特許第5913310号(P5913310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5913310三環式化合物ならびにその作製および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913310
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】三環式化合物ならびにその作製および使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 493/04 20060101AFI20160414BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20160414BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/366 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/4741 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/34 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/429 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/397 20060101ALI20160414BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160414BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   C07D493/04 106A
   C07D493/04 111
   C07D491/048CSP
   C07D513/04 371
   A61P3/04
   A61K31/353
   A61K31/366
   A61K31/4741
   A61K31/34
   A61K31/4025
   A61K31/429
   A61K31/397
   A61K31/5377
   A61P43/00 111
【請求項の数】20
【全頁数】126
(21)【出願番号】特願2013-520869(P2013-520869)
(86)(22)【出願日】2011年7月21日
(65)【公表番号】特表2013-532660(P2013-532660A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】US2011044864
(87)【国際公開番号】WO2012012642
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2014年7月18日
(31)【優先権主張番号】61/470,093
(32)【優先日】2011年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/366,650
(32)【優先日】2010年7月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512092243
【氏名又は名称】ザフゲン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,デビット
(72)【発明者】
【氏名】クランプ,スーザン メアリー
(72)【発明者】
【氏名】ダイク,ヘイゼル ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】ペリン,トーマス デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ザーラー,ロバート
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−510359(JP,A)
【文献】 特表2004−528290(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/033419(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/065879(WO,A1)
【文献】 WANG GARY T,LEAD OPTIMIZATION OF METHIONINE AMINOPEPTIDASE-2(METAP2) INHIBITORS 以下備考,BIOORGANIC MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS,2007年 4月27日,V17 N10,P2817-2822,CONTAINING SULFONAMIDES OF 5,6-DISUBSTITUTED ANTHRANILIC ACIDS
【文献】 SHEPPARD GEORGE S,DISCOVERY AND OPTIMIZATION OF ANTHRANILIC ACID SULFONAMIDES AS INHIBITORS 以下備考,J. MED. CHEM.,米国,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2006年 6月 1日,V49 N13,P3832-3849,OF METHIONINE AMINOPEPTIDASE-2: A STRUCTURAL BASIS FOR THE REDUCTION OF ALBUMIN BINDING
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式で表される三環式化合物、その薬剤的に許容される塩及び立体異性体
式中、
Bは、S、OまたはNから成る群から独立して選択される1つまたは2つのヘテロ原子を有する5員のヘテロアリールであり、所望により炭素上で、それぞれ独立してRB1から選択される1つまたは2つの置換基で置換され、および、所望により、存在する場合は窒素上で、それぞれ独立してRB2から選択される1つまたは2つの置換基で置換され;
Dは、6員または7員の複素環、炭素環、ヘテロアリール環またはアリール環であり;ここで、DおよびBにより共有されている2つの原子が両方とも炭素であるように、BはDに縮合しており;
Eは、−W−C(RC3C4)−;−W−C(=O)−;−C(=O)−V−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−;−C(RC1C2)−V−;−N=C(RD2)−;−C(RD1)=N−;−C(RD1)=C(RD2)−;−N=N−;−W−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−V−C(=O)−;−W−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(=O)−U−;−C(=O)−V−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−U−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;および−C(RC1C2)−V−C(RC5C6)−から成る群から選択され;ここで、Eの左側の置換基は、式Iのフェニル環に結合しており、Eの右側の置換基はBに結合しており;
WはO、S、およびN(RN1)から成る群から選択され;
VはO、S、およびN(RN2)から成る群から選択され;
UはO、S、およびN(RN3)から成る群から選択され;
Yは−C(RY1Y2)−または−N(RY3)−であり;
Xは、Yが−N(RY3)−である場合にはXは−SO2−であるという条件で、−S−、−S(=O)−、−SO2−から成る群から選択され;
Aは、フェニル、それぞれS、NまたはOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール、およびそれぞれNまたはOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環から成る群から選択される環であり;
A1は、各出現において独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-3アルコキシから成る群から選択され、ここでC1-4アルキルまたはC1-3アルコキシは、所望により1つまたは複数のハロゲンで置換されていてもよく;
nは1または2であり;
A2は、水素、RijN−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−(NRa)−から成る群から選択され;ここで、前記ヘテロシクリルは、Rgから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換される4〜7員環であり、およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は所望により1つまたは複数のRh基で置換されるか;または
A2は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6アルケニルオキシ、C3-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−(ここでwは0、1または2である)、C1-6アルキル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−SO2−、C1-6アルキル−SO2−N(Ra)−、C1-6アルコキシ−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)−C1-6アルキル、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキルから成る群から選択され;ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6アルケニルオキシ、C3-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−、C1-6アルキル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−SO2−、C1-6アルキル−SO2−N(Ra)−、C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)C1-6アルキル−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−C1-6アルキル−、C1-6アルコキシC1-6アルキルは、所望により、RP2、フェニル、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール−(NRa)−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシまたはヘテロシクリル−N(Ra)−で置換されてもよく;ここで前記ヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環であり、およびここで前記ヘテロアリールまたはフェニルは、Rfから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換され;ここで前記ヘテロシクリルは、Rgから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換される4〜7員環であり、およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は所望により、1つまたは複数のRh基で置換されてもよく;
B1は、各出現において独立して、水素、シアノ、ハロゲン、C1-2アルキルまたはC1-2アルコキシから成る群から選択され、ここでC1-2アルキルまたはC1-2アルコキシは、所望により、1つまたは複数のハロゲンにより置換されてもよく;
B2は、各出現において独立して、水素またはC1-2アルキルから成る群から選択され、ここでC1-2アルキルは、所望により、1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよく;
Y1およびRY2は、独立して、水素、C1-4アルキルから成る群から選択され;
Y3は、水素、C1-4アルキルから成る群から選択され;
C1およびRC2は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-2アルキル、C1-2アルコキシから成る群から選択され、ここでC1-2アルキルまたはC1-2アルコキシは、所望により、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
N1は、水素およびC1-2アルキルから成る群から選択され、ここでC1-2アルキルは、所望により、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
D1は、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、C1-2アルコキシから成る群から選択され;ここでC1-2アルキル、およびC1-2アルコキシは、所望により、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルで置換されてもよく;
C3およびRC4は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシから成る群から選択され、ここでC1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
N2は、各出現において、水素、C1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニルまたはC3-4アルキニルから成る群から選択され、ここでC1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニル、またはC3-4アルキニルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
D2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-3アルコキシ、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C1-3アルキル−カルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され、ここでC1-4アルキル、C1-3アルコキシ、C2-4アルキニル、C2-4アルケニルおよびC1-3アルキル−カルボニル−N(Ra)−は、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
C5およびRC6は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシから成る群から選択され、ここでC1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
N3は、各出現において、水素、C1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニルまたはC3-4アルキニルから成る群から選択され、ここでC1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニル、またはC3-4アルキニルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
aおよびRbは、各出現において独立して、水素およびC1-4アルキルから成る群から選択されるか、またはRaおよびRbは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員の複素環を形成してもよく、ここで、C1-4アルキルは、所望により、ハロゲン、シアノ、オキソおよびヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく、およびここで、4〜6員の複素環は、所望により、ハロゲン、シアノ、オキソまたはヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
fは、各出現において独立して、RP2、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−(ここでwは0、1または2である)、C1-6アルキルカルボニル−N(Ra)−;C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され;ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−、C1-6アルキルカルボニル−N(Ra)−、C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−は、所望により、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
gは、各出現において独立して、RP2、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−(ここでwは0、1または2である)、C1-6アルキルカルボニル−N(Ra)−;C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され、ここでC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−、C1-6アルキルカルボニル−N(Ra)−;C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−は、所望により、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
hは、各出現において独立して、RP3、水素、C1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキル−S(O)2−、C1-6アルコキシカルボニル−から成る群から選択され;ここでC1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキル−S(O)2−、C1-6アルキルカルボニル−は、所望によりRP2から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
iおよびRjは、各出現において独立して、水素、C1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、前記C1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されるか;または、RiおよびRjは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により炭素上で、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、RabN−、RabN−SO2−、RabN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシは、所望によりRP4で置換されてもよいか;または、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により窒素上で、C1-6アルキル、RabN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1-6アルキルは所望によりRP4で置換されてもよく;
P1は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、RabN−、RabN−カルボニル−、C1-3アルコキシから成る群から選択され;
P2は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、RijN−、RijN−カルボニル−、RijN−SO2−、RijN−カルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され;
P3は、各出現において独立して、RijN−カルボニル−およびRijN−SO2−から成る群から選択され;
P4は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノから成る群から選択される。
【請求項2】
Bが以下:
から成る群から選択され、ここで*および+は、構造A:
に示されるDに対する結合点を示す、請求項1に記載の三環式化合物。
【請求項3】
Bが以下:
から成る群から選択される、請求項1または2に記載の三環式化合物。
【請求項4】
Bが以下:
である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の三環式化合物。
【請求項5】
(a)WがOまたはNRN1、あるいは
(b)VがOまたはNRN2及びUがOまたはNRN3である請求項1〜4のいずれか1項に記載の三環式化合物。
【請求項6】
(a)Eが以下:−O−C(RC3C4)−;−O−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−O−;−N=C(RD2)−;−C(RD1)=N−;−C(RD1)=C(RD2)−;−N=N−;−O−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−O−C(=O)−;−O−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(=O)−N(RN3)−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−O−;−C(RC1C2)−N(RN2)−C(=O)−;および−C(RC1C2)−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;から成る群から選択されるか、あるいは
(b)RC3、RC4、RC5、RC6、およびRD2は、水素、ヒドロキシル、フッ素、およびC1-4アルキルから成る群から選択され;ならびにEの一部を形成するRC1、RC2、RD1、およびRN1は、水素またはC1-2アルキルから選択されてもよく;ならびにEの一部を形成するRN2およびRN3は、それぞれ独立して、水素およびC1-4アルキルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の三環式化合物。
【請求項7】
Eが、−O−CH2−;−O−CH(CH3)−;−O−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−;−N=CH−;−CH=N−;および−O−CH2−CH2−から成る群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の三環式化合物。
【請求項8】
前記化合物が以下の式で表される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の三環式化合物:
IIa、
IIb、または
IIc、
式中、RC3、RC4、RC5およびRC6は、独立して、水素、フッ素、およびC1-4アルキルから成る群から選択され、ここでC1-4アルキルは、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、またはNH2から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
【請求項9】
(a)Yが−N(RY3)−である、
(b)Xが−SO2−である、
(c)Aがフェニルであり、およびRA1が水素またはハロゲンである、及び/又は
(d)Aがフェニルであり、およびRA2がC1-6アルキルまたはC3-6アルケニルであり、ここでC1-6アルキルまたはC3-6アルケニルは、所望によりRijN−で置換される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の三環式化合物。
【請求項10】
以下の式で表される三環式化合物、その薬剤的に許容される塩及び立体異性体
III
式中、
Eは、−O−C(RC3C4)−;−O−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−C(RC5C6)−;C(RC1C2)−O−;−N=C(RD2)−;−C(RD1)=N−;−C(RD1)=C(RD2)−;−N=N−;−O−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−O−C(=O)−;−O−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(=O)−N(RN3)−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−O−;−C(RC1C2)−N(RN2)−C(=O)−;および−C(RC1C2)−C(RC3C4)−C(RC5C6)−から成る群から選択され;
Yは、−C(RY1Y2)−または−N(RY3)−であり;
A1は、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-3アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1-4アルキルまたはC1-3アルコキシは、1つまたは複数のハロゲンで所望により置換され;
A2は、水素、RijN−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−(NRa)−から成る群から選択され;ここで前記ヘテロシクリルは、Rgから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換される4〜7員環であり、およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は1つまたは複数の基Rhで所望により置換されてもよいか;または
A2は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6アルケニルオキシ、C3-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−(ここでwは0、1または2である)、C1-6アルキル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−SO2−、C1-6アルキル−SO2−N(Ra)−、C1-6アルコキシ−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)C1-6アルキル、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキルから成る群から選択され;ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6アルケニルオキシ、C3-6アルキニルオキシ、C3-6シクロアルコキシ、C1-6アルキル−S(O)2−、C1-6アルキル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−N(Ra)−SO2−、C1-6アルキル−SO2−N(Ra)−、C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−、C1-6アルキル−カルボニル−N(Ra)C1-6アルキル、C1-6アルキル−N(Ra)−カルボニル−C1-6アルキル−、C1-6アルコキシC1-6アルキルは、RP2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシまたはヘテロシクリル−N(Ra)−で所望により置換されてもよく;およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は、1つまたは複数の基Rhで所望により置換されてもよく;
Y1およびRY2は独立して、水素およびC1-4アルキルから成る群から選択され;
Y3は、水素およびC1-4アルキルから成る群から選択され;
C1およびRC2はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-2アルキル、C1-2アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1-2アルキルまたはC1-2アルコキシは、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
N1は、水素およびC1-2アルキルから成る群から選択され、ここで、C1-2アルキルは、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
D1は、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、C1-2アルコキシから成る群から選択され;ここで、C1-2アルキル、およびC1-2アルコキシは、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルで所望により置換されてもよく;
C3およびRC4は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
N2は、各出現において、水素、C1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニルまたはC3-4アルキニルから成る群から選択され、ここで、C1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニル、またはC3-4アルキニルは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
D2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-3アルコキシ、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C1-3アルキル−カルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され、ここで、C1-4アルキル、C1-3アルコキシ、C2-4アルキニル、C2-4アルケニルおよびC1-3アルキル−カルボニル−N(Ra)−は、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
C5およびRC6は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニルまたはC1-3アルコキシは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
N3は、各出現において、水素、C1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニルまたはC3-4アルキニルから成る群から選択され、ここで、C1-4アルキル、C1-3アルキルカルボニル、C3-4アルケニル、またはC3-4アルキニルは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
aおよびRbは、各出現において独立して、水素およびC1-4アルキルから成る群から選択されるか、またはRaおよびRbは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員の複素環を形成してもよく、ここでC1-4アルキルは、ハロゲン、シアノ、オキソおよびヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく、およびここで、4〜6員の複素環は、ハロゲン、シアノ、オキソまたはヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
gは、各出現において独立して、RP2、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−(ここで、wは0、1または2である)、C1-6アルキルカルボニル−N(Ra)−;C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル−S(O)w−、C1-6アルキルカルボニル−N(Ra)−;C1-6アルコキシカルボニル−N(Ra)−は、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
hは、各出現において独立して、RP3、水素、C1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキル−S(O)2−、C1-6アルコキシカルボニル−;から成る群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキル−S(O)2−、C1-6アルキルカルボニル−は、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
iおよびRjは、各出現において独立して、水素、C1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、前記C1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されるか;または、RiおよびRjは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により炭素上で、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、RabN−、RabN−SO2−、RabN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシは、所望によりRP4で置換されてもよいか;または、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により窒素上で、C1-6アルキル、RabN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1-6アルキルは、所望によりRP4で置換されてもよく;
P1は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、RabN−、RabN−カルボニル−、C1-3アルコキシから成る群から選択され;
P2は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、RijN−、RijN−カルボニル−、RijN−SO2−、RijN−カルボニル−N(Ra)−から成る群から選択され;
P3は、各出現において独立して、RijN−カルボニル−、RijN−SO2−から成る群から選択され;
P4は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノから成る群から選択される。
【請求項11】
以下の化合物:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼン−スルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;8−(ベンゼンスルホニルメチル)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ−[e]アズレン−7−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニルメチル)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−(ベンゼン−スルホニルメチル)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;8−[2−((Z)−3−ジエチルアミノ−プロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸;7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;8−[2−(3−ジエチル−アミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロパ−1−エニル]ベンゼンスルホニル−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチル−アミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−(R)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−(S)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ1−エニル)−4−フルオロベンゼン−スルホニルアミノ]−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノ−プロパ−1−エニル)−ベンゼンスルホニルアミノ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]−クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノ−プロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]−キノリン−6−カルボン酸;7−{2−[(Z)−3−(アゼチジン−1−イル)プロパ−1−エニル]−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチル−アミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((E)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;それらの薬剤的に許容される塩及び立体異性体
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、塩及び立体異性体と、薬剤的に許容される賦形剤とを含む、薬剤的に許容される組成物。
【請求項13】
有効量の請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、塩及び立体異性体を含む肥満症を治療および/または管理する組成物。
【請求項14】
有効量の請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、塩及び立体異性体を含む体重減少を誘発する組成物。
【請求項15】
経口投与のために製剤化されてなる請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
単位用量で製剤化されてなる請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
静脈内または皮下投与のために製剤化されてなる請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
チオレドキシン生成を増加させ、抗肥満症プロセスの多臓器の刺激を誘発するために有効な、細胞内MetAP2の阻害を確立するのに十分な量で、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、塩及び立体異性体を含む請求項12〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
血管新生を減少させるのに不十分な量で、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、塩及び立体異性体を含む請求項12〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
式Iで表される三環式化合物が、単離されたエナンチオマーである請求項1〜のいずれか1項に記載の三環式化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、ともにその全体が参照により本明細書に組み入れられる、2010年7月22日に出願された米国特許仮出願第61/366,650号、および2011年3月31日に出願された同61/470,093号に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
世界中で11億人を超える人々が、体重過多であると伝えられている。肥満は、米国だけで、9千万人を超える人に影響を与えていると推測されている。20歳を超える米国の人口の25%が、臨床的に肥満であるとみられている。体重過多または肥満であることは、諸問題(例えば移動性の制限、劇場または航空機の座席等の狭い場所での不快感、社会的困難等)をもたらすと同時に、これらの状態、特に臨床的な肥満症は、他の健康面への影響、すなわち、体重過多または肥満であることに関連する、それにより悪化するかまたは誘発される疾患および他の有害な健康状態を引き起こす。米国における肥満症関連の状態に起因する推定死亡率は、毎年300,000人を超える(O’Brien et al. Amer J Surgery (2002) 184:4S−8S; and Hill et al. (1998) Science, 280:1371)。
【0003】
体重過多または肥満であることに対する根治的治療は存在しない。体重過多または肥満の対象を治療するための従来の薬物療法、例えば、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、腸リパーゼ阻害薬、または胃ステープリングもしくは胃緊縛術等の外科手術は、最小限度の短期間の利益、または有意な再発率をもたらすことを示しており、さらに、患者に対する有害な副作用も示している。
【0004】
MetAP2は、少なくとも部分的に、アミノ末端メチオニン残基を、ある特定の新たに翻訳されたタンパク質、例えばグリセルアルデヒド−3−ホスファートデヒドロゲナーゼ等から、酵素的に除去することにより機能するタンパク質をコードする(Warder et al. (2008) J Proteome Res 7:4807)。MetAP2遺伝子の発現の増加は、歴史的に、がんの種々の形態と関連づけられてきた。MetAP2の酵素的活性を阻害する分子が同定され、種々の腫瘍種の治療における有用性(Wang et al. (2003) Cancer Res. 63:7861)および感染症、例えば微胞子虫症、リーシュマニア症、およびマラリアの治療における有用性(Zhang et al. (2002) J. Biomed. Sci. 9:34)が調査されてきた。とりわけ、肥満および肥満性糖尿病の動物におけるMetAP2活性の阻害は、部分的には脂肪の酸化を増加させることにより、部分的には食物の消費を減少させることにより、体重の減少をもたらす(Rupnick et al. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:10730)。
【0005】
そのようなMetAP2阻害薬は、2型糖尿病、脂肪肝、および心血管疾患を含む、過度の肥満症および肥満症に関連する状態を有する患者にとっても、有用であり得る(例えば、インスリン抵抗性の改善、肝臓の脂質含量の低減、および心臓の負荷の軽減を介して)。従って、MetAP2を調節することができる化合物は、肥満症および関連疾患、ならびにMetAP2調節薬治療に良好に応答する他の病気の治療に対処するために、必要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、例えば、MetAP2の調節薬となり得る化合物、および薬剤としてのそれらの使用、それらの調製方法、ならびに単独または他の薬剤との組み合わせの両方においてそれらを有効成分として含む医薬組成物、ならびにヒト等の温血動物におけるMetAP2活性の阻害のための、薬剤としての、および/または薬剤の生産における、それらの使用を提供する。特に、本発明は、肥満症、2型糖尿病、および他の肥満に関連する状態の治療に有用な化合物に関する。少なくとも1つの開示される化合物および薬剤的に許容される担体を含む医薬組成物もまた、提供される。
【0007】
1つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、式I:
【化1】
で表される化合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、立体異性体、エステルまたはプロドラッグであり、ここでA、B、D、E、RA1、RA2、Y、X、およびnは、本明細書において定義される通りである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の特徴および他の詳細を、より具体的に説明する。本発明の更なる説明の前に、本明細書、実施例、および添付される請求の範囲に使用される、ある特定の用語がまとめられている。これらの定義は、当業者によって理解される通り、本開示の残りの部分を考慮して読まれるべきである。特に言及しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0009】
定義
「治療」には、例えば、減少させる、軽減する、調節する、または除去する等の、状態、疾患、障害等の改善をもたらす、いかなる効果も含まれる。
