.44 (2H, tt), 1.25 (2H, m ), 1.15 (2H, m), 0.84 (3H, t); LC-MS m/z 388 ESI。
【0214】
実施例37:5−(2−メトキシ−4−(3−モルホリノプロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
THF(5mL)中の実施例36からの生成物(0.14g)とトリエチルアミン(0.053mL)の混合物へ塩化メタンスルホニル(0.030mL)を0℃で加えた。生じる混合物を30分間撹拌した。次いで、飽和NaHCOを加えてから、この溶液をCHClで2回抽出した。この有機層を乾燥(MgSO)させて、濃縮した。生じる残渣をDMF(5mL)に溶かした。モルホリン(0.33mL)を加えて、この混合物を60℃で5時間撹拌した。次いで、4% NH溶液と塩水を加えて、この混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で2回洗浄し、乾燥(NaSO)させて、濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、表題化合物(0.13g)を白色の固形物として得た;1H NMR: 6.59 (1H, d), 6.52 (1H, d), 6.37 (1H, dd), 5.89 (1H, br t), 5.65 (2H, br s), 3.94 (2H, t), 3.82 (3H, s), 3.55 (4H, t), 3.51 (2H, s), 3.20 (2H, q), 2.39 (2H, t), 2.34 (4H, m), 1.98 (3H, s), 1.83 (2H, tt), 1.41 (2H, tt), 1.24 (2H, m ), 1.14 (2H, m), 0.84 (3H, t); LC-MS m/z 457 ESI。
【0215】
実施例38:5−(2−メトキシ−4−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)ベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例36からの生成物(0.14g)を使用する実施例37の方法によって、表題化合物(0.13g)を白色の固形物として製造した;1H NMR: 6.59 (1H, d), 6.52 (1H, d), 6.37 (1H, dd), 5.88 (1H, br t), 5.64 (2H, br s), 3.93 (2H, t), 3.82 (3H, s), 3.51 (2H, s), 3.21 (2H, q), 2.36 (2H, t), 2.29 (8H, m), 2.12 (3H, s), 1.98 (3H, s), 1.82 (2H, tt), 1.41 (2H, tt), 1.24 (2H, m ), 1.14 (2H, m), 0.82 (3H, t); LC-MS m/z 470 ESI。
【0216】
実施例39:5−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
(i)4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブト−1−イニル)−2−メトキシ安息香酸メチル
4−(tert−ブチルジメチルシルオキシ)ブチン(3.7g)と4−ブロモ−2−メトキシ安息香酸メチル(4.0g)をTHF(30mL、Nでパージした)に溶かして、CuI(0.61g)、Pd(PPh(1.8g)、及びトリエチルアミン(4.1mL)を加えた。次いで、この混合物を100℃まで6時間加熱し、冷やして、EtOAc(10mL)で希釈した。この溶液を0.2N HCl(2x10mL)、飽和NaHCO(2x10mL)、及び塩水で洗浄した。有機相を乾燥させて、蒸発によって濃縮した。生じる残渣をFCCによって精製して、副題化合物(5.6g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.61 (1H, d), 7.08 (1H, d), 6.99 (1H, dd), 3.80-3.75 (8H, m), 2.63 (2H, t), 0.87 (9H, s), 0.06 (6H, s); ESI m/z 349 (M+1)。
【0217】
(ii)4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−2−メトキシ安息香酸メチル
工程(i)からの生成物(5.6g)をMeOHに溶かした。10% Pd/C(湿分50%)(1.0g)を加えて、この混合物をH下に室温で7時間撹拌した。Pd/Cを濾過して除き、濾液を濃縮して、副題化合物(5.6g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.56 (1H, d), 6.95 (1H, d), 6.82 (1H, dd), 3.79 (3H, s), 3.74 (3H, s), 3.58 (2H, t), 3.58 (2H, t), 1.64-1.57 (2H, m), 1.50-1.44 (2H, m), 0.83 (9H, s), 0.01 (6H, s); MS:ESI 353 (M+1)。
【0218】
(iii)4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−2−メトキシフェニル)メタノール
