(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記鋼管の動きが長手方向の移動において測定が行われる、前記鋼管の外周に関する測定値及び前記鋼管の壁厚に関する測定値を、前記測定データは含む、請求項1記載の方法。
前記鋼管の外周に関する測定値はレーザセンサにより取得され、前記壁厚に関する測定値は、液状伝播媒体により前記鋼管に接続された超音波センサによって取得される、請求項2記載の方法。
前記超音波センサは、前記鋼管との相互作用を保つために浮遊するように設けられ、かつ、前記レーザセンサの前記超音波センサに対する相対位置を測定するためのシステムが設けられる、請求項3記載の方法。
前記鋼管の外周に関する測定値及びその壁厚に関する測定値が、前記鋼管が通過するウォーターボックスと相互に作用する超音波センサにより同時に取得される、請求項2記載の方法。
前記鋼管の動きが長手方向の移動において測定が行われる、前記鋼管の外周に関する測定値及び前記鋼管の壁厚に関する測定値を、前記測定データは含む、請求項7記載の装置。
前記鋼管の外周に関する測定のレーザ測定ステーション及び前記鋼管の壁厚に関する測定の液状伝播媒体により前記鋼管に接続された超音波センサステーションを含む、請求項8記載の装置。
前記超音波センサは、前記鋼管との相互作用を保つために浮遊するように設けられ、かつ、前記レーザセンサ及び超音波センサの相対位置を測定するためのシステムが設けられる、請求項9記載の装置。
前記鋼管の外周に関する測定値及びその壁厚に関する測定値が、前記鋼管が通過するウォーターボックスと相互に作用する超音波センサにより同時に取得される、請求項8記載の装置。
前記コンピュータシステムは、前記鋼管の内面に接する直線生成ラインを有する形状をセクションごとに決定し、かつ、前記ドリフトマンドレルが、検討した各セクションの前記直線生成ラインを有する形状を確実に通過したことを検査する、ことを含む、請求項11記載の装置。
前記コンピュータは、コイルによって規定されかつ各コイルの中心点に関連する2Dデータ形式で3D測定データを圧縮後、前記2Dデータを、各々が互いに本質的に平行である疑似直径に対応するサブ集合に再分類するように調整される、請求項12記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際、このことは、様々なパイプをカバーする異なる特性を備える数個のサイジング体を供する必要や、当該サイジング体がパイプ内部で確実に詰まらないようにするためのリスク管理といった、様々な課題を呈する。
【0005】
本発明は、上記課題を改善するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、鋼管の生産管理を補助する方法であって、以下の:
a)鋼管の外形に関する物理的測定値を示す測定データを取得する工程;
b)前記測定データから変換測定データを生成し、前記鋼管の長手方向領域に、前記鋼管内壁の3次元表示を画素により形成する工程であって、前記3次元表示は、原点及び前記鋼管に対して標識される軸を有する選択された座標系に関し;
c)
ドリフトマンドレル全体の形状を示すテンプレートデータを準備する工程であって、前記テンプレートデータは、前記選択された座標系に適用できる工程;
d)変換測定データを利用できる前記鋼管の第1
セクションを考慮して、前記変換測定データ及びテンプレートデータから、前記鋼管の前記第1
セクション内部の前記
ドリフトマンドレルの通過に関するマージンを示す臨界値を決定する工程;
e)重複して互いにオフセットされている他の鋼管
セクションに対して、工程d)を選択的に繰り返す工程;及び
f)工程d)及び工程e)で得られた臨界値及び連続する鋼管の
セクションの相対位置から、前記
ドリフトマンドレルによる前記鋼管の長手方向領域の通過性の分析を確定する工程;と、
を含む方法である。
【0007】
本発明の特定の態様としては、
鋼管の動きが長手方向の移動
において測定が行われる、前記鋼管の外周に関する測定値及び
前記鋼管の壁厚に関する測定値を
、前記測定データは含む。
【0008】
組み合わされうる当該方法の他のいくつかの特定の態様としては、
・当該鋼管の外周に関する測定値はレーザセンサにより取得され、当該壁厚に関する測定値は、液状伝播媒体により当該鋼管に接続された超音波センサによって取得される。
・当該超音波センサは、当該鋼管との相互作用を保つために浮遊するように設けられ、かつ、当該レーザセンサの超音波センサに対する相対位置を測定するためのシステムが設けられる。
・当該鋼管の外周に関する測定値及びその壁厚に関する測定値が、当該鋼管が通過するウォーターボックスと相互に作用する超音波センサにより同時に取得される。
・工程c)にて、当該テンプレートデータが当該
ドリフトマンドレル全体の外径を含む。
・工程d)は、以下の:
d1)当該鋼管
セクション内側に接するシリンダを決定する工程と、
d2)当該内側に接するシリンダの直径及び当該
ドリフトマンドレル全体の直径の差を臨界値として決定する工程と、を含み、
工程e)は、隣接する鋼管
セクションの各ペアについて、1の
セクションから次の
セクションへの通過性を当該臨界値から確定し、2つの鋼管
セクションの軸間の角度偏移を確定し、及び、当該
ドリフトマンドレルの少なくとも1つの長手方向の寸法を確定する工程を含む。
当該鋼管の内面に接する直線生成ラインを有する形状を