【0010】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和の直鎖または分岐炭化水素を指す。例示的なアルケニル基としては、限定されないが、本明細書においてそれぞれC2−6アルケニル、およびC3−4アルケニルと呼ばれる、2〜6個または3〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐基が挙げられる。例示的なアルケニル基としては、限定されないが、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル等が挙げられる。
【0011】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素に結合した直鎖または分岐アルキル基(アルキル−O−)を指す。例示的なアルコキシ基としては、限定されないが、本明細書においてそれぞれC1−6アルコキシ、およびC2−6アルコキシと呼ばれる、1〜6個または2〜6個の炭素原子を有するアルコキシが挙げられる。例示的なアルコキシ基としては、限定されないがメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用される「アルコキシアルキル」という用語は、第2の直鎖または分岐アルキル基に結合した酸素に結合している、直鎖または分岐アルキル基(アルキル−O−アルキル−)を指す。例示的なアルコキシアルキル基としては、限定されないが、本明細書においてC1−6アルコキシ−C1−6アルキルと呼ばれる、アルキル基の各々が独立して1〜6個の炭素原子を含むアルコキシアルキル基が挙げられる。例示的なアルコキシアルキル基としては、限定されないがメトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、エトキシメチル、イソプロポキシエチル等が挙げられる。
【0013】
本明細書で使用される「アルキルオキシカルボニル」という用語は、カルボニル基に結合した酸素に結合している、直鎖または分岐アルキル基(アルキル−O−C(O)−)を指す。例示的なアルコキシカルボニル基としては、限定されないが、本明細書においてC1−6アルコキシカルボニルと呼ばれる、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基が挙げられる。例示的なアルコキシカルボニル基としては、限定されないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
【0014】
本明細書で使用される「アルケニルオキシ」という用語は、酸素に結合した直鎖または分岐アルケニル基(アルケニル−O−)を指す。例示的なアルケニルオキシ基としては、限定されないが、本明細書においてC3−6アルケニルオキシと呼ばれる、3〜6個の炭素原子を有するアルケニル基を有する基が挙げられる。例示的な「アルケニルオキシ」基としては、限定されないが、アリルオキシ、ブテニルオキシ等が挙げられる。
【0015】
本明細書で使用される「アルケニルオキシ」という用語は、酸素に結合した直鎖または分岐アルキニル基(アルキニル−O)を指す。例示的なアルキニルオキシ基としては、限定されないが、本明細書においてCアルキニルオキシと呼ばれる、3〜6個の炭素原子を有するアルキニル基を有する基が挙げられる。例示的なアルキニルオキシ基としては、限定されないが、プロピニルオキシ、ブチニルオキシ等が挙げられる。
【0016】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和の直鎖または分岐炭化水素を指す。例示的なアルキル基としては、限定されないが、本明細書においてそれぞれC1−6アルキル、C1−4アルキル、およびC1−3アルキルと呼ばれる、1〜6個、1〜4個、または1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐炭化水素が挙げられる。例示的なアルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
【0017】
本明細書で使用される「アルキルカルボニル」という用語は、カルボニル基に結合した直鎖または分岐アルキル基(アルキル−C(O)−)を指す。例示的なアルキルカルボニル基としては、限定されないが、本明細書においてC1−6アルキルカルボニル基と呼ばれる、1〜6個の原子を有するアルキルカルボニル基が挙げられる。例示的なアルキルカルボニル基としては、限定されないが、アセチル、プロパノイル、イソプロパノイル、ブタノイル等が挙げられる。
【0018】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和の直鎖または分岐炭化水素を指す。例示的なアルキニル基としては、限定されないが、本明細書においてそれぞれC2−6アルキニル、およびC3−6アルキニルと呼ばれる2〜6個、または3〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐基が挙げられる。例示的なアルキニル基としては、限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル等が挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される「カルボニル」という用語は、ラジカル−C(O)−を指す。
【0020】
本明細書で使用される「シアノ」という用語は、ラジカル−CNを指す。
【0021】
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素に結合したシクロアルキル基(シクロアルキル−O−)を指す。例示的なシクロアルコキシ基としては、限定されないが、本明細書においてC3−6シクロアルコキシ基と呼ばれる、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルコキシ基が挙げられる。例示的なシクロアルコキシ基としては、限定されないが、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0022】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、本明細書においてそれぞれC3−6シクロアルキルまたはC4−6シクロアルキルと呼ばれる、例えば、3〜6個、または4〜6個の炭素を有する、飽和または部分的に不飽和の炭化水素基を指す。例示的なシクロアルキル基としては、限定されないが、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロブチルまたはシクロプロピルが挙げられる。
【0023】
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを指す。
【0024】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、1つまたは複数のヘテロ原子、例えば1〜3個のヘテロ原子、例えば窒素、酸素、および硫黄を含む、単環式芳香族の5〜6員の環構造を指す。可能な場合は、前記ヘテロアリール環は、炭素または窒素を介して隣接したラジカルに結合していてもよい。ヘテロアリール環の例としては、限定されないが、フラン、チオフェン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジンまたはピリミジン等が挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」または「複素環基」という用語は、当技術分野で周知であり、1〜3個のヘテロ原子、例えば窒素、酸素、および硫黄を含む、飽和または部分的に不飽和の4〜7員の環構造を指す。可能な場合、ヘテロシクリル環は、炭素または窒素を介して隣接するラジカルに結合していてもよい。ヘテロシクリル基の例としては、限定されないが、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、オキセタン、またはアゼチジンが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される「ヘテロシクリルオキシ」という用語は、酸素に結合したヘテロシクリル基(ヘテロシクリル−O−)を指す。
【0027】
本明細書で使用される「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素に結合したヘテロアリール基(ヘテロアリール−O−)を指す。
【0028】
本明細書で使用される「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」という用語は、ラジカル−OHを指す。
【0029】
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、ラジカル=Oを指す。
【0030】
「薬剤的または薬理学的に許容される」という表現は、必要に応じて動物、またはヒトに投与された場合、有害な、アレルギー性の、または他の不都合な反応を引き起こさない、分子的実体および組成物を含む。ヒトへの投与のためには、製剤は、FDAの生物学的製剤基準部門が要求している、滅菌性、発熱性、一般的安全性および純度の基準を満たすべきである。
【0031】
本明細書で使用される「薬剤的に許容される担体」または「薬剤的に許容される賦形剤」という用語は、薬剤投与に適合する、いかなるおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング、等張および吸収遅延剤等を指す。薬剤的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において周知である。組成物はまた、補充的な、追加の、または強化された治療的機能を提供する、他の活性な化合物を含んでもよい。
【0032】
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、1つまたは複数の薬剤的に許容される担体とともに配合される、本明細書に開示される少なくとも1つの化合物を含む組成物を指す。
【0033】
「個人/固体」、「患者」、または「対象」という用語は、互換可能に使用され、哺乳類、好ましくはマウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、畜牛、ヒツジ、ウマ、または霊長類、および最も好ましくはヒトを含む、いかなる動物をも含む。本発明の化合物は、哺乳動物、例えばヒトに投与することができるが、獣医学治療を必要としている動物等の他の哺乳類、例えば、家畜(例えば、イヌ、ネコ等)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ等)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモット等)にも投与することができる。本発明の方法において治療される哺乳動物は、肥満症の治療または体重減少が望まれる哺乳動物であることが望ましい。「調節」という用語には、拮抗作用(例えば、阻害)、受容体活性化作用、部分的拮抗作用および/または部分的受容体活性化作用が含まれる。
【0034】
本明細書において、「治療的有効量」という用語は、研究者、獣医、医師または他の臨床医によって求められる、組織、器官または動物(例えば、哺乳動物またはヒト)の生物学的または医学的応答を誘発する、主題の化合物の量を意味する。本発明の化合物は、疾患を治療するために、治療的有効量で投与される。あるいは、化合物の治療的有効量は、所望の治療的および/または予防的効果を達成するのに必要な量、例えば、体重減少をもたらす量である。
【0035】
本明細書で使用される「薬剤的に許容される塩」という用語は、組成物に使用される化合物中に存在し得る酸性または塩基性基の塩を指す。本発明の組成物に含まれる、本質的に塩基性である化合物は、種々の無機および有機酸と、多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の薬剤的に許容される酸付加塩を調製するために使用し得る酸は、非毒性の酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容されるアニオンを含む塩を形成する酸であり、上述の塩には、限定されないが、以下が含まれる:リンゴ酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))塩。本発明の組成物に含まれる、本質的に酸性である化合物は、種々の薬理学的に許容されるカチオンと塩基性の塩を形成することができる。そのような塩の例としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、および、特に、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、および鉄塩が挙げられる。本発明の組成物に含まれる、塩基性または酸性部分を含む化合物もまた、種々のアミノ酸と、薬剤的に許容される塩を形成することができる。本開示の化合物は、酸性および塩基性基の両方、例えば、1つのアミノ基および1つのカルボン酸基を含んでもよい。そのような場合、化合物は酸付加塩、双性イオン、または塩基性塩として存在してもよい。
【0036】
本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含んでもよく、従って、立体異性体として存在してもよい。本明細書に使用される場合、「立体異性体」という用語は、すべてのエナンチオマーまたはジアステレオマーを含む。これらの化合物は、不斉炭素(stereogenic carbon)原子周囲の置換基の配置に応じて、記号「(+)」、「(−)」、「R」または「S」によって示すことができるが、当業者は暗黙裡に、構造がキラル中心を示し得るということを、認識するであろう。本発明は、これらの化合物の種々の立体異性体およびそれらの混合物を包含する。エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物は、命名法において「(±)」と示すことができるが、当業者は暗黙裡に、構造がキラル中心を示し得るということを、認識するであろう。
【0037】
本開示の化合物は、1つまたは複数の二重結合を含んでもよく、従って、炭素−炭素二重結合周囲の置換基の配置により生じる幾何異性体として存在し得る。記号
【化2】
は、本明細書において、単結合、二重結合、または三重結合であり得る結合を示す。炭素−炭素二重結合の周囲の置換基は、「Z」または「E」配置であると称され、ここで「Z」および「E」という用語は、IUPAC標準に従って使用される。特に指示がない限り、二重結合を表す構造は、「E」および「Z」異性体の両方を包含する。炭素−炭素二重結合の周囲の置換基は、代替として「シス」または「トランス」と表すこともでき、「シス」は二重結合の同じ側の置換基を表し、「トランス」は、二重結合の反対側の置換基を表す。二重結合と同じ側および反対側の両方に配置された置換基を有する化合物の混合物を「シス/トランス」と称する。
【0038】
本開示の化合物は、炭素環または複素環を含んでもよく、従って、環の周囲の置換基の配置により生じる幾何異性体として存在し得る。炭素環または複素環の周囲の置換基の配置は、「Z」または「E」配置であると称され、ここで「Z」および「E」という用語は、IUPAC標準に従って使用される。特に指示がない限り、炭素環または複素環を表す構造は「Z」および「E」異性体の両方を包含する。炭素環または複素環の周囲の置換基は「シス」または「トランス」と表すこともでき、「シス」という用語は環の面の同じ側の置換基を表し、「トランス」という用語は、環の面の反対側の置換基を表す。置換基が、環の面の同じ側および反対側の両方に配置されている化合物の混合物を「シス/トランス」と称する。
【0039】
本発明の化合物の個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーは、不斉中心を含む市販の出発材料から合成的に調整するか、またはラセミ混合物の調製後に当業者に周知の分割方法を用いることにより調製することができる。これらの分割方法は、以下により例証される:(1)エナンチオマーの混合物のキラル補助基への連結、得られたジアステレオマー混合物の再結晶化またはクロマトグラフィーによる分離、および補助基からの光学的に純粋な生成物の遊離、(2)光学活性分割剤を使用した塩形成、(3)キラル液体クロマトグラフィーカラム上での光学エナンチオマーの混合物の直接分離、または(4)立体選択的な化学的もしくは酵素的試薬を使用した速度論的分割。ラセミ混合物を、周知の方法、例えば、キラル相液体クロマトグラフィーまたはキラル溶媒中での化合物の結晶化によって、それらの構成成分であるエナンチオマーに分割することもできる。新たな立体中心が創出される間、または既存の中心が変換する間に、単一の反応物が立体異性体の不均衡な混合物を形成する、立体選択的な合成、化学的または酵素的反応は、当技術分野において周知である。立体選択的合成は、エナンチオ選択的、およびジアステレオ選択的変換の両方を包含し、キラル補助基の使用をも含み得る。例えば、Carreira and Kvaerno, Classics in Stereoselective Synthesis, Wiley−VCH: Weinheim, 2009を参照のこと。
【0040】
本明細書に開示される化合物は、薬剤的に許容される溶媒、例えば水、エタノール等との溶媒和および非溶媒和形態で存在し得、本発明が溶媒和および非溶媒和形態の両方を包含することが意図されている。一実施形態において、化合物は無定形である。一実施形態において、化合物は単一の多形体である。別の実施形態において、化合物は多形体の混合物である。別の実施形態において、化合物は結晶形態である。
【0041】
本発明はまた、1つまたは複数の原子が、天然に通常存在する原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置換されている以外は、本明細書に記載されるものと同一である、同位体標識された本発明の化合物を包含する。本発明の化合物中に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。例えば、本発明の化合物は、重水素で置換された1つまたは複数の水素原子を有してもよい。
【0042】
ある特定の同位体標識された開示される化合物(例えば、Hおよび14Cで標識されたものなど)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識されたもの(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、調製しやすさおよび検出性において、特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、H)による置換は、より大きな代謝安定性(例えば、in vivo半減期の増加または必要用量の減少)によりもたらされるある特定の治療的優位性を提供し得、それにより、いくつかの場合において好ましいこともある。同位体標識された本発明の化合物は、同位体標識されていない試薬を同位体標識された試薬で置き換えることにより、本明細書の実施例に開示されるものと類似した手順に従って、一般的に調整することができる。
【0043】
「プロドラッグ」という用語は、in vivoで変換され、開示される化合物または該化合物の薬剤的に許容される塩、水和物または溶媒和物を生じる化合物を指す。変換は、種々のメカニズム(例えば、エステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼ、酸化的代謝または還元的代謝により)により様々な場所(例えば腸管腔中、または腸、血液もしくは肝臓を通過する際)において発生し得る。プロドラッグは、当技術分野において周知である(例えば、Rautio, Kumpulainen, et al, Nature Reviews Drug Discovery 2008, 7, 255を参照のこと)。例えば、本発明の化合物または薬剤的に許容される塩、化合物の水和物または溶媒和物が、カルボン酸官能基を含む場合、プロドラッグは、酸基の水素原子を、例えば以下の基:(C1−8)アルキル、(C2−12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1−2)アルキルアミノ(C2−3)アルキル(例えばβ−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C1−2)アルキル、N,N−ジ(C1−2)アルキルカルバモイル−(C1−2)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C2−3)アルキル、で置換することにより形成されるエステルを含み得る。
【0044】
同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、例えば以下の基:(C1−6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1−6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1−6)アルカノイルオキシ)エチル(C1−6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1−6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1−6)アルカノイル、α−アミノ(C1−4)アルカノイル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル、で置換することにより形成することができ、ここで各α−アミノアシル基は独立して、天然のL−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C1−6)アルキル)、またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基の除去により生じるラジカル)から選択される。
【0045】
本発明の化合物がアミン官能基を含む場合、プロドラッグは、例えば、アミドまたはカルバメート、N−アシルオキシアルキル誘導体、(オキソジオキソレニル)メチル誘導体、N−マンニッヒ塩基、イミンまたはエナミンの生成により、形成することができる。さらに、2級アミンを代謝的に切断することにより、生理活性の1級アミンを生成することができ、または3級アミンを代謝的に切断することにより、生理活性の1級または2級アミンを生成することができる。例えば、Simplicio, et al., Molecules 2008, 13, 519およびその中の参考文献を参照のこと。
【0046】
I. 三環式化合物
ある特定の実施形態において、本発明は、式I:
【化3】
式I
で表される化合物、およびそれらの薬剤的に許容される塩、立体異性体、エステルおよびプロドラッグを提供し、式中、
Bは、S、OまたはNから成る群から独立して選択される1つまたは2つのヘテロ原子を有する5員のヘテロアリールであり、所望により炭素上で、それぞれ独立してRB1から選択される1つまたは2つの置換基で置換され、および、所望により、存在する場合は窒素上で、それぞれ独立してRB2から選択される1つまたは2つの置換基で置換され;
Dは、6員または7員の複素環、炭素環、ヘテロアリール環またはアリール環であり;ここで、DおよびBにより共有されている2つの原子が両方とも炭素であるように、BはDに縮合しており;
Eは、−W−C(RC3C4)−;−W−C(=O)−;−C(=O)−V−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−;−C(RC1C2)−V−;−N=C(RD2)−;−C(RD1)=N−;−C(RD1)=C(RD2)−;−N=N−;−W−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−V−C(=O)−;−W−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(=O)−U−;−C(=O)−V−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−U−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;および−C(RC1C2)−V−C(RC5C6)−から成る群から選択され;ここで、Eの左側の置換基は、式Iのフェニル環に結合しており、Eの右側の置換基はBに結合しており;
WはO、S、およびN(RN1)から成る群から選択され;
VはO、S、およびN(RN2)から成る群から選択され;
UはO、S、およびN(RN3)から成る群から選択され;
Yは−C(RY1Y2)−または−N(RY3)−であり;
Xは、Yが−N(RY3)−である場合にはXは−SO−であるという条件で、−S−、−S(=O)−、−SO−から成る群から選択され;
Aは、フェニル、それぞれS、NまたはOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール、およびそれぞれNまたはOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環から成る群から選択される環であり;
A1は、各出現において独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキルまたはC1−3アルコキシから成る群から選択され、ここでC1−4アルキルまたはC1−3アルコキシは、所望により1つまたは複数のハロゲンで置換されていてもよく;
nは1または2であり;
A2は、水素、RN−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−(NR)−から成る群から選択され;ここで、前記ヘテロシクリルは、Rから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換される4〜7員環であり、およびここで前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は所望により1つまたは複数のR基で置換されるか;または
A2は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C3−6アルキニルオキシ、C3−6シクロアルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−(ここでwは0、1または2である)、C1−6アルキル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−SO−、C1−6アルキル−SO−N(R)−、C1−6アルコキシ−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)−C1−6アルキル、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキルから成る群から選択され;ここで、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C3−6アルキニルオキシ、C3−6シクロアルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−SO−、C1−6アルキル−SO−N(R)−、C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)C1−6アルキル−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−C1−6アルキル−、C1−6アルコキシ−C1−6アルキルは、所望により、RP2、フェニル、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール−(NR)−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシまたはヘテロシクリル−N(R)−で置換されてもよく;ここで前記ヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環であり、およびここで前記ヘテロアリールまたはフェニルは、Rから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換され;ここで前記ヘテロシクリルは、Rから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換される4〜7員環であり、およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は所望により1つまたは複数のR基で置換されてもよく;
B1は、各出現において独立して、水素、シアノ、ハロゲン、C1−2アルキルまたはC1−2アルコキシから成る群から選択され、ここでC1−2アルキルまたはC1−2アルコキシは、所望により1つまたは複数のハロゲンにより置換されてもよく;
B2は、各出現において独立して、水素またはC1−2アルキルから成る群から選択され、ここでC1−2アルキルは、所望により、1つまたは複数のハロゲンで置換されてもよく;
Y1およびRY2は、独立して、水素、C1−4アルキルから成る群から選択され;
Y3は、水素、C1−4アルキルから成る群から選択され;
C1およびRC2は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−2アルキル、C1−2アルコキシから成る群から選択され、ここでC1−2アルキルまたはC1−2アルコキシは、所望により、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
N1は、水素およびC1−2アルキルから成る群から選択され、ここでC1−2アルキルは、所望により、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
D1は、水素、ハロゲン、C1−2アルキル、C1−2アルコキシから成る群から選択され;ここでC1−2アルキル、およびC1−2アルコキシは、所望により、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルで置換されてもよく;
C3およびRC4は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシから成る群から選択され、ここでC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
N2は、各出現において、水素、C1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニルまたはC3−4アルキニルから成る群から選択され、ここでC1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニル、またはC3−4アルキニルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
D2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、C2−4アルキニル、C2−4アルケニル、C1−3アルキル−カルボニル−N(R)−から成る群から選択され、ここでC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、C2−4アルキニル、C2−4アルケニルおよびC1−3アルキル−カルボニル−N(R)−は、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
C5およびRC6は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシから成る群から選択され、ここでC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
N3は、各出現において、水素、C1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニルまたはC3−4アルキニルから成る群から選択され、ここでC1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニル、またはC3−4アルキニルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
およびRは、各出現において独立して、水素およびC1−4アルキルから成る群から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員の複素環を形成してもよく、ここで、C1−4アルキルは、所望により、ハロゲン、シアノ、オキソおよびヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく、およびここで、4〜6員の複素環は、所望により、ハロゲン、シアノ、オキソまたはヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
は、各出現において独立して、RP2、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−(ここでwは0、1または2である)、C1−6アルキルカルボニル−N(R)−;C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−から成る群から選択され;ここでC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキルカルボニル−N(R)−、C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−は、所望により、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
は、各出現において独立して、RP2、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−(ここでwは0、1または2である)、C1−6アルキルカルボニル−N(R)−;C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−から成る群から選択され、ここでC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキルカルボニル−N(R)−;C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−は、所望により、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
は、各出現において独立して、RP3、水素、C1−6アルキル、C3−6アルケニル、C3−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルコキシカルボニル−から成る群から選択され;ここでC1−6アルキル、C3−6アルケニル、C3−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキルカルボニル−は、所望によりRP2から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく;
およびRは、各出現において独立して、水素、C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群から選択され、前記C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されるか;または、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により炭素上で、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、RN−、RN−SO−、RN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシは、所望によりRP4で置換されてもよいか;または、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により窒素上で、C1−6アルキル、RN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1−6アルキルは所望によりRP4で置換されてもよく;
P1は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、RN−、RN−カルボニル−、C1−3アルコキシから成る群から選択され;
P2は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、RN−、RN−カルボニル−、RN−SO−、RN−カルボニル−N(R)−から成る群から選択され;
P3は、各出現において独立して、RN−カルボニル−、RN−SO−から成る群から選択され;
P4は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノから成る群から選択される。
【0047】
例えば、環Bは、ある特定の実施形態において、以下:
【化4】
から成る群から選択されてもよく、ここで、およびは、以下の構造A:
【化5】
に示される環Dに対する結合点を示す。
【0048】
意図される三環式コアの一部を形成し得る例示的なB環は、以下:
【化6】
から成る群から選択されるものを含んでもよい。
例えば、Bは以下の環:
【化7】
であってもよい。
【0049】
ある特定の実施形態において、Eは上述の部分を有してもよく、ここで、例えば、WはOまたはNRN1であり、VはOまたはNRN2であり、および/またはUはOまたはNRN3であってもよい。例えば、Eは以下から成る群から選択される:−O−C(RC3C4)−;−O−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−O−;−N=C(RD2)−;−C(RD1)=N−;−C(RD1)=C(RD2)−;−N=N−;−O−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−O−C(=O)−;−O−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(=O)−N(RN3)−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−O−;−C(RC1C2)−N(RN2)−C(=O)−;および−C(RC1C2)−C(RC3C4)−C(RC5C6)−。別の実施形態において、Eの一部を形成するRC3、RC4、RC5、RC6、およびRD2は、水素、ヒドロキシル、C1−4アルキルおよびフッ素から成る群から選択されてもよい。1つの実施形態において、Eの一部を形成するRN2およびRN3は、水素およびC1−4−アルキルから成る群から選択されてもよい。別の実施形態において、Eの一部を形成するRC1、RC2、RD1、およびRN1は、水素またはC1−2アルキルから選択されてもよい。例示的なEの部分は、例えば、−O−CH−;−O−CH(CH)−;−O−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O);−O−CHCH−;−N=CH−;および−CH=N−から成る群から選択されてもよい。
【0050】
本明細書では、例えば、以下の式IIa、IIb、およびIIc:
【化8】
IIa、
【化9】
IIb、または
【化10】
IIc、
で表される三環式化合物が提供され、
式中、RC3、RC4、RC5およびRC6は、各出現において独立して、水素、フッ素、およびC1−4アルキルから成る群から選択され、ここでC1−4アルキルは、所望により、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、またはNHから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく、A、RA2、およびRA1およびnは、式Iについて上述される通りであってもよく、例えば、nは1であってもよく、およびRA1は水素またはハロゲンであってもよい。
【0051】
ある特定の実施形態において、上述の式のY部分は、−N(RY3)−であってもよく、および/またはXは−SO−であってもよい。他の実施形態において、Aはフェニルであってもよく、RA1は水素またはハロゲンであってもよく、およびRA2は、水素、ハロゲン、C1−6アルキルまたはC3−6アルケニル、(ここで、C1−6アルキルまたはC3−6アルケニルは、所望により、上記に定義される通り、RN−で置換されてもよく)から成る群から選択されてもよく、およびnは1または2であってもよい。例えば、Aフェニルであってもよく、RA1水素またはフッ素であってもよく、およびRA2は水素、C1−6アルキルまたはC3−6アルケニルであってもよく、ここで、C1−6アルキルまたはC3−6アルケニルは、所望により、RN−、例えば(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)N−で置換されてもよい。
【0052】
本明細書ではまた、以下の式III:
【化11】
III
で表される化合物、ならびにその薬剤的に許容される塩、立体異性体、エステル、およびプロドラッグも提供され、
式中、
Eは、−O−C(RC3C4)−;−O−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−;−N(RN1)−C(=O)−C(RC5C6)−;C(RC1C2)−O−;−N=C(RD2)−;−C(RD1)=N−;−C(RD1)=C(RD2)−;−N=N−;−O−C(RC3C4)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−O−C(=O)−;−O−C(=O)−C(RC5C6)−;−C(RC1C2)−C(=O)−N(RN3)−;−C(RC1C2)−C(RC3C4)−O−;−C(RC1C2)−N(RN2)−C(=O)−;および−C(RC1C2)−C(RC3C4)−C(RC5C6)−から成る群から選択され;
Yは、−C(RY1Y2)−または−N(RY3)−であり;
A1は、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキルまたはC1−3アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1−4アルキルまたはC1−3アルコキシは、1つまたは複数のハロゲンで所望により置換され;
A2は、水素、RN−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリル−(NR)−から成る群から選択され;ここで前記ヘテロシクリルは、Rから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換される4〜7員環であり、およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は1つまたは複数の基Rで所望により置換されてもよいか;または
A2は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C3−6アルキニルオキシ、C3−6シクロアルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−(ここでwは0、1または2である)、C1−6アルキル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−SO−、C1−6アルキル−SO−N(R)−、C1−6アルコキシ−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)C1−6アルキル、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキルから成る群から選択され;ここで、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C3−6アルキニルオキシ、C3−6シクロアルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−N(R)−SO−、C1−6アルキル−SO−N(R)−、C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−、C1−6アルキル−カルボニル−N(R)C1−6アルキル、C1−6アルキル−N(R)−カルボニル−C1−6アルキル−、C1−6アルコキシC1−6アルキルは、RP2、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシまたはヘテロシクリル−N(R)−で所望により置換されてもよく;およびここで、前記ヘテロシクリルが−NH部分を含む場合、その窒素は、1つまたは複数の基Rで所望により置換されてもよく;
Y1およびRY2は独立して、水素およびC1−4アルキルから成る群から選択され;
Y3は、水素およびC1−4アルキルから成る群から選択され;
C1およびRC2はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−2アルキル、C1−2アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1−2アルキルまたはC1−2アルコキシは、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
N1は、水素およびC1−2アルキルから成る群から選択され、ここで、C1−2アルキルは、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルから選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
