(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置等の紙送り機構においては、熱可塑性エラストマーからなる給紙ローラー及び搬送ローラーが用いられている。このような給紙ローラー及び搬送ローラーは、記録紙等を正確なタイミングや速度で画像形成部に搬送するために、その真円度と内径及び外径寸法に高度な精度が要求されている。
【0003】
給紙ローラー及び搬送ローラーは、例えば、チューブ状の熱可塑性エラストマーを母材としている。一般的に、チューブ状の熱可塑性エラストマーを成形する押出成形装置においては、押出機から下流側に冷却用の水槽、引取機、切断機等が順次配設されている。
【0004】
押出機で加熱溶融された合成樹脂材料は、押出機出口のダイス及びマンドレルを通過する際に、所定の断面形状になるように成形され、略水平方向に連続的に押し出される。押出機から押し出された高温のチューブ状成形物は、引取機によって引き取られながら、押出機と引取機との間に配設されている水槽内の冷却水中を通過する際に冷却されて硬化する。その後、硬化したチューブ状成形物は、切断機で切断され、製品としての給紙ローラー又は搬送ローラーが得られる。
【0005】
水槽内を通過するチューブ状成形物には、水圧に加え、引取機による水平方向の張力や鉛直方向にかかる重力の影響を受ける。これらの合力が大きくなるとチューブが潰れ、チューブの断面形状が扁平化する等の問題が生ずる。
【0006】
そこで、高い寸法精度が要求されるチューブ状成形物の押出成形装置にあっては、サイジングダイを用いた真空冷却水槽が用いられている。サイジングダイは、所定の口径を有する貫通孔を備えており、水槽の入口に装着されている。チューブ状成形物の内外に生ずる圧力差によって、サイジングダイの貫通孔にチューブが引きつけられ、チューブの外形寸法がサイジングダイによって規制される。
【0007】
サイジングダイと真空冷却水槽とを併用する技術として、例えば、下記特許文献1では、筒状成形品の外形寸法を所望の値に保つために、フィードバック制御される真空ポンプにより冷却水槽内の気圧を調整する押出成形方法が開示されている。この押出成形方法においては、サイジングダイの内部に真空ゾーンが設けられ、真空ゾーンの負圧状態によりサイジングダイの貫通孔に成形品の外面が密着され、成形品の外面がなめらかに成形される。
【0008】
下記特許文献2では、優れた寸法精度、膜厚精度を有する熱可塑性ポリイミド系チューブ状フィルムを成膜するために、真空ポンプにより内部が減圧状態とされたサイジングスリーブと冷却水槽とを用い、サイジングスリーブの内環に少量の水を供給する熱可塑性ポリイミド系チューブ状フィルムの製造方法が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特許第2731694号公報
【特許文献2】特許第3237715号公報
【0010】
しかしながら、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂等の給紙ローラー及び搬送ローラーに適する熱可塑性エラストマー材料は、上記特許文献1、2に記載された発明において使用される材料と比較すると、サイジングダイとの摩擦により変形が生じやすいという傾向を有している。そのため、このような熱可塑性エラストマー材料を押出成形する場合にあっては、上記特許文献1、2に記載された技術を適用しても摩擦による変形を十分に抑制できない。その結果、成形物がサイジングダイを通過できずに、成形そのものが行えなくなったり、成形できたとしてもチューブ状成形物の寸法が変化する等の問題が新たに生じていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、摩擦により変形が生じやすい熱可塑性エラストマー材料を用いても、高度な寸法精度が得られる押出成形装置及び熱可塑性エラストマー成形品の製造方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、熱可塑性エラストマーを押し出し成形する押出成形装置であって、熱可塑性エラストマーを加熱して、ダイスから押し出す押出手段と、前記押し出された熱可塑性エラストマーを引き取る引取手段と、前記押出手段と前記引取手段との間に配されかつ前記押し出された熱可塑性エラストマーの形状を整える形状調整手段とを有し、前記形状調整手段は、熱可塑性エラストマーを冷却する冷却水が満たされた水槽を有し、前記水槽を区画する側壁には、熱可塑性エラストマーが前記水槽内に入るための貫通孔からなる入口と、前記熱可塑性エラストマーが前記水槽から出るための貫通孔からなる出口とが設けられ、少なくとも前記入口の口径は、前記押出手段から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマーの外径よりも大きく、前記冷却水の水位は、前記入口及び前記出口の上端よりも高いことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記水槽は、前記側壁に装着される第1部材を有し、前記入口は、前記第1部材に形成されているのが望ましい。
