特許第5913211号(P5913211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913211
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】インタフェース装置、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20160414BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   G06F13/38 320A
   G06F3/00 F
   G06F13/38 350
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-130759(P2013-130759)
(22)【出願日】2013年6月21日
(65)【公開番号】特開2015-5190(P2015-5190A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 祐介
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−011989(JP,A)
【文献】 特開2012−123699(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0156950(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/38
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置を接続可能なコネクタと、
前記コネクタを構成する複数の端子用いて、前記外部装置との間で第1通信方式に準じた第1信号と、前記第1通信方式とは異なる第2通信方式に準じた第2信号とを通信する通信回路と、
前記コネクタの通信方式を共用する一の端子にグランドを接続し、前記一の端子とは異なる端子にプルアップを接続した一対の端子において、当該一対の端子が前記外部装置でループ接続されることにより前記プルアップが接続された端子の状態がLowとなっているか否かにより、前記コネクタに接続された前記外部装置の通信方式を判定する判定回路と、
前記判定回路の判定結果に応じて、前記通信回路の通信方式で使用する信号を切り替える切替回路と、
を備えるインタフェース装置。
【請求項2】
インタフェース装置に電力を供給する電源回路を更に備え、
前記判定回路は、電力の供給が開始されてから前記電源回路が起動を完了するまでの間に前記外部装置の通信方式を判定する、
請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項3】
前記通信回路は、前記第1通信方式としてRS232C規格に準ずる前記第1信号と、前記第2通信方式としてUSB規格に準ずる前記第2信号とを通信し、
前記判定回路は、前記外部装置の通信方式がRS232C規格又はUSB規格に準ずるものかを判定する、
請求項1または2に記載のインタフェース装置。
【請求項4】
前記プルアップが接続される外部端子は、RS232CにおけるDSRであり、前記グランドが接続される外部端子は、RS232CにおけるDTRである、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のインタフェース装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか一項に記載のインタフェース装置を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インタフェース装置、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sales)端末などの情報処理装置では、タッチパネル等のデバイスを備えたディスプレイの接続に、単一のコネクタを用いる場合がある。係る情報処理装置では、当該コネクタを介して、RS232C規格の通信方式に準拠したタッチパネル制御信号の他に、表示用の信号であるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)や、バックライト制御信号、電源などを通信する。一つのコネクタで複数の信号を通信することにより当該情報処理装置は、接続の容易性や、コスト上の利便性等を高めている。
【0003】