セクションごとに決定する工程を含み、かつ、当該
ドリフトマンドレルが、検討した各
セクションの当該直線生成ラインを有する形状を確実に通過したことを検査する方策がもたらされる。
【0009】
また、製造中の鋼管の寸法検査を補助する装置であって、
当該鋼管の外形の取得された物理的測定値を示す測定データを取得するように調整された少なくとも1の測定ステーションと、
コンピュータシステムであって、以下の:
ドリフトマンドレルの全体の直径を示すテンプレートデータを格納でき、当該テンプレートデータが、当該選択された座標系に適用すること;
当該測定データから変換測定データを生成し、重複して互いにオフセットされている少なくとも2の鋼管
セクションの3次元表示を画素により形成すること、ここで、当該3次元表示は、原点及び当該鋼管に対して標識される軸を有する選択された座標系に関し;
当該変換測定データ及びテンプレートデータから、各鋼管
セクションについて、当該
ドリフトマンドレルの当該鋼管
セクション内部の通過に関するマージンを示す臨界値を決定すること;及び
当該臨界
値及び当該鋼管
セクションの相対位置から、当該
ドリフトマンドレルによる当該鋼管
セクションの通過性の分析を確定すること;
をなしうる当該コンピュータシステムと、
を備える装置も提案される。
【0010】
上記装置の特定の態様としては、
鋼管の動きが長手方向の移動
において測定が行われる、前記鋼管の外周に関する測定値及び
前記鋼管の壁厚に関する測定値を
、前記測定データは含む。
【0011】
組み合わされうる当該装置の他の特定の態様としては、
・当該装置は、当該鋼管の外周に関する測定のレーザ測定ステーション及び当該鋼管の壁厚に関する測定の液状伝播媒体により当該鋼管に接続された超音波センサステーションを含む。
・当該装置は、当該超音波センサは、当該鋼管との相互作用を保つために浮遊するように設けられ、かつ、当該レーザセンサ及び超音波センサの相対位置を測定するためのシステムのための方策がもたらされる。
・当該鋼管の外周に関する測定値及びその壁厚に関する測定値が、当該鋼管が通過するウォーターボックスと相互に作用する超音波センサにより同時に取得される。
・当該テンプレートデータが当該
ドリフトマンドレルの全体の外径を含む。
・当該臨界値の決定は、当該鋼管
セクションの内側に接するシリンダを探索し、かつ、当該内接するシリンダの直径
と当該
ドリフトマンドレル全体の直径との差を臨界値として決定することを含む。
・当該分析の確定は、隣接する鋼管
セクションのペアについて、1の
セクションから次の
セクションへの通過性を当該臨界値から確定し、2つの鋼管
セクションの軸間の角度偏移を確定し、及び、当該
ドリフトマンドレルの少なくとも1つの長手方向の寸法を確定することを含む。
・当該鋼管の内面に接する直線生成ラインを有する形状を
セクションごとに決定し、かつ、当該
ドリフトマンドレルが、検討した各
セクションの前記直線生成ラインを有する形状を確実に通過したことを検査する方策がもたらされる。
【0012】
当該利点の他の特性及び効果は、以下の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に関する図面及び付属物は、特定の性質の要素を含む。すなわちそれらは、当該明細書のより良好な理解をもたらすのみならず、本発明の特定をももたらす。
【0015】
図1は、例えば、油井に適用するためのパイプ製造の全プロセスを概略的に示す。当該工程は、必ずしも図示の順序でなくてもよく、いくつかの工程を同時に実行してもよい。
【0016】
第1の工程10は、関連技術で「ラウンド」という硬質(solid)鋼管の製造である。
【0017】
その後、工程11で、マンドレル又は当該パイプの軸を通過するロッドの端部に設けられた西洋梨状(pear bore)穴での熱間圧延又は熱間押出しによる、シームレスパイプが製造される。
【0018】
工程12は、当該パイプの欠陥を見つける非破壊検査を含む。当該非破壊検査は、例えば、超音波又はフーコー電流を利用する異なる形態を想定できる。
【0019】
工程13は当該パイプの真直度検査を含む。当該検査は、一定のルールで手動又はレーザを用いて実行できる。石油産業の真直度の基準は上記規格API5CT/ISO119
60で設定される。
【0020】
その後、工程14で当該パイプの2つの端部のねじ切りを行うが、一般に一方は雄型、他方は雌型である。これは、例えば、当該パイプの両端部で直接ダイレクトタッピング、すなわち、当該端部に予めねじ込まれた端部フェルールを追加して行いうる。溶接により接合されることが意図された特定のパイプはねじ込むことができない。
【0021】
その他の寸法検査は工程15で行いうる。
【0022】
その後、工程16で、良好に規定された特性を備えるサイジング体が、当該パイプを端部から端部まで又はより単純に1以上のパイプセグメントを通過しうることを確認する「通過性(traversability)」検査を行う。最も一般的な方法は、直径をねじ込まれた接続部に適用することで短くしうる2つの端部セグメント上で動かす方法である。
【0023】
工程16の後、工程17で当該パイプに対してすべきことを判断する。当該判断は工程16で得られた結果に対応する。上記工程(主に工程12、14及び15)で生じる問題により、工程16到達前に、当該パイプが速やかに除去されないか否かという問題を考慮してもよい。工程17では、当該パイプを不具合なし又は不具合ありとするかを決定でき、あるいは、中間的状況が不確実な場合、当該パイプに対して他の検査、例えば、手作業による検査を開始するかを決定できる。