LiAlH(0.61g)のTHF(50mL)懸濁液へTHF(30mL)中の工程(ii)からの生成物(5.6g)を加えて、この混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、この混合物を氷浴で冷やして、飽和NaSO(2mL)をゆっくり加えて、この混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、この混合物を乾燥(NaSO)させ、珪藻土(CeliteTM)を使用して沈殿を濾過して除き、濾液を濃縮して、副題化合物(4.4g)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.22 (1H, d), 6.73-6.71 (2H, m), 4.87 (1H, t), 4.42 (2H, d), 3.73 (3H, s), 3.60-3.56 (2H, m), 2.55 (2H, t,), 1.61-1.57 (2H, m), 1.50-1.43 (2H, m), 0.84 (9H, s), 0.01 (6H, s)。
【0219】
(iv)tert−ブチル(4−(4−(クロロメチル)−3−メトキシフェニル)ブトキシ)ジメチルシラン
THF(3mL)中の工程(iii)からの生成物(195mg)とDIPEA(155μL)の混合物へ塩化メタンスルホニル(54μL)を0℃で加えた。10分間撹拌後、LiCl(42mg)を加えて、この混合物を2時間撹拌してから、EtOAc(10mL)で希釈した。この溶液を0.2N HCl(2x10mL)、飽和NaHCO(2x10mL)、及び塩水で洗浄した。有機相を乾燥させて、濃縮して、副題化合物(200mg)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 7.26 (1H, d), 6.84 (1H, d), 6.74 (1H, dd), 4.65 (2H, s), 3.80 (3H, s), 3.58 (2H, t), 2.57 (2H, t), 1.63-1.58 (2H, m), 1.48-1.34 (2H, m), 0.84 (9H, s), 0.00 (6H, s)。
【0220】
(v)2−(4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−3−オキソブタン酸メチル
NaH(55%オイル分散液、43mg)のTHF(5mL)懸濁液へアセト酢酸メチル(161μL)を0℃で加えて、この混合物を0.5時間撹拌した。THF(5mL)中の工程(iv)からの生成物(200mg)とKI(83mg)を加えて、この混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、この混合物を室温へ冷やして、EtOAc(30mL)で希釈した。次いで、この混合物を0.1N HCl(2x10mL)、飽和NaHCO(2x10mL)、及び塩水で洗浄した。有機相を乾燥させて濃縮して、残渣をFCCによって精製して、副題化合物(200mg)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 6.93 (1H, d), 6.76 (1H, d), 6.64 (1H, dd), 3.89-3.85 (1H, m), 3.85 (3H, s), 3.62-3.55 (5H, m), 2.98-2.89 (2H, m), 2.54-2.50 (2H, m), 2.12 (3H, s), 1.59-1.56 (2H, m), 1.46-1.42 (2H, m), 0.84 (9H, s), 0.00 (6H, s); MS:ESI 423 (M+1)。
【0221】
(vi)2−アミノ−5−(4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−オール
工程(v)からの生成物(200mg)のMeOH(5mL)溶液へ炭酸グアジニウム(109mg)を加えて、この混合物を65℃で12時間加熱した。次いで、この混合物を室温へ冷やして、EtOAc(30mL)で希釈した。次いで、この混合物を飽和NaHCO(2x10mL)と塩水で洗浄した。有機相を乾燥させて濃縮して、残渣をFCCによって精製して、副題化合物(147mg)を無色のオイルとして得た;1H NMR: 6.73-6.69 (2H, m), 6.59 (1H, dd), 6.30 (2H, brs), 3.77 (3H, s), 3.57(2H, t), 3.37 (2H, s), 2.52-2.50 (2H, m), 2.94 (3H, s), 1.59-1.56 (2H, m), 1.46-1.42 (2H, m), 0.84 (9H, s), 0.00 (6H, s)。
【0222】
(vii)2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸2−アミノ−5−(4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イル
工程(vi)からの生成物(142mg)を使用する実施例35工程(v)の方法によって副題化合物を製造して、無色のオイル(260mg)を得た;1H NMR: 7.07 (2H, s), 6.75-6.72 (3H, m), 6.61-6.98 (2H, m), 3.72 (3H, s), 3.61-3.57 (4H, m), 2.55-2.51 (2H, m), 2.42 (6H, s), 2.28 (3H, s), 2.24 (3H, s), 1.61-1.54 (2H, m), 1.53-1.42 (2H, m), 0.84 (9H, s), 0.00 (6H, s)。
【0223】
(viii)5−(4−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(vii)からの生成物(260mg)を使用する実施例36工程(vi)の方法によって副題化合物を製造して、無色のオイル(101mg)を得た;1H NMR: 6.78 (1H, s), 6.60 (2H, s), 6.01 (1H, br s), 5.72 (2H, br s), 3.81 (3H, s), 3.58-3.54 (4H, m), 3.25-3.17 (2H, m), 2.53-2.49 (2H, m), 1.96 (3H, s), 1.63-1.51 (2H, m), 1.50-1.37 (4H, m), 1.30-1.08 (4H, m), 0.84-0.78 (12H, m), 0.00 (6H, s); MS:ESI 501 (M+1)。