一方、近年では、制御信号等のデータ通信にUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠した通信方式を用いることが行われている。これに伴い、上記ディスプレイにおいても、タッチパネル制御信号等の通信にUSB規格の通信方式を用いるものが登場しつつある。しかし、依然としてRS232C規格のディスプレイは、多くある。そのため、情報処理装置のコネクタを変更してしまうと、ディスプレイとの互換性がなくなってしまう。そのため、従来、上記したRS232C規格の通信方式を、USB規格に準拠した通信方式に変換するための変換コネクタが提案されている。しかしながら、従来の技術では、変換コネクタを別途用意する必要があるため、着脱が煩雑であり、またコストが増大する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ハードウェアのみで接続されている規格を判定して対応させるインタフェース装置及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のインタフェース装置は、コネクタと、通信回路と、判定回路と、切替回路とを備える。前記コネクタは、外部装置を接続可能である。前記通信回路は、前記コネクタを構成する複数の端子用いて、前記外部装置との間で第1通信方式に準じた第1信号と、前記第1通信方式とは異なる第2通信方式に準じた第2信号とを通信する。前記判定回路は、前記コネクタの通信方式を共用する一の端子にグランドを接続し、前記一の端子とは異なる端子にプルアップを接続した一対の端子において、当該一対の端子が前記外部装置でループ接続されることにより前記プルアップが接続された端子の状態がLowとなっているか否かにより、前記コネクタに接続された前記外部装置の通信方式を判定する。前記切替回路は、前記判定回路の判定結果に応じて、前記通信回路の通信方式で使用する信号を切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、従来の情報処理装置の構成を模式的に示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る情報処理装置の構成を模式的に示す図である。
図3図3は、ディスプレイのインタフェースの認識処理を示すフローチャートである。
図4図4は、RS232Cが接続時のタイミングチャートである。
図5図5は、USBが接続時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態に係るインタフェース装置の実施形態を詳細に説明する。
【0008】
まず、図1を参照して、RS232C規格に準拠した通信方式で外部装置(ディスプレイ3)との通信を行う従来構成の情報処理装置1について説明する。
【0009】
図1は、従来の情報処理装置1の構成を模式的に示す図である。情報処理装置1は、各種の電子部品が配置される基板100を有し、ケーブルCを介して外部装置であるディスプレイ3に接続される。
【0010】
基板100は、HOSTコントローラ101と、RS232Cドライバレシーバ102と、本体側ピン群103と、を有する。HOSTコントローラ101は、RS232Cドライバレシーバ102とTTL(Transistor Transistor Logic)レベルの信号で通信する。
【0011】
RS232Cドライバレシーバ102は、HOSTコントローラ101と本体側ピン群103との間に設けられ、RS232C規格に準拠した通信方式で、ディスプレイ3と通信する。具体的には、RS232Cドライバレシーバ102は、送信用の素子を有するドライバ回路、受信用の素子を有するレシーバ回路等を具備し、TTLレベルの信号とRS232Cレベルの信号とを相互に変換する機能を有する。本体側ピン群103は、RS232C規格に準拠した26ピン構成のコネクタであり、ケーブルCを介して、ディスプレイ3のディスプレイ側ピン群303に接続される。ここで、ケーブルCは、本体の基板100と、ディスプレイ3の基板300とをつなぐための電線である。
【0012】
ディスプレイ3は、各種の電子部品が配置される基板300の他、図示しない表示パネル、バックライト、タッチパネル等を有する。
【0013】
ディスプレイ3の基板300は、タッチパネルコントローラ301と、RS232Cドライバレシーバ302と、ディスプレイ側ピン群303とを有する。タッチパネルコントローラ301は、ディスプレイ3に付加されたタッチパネルからの入力信号を取り込み、RS232Cドライバレシーバ302を介して情報処理装置1に出力する。RS232Cドライバレシーバ302は、送信用の素子を有するドライバ回路と、受信用の素子を有するレシーバ回路等を有する。ディスプレイ側ピン群303は、本体側ピン群103と同様、RS232C規格に準拠した26ピン構成のコネクタであり、ケーブルCを介して、情報処理装置1の本体側ピン群103に接続される。