【0014】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記ダイスは、前記熱可塑性エラストマーをチューブ状に押し出すものであり、前記水槽は、前記押出手段から押し出された熱可塑性エラストマーが最初に通過する常圧水槽と、前記常圧水槽の下流側に設けられた減圧水槽とを有するのが望ましい。
【0015】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記水槽は、前記常圧水槽と前記減圧水槽とを仕切る第1仕切壁を含み、前記第1仕切壁には、前記熱可塑性エラストマーが通過する貫通孔からなる第1通過口が設けられ、前記第1通過口の口径は、前記押出手段から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマーの外径よりも大きく、前記冷却水の水位は、前記第1通過口の上端よりも高いのが望ましい。
【0016】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記水槽は、前記第1仕切壁に装着される第2部材を有し、前記第1通過口は、前記第2部材に形成されているのが望ましい。
【0017】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記第1通過口の押出方向の長さは、0.5〜10mmであるのが望ましい。
【0018】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記減圧水槽は、第1減圧水槽と、前記第1減圧水槽の下流側に設けられた第2減圧水槽と、前記第1減圧水槽と前記第2減圧水槽とを仕切る第2仕切壁を含み、前記第2仕切壁には、前記熱可塑性エラストマーが通過する貫通孔からなる第2通過口が設けられ、前記第2通過口の口径は、前記押出手段から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマーの外径よりも大きく、前記冷却水の水位は、前記第2通過口の上端よりも高いのが望ましい。
【0019】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記入口の口径は、前記押出手段から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマーの外径の1.04〜1.26倍であるのが望ましい。
【0020】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記第1通過口の口径及び前記第2通過口の口径は、前記熱可塑性エラストマーの仕上げ外径の1.08〜1.45倍であるのが望ましい。
【0021】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記減圧水槽には、該減圧水槽内を水平方向に通過する前記熱可塑性エラストマーの上下又は左右の位置を規制する位置規制手段が設けられているのが望ましい。
【0022】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記位置規制手段は、回転しながら熱可塑性エラストマーと当接し、前記熱可塑性エラストマーの位置を規制するローラーと、前記ローラーを回転自在に軸支する回転軸とを有するのが望ましい。
【0023】
本発明に係る前記押出成形装置においては、少なくとも一つの前記貫通孔の表面には、前記熱可塑性エラストマーとの摩擦を低減するコーティング膜が形成されているのが望ましい。
【0024】
本発明に係る前記押出成形装置においては、前記引取手段によって引き取られた熱可塑性エラストマーを、所定の長さに切断する切断手段をさらに有するのが望ましい。
【0025】
さらに、本発明は、前記押出成形装置を用いてチューブ状の熱可塑性エラストマーが輪切りされた成形品を製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の押出成形装置は、水槽の側壁に設けられた貫通孔からなる入口の口径が、押出手段から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマーの外径よりも大きいので、前記押し出された熱可塑性エラストマーと入口との間に摩擦が生ずることが抑制される。すなわち、熱可塑性エラストマーの外面に密着するサイジングダイを水槽に装着する替わりに、水槽の側壁に熱可塑性エラストマーの外径よりも口径の大きい貫通孔を設けることにより、熱可塑性エラストマーが摩擦により変形することが抑制され、優れた寸法精度を得ることが可能になる。
【0027】