【0024】
本発明は本質的に工程16及び工程17の後の判断に関する。しかし、明らかなように、当該工程は、それまでに行われた、例えば、当該パイプの真直度検査と無関係ではない。
【0025】
本出願人は、工程15で実行される寸法検査に関心がある。
【0027】
当該パイプに対する寸法検査を実行する設備は、
図2に図示されているタイプである。当該パイプは、符号Tで概略的に図示される。
【0028】
当該態様では、当該パイプは、(矢印F2で概略的に示す)当該パイプの長手方向軸に沿った直進運動を伴う、(矢印F1で概略的に示す)回転として分析されるらせん運動をたどり、自己と同軸に前進する。
【0029】
入口には、当該パイプの通過に関する軸方向速度及び周速度を測定するための2つのレーザ速度計1011及び1012が配置される。
【0030】
レーザ速度計1011及び1012の後ろには、当該パイプの外径を測定するステーション1200が設けられる。続いて、「ウォーターベッド」ともいえる水が連続的に維持された層により当該パイプに接続される2つの超音波測定ステーション1400及び1500が、当該パイプの経路に沿って設けられる。他方の端部には、レーザ速度計1011及び1012として作動する他の2つのレーザ速度計1091及び1092を設けてもよい。このオプションは、レーザ速度計1011及び1012がもはや当該パイプを見ない場合、当該パイプ通路の端部の測定を継続しうる。
【0031】
本発明は、通過性検査専用のステーションの設備がない概念に基づき、この場合、サイジング体が当該パイプの内部を物理的に通過する。一方、この通過性検査は、コンピュータ上で実行され、すなわち、当該検査は、本質的に、既に他の理由で、当該パイプで行われた測定を利用するが、当該測定は、通過性検査を実行できるように構成される。
【0032】
次に、入口のレーザ速度計1011及び1012を備えるステーションを説明する。
【0033】
両者の一方、例えば、レーザ速度計1011は、径方向の平面で当該パイプに外側から、選択した角度でレーザビームを伝送する。単純にするため、当該パイプによる後方散乱放射は、光学センサにおけるドップラー周波数偏差を示すように、当該レーザからの全体の放射と混合(ヘテロダイン)される。
【0034】
作業は、径方向の平面内で、当該パイプに2つのレーザビームが対称的に到達する、いわゆる「差動ドップラー」モードで行われ、一方、光学的検出は、当該パイプの表面に垂直に実行される。レーザ波長λと、検出方向の様々な箇所でのレーザの当該パイプへの入射角φとが分かれば、ドップラー周波数偏移f
Dは、式
【0035】
【数1】
に従い、例えば、メートル毎秒で、当該パイプの軸方向速度値Vに変換しうる。
【0036】
他の速度計、例えば、速度計1012は、軸方向平面で当該パイプ上に対称的に到達する2つのレーザビームを用い、一方、その光学的検出は、当該パイプの表面に垂直に実行される。上記のように、得られるドップラー周波数偏移は、例えば、メートル毎秒で、当該パイプの周速度値に変換される。特定の態様では、入口のレーザ速度計1011及び1012は、ドイツのPolytec GmbH社のLSV‐300という装置で統合される。
【0037】
図3には、直径測定ステーション1200が詳細に図示される。当該ステーションは、既知の位置に並んで配置された2つの光伝達装置1201及び1202を備える。光伝達装置1201及び1202は、2つの本質的に平坦で直線的な光ビームが、光検出器1203及び1204各々の方向及び既知の相対位置にも設定されるよう配置される。当該平坦ビームは、円柱レンズを通過して拡散したレーザビームから形成することができる。光検出器は、例えば、フォトダイオードバーである。
【0038】
これら2つの光ビームは、
‐当該光ビームが隣接している(内部)側で、当該パイプにより遮断され、一方、
‐外側では、各ビームが、常に、当該パイプの大直径を超過するように、
同一平面内で、本質的に互いに隣接して配置される。
【0039】
光検出器1203及び1204は各々、当該パイプが光のビームを遮断する2つの横方向に向かい合う領域を「見る」ように配置される。本態様では、要素1201、1202、1203及び1204の取付部には、当該パイプの軸を通る2つの対称面があるが、これは必須でない。また、2つの光伝達装置1201及び1202は、1つに統合してよく、同様に、2つの光検出器1203及び1204も1つに統合してよい。
【0040】
すなわち、検出器1203及び1204は、入射ビームのうち当該パイプを超える部分を受容する。光検出器1203及び1204の位置である、既知の当該非点灯部分(又は、減法によるそれらの照射部分)により、当該パイプの外径測定にアクセスできる。
【0041】
好適には、対向端部に光センサ1303及び1304があり、光源1301及び1302を備える他の同様の構成の方策が、第1の構成と直角になされる。これにより、他の直径D2が、直径D1の方向と垂直な方向で得られる。特定の態様では、直径測定ステーション1200は、LAP lasersGmbHのLMD 412‐DSPとの製品に基づく。
【0042】
つまり端的には、2つの直径測定値は、当該パイプの直線部分の同一平面内に位置する、互いに垂直な両方向で得られる。各々の場合、当該直径の測定方向は、用いる平行面光ビームの方向に垂直である。