D1は、水素、ハロゲン、C1−2アルキル、C1−2アルコキシから成る群から選択され;ここで、C1−2アルキル、およびC1−2アルコキシは、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシルで所望により置換されてもよく;
C3およびRC4は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
N2は、各出現において、水素、C1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニルまたはC3−4アルキニルから成る群から選択され、ここで、C1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニル、またはC3−4アルキニルは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
D2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、C2−4アルキニル、C2−4アルケニル、C1−3アルキル−カルボニル−N(R)−から成る群から選択され、ここで、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、C2−4アルキニル、C2−4アルケニルおよびC1−3アルキル−カルボニル−N(R)−は、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
C5およびRC6は、独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシから成る群から選択され、ここで、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルまたはC1−3アルコキシは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
N3は、各出現において、水素、C1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニルまたはC3−4アルキニルから成る群から選択され、ここで、C1−4アルキル、C1−3アルキルカルボニル、C3−4アルケニル、またはC3−4アルキニルは、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
およびRは、各出現において独立して、水素およびC1−4アルキルから成る群から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜6員の複素環を形成してもよく、ここでC1−4アルキルは、ハロゲン、シアノ、オキソおよびヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく、およびここで、4〜6員の複素環は、ハロゲン、シアノ、オキソまたはヒドロキシルから成る群から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
は、各出現において独立して、RP2、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−(ここで、wは0、1または2である)、C1−6アルキルカルボニル−N(R)−;C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−から成る群から選択され、ここで、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキルカルボニル−N(R)−;C1−6アルコキシカルボニル−N(R)−は、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
は、各出現において独立して、RP3、水素、C1−6アルキル、C3−6アルケニル、C3−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキル−S(O)−;C1−6アルコキシカルボニル−;から成る群から選択され、ここで、C1−6アルキル、C3−6アルケニル、C3−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキル−S(O)−、C1−6アルキルカルボニル−は、RP2から選択される1つまたは複数の置換基で所望により置換されてもよく;
およびRは、各出現において独立して、水素、C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群から選択され、前記C1−4アルキルおよびC3−6シクロアルキルは、所望により、RP1から選択される1つまたは複数の置換基で置換されるか;または、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、O、S、またはNから選択される追加のヘテロ原子を有し得る4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により炭素上で、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、RN−、RN−SO−、RN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシは、所望によりRP4で置換されてもよいか;または、前記4〜7員のヘテロシクリル環は、所望により窒素上で、C1−6アルキル、RN−カルボニル−から成る群から選択される1つまたは複数の置換基で置換され、ここで、C1−6アルキルは所望によりRP4で置換されてもよく;
P1は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、RN−、RN−カルボニル−、C1−3アルコキシから成る群から選択され;
P2は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1−6アルコキシ、RN−、RN−カルボニル−、RN−SO−、RN−カルボニル−N(R)−から成る群から選択され;
P3は、各出現において独立して、RN−カルボニル−、RN−SO−から成る群から選択され;
P4は、各出現において独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノから成る群から選択される。
【0053】
本明細書ではまた、以下:
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;8−(ベンゼンスルホニルメチル)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニルメチル)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニル−メチル)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;8−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸;7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;8−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロパ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノ−プロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−(R)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−メチル]−(S)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−クロメノ[3,4−d]イソ−チアゾール−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−ベンゼンスルホニルアミノ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]−クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]−キノリン−6−カルボン酸;7−{2−[(Z)−3−(アゼチジン−1−イル)プロパ−1−エニル]−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−プロパ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;7−[2−((E)−3−ジエチルアミノプロパ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸;から成る群から選択され得る化合物、または、それらの薬剤的に許容される塩、立体異性体、エステル、およびプロドラッグも提供される。
【0054】
本明細書に記載される化合物の作製手順を、スキーム1〜4を参照して、以下に提供する。以下に記載される反応において、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、チオまたはカルボキシ基)を保護することことにより、反応におけるそれらの望まれない関与を避けることが必要に成り得る。このような基の取り込み、およびこれらを導入および除去するために必要な方法は、当業者に周知である(例えば、Greene, Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis. 2nd Ed. (1999)を参照のこと)。脱保護のステップは、本明細書に開示されるか、または、例えば以下の一般式Iで例証されるとおり、保護基の除去により式Iの化合物が得られるような、合成における最終ステップであってもよい。以下のスキームに使用される出発材料は、購入することもでき、または化学文献に記載される方法、もしくは当業者に周知の方法を使用したそれらの翻案により、調製することもできる。ステップを実行する順番は、導入される基および使用される試薬に応じて変化し得るが、当業者には明白となるであろう。
【0055】
一般式Iの三環式化合物を調製するために使用される、一般的な合成方針を、スキーム1に示す。三環系は、適切に置換されかつ保護されたフェニル環1Aから出発し、種々の方法により合成することができる。基F’は、好適に保護されたカルボン酸、例えばメチル−もしくはt−ブチルカルボキシレート、またはカルボン酸に容易に転換し得る官能基、たとえばニトリルまたはアルデヒドである。基Fは、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、もしくはスルホンアミド基、または、後にチオエーテル、スルホキシド、スルホン、またはスルホンアミド基に転換し得る官能基である。B環を、置換されたフェニル環1Aに直接結合させることにより、中間体1Bを得ることができ、次いで分子内反応によりD環を形成させることにより、中間体1Eを得ることができる。あるいは、B環を置換されたフェニル環1Aに、リンカー、Eを介して結合させることにより、中間体1Cを得ることができ、次いで、分子内反応によりD環を形成させることにより、中間体1Eを得ることができる。あるいは、D環を、置換されたフェニル環上に形成することにより中間体1Dを得ることができ、次いでB環を合成して中間体1Eを得ることができる。式Iの化合物は、中間体1Eから、いずれの保護基の除去によっても調製することができる。あるいは、いずれの保護基の除去の前の、1Eへのさらなる修飾、例えばFにおける修飾によっても、式Iの化合物を得ることができる。合成プロセスにおける特定のステップを、以下に、より詳細に記載する。
スキーム1
【化12】
【0056】
[スキーム1、ステップ1(i)] 構造1Aの化合物は、様々な条件下で、構造1B’の化合物と結合することができ、ここでBは、1B型の化合物を生成する、5員の複素環である。B環の導入には、いくつかのステップ、およびいくつかの中間体の調製が必要になることもある。保護基が必要とされることもある。Rが好適な官能基(例えばハロゲン化物またはトリフレート)である場合、炭素―炭素結合の形成によって1B’を導入することにより、1Bを得ることができる。Rがボラン、ボロネートまたはボロン酸基(例えば2−ホルミルフラン−3−ボロネート)である構造1B’の化合物を、パラジウム触媒(例えば、塩化パラジウムdppf付加物、またはトリス−(ジベンジリデンアセトン)−二パラジウム)の存在下、塩基(例えば、炭酸セシウム)および好適な試薬(例えばホスフィン、例えば、トリ−tert−ブチル−ホスホニウムテトラフルオロボラートまたはトリフェニルホスフィン)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジオキサン、水、もしくはテトラヒドロフラン、またはそれらの混合物)中、および適切な条件下(例えば、80〜120℃で1〜2時間の加熱、または120〜160℃で10分間から1時間のマイクロ波照射などの加熱)で反応させることにより、炭素―炭素結合を形成し、1Bを得ることができる。有機ボラン類、ボロネート類およびボロン酸類を1Aと結合させるための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者に公知である。[例えば、Miyaura, Suzuki, Chem. Rev. 1995, 95, 2457; Suzuki, Modern Arene Chemistry (2002), 53−106を参照のこと]。
【0057】
[スキーム1、ステップ1(i)] あるいは、Rが置換されたトリアルキルスタンナン(例えば、複素環のトリ−n−ブチルスタンナン)である構造1B’の化合物を、パラジウム触媒(例えば、DCMを含む塩化パラジウムdppf付加物)の存在下、適切な溶媒(例えばジメトキシエタン、またはテトラヒドロフラン)中、および適切な条件下(例えば、80〜120℃で1〜2時間、または120〜160℃で10分間から1時間のマイクロ波照射による加熱)で使用することにより、炭素―炭素結合を形成し、1Bを得ることができる。ヘテロアリールスタンナン類を、ハロゲン化アリール類、例えば1Aに結合させるための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者に公知である。[例えば、Smith, March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, Wiley: New York, 2001, pp.931−932; De Souza, Current Organic Synthesis (2006), 3(3), 313−326.を参照のこと]。
【0058】
[スキーム1、ステップ1(i)] あるいは、Rが好適な基(例えば、ハロゲン化物またはトリフレート)である構造1Aの化合物を、パラジウム触媒(例えば、塩化パラジウムdppf付加物)および塩基(例えば、酢酸カリウムまたはジイソプロピルアミン)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジオキサン/水)中、および適切な条件下(例えば、80〜120℃で1〜2時間、または120〜160℃で10分間から1時間のマイクロ波照射による加熱)にて、ジボロネート(例えば、ビス−ピナコラト二ホウ素)で処理することにより、Rがボロネートである、構造1Aの化合物を得ることができる。ハロゲン化アリール(またはアリールトリフレート)を、アリールボロネート(またはアリールボラン)に転換するための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者に公知である[例えば、Marshall Chemtracts (2000), 13(4), 219−222を参照のこと]。次いで、このように形成されたアリールボラン(またはアリールボロネート)を、好適な試薬、例えば、ホスフィン(例えば、トリ−tert−ブチル−ホスホニウムテトラフルオロボレート)、塩基(例えば、炭酸セシウム)および触媒(例えば、トリス−(ジベンジリデンアセトン)−二パラジウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、水/ジオキサン)中、適切な条件下(例えば、80〜120℃で1〜2時間、または120〜160℃で10分間から1時間のマイクロ波照射による加熱など)にて、構造1B’の化合物(ここでRはハロゲンまたはトリフレートである)で処理することにより、構造1Bの化合物を得ることができる。
【0059】
[スキーム1、ステップ1(iv)] 化合物1Bの基RおよびRを、ともに結合させることにより、D環を形成する基Eを得ることができる。RまたはRは、ステップ1(i)の間、保護基によりマスクされていることもあり、基Eが形成され得る前に脱保護を必要とすることもある。あるいは、RまたはRは、基Eが形成され得る前に、化学的修飾を必要とすることもある。例えば、RまたはRがニトロ基である場合、その基を、還元剤で処理することにより(例えば、好適な触媒、例えば、パラジウム炭素の存在下における水素;またはDMF中の塩化スズ(II)などの無機還元剤で処理することにより)、アミノ基を得ることができる。例えば、RまたはRがヒドロキシアルキル基である場合、その基を、酸化剤(例えば、ジョーンズ試薬または二酸化マンガン)で処理することにより、アルデヒドを得ることができ、または異なる酸化剤(例えば、過マンガン酸カリウム)で処理することにより、カルボン酸を得ることができる。例えば、RまたはRがアルデヒドである場合、その基を、酸化剤(例えば、過マンガン酸カリウム)で処理することにより、カルボン酸を得ることができ、または還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)で処理することにより、アルコールを得ることができる。例えば、RまたはRがケトンである場合、その基を還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)で処理することにより、第2級アルコールを得ることができる。例えば、RまたはRがカルボン酸またはエステルである場合、その基を還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウム)で処理することによりアルコールを得ることができる。例えば、RまたはRがアルケン基である場合、その基をボラン(例えば、9−ボロビシクロノナン)で処理することにより、第1級または第2級アルコールに転換することができる。
【0060】
[スキーム1、ステップ1(iv)] 例えば、2つの基RまたはRのうちの1つがヒドロキシルであり、もう1つの基が置換アルキルアルコールである場合、1Bを脱水剤(例えば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィンの存在下での、アゾジカルボン酸ジイソプロピル)で処理することにより、Eがエーテルである1Eを得ることができる。あるいは、基RまたはRのうちの1つがヒドロキシルであり、もう1つの基が脱離基(例えば、ハロゲン、またはトリフレート)で置換されたアルキル基である場合、1Bを塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウム)で処理することにより、Eがエーテルである1Eを得ることができる。
【0061】
あるいは、基RまたはRのうちの1つがカルボン酸であり、もう1つの基がハロゲン化アルキルまたはスルホネートである場合、1Bを塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムで処理することにより、Eがエステルである1Eを得ることができる。
【0062】
あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがヒドロキシルまたは置換アルキルアルコールであり、もう1つの基がカルボン酸またはカルボン酸エステルである場合、1Bを酸(例えば、塩酸)または脱水剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは無水酢酸)で処理することにより、Eがエステルである1Eを得ることができる。
【0063】
あるいは、1B上の2つの基RまたはRのうちの1つがヒドロキシルまたは置換アルキルアルコールであり、もう1つの基がカルボン酸である場合、カルボン酸をまず混合無水物(例えば、2,4,6−塩化トリクロロベンゾイルでの処理により)または活性エステル(例えば、DIPEAまたはピリジンなどの塩基の存在下での、HATUによる処理により)に転換し、次いで、得られた混合無水物または活性エステルを、さらに塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたは炭酸カリウム)で処理することにより、Eがエステルである1Eを得ることができる。
【0064】
あるいは、1B上の基RまたはRのうちの1つがアミンまたは置換アルキルアミンであり、もう1つの基がカルボン酸である場合、カルボン酸を活性エステルに転換し(例えば、HATUおよび塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンまたはN−メチルモルホリンの存在下のTBTUで処理することにより)、得られた活性エステルをさらに塩基で処理することにより、Eがアミドである1Eを得ることができる。
【0065】
あるいは、1B上の2つの基RまたはRのうちの1つがアミンまたは置換アルキルアミンであり、もう1つの基がカルボン酸である場合、1Bを次いで脱水剤(例えば、ジイソプロピルカルボジイミド)で処理することにより、Eがアミドである1Eを得ることができる。
【0066】
[スキーム1、ステップ1(iv)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがアミンまたは置換アルキルアミンであり、もう1つの基が脱離基(例えば、ハロゲン、またはトリフレート)で置換されたアルキル基である場合、1Bを塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたは炭酸カリウム)で処理することにより、Eが置換アミンである1Eを得ることができる。
【0067】
[スキーム1、ステップ1(iv)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがアルデヒドであり、もう1つの基がホスホラン(例えば、アルキルトリフェニルホスホラン)またはアルキルホスホネート(例えば、アルキルホスホン酸ジエチルエステル)である場合、1Bを塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウムまたはナトリウムヘキサメチルジシラジド)で処理することにより、Eがさらに置換されてもされなくてもよいアルケンである、1Eを得ることができる。
【0068】
[スキーム1、ステップ1(iv)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがアミンであり、もう1つの基がアルデヒド基である場合、1Bを酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)またはルイス酸(例えば、四塩化スズ)で処理することにより、Eが−CR=N−または−N=CR−である1Eを得ることができる。
【0069】
[スキーム1、ステップ1(ii)] 1Aの化合物を、1C’と反応させることにより、リンカーEを形成し、1Cの化合物を得ることができる。1Cを含む化合物中でのリンカーEの形成は、いくつかのステップおよびいくつかの中間体の調製、ならびに保護基の使用を必要とすることもある。
【0070】
[スキーム1、ステップ1(ii)] 例えば、2つの基RまたはRのうちの1つがヒドロキシル基であり、もう1つの基が置換アルキルアルコールである場合、1Aおよび1C’を脱水剤(例えば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィンの存在下での、アゾジカルボン酸ジイソプロピル)で処理することにより、Eがエーテルである1Cを得ることができる。あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがヒドロキシルであり、もう1つの基が、脱離基(例えば、ハロゲン、またはトリフレート)で置換されたアルキル基である場合、1Aおよび1C’を塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウム)で処理することにより、Eがエーテルである1Cを得ることができる。
【0071】
[スキーム1、ステップ1(ii)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがヒドロキシルまたはアルキルアルコールであり、もう1つの基がカルボン酸である場合、カルボン酸をハロゲン化アシル(例えば、塩化チオニルによる処理により)、または混合無水物(例えば、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下での、2,4,6−塩化トリクロロベンゾイルによる処理により)、または活性エステル(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下でのHATUによる処理により、またはHOBTの存在下でのジイソプロピルカルボジイミドによる処理により)に転換し、次いで、1Aおよび1C’を結合させることにより、Eがエステルである1Cを得ることができる。
【0072】
[スキーム1、ステップ1(ii)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがアミンまたはアルキルアミンであり、もう1つの基がカルボン酸である場合、カルボン酸を、ハロゲン化アシル(例えば、塩化チオニルでの処理により)、または混合無水物(例えば、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下での、2,4,6−塩化トリクロロベンゾイルによる処理により)、または活性エステル(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンの存在下での、HATUによる処理により、またはHOBTの存在下での、ジイソプロピルカルボジイミドによる処理により、)に転換し、次いで、1Aおよび1C’を結合させることにより、Eがアミドである1Cを得ることができる。
【0073】
[スキーム1、ステップ1(ii)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがアミンまたは置換アルキルアミンであり、もう1つの基が、脱離基(例えば、ハロゲンまたはトリフレート)で置換されたアルキル基である場合、1Aおよび1C’を塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたは炭酸カリウム)で処理することにより、Eが置換アミンである1Cを得ることができる。
【0074】
[スキーム1、ステップ1(ii)] あるいは、2つの基RまたはRのうちの1つがアルデヒドであり、もう1つの基がホスホラン(例えば、アルキルトリフェニルホスホラン)またはアルキルホスホネート(例えば、アルキルホスホン酸ジエチルエステル)である場合、1Aおよび1C’を塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたは炭酸カリウムまたはナトリウムヘキサメチルジシラジド)で処理することにより、Eがさらに置換されてもされなくてもよいアルケンである、1Cを得ることができる。
【0075】
[スキーム1、ステップ1(v)] 炭素―炭素結合を形成するための様々な条件下で、基RおよびRを反応させることにより、1Eの化合物を、1Cの化合物から作製することができる。基RまたはRのうちの1つが好適な官能基(例えば、ハロゲン化物またはトリフレート)であり、もう1つの基がボラン、ボロネートまたはボロン酸である場合、パラジウム触媒(例えば、塩化パラジウムdppf付加物)の存在下、塩基(例えば、炭酸セシウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン)中、および適切な条件下(例えば80〜120℃で1〜2時間の加熱、または120〜10℃で10分間から1時間のマイクロ波照射などの加熱)で、1Cを1Eに転換することができる。有機ボラン類、ボロネート類およびボロン酸類を結合させて1Eを得るための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者に公知である。
【0076】
[スキーム1、ステップ1(v)] あるいは、基RまたはRのうちの1つが好適な脱離基(例えば、ハロゲン化物またはトリフレート)であり、もう1つの基がトリアルキルスタンナンである場合、パラジウム触媒(例えば、塩化パラジウムdppf付加物)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジメトキシエタンまたはテトラヒドロフラン)中、および適切な条件下(例えば、80〜120℃で1〜2時間、または120〜160℃で10分間から1時間のマイクロ波照射による加熱)で、炭素―炭素結合を形成させ、1Eを得ることができる、ヘテロアリールスタンナン類をハロゲン化アリール類に結合させるための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者に公知である。
【0077】
[スキーム1、ステップ1(iii)] 様々な条件下で、1Aの化合物を、1D’型の中間体と反応させることにより、1Dの化合物を得ることができ、ここで、Dは6員または7員の縮合複素環であり、RおよびR10は、B環を形成するために使用し得る好適な官能基である。基RおよびRを一緒に反応させて炭素―炭素結合を形成し、基RおよびRを一緒に反応させて基Eを得ることができる。1Aの置換フェニル環から、1Dの二環式化合物を形成するための方法は、当業者に公知である(Comprehensive Heterocyclic Chemistry Ed.: Katritzky, Ramsden, Scriven, and Taylor, Elsevier, 2008を参照のこと)。例えば、Rがヒドロキシル基であり、Rが水素である1Aの化合物を、適切な溶媒(例えば、THFまたはDMF)中、および塩基(例えば、炭酸ナトリウムまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下、様々な条件下(例えば、室温以上までの、または還流までの加熱など)にて、好適に保護されかつ置換された3−ハロ−プロパン酸またはエステルで処理することにより、Rが置換オキシプロパン酸またはエステルである、1A型の化合物を得ることができる。この中間体を、好適な試薬(例えば、トリフリン酸などの強酸)で処理することにより、1Dを得ることができ、ここでRはオキソであり、R10は水素であり、およびEは−OCH−である。
【0078】
1Dを合成するために使用される一般的な合成方針を、スキーム2に示す。RおよびR10における基の置換、例えば、アルキル化、ハロゲン化、スルホニル化、ニトロ化およびホルミル化によって、1Dの化合物を修飾してもよい。あるいは、還元(例えば、ニトロ基のアミンへの転換する)、酸化(例えば、アルコールの、アルデヒドまたはカルボン酸への酸化)またはハロゲン化(例えば、アルコールの、ハロゲン化アルキルへの転換)などの方法を使用して、RおよびR10における基を修飾してもよい。
スキーム2
【化13】
【0079】
[スキーム2、ステップ2(i)] 当業者には公知の種々の方法を使用して、1Dの化合物を1Eの化合物に転換することにより、5員の複素環を調製することができる[Joule, Mills and Smith, Heterocyclic Chemistry, 3th Edition, Chapman and Hall: London, 1995を参照のこと]。例えば、Rがオキソ基であり、R10がアルデヒドである場合、適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)、適切な溶媒(例えば、ピリジン)中にて、ヒドロキシルアミンで処理することにより、1Dは、B環がイソオキサゾールである2Aに転換されるであろう。
【0080】
[スキーム2、ステップ2(ii)] あるいは、Rがアルデヒドであり、およびR10がオキソ基である場合、適切な条件下(例えば還流までの加熱など)、適切な溶媒(例えば、ピリジン)中にて、一置換されてもされなくてもよいヒドラジンで処理することにより、1Dは、B環がピラゾールである2Bに転換されるであろう。
【0081】
[スキーム2、ステップ2(iii)] あるいは、RおよびR10がアミンである場合、適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)、適切な溶媒(例えば、アルコール)中にて、ギ酸で処理することにより、1Dは、B環がイミダゾールである2Cに転換されるであろう。
【0082】
[スキーム2、ステップ2(iv)] あるいは、Rがアミンであり、およびR10がヒドロキシルである場合、適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)、適切な溶媒(例えば、アルコール)中にて、ギ酸で処理することにより、1Dは、B環がオキサゾールである2Dに転換されるであろう。
【0083】
[スキーム2、ステップ2(v)] あるいは、Rが水素であり、およびR10がチオールである場合、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、または炭酸ナトリウム)の存在下での、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタンによる処理の後、適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)にて、強酸(例えば、塩酸)で処理することにより、1Dは、B環がチオフェンである2Eに転換されるであろう。
【0084】
[スキーム2、ステップ2(vi)]あるいは、Rが塩素であり、およびR10がアルデヒドである場合、適切な条件下(例えばアセトン中、還流まで加熱など)にて、アンモニウムチオシアネートで処理することにより、1Dは、B環がイソチアゾールである2Fに転換されるであろう。
【0085】
ひとたび基Eが合成されたら、当業者に公知の方法を使用して、それをさらに修飾してもよい。例えば、基Eがアルケンである場合、適切な触媒(例えば、パラジウム炭素)の存在下にて、1Eまたは1Cを還元剤(例えば水素)で処理することにより、基Eをアルカンに転換することができる。あるいは、基Eがアミドを含む場合、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、適切な条件下(例えば、還流までの加熱)にて、1Eまたは1Cを還元剤(例えば、ボラン)で処理することにより、基Eをアミンに転換することができる。あるいは、基Eがエステルを含む場合、1Eを還元剤、例えば、ボランまたはボランジメチルスルフィドで処理することにより、Eがエーテルである1Eを得ることができる。
【0086】
あるいは、基Eがエチレン基である場合、好適な溶媒(例えば、トルエン)中、適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)にて、1Eを酸化剤(例えば、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン)で処理することにより、Dがフェニル環であるように、基Eをアルケンに転換することができる。あるいは、基Eがアミドである場合、1Eをハロゲン化剤(例えば、三塩化リンまたは塩化チオニル)で処理することにより、環Dが2−クロロピリジンであるように、基Eをクロロ−複素環に転換することができる。2−クロロピリジン環をさらに誘導体化することにより、例えば、適切な溶媒(例えば、THF)中にて、アルコキシド(例えば、ナトリウムエトキシド)で処理することにより、2−アルコキシピリジンを得ることができ、または、適切な溶媒(例えば、エタノール)中、好適な触媒(例えば、パラジウム木炭(palladium on charcoal))の存在下にて、還元剤(例えば、水素)で処理することにより、ピリジンを得ることができる。
【0087】
[スキーム1、ステップ1(vii)] 基F’をカルボン酸に転換することにより、一般的な1Eの化合物を、一般式Iの化合物に転換することができる。基F’がカルボン酸エステル(例えば、メチル、t−ブチルまたはベンジルエステル)である場合、種々の試薬および条件を使用して、1Eを一般式Iの化合物に転換することができる。
【0088】
[スキーム1、ステップ1(vii)] あるいは、基F’がニトリルである場合、適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)にて、水性の酸(例えば、塩酸などの鉱酸)で処理することにより、または適切な条件下(例えば、還流までの加熱など)にて、水性の塩基(例えば、水性水酸化ナトリウムなどの水性水酸化物)で処理することにより、それをカルボン酸に転換することができる。
【0089】
[スキーム1、ステップ1(vii)] あるいは、基F’がアルデヒド(−CHO)またはヒドロキシメチル(−CHOH)部分である場合、好適な酸化剤(例えば、過マンガン酸カリウムまたはクロム酸)で処理することにより、それをカルボン酸に転換することができる。
【0090】
基Fを修飾するために使用される一般的な合成方針をスキーム3および4に示す。スキーム1に示す通り、三環系が合成される前、後、または間のいずれかにおいて、基Fを導入および/または修飾してもよい。合成プロセスにおける、基Fを合成するために使用される特定のステップを、以下に、より詳細に記載する。
スキーム3
【化14】
【0091】
式1における基Yが−C(RY1Y2)である場合、基Fはスキーム3に示す通りに、導入および修飾されてもよい。アスタリスクはRおよびRの存在(スキーム1のように)またはDおよびB環、またはそれらの前駆物質の存在のどちらかを示す。
【0092】
[スキーム3、ステップ3(i)] LGが好適な脱離基(例えば、ハロゲン化物、トリフレートまたはトシレート)である場合、3Aの化合物を、塩基(例えば、炭酸カリウム、または水素化ナトリウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、DMFまたはエタノール)中、および適切な条件下(例えば80〜120℃で1〜6時間、または室温での加熱など)にて、適切なチオール(例えば、アリールチオール、ヘテロアリールチオール、またはヘテロシクリルチオール)で処理することにより、チオエ−テル3Bを得ることができる。3Aをチオエ−テル3Bに転換するための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者に公知である[例えば、Peach in Patai The Chemistry of the Thiol Group, pt2; Wiley: New York, 1974, pp.721を参照のこと]。
【0093】
[スキーム3、ステップ3(ii)] ステップ3(ii)において、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、好適な条件下(例えば、室温以下)にて、3Bを酸化剤(例えば、3−クロロ過安息香酸)で処理することにより、スルフィニル誘導体3C(n=1)を得ることができる。あるいは、好適な溶媒(例えば、酢酸)中、および適切な条件下(例えば、50〜100℃までの1〜6時間の加熱など)にて、3Bを酸化剤(例えば、過酸化水素)で処理することにより、スルホニル誘導体3C(n=2)を得ることができる。3Bを3Cへと酸化させるための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者には公知である[例えば、Drabowicz, Kielbasinski, Mikolajczyk in Patai, Rappoport, Stirling The Chemistry of Sulfones and Sulfoxides; Wiley: New York, 1988, pp.233−378, pp235−255. Madesclaire Tetrahedron 1986, 42, 549−5495. Oae The Organic Chemistry of Sulfur; Plenum: New York 1977, pp.385−390. Smith, March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, Wiley: New York, 2001, pp.1541−1542を参照のこと]。
【0094】
[スキーム3、ステップ3(iii)] ステップ3(iii)の3Dを、塩基(例えば、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジドまたはリチウムジイソプロピルアミン)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン)中、および適切な条件下(例えば、室温以下、例えば0℃)にて、所望によりアルキル化剤(例えば、さらに置換されてもされなくてもよい、ハロゲン化アルキル、アルキルトリフレートまたはアルキルサルフェート)で処理することにより、3Cを得ることができる。3Dをモノアルキル化して3C(RまたはR=H)を得るための、または3Dをジアルキル化して3C(RおよびR≠H)を得るための、広範囲の、適切な試薬および条件は、当業者には公知である。[Smith, March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, Wiley: New York, 2001, pp.548−551]
【0095】
[スキーム3、ステップ3(iv)(v)] 3A型の化合物を、適切な溶媒(例えば、水、テトラヒドロフラン)中、亜硫酸ナトリウムで処理することにより、アルキルスルホン酸を得ることができ、それを塩素化剤(例えば、五塩化リンまたは塩化チオニル)で処理することにより、3E(LG=Cl、n=2)を得ることができる。次いで3Eを、適切な溶媒(例えば、ピリジンまたはジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたは炭酸セシウム)の存在下にて、環状のアミン(例えば、ピペリジンまたはモルホリン)で処理することにより、3Cを得ることができ、ここでAは、ステップ3(v)に示される通り、N−結合複素環である。
【0096】
[スキーム3、ステップ3(vi)] 3A型の化合物を、塩基(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはジイソプロピルエチルアミン)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド/水)中、および適切な条件下(例えば、80〜120℃までの1〜6時間の加熱など)にて、適切なスルフィネート(例えば、アリールスルフィネート、ヘテロアリールスルフィネートまたはヘテロシクリルスルフィネート)で処理することにより、スルホン3C(n=2)を得ることができる。スキーム4
【化15】
【0097】
式1中の基Yが−N(RY3)−である場合、スキーム4に示す通りに、基Fを導入および修飾してもよい。アスタリスクはRおよびRの存在(スキーム1のように)またはDおよびB環、またはそれらの前駆物質の存在のどちらかを示す。
【0098】
[スキーム4、ステップ4(i)] 4Aの化合物を、好適な有機溶媒(例えば、DMFまたはジクロロメタン)中、好適な塩基(例えば、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンまたは炭酸セシウム)の存在下、および適切な条件下(例えば、50〜100℃までの1〜6時間の加熱など)にて、塩化スルホニル(例えば、置換塩化ベンゼンスルホニル)または活性化されたスルホニルエステル(例えば、ペンタフルオロフェニルスルホニルエステル)で処理することにより、4Bに転換することができる。
【0099】
[スキーム4、ステップ4(ii)]4Bの化合物を、塩基(例えば、水素化ナトリウムまたはリチウムヘキサメチルジシラジド)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン)中、および適切な条件下(例えば室温以下、例えば0℃)にて、アルキル化剤(例えば、さらに置換されてもされなくてもよい、ハロゲン化アルキル、アルキルトリフレートまたはアルキルサルフェート)で処理することにより、4Cに転換することができる。
【0100】