さらに、冷却水の水位が、入口及び出口の上端よりも高いので、入口及び出口とそれらを通過する熱可塑性エラストマーとの間に介在する冷却水の水膜により、水槽内への空気の進入が防止される。さらに、冷却水の潤滑作用により、熱可塑性エラストマーと入口及び出口との間に生ずる摩擦がより一層抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の押出成形装置1の断面図である。押出成形装置1は、熱可塑性エラストマーの押出成形に用いられる。
【0030】
図1に示されるように、本実施形態の押出成形装置1は、押出機(押出手段)2と、引取機(引取手段)3と、形状調整機(形状調整手段)4と、切断機(切断手段)5とを備える。
【0031】
押出機2は、押出成形装置1の最上流に配設され、熱可塑性エラストマー10を加熱して、押し出す。引取機3は、押出機2によって押し出された熱可塑性エラストマー10を引き取る。形状調整機4は、押出機2と引取機3との間に配設され、押出機2によって押し出された熱可塑性エラストマー10の形状を整える。切断機5は、引取機3によって引き取られた熱可塑性エラストマー10を所定の長さに切断する。
【0032】
押出機2は、例えば、ホッパー21と、シリンダー22と、スクリュー23と、マンドレル24と、ダイス25とを有している。ホッパー21には、熱可塑性エラストマー10の材料となるペレット11が投入される。ホッパー21は、投入されたペレット11をシリンダー22に供給する。シリンダー22は、ホッパー21によって供給されたペレット11を加熱して溶融させ、流動性を有する熱可塑性エラストマー10を生成する。シリンダー22には、ペレット11を加熱するためのヒーター(図示せず)が設けられている。スクリュー23は、シリンダー22に内蔵され、加熱溶融された熱可塑性エラストマー10をシリンダー22の先端側に押し出す。
【0033】
マンドレル24は、例えば、スクリュー23と同軸かつ一体に設けられ、スクリュー23によって押し出された熱可塑性エラストマー10を中空に形成する。ダイス25は、シリンダー22の先端に設けられ、スクリュー23によって押し出された熱可塑性エラストマー10の外形を形成する。マンドレル24とダイス25とによってチューブ状の熱可塑性エラストマー10が形成され押出機2の出口から押し出される。
【0034】
引取機3は、例えば、押出機2から押し出された熱可塑性エラストマー10に接触し、熱可塑性エラストマー10を引き抜く一対のローラー31と、ローラー31を回転駆動するローラー駆動部(図示せず)とを有している。ローラー31の回転数は、例えば、スクリュー23の回転数等と連動するように制御されている。
【0035】
形状調整機4は、熱可塑性エラストマー10を冷却する冷却水Wが満たされた水槽40を有している。水槽40は、底壁41と、上流側の側壁42と、下流側の側壁43と、天壁44とによって区画される。上流側の側壁42には、押出機2から押し出された熱可塑性エラストマー10が水槽40の内部に入るための貫通孔からなる入口45aが設けられている。下流側の側壁43には、熱可塑性エラストマー10が水槽40の内部から出るための貫通孔からなる出口45bが設けられている。水槽40は、例えば、熱可塑性エラストマー10の押出方向の上流側から下流側に向かって、第1常圧水槽61、第1減圧水槽62、第2減圧水槽63及び第2常圧水槽64に順次区画されている。
【0036】
押出機2から押し出された高温の熱可塑性エラストマー10は、引取機3によって付与される張力によって引き延ばされて、その外径は徐々に小さくなる。さらに、その間に水槽40を通過する熱可塑性エラストマー10は、冷却水Wとの熱交換により、冷却されて収縮する。やがて、熱可塑性エラストマー10の温度が十分に低下すると、熱可塑性エラストマー10の形状は安定する。
【0037】
切断機5は、例えば、引取機3によって引き取られた熱可塑性エラストマー10を切断するカッター51と、カッター51を上下方向に往復駆動するカッター駆動部(図示せず)とを有している。カッター51の往復周期は、例えば、引取機3のローラー31の回転数等と連動するように制御されている。これにより、チューブ状の熱可塑性エラストマー10が所定の長さで切断される。切断されたチューブは、例えば、画像形成装置等の紙送り機構に用いられる給紙ローラー12等の成形品として使用される。
【0038】
図2は、水槽40の構成を示している。水槽40は、第1常圧水槽61と、第1減圧水槽62と、第2減圧水槽63と、第2常圧水槽64とを有している。第1常圧水槽61は、押出機2から押し出された熱可塑性エラストマー10が最初に通過するように、水槽40の最上流側に配置されている。第1常圧水槽61を通過した熱可塑性エラストマー10は、第1減圧水槽62、第2減圧水槽63及び第2常圧水槽64を順次通過する。
【0039】