【0043】
当該パイプが回転に伴う並進運動により前進すると、直径測定の箇所は、
図4に概略的に示すパイプT1上に符号1200及び1300で図示されるように、2つのらせん又は渦巻きをたどるであろう。2つの垂直方向での測定は、同時、すなわち、直線部分の同一平面内で行われるため、当該2つのらせんは、本質的に、当該パイプの長手方向軸に対して互いに直角である。(そうでなければ、この2つのらせんは、2つの測定間のタイムラグに比例して、直角で当該状況に関して相殺されるであろう。)径方向面内での当該パイプの2つの直径測定により、外周の直径が既知の4点が得られることが確認されるであろう。実際には、1つの直径測定は、当該直径の端部の各々に対して有効である。そのため、
図4に示す2つのらせんには、同一測定に基づく、直径方向に対向する他の2つのらせんが加えられる。すなわち、当該パイプの周囲は、4つの「直径らせん」にカバーされる。
【0044】
これらの測定のより詳細な特性を以下の表1に示す。
【0046】
図2のステーション1200の後ろには、超音波測定ステーション1400が設けられる。他の超音波測定ステーション1500を下流に設けてよい。例えば、超音波ステーション1400は、パイプ厚の測定及び長手方向の欠陥検出を実行し、一方、超音波ステーション1500は、横方向及び斜め方向の欠陥を検出する。
【0047】
このステーション1400によるパイプ厚の測定は通過性の測定にも有用であろう。
【0048】
図5には、ステーション1400のより詳細な図が示される。ここでは、概略的に示されたパイプTの断面を理解しうる。ウォーターベッドWBは、当該パイプの下方部分と、当該パイプの移動方向に並んで配置された、参照符号1401〜1412がある12個の超音波センサとの間に連続的に設けられる。各センサは、当該パイプの下の直線部分における円弧に沿って横方向に伸びる。特定の態様では、ステーション1400は、General Electric Inspection Technologies(GEIT)のGRP-PAT-PBとの製品に基づく。
【0049】
各超音波センサは、直線部分の壁厚を当該水準で測定する。この超音波測定の原理は従来技術である。当該原理は、当該ウォーターベッドを通過して当該パイプの外壁で得られたエコーと、その後の当該パイプの内壁での超音波の反射(又は後方散乱)に相当する第1エコーとのタイムラグを利用する。所定の時期に、当該パイプの軸に沿って離間した12の直線部分の12ヶ所で厚さの測定値が得られる。この12ヶ所の測定値は、当該パイプの回転及び並進を考慮して、12のらせん1421〜1432に従う。つまり、本発明には12の「厚らせん」がある。
【0050】
以下の表2は、当該測定値のより詳細な特性を示す。
【0052】
そして、出口のレーザ速度計1091及び1092を備えるステーションは、入口のレーザ速度計1011及び1012として機能する。特定の態様では、レーザ速度計1011、1012、1091及び1092は、ドイツのPolytec GmbH社のLSV-300という装置に統合される。
【0053】
当該パイプは硬いため、符号1011及び1091での軸方向速度の測定値は、同時期で同一でなければならない。すなわち、当該パイプの軸方向移動の正確な速度をリアルタイムで知る。このための1つの手順としては、例えば、当該パイプが20mm進むと信号を送信することである。
【0054】
一方、ステーション1092での当該パイプの直径が、ステーション1012での直径とはわずかに異なってよいため、符号1012及び1092での周速度の測定値がわずかに異なってよい。また、当該パイプの並進の軸に沿ったステーション1011、1012、1091及び1092の位置は把握される。あるパイプのステーション1012及び1092の全ての周速度測定値が既に記憶されている場合、帰納的に、当該パイプの同一直線部分に相当する2つの測定された周速度の値のペアを構成できる。
【0055】
他の観点から、ステーション1092での当該パイプの直径が、ステーション1012におけるその直径とわずかに異なりうる場合でも、当該パイプは硬いため、ステーション1092での当該パイプの角速度は、ステーション1012での角速度と同一であることに変わりはない。直径公差も既知である。すなわち、符号1012及び1092の周速度測定値の平均から始めうる。直径及び直径公差を考慮して、当該角速度から推測してよい。このことは、角速度は完全に一回転する当該パイプの慣性により、1つの角度測定位置から次の角度測定位置までにわずかに変化するため容認しうる。これにより、当該パイプが完全に一回転するたびに信号をリアルタイムで送信しうる。
【0056】
次に、一方で、当該パイプが完全に回転するたびに「回転」信号を、他方で、当該パイプが20mm進むたびに「並進」信号を、当該ステーション1011、1012、1091及び1092がリアルタイムでもたらす場合で始める。
【0057】
超音波センサ1401〜1412に関連する直線測定部分の位置は既知である。また、ステーション1200とステーション1400との軸方向距離(より正確には、ステーション1200及び1400の2つの各直線参照部分間の距離)も既知である。ここでは1800mmである。技術的な理由から、(直径測定の場合の)ステーション1200の直線差動部分の平面は、ステーション1200の右側の点線で特定される平面又は左側の点線の平面としてよい。平面の選択は、当該パイプの呼び径による。どちらの場合でも、直線直径測定部分は正確に把握できる。