【0014】
ここで、本体側ピン群103及びディスプレイ側ピン群303のコネクタの端子構成について説明する。コネクタには、タッチパネル用にRS232C規格を準拠するCOMの他に、表示用のLVDS、バックライト制御信号及び電源が接続される。本実施形態では、タッチパネルコントローラ301用のCOMの信号として、端子番号7のTXD、端子番号19のRXD、端子番号20のDTR、端子番号24のDSRがコネクタに割り当てられている。
【0015】
端子番号20のDTRは、ディスプレイ3において、端子番号24のDSRとループ接続される。端子番号20のDTRは、本体が動作可能な状態であることを示す信号である。端子番号24のDSRは、ディスプレイ3が動作可能な状態であることを本体に通知する信号である。そして、端子番号20のDTRと、端子番号24のDSRとは、プラグアンドプレイで使用されるためにループ接続される信号である。なお、ループ接続とは、ディスプレイ3へ出力した信号が、ディスプレイ3から同じ値で入力されることである。
【0016】
また、端子番号8のCTSは、ディスプレイ3において未接続となっている。この端子番号8のCTSは、送信可を示す信号であり、一般的には、モデムなどと接続される場合に使用される。そして、例えば、CTSは、モデムが送信可能な状態になったことをパーソナルコンピュータなどに伝える用途で使用される。そのため、本構成のように、情報処理装置1と、ディスプレイ3とを1対1で接続する構成では、CTSは不要となるためディスプレイ3側において未接続となる。
【0017】
ところで、ディスプレイ3に代えて、例えば、タッチパネル用のデータ信号を、USB+とUSB−とを用いて通信するUSB規格の通信方式を採用したディスプレイ3が接続された場合、従来構成の情報処理装置1では、このディスプレイ3を接続することができない。なお、RS232C規格の通信方式をUSB規格の通信方式に変換する変換コネクタが既存の技術として存在するが、係る技術では変換コネクタの着脱が煩雑であり、コストが増大する可能性がある。また、USBデータ用には、USB+とUSB−との2端子が必要なため、使用されていない端子番号8のCTSを用いるとしても、上記した本体側ピン群103のコネクタでは足りない。また、ソフトウェアによってRS232CとUSBとを切り替える方策も考えられるが、この方策では信号の出入力に係る設定等が煩雑になる可能性がある。
【0018】
そこで、本実施形態の情報処理装置2では、接続される外部装置(ディスプレイ3)の通信方式に応じて、タッチパネル用のデータ信号の通信方式を切り替えることで、コネクタの形状を維持しつつ、接続される外部機器への汎用性を高める。以下、本実施形態に係る情報処理装置2について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、情報処理装置2は、各種の電子部品が配置されるインタフェース装置である基板200を有し、ケーブルCを介して外部装置であるディスプレイ3等に接続される。
【0020】
基板200は、HOSTコントローラ201と、RS232Cドライバレシーバ202と、本体側ピン群203と、電源回路204と、ラッチ回路205と、EN信号生成回路206と、バススイッチ207と、I/F判定回路208と、RESET保護回路209とを有する。
【0021】
本実施形態に係るHOSTコントローラ201は、USB規格に準拠した端子セットの信号と、RS232C規格に準拠した端子セットの信号とを有している。使用される端子セットは、後述するバススイッチ207によって、接続される外部装置(ディスプレイ3)の通信方式に応じて切り替えられる。そして、HOSTコントローラ201は、それぞれの通信方式に従い、信号の生成を行っている。
【0022】
RS232Cドライバレシーバ202は、上述した情報処理装置1と同様であるがEN信号を有している点が異なっている。具体的には、RS232Cドライバレシーバ202は、USB方式で通信がされている場合には不要である。よって、本実施形態に係るRS232Cドライバレシーバ202は、動作の有無を制御するEN信号を有している。そして、HOSTコントローラ201と、RS232Cドライバレシーバ202とは、ディスプレイ3との間で信号を送受信する通信回路を形成している。
【0023】