第1常圧水槽61と、第1減圧水槽62とは、第1仕切壁46によって仕切られている。第1仕切壁46には、熱可塑性エラストマー10が通過する貫通孔からなる第1通過口72aが設けられている。第1減圧水槽62と、第2減圧水槽63とは、第2仕切壁47によって仕切られている。第2仕切壁47には、熱可塑性エラストマー10が通過する貫通孔からなる第2通過口73aが設けられている。第2減圧水槽63と、第2常圧水槽64とは、第3仕切壁48によって仕切られている。第3仕切壁48には、熱可塑性エラストマー10が通過する貫通孔からなる第3通過口74aが設けられている。
【0040】
第1常圧水槽61及び第2常圧水槽64の上部は、大気に開放されている。これにより、第1常圧水槽61及び第2常圧水槽64の圧力は常圧に維持される。一方、第1減圧水槽62及び第2減圧水槽63の上部は、天壁44によって閉鎖されており、かつ真空ポンプPによって第1減圧水槽62及び第2減圧水槽63の内部の空気が引き抜かれている。これにより、第1減圧水槽62及び第2減圧水槽63の圧力は大気圧よりも低く、略真空状態が維持される。
【0041】
熱可塑性エラストマー10が第1減圧水槽62及び第2減圧水槽63を通過する際、常圧のチューブ内部と減圧されたチューブ外部において圧力差が生ずる。この圧力差によって、熱可塑性エラストマー10は、径方向の外側に均一に張り出し、熱可塑性エラストマー10の形状が維持される。
【0042】
第1減圧水槽62及び第2減圧水槽63を減圧する手法は、特に限定されない。例えば、ベンチュリー管を用いた手法等、一般的な減圧手法が適用され得る。
【0043】
各水槽の押出方向の長さは、適宜設定できる。例えば、第1常圧水槽61の押出方向の長さは、第1減圧水槽62の押出方向の長さよりも小さく設定されていてもよい。さらに、各水槽の押出方向の容積は、適宜設定できる。例えば、第1常圧水槽61の容積は、第1減圧水槽62の容積よりも小さく設定されていてもよい。第1減圧水槽62の容積と、第2減圧水槽63の容積とは、同等である。第2常圧水槽64の容積は、第2減圧水槽63の容積よりも大きく設定されている。
【0044】
第1常圧水槽61及び第2常圧水槽64には、給水タンクTが接続されており、各水槽内で所望の水位が得られるように、流量調整弁(図示せず)等により給水量が調整されている。第1減圧水槽62及び第2減圧水槽63についても、上記と同様である。
【0045】
図3は、第1常圧水槽61及びその周辺の構成を示している。第1常圧水槽61は、側壁42と、第1仕切壁46と、筒状部材66等によって区画されている。側壁42と筒状部材66との接合部、及び第1仕切壁46と筒状部材66との接合部には、リング状のガスケット67が設けられている。筒状部材66の上部には、開口66aが形成され、筒状部材66の上部は、大気に開放されている。側壁42及び筒状部材66の下方には、水受け部49が設けられている。
【0046】
側壁42は、その上部及び下部に一対の給水口42aを有している。それぞれの給水口42aには、給水管継手42bが装着されている。各給水管継手42bは、給水タンクTと接続されており、給水口42aは、給水タンクTから供給された冷却水を第1常圧水槽61に流入させる。第1常圧水槽61に流入した冷却水Wは、第1常圧水槽61を通過する熱可塑性エラストマー10を冷却した後、入口45a及び開口66aから溢れ出し、水滴状の冷却水W1となって落下し、水受け部49に溜められる。
【0047】
給水タンクTと給水管継手42bとの間の配管経路に設けられている流量調整弁を調整することにより、第1常圧水槽61における冷却水Wの水位は、入口45aの上端よりも高く維持されている。このため、入口45aを通過する熱可塑性エラストマー10の全表面は、冷却水Wによる水膜に覆われている。
【0048】
水受け部49の下部には、排水口49aが形成され、排水口49aには、排水管継手49bが設けられている。水受け部49に溜められた冷却水W2は、排水口49a及び排水管継手49bを介して水受け部49の外部に排出される。排水管継手49bを介して排出された冷却水W2は、給水タンクTに循環するように構成されていてもよい。
図2に示される第2常圧水槽64も、上記と同等の構成により、水位が維持されている。
【0049】
側壁42には、熱可塑性エラストマー10を挿通させるための開口42cが形成され、開口42cには板状の第1部材71が装着されている。第1部材71には、水槽40の入口45aが第1部材71を貫通して形成されている。入口45aの口径は、開口42cの口径よりも小さく、かつ押出機2から押し出された後、入口45aに進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径よりも大きく設定されている。
【0050】
入口45aの口径D1が入口45aに進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径D0以下である場合、サイジングダイを用いた従来技術と同様に、熱可塑性エラストマー10と入口45aとの間で生ずる摩擦が大きくなり、熱可塑性エラストマー10の仕上げ寸法の精度に影響を及す。一方、入口45aの口径D1が過度に大きい場合、入口45aから大量に冷却水W1が流出し、第1常圧水槽61の水位を維持することが困難となる。このような観点から、入口45aの口径D1は、押出機2から押し出された後、入口45aに進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径D0の1.04〜1.26倍であることが望ましい。