【0058】
すなわち、超音波センサ1401〜1412に関連する直線部分と、直径測定に関する直線部分との軸方向オフセットに関する良好な情報が得られる。
【0059】
また、回転信号及び並進信号もまた用いて、当該パイプの表面に対して、直径及び厚さの測定値を略リセットしうる。つまり、当該パイプに対して、4つの「直径らせん」及び12の「厚さらせん」を略リセットしうる。
【0060】
しかし、4つの「直径らせん」及び12の「厚さらせん」を正確にリセットしうるには、これら2つのらせん群を関連付けしうる当該パイプ上に基準点がなければならないであろう。本発明には該当しない。
【0061】
すなわち、回転信号及び並進信号により、当該超音波の射出の正確な時間を起動する必要があるであろう。つまり、直径及び厚さの測定を開始するクロックをリアルタイムで同期させる必要があるであろう。本出願人は、当該同期をしなくても、位置決めエラーが両方向で1mm未満にしうるため、上記は必要ではないことを確認している。
【0062】
一方、当該パイプの移動に関する軸方向速度はリアルタイムで正確に把握できる。また、その周速度(又は角速度)も、一回転の平均値から正確に把握できる。
【0063】
当該パイプが1つのステーションから次のステーションまでカバーする距離は既知である。その軸方向速度も既知である。すなわち、当該パイプが一方のステーションから他方のステーションへ移動するのにかかる時間T
Xを測定しうる。
【0064】
つまり、当該パイプの同一直線部分で12の「厚さらせん」としてリセットすべき4つの「直径らせん」間のタイムラグが把握できる。しかし、当該パイプの角速度が時間Txの間に変化しうるため、一度これを行うと、当該直線部分での全らせんの角度リセットは不明である。
【0065】
理想的には、当該パイプの直線部分で差異を計算しうるには、直径の測定値が壁厚の測定値として同一径方向で正確に特定されなければならず、それにより当該パイプの内径が得られる。本出願人は、当該パイプの表面が連続的であることを利用し、互いに角度的及び/又は軸方向にわずかにずれている外径及び厚さの値からでも、当該パイプの内径を計算しうることを確認した。つまり、本出願人は、当該パイプの外径の局所変動、その壁厚及びその偏心度が、内径測定に必要な精度からはわずかであるように、互いに極めて接近する外径測定箇所及び厚さ測定箇所があれば、内径を計算しうることを確認した。本出願人は、特定の装置で測定値を全て把握するパイプからその装置の較正を実施した。そして、本出願人は、円周の分散の内径計算の分散(変動)への影響を判断したが、それは所望の精度に適合すると考えられる。
【0066】
1の実施例では、1回転当たり12のコイルがある、120mmのピッチで進む12mのパイプについて考察する。全体で12×1200/120=1200のコイルが、厚さ測定で得られる。
【0067】
直径の測定では、後者を高分解能でカバーする当該パイプの一連の内径値D
iを順序付けた。例えば、パイプ当たり400のコイルの場合、コイル当たり360D
iとなる。
【0068】
次に、直径D
driftのシリンダによる当該パイプの通過性を評価する第1の方法を説明する。原則、当該プロセスはその端部の接続部/ねじ山がまだ設置されないパイプに行う。
【0069】
まず、当該パイプを一連の部分に仮想的に分ける。当該部分は、少なくとも50%、例えば、好ましくは最大で90%、好ましくは重複する。
【0070】
次いで、当該パイプの仮想部分の各々に計算及び処理手順を実行する。当該プロセスは、以下の工程の全て又はいくつかを含んでよい。
1.考慮する部分に相当する内径D
iの値の順序付けられたセットを回復させる。
2.各コイルについて、内径を比較し、最小値又は最小内径を判断する。(当該工程はここでは任意であり、以下で用いてよい。)
3.当該内径値を、σで示す当該パイプの歪みの関数として補正する。この値σは、
図7に示すように、適用可能な製造規格を考慮した、パイプTの部分に対する最大許容偏差に対応してよい。石油輸送管の場合、上記規格は、中間部分のたわみσ
centreと、端部部分のたわみσ
endsを区別する。変形例では、測定値σは、
図1に示す工程13のテスト中に、現在の部分で取得しうる。
4.各コイルの最小内径が取得され、及び
‐(好ましくは、小さなマージンを含む)歪みσによって縮小された最小内径D
minが、直径D
driftよりも大きい(又は等しい)場合、当該コイルは通過でき、そうでない場合、当該コイルは、サイジング体が詰まる位置の一つとして注記される。
5.全てのコイルが通過しうる場合(全ての箇所でD
min−σ≧D
drift)、サイジング体は通過し、そうでない場合、通過せず、当該サイジング体が詰まる当該コイルの位置が(工程4により)把握される。
6.変形例又は補足として、当該パイプを通過しうる最大のサイジング体をも判断できる。このために、値D
min−σを、当該パイプの全てのコイルと比較する。最小値D
min−σは、適合しうる最大のサイジング体径を示す。
【0071】
すなわち、D
min−σは、当該パイプの各部分内部での当該サイジング体の通過のマージンを示す臨界値として機能する。
【0072】
上記は、直径での当該サイジング体の通過にのみ関連する。また、当該サイジング体の長さは、当該パイプの真直度欠陥からある程度問題が生じうる特定の長さである。当該長さ及び当該部分の重複は、当該サイジング体の長さを考慮して選択される。