本体側ピン群203は、上述した情報処理装置1と同様であるが端子番号8のCTSと、端子番号20のDTRとが異なっている。具体的には、これらの端子は、USB規格に準拠した端子、又は、RS232C規格に準拠した端子として共用される。具体的には、端子番号8のCTSは、RS232C規格の場合には、未使用の端子となり、USB規格の場合には、USB+の端子として使用される。端子番号20のDTRは、RS232C規格の場合には、DTRの端子として使用され、USB規格の場合には、USB−の端子として使用される。
【0024】
電源回路204は、情報処理装置2の各部に電力を供給する回路である。また、電源回路204は、PWRGD信号を出力する。PWRGD信号は、各部に電力を供給開始してから電源回路204が正常に起動を完了した場合にHighとなる信号である。そして、PWRGD信号は、PWROK信号としてHOSTコントローラ201に出力されるとともに、CLK信号としてラッチ回路205に出力される。なお、PWRGD信号は、電源が起動してから出力されるまでに、数十msから数百msの遅延がある。
【0025】
HOSTコントローラ201は、PWROK信号がHighとなるとRESET#信号をHighにしてリセット状態を解除する。なお、信号名に付けられているシャープのマークは、信号がLowの状態が有効であることを示している。
【0026】
ラッチ回路205は、CLK信号とD信号とを入力として、SEL信号を出力する。ラッチ回路205は、CLK信号がLowからHighへの立ち上がり時に、D信号の値を保持してSEL信号から出力する。
【0027】
EN信号生成回路206は、RS232Cドライバレシーバ202のイネーブル信号を生成する回路である。EN信号生成回路206には、入力信号としてSEL信号と、RESET#信号とが入力される。また、EN信号生成回路206は、出力信号としてEN信号を出力する。そして、EN信号生成回路206は、論理積206aと、論理否定206bとを有している。
【0028】
ここで、論理積206aは、RESET#信号と、論理否定206bからの出力信号とを入力とし、当該信号の論理積をEN信号として出力する。論理否定206bは、SEL信号を入力とし、当該信号の論理否定を出力する。上記の構成により、EN信号生成回路206は、RESET#信号がHighであって、SEL信号がLowの場合にEN信号をHighとする。すなわち、EN信号生成回路206は、RESET#信号が無効状態であり、且つRS232Cが接続されている場合に、EN信号をHighにする。
【0029】
切替回路であるバススイッチ207は、I/F判定回路208からの出力であるSEL信号の値によって、RS232Cの信号とUSBの信号とを切り替える回路である。バススイッチ207は、HOSTコントローラ201との間で、USB+信号と、USB−信号と、DTR#信号と、を入出力可能に接続する。また、バススイッチ207は、本体側ピン群203との間で、USB+信号と、DTR−TP#/USB−信号と、を入出力可能に接続する。また、バススイッチ207は、未接続の入力端子を一つ有する。
【0030】
ここで、USB+信号は、USBのデータ用の信号である。USB−信号は、USBのデータ用の信号である。DTR#信号は、RS232CのDTR信号である。OE信号は、バススイッチ207の出力イネーブルである。そして、OE信号は、RESET#信号が入力されたものである。SEL信号は、I/F判定回路208からの出力である。なお、後述するように、SEL信号は、Highの場合はUSB接続であることを示し、Lowの場合はRS232C接続であることを示す。DTR−TP#/USB−信号は、RS232CのDTR信号と、USBのデータ用の信号とで共用する信号であり、接続されたインタフェースによって使い分けられる。また、以下では、未接続の入力端子に係る信号を未接続信号という。
【0031】
また、バススイッチ207は、SEL信号とOE信号と入力信号とし、当該OE信号に応じて、オンとオフとを切り替える。具体的には、バススイッチ207は、OE信号がLowの場合に、有効な信号を出力しないオフ状態とする。一方、OE信号がHighの場合に、バススイッチ207は、有効な信号を出力するオン状態とする。すなわち、バススイッチ207の出力は、OE信号にHighが入力されていることが前提条件となる。
【0032】
また、バススイッチ207は、SEL信号に応じて、本体側ピン群203に対する、USB+信号と未接続信号とを切り替えるとともに、USB−信号とDTR#信号とを選択的に切り替える。具体的には、バススイッチ207は、USB+信号と未接続信号との関係において、SEL信号がHighの場合に、USB+信号を本体側ピン群203に接続する。一方、バススイッチ207は、SEL信号がLowの場合に、未接続信号を本体側ピン群203に接続する。よって、RS232Cが接続時において、端子番号8のCTSは、未接続となる。