【0051】
出口45bの口径についても、上記と同様であるが、出口45bに進入する熱可塑性エラストマー10の温度は、水槽40内の冷却水Wとの熱交換によって低下しているので、出口45bの口径は、入口45aの口径D1よりも小さく設定されていてもよい。
【0052】
入口45aは、水槽40に設けられている貫通孔のうち、熱可塑性エラストマー10が最初に通過する貫通孔であり、押出直後の高温で形状が不安定な状態の熱可塑性エラストマー10が通過する。従って、熱可塑性エラストマー10の変形を抑え、寸法精度を高めるためには、熱可塑性エラストマー10と入口45aとの間で生ずる摩擦を抑制するのが効果的である。
【0053】
本実施形態にあっては、入口45aが形成されている第1部材71の押出方向の長さは、後述する第1通過口72aが形成されている第2部材72の押出方向の長さと同等か小さく設定されていてもよい。これにより、入口45aの押出方向の長さ(板状の第1部材71の厚さに相当)は、第1通過口72aの押出方向の長さ(筒状の第2部材72の長さに相当)よりも小さくなり、熱可塑性エラストマー10が最初に通過する貫通孔における摩擦が低減され、熱可塑性エラストマー10の押出寸法の精度をより一層高めることができる。
【0054】
第1減圧水槽62は、第1仕切壁46に装着された板状部材46aと、第2仕切壁47に装着された板状部材47aと、底壁41と、天壁44等によって区画されている。板状部材46a及び板状部材47aは、ねじ等を介して第1仕切壁46及び第2仕切壁47に接合され、板状部材46aと第1仕切壁46との接合面及び板状部材47aと第2仕切壁47との接合面には、シート状のガスケット75が設けられている。
【0055】
第1仕切壁46には、熱可塑性エラストマー10を挿通させるための開口46bが形成され、開口46bには筒状の第2部材72が装着されている。第2部材72には、熱可塑性エラストマー10を第1常圧水槽61から第1減圧水槽62に導くための第1通過口72aが、第2部材72を軸方向に貫通して形成されている。第1通過口72aの口径D2は、開口46bの口径よりも小さく、かつ押出機2から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径D0よりも大きいのが望ましい。第1通過口72aに進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径は、上記外径D0よりも小さいので、上記口径D2が、外径D0よりも小さい場合であっても、第1通過口72aに進入する直前の外径よりも大きければ、第1通過口72aにおける摩擦が低減される。
【0056】
第1通過口72aの口径D2が第1通過口72aに進入する熱可塑性エラストマー10の外径以下である場合、熱可塑性エラストマー10と第1通過口72aとの間で生ずる摩擦が大きくなり、熱可塑性エラストマー10の押出寸法の精度に影響を及す。一方、第1通過口72aの口径D2が過度に大きい場合、第1通過口72aから大量に冷却水W1が流出し、第1常圧水槽61の水位を維持することが困難となる。このような観点から、第1通過口72aの口径D2は、熱可塑性エラストマー10の仕上げ外径の1.08〜1.45倍であることが望ましい。ここで、仕上げ寸法又は仕上げ外径とは、成形品として仕上げられた熱可塑性エラストマー10の寸法又は外径である。
【0057】
第1減圧水槽62内の水圧は、第1常圧水槽61内の水圧よりも低いので、第1常圧水槽61に満たされた冷却水Wの一部は、第1仕切壁46の第2部材72に設けられている第1通過口72aから第1減圧水槽62に流入する。このとき、空気が第1通過口72aを通過しないように、第1常圧水槽61の水位は、第1通過口72aの上端よりも高く維持されている。一方、第1減圧水槽62は、真空ポンプPによって減圧されているので、第1減圧水槽62の水位は、第1常圧水槽61の水位よりも高くなる。
【0058】
第2減圧水槽63は、第1減圧水槽62と同等の構成を有している。すなわち、第2減圧水槽63は、第2仕切壁47に装着された板状部材47bと、第3仕切壁48(
図2参照)に装着された板状部材(図示せず)と、底壁41と、天壁44等によって区画されている。板状部材47bは、ねじ等を介して第2仕切壁47に接合され、板状部材47bと第2仕切壁47との接合面には、シート状のガスケット75が設けられている。
【0059】