上述の式I、または例えば一般式Iのうちのいずれかの化合物、または上述のスキーム中に記載される中間体のうちのいずれかを、1つまたは複数の、当業者に公知の標準合成方法を使用することにより、さらに誘導体化することができる。そのような方法は、置換、酸化または還元反応を含み得る。これらの方法を使用して、適切な官能基を修飾、導入または除去することにより、一般式Iの化合物またはいずれの前述の中間体を得るかまたは修飾することもできる。特定の置換の手法には、アルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、チオアシル化、ハロゲン化、スルホニル化、ニトロ化、ホルミル化、加水分解、および結合の手順が含まれる。これらの手順を使用して、官能基を親分子上に導入するか(例えば、芳香環のニトロ化またはスルホニル化)、または2つの分子を結合させることができる(例えば、アミンをカルボン酸に結合させてアミドを得る;または2つの複素環の間に炭素―炭素結合を形成する)。例えば、テトラヒドロフランなどの溶媒中、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)および脱水剤(例えば、ジエチル、ジイソプロピル、またはジメチルアゾジカルボキシレート)の存在下にて、フェノールをアルコールと結合させることにより、アルコールまたはフェノール基をエーテル基に転換することができる。あるいは、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム)を使用したアルコールの脱プロトン化の後、アルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキルまたはアルキルスルホネート)を添加することにより、エーテル基を調製することができる。
【0101】
別の例においては、還元的アルキル化プロセスを使用して、1級または2級アミンをアルキル化することができる。例えば、溶媒(例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン炭化水素、またはエタノールなどのアルコール)中、および必要な場合は酸(例えば、酢酸)の存在下にて、アミンをアルデヒドおよび水素化ホウ素(例えば、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、またはシアノホウ水素化ナトリウム)で処理してもよい。
【0102】
別の例においては、当業者に公知の条件を使用して、ヒドロキシ基(フェノールのOH基を含む)を脱離基、例えば、ハロゲン原子またはスルホニルオキシ基(例えば、アルキルスルホニルオキシ、例えばトリフルオロメチルスルホニルオキシ、またはアリールスルホニル、例えばp−トルエンスルホニルオキシ)に転換してもよい。例えば、脂肪族のアルコールを、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン)中で塩化チオニルと反応させることにより、対応する塩化アルキルを得ることができる。反応において、塩基(例えば、トリエチルアミン)を使用してもよい。
【0103】
別の例においては、エステル基の性質に応じた、酸または塩基触媒加水分解により、エステル基を、対応するカルボン酸に転換することができる。酸触媒加水分解は、有機または無機酸(例えば、水性溶媒中のトリフルオロ酢酸、または、ジオキサンなどの溶媒中の、塩酸などの鉱酸)で処理することにより、達成することができる。塩基触媒加水分解は、アルカリ金属水酸化物(例えば、水性アルコール、例えばメタノール中の水酸化リチウム)で処理することにより、達成することができる。
【0104】
別の例においては、所望により、低温(例えば、−78℃)、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中にて、塩基(例えば、リチウム塩基、例えばn−ブチルまたはt−ブチルリチウム)で処理することにより、化合物中の芳香族ハロゲン置換基をハロゲン−金属交換に付し、次いで混合物を求電子試薬でクエンチして、所望の置換基を導入することもできる。従って、例えば、求電子試薬としてジメチルホルムアミドを使用することにより、ホルミル基を導入してもよい。芳香族ハロゲン置換基を、パラジウム触媒反応に付すことにより、カルボン酸、エステル、シアノまたはアミノ置換基などの基を導入してもよい。
【0105】
別の例においては、適切な脱離基(例えば、ハロゲンまたはスルホニルエステル、例えばトリフレート)で置換されたアリール、またはヘテロアリール環を、広範な基質とパラジウム触媒カップリング反応させることにより、炭素―炭素結合を形成することができる。例えば、ヘック反応を使用して、リガンド(例えば、ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン)の存在下、塩基(例えば、炭酸カリウムまたは3級アミン、例えばトリエチルアミン)の存在下、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはDMF)中、適切な条件下(例えば、50〜120℃までの加熱など)にて、有機パラジウム錯体(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸(II)パラジウムまたは塩化パラジウム(II))で処理することにより、そのような環構造をアルケン(さらに置換されてもされなくてもよい)に結合させることができる。別の例においては、薗頭反応を使用して、塩基(例えば、炭酸カリウムまたは3級アミン、例えばトリエチルアミン)の存在下、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはDMF)中、適切な条件下(例えば、50〜120℃までの加熱など)にて、パラジウム錯体(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))および銅(I)のハロゲン化物塩(例えば、ヨウ化銅(I))で処理することにより、そのような環構造をアルキン(さらに置換されてもされなくてもよい)に結合させることができる。別の例においては、スティル反応を使用して、パラジウム錯体(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))の存在下、塩(例えば、銅(I)ハロゲン化物)の存在下または不存在下、適切な溶媒(例えば、ジオキサンまたはDMF)中、適切な条件下(例えば、50〜120℃までの加熱など)にて、有機スズ化合物(例えば、アルキニルスズまたはアルケニルスズ試薬、例えばアルケニルトリブチルスタンナン)で処理することにより、そのような構造をアルケンに結合することができる。
【0106】
特定の酸化手法には、脱水素および芳香化、脱炭酸ならびにある特定の官能基への酸素付加が含まれる。例えば、当業者に公知の条件を使用した、対応するアルコールの酸化により、アルデヒド基を調製することができる。例えば、アルコールを、溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン)中にて、酸化剤(例えば、デス−マーチン試薬)で処理してもよい。例えば、塩化オキサリルおよび活性化量のジメチルスルホキシドでの処理、およびその後の、アミン(例えば、トリエチルアミン)添加によるクエンチなどの、代替の酸化条件を使用してもよい。そのような反応を、適切な溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン)中、および適切な条件下(例えば、−78℃までなどの室温以下への加冷の後、室温までの加温など)にて実行してもよい。別の例においては、不活性な溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン)中、約周囲温度にて、酸化剤(例えば、ペルオキシ酸、例えば3−クロロペルオキシ安息香酸)を使用することにより、硫黄原子を、対応するスルホキシドまたはスルホンへと酸化することができる。
【0107】
特定の還元手法には、特定の官能基からの酸素原子の除去、芳香環を含む不飽和化合物の飽和(または部分的飽和)が含まれる。例えば、金属水素化物(例えば、メタノールなどの溶媒中の水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウム)を使用して、対応するエステルまたはアルデヒドから、還元により第1級アルコールを生成することができる。あるいは、金属水素化物(例えば、テトラヒドロフランなどの溶媒中の水素化アルミニウムリチウム)を使用して、対応するカルボン酸から、還元により−CHOH基を生成することができる。別の例においては、金属触媒(例えば、炭素などの固体支持体上のパラジウム)の存在下、溶媒(例えば、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、またはアルコール、例えば、メタノール)中での接触水素化により、または酸(例えば、塩酸)の存在下での、金属(例えば、スズまたは鉄)を使用した化学的還元により、ニトロ基をアミンに還元することができる。さらなる例においては、ニトリルの還元、例えば、金属触媒(例えば、炭素などの固体支持体上のパラジウム)またはラネーニッケルの存在下、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、および好適な条件下(例えば、−78℃までなどのの室温以下までの加冷、または還流までの加熱など)での接触水素化により、アミンを得ることができる。
【0108】
通常の手順を使用して、一般式Iの化合物を、好適な溶媒、または溶媒の混合物(例えば、ジエチルエーテルなどのエーテル、またはエタノールなどのアルコール、または水性の溶媒)中で、適切な酸または塩基と反応させることにより、一般式Iの化合物の塩を調製することができる。通常のイオン交換クロマトグラフィー手順を使用した処理により、一般式Iの化合物の塩を、他の塩に交換することができる。
【0109】
一般式Iの化合物の特定のエナンチオマーを得ることが所望の場合、エナンチオマーを分割するためのいずれかの好適な通常の手順を用いることにより、対応するエナンチオマーの混合物から、これを生成することができる。例えば、一般式Iの化合物のエナンチオマー混合物(例えば、ラセミ化合物)と適切なキラル化合物(例えば、キラル塩基)の反応により、ジアステレオマー誘導体(例えば、塩)を生成することができる。次いでジアステレオマーを、いずれかの通常の手法、例えば、結晶化により分離することにより、所望のエナンチオマーを回収することができる(例えば、ジアステレオマーが塩である場合、酸による処理により)。あるいは、種々の生体触媒を使用して、エステルのラセミ混合物を、速度論的加水分解(kinetic hydrolysis)により分割することができる(例えば、Patel Steroselective Biocatalysts, Marcel Decker; New York 2000を参照のこと)。
【0110】
別の分割プロセスにおいて、一般式Iの化合物のラセミ化合物を、キラル高速液体クロマトグラフィーを使用して、分離することができる。あるいは、適切なキラル中間体を、上述のプロセスのうちの1つにおいて使用することにより、特定のエナンチオマーを得ることもできる。本発明の特定の幾何異性体を得ることが所望の場合、クロマトグラフィー、再結晶化、および他の通常の分離手順を、中間体または最終生成物に使用してもよい。
【0111】
II.方法
本発明の別の態様は、MetAP2の活性の調節方法を提供する。そのような方法は、前記受容体を、本明細書に記載される化合物に暴露することを含む。いくつかの実施形態において、前述の方法のうちの1つまたは複数により使用される化合物は、ジェネリック、サブジェネリック、または本明細書に記載の特定の化合物、例えば、式I、IIa、IIb、IIc、またはIIIの化合物のうちの1つである。本明細書に記載の化合物のMetAP2を調節または阻害する能力は、当技術分野で公知のおよび/または本明細書に記載の手順により、評価することができる。本発明の別の態様は、患者におけるMetAP2の発現または活性に関連する疾患を治療するための方法を提供する。例えば、意図される方法には、患者におけるチオレドキシン生成を増加させ、および対象における抗肥満症プロセスの多臓器の刺激を誘発するために有効な、細胞内MetAP2の阻害を確立するのに十分な量で、開示される化合物を投与すること、例えば、開示される化合物を、患者における血管新生を減少させるのに不十分な量で投与することが含まれる。
【0112】
ある特定の実施形態において、本発明は、有効量の開示される化合物を投与することにより、患者において肥満症を治療および改善する方法を提供する。また、本明細書では、それを必要とする患者において、体重減少を誘発する方法も提供される。意図される患者には、ヒトのみでなく、他の動物、例えば、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ)も含まれる。
【0113】
他の意図される治療方法には、対象に、本明細書に開示される化合物を投与することにより、肥満関連の状態または併存症を治療または改善する方法が含まれる。例えば、本明細書において意図されるのは、それを必要としている患者において2型糖尿病を治療するための方法である。
【0114】
例示的な併存症としては、心障害、内分泌障害、呼吸器障害、肝臓障害、骨障害、精神障害、代謝障害、および生殖障害が挙げられる。
【0115】
例示的な心障害としては、高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患、心筋症、心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓塞栓性疾患、および肺高血圧症が挙げられる。例示的な内分泌障害としては、2型糖尿病、および成人における潜在性自己免疫性糖尿病が挙げられる。例示的な呼吸器障害としては、肥満低換気症候群、喘息、および閉塞型睡眠時無呼吸が挙げられる。例示的な肝臓障害は、非アルコール性脂肪性肝疾患である。例示的な骨障害としては、背痛、および荷重関節の変形性関節症が挙げられる。例示的な代謝障害としては、プラダー・ウィリー症候群および多嚢胞性卵巣症候群が挙げられる。例示的な生殖障害としては、性機能障害、勃起障害、不妊症、分娩合併症、および胎児の異常が挙げられる。例示的な精神障害としては、体重に関連したうつ病および不安症が挙げられる。
【0116】
特に、ある特定の実施形態において、本発明は、それを必要とする対象に、治療的有効量の本明細書に記載の化合物、例えば、式I、IIa、IIb、IIc、またはIIIの化合物を投与することを含む、上述の医学的適応症の治療方法を提供する。
【0117】
肥満症または「体重過多」への言及は、除脂肪体重に比例した過剰な脂肪を指す。過剰な脂肪蓄積は、サイズの増加(肥大)および脂肪組織細胞の数の増加(過形成)に関連する。肥満症は、絶対重量、体重:身長比、皮下脂肪分布、ならびに社会規範および審美的規範の観点から、多様に判断される。体脂肪の一般的な基準は、体重インデックス(BMI)である。BMIは、身長(メートルで表す)の二乗に対する体重(キログラムで表す)の比率を指す。体重インデックスは、以下のどちらかの式を使用して、正確に算出することができる:体重(kg)/身長(m)(国際単位系)または703×体重(lb)/身長(in)(米国)。
【0118】
米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、体重過多の成人は、25kg/m〜29.9kg/mのBMIを有し、および肥満の成人は、30kg/m以上のBMIを有する。40kg/m以上のBMIは、病的な肥満症または極度の肥満症を示す。肥満症はまた、男性では約102cm、女性では約88cmの腹囲を有する患者をも指し得る。小児については、体重過多および肥満の定義は、体脂肪に対する年齢および性別による影響を考慮する。異なる遺伝的背景を有する患者は、上述の一般的なガイドラインとは異なるレベルにおいて、「肥満」と考慮されることもある。
【0119】
本発明の化合物はまた、肥満症の二次的結果のリスク軽減、例えば、左心室肥大のリスク軽減などにおいても有用である。肥満症のリスクがある患者、例えば、体重過多であるが肥満ではない患者、例えば約25〜30kg/mのBMIを有する患者の治療方法もまた、意図されている。ある特定の実施形態において、患者はヒトである。
【0120】
BMIは、過剰な脂肪が身体の異なる部分において選択的に発生し得、脂肪組織の発達が、身体のいくつか部分においては、身体の他の部分よりも健康にとってより危険であり得る、という事実の説明にはならない。例えば、「リンゴ型」の身体と典型的に関連する「中心性肥満」は、特に腹部脂肪および内臓脂肪を含む、腹部領域の過剰な体脂肪蓄積に起因し、特に腰回りの過剰な体脂肪蓄積に起因する「洋ナシ型」の身体と典型的に関連する「末梢性肥満」よりも、併存症のより高いリスクを有する。ウエスト/ヒップ周径比(WHR)の測定は、中心性肥満の指標として使用することができる。中心性肥満を示す最小WHR指標は多様に設定されており、中心性肥満の成人は、典型的に、女性の場合約0.85以上、男性の場合約0.9以上のWHRを有する。
【0121】
除脂肪体重に対する過剰な脂肪組織の比率の説明となる、対象が体重過多または肥満であるかどうかを判断する方法には、対象の体組成を得ることが含まれる。体組成は、身体の複数の箇所、例えば、腹部、肩甲下領域、腕、臀部および太腿における皮下脂肪の厚さを測定することにより得ることができる。その後これらの測定値を使用して、許容誤差約4パーセントポイントで、総体脂肪を予測する。別の方法は、身体を通る電流の抵抗を使用して体脂肪を予測する、生体インピーダンス法(BIA)である。別の方法は、大型タンクの水を使用して、身体の浮力を測定するものである。体脂肪の増加はより大きな浮力をもたらし、より大きな筋肉質量は、沈む傾向をもたらす。
【0122】
別の態様において、本発明は、対象において、体重過多または肥満であることに関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを測定すること、および対象において目標水準を達成するために、有効量の開示される化合物を投与することを含む、体重過多または肥満の対象を治療する方法を提供する。例示的なバイオマーカーとしては、体重、体重インデックス(BMI)、ウエスト/ヒップ比WHR、血漿アディポカイン、およびそれら2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0123】
ある特定の実施形態において、前述の方法のうちの1つまたは複数により使用される化合物は、ジェネリック、サブジェネリック、または本明細書に記載の特定の化合物、例えば、式I、IIa、IIb、IIc、またはIIIの化合物のうちの1つである。
【0124】
本発明の化合物を、そのような治療を必要とする患者(動物およびヒト)に、最適な医薬有効性を提供する用量で投与してもよい。いずれの特定の適用における使用に必要とされる用量も、選択される特定の化合物または組成物だけでなく、投与経路、治療される状態の性質、患者の年齢および状態、併用される医薬品またはその時点で患者が従っている特別な食事療法、ならびに当業者が認識する他の要因に応じて、患者ごとに変化し得、適切な用量は最終的に主治医の裁量にゆだねられるということが理解される。上述の臨床的な状態および疾患を治療するために、本発明の化合物を、通常の非毒性の薬剤的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含む用量単位製剤で、経口、皮下、局所的、非経口的、吸入噴霧により、または経直腸的に投与してもよい。非経口投与には、皮下注射、静脈内もしくは筋肉内注射、または注入技術が含まれてもよい。
【0125】
治療は、所望により短期または長期間、継続することができる。組成物を、例えば、1日あたり1〜4回以上などの投薬計画に基づいて、投与してもよい。好適な治療期間は、例えば、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、または無期限であってもよい。治療期間は、所望の結果、例えば目標の体重減少が達成された時点で終了してもよい。治療の投薬計画には、体重の減少をもたらすのに十分な用量が投与される矯正段階を含んでもよく、その後、例えば、体重増加を予防するのに十分なより低い用量を投与する維持段階を設けてもよい。好適な維持用量は、本明細書に提供される用量の範囲のより低い部分に見いだされる可能性が高いが、個々の対象に対する矯正および維持用量は、本明細の開示に基づいて、過度の実験をすることなく、当業者が容易に設定することができる。維持用量は、食事療法および運動、肥満学処置、例えば、バイパスまたは結紮手術、または他の薬剤を使用する治療を含む他の手段によって、以前に体重が管理されていた患者において、体重を維持するために使用してもよい。
【0126】
II.医薬組成物およびキット
本発明の別の態様は、薬剤的に許容される担体とともに処方された本明細書中で開示される化合物を含む医薬組成物を提供する。特に、本開示は、1以上の薬剤的に許容される担体とともに処方された本明細書中で開示される化合物を含む医薬組成物を提供する。これらの処方には、経口、直腸、局所、頬、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、もしくは静脈内)直腸、膣、またはエアゾル投与に適したものが含まれるが、任意の所定の場合での投与の最も好適な形態は、治療される状態の程度および重症度ならびに使用される特定の化合物の性質に依存するであろう。例えば、開示された組成物を単位用量として処方することができる、および/または経口もしくは皮下投与のために処方することができる。
【0127】
本発明の例示的医薬組成物を、薬剤の形態で、例えば、固体、半固体または液体形態で用いることができ、これは、1以上の本発明の化合物を活性成分として、外用、腸内または非経口適用に適した有機もしくは無機担体または賦形剤との混合物中に含有する。活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、溶液、エマルジョン、懸濁液および使用に好適な任意の他の形態のための通常の無毒な薬剤的に許容される担体と配合することができる。活性な目的化合物は、疾患の過程または状態に対して所望の効果をもたらすために十分な量で医薬組成物中に含まれる。
【0128】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主な活性成分を医薬担体、例えば通常の打錠成分、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガム、および他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物、またはその無毒な薬剤的に許容される塩の均質な混合物を含有する固体予備処方組成物を形成することができる。これらの予備処方組成物を均質と称する場合、活性成分が組成物全体にわたって均一に分散され、したがって組成物を錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しく有効な単位投与形態に容易に再分割することができることを意味する。
【0129】
経口投与用固体投与形態(カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末、顆粒など)において、対象の組成物を、1以上の薬剤的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかと混合する:(1)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア;(3)保湿剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、および炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば第4アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート;(8)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイ;(9)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物;ならびに(10)着色剤。カプセル、錠剤およびピルの場合、組成物は緩衝剤も含み得る。類似した種類の固体組成物も、例えば、ラクトースまたは乳糖、などの賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを用いたソフトおよびハードゼラチンカプセル中充填剤として用いることができる。
【0130】
錠剤は、圧縮または成形により、場合によって1以上の補助成分を用いて作製することができる。圧縮錠は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性または分散剤を用いて調製することができる。湿製錠は、好適な機械中で、不活性液体希釈剤で湿らせた対象の組成物の混合物を成形することによって作製することができる。錠剤、および他の固体投与形態、例えば糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒は、場合によって、刻み目を付けるか、または腸溶コーティングおよび製剤処方分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。
【0131】
吸入または吹送用組成物には、薬剤的に許容される水性もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。経口投与用液体投与形態には、薬剤的に許容されるエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。対象の組成物に加えて、液体投与形態は、当該技術分野で通常用いられる不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールならびにソルビタン、シクロデキストリンおよびそれらの混合物の脂肪酸エステルを含有し得る。
【0132】
懸濁液は、対象の組成物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物のような懸濁化剤を含有し得る。
【0133】
直腸または膣投与用処方は、坐剤として提供することができ、これは、対象の組成物を、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含む1以上の好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製することができ、そして室温で固体であるが体温で液体であり、したがって、体腔中で溶解し、活性剤を放出する。
【0134】
対象の組成物の経皮投与のための投与形態としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性成分を無菌条件下で薬剤的に許容される担体と、そして必要とされ得る任意の保存料、緩衝液、またはプロペラントと混合することができる。
【0135】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、対象の組成物に加えて、賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含有し得る。
【0136】
粉末およびスプレーは、対象の組成物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有し得る。スプレーは、慣例的なプロペラント、例えばクロロフルオロハイドロカーボンおよび揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンをさらに含有し得る。
【0137】
本発明の組成物および化合物は別法として、エアゾルによって投与することができる。これは、当該化合物を含有する水性エアゾル、リポソーム製剤または固体粒子を調製することによって達成される。非水性(例えば、フルオロカーボンプロペラント)懸濁液を用いることができる。なぜなら、対象の組成物中に含まれる化合物の分解をもたらす可能性がある剪断に薬剤が曝露されるのを最小限に抑えるので、超音波ネブライザーを用いることができる。通常、水性エアゾルは、対象の組成物の水性溶液または懸濁液を通常の薬剤的に許容される担体および安定剤とあわせて処方することによって作製される。担体および安定剤は、特定の対象の組成物の要件で変わるが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tweens、Pluronics、またはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無毒のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、アミノ酸、例えばグリシン、緩衝液、塩、糖または糖アルコールを含む。エアゾルは、一般的に、等張液から調製される。
【0138】
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、1以上の薬剤的に許容される無菌等張水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、あるいは使用直前に無菌注射可能溶液もしくは分散液で再構成することができる無菌粉末と組み合わせて含み、これは抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、処方を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質または懸濁化剤もしくは増粘剤を含有し得る。
【0139】
本発明の医薬組成物で用いることができる好適な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、植物油、例えばオリーブ油、および注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルおよびシクロデキストリンが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって、維持することができる。
【0140】
別の態様において、本発明は、開示された化合物および腸溶性材料;ならびにその薬剤的に許容される担体または賦形剤を含む腸溶性製剤処方を提供する。腸溶性材料は、胃の酸性環境中で実質的に不溶性であり、特定のpHで腸液中に主に溶解するポリマーを指す。小腸は、胃と大腸との間の胃腸管(腸)の部分であり、十二指腸、空腸、および回腸を含む。十二指腸のpHは約5.5であり、空腸のpHは約6.5であり、そして遠位回腸のpHは約7.5である。したがって、例えば、約5.0、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6.0、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、約8.6、約8.8、約9.0、約9.2、約9.4、約9.6、約9.8、または約10.0のpHまで、腸溶材料は溶解しない。腸溶性材料の例としては、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、セルロースアセテートマレエート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、メチルメタクリル酸およびメチルメタクリレートのコポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー、メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー(Gantrez ESシリーズ)、エチルメタクリレート−メチルメタクリレート−クロロトリメチルアンモニウムエチルアクリレートコポリマー、天然樹脂、例えばゼイン、シェラックおよびコパールコロホリウム(copal collophorium)、ならびにいくつかの商業的に入手可能な腸溶分散液系(例えば、Eudragit L30D55、Eudragit FS30D、Eudragit L100、Eudragit S100、Kollicoat EMM30D、Estacryl 30D、Coateric、およびAquateric)が挙げられる。前記材料のそれぞれの溶解度は、公知であるか、またはインビトロで容易に測定可能であるかのいずれかである。前述したものは、可能な材料のリストであるが、開示の恩恵を受ける当業者は、それが包括的でなく、本発明の目的を満たす他の腸溶性材料があることを認識するであろう。
【0141】
有利には、本発明はまた、例えば、減量を必要とする消費者による使用のためのキットを提供する。そのようなキットは、前述のものなどの好適な投与形態および、炎症を媒介、軽減または予防するためのそのような投与形態の使用法を記載する使用説明書を含む。使用説明書は、消費者または医療関係者に、当業者に公知の投与様式にしたがって投与形態を投与するように指示する。そのようなキットは、1つまたは複数のキット単位で包装し、販売することができる。そのようなキットの一例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックはパッケージング業界で周知であり、医薬単位投与形態(錠剤、カプセルなど)のパッケージングのために広く用いられている。ブリスターパックは、一般的に、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで覆われた比較的硬い材料のシートから構成される。パッケージングプロセスの間に、プラスチックホイル中にくぼみが形成される。くぼみは、包装される錠剤またはカプセルのサイズおよび形状を有する。次に、錠剤またはカプセルをそのくぼみに入れ、比較的硬い材料のシートを、プラスチックホイルに対してくぼみが形成された方向とは逆のホイルの面で密封する。結果として、錠剤またはカプセルを、プラスチックホイルとシートとの間のくぼみ中で密封する。好ましくは、シートの強度は、くぼみ上に手で圧力を加え、それによってくぼみの位置でシートに開口部を形成することによって、錠剤またはカプセルをブリスターパックから除去することができるようなものである。錠剤またはカプセルを次いで、前記開口部から取り出すことができる。
【0142】
キット上に、例えば、錠剤またはカプセルの隣の数字の形態で記憶補助を提供し、その数字がそのように指定された錠剤またはカプセルが摂取されるべき投与計画の日と一致するのが望ましい可能性がある。そのような記憶補助の別の例は、例えば次のような、カードに印刷されたカレンダーである:「第1週、月曜、火曜・・・など。第2週、月曜、火曜・・・など。記憶補助の他の変種は容易に明らかになるであろう。「1日量」は、所定の日に摂取される1つの錠剤もしくはカプセルまたは複数のピルもしくはカプセルであり得る。さらに、第1化合物の1日量は、1つの錠剤またはカプセルからなる可能性があり、一方、第2化合物の1日量は、複数の錠剤またはカプセルからなる可能性があり、逆もまた同じである。記憶補助はこれを反映しなければならない。
【0143】
第2の活性剤を含む方法および組成物、または第2の活性剤の投与も想定される。例えば、体重過多または肥満に加えて、対象または患者は、体重過多または肥満に関連した共存症、すなわち体重過多もしくは肥満に関連するか、体重過多もしくは肥満によって悪化するか、または体重過多もしくは肥満によって突然引き起こされる疾患および他の異常な健康状態をさらに有する可能性がある。本明細書中で想定されるのは、これらの体重過多または肥満に関連する状態を治療することが以前に証明されている少なくとも1つの他の薬剤と組み合わせた、開示された化合物である。
【0144】
例えば、II型糖尿病は肥満に関連する。II型糖尿病のある合併症、例えば身体障害および早死は、持続的減量によって予防、改善、または排除することができる(Astrup, A. Pub Health Nutr (2001)4:499-515)。II型糖尿病を治療するために投与される薬剤としては、スルホニル尿素(例えば、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド);メグリチニド(例えば、レパグリニドおよびナテグリニド);ビグアニド(例えば、メトホルミン);チアゾリジンジオン(ロシグリタゾン、トログリタゾン、およびピオグリタゾン);ジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、およびサクサグリプチン);グルカゴン様ペプチド−1模倣薬(例えば、エキセナチドおよびリラグルチド);ならびにアルファ−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボースおよびミグリトールが挙げられる。
【0145】
心臓疾患および状態、例えば高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患、心筋症、心筋梗塞、卒中、静脈血栓塞栓疾患および肺高血圧は、体重過多または肥満と関連づけられている。例えば、過剰の脂肪組織が腎臓によって作用される物質を分泌し、その結果、高血圧になるので、高血圧は肥満と関連づけられている。さらに、肥満のために、(過剰の脂肪組織により)一般的に多量のインスリンが産生され、この過剰なインスリンもまた、血圧を上昇させる。高血圧の主な治療選択肢は、減量である。高血圧を治療するために投与される薬剤としては、クロルタリドン;ヒドロクロロチアジド;インダパミド、メトラゾン;ループ利尿薬(例えば、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、ラシックス、トルセミド);カリウム保持剤(例えば、アミロライド塩酸塩、ベンザミル、スピロノラクトン、およびトリアムテレン);末梢薬(peripheral agent)(例えば、レセルピン);中枢性アルファアゴニスト(例えば、クロニジン塩酸塩、酢酸グアナベンズ、グアンファシン塩酸塩、およびメチルドパ);アルファ遮断薬(例えば、メシル酸ドキサゾシン、プラゾシン塩酸塩、およびテラゾシン塩酸塩);ベータ遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、カルテオロール塩酸塩、酒石酸メトプロロール、コハク酸メトプロロール、ナドロール、硫酸ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノルオール塩酸塩、およびマレイン酸チモロール);複合アルファおよびベータ遮断薬(例えば、カルベジロールおよびラベタロール塩酸塩);直接血管拡張薬(例えば、ヒドララジン塩酸塩およびミノキシジル);カルシウムアンタゴニスト(例えば、ジルチアゼム塩酸塩およびベラパミル塩酸塩);ジヒドロピリジン(例えば、アムロジピンベシル酸塩、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、およびニソルジピン);ACE阻害剤(ベナゼプリル塩酸塩、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル塩酸塩、ラミプリル、トランドラプリル);アンジオテンシンII受容体遮断薬(例えば、ロサルタンカリウム、バルサルタン、およびイルベサルタン);レニン阻害剤(例えば、アリスキレン);およびそれらの組み合わせが挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野で公知の投与計画および投与量で投与される。
【0146】
Carrら(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism (2004)Vol. 89, No. 6 2601−2607)は、体重過多または肥満であることと、脂質異常症との間の関連性を検討している。脂質異常症は、典型的には、スタチンで治療される。スタチン(HMG−CoAレダクターゼ阻害剤)は、対象におけるコレステロールの産生を減速させる、および/または動脈からコレステロール蓄積を除去する。スタチンとしては、メバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ベロスタチン、ジヒドロコムパクチン、フラバスタチン、アトルバスタチン、ダルバスタチン、カルバスタチン、クリルバスタチン、ベバスタチン、セフバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、およびグレンバスタチンが挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野で公知の投与計画および投与量で投与される。Eckel(Circulation (1997)96:3248−3250)は、体重過多または肥満であることと虚血性心疾患との間の関連性を検討している。虚血性心疾患を治療するために投与される薬剤としては、スタチン、硝酸塩(例えば、二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビド)、ベータ遮断薬、ならびにカルシウムチャンネルアンタゴニストが挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野で公知の投与計画および投与量で投与される。
【0147】
Wongら(Nature Clinical Practice Cardiovascular Medicine (2007)4:436−443)は、体重過多または肥満であることと心筋症との間の関連性を検討している。心筋症を治療するために投与される薬剤としては、変力剤(例えば、ジゴキシン)、利尿剤(例えば、フロセミド)、ACE阻害剤、カルシウムアンタゴニスト、抗不整脈薬(例えば、ソトロール(Sotolol)、アミオダロンおよびジソピラミド)、およびベータ遮断薬が挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野で公知の投与計画および投与量で投与される。Yusefら(Lancet (2005)366(9497):1640−1649)は、体重過多または肥満であることご心筋梗塞との間の関連性を検討している。心筋梗塞を治療するために投与される薬剤としては、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬、直接血管拡張薬、ベータ遮断薬、抗不整脈薬および血栓溶解剤(例えば、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(Retaplase)、テネクテプラーゼ、アニストレプラーゼ、およびウロキナーゼ)が挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野で公知の投与計画および投与量で投与される。
【0148】
Sukら(Stroke (2003)34:1586−1592)は、体重過多または肥満であることと卒中との間の関連性を検討している。卒中を治療するために投与される薬剤としては、抗血小板薬(例えば、アスピリン、クロピドグレル、ジピリダモール、およびチクロピジン)、抗凝血剤(例えば、ヘパリン)、および血栓溶解剤が挙げられる。Steinら(The American Journal of Medicine (2005)18(9):978−980)は、体重過多または肥満であることと静脈血栓塞栓疾患との間の関連性を検討している。静脈血栓塞栓疾患を治療するために投与される薬剤としては、抗血小板薬、抗凝血剤、および血栓溶解剤が挙げられる。Sztrymfら(Rev Pneumol Clin (2002)58(2):104−10)は、体重過多または肥満であることと肺高血圧との間の関連性を検討している。肺高血圧を治療するために投与される薬剤としては、変力剤、抗凝血剤、利尿剤、カリウム(例えば、K−dur)、血管拡張剤(例えば、ニフェジピンおよびジルチアゼム)、ボセンタン、エポプロステノール、およびシルデナフィルが挙げられる。呼吸器障害および状態、例えば肥満低換気症候群、喘息、および閉塞性睡眠時無呼吸は、体重過多または肥満であることと関連づけられている。Elamin(Chest (2004)125:1972−1974)は、体重過多または肥満であることと喘息との間の関連性を検討している。喘息を治療するために投与される薬剤としては、気管支拡張剤、抗炎症剤、ロイコトリエン遮断薬、および抗Ige剤が挙げられる。特定の喘息薬としては、ザフィルルカスト、フルニソリド、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、テルブタリン、フルチカゾン、ホルモテロール、ベクロメタゾン、サルメトロール、テオフィリン、およびゾペネックスが挙げられる。
【0149】
Kesslerら(Eur Respir J (1996)9:787−794)は、体重過多または肥満であることと閉塞性睡眠時無呼吸との関連性を検討している。睡眠時無呼吸を治療するために投与される薬剤としては、モダフィニルおよびアンフェタミンが挙げられる。
【0150】
肝障害および状態、例えば非アルコール性脂肪肝疾患は、体重過多または肥満であることと関連付けられてきた。Tolmanら(Ther Clin Risk Manag (2007)6:1153−1163)は、体重過多または肥満であることと非アルコール性脂肪肝疾患との間の関連性を検討している。非アルコール性脂肪肝疾患を治療するために投与される薬剤としては、抗酸化剤(例えば、ビタミンEおよびC)、インスリン増感剤(メトホルミン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、およびベタイン)、肝臓保護剤(hepatoprotectant)、および脂質低下剤が挙げられる。
【0151】
骨障害および状態、例えば背痛および体重のかかる関節の骨関節炎は、体重過多または肥満であることと関連付けられてきた。van Saase(J Rheumatol (1988)15(7):1152−1158)は、体重過多または肥満であることと体重のかかる関節の骨関節炎との間の関連性を検討している。体重のかかる関節の骨関節炎を治療するために投与される薬剤としては、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、イブプロフェン、エトドラク、オキサプロジン、ナプロキセン、ジクロフェナク、およびナブメトン)、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ステロイド、サプリメント(例えば、グルコサミンおよびコンドロイチン硫酸)、および人工関節液が挙げられる。