【0073】
つまり、当該パイプに沿った当該パイプの内径の空間的分布は把握できるが、その径であるコイル群の中心の正確な位置は把握できない。APIの真直度検査では、当該パイプの曲率が最大許容曲率よりも小さいことが確認された。すなわち、当該コイル群の中心の正確な位置が把握できない事実を補正する起点としてこの最大許容曲率を用いてよい。
図7の「限界」線は直線通過に対する直径の限界を示し、当該パイプの曲率はかなり誇張される。
【0074】
当該パイプは、検査した全ての部分が当該サイジング体により通過しうる場合、全長にわたり通過しうると判断される。検査した1つの部分が完全に遮断された場合、当該パイプは通過しえないと判断される。検査した1つ以上の部分が障害限界である場合、当該パイプは、「検査」されなければならない。
【0076】
これは、パイプTが、
図8に点線枠で図示されているウォーターボックス200を通過するパイプ製造設備に適用できる。この場合、一般に、当該パイプはらせん運動及び矢印F3で特定されるような純粋な並進運動ができる。
【0077】
図9は、ウォーターボックス2000の測定原理を示す。便宜上、S_US_0で示す超音波センサを検討する。パイプTは、ウォーターボックス2000の内部を通過する。当該センサは、パルス状超音波ビームを当該パイプの本質的に径方向(矢印11、外側)に向けて伝送する。その後、当該パイプの外壁を通過する第1超音波反射(矢印11、リターン)、すなわち、反射して当該センサに戻る第1ビーム(外壁エコー)が続く。入射する超音波ビームのいくつかは、当該パイプを突き抜けた(矢印12、外側)後、当該パイプの内壁を通過する第2超音波反射(矢印12、リターン)となる。また、この第2反射ビームの一部は、当該外壁を通過してセンサS_US_0へ戻る。これが、第1内壁エコーである。
【0078】
実際、このタイプの測定は当該パイプの周囲全体で行う。これは、例えば、
図10に示す全部で4つの回転超音波ヘッドにより行ってよい。これは、GEITの「ROT180VIS」として知られるタイプのウォーターボックスである。この場合、当該パイプが前進するため、
図11に概略的に示すように、再び、らせんに沿って測定値が取得される。
【0079】
伝送される超音波ビームの対称性に関する主軸は既知であり、原則、S_US_0等の超音波センサの頂部に垂直である。超音波センサS_US_0により観測される第1内壁エコーの場合の外側リターン伝播の時間からセンサS_US_0上の基準点に対する当該パイプの内壁での反射点の位置を判断しうる。これは、当該パイプの動きを考慮した3次元位置である。この結果、当該パイプの内壁での反射点の位置を、空間内の原点、例えば、超音波センサの頂部中心に関連付けてよい。
【0080】
現時点では、当該パイプを囲む超音波センサからなるフェーズドアレイを用いるのが好適である。この原理を
図12に示す。これは、例えば、GEITの「ROWA 240 SK 12957」として知られるタイプのウォーターボックスで構成される。当該超音波センサの励起を走査して、回転超音波ヘッドの測定値と技術的に同程度の測定値が得られる。
【0081】
実際、当該超音波センサは、当該パイプの軸に沿って、円弧状に互い違いにずらして分布させてよく、かつ部分的に重複する(
図13)。また、当該センサは、特に、超音波ビーム間の干渉を避けるために交互に励起される。そして、
図14に示すように、当該パイプの周囲に、測定箇所が鋸歯上に分布される。
【0082】
次に、当該態様について詳細に説明する。
【0083】
図15は、当該パイプの周囲に重複して分布する6つのセンサの円弧AS1〜AS6の位置を示す。ここで、円弧AS2、AS4及びAS6が、円弧AS1、AS3及びAS5の内側に放射状に示される。これは、当該重複を示すのに用いられる。実際には、円弧AS2、AS4及びAS6は、円弧AS1、AS3及びAS5と同一半径上に配置されるが、軸方向にずれる。
【0084】
センサの各円弧は、各々64個のセンサ素子を備えるセンサAS41及びAS42の2つの半円弧を備える。いくつかの物理的センサからの信号を組み合わせて仮想センサが形成される。その動作は、例えば、半円弧ごとに14〜28の仮想センサ、すなわち、完全な円弧ごとに28〜56の仮想センサを用いるいくつかの方法により実行される。完全な円弧ごとの仮想センサ数はNで示す。
【0085】
すなわち、当該パイプの周囲では、最高でNの6倍の仮想変換器を用いてよく、N=56の場合に336個の測定値に相当する。実際、当該円弧は、当該パイプの周囲に沿ってわずかに重複する。すなわち、異なる測定値の数は、わずかに少ない。
【0086】
次に、
図15Aについて説明すると、この図は、超音波センサAS4の円弧を詳述し、当該円弧は、2つの部分AS41とAS42に分かれる。この2つの部分からのデータは、1つの同一測定チャネルに集められる。この2つの部分AS41及びAS42は、N個の仮想変換器の場合は上記した2倍の64個の素子を構成する。
【0087】
この
図15Aに関して、
図16は、超音波エネルギのパルス状ショットの分布を、時間関数、ひいては当該パイプの長手方向の移動として示す。長手方向の速度は、典型的には、1メートル毎秒である。これにより、上記測定の鋸歯構造がさらに理解される。当該鋸歯の先端は、N個の仮想変換器の中の中央タンク超音波変換器に一致することが把握される。
【0088】