【0033】
すなわち、SEL信号がHighであるUSB接続の場合には、バススイッチ207は、USBの通信方式で使用されるUSB+信号と、USB−信号とを選択する。一方、バススイッチ207は、SEL信号がLowであるRS232C接続の場合には、RS232Cの通信方式で使用するDTR#信号を選択する。また、RS232C接続の場合に、バススイッチ207は、CTS信号には未接続信号を選択する。
【0034】
また、バススイッチ207は、USB−信号とDTR#信号との関係において、SEL信号がHighの場合に、USB−信号を本体側ピン群203に接続させる。また、バススイッチ207は、SEL信号がLowの場合に、DTR#信号を本体側ピン群203に接続させる。このように、バススイッチ207は、通信方式に応じて使用する信号を切り替える。
【0035】
判定回路であるI/F判定回路208は、ディスプレイ側のインタフェースがUSBであるかRS232Cであるかを判定する。I/F判定回路208は、論理否定208aと、プルアップ208bと、FET208c(Field Effect Transistor)と、グランド208dと、FET208eとを有している。ここで、論理否定208aには、入力信号としてRESET#信号が入力される。プルアップ208bは、DSR−TP#信号との接続をFET208cに制御される。グランド208dは、DTR−TP#/USB−信号との接続をFET208eに制御される。
【0036】
FET208cは、論理否定208aからの出力信号であるINVがゲートに接続され、DSR−TP#信号がソースに接続され、プルアップ208bがドレインに接続される。FET208eは、INVがゲートに接続され、DTR−TP#/USB−信号がソースに接続され、グランド208dがドレインに接続される。
【0037】
すなわち、RESET#信号からリセット状態であることを示すLowが入力されると、I/F判定回路208のイネーブルを生成する論理否定208aは、出力信号であるINVからHighを出力する。プルアップのFET208cとグランドのFET208eとは、ゲートに電圧が印加される。よって、ソースとドレイン間に電流が流れるためI/F判定回路208は、動作する。
【0038】
一方、RESET#信号から非リセット状態を示すHighが入力されると、I/F判定回路208のイネーブルを生成する論理否定208aは、出力信号であるINV信号からLowを出力する。プルアップのFET208cとグランドのFET208eとは、ゲートに電圧が印加されない。よって、ソースとドレイン間に電流が流れず、I/F判定回路208は、動作しない。
【0039】
次に上述の構成にて、I/F判定回路208が行うディスプレイ側のインタフェースの判定方法について説明を行う。
【0040】
RS232Cの場合に、端子番号20のDTRと、端子番号24のDSRとは、ディスプレイ3の基板300でループ接続となっている。一方、USBの場合には、端子番号20のDTRと、端子番号24のDSRとは、ディスプレイ3の基板300でループ接続になっていない。よって、ループ接続であるか否かによって、I/F判定回路208は、自装置に接続されたディスプレイ3等のインタフェースを判定する。
【0041】
具体的には、グランド208dは、端子番号20のDTRが接続されているDTR−TP#/USB−信号に接続する。プルアップ208bは、端子番号24のDSRが接続されているDSR−TP#信号に接続する。よって、ディスプレイ3の基板300でループ接続となっている場合に、プルアップ208bと接続しているがグランド208dとも接続されているため、DSR−TP#信号はLowとなる。一方、ディスプレイ3の基板300でループ接続となっていない場合に、グランド208dの影響がないことからプルアップ208bによりDSR−TP#信号は、Highとなる。このように、I/F判定回路208は、DSR−TP#信号の状態によって通信方式を判定する。
【0042】
また、I/F判定回路208は、上述の判定をPWRGD信号が、ラッチ回路205のCLK信号として入力されるまでの間に判定する。すなわち、I/F判定回路208は、各部に電力を供給開始してから前記電源回路が起動を完了するまでの間に判定する。よって、情報処理装置2は、自装置の起動が完了するまでの間に、ディスプレイ側のインタフェースの判定を完了する。
【0043】