【0152】
代謝障害および状態、例えば、プラダー・ウィリー症候群および多嚢胞性卵巣症候群は、体重過多または肥満であることと関連付けられてきた。Cassidy(Journal of Medical Genetics (1997)34:917−923)は、体重過多または肥満であることとプラダー・ウィリー症候群との関連性を検討している。プラダー・ウィリー症候群を治療するために投与される薬剤としては、ヒト成長ホルモン(HGH)、ソマトロピン、および減量剤(例えば、オルリスタット、シブトラミン、メタンフェタミン、イオナミン、フェンテルミン、ブプロピオン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、およびトパマックス)が挙げられる。
【0153】
Hoeger(Obstetrics and Gynecology Clinics of North America (2001)28(1):85−97)は、体重過多または肥満であることと、多嚢胞性卵巣症候群との関連性を検討している。多嚢胞性卵巣症候群を治療するために投与される薬剤としては、インスリン増感剤、合成エストロゲンとプロゲステロンとの組み合わせ、スピロノラクトン、エフロルニチン、およびクロミフェンが挙げられる。生殖障害および状態、例えば、性的機能不全、勃起障害、不妊、産科的合併症、および胎児の異常は、体重過多または肥満であることと関連づけられている。Larsenら(Int J Obes (Lond)(2007)8:1189−1198)は、体重過多または肥満であることと性的機能不全との間の関連性を検討している。Chungら(Eur Urol (1999)36(1):68−70)は、体重過多または肥満であることと勃起障害との間の関連性を検討している。勃起障害を治療するために投与される薬剤としては、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、タダラフィル、クエン酸シルデナフィル、およびバルデナフィル)、プロスタグランジンEアナログ(例えば、アルプロスタジル)、アルカロイド(例えば、ヨヒンビン)、およびテストステロンが挙げられる。Pasqualiら(Hum Reprod (1997)1:82−87)は、体重過多または肥満であることと不妊との間の関連性を検討している。不妊を治療するために投与される薬剤としては、クロミフェン、クエン酸クロミフェン、ブロモクリプチン、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニスト、タモキシフェン/ノルバデクス、ゴナドトロピン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヒト更年期ゴナドトロピン(HmG)、プロゲステロン、組換え卵胞刺激ホルモン(FSH)、ウロフォリトロピン、ヘパリン、ホリトロピンアルファ、およびホリトロピンベータが挙げられる。
【0154】
Weissら(American Journal of Obstetrics and Gynecology (2004)190(4):1091−1097)は、体重過多または肥満であることと、産科的合併症との間の関連性について検討している。産科的合併症を治療するために投与される薬剤としては、ブピバカイン塩酸塩、ジノプロストンPGE2、メペリジンHCl、フェロホリック500/イベレットホリック500(Ferro−folic−500/iberet−folic−500)、メペリジン、マレイン酸メチルエルゴノビン、ロピバカインHCl、ナルブフィンHCl、オキシモルホンHCl、オキシトシン、ジノプロストン、リトドリン、スコポラミン臭化水素酸塩、クエン酸スフェンタニル、および子宮収縮剤が挙げられる。
【0155】
精神障害および状態、例えば、体重に関連した抑鬱および不安は、体重過多または肥満であることと関連付けられてきた。Dixsonら(Arch Intern Med (2003)163:2058−2065)は、体重過多または肥満であることと抑鬱との間の関連性について検討している。抑鬱を治療するために投与される薬剤としては、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、フルオロキセチン、エスシタロプラム、シタロプラム、パロキセチン、セルトラリン、およびベンラファキシン);三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドスレピン塩酸塩、ドキセピン、イミプラミン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、オピプラモール、プロトリプチリン、およびトリミプラミン);モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、イソカルボキサジド、モクロベミド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレギリン、ラサジリン、ニアラミド、イプロニアジド、イプロクロジド、トロキサトン、リネゾリド、ジエノリドカバピロンデスメトキシヤンゴニン、およびデキストロアンフェタミン);精神刺激薬(例えば、アンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニダート、およびアレコリン);抗精神病薬(例えば、ブチロフェノン、フェノチアジン、チオキサンテン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルプリド、パリペリドン、シンビアックス、テトラベナジン、およびカンナビジオール);および気分安定剤(例えば、炭酸リチウム、バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリギン、カルバマゼピン、ガバペンチン、オキシカルバゼピン、およびトピラマート)が挙げられる。
【0156】
Simonら(Archives of General Psychiatry (2006)63(7):824−830)は、体重過多または肥満であることと不安との間の関連性を検討している。不安を治療するために投与される薬剤としては、セロトニン再取り込み阻害剤、気分安定剤、ベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、クロナゼパム、ジアゼパム、およびロラゼパム)、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、およびベータ遮断薬が挙げられる。
【0157】
本発明の別の態様は、対象において減量を促進および維持するための方法であって、対象において減量をもたらすために有効な量の開示された化合物を投与し;そして対象において減量を維持するための治療有効量の異なる減量剤を投与することを含む方法を提供する。減量剤としては、セロトニンおよびノルアドレナリン作動性再取り込み阻害剤;ノルアドレナリン作動性再取り込み阻害剤;選択的セロトニン再取り込み阻害剤;ならびに腸リパーゼ阻害剤が挙げられる。特定の減量剤としては、オルリスタット、シブトラミン、メタンフェタミン、イオナミン、フェンテルミン、ブプロピオン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、ベンズフェテルミン(ベンズフェタミン)、ブロモクリプチン、ロルカセリン、トピラマート、またはグレリン作用の遮断、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)活性の阻害、ステアロイルCoAデサチュラーゼ1(SCD1)活性の阻害、ニューロペプチドY受容体1機能の阻害、ニューロペプチドY受容体2もしくは4機能の活性化、またはナトリウム−グルコース共輸送体1もしくは2の活性の阻害によって食物摂取を調節する作用をする薬剤が挙げられる。これらの化合物は、当該技術分野で公知の投与計画および投与量で投与される。
【実施例】
【0158】
本明細書中で記載される化合物は、本明細書中に含まれる教唆に基づいた多くの方法および当該技術分野で公知の合成手順で調製することができる。後述する合成法の記載では、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験の期間および仕上げ処理手順をはじめとする、全ての提案された反応条件は、特に別段の記載がない限り、その反応に標準的な条件となるように選択することができると理解される。分子の種々の部分上に存在する官能基が提案される試薬および反応と適合性でなければならないことは、有機合成の当業者には理解される。反応条件と適合性でない置換基は、当業者には明かであり、したがって別の方法が示される。実施例の出発物質は、商業的に入手可能であるか、または公知材料から標準的な方法によって容易に調製されるかのいずれかである。
【0159】
本明細書中で「中間体」と特定される化合物の少なくともいくつかは、本発明の化合物と考えられる。
【0160】
H NMRスペクトルは、実施例化合物については三重共鳴5mmプローブを備えたVarian Unity Inova(400MHz)分光計を用い、中間体化合物についてはBruker Avance DRX(400MHz)分光計またはBruker Avance DPX(300MHz)分光計のいずれかを用いて周囲温度にて記録した。化学シフトはテトラメチルシランに対するppmで表される。次の略語を使用する:br=ブロードなシグナル、s=一重項、d=二重項、dd=二重の二重項、ddd=二重の二重の二重項、dt=二重の三重項、t=三重項、td=三重の二重項、tt=三重の三重項、q=四重項、m=多重項。
【0161】
保持時間および関連する質量イオンを測定するための質量分析(LCMS)実験は、以下の方法を用いて実施した:
【0162】
方法A:実験は、ダイオードアレイ検出器を有するHewlett Packard HP100 LCシステムに連結されたWaters Platform LC四重極質量分析計で実施した。分光計は、陽および陰イオンモードで作動するエレクトロスプレー源を有する。さらなる検出は、Sedex 85蒸発光散乱検出器を用いて達成された。LCは、Phenomenex Luna 3ミクロン30×4.6mm C18カラムおよび2mL/分の流速を用いて実施した。初期溶媒系は、最初の0.5分間は0.1%ギ酸を含有する水(溶媒A)95%のおよび0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル(溶媒B)5%、続いて次の4分にわたり溶媒A5%および溶媒B95%までの勾配であった。最終溶媒系は、さらに1分間一定に保持された。
【0163】
方法B:実験は、ダイオードアレイ検出器を有するWaters 1525 LCシステムに連結されたWaters ZMD LC四重極質量分析計で実施した。分光計は、陽および陰イオンモードで作動するエレクトロスプレー源を有する。さらなる検出は、Sedex 85蒸発光散乱検出器を用いて達成された。LCは、Luna 3ミクロン30×4.6mm C18カラムおよび2mL/分の流速を用いて実施した。初期溶媒系は、最初の0.5分間は0.1%ギ酸を含有する水(溶媒A)95%および0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル(溶媒B)5%、続いて次の4分にわたり溶媒A5%および溶媒B95%までの勾配であった。最終溶媒系は、さらに1分間一定に保持された。
【0164】
方法C:実験は、PDA UV検出器を有するWaters Acquity UPLCシステムに連結されたWaters Micromass ZQ2000四重極質量分析計で実施した。分光計は、陽および陰イオンモードで作動するエレクトロスプレー源を有する。LCは、Acquity BEH 1.7ミクロンC18カラム、Acquity BEH Shield 1.7ミクロンRP18カラムまたはAcquity HSST 1.8ミクロンカラムを用いて実施した。各カラムは、100×2.1mmの寸法を有し、0.4mL/分の流速で40℃に維持された。初期溶媒系は、最初の0.4分間は0.1%ギ酸を含有する水(溶媒A)95%および0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル(溶媒B)5%、続いて次の6分間にわたり溶媒A5%および溶媒B95%までの勾配であった。最終溶媒系は、さらに0.8分間一定に保たれた。
【0165】
方法D:実験は、ダイオードアレイ検出器を有するHewlett Packard 1050 LCシステムに連結されたFinnigan AQAシングル四重極質量分析計で実施した。分光計は、陽イオンモードで作動するエレクトロスプレー源を有する。さらなる検出は、Sedex 65蒸発光散乱検出器を用いて達成された。LCは、Luna 3ミクロン30×4.6mm C18カラムおよび2mL/分の流速を用いて実施した。初期溶媒系は、最初の0.5分間は0.1%ギ酸を含有する水(溶媒A)95%および0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル(溶媒B)5%で、続いて次の4分にわたり溶媒A5%および溶媒B95%までの勾配であった。最終溶媒系をさらに1分間一定に保った。
【0166】
単一モード共振器および動的場チューニングを使用するBiotage Initiator(商標)を使用して、マイクロ波実験を実施した。40〜250℃の温度が達成される可能性があり、20バールまでの圧力に到達する可能性がある。
【0167】
分取HPLC精製を、Genesis製のC18逆相カラム(C18)またはPhenomenex製のC6−フェニルカラム(C6 Ph)(100×22.5mm内径、7ミクロンの粒子サイズ、230または254nmでUV検出、流れ5〜15mL/分)のいずれかを使用し、100〜0から0〜100%水/アセトニトリルまたは0.1%ギ酸を含有する水/メタノールの勾配で溶出させて、実施した。必要とされる生成物を含有するフラクション(LCMS分析によって同定)をプールし、有機フラクションを蒸発によって除去し、そして残存する水性フラクションを凍結乾燥して、生成物を得た。
【0168】
キラルHPLCは、キラルpak ICカラム、4.4mmx250mm、粒子サイズ5ミクロンを用いて実施した。
【0169】
カラムクロマトグラフィーを必要とする化合物を、Touch Logic Control(商標)を有するBiotage SP1(商標)Flash Purificationシステムまたはそれぞれ充填済シリカゲルIsolute(登録商標)SPEカートリッジ、Biotage SNAPカートリッジもしくはRedisep(登録商標)Rfカートリッジを有するCombiflash Companion(登録商標)のいずれかを用いて、手動または全自動で精製した。
【0170】
化合物は、ISISDrawでAutonom2000を用いて命名した。
【0171】
略語:
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
AIBN アゾ−ビス−(イソブチロニトリル)
THF テトラヒドロフラン.
DMAW350 DCM、メタノール、酢酸、水(350:20:3:2)
DMAW240 DCM、メタノール、酢酸、水(240:20:3:2)
DMAW120 DCM、メタノール、酢酸、水(120:15:3:2)
TFA トリフルオロ酢酸
【0172】
実施例1:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化16】
【0173】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体4、0.129g)を、水酸化リチウム一水和物(0.42g)の水(2mL)およびジオキサン(8mL)中溶液に添加し、混合物をマイクロ波バイアル中に密封し、そして130℃で1時間、マイクロ波中で加熱した。冷却後、混合物をギ酸で酸性化し、そして蒸発乾固させた。残留物を10%のDCM中メタノールで摩砕し、ろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させた。生成物を酢酸エチルで摩砕し、ろ過し、真空で乾燥して、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.056g)を白色固体として得た。
【0174】
H NMR (DMSO−d)δ:7.71 (1H, d), 7.68 (1H, d), 7.38 (1H, d), 7.28 (1H, dd), 7.26−7.19 (2H, m), 7.02 (1H, d), 6.86 (1H, d), 6.20−6.11 (1H, m), 5.28 (2H, s), 3.79 (2H, d), 3.12 (4H, q), 1.14 (6H, t).
【0175】
LCMS (方法C)r/t 3.48 (M+H)501
【0176】
実施例2:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化17】
【0177】
7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体11)から出発して、実施例1と類似した方法で進行することによって調製した。
【0178】
H NMR (DMSO−d)δ:7.76 (1H, dd), 7.74−7.72 (3H, m), 7.62 (2H, dd), 7.35 (1H, d), 6.94 (1H, d), 6.69 (1H, d), 5.45 (2H, s), 4.71 (2H, s).
【0179】
LCMS (方法C)r/t 3.93 (M+H)371
【0180】
実施例3:8−(ベンゼンスルホニルメチル)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸
【化18】
【0181】
8−ベンゼンスルホニルメチル−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(中間体12)から出発して、実施例1と類似した方法で進行することによって調製した。
【0182】
H NMR (CDOD)δ:7.73 (2H, m), 7.67 (1H, m), 7.58 (1H, d), 7.56−7.51 (2H, m), 7.47 (1H, d), 6.94 (1H, d), 6.81 (1H, d), 4.64 (2H, s), 4.25 (2H, t), 3.22 (2H, t).
【0183】
LCMS (方法C)r/t 4.06 (M+Na)407
【0184】
実施例4:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸
【化19】
【0185】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−(2−ヒドロキシアセチルアミノ)−6−安息香酸tert−ブチル(中間体31、0.17g)のDCM(8mL)中溶液に添加し、そして結果としての混合物を18時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、3〜5%の勾配で溶出させた。生成物をHPLC(C18)によって精製し、0.1%ギ酸を含有するメタノールおよび水メタノールおよび水の混合物で、50〜60%の勾配で溶出させて、7−(ベンゼンスルホニルメチル)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(0.012g)を白色固体として得た。
【0186】
H NMR (CDCl)δ:9.13 (1H, d), 8.38 (1H, d), 8.11 (1H, d), 8.02 (1H, d), 7.79 (2H, dd), 7.59 (1H, t), 7.45−7.44 (3H, m), 5.74 (2H, s).
【0187】
LCMS (方法C)r/t 3.45 (M+H)368
【0188】
実施例5:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化20】
【0189】
7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体13)から出発して、実施例4と類似した方法で進行することによって調製した。
【0190】
H NMR (DMSO−d)δ:13.77 (1H, br, s), 8.43 (1H, d), 8.05 (1H, d), 7.76−7.69 (3H, m), 7.62 (2H, t), 7.52 (1H, d), 7.20 (1H, d), 4.92 (2H, s).
【0191】
LCMS (方法C)r/t 3.45 (M+Na)407.
【0192】
実施例6:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化21】
【0193】
7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体14)から出発して、実施例1と類似した方法で進行することによって調製した。
【0194】
H NMR (DMSO−d)δ:7.76 (1H, m), 7.73 (3H, d), 7.62 (2H, dd), 7.37 (1H, d), 6.95 (1H, d), 6.72 (1H, d), 5.74−5.67 (1H, m), 4.71 (2H, s), 1.53 (3H, d).
【0195】
LCMS (方法C)r/t 4.19 (M+Na)407
【0196】
実施例7:8−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸
【化22】
【0197】
8−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(中間体5)から出発して、実施例1と類似した方法で進行することによって調製した。
【0198】
H NMR (DMSO−d)δ:7.72 (1H, dd), 7.62 (1H, d), 7.51 (1H, d), 7.38 (1H, d), 7.25 (2H, m), 7.15 (1H, d), 6.88 (1H, d), 6.22−6.13 (1H, m), 4.05 (2H, t), 3.81 (2H, d), 3.24 (2H, br, s), 3.13 (4H, t), 1.14 (6H, t).
【0199】
LCMS (方法C)r/t 3.52 (M+H)515
【0200】
実施例8:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸
【化23】
【0201】
水酸化リチウム一水和物(0.107g)を、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]−キノリン−6−カルボン酸メチル(中間体6、0.026g)の、ジオキサン(1.7mL)と水(0.8mL)との混合物中溶液に添加した。結果として得られた混合物を撹拌し、90℃で一晩加熱した。冷却後、混合物をギ酸の添加によって酸性化し、次いで蒸発乾固させた。残留物をメタノールおよびDCMの混合物(10%)で摩砕し、そしてろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜12%の勾配で溶出させた。生成物をDCMおよびジエチルエーテルの混合物(50%)で摩砕し、固体をろ過によって集め、真空で乾燥して、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸(0.013g)を黄色固体として得た。
【0202】
H NMR (CDCl)δ:13.11 (1H, br, s), 9.07 (1H, s), 8.15−8.12 (4H, m), 7.35−7.26 (2H, m), 7.12 (1H, m), 6.92 (1H, dd), 6.17 (1H, dt), 3.61 (2H, d), 2.96 (4H, q), 1.20 (6H, t).
【0203】
LCMS (方法C)r/t 2.89 (M+H)498
【0204】
実施例9:7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化24】
【0205】
7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体45、0.130g)および水酸化リチウム(0.105g)のジオキサン(3mL)および水(1mL)中混合物を90℃で20時間加熱した。冷却後、混合物を水(20mL)で希釈し、ギ酸でpH5〜6に酸性化した。これを酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させた。生成物をジエチルエーテル/酢酸エチル(1:1)で摩砕して、7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.025g)を白色固体として得た。
【0206】
H NMR (DMSO−d)δ:7.95 (1H, dd), 7.48 (1H, d), 7.21−7.13 (3H, m), 7.03 (1H, td), 6.68 (1H, d), 5.29 (2H, s), 3.25 (6H, m), 3.13 (2H, m), 2.08−1.98 (2H, m), 1.34 (6H, t).
【0207】
LCMS (方法C)r/t 3.51 (M+H)503
【0208】
実施例10:7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化25】
【0209】
7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体46、0.096g)および水酸化リチウム一水和物(0.168g)の水(0.8mL)およびジオキサン(3.2mL)中混合物をマイクロ波バイアル中に密封し、135℃にて45分間マイクロ波中で照射した。冷却後、混合物をエタノールで希釈し、ギ酸で酸性化し、蒸発乾固させた。残留物を10%のDCM中メタノールで摩砕し、ろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DMAW350で溶出させた。生成物をトルエンおよびエタノールで共沸させ、残留物を酢酸エチルで摩砕して、7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.020g)を白色固体として得た。
【0210】
H NMR (DMSO−d)δ:7.71 (1H, d), 7.60 (1H, dd), 7.31−7.10 (5H, m), 6.87 (1H, d), 6.00 (1H, dt), 5.27 (2H, s), 3.68 (2H, d), 3.00 (2H, q), 1.18 (3H, t).
【0211】
LCMS (方法C)r/t 3.53 (M+H)473
【0212】
実施例11:8−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸
【化26】
【0213】
8−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(中間体50、0.134g)および水酸化リチウム一水和物(0.159g)の水(3.8mL)およびジオキサン(3.8mL)中混合物をマイクロ波バイアル中に密封し、マイクロ波中、130℃にて30分間照射した。混合物を真空で濃縮し、水を添加し、そしてそれをギ酸でpH3に酸性化した。これを酢酸エチル中に抽出し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、2.5〜10%の勾配で溶出させた。残留生成物をDCMおよび酢酸エチルの混合物から再結晶して、8−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸(0.036g)を白色固体として得た。
【0214】
H NMR (CDCl)δ:7.97−7.91 (1H, m), 7.54 (1H, d), 7.41 (1H, d), 7.34 (1H, d), 6.90−6.89 (2H, m), 6.62 (1H, d), 4.26 (2H, t), 3.21 (10H, m), 2.08−1.98 (2H, m), 1.38 (6H, t).
【0215】
LCMS (方法C)r/t 3.55 (M+H)517
【0216】
実施例12:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化27】
【0217】
7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体51、0.408g)および水酸化リチウム一水和物(0.526g)の水(2.5mL)およびジオキサン(10mL)中混合物をマイクロ波バイアル中に密封し、135℃にて45分間マイクロ波中で照射した。冷却後、混合物をエタノールで希釈し、ギ酸で酸性化し、蒸発乾固させた。残留物を10%のDCM中メタノールで摩砕し、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DMAW350で溶出させた。結果としての生成物をトルエンおよびエタノールで共沸させて、固体を得、これをメタノールで摩砕した。固体をろ過によって集め、シリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMで、0〜10%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をアセトンで摩砕し、固体をろ過によって集めて、7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.155g)を白色固体として得た。
【0218】
H NMR (DMSO−d)δ:7.72 (1H, d), 7.63 (1H, dd), 7.35−7.22 (4H, m), 6.97 (1H, d), 6.88 (1H, d), 6.20−6.12 (1H, m), 5.31 (2H, s), 3.72 (4H, br, t), 3.64 (2H, d), 3.05 (4H, br, s).
【0219】
LCMS (方法C)r/t 3.54 (M+H)515
【0220】
実施例13:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(ピロリジン−1−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化28】
【0221】
7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(ピロリジン−1−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体53)から出発して、実施例9と類似した方法で進行することによって調製した。
【0222】
H NMR (CDOD)δ:7.74 (1H, dd), 7.56 (1H, d), 7.51 (1H, d), 7.23 (2H, d), 7.13−7.04 (2H, m), 6.73 (1H, d), 6.19−6.10 (1H, m), 5.28 (2H, s), 3.99 (2H, d), 3.25 (4H, m), 2.07 (4H, br, s).
【0223】
LCMS (方法C)r/t 3.56 (M+H)499
【0224】
実施例14:7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化29】
【0225】
7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体55、0.185g)をDCM(3mL)中に懸濁させ、TFA(3mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物をメタノール中に溶解させた。炭酸カリウム(0.100g)を添加し、結果としての混合物を数分間撹拌した。無機塩をろ過によって除去し、ろ液をギ酸でpH3に酸性化した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、2.5〜10%の勾配で溶出させた。結果としての生成物を酢酸エチルで摩砕し、真空中60℃で乾燥して、7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.070g)を白色固体として得た。
【0226】
H NMR (CDCl)δ:7.96 (1H, d), 7.71 (2H, d), 7.67−7.60 (2H, m), 7.10 (1H, d), 6.94 (2H, d), 6.20−6.10 (1H, m), 3.92 (2H, d), 3.32 (4H, br, q), 1.38 (6H, t).
【0227】
LCMS (方法C)r/t 3.31 (M+H)515
【0228】
実施例15:7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化30】
【0229】
7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体64、0.070g)および水酸化リチウム一水和物(0.200g)のジオキサン(3mL)および水(1mL)中混合物を80℃で3時間加熱した。結果として得られた混合物を冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液の添加によって中和し、真空で濃縮した。残留物をDCMで抽出し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜15%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をジエチルエーテルで摩砕し、得られた固体を真空で乾燥して、7−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.025g)を白色固体として得た。
【0230】
H NMR (DMSO−d)δ:7.71 (1H, dd), 7.51 (1H, m), 7.44 (1H, d), 7.29−7.21 (3H, m), 7.02 (1H, d), 6.89 (1H, d), 6.29 (1H, m), 5.45−5.44 (1H, m), 4.72 (2H, q), 3.91 (2H, br, d), 3.08 (4H, br, q), 1.40 (3H, d), 1.16 (6H, t).
【0231】
LCMS (方法C)r/t 3.32 (M+H)514
【0232】
実施例16:7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸
【化31】
【0233】
7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(中間体71、0.100g)および水酸化リチウム一水和物(0.250g)のジオキサン(4mL)および水(1.25mL)中混合物を80℃で一晩加熱した。混合物を冷却し、飽和水性塩化アンモニウムを添加した。これを真空で濃縮し、残留物をDCMおよびメタノールで摩砕し、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をHPLC(C6 Ph)によって精製し、0.1%ギ酸を含有するメタノールおよび水メタノールおよび水の混合物で、10〜40%の勾配で溶出させて、黄色ガム状物を得た。生成物をエーテルで摩砕して、7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸(0.045g)を黄色固体として得た。
【0234】
H NMR (CDCl)δ:9.06 (1H, d), 8.33 (1H, br, s), 8.20 (1H, d), 8.15−8.05 (3H, m), 7.32 (1H, dd), 7.10 (1H, dd), 6.97 (1H, ddd), 3.13−3.02 (8H, m), 2.17−2.06 (2H, m), 1.30 (6H, t).
【0235】
LCMS (方法C)r/t 2.97 (M+H)500
【0236】
実施例17:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸
【化32】
【0237】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(中間体72、0.058g)をジオキサン(1.5mL)および水(0.6mL)中に溶解させた。水酸化リチウム一水和物(0.018g)を添加し、結果としての混合物を85℃で、窒素下、3時間加熱した。混合物を一晩冷却させた。さらなる量の水酸化リチウム一水和物(0.010g)を添加し、混合物を85℃でさらに1時間加熱した。混合物を冷却し、DCMで希釈し、水性ギ酸(10%)でpH4に酸性化して、エマルジョンを得た。エマルジョンを真空で濃縮して、ガム状物を得、これを2MメタノールのDCM中溶液で摩砕し、固体をろ過によって除去した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜8%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をアセトニトリルおよび水中に溶解させ、一晩凍結乾燥して、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸(0.027g)を白色固体として得た。
【0238】
H NMR (DMSO−d)δ:8.38 (1H, s), 7.90 (1H, dd), 7.40−7.26 (3H, m), 7.21 (1H, dd), 6.98 (1H, d), 6.08−5.99 (1H, m), 5.29 (2H, s), 3.76 (2H, br, d), 3.03 (4H, br, q), 1.05 (6H, t).
【0239】
LCMS (方法C)r/t 3.26 (M+H)518
【0240】
実施例18:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸のエナンチオマーの分離
【化33】
【0241】
実施例15からの試料をキラル分離に付し、イソプロパノールおよびヘプタン(1:1)で溶出させて、2つの生成物を得た:
実施例18A:最初に溶出するエナンチオマー、r/t 22.67分(ee98%)
H NMR (DMSO−d)δ:7.72 (1H, dd), 7.53 (1H, m), 7.45 (1H, d), 7.26 (3H, m), 7.03 (1H, d), 6.90 (1H, d), 6.31−6.29 (1H, m), 5.49−5.42 (1H, m), 4.74−4.72 (2H, q), 4.01− 3.84 (2H, m), 3.09 (4H, q), 1.41 (3H, d), 1.17 (6H, t,).
LCMS (方法C)r/t 3.33 (M+H)514
実施例18B:2番目に溶出するエナンチオマーr/t29.36分(ee85%)
【0242】
H NMR (DMSO−d)δ:7.72 (1H, dd), 7.53 (1H, m), 7.45 (1H, d), 7.26 (3H, m), 7.03 (1H, d), 6.90 (1H, d), 6.31−6.29 (1H, m), 5.49−5.42 (1H, q), 4.74−4.72 (2H, q), 4.01− 3.84 (2H, m), 3.09 (4H, q), 1.41 (3H, d), 1.17 (6H, t,).
【0243】
LCMS (方法C)r/t 3.30 (M+H)514
【0244】
実施例19:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニルアミノ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化34】
【0245】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニルアミノ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体80)から出発して、実施例11と類似した方法で進行することによって調製した。
【0246】
H NMR (DMSO−d)δ:7.69 (2H, m), 7.60 (1H, t), 7.46−7.37 (2H, m), 7.30 (1H, d), 7.22 (1H, d), 7.03 (1H, d), 6.85 (1H, d), 6.15−6.06 (1H, m), 5.26 (2H, s), 3.74 (2H, br, s), 3.09 (4H, br, s), 1.12 (6H, t).
【0247】
LCMS (方法C)r/t 3.35 (M+H)483
【0248】
実施例20:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化35】
【0249】
7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−アセトキシピロリジン−1−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体82、0.092g)および水酸化リチウム一水和物(0.039g)の水(2mL)およびジオキサン(4mL)中混合物を、マイクロ波バイアル中に密封し、マイクロ波中、110℃で20分間照射した。冷却後、混合物を水(20mL)で希釈し、ギ酸で酸性化してpH4〜5にし、DCM中に抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をHPLC(C6 Ph)によって精製し、0.1%ギ酸を含有するアセトニトリルおよび水の混合物で、30〜60%の勾配で溶出させて、7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.004g)を得た。
【0250】
H NMR (CDOD)δ:8.55 (1H, s), 7.79 (1H, m), 7.51 (2H, m), 7.24−7.15 (2H, m), 7.14−7.06 (2H, m), 6.72 (1H, d), 6.14 (1H, m), 5.29 (2H, s), 4.54 (1H, m), 3.95 (2H, br, m), 3.6 (3H, br), 3.4 (1H, br), 2.19 (1H, br, m), 2.00 (1H, br, m).
【0251】
LCMS (方法C)r/t 3.39 (M+H)515
【0252】
実施例21:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化36】
【0253】
7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((S)−3−アセトキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体84)から出発して、実施例20と類似した方法で進行することによって調製した。
【0254】
H NMR (CDOD)δ:8.29 (1H, br, s), 7.73 (1H, dd), 7.56 (1H, br, d), 7.50 (1H, m), 7.22 (2H, s), 7.08 (1H, s), 7.06 (1H, s), 6.72 (1H, d), 6.15 (1H, dt), 5.27 (2H, s), 4.54 (2H, m), 4.15−3.98 (2H, m), 3.66−3.22 (3H, br), 2.20 (1H, m), 2.03 (1H, m).
【0255】
LCMS (方法C)r/t 3.40 (M+H)515
【0256】
実施例22:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸
【化37】
【0257】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸(中間体86、0.190g)、N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3、0.476g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.043g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.023g)のジオキサン(5mL)中混合物を、アルゴン下、密封容器中で80℃まで1時間加熱した。セライトを通して熱反応混合物をろ過し、ジオキサン、酢酸エチルおよびアセトニトリルで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、残留物を、水およびアセトニトリル、次いでアセトンで摩砕した。固体をろ過によって集め、DMSO中に溶解させ、ろ過した。ろ液をHPLC(C18)によって精製し、0.1%ギ酸を含有するアセトニトリルおよび水の混合物で、25〜75%アセトニトリルの勾配で溶出させて、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸(0.062g)を得た。
【0258】
H NMR (DMSO−d)δ:14.43 (1H, s), 8.17−8.10 (2H, m), 7.89 (1H, d), 7.38−7.32 (3H, m), 7.22−7.21 (2H, m), 5.95 (1H, m), 3.74 (2H, br, s), 2.92 (4H, br, s), 0.93 (6H, t).