この第2の態様では、当該パイプの外径及び厚さの測定は、本質的に同一箇所又は互いに極めて近接した箇所で意図的に行われる。全ての場合、当該パイプの内壁での超音波の各反射点の位置は、空間内の原点、例えば、超音波センサの頂部中心又は回転超音波ヘッドの回転中心又はセンサ群の円弧中心に関連付けてよい。
【0089】
この場合、
図7を参照すると、上記計算及び処理を明らかに用いてよい。しかし、図から明らかなように、他の方法を用いてもよい。
【0090】
第2の態様で上記と異なる場合、1つの鋼管部分に対するM個のコイルの集合の測定を低減しうる。指数i(0〜M−1)は、時間に相当するコイル番号であり、その結果、(当該パイプの角度変位に付随しうる)当該パイプの軸方向移動に一致すると考えられる。
【0091】
当該ウォーターボックス(又は同等物)内の超音波の素測定値に基づき、コイルごとにN個の測定値が得られる。指数i(0〜N−1)は、当該コイルの測定箇所の数と考えられる。厳密には、
図10に示す回転超音波ヘッドを備えたウォーターボックス又はフェーズドアレイでは、コイルの異なる測定値は、(少なくとも部分的に)時間的に連続して得られる。すなわち、一定時間を当該測定及びその結果として、(当該パイプの角度変位に付随しうる)当該パイプの軸方向の移動に与えうる。超音波測定の種類にかかわらず、指数jと当該時間との対応、及び当該パイプの直線部分での測定角度が把握される。
【0092】
すなわち、開始位置から当該パイプ内壁の測定値Mijが得られるが、これは超音波センサの頂部の場合の基準系であり、例えば、原点が超音波センサの頂部中心である正規直交座標系で示してよい。それは3D測定値であるが、当該パイプの同一直線部分内にある程度位置する同一コイルの測定値のため同一コイルに対する2D測定値に低減されてよい。
【0093】
当該コイルが当該パイプにらせん状に巻回されることは理解されよう。当該コイルの当該パイプの軸に沿った小寸法は、当該パイプの軸に垂直な平面内で当該コイルを直角に投影させて補正される。これは、当該コイルの先端に対して、当該パイプの長手方向軸に沿った座標を省いてなる。当該コイル数は、当該パイプの長手方向軸に沿ったその先端の位置を所要の精度に特定するのに十分である。
【0094】
当該パイプの各コイルiに対して、まず、中心点の位置Ciを、例えば、超音波センサの頂部の基準系で測定する。このため、考慮する当該コイルの位置に最適に調節された円の中心を求めた。つまり、iは一定であり、以下の式
【0095】
【数2】
で最小値である点Ciを求めた。ただし、Mij及びCiは投影面の位置ベクトルである。
【0096】
そして、測定ベクトルMijは、この中心Ciに関するように変換される。すなわち、Rij(i=コイルi数、j=当該点数)により示される測定ベクトルの表が得られ、その場合、各コイルで当該パイプの内面上の各点の相対位置が中心Ciに関連付けられる。
【0097】
各コイル(Nは偶数)で当該パイプの内壁にN個の記録点がある場合、当該パイプの内面は、「疑似直径」というN/2通過セグメントにより示してよい。当該空間内では、通過セグメントはその端部の位置により特定される。行kのセグメントには、Rikで示される端部及びRi(N/2+k−1)で示される本質的にその反対側の他の端部がある。当該セグメントは中心Ciを通過する。そのため、通過セグメントは、RikからCiまで動く半セグメント及びその後のCiからRi(N/2+k−1)まで動く半セグメントにより特定される。これら2つの半セグメントは、2つの端部の対向が正確な場合を除き、互いの位置合わせは正確でない。
【0098】
端的には、行kの通過セグメントはDik(iはコイル数、kは0〜N/2−1まで進む当該セグメントの行)により示される。すなわち、各疑似直径Dikは互いに本質的に180°で配置され、コイルの中心Ciを通過する当該パイプの内面の2箇所を接続する。
【0099】
次に、全てのコイル上で、本質的に互いに平行である一連の疑似直径について、例えば、第1コイルの第1疑似直径から考察する。これは、第1コイルに存在する全ての直径方向で繰り返す。(疑似直径がわずかに乱れるラインでも、当該疑似直径には、方向、すなわち、いわゆる直径方向を割り当てうる。)
【0100】
つまり、当該鋼管部分は、各々が各直径方向に関連する、いくつかの疑似直径のサブ集合に分けられる。各サブ集合は、各疑似直径をそのコイル数に割り当てうるように、コイルごとに1つの割合で、全コイル上で互いに平行である疑似直径を含む。最も簡単な方法は疑似直径がコイルの順番で示される表を用いることである。これを「2D平面」という。疑似直径は、その平面が属するコイルが投影される当該平面内の端部[Rik,Ri(N/2+k−1)]の位置及びコイル番号i(又は、他の識別子)により特定される。
【0101】
検討した当該鋼管部分の長さがM個のコイルである場合、各々本質的に互いに平行であるM個の疑似直径を備える、(Pnで示される、ただし、nは、0〜N/2である当該平面の番号)一連のN/2個の2D平面が得られる。
【0102】
例えば、平面p
0は、コイル0(i=0)の疑似直径D
00、D
1jからコイル1の疑似直径D
00と本質的に平行であり、・・・、D
ij’からは、コイルiでD
00と本質的に平行である疑似直径、…、D
Mj…からはコイルMでD
00と本質的に平行である疑似直径からなる。すなわち、これらの疑似直径は、当該コイルの投影平面各々における端部の位置を考慮して、(当該パイプの長手方向軸に沿った)当該コイルの順に互いに重複する。