RESET保護回路209は、RS232Cが接続されている場合に、リセット時にDSR#信号がLowになることを防ぐ回路である。RESET保護回路209は、FET209aを有している。FET209aは、RESET#信号がゲートに接続され、DSR−TP#信号にソースが接続され、プルアップを有しているDSR#信号にドレインが接続される。よって、RESET#信号がLowになると、RESET保護回路209は、ソースが接続されたDSR−TP#信号と、ドレインが接続されたDSR#信号の間は電流が流れない。そして、DSR#信号にはプルアップ209bが接続されているため、RESET保護回路209は、リセット状態である期間はDSR#信号がLowになることを防ぐことができる。
【0044】
次に、本体に接続されたディスプレイ3のインタフェースの切り替え処理についてフローチャートとタイミングチャートとを用いて説明する。ここで、図3は、ディスプレイ3のインタフェースの認識処理を示すフローチャートである。また、図4は、RS232Cが接続時のタイミングチャートである。なお、図4には、情報処理装置2の動作に係る主要な信号の信号名と、その信号に関する説明とを記載している。
【0045】
まず、ディスプレイ3のインタフェースがRS232Cの場合について説明する。タイミングT11において、電源回路204は、電源を起動する(ステップS1)。具体的には、電源回路204は、3.3V信号を印加する。
【0046】
次いで、起動直後のタイミングT12において、I/F判定回路208は、ループ接続であるか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、HOSTコントローラ201は、RESET#信号をLowにしてリセット状態にする。よって、RESET#信号の論理否定208aにより生成されるI/F判定回路208のイネーブル信号は、Highとなる。この時、ディスプレイ3のインタフェースは、RS232Cであることからループ接続となっている。よって、I/F判定回路208は、出力であるDSR−TP#信号をLowにする。これにより、I/F判定回路208は、ループ接続であると判定する(ステップS2;Yes)。
【0047】
タイミングT13において、ラッチ回路205は、Lowをラッチする(ステップS3)。具体的には、DSR−TP#信号が接続されているラッチ回路205のデータ入力もLowとなる。電源回路204は、電源回路204が正常に起動するとPWRGD信号をHighにする。また、電源回路204は、PWRGD信号をラッチ回路205のCLK信号として入力する。よって、ラッチ回路205は、Lowをラッチする。
【0048】
タイミングT14において、ラッチ回路205のデータ出力は、バススイッチ207をRS232Cに設定する(ステップS4)。具体的には、ラッチ回路205は、SEL信号からLowを出力する。SEL信号からLowを入力した、バススイッチ207は、RS232Cへ設定する。なお、バススイッチ207は、OE信号がLowなので出力はしない。
【0049】
タイミングT15及びタイミングT16において、HOSTコントローラ201は、RESET#信号をHighにしてI/F判定回路208を無効化する(ステップS5)。具体的には、RESET#信号は、解除されてHighとなる。I/F判定回路208のイネーブルは、RESET#信号を論理否定208aにより生成される。よって、I/F判定回路208のイネーブルは、I/F判定回路208を無効化する。
【0050】
タイミングT17及びタイミングT18において、バススイッチ出力イネーブルは、バススイッチ207を有効に設定する(ステップS6)。具体的には、バススイッチ207は、RESET#信号をバススイッチ出力イネーブルに入力している。よって、RESET#信号がHighとなることに伴い、バススイッチ出力イネーブルは、Highとなる。それにより、バススイッチ207は、RS232Cの信号を出力する。
【0051】
タイミングT19において、EN信号生成回路206は、RS232Cドライバレシーバ202を有効に設定する(ステップS7)。具体的には、ラッチ回路205のデータ出力からLowと、RESET#信号からHighとが入力されたEN信号生成回路206は、RS232Cドライバレシーバ202のイネーブル信号をHighにしてRS232Cドライバレシーバ202を有効に設定する。
【0052】
以上により、本体は、ディスプレイ3のインタフェースがRS232Cであるとして通信を行う。
【0053】
次に、ディスプレイ3のインタフェースがUSBだった場合について、タイミングチャートと合わせて説明を行う。ここで、図5は、USBが接続時のタイミングチャートである。
【0054】
タイミングT21において、電源回路204は、電源を起動する(ステップS1)。具体的には、電源回路204は、3.3V信号を印加する。