【0259】
LCMS (方法C)r/t 3.41 (M+H)514
【0260】
実施例23:7−{2−[(Z)−3−(アゼチジン−1−イル)プロプ−1−エニル]−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化38】
【0261】
7−{2−[(Z)−3−(アゼチジン−1−イル)プロプ−1−エニル]−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体91)から出発して、実施例20と類似した方法で進行することによって調製した。
【0262】
H NMR (CDOD)δ:7.74 (1H, dd), 7.54−7.49 (2H, m), 7.26 (2H, m), 7.12−6.99 (2H, m), 6.73 (1H, d), 5.99−5.89 (1H, dt), 5.29 (2H, s), 4.57 (1H, br, s), 4.29 (2H, br, s), 4.12 (2H, br, s), 3.98 (2H, dd), 2.64−2.35 (2H, br, m).
【0263】
LCMS (方法C)r/t 3.53 (M+H)485
【0264】
実施例24:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化39】
【0265】
7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(3−アセトキシアゼチジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体94)から出発して、実施例20と類似した方法で進行することによって調製した。
【0266】
H NMR (CDOD)δ:7.73 (1H, dd), 7.55−7.51 (2H, m), 7.30−7.21 (2H, m), 7.12−7.00 (2H, m), 6.73 (1H, d), 6.02−5.92 (1H, m), 5.29 (2H, s), 4.66 (1H, m), 4.47 (2H, br, m), 4.03 (2H, d), 3.92 (2H, br, m).
【0267】
LCMS (方法C)r/t 3.45 (M+H)501
【0268】
実施例25:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化40】
【0269】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体96)から出発して、実施例12と類似した方法で進行することによって調製した。
【0270】
H NMR (DMSO−d-6)δ:7.97 (1H, d), 7.73 (1H, dd), 7.38 (1H, d), 7.32−7.16 (3H, m), 7.07 (1H, d), 6.18−6.09 (1H, m), 5.21 (2H, s), 3.79 (2H, br, d), 3.11 (4H, br, q), 1.13 (6H, t).
【0271】
LCMS (方法C)r/t 3.67 (M+H)519
【0272】
実施例26:7−[2−((E)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸
【化41】
【0273】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体4、1.73g)および水酸化リチウム一水和物(1.41g)のジオキサン(27mL)および水(9mL)中混合物を100℃まで16時間窒素雰囲気下で加熱した。混合物を室温まで冷却し、DCM(100mL)および水(100mL)で希釈した。ギ酸を用いてこの混合物をpH6に酸性化し、そして層を分離した。水性層をさらなる3×100mLのDCMで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮して、黄褐色固体を得た。これをシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノール中2Mアンモニア溶液およびDCMの混合物で、10〜20%の勾配で溶出させて、7−[2−((E)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸(0.133g)を、反応の副生成物として単離した。
【0274】
H NMR (DMSO−d)δ 7.98 (1H, dd), 7.67 (1H, d), 7.63 (1H, dd), 7.47 (1H, d), 7.26 (1H, td), 7.16 (1H, d), 7.05 (1H, d), 6.80 (1H, d), 6.71−6.61 (1H, m), 5.28 (2H, s), 3.82 (2H, d), 3.21 (4H, m), 1.29 (6H, t).
【0275】
LCMS (方法C)r/t 3.63 (M+H)501
【0276】
中間体1:(Z)−3−トリブチルスタンナニルプロプ−2−エン−1−オール
【化42】
【0277】
プロパルギルアルコール(5mL)をTHF(70mL)中水素化リチウムアルミニウムの溶液(THF中1M、43mL)に−78℃で添加した。結果としての混合物を室温まで温め、18時間撹拌した。これを−78℃まで再冷却し、トリ−n−ブチルスズクロリド(8.32mL)のジエチルエーテル(50mL)中溶液を添加し、徐々に室温まで温めながら、混合物を3時間撹拌した。反応混合物を−5℃まで冷却し、水および15%水酸化ナトリウム水溶液の添加によってクエンチし、次いで室温まで温めた。酢酸エチルを添加し、混合物を1時間撹拌した。セライトを通して沈殿をろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。残留物を、20%のアセトニトリル中トリエチルアミンであらかじめ洗浄しておいたシリカカラム上クロマトグラフィーによって精製した。カラムを、酢酸エチルおよびペンタンの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させて、(Z)−3−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オール(5.06g)を透明油状物として得た。
【0278】
H NMR (CDCl)δ:6.70 (1H, dt), 6.08 (1H, dt), 4.12 (2H, dd), 1.49 (6H, m), 1.31 (6H, m), 0.98−0.84 (15H, m).
【0279】
中間体2:((Z)−3−ブロモプロプ−1−エニル)−トリブチルスタンナン
【化43】
【0280】
トリフェニルホスフィン(5.32g)のDCM(60mL)中溶液を、(Z)−3−トリブチルスタンナニルプロプ−2−エン−1−オール(中間体1、6.4g)および四臭化炭素(9.18g)のDCM(60mL)中溶液に添加し、そして混合物を2.5時間撹拌した。混合物を低体積まで蒸発させ、ペンタンを添加した。固体をろ過によって除去し、ろ液を蒸発乾固させた。ペンタンを添加した。固体をろ過によって再度除去し、ろ液を蒸発乾固させて、((Z)−3−ブロモプロプ−1−エン−1−イル)−トリブチルスタンナン(12.14g)を油状物として得た。
【0281】
H NMR (CDCl)δ:6.71 (1H, dt), 6.11 (1H, d), 3.88 (2H, d), 1.52−1.50 (6H, m), 1.37−1.27 (6H, m), 0.99−0.97 (6H, m), 0.90 (9H, t).
【0282】
中間体3:N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン
【化44】
【0283】
ジエチルアミン(19mL)を、((Z)−3−ブロモプロプ−1−エニル)−トリブチル−スタンナン(中間体2、7.52g)のTHF(60mL)中溶液に添加し、そして混合物を3時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、残留物を、20%のアセトニトリル中トリエチルアミンであらかじめ洗浄しておいたシリカカラム上クロマトグラフィーによって精製した。カラムを、酢酸エチルおよびペンタンの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させて、N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(4.75g)をオレンジ色油状物として得た。
【0284】
H NMR (CDCl)δ:6.59 (1H, dt), 5.97 (1H, dt), 3.08 (2H, dd), 2.53 (4H, q), 1.49 (6H, m), 1.37−1.24 (6H, m), 1.04 (6H, t), 0.92−0.89 (15H, m).
【0285】
中間体4:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼン−スルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化45】
【0286】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体7、0.378g)、N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)アミン(中間体3、0.41g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.023g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.036g)のジオキサン(6mL)およびDMSO(0.6mL)中混合物を窒素下でマイクロ波バイアル中に密封し、150℃でマイクロ波中45分間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させて、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.13g)を褐色泡状物として得た。この物質をさらに特性化することなく使用した。
【0287】
中間体5:8−[2[((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル
【化46】
【0288】
8−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサ−ベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(中間体8)およびN,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3)から出発して、中間体4と同様に進行することによって調製した。
【0289】
H NMR (CDCl)δ:8.10 (1H, dd), 7.48 (1H, d), 7.37 (1H, d), 7.14 (1H, m), 7.09 (1H, d), 7.01 (2H, m), 6.59 (1H, d), 6.18 (1H, m), 4.26 (2H, t), 3.90 (3H, s), 3.30 (2H, br, s), 3.24 (2H, t), 2.69−2.61 (4H, m), 1.04 (6H, m).
【0290】
中間体6:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル
【化47】
【0291】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(中間体9、0.165g)、N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3、0.3g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.01g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.019g)のジオキサン(6mL)中混合物を脱気し、次いで100℃で75分間加熱した。冷却後、混合物をほぼ半分の体積まで蒸発させ、次いで酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜14%の勾配で溶出させて、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(0.028g)を黄色固体として得た。
【0292】
H NMR (DMSO−d)δ:9.01 (1H, s), 8.22 (1H, d), 8.01 (1H, dd), 7.93 (1H, m), 7.64 (1H, d), 7.58−7.53 (1H, m), 7.46 (1H, s), 7.19 (1H, m), 7.08−7.03 (1H, m), 6.87 (1H, s), 3.80 (3H, s), 2.90−2.82 (2H, m), 1.36 (4H, m), 0.90 (6H, t).
【0293】
中間体7:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化48】
【0294】
7−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]−クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体10、0.73g)をジオキサン中4M HCl(10mL)中で1.5時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、粗残留物をDCM(5mL)およびピリジン(5mL)中に溶解させ、2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.49g)で処理した。結果としての混合物を18時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチル中に溶解させ、1MのHClで酸性化した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DCMおよびシクロヘキサンの混合物で、50〜75%の勾配で溶出させた。単離されたフラクションを、シリカ上クロマトグラフィーによって再精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜30%の勾配で溶出させて、7−(2−ブロモ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.47g)を白色固体として得た。
【0295】
H NMR (CDCl)δ:9.27 (1H, br, s), 8.16 (1H, dd), 7.44 (1H, dd), 7.41 (1H, m), 7.16 (2H, d), 7.12 (1H, m), 6.56 (1H, d), 5.38 (2H, s), 3.94 (3H, s).
【0296】
中間体8:8−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル
【化49】
【0297】
2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.55g)を、8−アミノ−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(中間体15、0.47g)およびピリジン(3mL)のDCM(5mL)中溶液に添加し、そして混合物を18時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、水および酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜25%の勾配で溶出させて、8−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサ−ベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(0.86g)を白色固体として得た。
【0298】
H NMR (CDCl)δ:9.03 (1H, br, s), 8.17 (1H, dd), 7.48 (1H, d), 7.43 (1H, dd), 7.36 (1H, d), 7.28 (1H, m), 7.12 (1H, m), 6.59 (1H, d), 4.26 (2H, t), 3.95 (3H, s), 3.24 (2H, t).
【0299】
中間体9:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル
【化50】
【0300】
2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.57g)のピリジン(10mL)中溶液を70℃まで加熱し、7−アミノ−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(中間体16、0.33g)のピリジン(10mL)中溶液を添加した。混合物を撹拌し、70℃で4時間加熱した。さらに2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.57g)を添加し、混合物を撹拌し、70℃で一晩加熱した。冷却後、混合物をろ過し、固体をメタノールで洗浄した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、15〜60%の勾配で溶出させた。生成物をジエチルエーテルで摩砕し、固体をろ過によって集めて、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(0.16g)を黄色固体として得た。
【0301】
H NMR (CDCl)δ:9.16 (1H, s), 8.60 (1H, br, s), 8.11 (2H, m), 7.96 (1H, d), 7.90 (1H, m), 7.44 (1H, dd), 7.23 (1H, m), 7.06 (1H, m), 4.07 (3H, s).
【0302】
中間体10:7−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]−クロメン−6−カルボン酸メチル
【化51】
【0303】
四臭化炭素(2.66g)を6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−安息香酸メチル(中間体17、2.65g)およびトリフェニルホスフィン(2.1g)のDCM(40mL)中溶液に添加し、結果としての溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、DMF(60mL)および炭酸セシウム(5.59g)を残留物に添加した。結果としての混合物を1時間撹拌し、次いで酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜25%の勾配で溶出させて、7−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]−クロメン−6−カルボン酸メチル(0.735g)をガム状物として得、これは静置すると結晶化した。
【0304】
H NMR (CDCl)δ:7.45 (1H, m), 7.26 (1H, s), 6.79 (1H, d), 6.65 (1H, d), 5.44 (2H, s), 3.87 (3H, s), 1.42 (18H, s).
中間体11:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−安息香酸メチル
【化52】
【0305】
四臭化炭素(0.116g)を、6−(ベンゼン−スルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−安息香酸メチル(中間体19、0.1g)およびトリフェニルホスフィン(0.09g)のDCM(3mL)中溶液に添加し、そして結果としての溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をDMF(2mL)中に溶解させ、炭酸セシウム(0.163g)を添加した。混合物を1時間室温で、次いで50℃で15分間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサン(25%)の混合物で溶出させて、7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.019g)を得た。
【0306】
H NMR (CDCl)δ:7.71 (2H, dd), 7.64−7.59 (1H, m), 7.50−7.45 (2H, m), 7.43−7.43 (1H, m), 7.18 (1H, d), 6.78 (1H, d), 6.62 (1H, d), 5.38 (2H, s), 4.53 (2H, s), 3.82 (3H, s).
【0307】
中間体12:8−(ベンゼンスルホニルメチル)−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサ−ベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル
【化53】
【0308】
6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(中間体23)から出発して、中間体10と類似した方法で進行することによって調製した。
【0309】
H NMR (CDCl)δ:7.70 (2H, d), 7.61 (1H, d), 7.49 (3H, m), 7.40 (1H, s), 7.01 (1H, d), 6.68 (1H, d), 4.52 (2H, s), 4.27 (2H, t), 3.82 (3H, s), 3.26 (2H, t).
【0310】
中間体13:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル
【化54】
【0311】
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.014g)を、3−[4−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシフェニル]−フラン−2−カルボン酸(中間体21、0.028g)およびDMAP(0.0003g)のDCM(5mL)中溶液に添加し、混合物を72時間撹拌した。水およびDCMを添加し、有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、30〜40%の勾配で溶出させて、7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(0.037g)を白色固体として得た。
【0312】
H NMR (CDCl)δ:7.92 (1H, d), 7.80−7.76 (2H, m), 7.71 (1H, s), 7.65 (1H, d), 7.52 (2H, t), 7.36 (1H, d), 7.03 (1H, d), 4.67 (2H, s), 1.67 (9H, s).
【0313】
中間体14:7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化55】
【0314】
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.02g)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−[2−(1−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(中間体20、0.042g)およびトリフェニルホスフィン(0.026g)のTHF(2mL)中溶液に添加し、混合物を1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜10%の勾配で溶出させて、7−(ベンゼンスルホニルメチル)−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.038g)を白色固体として得た。
【0315】
H NMR (CDCl)δ:7.71 (2H, d), 7.61 (1H, t), 7.48 (2H, t), 7.41 (1H, d), 7.18 (1H, d), 6.79 (1H, d), 6.61 (1H, d), 5.59 (1H, q), 4.53 (2H, s), 3.82 (3H, s), 1.61 (3H, d).
【0316】
中間体15:8−アミノ−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル
【化56】
【0317】
6−アミノ−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(中間体25)から出発して、中間体14と類似した方法で進行することによって調製した。
【0318】
LCMS (方法D)r/t 3.23 (M+H)260.
【0319】
中間体16:7−アミノフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル
【化57】
【0320】
1Mの塩酸(14滴)を硫酸鉄(II)7水和物(18.44g)の水(50mL)中溶液に添加し、結果としての溶液を6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ニトロ安息香酸メチル(中間体30、2.02g)に添加した。結果としての混合物を撹拌し、10分間還流加熱し、次いで70℃まで冷却した。メタノール(50mL)を添加し、続いて水性アンモニア(33%、19.2mL)を添加し、混合物を撹拌し、5時間還流加熱した。冷却後、メタノール(50mL)を添加し、混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DMAW350、続いてDMAW240およびDMAW120で溶出させて、7−アミノフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(0.27g)を褐色固体として得た。
【0321】
H NMR (DMSO−d)δ:9.08 (1H, s), 8.33−8.31 (1H, m), 8.15 (1H, d), 7.56 (1H, m), 7.26−7.17 (1H, m), 6.09 (2H, br, s), 3.89 (3H, s).
【0322】
中間体17:6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−安息香酸メチル
【化58】
【0323】
1Mの水性水酸化ナトリウム(50mL)を、6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−2−(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)安息香酸メチル(中間体18、3.82g)のメタノール(100mL)中溶液に添加し、そして混合物を撹拌し、45℃で1.5時間加熱した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を酢酸エチル中に溶解させ、酢酸で酸性化した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜50%の勾配で溶出させて、6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)安息香酸メチル(2.65g)を白色泡状物として得た。
【0324】
H NMR (CDCl)δ:11.91 (1H, s), 7.50 (2H, m), 6.80 (1H, d), 6.57 (1H, d), 4.58 (2H, s), 3.97 (3H, s), 1.43 (18H, s).
【0325】
中間体18:6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシメチル−フラン−3−イル)−2−(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)−安息香酸メチル
【化59】
【0326】
ホウ水素化ナトリウム(0.304g)を、6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)安息香酸メチル(中間体22、3.9g)のエタノール(50mL)中溶液に添加し、そして混合物を15分間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させて、6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−2−(4−メチルベンゼン−スルホニルオキシ)−安息香酸メチル(3.82g)を白色固体として得た。
【0327】
H NMR (CDCl)δ:7.40 (1H, d), 7.38 (2H, d), 7.30 (1H, d), 7.18 (1H, d), 7.11 (2H, d), 6.28 (1H, d), 4.33 (2H, s), 3.82 (3H, s), 2.40 (3H, s), 1.42 (18H, s).
【0328】
中間体19:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−メチルフラン−3−イル)−安息香酸メチル
【化60】
【0329】
ホウ水素化ナトリウム(0.031g)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体28、0.67g)のメタノール(6mL)およびTHF(12mL)中溶液に0℃で添加し、結果としての混合物を0℃で10分間撹拌した。飽和水性塩化アンモニウム,酢酸エチルおよび水を添加し、そして有機層を分離し、塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、30〜80%の勾配で溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−安息香酸メチル(0.65g)を白色固体として得た。
【0330】
H NMR (CDCl)δ:11.66 (1H, s), 7.66−7.62 (3H, m), 7.48 (3H, m), 7.35 (1H, d), 6.58 (1H, d), 6.55 (1H, d), 4.90 (2H, s), 4.56 (2H, s), 3.96 (3H, s).
【0331】
中間体20:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−[2−(1−ヒドロキシ−エチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル
【化61】
【0332】
3−(2−アセチルフラン−3−イル)−6−ベンゼンスルホニルメチル−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体32)から出発して、中間体19と類似した方法で進行することによって調製した。
【0333】
H NMR (CDCl)δ:11.63 (1H, s), 7.64 (3H, dd), 7.47 (3H, m), 7.31 (1H, d), 6.59 (1H, d), 6.47 (1H, d), 4.91−4.89 (2H, m), 4.81 (1H, t), 3.95 (3H, s), 1.54 (3H, s).
【0334】
中間体21:3−[4−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェニル]−フラン−2−カルボン酸
【化62】
【0335】
リン酸二水素ナトリウム(0.039g)の水(1mL)中溶液を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(中間体27、0.105g)のアセトニトリル(2mL)中溶液に0℃で添加した。過酸化水素(水中50重量%、0.078mL)および亜塩素酸ナトリウム(0.029g)を添加し、反応混合物を室温まで温め、18時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、さらに水(0.5mL)中リン酸二水素ナトリウム(0.028g)、過酸化水素(水中50重量%、0.038mL)および亜塩素酸ナトリウム(0.052g)を添加し、混合物を室温まで温め、18時間撹拌した。混合物を亜硫酸ナトリウム(水中10%)上に0℃で注ぎ、酢酸エチル中に抽出し、水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールと1%メタノール中酢酸との混合物で、0〜100%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をシクロヘキサンおよび酢酸エチル中で摩砕し、固体をろ過によって集め、真空で乾燥して、3−[4−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェニル]−フラン−2−カルボン酸(0.028g)を白色固体として得た。
【0336】
H NMR (CDCl)δ:11.92 (1H, s), 7.66 (1H, d), 7.56 (3H, m), 7.43 (2H, d), 7.23 (1H, d), 6.75 (1H, d), 6.15 (1H, d), 4.88 (2H, s), 1.70 (9H, s).
【0337】
中間体22:6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)−安息香酸メチル
【化63】
【0338】
トリエチルアミン(0.848g)を、6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体26、1.72g)、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.25g)およびDMAP(0.804g)のDCM(30mL)中撹拌溶液に添加し、結果としての混合物を1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をアセトニトリル(30mL)およびDMAP(0.804g)中に溶解させ、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(3.16g)を添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜50%の勾配で溶出させて、6−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)−安息香酸メチル(3.91g)を白色泡状物として得た。
【0339】
H NMR (CDCl)δ:9.13 (1H, d), 7.54 (1H, dd), 7.38 (1H, d), 7.31 (2H, d), 7.23 (1H, d), 7.05 (2H, d), 6.75 (1H, d), 3.94 (3H, s), 2.37 (3H, s), 1.45 (18H, s).
【0340】
中間体23:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル
【化64】
【0341】
9−ボロビシクロノナンの溶液(THF中0.5M、12.6mL)を、THF(20mL)中6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(2−ビニルフラン−3−イル)−安息香酸メチル(中間体24、1.0g)に50℃で添加し、結果としての混合物を撹拌し、50℃で75分間加熱した。室温まで冷却した後、35%過酸化水素(2mL)を添加し、混合物を1.5時間撹拌した。水および酢酸エチルを混合物に添加し、有機層を分離し、水、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、30〜70%の勾配で溶出させた。生成物をジエチルエーテルで摩砕し、固体をろ過によって集め、真空で乾燥して、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(0.4g)を得た。
【0342】
H NMR(CDCl)δ:11.43 (1H, s), 7.63 (3H, dd), 7.48 (2H, t), 7.43 (1H, d), 7.29 (1H, d), 6.57−6.53 (2H, m), 4.89 (2H, s), 3.94 (3H, s), 3.91 (2H, t), 2.91 (2H, t).
【0343】
中間体24:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(2−ビニルフラン−3−イル)−安息香酸メチル
【化65】
【0344】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(真空下、60℃で予備乾燥、3.80g)のTHF(60mL)中懸濁液を5℃まで窒素下で冷却した。カリウムビス−(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M、21.3mL)を添加し、懸濁液を室温まで温め、45分間撹拌した。これを−78℃まで冷却し、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体28、1.42g)のTHF(40mL)中溶液を添加し、混合物を室温まで温め、2.5時間撹拌した。酢酸エチルおよび塩化アンモニウムの飽和水溶液を混合物に添加し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、15〜35%の勾配で溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(2−ビニルフラン−3−イル)−安息香酸メチル(1.24g)を白色固体として得た。
【0345】
H NMR (CDCl)δ:11.41 (1H, s), 7.63 (3H, dd), 7.48 (2H, m), 7.43 (1H, d), 7.25 (1H, d), 6.67 (1H, d), 6.54 (1H, d), 6.47 (1H, m), 5.77 (1H, dd), 5.22 (1H, dd), 4.90 (2H, s), 3.95 (3H, s).
【0346】
中間体25:6−アミノ−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル
【化66】
【0347】
フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M溶液、25mL)を、6−アミノ−3−{2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−フラン−3−イル}−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体29、1.34g)のTHF(75mL)中溶液に添加し、そして混合物を1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、水および酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜50%の勾配で溶出させて、6−アミノ−2−ヒドロキシ−3−[2−(2−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(0.88g)を黄色ガム状物として得た。
【0348】
H NMR (CDCl)δ:11.70 (1H, s), 7.39 (1H, d), 7.15 (1H, d), 6.46 (1H, d), 6.20 (1H, d), 5.30 (2H, br, s), 4.02 (3H, s), 2.90 (2H, t), 1.26 (2H, t).
【0349】
中間体26:6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化67】
【0350】
6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(Wang et al, Bioorg Med Chem Lett 2007 17 2817にしたがって調製、1.84g)、2−ホルミルフラン−3−ボロン酸ピナコールエステル(1.99g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.218g)、炭酸セシウム(7.33g)およびトリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.343g)のジオキサン(75mL)および水(9.4mL)中混合物を65℃にて、窒素下で1時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜50%の勾配で溶出させて、6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(1.72g)を黄色固体として得た。物質をさらに特性化することなく使用した。
【0351】
中間体27:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル
【化68】
【0352】
6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(中間体38)および2−ホルミルフラン−3−ボロン酸ピナコールエステルから出発して、中間体26と類似した方法で進行することによって調製した。
【0353】
H NMR (CDCl)δ:12.03 (1H, s), 9.63 (1H, d), 7.71 (1H, d), 7.65 (3H, d), 7.49 (2H, t), 7.29−7.24 (1H, m), 6.84 (1H, d), 6.29 (1H, d), 4.96 (2H, s), 1.73 (9H, s).
【0354】
中間体28:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化69】
【0355】
6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体40)および2−ホルミルフラン−3−ボロン酸ピナコールエステルから出発して、中間体26と類似した方法で進行することによって調製した。
【0356】
H NMR (CDCl)δ:11.61 (1H, s), 9.66 (1H, d), 7.72 (1H, dd), 7.65−7.65 (3H, m), 7.51 (2H, m), 7.41 (1H, d), 6.84 (1H, d), 6.59 (1H, d), 4.92 (2H, s), 3.99 (3H, s).
【0357】
中間体29:6−アミノ−3−{2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−フラン−3−イル}−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化70】
【0358】
6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(Wang et al, Bioorg Med Chem Lett 2007 17 2817にしたがって調製)および2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−フラン−3−イル−ボロン酸(中間体33)から出発して、中間体26と類似した方法で進行することによって調製した。物質をさらに特性化することなく使用した。
【0359】
中間体30:6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ニトロ安息香酸メチル
【化71】
【0360】
6−アミノ−3−ブロモ−2−ニトロベンゾエート(Brock et al, Tetrahedron 1963 19 1911にしたがって調製)および2−ホルミルフラン−3−ボロン酸ピナコールエステルから出発して、中間体26と類似した方法で進行することによって調製した。
【0361】
H NMR (DMSO−d)δ:9.45 (1H, d), 8.11 (1H, m), 7.48 (1H, d), 7.06 (1H, d), 6.93 (2H, br, s), 6.67 (1H, d), 3.76 (3H, s).
【0362】
中間体31:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−(2−ヒドロキシアセチルアミノ)−安息香酸tert−ブチル
【化72】
【0363】
6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−(2−ヒドロキシ−アセチルアミノ)安息香酸tert−ブチル(中間体36、0.165g)、2−ホルミルフラン−3−ボロン酸ピナコールエステル(0.091g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム二塩酸塩DCM複合体(0.028g)および炭酸セシウム(0.311g)のTHF(4.3mL)中混合物および水(0.7mL)を窒素下、マイクロ波バイアル中に密封し、そしてマイクロ波中、140℃で10分間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−(2−ヒドロキシアセチルアミノ)−安息香酸tert−ブチル(0.17g)を得た。
【0364】
LCMS (方法A)r/t 3.00 (M+H)500
【0365】
中間体32:3−(2−アセチルフラン−3−イル)−6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化73】
【0366】
6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体40、0.4g)、2−アセチルフラン−3−ボロン酸(0.24g)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.12g)、フッ化カリウム一水和物(0.302g)および臭化ナトリウム(0.192g)のα,α,α−トリフルオロトルエン(8mL)およびジオキサン(4mL)中混合物を脱気し、次いでマイクロ波中175℃で30分間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水を添加した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜25%の勾配で溶出させて、3−(2−アセチルフラン−3−イル)−6−(ベンゼンスルホニルメチル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.21g)を白色固体として得た。
【0367】
H NMR (CDCl)δ:11.40 (1H, d), 7.64 (3H, m), 7.58 (1H, d), 7.49 (2H, m), 7.42 (1H, d), 6.74 (1H, d), 6.55 (1H, d), 4.90 (2H, s), 3.95 (3H, s), 2.45 (3H, s).
【0368】
中間体33:2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−フラン−3−イル−ボロン酸
【化74】
【0369】
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.78mL)を、[2−(3−ブロモフラン−2−イル)−エトキシ]−tert−ブチルジメチルシラン(中間体34、4.01g)のジエチルエーテル(130mL)中溶液に−60℃にて窒素下で添加し、結果としての混合物を30分間撹拌した。ボロン酸トリメチル(2.73g)を次いで混合物に添加し、これをさらに10分間撹拌した。反応混合物を0℃まで温め、水を添加し、そして混合物を15分間撹拌した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜30%の勾配で溶出させて、2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−フラン−3−イル−ボロン酸(1.23g)を無色油状物として得た。
【0370】
H NMR (CDCl)δ:7.28 (1H, d), 6.43 (1H, d), 3.98 (2H, t), 2.97 (2H, t), 1.64−1.50 (3H, m), 1.40−1.37 (3H, m), 0.84−0.81 (9H, m).