第2仕切壁47には、熱可塑性エラストマー10を挿通させるための開口47cが形成され、開口47cには筒状の第3部材73が装着されている。第3部材73には、熱可塑性エラストマー10を第1減圧水槽62から第2減圧水槽63に導くための第2通過口73aが、第2部材73を軸方向に貫通して形成されている。第2通過口73aの口径D3は、開口47cの口径よりも小さく、かつ押出機2から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径よりも大きいのが望ましい。第2通過口73aに進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径は、上記外径D0よりも小さいので、上記口径D3が、外径D0よりも小さい場合であっても、第2通過口73aに進入する直前の外径よりも大きければ、第2通過口73aにおける摩擦が低減される。さらに、第2通過口73aの口径D3は、第1通過口72aの口径D2と同様に、熱可塑性エラストマー10の仕上げ外径の1.08〜1.45倍であることが望ましい。第3通過口74aの口径D4についても、上記と同様である。
【0060】
第2減圧水槽63内の水圧は、第2常圧水槽64内の水圧よりも低いので、第2常圧水槽64に満たされた冷却水Wの一部は、第3仕切壁48に設けられている第4通過口74a(
図2参照)から第2減圧水槽63に流入する。このとき、空気が第4通過口74aを通過しないように、第2常圧水槽64の水位の水位は、第4通過口74aの上端よりも高く維持されている。一方、第2減圧水槽63は、真空ポンプPによって減圧されているので、第2減圧水槽63の水位は、第2常圧水槽64の水位よりも高くなる。
【0061】
貫通孔からなる入口45a、第1通過口72a、第2通過口73a、第3通過口74a及び出口45bは、熱可塑性エラストマー10が通過する際に、生ずる摩擦を低減するために、熱可塑性エラストマー10の押出方向に一直線上に配設されている。
【0062】
水槽40内を通過する熱可塑性エラストマー10は、水槽40内に供給される冷却水Wの流れの影響を受け、僅かに振動することがある。従って、入口45a、第1通過口72a、第2通過口73a、第3通過口74a及び出口45bが熱可塑性エラストマー10の押出方向に一直線上に配設されていても、熱可塑性エラストマー10が貫通孔の表面に接触する虞がある。従って、少なくともいずれか一つの貫通孔の表面には、熱可塑性エラストマー10との摩擦を低減するコーティング膜が形成されているのが望ましい。
【0063】
図4は、第1減圧水槽62の構成を熱可塑性エラストマー10の押出方向に垂直な断面で示している。第2減圧水槽63の構成も第1減圧水槽62の構成と同等であるので、以下、第1減圧水槽62について説明する。第1減圧水槽62は、角形の筒状部材81と、筒状部材81を支持する台車82と、第1減圧水槽62内を略水平方向に通過する熱可塑性エラストマー10の位置を規制する位置規制具(位置規制手段)83等を有する。
【0064】
筒状部材81によって、第1減圧水槽62の底壁41、天壁44及び左右の側壁84a、84bが構成されている。天壁44には、第1減圧水槽62内に位置規制具83を挿入するための開口44aが設けられ、側壁84aには、位置規制具83を第1減圧水槽62の底部に固定する作業等を行うための開口84cが設けられている。開口44a及び開口84cには、それぞれハッチ85a及びハッチ85bが装着されている。第1減圧水槽62の気密性及び水密性を確保するために、開口44aの周辺及び開口84cの周辺には、それぞれガスケット85c及びガスケット85dが設けられている。
【0065】
第1減圧水槽62の底壁41には、給水口41aが形成され、給水口41aには、給水管継手87aが設けられている。給水管継手87aは、給水タンクTと接続されており、給水口41aは、給水タンクTから供給された冷却水Wを第1減圧水槽62に流入させる。
【0066】
第1減圧水槽62の側壁84bの下部には、排水口84dが形成され、排水口84dには、排水管継手87bが設けられている。第1減圧水槽62に流入した冷却水Wは、第1減圧水槽62を通過する熱可塑性エラストマー10を冷却した後、排水口84d及び排水管継手87bを介して第1減圧水槽62の外部に排出される。給水タンクTと給水管継手87aとの間の配管経路に設けられている流量調整弁を調整することにより、第1減圧水槽62における冷却水Wの水位は、第1通過口72a(
図3参照)の上端よりも高く維持されている。排水管継手87bを介して排出された冷却水Wは、給水タンクTに循環するように構成されていてもよい。
【0067】
第1減圧水槽62の側壁84bの上部には、排気口84eが形成され、排気口84eには、排気管継手87cが設けられている。排気管継手87cは、真空ポンプPと接続されており、第1減圧水槽62の上部空間の空気は、真空ポンプPによって引き抜かれ、第1減圧水槽62の減圧状態が維持されている。
【0068】