【0055】
タイミングT22において、ラッチ回路205は、ループ接続であるか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、HOSTコントローラ201は、RESET#信号をLowにしてリセット状態にする。よって、RESET#信号の論理否定208aにより生成されるI/F判定回路208のイネーブル信号は、Highとなる。この時、ディスプレイ3のインタフェースは、USBであることからループ接続となっていない。よって、I/F判定回路208は、出力であるDSR−TP#信号は、Highとなる。これにより、I/F判定回路208は、非ループ接続と判定する(ステップS2;No)。
【0056】
タイミングT23において、ラッチ回路205は、Highをラッチする(ステップS8)。具体的には、DSR−TP#信号が接続されているラッチ回路205のデータ入力もHighとなる。電源回路204は、正常に起動するとPWRGD信号をHighにする。また、電源回路204は、PWRGD信号をラッチ回路205のCLK信号として入力する。よって、ラッチ回路205は、Highをラッチする。
【0057】
タイミングT24において、ラッチ回路205のデータ出力は、バススイッチ207をUSBに設定する(ステップS9)。具体的には、ラッチ回路205は、SEL信号からHighを出力する。SEL信号からHighを入力した、バススイッチ207は、USBへ設定する。なお、バススイッチ207は、OE信号がLowなので出力はしない。
【0058】
タイミングT25及びタイミングT26において、HOSTコントローラ201は、RESET#信号をHighにしてI/F判定回路208を無効化する(ステップS10)。具体的には、RESET#信号は、解除されてHighとなる。I/F判定回路208のイネーブルは、RESET#信号を論理否定208aにて反転した信号を使用している。よって、I/F判定回路208のイネーブルは、I/F判定回路208を無効化する。
【0059】
タイミングT27及びタイミングT28において、バススイッチ出力イネーブルは、バススイッチ207を有効に設定する(ステップS11)。具体的には、バススイッチ207は、RESET#信号をバススイッチ出力イネーブルに入力している。よって、RESET#信号がHighとなることに伴い、バススイッチ出力イネーブルは、Highとなる。それにより、バススイッチ207は、USBの信号を出力する。
【0060】
タイミングT29において、EN信号生成回路206は、RS232Cドライバレシーバ202を無効に設定する(ステップS12)。具体的には、ラッチ回路205のデータ出力からHighと、RESET#信号からHighと、が入力されたEN信号生成回路206は、RS232Cドライバレシーバ202のイネーブル信号をLowにしてRS232Cドライバレシーバ202を無効に設定する。
【0061】
以上により、本体は、ディスプレイ3のインタフェースがUSBであるとして通信を行う。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、I/F判定回路208は、ループ接続されているか否かにより、自装置に接続されたディスプレイ3のインタフェースを判定する。また、ラッチ回路205は、判定結果をラッチする。そして、バススイッチ207は、ラッチ回路205からの出力に応じて、ディスプレイ3との間で接続する信号をRS232C接続用又はUSB接続用に切り替える。さらに、バススイッチ207は、ラッチ回路205からの出力に応じて、RS232Cドライバレシーバ202の有効と無効とを切り替える。したがって、変換コネクタを別途用意する必要がなくなるため、ユーザの利便性を向上させることができるとともに、コストの増大を抑えることができる。また、ソフトウェアを用いて設定を行わずにRS232CとUSBとを切り替えることができることから設定の不備による動作不良がなくなる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
2 情報処理装置
200 基板(インタフェース装置)
201 HOSTコントローラ
202 RS232Cドライバレシーバ
203 本体側ピン群
204 電源回路
205 ラッチ回路
206 EN信号生成回路
207 バススイッチ
208 I/F判定回路
209 RESET保護回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開2000−163175号公報
図1
図2
図3
図4
図5