【0371】
中間体34:[2−(3−ブロモフラン−2−イル)−エトキシ]−tert−ブチルジメチルシラン
【化75】
【0372】
トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリル(4.47g)を、2−(3−ブロモフラン−2−イル)−エタノール(中間体35、2.94g)およびピリジン(2.43g)のDCM(40mL)中溶液に添加し、混合物を90分間撹拌した。水を添加し、そして有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DCMおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜25%の勾配で溶出させて、[2−(3−ブロモ−フラン−2−イル)−エトキシ]−tert−ブチルジメチルシラン(3.98g)を無色油状物として得た。物質をさらに特性化することなく使用した。
【0373】
中間体35:2−(3−ブロモフラン−2−イル)−エタノール
【化76】
【0374】
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、12.9mL)を、2,3−ジブロモフラン(6.63g)のジエチルエーテル(40mL)中溶液に−78℃にて窒素下で添加し、混合物を15分間撹拌した。エチレンオキシド(15mL)のジエチルエーテル(40mL)中溶液を次いで添加した。反応混合物をさらに10分間撹拌し、次いで室温まで温め、30分間撹拌した。飽和水性塩化アンモニウムを添加し、有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜25%の勾配で溶出させて、2−(3−ブロモフラン−2−イル)−エタノール(3.81g)を黄色油状物として得た。
【0375】
H NMR (CDCl)δ:7.31 (1H, d), 6.39 (1H, d), 3.90 (2H, q), 2.94 (2H, t).
【0376】
中間体36:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−(2−ヒドロキシ−アセチルアミノ)−安息香酸tert−ブチル
【化77】
【0377】
水酸化ナトリウム(0.14g)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−カルバモイルメトキシ安息香酸tert−ブチル(中間体37、0.33g)のDMF(5mL)中溶液に添加し、そして混合物を7時間撹拌した。酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を混合物に添加し、有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびペンタンの混合物で、20〜100%の勾配で溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−(2−ヒドロキシアセチルアミノ)−安息香酸tert−ブチル(0.17g)を黄色油状物として得た。
【0378】
H NMR (CDCl)δ:8.56 (1H, br, s), 7.76 (2H, d), 7.62 (2H, d), 7.54 (2H, t), 6.96 (1H, d), 4.71 (2H, s), 4.31 (2H, s), 1.61 (9H, s).
【0379】
中間体37:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−カルバモイルメトキシ安息香酸tert−ブチル
【化78】
【0380】
2−ブロモアセトアミド(0.12g)および炭酸カリウム(0.28g)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(中間体38、0.34g)のアセトン(10mL)中溶液に添加し、そして混合物を18時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、残留物をDCM中に懸濁させ、不溶性物質をろ過によって除去した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびペンタンの混合物で、50〜60%の勾配で溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−カルバモイルメトキシ安息香酸tert−ブチル(0.30g)を得た。
【0381】
H NMR (CDCl)δ:7.74−7.68 (2H, m), 7.66 (1H, m), 7.59−7.48 (3H, m), 6.99 (1H, d), 6.73 (1H, br, s), 5.86 (1H, br, s), 4.53 (2H, s), 4.49 (2H, s), 1.58 (9H, s).
【0382】
中間体38:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−安息香酸tert−ブチル
【化79】
【0383】
tert−ブタノール(1mL)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.4g)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸(中間体39、0.48g)およびDMAP(0.016g)のTHF(10mL)中溶液に添加し、そして混合物を18時間撹拌した。これを蒸発乾固させ、残留物をDCM中に懸濁させ、不溶性物質をろ過によって除去した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DCMで溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(0.34g)を得た。
【0384】
H NMR (CDCl)δ:12.09 (1H, s), 7.62−7.55 (3H, m), 7.48 (2H, m), 7.41 (1H, d), 6.07 (1H, d), 4.87 (2H, s), 1.70 (9H, s).
【0385】
中間体39:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸
【化80】
【0386】
6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体40)から出発して、実施例1と類似した方法で進行することによって調製した。
【0387】
LCMS (方法B)r/t 3.16 (M+H)371/373.
【0388】
中間体40:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化81】
【0389】
塩化アルミニウム(2.16g)を、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−メトキシ安息香酸メチル(中間体41、2.15g)およびN,N−ジメチルアニリン(3.26g)のDCM(35mL)中撹拌溶液に添加し、そして結果としての混合物を50分間撹拌した。氷水およびDCMを添加し、有機層を分離し、1MのHClで洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DCMで溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(1.83g)を白色固体として得た。
【0390】
H NMR (CDCl)δ:11.61 (1H, d), 7.62 (1H, m), 7.59−7.56 (2H, m), 7.53 (1H, d), 7.46−7.45 (2H, m), 6.38 (1H, d), 4.82 (2H, s), 3.93 (3H, s).
【0391】
中間体41:6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−メトキシ安息香酸メチル
【化82】
【0392】
3−ブロモ−6−ジブロモメチル−2−メトキシ安息香酸メチル(中間体42A、19g)のDMA(300mL)中溶液を、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(17.9g)および炭酸水素ナトリウム(9.5g)の水(70mL)中撹拌溶液に添加し、そして混合物を 90℃で2時間加熱した。冷却後、混合物を水中に注ぎ、セライトを通してろ過し、パッドを酢酸エチルで洗浄した。有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびペンタンの混合物で、0〜100%の勾配で溶出させて、6−(ベンゼンスルホニルメチル)−3−ブロモ−2−メトキシ安息香酸メチル(13.8g)を得た。
【0393】
H NMR (CDCl)δ: 7.7 (2H, d), 7.65 (1H, t), 7.6 (1H, d), 7.5 (2H, t), 6.95 (1H, d), 4.5 (2H, s), 3.9 (3H, s), 3.85 (3H, s).
【0394】
中間体42:3−ブロモ−6−ジブロモメチル−2−メトキシ安息香酸メチル(42A)および3−ブロモ−6−ブロモメチル−2−メトキシ安息香酸メチル(42B)
【化83】
【0395】
3−ブロモ−2−メトキシ−6−メチル安息香酸メチル(中間体43、30g)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(26.54g)および触媒量のAIBNの1,2−ジクロロエタン(500mL)中溶液を含む2つのバッチのそれぞれを、500Wのタングステンフィラメントランプで40分間照らしながら、90℃で加熱した。冷却後、固体をろ過によって除去し、ろ液を蒸発乾固させた。2つの残留物を組み合わせ、シリカ上クロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチルメチルエーテルおよびペンタンの混合物で、0〜15%の勾配で溶出させて、3−ブロモ−6−ジブロモメチル−2−メトキシ安息香酸メチル(42A、19g)を油状物として、そして3−ブロモ−6−ブロモメチル−2−メトキシ安息香酸メチル(42B、54g)を結晶性固体として得た。
【0396】
中間体42A: H NMR (CDCl)δ:7.71 (1H, d), 7.66 (1H, d), 6.74 (1H, s), 4.00 (3H, s), 3.90 (3H, s).
【0397】
中間体42B:H NMR (CDCl)δ: 7.58 (1H, d), 7.06 (1H, d), 4.47 (2H, s), 3.98 (3H, s), 3.91 (3H, s).
【0398】
中間体43:3−ブロモ−2−メトキシ−6−メチル安息香酸メチル
【化84】
【0399】
3−ブロモ−2−ヒドロキシ−6−メチル安息香酸メチル(中間体44、114.5g)、硫酸ジメチル(61mL)および炭酸カリウム(166g)のアセトン(1l)中混合物を2.5時間還流加熱した。冷却後、混合物をろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。残留物をDCM中に溶解させ、水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチルメチルエーテルおよびペンタンの混合物で、0〜40%の勾配で溶出させた。生成物を再度シリカ上クロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチルメチルエーテルおよびペンタンの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させた。生成物を再度シリカ上クロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチルメチルエーテルおよびペンタンの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させて、3−ブロモ−2−メトキシ−6−メチル安息香酸メチル(66g)を得た。
【0400】
H NMR (CDCl)δ: 7.45 (1H, d), 6.85 (1H, d), 3.95 (3H, s), 3.9 (3H, s), 2.25 (3H, s).
【0401】
中間体44:3−ブロモ−2−ヒドロキシ−6−メチル安息香酸メチル
【化85】
【0402】
1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(65g)のDCM(150mL)中溶液を、6−メチル−2−オキソシクロへキシ−3−エンカルボン酸メチル(Hauser et al, Synthesis 1980 814と類似した方法で調製、75.16g)およびN,N−ジ−イソプロピルアミン(6.15mL)のDCM(500mL)中撹拌・冷却溶液に0℃で滴加し、結果としての混合物を室温で3日間撹拌した。混合物を0℃まで再冷却し、さらに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(11g)を添加し、混合物を0℃で3時間撹拌した。沈殿をろ過によって除去し、ろ液を蒸発乾固させて、3−ブロモ−2−ヒドロキシ−6−メチル安息香酸メチル(114.5g)を油状物として得た。
【0403】
H NMR (CDCl)δ: 11.95 (1H, s), 7.55 (1H, d), 6.65 (1H, d), 4.9 (3H, s), 2.5 (3H, s).
【0404】
中間体45:7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化86】
【0405】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼン−スルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体4、0.210g)のエタノール(6mL)中溶液を、水酸化パラジウム(0.020g)およびギ酸(3滴)を含むフラスコに窒素下で添加した。窒素雰囲気を水素によって置換し、そして混合物を水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液を蒸発乾固させた。残留物を酢酸エチル中に溶解させ、10%水性炭酸カリウム溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2Mのメタノール中アンモニアおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させて、7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.137g)を得た。
【0406】
H NMR (CDCl)δ:7.91 (1H, dd), 7.39 (1H, d), 7.18 (1H, d), 7.07−6.99 (2H, m), 6.93−6.92 (1H, m), 6.56 (1H, d), 5.35 (2H, s), 3.82 (3H, s), 2.92 (2H, t), 2.62−2.52 (6H, m), 1.83 (2H, m), 1.04 (6H, t).
【0407】
中間体46:7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化87】
【0408】
TFA(1mL)を、7−{N−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−アミノ}−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体47、0.410g)のDCM(10mL)中溶液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。水性炭酸カリウムを添加し、層を分離した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DMAW350で、続いてDMAW240で溶出させて、7−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.096g)を黄色ガム状物として得た。
【0409】
LCMS (方法D)r/t 2.78 (M+H)487.
【0410】
中間体47:7−{N−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化88】
【0411】
メタンスルホニルクロリド(0.100g)を、7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル)ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体48、0.413g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.226g)のDCM(7mL)中氷冷撹拌溶液に添加した。反応混合物を氷冷しながら30分間撹拌した。エチルアミン(THF中2M、2mL)を添加し、反応混合物を室温で5時間撹拌した。それをDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DMAW350で、続いてDMAW240、次いでDMAW120で溶出させた。結果としての生成物をトルエンおよびエタノールで共沸させ、7−{N−[2−((Z)−3−エチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.401g)を暗黄色ガム状物として得た。
【0412】
H NMR (CDCl)δ:7.84 (1H, dd), 7.43 (1H, d), 7.20 (1H, d), 7.04−6.92 (2H, m), 6.88 (1H, d), 6.80 (1H, d), 6.62 (1H, d), 5.90 (1H, m), 5.37 (2H, s), 5.10 (2H, br, s), 3.66 (3H, s), 3.61 (2H, t), 3.48 (2H, dd), 2.79 (2H, q), 1.14 (3H, t), 0.90 (2H, dd), 0.00 (9H, s).
【0413】
中間体48:7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化89】
【0414】
7−[N−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体49、3.28g)および(Z)−3−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オール(中間体1、3.71g)のジオキサン(40mL)およびDMSO(4mL)中溶液を脱気し、窒素でフラッシュした。トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.245g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.155g)を添加し、混合物を再度脱気し、窒素でフラッシュした。反応混合物を窒素下、95℃で45分間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜30%の勾配で溶出させて、7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(3.01g)を白色泡状物として得た。
【0415】
H NMR (CDCl)δ:7.83 (1H, dd), 7.43 (1H, d), 7.20 (1H, d), 7.00 (1H, td), 6.95−6.91 (2H, m), 6.85 (1H, d), 6.61 (1H, d), 5.99−5.95 (1H, m), 5.37 (2H, s), 5.14 (2H, br, s), 4.21−4.15 (2H, t), 3.68 (3H, s), 3.58 (2H, t), 0.88 (2H, m), 0.00 (9H, s).
【0416】
中間体49:7−[N−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニル)−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化90】
【0417】
水素化ナトリウム(60%の油中分散液、0.304g)を、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体7、2.93g)のTHF(30mL)中撹拌溶液に添加した。結果として得られた混合物を、発泡が停止するまで室温で5分間撹拌した。2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.27g)を添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル中に溶解させ、水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜20%の勾配で溶出させて、7−[(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニル)−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(3.51g)を白色泡状物として得た。
【0418】
H NMR (CDCl)δ:7.82 (1H, dd), 7.43 (1H, dd), 7.39 (1H, m), 7.22 (1H, d), 7.06 (1H, d), 6.98 (1H, ddd), 6.59 (1H, d), 5.31 (2H, s), 5.28−5.17 (2H, br, s), 3.75−3.67 (2H, m), 3.70 (3H, s), 0.93 (2H, t), 0.00 (9H, s).
【0419】
中間体50:8−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−アミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル
【化91】
【0420】
8−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(中間体5、0.147g)をエタノール中に懸濁させた。ギ酸(2滴)を添加し、フラスコを空にし、窒素ガスでパージした。水酸化パラジウム(20重量%、0.015g)を添加し、窒素を水素で置換し、混合物を室温にて水素雰囲気下、1時間撹拌した。混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、エタノールで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、2.5〜10%の勾配で溶出させて、8−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4,5−ジヒドロ−3,6−ジオキサベンゾ[e]アズレン−7−カルボン酸メチル(0.134g)を黄色ガラス状固体として得た。
【0421】
H NMR (CDCl)δ:8.56 (1H, s), 7.87 (1H, dd), 7.50 (1H, d), 7.36 (1H, d), 7.19 (1H, d), 7.06 (1H, dd), 6.94 (1H, m), 6.60 (1H, d), 4.23 (2H, t), 3.81 (3H, s), 3.23 (2H, t), 2.99−2.98 (8H, m), 2.05 (2H, m), 1.24 (6H, t).
【0422】
中間体51:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化92】
【0423】
TFA(2mL)を、7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−{モルホリン−4−イル}プロプ−1−エニル)ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体52、1.15g)のDCM(20mL)中溶液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。水性炭酸カリウムを添加し、層を分離した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、20〜80%の勾配で溶出させて、7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(モルホリン−4−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.412g)を黄色泡状物として得た。
【0424】
H NMR (CDCl)δ:8.08 (1H, dd), 7.39 (1H, d), 7.15 (1H, d), 7.11−7.03 (2H, m), 6.99 (1H, d), 6.90 (1H, d), 6.54 (1H, d), 6.00 (1H, dt), 5.36 (2H, s), 3.87 (3H, s), 3.62 (4H, t), 2.95 (2H, br, m), 2.33 (4H, br, s).
【0425】
中間体52:7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−{モルホリン−4−イル}プロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化93】
【0426】
メタンスルホニルクロリド(0.100g)を、7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル)ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体48、1.57g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.859g)のDCM(25mL)中氷冷撹拌溶液に添加し、そして混合物を氷浴中20分間撹拌した。モルホリン(0.689g)を添加し、反応混合物を室温で90分間撹拌した。それを水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜80%の勾配で溶出させて、7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−{モルホリン−4−イル}プロプ−1−エニル)ベンゼンスルホニル]−N−(2−トリメチルシラニルエトキシ−メチル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(1.15g)を黄色ガム状物として得た。
【0427】
H NMR (CDCl)δ:7.82 (1H, dd), 7.43 (1H, d), 7.19 (1H, d), 7.09 (1H, dd), 7.00−6.94 (1H, m), 6.89 (1H, d), 6.81 (1H, d), 6.61 (1H, d), 5.91−5.83 (1H, m), 5.37 (2H, s), 5.12 (2H, br, s), 3.72−3.66 (4H, m), 3.68 (3H, s), 3.63 (2H, t), 3.04 (2H, dd), 2.42 (4H, s), 0.91 (2H, dd), 0.00 (9H, s).
【0428】
中間体53::7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(ピロリジン−1−イル)プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化94】
【0429】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体7、0.300g)および1−((Z)−3−トリブチルスタンナニル−アリル)−ピロリジン(中間体54、0.390g)のDMSO(2mL)およびジオキサン(8mL)中混合物を脱気し、窒素でパージした後、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.076g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.048g)を添加し、混合物を90℃で3時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、ろ過した。ろ液を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そしてろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2Mのメタノール中アンモニアおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をエーテルで摩砕して、7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(ピロリジン−1−イル)プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニル−アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.124g)を淡オレンジ色固体として得た。
【0430】
H NMR (CDOD)δ:8.02 (1H, dd), 7.51 (1H, m), 7.16 (2H, d), 7.11−7.01 (2H, m), 6.76 (1H, d), 6.69 (1H, d), 5.93−5.83 (1H, m), 5.31 (2H, s), 3.80 (3H, s), 3.37−3.33 (2H, m), 2.69 (4H, m), 1.78 (4H, m).
【0431】
中間体54:1−((Z)−3−トリブチルスタンナニルアリル)−ピロリジン
【化95】
【0432】
((Z)−3−ブロモプロプ−1−エニル)トリブチルスタンナン(中間体2)およびピロリジンから出発して、中間体3と類似した方法で進行することによって調製した。
【0433】
H NMR (CDCl)δ:6.64 (1H, dt), 5.96 (1H, dt), 3.10 (2H, dd), 2.51 (4H, m), 1.79−1.78 (4H, m), 1.54−1.45 (6H, m), 1.36−1.26 (6H, m), 0.91−0.88 (15H, t).
【0434】
中間体55:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル
【化96】
【0435】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体56、0.330g)およびN,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3、0.493g)のジオキサン中懸濁液を若干温め、次いで脱気し、窒素でパージした。トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.056g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.036g)を添加し、混合物を脱気し、再度窒素でパージした。結果としての混合物を95℃にて、窒素雰囲気下で75分間加熱した。これを冷却し、真空で濃縮し、残留物を水と酢酸エチルとの間で分配した(2×)。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMで、0〜25%の勾配で溶出させた。生成物をエーテルで摩砕し、結果としての生成物を真空中、50℃にて一晩乾燥して、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(0.215g)を砂色固体として得た。
【0436】
H NMR (CDCl)δ:8.16 (1H, dd), 7.87 (1H, d), 7.64 (1H, d), 7.40 (1H, d), 7.11 (1H, td), 7.03 (2H, m), 6.93 (1H, d), 6.15− 6.06 (1H, m), 3.19 (2H, br, d), 2.62−2.53 (4H, m), 1.67 (9H, s), 0.95 (6H, t).
【0437】
中間体56:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル
【化97】
【0438】
2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.229g)を、7−アミノ−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体57、0.210g)およびピリジン(1.13mL)のDCM(20mL)中溶液に添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を真空で半分の体積まで減じ、そして結果としての混合物を撹拌し、そして35℃で6時間加熱した。さらに、2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.572g)を添加し、反応混合物を35℃で一晩加熱した。混合物を蒸発乾固させ、残留物を水と酢酸エチルとの間で分配した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンで、5〜20%の勾配で溶出させて、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(0.329g)を白色固体として得た。
【0439】
H NMR (CDCl)δ:8.30(1H, dd), 7.88 (1H, d), 7.65 (1H, d), 7.53 (1H, d), 7.44 (1H, dd), 7.21−7.13 (1H, m), 6.93 (1H, d), 1.71 (9H, s).
【0440】
中間体57:7−アミノ−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル
【化98】
【0441】
7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体58、0.318g)の酢酸エチル(10mL)中溶液に、酢酸エチル(10mL)中活性炭上10%パラジウム(0.032g)のスラリーを添加した。フラスコを脱気し、水素で満たし、混合物を室温で90分間撹拌した。混合物を、セライトを通してろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空で濃縮して、7−アミノ−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(0.214g)を白色固体として得た。
【0442】
H NMR (CDCl)δ:7.81 (1H, d ), 7.49 (1H, d ), 6.87 (1H, d), 6.64 (1H, d), 1.68 (9H, s).
【0443】
中間体58:7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル
【化99】
【0444】
4−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシフェニル)−フラン−3−カルボン酸(中間体59、0.382g)およびDMAP(0.005g)のTHF(25mL)中溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.209g)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、結果としての白色沈殿をろ過で除去し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜20%の勾配で溶出させて、7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−オキソ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸tert−ブチル(0.318g)を白色固体として得た。
【0445】
H NMR (CDCl)δ:9.26 (1H, s), 8.34 (1H, d), 7.88 (1H, d), 7.75 (1H, d), 7.45−7.33 (5H, m), 6.99 (1H, d), 5.24 (2H, s), 1.68 (9H, s).
【0446】
中間体59:3−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシフェニル)−フラン−2−カルボン酸
【化100】
【0447】
亜塩素酸ナトリウム(0.113g)およびリン酸二水素ナトリウム(0.168g)の水(51mL)中溶液を、6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(中間体60、0.438g)および2−メチル−2−ブテン(1.06mL)のtert−ブタノール(25mL)およびアセトニトリル(5mL)中懸濁液に添加した。反応混合物を室温で撹拌した。さらなる量の水(4mL)中亜塩素酸ナトリウム(0.137g)およびリン酸二水素ナトリウム(0.180g)を添加し、反応混合物を室温で4.5時間撹拌した。結果としての混合物を1M水酸化ナトリウム溶液でpH10に塩基性化し、そして混合物を真空で濃縮した。水(15mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。水性層を1M塩酸でpH2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜15%の勾配で溶出させて、3−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシフェニル)−フラン−2−カルボン酸(0.385g)を黄色油状物として得、これは静置すると凝固した。
【0448】
H NMR (CDCl)δ:9.75 (1H, s), 7.95 (1H, d), 7.62 (1H, d), 7.50 (1H, d), 7.41−7.37 (5H, m), 6.70 (1H, d), 5.22 (2H, s), 1.67 (9H, s).
【0449】
中間体60:6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル
【化101】
【0450】
クロロギ酸ベンジル(0.528g)を、6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(中間体61、0.854g)のジエチルエーテル(20mL)中撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。さらなる量のクロロギ酸ベンジル(1.056g)を添加し、結果としての混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜15%の勾配で溶出させて、6−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(0.588g)を黄色固体として得た。
【0451】
H NMR (CDCl)δ:11.87 (1H, s), 9.76 (1H, s), 9.65 (1H, d), 8.01 (1H, d), 7.68 (1H, dd), 7.48 (1H, d), 7.41−7.34 (5H, m), 6.77 (1H, d), 5.23 (2H, s), 1.68 (9H, s).
【0452】
中間体61:6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル
【化102】
【0453】
6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(中間体62、1.16g)、2−ホルミルフラン−3−ボロン酸ピナコールエステル(1.073g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.184g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.117g)および炭酸セシウム(3.935g)の混合物を、ジオキサン(40mL)および水(5mL)中に懸濁させた。混合物を脱気し、窒素でフラッシュし、次いで70℃で3時間加熱した。冷却後、混合物を真空で濃縮した。残留物を水と酢酸エチルとの間で分配し、合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、2.5〜25%の勾配で溶出させて、6−アミノ−3−(2−ホルミルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(0.854g)を黄色油状物として得た。
【0454】
H NMR (CDCl)δ:12.11 (1H, s), 9.66 (1H, d), 7.64 (1H, dd), 7.25 (1H, d), 6.79 (1H, d), 6.21 (1H, d), 5.52 (2H, s), 1.67 (9H, s).
【0455】
中間体62:6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル
【化103】
【0456】
ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.14g)を6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸(中間体63、3.88g)およびDMAP(0.102g)のtert−ブタノール(20mL)およびTHF(150mL)中撹拌溶液に添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。結果としての白色沈殿をろ過で除去し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、2.5〜15%の勾配で溶出させて、6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸tert−ブチル(1.16g)を黄色固体として得た。
【0457】
H NMR (CDCl)δ:11.99 (1H, s), 7.30 (1H, d), 6.06 (1H, d), 5.35 (2H, s), 1.65 (9H, s).
【0458】
中間体63:6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸
【化104】
【0459】
6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(Wang et al, Bioorg Med Chem Lett 2007 17 2817にしたがって調製、5.41g)および水酸化リチウム一水和物(9.23g)の混合物をジオキサン(100mL)および 水(100mL)中に懸濁させ、80℃で一晩加熱した。温度を次いで100℃まで4時間上昇させた。さらなる量の水酸化リチウム一水和物(4.61g)を添加し、反応混合物を100℃でさらに1時間加熱した。冷却後、混合物を真空で濃縮し、残留物をギ酸でpH3に酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮して、6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸(6.22g)を黒/灰色固体として得た。
【0460】
H NMR (DMSO−d)δ:7.24 (1H, d), 6.16 (1H, d).
【0461】
中間体64:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化105】
【0462】
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.067g)を、6−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ−3−[2−(1−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(中間体65、0.180g)およびトリフェニルホスフィン(0.087g)のTHF(2mL)中溶液に10℃で添加した。結果として得られた混合物を、45分にわたって温度を室温まで上昇させつつ撹拌した。これを次いで真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜15%の勾配で溶出させて、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−4−メチル−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.070g)をガム状物として得た。
【0463】
H NMR (CDCl)δ:7.89 (1H, dd), 7.41 (1H, dd), 7.20−7.11 (2H, m), 7.09−7.01 (2H, m), 6.71 (1H, d), 6.60 (1H, d), 6.16 (1H, dt), 5.60 (1H, q), 4.55 (2H, s), 3.89 (3H, s), 3.34 (2H, d), 2.67 (4H, q), 1.62 (3H, d), 1.06 (6H, t).
【0464】
中間体65:6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ−3−[2−(1−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル
【化106】
【0465】
3−(2−アセチルフラン−3−イル)−6−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体66、0.862g)のメタノール(9mL)中溶液を、ホウ水素化ナトリウム(0.121g)のTHF(9mL)中懸濁液に−10℃で10分にわたって添加した。結果として得られた混合物を撹拌し、室温直下まで徐々に温めた。次いで飽和塩化アンモニウム溶液の添加によってクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮して、6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ−3−[2−(1−ヒドロキシエチル)−フラン−3−イル]−安息香酸メチル(0.820g)を泡状物として得た。
【0466】
H NMR (CDCl)δ:7.81 (1H, dd), 7.44 (1H, d), 7.28 (2H, m), 7.09 (2H, br, m), 6.48 (1H, d), 6.45 (1H, d), 6.12 (1H, br, m), 4.91 (2H, q), 4.81 (1H, q), 3.99 (3H, s), 3.36 (2H, br, m), 2.78 (4H, br, m), 1.55 (3H, d), 1.08 (6H, br, m).
【0467】
中間体66:3−(2−アセチルフラン−3−イル)−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化107】
【0468】
3−ブロモ−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体67、0.880g)、2−アセチルフラン−3−ボロン酸(中間体68、0.300g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0.075g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.050g)および炭酸セシウム(1.61g)のジオキサン(22mL)および水(2.6mL)中混合物を脱気し、窒素でパージし、65℃で1時間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトを通してろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、0〜15%の勾配で溶出させて、3−(4−アセチルフラン−3−イル)−6−[2−((Z)−(3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロ−ベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.870g)をガム状物として得た。
【0469】
H NMR (CDCl)δ:7.74 (1H, dd), 7.57 (1H, d), 7.38 (1H, d), 7.23−7.18 (1H, br, d), 7.17−7.07 (1H, br, m), 7.03 (1H, td) 6.73 (1H, d), 6.39 (1H, d), 6.15 (1H, m), 4.91 (2H, s), 4.01 (3H, s), 3.27 (2H, br, d), 2.59 (4H, br, q), 2.44 (3H, s), 1.04 (6H, t).
【0470】
中間体67:3−ブロモ−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化108】
【0471】
3−ブロモ−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−メトキシ安息香酸メチル(中間体69、3.9g)およびN,N−ジメチルアニリン(9.00g)のDCM(150mL)中溶液を0℃まで冷却し、塩化アルミニウム(3.00g)を3回に分けて添加した。結果として得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を氷浴中で冷却し、塩水でクエンチした。層を分離し、有機相を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。シクロヘキサンを残留ガム状物に添加し、次いでデカントした。残留油をDCM中に溶解させ、真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2Mのメタノール中アンモニアおよびDCMの混合物で、0〜15%の勾配で溶出させて、3−ブロモ−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニル−メチル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(2.52g)を青色ガラスとして得た。
【0472】
H NMR (CDCl)δ:11.44 (1H, s), 7.76 (1H, dd), 7.57 (1H, d), 7.16 (1H, t), 6.91 (1H, d), 6.72 (1H, d), 6.37 (1H, d), 6.33 (1H, m), 4.87 (2H, s), 3.98 (3H, s), 3.63 (2H, br, m), 3.05 (4H, br, m), 1.27 (6H, s).
【0473】
中間体68:2−アセチルフラン−3−ボロン酸
【化109】
【0474】
2,3−ジブロモフラン(5.00g)を無水ジエチルエーテル(200mL)中に溶解させ、窒素雰囲気下で−70℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、10.2mL)を添加し、結果としての混合物を−70℃で50分間撹拌した。無水N,N−ジメチルアセトアミド(2.3mL)のジエチルエーテル(20mL)中溶液を添加し、混合物を−10℃まで温めた。溶液を−70℃まで再冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、11mL)を添加し、結果としての混合物を−70℃で1時間撹拌した。ホウ酸トリイソプロピル(6.2mL)を添加し、温度を−70℃から0℃まで上昇させつつ、反応混合物を撹拌した。混合物を4M塩酸で酸性化し、エーテル中に抽出し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を濃縮して、油状物を得、これをtert−ブチルメチルエーテルで摩砕し、得られた固体をろ過によって集め、真空下で乾燥して、2−アセチル−フラン−3−ボロン酸(0.760g)を褐色固体として得た。
【0475】
H NMR (CDCl)δ:7.54 (1H, d), 7.34 (2H,br, s), 6.85 (1H, d), 2.57 (3H, s).