冷却水Wが満たされた第1減圧水槽62は、例えば、台車82によって支持されている。台車82は、第1減圧水槽62の底壁41、すなわち筒状部材81の下部に溶接等によって接合されている。台車82の下部には、レール82a及び車輪82b等が設けられている。レール82a及び車輪82b等により、台車82は、熱可塑性エラストマー10の押出方向に平行な前後方向及びそれに垂直な左右方向に移動可能に構成されている。台車82を上記方向に移動させることにより、押出機2に対する水槽40の位置が調整される。
【0069】
位置規制具83は、ローラー91と、回転軸92と、支持部93とを有し、第1減圧水槽62内を水平方向に通過する熱可塑性エラストマー10の上下位置及び左右位置を規制する。
【0070】
ローラー91は、回転しながら熱可塑性エラストマー10の上面と当接し、熱可塑性エラストマー10の上下位置を規制する。ローラー91は、熱可塑性エラストマー10の上面と当接し熱可塑性エラストマー10をガイドするガイド部91aと、ガイド部91aの両端に形成された一対のフランジ部91bとを有し、ボビン状に形成されている。ローラー91が回転しながら熱可塑性エラストマー10の上下位置及び左右位置を規制しうるように、ローラー91の外径は、ローラー91の赤道から軸方向の両端に向かって漸増している。これにより、ローラー91の断面は、ガイド部91aからフランジ部91bにかけて、緩やかな円弧状に形成されている。
図4に示すように、回転軸92を含む断面において、ガイド部91aからフランジ部91bにかけての曲率半径は、位置規制具83を通過する熱可塑性エラストマー10の外半径よりも若干大きく設定されている。ローラー91には、ローラー91が回転軸92の周りを円滑に回転しうるように、一対のベアリング91cが組み込まれている。
【0071】
図5は、位置規制具83の構成及び第1減圧水槽62における位置規制具83と第1仕切壁46及び第2仕切壁47との位置関係を示している。回転軸92は、ローラー91を回転自在に軸支する。回転軸92は、ねじ92a等によって支持部93に固定されている。支持部93には、回転軸92を挿通させるための貫通穴93aが形成されている。
【0072】
貫通穴93aは、上下方向すなわちローラー91の高さ方向に長い長穴によって構成される。かかる形状の貫通穴93aによって、
図4において2点鎖線で示すように、回転軸92の高さすなわちローラー91の高さが調整可能となる。
【0073】
図5においては、筒状の第2部材72(
図3参照)の替わりに、板状の第2部材75が、第1仕切壁46に装着されている。同様に、板状の第3部材76が、第2仕切壁47に装着されている。第2部材75に第1通過口72aが形成され、第3部材76に第2通過口73aが形成されている点は、上記と同様である。
【0074】
第1常圧水槽61と第1減圧水槽62との間には、圧力差が生ずるため、第2部材72、75の押出方向の長さが0.5mm未満の場合、第2部材72、75の強度が不足する虞がある。一方、上述したように水槽40内を通過する熱可塑性エラストマー10は、水槽40内に供給される冷却水Wの流れの影響を受け、僅かに振動しているので、第2部材72、75の押出方向の長さが10mmを超える場合、熱可塑性エラストマー10と第1通過口72aとの間で生ずる摩擦が大きくなり、熱可塑性エラストマー10の押出寸法の精度に影響を及すことがある。このような観点から、
図3に示される筒状の第2部材72よりも
図5に示される板状の第2部材75が望ましく、第2部材75の押出方向の長さは、0.5〜10mmであることが望ましい。
【0075】
第1減圧水槽62に満たされている冷却水Wよりも比重に小さい熱可塑性エラストマー10が用いられる場合、浮力の影響によって、熱可塑性エラストマー10の上面と、第1通過口72a及び第2通過口73aの上面とが接触し易い傾向がある。
【0076】
しかしながら、本実施形態にあっては、ローラー91のガイド部91aの内側下面が熱可塑性エラストマー10の上面をガイドして、その上下位置さらには左右位置を規制する。このとき、
図5に示されるように、第1通過口72aの上端、ローラー91のガイド部91aの内側下面及び第2通過口73aの上端が一直線上に配置されているので、熱可塑性エラストマー10は、第1減圧水槽62内を蛇行することなく、真っ直ぐに通過し、熱可塑性エラストマー10と、第1通過口72a及び第2通過口73aとの接触が効果的に回避される。これにより、熱可塑性エラストマー10と、第1通過口72a及び第2通過口73aとの間に生ずる摩擦を低減できる。
【0077】
一方、冷却水Wよりも比重に小さい熱可塑性エラストマー10が用いられる場合には、ガイド部91aの内側上面が熱可塑性エラストマー10の下面をガイドするようにローラー91の高さを調整すればよい。
【0078】
熱可塑性エラストマー10をガイドするローラー91は、ベアリング91cを介して回転軸92によって回転自在に軸支されているので、熱可塑性エラストマー10の通過に伴い回転し、熱可塑性エラストマー10の移動を妨げない。従って、ローラー91のガイド部91aと熱可塑性エラストマー10との間では、摩擦はほとんど生じないため、熱可塑性エラストマー10が位置規制具83を通過する際に、変形することが回避される。