【0224】
(ix)4−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシフェニル)ブタン−1−オール
工程(x)からの生成物(100mg)を使用する実施例36工程(vii)の方法によって副題化合物を製造して、無色のオイル(71mg)を得た;1H NMR: 6.79 (1H, s), 6.61-6.50 (2H, m), 5.95 (1H, t), 5.64 (2H, br s), 4.36 (1H, t), 3.82 (3H, s), 3.55 (2H, s), 3.39-3.33 (2H, m), 3.22-3.17 (2H, m), 2.52-2.49 (2H, m), 1.96 (3H, s), 1.57-1.53 (2H, m), 1.42-1.37 (4H, m), 1.22-1.10 (4H, m), 0.80 (3H, t); MS:ESI 387 (M+1)。
【0225】
(x)5−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−N−ペンチルピリミジン−2,4−ジアミン
工程(ix)からの生成物を使用する実施例37の方法によって表題化合物を製造して、白色の固形物(58mg)を得た;1H NMR: 6.79 (1H, s), 6.61-6.50 (2H, m), 5.94-5.92 (1H, m), 5.63 (2H, s), 3.82 (3H, s), 3.54 (2H, s), 3.22-3.17 (2H, m), 2.52-2.49 (2H, m), 2.18-2.14 (2H, m), 2.05 (6H, s), 1.95 (3H, s), 1.55-1.49 (2H, m), 1.44-1.32 (4H, m), 1.24-1.09 (4H, m), 0.81 (3H, t); MS:ESI 414 (M+1)。
【0226】
実施例40:(S)−2−(2−アミノ−5−(4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ)ペンタン−1−オール
(i)4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)−メチル)−3−メトキシ安息香酸(S)−メチル
実施例12工程(iii)からの生成物(0.5g)のジオキサン(5mL)懸濁液へ(S)−2−アミノペンタン−1−オール(0.481g)を加えて、この混合物をCEMマイクロ波において170℃で9時間加熱した。次いで、この混合物を冷やし、溶媒を蒸発によって除去した。DCM中5% MeOHを使用するFCCによって残渣を精製して、副題化合物(0.250g)を橙色のゴムとして得た;1H NMR: 7.53-7.42 ( 2H, m), 6.89 (1H, d), 5.75 (2H,d), 5.58 (1H, d), 4.61-4.54 (1H, m), 4.17-4.08 (1H, m), 3.92 (3H, s), 3.83 (3H, s), 3.69 ( 2H, d), 3.28-3.23 (m, 1H), 2.00 (3H, d), 1.53-1.40 (m, 1H), 1.35-1.19 (m, 2H), 1.16-1.02 (m, 2H), 0.77 (3H, t); LC-MS m/z 389。
【0227】
(ii)(S)−4−((2−アミノ−4−(1−ヒドロキシペンタン−2−イルアミノ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)−3−メトキシ安息香酸
工程(i)からの生成物(220mg)をTHF(3mL)と水(3mL)に溶かしてから、LiOH溶液(3M,0.944mL)を加えた。次いで、この混合物をCEMマイクロ波において120℃で6時間加熱した。次いで、溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣を水に溶かして、2M HClでpH7へ酸性化した。生じる固体の沈殿を濾過して取って、高真空下に一晩乾燥させて、副題化合物(90mg)を得た;1H NMR: 7.53-7.42 (2H, m), 6.92 (1H, d), 6.61 (2H, d), 4.21 (1H, d), 3.91 (3H, d), 3.75 (2H, s), 2.09 (3H, s), 1.53-1.42 (1H, m), 1.40-1.20 (2H, m), 1.09 (2H, q), 0.78 (3H, t); LC-MS m/z 375。
【0228】
(iii)(S)−2−(2−アミノ−5−(4−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシベンジル)−6−メチルピリミジン−4−イルアミノ)ペンタン−1−オール
工程(ii)の生成物(85mg)へボラン−THF錯体(1M,3mL,3.00ミリモル)を加えて、この混合物を80℃まで2時間加熱した。次いで、MeOHを慎重に加えて、この混合物を80℃まで1時間加熱した。次いで、溶媒を蒸発によって除去して、生じる残渣をMeOHに溶かして、SCXカートリッジ上へロードした。このカートリッジをMeOHで洗浄して、MeOH中0.7M NHの溶液で溶出させた。溶媒を蒸発させて、表題化合物(40mg)を無色のゴムとして得た;1H NMR: 6.94 (1H, s), 6.74 (2H, q), 5.66 (2H, s), 5.48 (1H, t), 5.14 (1H, s), 4.59 (1H, s), 4.45 (2H, s), 4.15-4.04 (1H, m), 3.84 (3H, d), 3.59 (2H, d), 3.25 (1H, dd), 2.03 (3H, s), 1.54-1.44 (1H, m), 1.32-1.23 (2H, m), 1.11 (2H, m), 0.81-0.76 (3H, t); LC-MS m/z 361。