【0103】
つまり、データ表R
ijは、全てのコイルに対して、1つのコイルから次のコイルへ本質的に互いに平行である疑似直径に対応するように更新される。係数jと、当該パイプの直線部分における、測定が行われる径方向との対応が把握できることが想起されよう。
【0104】
各2D平面で、内側で当該疑似直径に接線方向で内接する台形を求める。単純な方法は以下の通りである。
・台形の第1側辺
‐最後のコイルの同一辺に位置する端部で第1コイルの疑似直径の第1端部に接続する第1直線を決める。
‐この第1直線が最後の直線の第1コイル間で他の全ての疑似直径の内側を通る場合、第1直線は含まれる。
‐そうでない場合、第1直線は全ての疑似直径の内側を通るように、内側に向かってずれている。
・台形の第2側辺
‐第1コイルの同一辺に位置する端部で第1コイルの疑似直径の(第1端部と反対側の)第2端部に接続する第2直線を決める。
‐この第2直線が最後の直線の第1コイル間で他の全ての疑似直径の内側を通る場合、第2直線は含まれる。
‐そうでない場合、第2直線は、全ての疑似直径の内側を通るように、内側に向かってずれている。
【0105】
すなわち、第1及び第2の直線は、2つの平行な辺上端部で(仮想的に)閉じうる当該台形の2つの側辺を形成する。
【0106】
その結果、当該鋼管部分の長手方向軸周辺の異なる方向を漸次カバーする一群又は回転木馬状の台形が得られる。
【0107】
これらの異なる台形から、当該鋼管部分の内面に接する直線生成ライン(当該台形の側辺)がある形状が得られる。その結果、当該サイジング体が、直線生成ラインがあるこの形状を通過するか否かが判断される。このため、当該円筒形のサイジング体の当該直線部分が、直線生成ラインがある当該形状の2つの端部各々を通過するか否か及びどのように通過するかをチェックすればよい。実際、各台形の端部の1つで最小限の通過が起こる。
【0108】
当該サイジング体の直線部分が2つの端部を通過するが、一方の端部を通過する場合の中心位置が他方の端部を通過する場合の中心位置からずれてよい。当該パイプの軸に対して、この2つの中心が交わる当該ラインの角度はαで示される。すなわち、それは楕円形である。そのため、直線生成ラインを有する当該形状の2つの端部に対する通過テストは、この斜めの楕円形部分に対して繰り返される。例えば、当該中心間のずれが変化しなくなるまで、これを数回繰り返す必要があってよい。
【0109】
当該端部に対する通過のテストは、実験的に決めうる安全マージンで実行される。当該安全マージンは上記マージンαよりかなり狭いと推測される。当該テストの臨界値は、この場合、当該安全マージンで、直線生成ラインを有する形状と当該サイジング体の直線(又は、斜めの)部分の間の距離を含む。
【0110】
この点から、当該サイジング体を用いて当該パイプに対する通過性検査の分析を部分ごとに確立しうる。各部分は、当該サイジング体の長さであり、その部分は、少なくともその長さの半分で重複する。その部分の長さと重複の割合は調整されてよい。
【0111】
上記のように、
‐当該部分の重複は、当該パイプのわずかな湾曲各々で考慮されうる。例えば、少なくとも50%、好ましくは、最高で90%の重複があってよい。
‐当該パイプは、検査される全ての部分が、当該サイジング体により通過しうる場合、全体として通過しうると判断する。当該パイプは、ある部分が完全に遮断する場合、通過不可能と判断される。検査される1つ以上の部分(又はそれらの間の移動)が障害限界にある場合、当該パイプは、「要検査」である。
【0112】
上記プロセスは、出口で、
1)当該サイジング体が当該パイプ内を通過するか否か(「通過」又は「非通過」ペナルティ)
2)阻害された場合、その阻害位置(どちらの場合でも、コイル番号及び部分識別子)
3)全ての場合、検査されるパイプ内を通過できるサイジング体の最大直径
を判断する。
【0113】
当該プロセスは、当該パイプの内部形状に関する全情報の詳細を考慮して、3D空間での解析計算を著しく低減しうる。それに要する計算時間は非常に短い。これは、当該処理の目的が、工場内でリアルタイムに適用されること及び生産速度に調整されることであるため、不可欠である。
【0114】
一般的な観点から、上記プロセスは、例えば、超音波により測定される当該パイプの内面上の座標に基づく。当該パイプの内面に接する直線生成ラインがある形状を求める。そして、当該サイジング体が直線生成ラインがあるこの形状内を通過するか否かを判断する。
【0115】
当該態様では、コイルにより特定され及び各コイルの中心点に関連する2Dデータの形態の3D測定データを圧縮後、その2Dデータを、各々を互いに本質的に平行である疑似直径に対応するサブ集合に再分類して有利に実行される。そして、各サブ集合では、内側の様々な箇所で当該疑似直径の端部と同一平面に位置する2つの直線が求められる。全てのサブ集合について直線生成ラインがある形状をもたらされ、それにより、当該サイジング体が通過するか又は通過しないか、若しくは「限界」であるかを判断しうる。
【0116】
従来技術として、一般に、作業は、その端部接続部/ねじ山が設けられたパイプに関して行われる。一方、上記本発明の態様は、原則、その端部接続部/ねじ山がまだ設けられないパイプに機能する。しかし、その端部接続部/ねじ山が備えられたパイプに対して当該態様を用いることを検討する価値があるであろう。この場合、当該パイプの2つの端部で、当該部分を適切に検査しうるであろう。