【0079】
以上のような構成を有する本実施形態の押出成形装置1によれば、水槽40の側壁42に設けられた貫通孔からなる入口45aの口径D1が、押出機2から押し出された後、前記入口に進入する直前の熱可塑性エラストマー10の外径D0よりも大きいので、熱可塑性エラストマー10と入口45aとの間に摩擦が生ずることを抑制できる。すなわち、熱可塑性エラストマー10の外面に密着するサイジングダイを水槽40に装着する替わりに、水槽40の側壁42に熱可塑性エラストマー10の外径D0よりも口径D1の大きい貫通孔を設けることにより、熱可塑性エラストマー10が摩擦により変形することが抑制され、優れた寸法精度を得ることが可能になる。
【0080】
さらに、冷却水Wの水位が、入口45a及び出口45bの上端よりも高いので、入口45a及び出口45bとそれらを通過する熱可塑性エラストマー10との間に介在する冷却水Wの水膜により、水槽40内への空気の進入が防止される。さらに、冷却水Wの潤滑作用により、熱可塑性エラストマー10と入口45a及び出口45bとの間に生ずる摩擦がより一層抑制される。
【0081】
入口45aは、第1部材71に形成されているので、入口45aの口径D1や長さ等の仕様が異なる第1部材71を、容易に使い分けることができる。このような第1部材71を適宜交換することにより、熱可塑性エラストマー10のサイズ、サイズ及び材質に応じて、最適な仕様の入口45aを用いることができ、熱可塑性エラストマー10の寸法精度を高めることが可能になる。
【0082】
水槽40は、押出機2から押し出された熱可塑性エラストマー10が最初に通過する第1常圧水槽61を有するので、第1減圧水槽62に空気が流入することが防止され、第1減圧水槽62の減圧状態を維持することができる。これにより、熱可塑性エラストマー10の寸法精度をより一層高めることが可能になる。
【0083】
押出機2から押し出された熱可塑性エラストマー10が最初に通過する第1常圧水槽61は水圧が高いため、通常であれば、適切に形状調整を行うことが困難となる。しかしながら、本実施形態にあっては、第1常圧水槽61の容積は、第1減圧水槽62よりも小さいので、第1常圧水槽61における形状調整作用が小さく、水圧の低い第1減圧水槽62以降で大きな形状調整作用が得られる。これにより、熱可塑性エラストマー10の寸法精度をより一層高めることが可能になる。
【0084】
第1通過口72aは、第2部材72に形成されているので、第1通過口72aの口径D2や長さ等の仕様が異なる第2部材72を、容易に使い分けることができる。このような第2部材72を適宜交換することにより、熱可塑性エラストマー10のサイズ、サイズ及び材質に応じて、最適な仕様の第1通過口72aが使用可能となり、熱可塑性エラストマー10の寸法精度がより一層高められる。第2通過口73a及び第3通過口74aについても同様である。
【0085】
以上、本発明の押出成形装置が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
【実施例】
【0086】
図1の基本構成をなす押出成形装置によって、熱可塑性エラストマーが表1の仕様に基づき試作され、その寸法精度がテストされた。表1の実施例1乃至6及び比較例1乃至3においては、熱可塑性ポリウレタン系樹脂のペレット(BASFジャパン社製のエラストランC60A10WN)が80゜Cで3時間乾燥された後、スクリュー径がφ50mmの単軸押出機に投入され、溶融温度160゜Cで成形が行われた。実施例7においては、材料が熱可塑性ポリウレタン系樹脂(東レデュポン社製のハイトレル4047)に変更されこれに伴い溶融温度180゜Cで成形が行われたが、その他の仕様は、実施例6と同等である。
【0087】
比較例1においては、入口、第1通過口乃至第3通過口の口径として20mmがテストされた。比較例2においては、入口、第1通過口乃至第3通過口の口径として33mmがテストされた。比較例3においては、入口、第1通過口乃至第3通過口の口径として40mmがテストされた。テスト方法は、以下の通りである。
【0088】
<入口直前径>
キーエンス社製のレーザー寸法測定機(LS−3032)が使用され、入口に入る直前の熱可塑性エラストマーの外径が測定された。
【0089】
<仕上げ外径>
上記レーザー寸法測定機にて、熱可塑性エラストマーの仕上り製品の外径が測定された。
【0090】
<寸法精度>
新潟精機社製の円筒テーパーゲージ(TPG−710C)が使用され、押出成型された熱可塑性エラストマーの仕上り製品の内径が測定された。2時間に亘る連続成形の途中、4分間隔にて30点の熱可塑性エラストマーがサンプリングされた。評価は、サンプリングされた内径の標準偏差が0.3未満であれば◎、0.3以上0.5未満であれば○、0.5以上又は成形できなかった場合は×とした。
【0091】
【表1】
【0092】
表1から明らかなように、実施例の押出成形装置は、比較例に比べて仕上り製品の寸法精度が有意に向上していることが確認できた。