【0476】
中間体69:3−ブロモ−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−メトキシ安息香酸メチル
【化110】
【0477】
3−ブロモ−6−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル)−2−メトキシ安息香酸メチル(中間体70、5.85g)、N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3、5.00g)およびフッ化セシウム(3.29g)のTHF(100mL)中混合物を脱気し、窒素で5分間パージした。パラジウムテトラキス−(トリフェニルホスフィン)(0.720g)を添加し、反応混合物を一晩還流加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトを通してろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2Mのメタノール中アンモニアおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配でで溶出させて、3−ブロモ−6−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル]−2−メトキシ安息香酸メチル(3.9g)を油状物として得た。
【0478】
H NMR (CDCl)δ:7.89 (1H, dd), 7.55 (1H, d), 7.25 (1H, d), 7.09 (2H, m), 6.81 (1H, d), 6.15 (1H, m), 4.53 (2H, s), 3.95 (3H, s), 3.91 (3H, s), 3.23 (2H, d), 2.56 (4H, q), 1.01 (6H, t).
【0479】
中間体70:3−ブロモ−6−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル)−2−メトキシ安息香酸メチル
【化111】
【0480】
2−ブロモ−4−フルオロチオフェノール(3.21g)、3−ブロモ−6−ブロモメチル−2−メトキシ安息香酸メチル(中間体42B、5.00g)および炭酸カリウム(5.00g)のTHF(100mL)中混合物を1時間還流加熱した。結果として得られた混合物を冷却し、ろ過し、真空で濃縮した。残留物を酢酸(80mL)中に溶解させ、過酸化水素(10%、10mL)を添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、次いで室温で一晩撹拌した。混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機相を飽和メタ重亜硫酸ナトリウム溶液、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮して、3−ブロモ−6−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルメチル)−2−メトキシ安息香酸メチル(7.3g)をガラス状物として得た。
【0481】
H NMR (CDCl)δ:7.88 (1H, dd), 7.55 (1H, d), 7.52 (1H, dd), 7.11 (1H, ddd,), 6.94 (1H, d), 4.80 (2H, s), 3.94 (3H, s), 3.86 (3H, s).
【0482】
中間体71:7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル
【化112】
【0483】
7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(中間体6、0.180g)および炭素上水酸化パラジウム(約0.005g)の酢酸(2mL)およびジオキサン(20mL)中混合物を室温で水素雰囲気下、2時間撹拌した。結果として得られた混合物を、セライトを通してろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空で濃縮して、7−[2−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−フロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(0.100g)をガム状物として得、これをさらに特性化することなく使用した。
【0484】
中間体72:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル
【化113】
【0485】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(中間体73)から出発して、中間体55と類似した方法で進行することによって調製した。
【0486】
H NMR (CDCl)δ:8.26 (1H, s), 8.16 (1H, dd), 7.33 (1H, d), 7.15 (1H, td), 7.08−7.01 (3H, m), 6.23−6.14 (1H, m), 5.40 (2H, s), 3.95 (3H, s), 3.24 (2H, br, d), 2.64 (4H, br, q), 1.03 (6H, t).
【0487】
中間体73:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル
【化114】
【0488】
7−アミノ−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(中間体74、0.300g)のDCM(15mL)中撹拌溶液に、ピリジン(2.5mL)、続いて2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.468g)を添加した。結果として得られた混合物を室温で一晩攪拌した。さらなる量の2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.300g)を添加し、撹拌を一晩続けた。混合物をDCMで希釈し、そして0.5Mの塩酸および水性重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、15〜45%の勾配で溶出させて、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(0.460g)をクリーム色固体として得た。
【0489】
H NMR (CDCl)δ:9.84 (1H, br, s), 8.25 (1H, s), 8.24−8.20 (1H, dd), 7.43 (1H, dd), 7.33 (1H, d), 7.20−7.12 (2H, m), 5.40 (2H, s), 3.97 (3H, s).
【0490】
中間体74:7−アミノ−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル
【化115】
【0491】
7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(中間体75、0.690g)のメタノール(30mL)中懸濁液を、濃硫酸(1.2mL)で処理し、結果としての混合物を75℃にて密封容器中で一晩加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水性相を塩化ナトリウムで飽和させ、次いで酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO),ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、15〜45%の勾配で溶出させて、7−アミノ−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(0.345g)を黄色固体として得た。
【0492】
H NMR (CDOD)δ:8.25 (1H, s), 7.30 (1H, d), 6.44 (1H, d), 5.33 (2H, s), 3.87 (3H, s).
【0493】
中間体75:7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル
【化116】
【0494】
チオシアン酸アンモニウム(0.595g)を7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4−クロロ−3−ホルミル−2H−クロメン−8−カルボン酸メチル(中間体76、1.10g)のアセトン(25mL)中撹拌溶液に添加し、結果としての混合物を60℃で90分間撹拌した。混合物を冷却し、DCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。水性相をDCMで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜25%の勾配で溶出させて、7メチル 7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4H−クロメノ[3,4−d]イソチアゾール−6−カルボン酸メチル(0.730g)を黄色固体として得た。
【0495】
H NMR (CDCl)δ:10.10 (1H, br, s), 8.28 (1H, s), 8.26 (1H, d), 7.48 (1H, d), 5.42 (2H, s), 3.98 (3H, s), 1.33 (9H, s).
【0496】
中間体76:7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4−クロロ−3−ホルミル−2H−クロメン−8−カルボン酸メチル
【化117】
【0497】
7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4−オキソクロマン−8−カルボン酸メチル(中間体77、1.32g)のトリクロロエチレン(25mL)中懸濁液をDMF(1.5mL)で処理し、続いてオキシ塩化リン(0.998g)を滴加した。結果として得られた混合物を60℃で2時間加熱した。さらなる量のオキシ塩化リン(0.200g)を添加し、混合物を60℃で40分間加熱した。冷却後、混合物をDCMで希釈し、そして飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水性相をDCMで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンので、0〜25%の勾配で溶出させて、7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4−クロロ−3−ホルミル−2H−クロメン−8−カルボン酸メチル(1.175g)を黄色固体として得た。
【0498】
H NMR (CDCl)δ:10.41 (1H, br, s), 10.12 (1H, s), 8.35 (1H, d), 7.79 (1H, d), 5.01 (2H, s), 3.94 (3H, s), 1.31 (9H, s).
【0499】
中間体77:7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4−オキソクロマン−8−カルボン酸メチル
【化118】
【0500】
2−tert−ブチルカルボニルアミノ−6−(2−カルボキシエトキシ)−安息香酸メチル(中間体78、2.73g)のDCM(50mL)中溶液を室温で撹拌した。DMF(5滴)を添加し、続いてオキサリルクロリド(2.0g)を添加した。30分撹拌後、混合物を真空で濃縮し、残留物をDCM中に再溶解させ、蒸発乾固させた。残留物をDCM(50mL)中に溶解させ、塩化アルミニウム(3.38g)を添加した。結果としての混合物を室温で5時間撹拌し、次いでさらなるDCMで希釈し、氷/水で洗浄した。分離後、水性相をさらなるDCMで抽出し、合わせた有機層を飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜40%の勾配で溶出させて、7−tert−ブチルカルボニルアミノ−4−オキソクロマン−8−カルボン酸メチル(1.16g)を白色結晶性固体として得た。
【0501】
H NMR (CDCl)δ:10.50 (1H, br, s), 8.31 (1H, d), 8.04 (1H, dd), 4.59 (2H, t), 3.97 (3H, s), 2.82 (2H, t), 1.32 (9H, s).
【0502】
中間体78:2−tert−ブチルカルボニルアミノ−6−(2−カルボキシエトキシ)−安息香酸メチル
【化119】
【0503】
カリウムtert−ブトキシド(1.81g)を、2−tert−ブチルカルボニルアミノ−6−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体79、4.06g)のTHF(30mL)中溶液に添加し、そして混合物を60℃で加熱した。β−プロピオラクトン(1.16g)を滴加し、結果としての混合物を60℃で25分間加熱し、次いで室温で一晩放置した。酢酸エチルおよび水を添加し、そして層を分離した。水性相をさらなる酢酸エチルで抽出し、1Mの塩酸を用いてpH2に酸性化した。これを酢酸エチルで抽出し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、50〜100%の勾配で溶出させて、2−tert−ブチルカルボニルアミノ−6−(2−カルボキシエトキシ)−安息香酸メチル(3.5g)を白色固体として得た。
【0504】
H NMR (CDCl)δ:9.97 (1H, br, s), 8.13 (1H, dd), 7.39 (1H, t), 6.70 (1H, dd), 4.31 (2H, t), 3.89 (3H, s), 2.85 (2H, t), 1.30 (9H, s).
【0505】
中間体79:2−tert−ブチルカルボニルアミノ−6−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化120】
【0506】
2−アミノ−6−ヒドロキシ安息香酸メチル(Comess et al, US2004 167128にしたがって調製、3.8g)およ重炭酸ナトリウム(2.52g)の酢酸エチル(75mL)および水(17.5mL)中溶液を室温で撹拌し、ピバロイルクロリド(3.51g)を滴加した。結果として得られた混合物を室温で1時間撹拌した。さらなる量のピバロイルクロリド(1.75g)を添加し、混合物を室温で2.5時間撹拌した。さらなる量のピバロイルクロリド(1g)を添加し、混合物を室温で4時間20分間撹拌した。酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、層を分離した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜25%の勾配で溶出させて、2−tert−ブチルカルボニルアミノ−6−ヒドロキシ安息香酸メチル(4.46g)を白色固体として得た。
【0507】
H NMR (CDCl)δ:10.42 (1H, s), 10.33 (1H, br, s), 8.22 (1H, dd), 7.41 (1H, t), 6.72 (1H, dd), 4.09 (3H, s), 1.33 (9H, s).
【0508】
中間体80:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル−アミノ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化121】
【0509】
7−(2−ブロモベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体81、0.140g)およびN,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3、0.243g)のジオキサン(5mL)中混合物を脱気し、アルゴンで数分間パージした。トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.028g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.017g)を添加し、溶液を脱気し、アルゴンでパージした。混合物を95℃で1時間加熱し、次いで冷却し、真空で濃縮した。残留物を酢酸エチルと水との間で分配し、有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、メタノールおよびDCMの混合物で、2.5〜20%の勾配で溶出させて、7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニルアミノ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.050g)を褐色固体として得た。
【0510】
H NMR (CDCl)δ:8.06 (1H, dd), 7.54 (1H, td), 7.45−7.38 (2H, m), 7.29 (1H, d), 7.16 (1H, d), 7.03 (1H, d), 6.96 (1H, d), 6.55 (1H, d), 6.07−5.98 (1H, m), 5.36 (2H, s), 3.87 (3H, s), 3.24 (2H, br, s), 2.59 (4H, br, s), 0.95 (6H, m).
【0511】
中間体81:7−(2−ブロモベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化122】
【0512】
7−[ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4H−フロ[2,3−c]−クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体10、0.500g)のギ酸(6mL)中懸濁液を室温で2時間撹拌した。ギ酸を真空中で除去し、残留物を飽和炭酸カリウム水溶液および酢酸エチル間で分配した。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をDCM(2mL)中に懸濁させ、そしてピリジン(1.82mL)および2−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(0.344g)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を水とDCMとの間で分配した。有機層を相分離によって乾燥し、真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、5〜15%の勾配で溶出させて、7−(2−ブロモベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.279g)を黄色固体として得た。
【0513】
H NMR (CDCl)δ:9.24 (1H, s), 8.14 (1H, dd), 7.68 (1H, dd), 7.46−7.33 (3H, m), 7.15 (2H, d), 6.54 (1H, d), 5.36 (2H, s), 3.93 (3H, s).
【0514】
中間体82:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−アセトキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化123】
【0515】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体7、0.09g)および酢酸(R)−1−((Z)−3−トリブチルスタンニルアリル)−ピロリジン−3−イルエステル(中間体83, 0.170g)のジオキサン(4.5mL)およびDMSO(0.5mL)中混合物を脱気し、アルゴンで数分間パージした。トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.017g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.011g)を添加し、溶液を脱気し、アルゴンでパージし、次いで50℃で2時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2Mのメタノール中アンモニアおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配でで溶出させて、7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((R)−3−アセトキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.092g)を濃厚黄色油状物として得、これをさらに特性化することなく使用した。
【0516】
中間体83:酢酸(R)−1−((Z)−3−トリブチルスタンナニルアリル)−ピロリジン−3−イルエステル
【化124】
【0517】
((Z)−3−ブロモプロプ−1−エン−1−イル)−トリブチル−スタンナン(中間体2)および酢酸(R)−ピロリジン−3−イルエステルから出発して、中間体3と類似した方法で進行することによって調製した。
【0518】
H NMR (CDCl)δ:6.62 (1H, dt), 6.00 (1H, d), 5.21−5.13 (1H, m), 3.11 (2H, t), 2.83 (1H, m), 2.72 (2H, m), 2.43−2.19 (2H, m), 2.04 (3H, s), 1.91−1.79 (1H, m), 1.56−1.39 (6H, m), 1.37−1.23 (6H, m), 0.89 (15H, m).
【0519】
中間体84:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−((S)−3−アセトキシピロリジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化125】
【0520】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体7)および酢酸(S)−1−((Z)−3−トリブチルスタンナニルアリル)−ピロリジン−3−イルエステル(中間体85)から出発して、中間体82と類似した方法で進行することによって調製した。
【0521】
H NMR (CDCl)δ:8.07 (1H, m), 7.40 (1H, m), 7.15 (1H, m), 7.11−7.02 (2H, m), 6.96−6.88 (2H, m), 6.55 (1H, d), 6.09−6.00 (1H, m), 5.37 (2H, s), 5.13−5.03 (1H, m), 3.88 (3H, s), 3.05 (2H, m), 2.80−2.52 (3H, m), 2.30−2.09 (2H, m), 2.00 (3H, s), 1.81−1.71 (1H, m).
【0522】
中間体85:酢酸(S)−1−((Z)−3−トリブチルスタンナニルアリル)−ピロリジン−3−イルエステル
【化126】
【0523】
((Z)−3−ブロモプロプ−1−エン−1−イル)−トリブチル−スタンナン(中間体2)および酢酸(S)−ピロリジン−3−イルエステルから出発して、中間体3と類似した方法で進行することによって調製した。
【0524】
H NMR (CDCl)δ:6.62 (1H, dt), 6.00 (1H, d), 5.18 (1H, m), 3.11 (2H, t), 2.83 (1H, m), 2.72 (2H, m), 2.43−2.18 (2H, m), 2.04 (3H, s), 1.92−1.78 (1H, m), 1.56−1.40 (6H, m), 1.38−1.23 (6H, m), 0.89 (15H, m).
【0525】
中間体86:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸
【化127】
【0526】
7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(中間体87、0.220g)およびヨウ化リチウム(0.055g)のピリジン(13mL)中混合物をマイクロ波中、150℃で30分間照射した。冷却後、混合物を真空で濃縮し、残留物を1MのHCl中に懸濁させた。固体をろ過によって集め、アセトンで摩砕し、次いで真空下で乾燥して、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸(0.190g)を灰色固体として得た。
【0527】
H NMR (DMSO−d)δ:13.17 (1H, s), 8.31 (1H, dd), 8.22 (1H, d), 8.02 (1H, d), 7.82 (1H, dd), 7.49 (1H, td), 7.39 (1H, d), 7.23 (1H, d).
【0528】
中間体87:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル
【化128】
【0529】
3−[2−アミノ−4−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−3−メトキシカルボニルフェニル]−フラン−2−カルボン酸エチル(中間体88、0.960g)および炭酸カリウム(0.736g)のメタノール(50mL)中混合物を一晩還流加熱した。結果としての混合物を真空で濃縮し、残留物を1MのHClで酸性化し、DCMおよび酢酸エチルの混合物で抽出した。酸性化から生じた沈殿は溶解せず、したがって、揮発性物質を真空で除去し、水性スラリーをろ過した。結果としてのペーストを熱アセトニトリルで摩砕し、固体をろ過によって集め、真空下で一晩乾燥した。結果としての固体をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびDCMの混合物で、0〜100%の勾配で、続いてメタノールおよびDCMで、0〜10%の勾配で溶出させ、最終的にカラムをメタノールおよびDCM(50%)でフラッシュして、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4−オキソ−4,5−ジヒドロフロ[2,3−c]キノリン−6−カルボン酸メチル(0.685g)を得た。
【0530】
H NMR (DMSO−d)δ:11.03 (1H, br, s), 10.48 (1H, br, s), 8.28 (1H, d), 8.17−8.10 (2H, m), 7.88 (1H, dd), 7.46 (2H, m), 7.21 (1H, d), 3.90 (3H, s).
【0531】
中間体88:3−[2−アミノ−4−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−3−メトキシカルボニルフェニル]−フラン−2−カルボン酸エチル
【化129】
【0532】
2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.584g)を、3−(2,4−ジアミノ−3−メトキシカルボニルフェニル)−フラン−2−カルボン酸エチル(中間体89、0.650g)のDCM(30mL)およびピリジン(10mL)中溶液に添加した。結果として得られた混合物を室温で45分間撹拌した。さらなる量の2−ブロモ−4−フルオロベンゼン−スルホニルクロリド(0.584g)を添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。さらなる量の2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.300g)を添加し、混合物をさらに30分間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を水とDCMとの間で分配した。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をメタノールで摩砕し、結果としての固体をろ過によって集め、空気乾燥して、3−[2−アミノ−4−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−3−メトキシカルボニルフェニル]−フラン−2−カルボン酸エチル(0.960g)を粉末として得た。
【0533】
H NMR (CDCl)δ:10.79 (1H, br, s), 8.25 (1H, dd), 7.62 (1H, d), 7.41 (1H, dd), 7.14 (1H, m), 7.00 (1H, d), 6.78 (1H, d), 6.49 (1H, d), 4.19 (2H, q), 3.99 (3H, s), 1.11 (3H, t).
【0534】
中間体89:3−(2,4−ジアミノ−3−メトキシカルボニルフェニル)−フラン−2−カルボン酸エチル
【化130】
【0535】
2,6−ジアミノ−3−ブロモ安息香酸メチル(中間体90、1.0g)、2−メトキシカルボニル−フラン−3−ボロン酸(0.980g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0.188g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.119g)および炭酸セシウム(4.0g)のジオキサン(45mL)および水(6mL)中混合物を脱気し、アルゴンでフラッシュした。結果として得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次いで70℃で1時間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびペンタンの混合物で、20〜50%の勾配で溶出させて、4−(2,4−ジアミノ−3−メトキシカルボニルフェニル)−フラン−3−カルボン酸エチル(0.861g)を得た。
【0536】
H NMR (DMSO−d)δ:7.94 (1H, d), 6.82 (1H, d), 6.65 (1H, d), 6.35 (2H, br, s), 6.00−5.91 (3H, m), 4.15 (2H, q), 3.81 (3H, s), 1.16 (3H, t).
【0537】
中間体90:2,6−ジアミノ−3−ブロモ安息香酸メチル
【化131】
【0538】
鉄粉末(4.07g)を撹拌し、冷却しながら、6−アミノ−3−ブロモ−2−ニトロ安息香酸メチル(Brock et al, Tetrahedron, 1963, 19, 1911にしたがって調製、2.0g)の、無水エタノール(49mL)、酢酸(5mL)、ギ酸(0.7mL)および水(15mL)の混合物中溶液にゆっくりと添加した。添加が完了したら、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をDCMおよび水(1:1)で希釈し、次いでセライトを通してろ過した。層を分離し、水性層をDCMで抽出した。合わせた有機層を1Mの水性水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させ、残留物をエーテルおよびシクロヘキサン(1:1)で摩砕し、固体をろ過によって集めて、3−ブロモ−2,6−ジアミノ安息香酸メチル(1.34g)を淡黄色固体として得た。
【0539】
H NMR (CDCl)δ:7.21 (1H, d), 6.11 (2H, br s), 5.88 (1H, d), 5.46 (2H, br s), 3.93 (3H, s).
【0540】
中間体91:7−{2−[(Z)−3−(アゼチジン−1−イル)プロプ−1−エニル]−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化132】
【0541】
7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシ−プロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル]−N−(メトキシカルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体92、0.150g)のDCM(10mL)中懸濁液に、N,N−ジ−イソプロピル−N−エチルアミン(0.112g)およびメタンスルホニルクロリド(0.040g)を添加した。混合物を室温で15分間撹拌した。アゼチジン(0.083g)のトルエン(2mL)中溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2Mのメタノール中アンモニアおよびDCMの混合物で、0〜10%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をジエチルエーテルで摩砕して、7−{2−[(Z)−3−アゼチジン−1−イル−プロプ−1−エニル]−4−フルオロベンゼン−スルホニルアミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.030g)を白色粉末として得た。
【0542】
H NMR (CDCl)δ 8.02 (1H, m), 7.39 (1H, m), 7.13 (1H, d), 7.08−6.97 (2H, m), 6.91−6.83 (2H, m), 6.55 (1H, m), 5.89−5.78 (1H, m), 5.36 (2H, s), 3.87 (3H, s), 3.10 (4H, t), 2.95 (2H, dd), 1.98 (2H, m).
【0543】
中間体92:7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル]−N−(メトキシカルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化133】
【0544】
7−{N−[2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニル]−N−(メトキシカルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体93、0.200g)および(Z)−3−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オール(中間体1、0.230g)のジオキサン(9mL)および水(1mL)中混合物を脱気し、窒素でフラッシュした。トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.034g)およびテトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.022g)を添加し、反応混合物を70℃まで30分間加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ろ過した。ろ液を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をDCM中アンモニア溶液であらかじめ平衡化させたシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜100%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をエーテルで摩砕して、7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシプロプ−1−エニル)ベンゼンスルホニル]−N−(メトキシカルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.150g)をクリーム色粉末として得た。
【0545】
H NMR (CDCl)δ:8.19 (1H, dd), 7.46 (1H, m), 7.35 (1H, d), 7.21−7.12 (1H, m), 7.05 (1H, br, d), 7.02 (1H, d), 6.98 (1H, dd), 6.66 (1H, d), 6.10−5.99 (1H, m), 5.47 (2H, d), 4.23 (2H, m), 3.76 (3H, s), 3.66 (3H, s).
【0546】
中間体93:7−{N−[2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニル]−N−(メトキシ−カルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化134】
【0547】
水素化ナトリウム(60%の油中分散液、0.043g)のTHF(10mL)中懸濁液に、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体7、0.40g)を添加した。一旦ガスの発生がとまったら、クロロギ酸メチル(0.102mL)を添加し、結果としての混合物を室温で2.5時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をエーテルで摩砕して、7−{N[2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニル]−N−(メトキシカルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.230g)を白色粉末として得た。
【0548】
H NMR (DMSO−d)δ:8.30 (1H, dd), 7.96 (1H, dd), 7.83 (1H, m), 7.61−7.53 (2H, m), 7.31 (1H, d), 7.04 (1H, d), 5.54 (2H, s), 3.77 (3H, s), 3.60 (3H, s).
【0549】
中間体94:7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(3−アセトキシアゼチジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]ベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化135】
【0550】
3−アセトキシアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体95、0.914g)のDCM(5mL)中溶液に、TFA(5mL)を添加し、そして混合物を室温で30分間撹拌した。結果としての混合物を真空で濃縮し、トルエンおよびジエチルエーテルと共沸させて、酢酸アゼチジン−3−イルエステルトリフルオロ酢酸塩(1.40g)を透明油状物として得た。
【0551】
7−{N−[4−フルオロ−2−((Z)−3−ヒドロキシ−プロプ−1−エニル)−ベンゼンスルホニル]−N−(メトキシカルボニル)アミノ}−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体92、0.220g)のDCM(10mL)中懸濁液に、N,N−ジ−イソプロピル−N−エチルアミン(1.10g)およびメタンスルホニルクロリド(0.059g)を添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。酢酸アゼチジン−3−イルエステルトリフルオロ酢酸塩(1.40g)のDCM(5mL)中溶液を添加し、結果としての混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、そして水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、2MアンモニアのメタノールおよびDCM中混合物で、0〜10%の勾配で溶出させて、7−{4−フルオロ−2−[(Z)−3−(3−アセトキシアゼチジン−1−イル)−プロプ−1−エニル]−ベンゼンスルホニルアミノ]−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.095g)を白色泡状物として得た。
【0552】
H NMR (CDCl)δ:8.07 (1H, dd), 7.39 (1H, m), 7.14 (1H, d), 7.11−6.96 (2H, m), 6.94−6.84 (2H, m), 6.54 (1H, d), 5.86 (1H, m), 5.37 (2H, s), 4.95 (1H, m), 3.88 (3H, s), 3.55 (2H, m), 3.05 (2H, m), 2.88 (2H, m), 1.94 (3H, s).
【0553】
中間体95:3−アセトキシアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化136】
【0554】
3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.0g)、DMAP(1.55g)およびアミン(2.34g)のDCM(80mL)中溶液を0℃まで冷却した。無水酢酸(2.35g)のDCM(20mL)中溶液を20分にわたって滴加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水および塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)そしてろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をエーテル中に溶解させ、10%クエン酸水溶液および塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮して、3−アセトキシアゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.34g)を透明油状物として得た。
【0555】
H NMR (CDCl)δ:5.12 (1H, tt), 4.23 (2H, ddd), 3.89 (2H, dd), 2.09 (3H, s), 1.44 (9H, s).
【0556】
中間体96:7−[2−((Z)−3−ジエチルアミノプロプ−1−エニル)−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ]−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化137】
【0557】
N,N−ジエチル−N−((Z)−1−トリブチルスタンナニルプロプ−1−エン−3−イル)−アミン(中間体3)および7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体97)から出発して、中間体53と類似した方法で進行することによって調製した。
【0558】
H NMR (DMSO−d)δ:7.96−7.89 (2H, m), 7.46 (1H, d), 7.21 (1H, td), 7.07 (1H, dd), 6.95 (1H, d), 6.73 (1H, d), 5.76 (1H, m), 5.19 (2H, s), 3.71 (3H, s), 3.67 (2H, br, d), 2.91 (4H, br, q), 0.96 (6 H, t).
【0559】
中間体97:7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化138】
【0560】
7−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(中間体98、1.21g)のギ酸(20mL)中溶液を室温で2.5時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル中に溶解させ、水性炭酸カリウム溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をピリジン(10mL)およびDCM(10mL)中に溶解させた。2−ブロモ−4−フルオロフェニルスルホニルクロリド(0.821g)を添加し、反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで真空で濃縮した。残留物を酢酸エチル中に溶解させ、0.5MのHCl水溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、DCMで溶出させた。結果としての生成物をエーテルで摩砕して、7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(0.760g)を白色固体として得た。摩砕からのろ液を真空で濃縮し、シリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜25%の勾配で溶出させて、さらなる0.125gの7−(2−ブロモ−4−フルオロベンゼンスルホニルアミノ)−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチルを得た。
【0561】
H NMR (CDCl)δ:9.37 (1H, br, s), 8.18 (1H, dd), 7.43 (1H, dd), 7.39−7.35 (2H, m), 7.18−7.10 (2H, m), 5.27 (2H, s), 3.94 (3H, s).
【0562】
中間体98:7−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル
【化139】
【0563】
四臭化炭素(2.74g)を6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(4−フルオロ−2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体99、1.98g)およびトリフェニルホスフィン(2.16g)のDCM(70mL)中氷冷溶液に添加した。混合物を30分間撹拌し、次いで真空で濃縮した。残留物をアセトン(80mL)中に溶解させ、炭酸セシウム(13.4g)を添加した。反応混合物を30分間還流加熱し、冷却し、次いで真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルのシクロヘキサン中混合物で、0〜30%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をシクロヘキサンで摩砕して、7−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−フルオロ−4H−フロ[2,3−c]クロメン−6−カルボン酸メチル(1.21g)を白色固体として得た。
【0564】
H NMR (CDCl)δ:7.46 (1H, dd), 7.41 (1H, d), 6.82 (1H, d), 5.33 (2H, d), 3.86 (3H, s), 1.41 (18H, s).
【0565】
中間体99:6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(4−フルオロ−2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化140】
【0566】
6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−[2−(−tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体100、3.66g)のフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF中1M溶液(30mL)中溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、10〜50%の勾配で溶出させて、6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(4−フルオロ−2−ヒドロキシメチルフラン−3−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(2.08g)を白色固体として得た。
【0567】
H NMR (CDCl)δ:11.97 (1H, s), 7.50 (1H, dd), 7.48 (1H, d), 6.83 (1H, d), 4.47 (2H, br, s), 3.97 (3H, s), 1.42 (18H, s).
【0568】
中間体100:6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化141】
【0569】
1M水酸化ナトリウム水溶液(25mL)を、6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)安息香酸メチル(中間体101、5.71g)のメタノール(75mL)中温溶液に添加した。反応混合物を90分にわたって室温まで冷却しながら撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜20%の勾配で溶出させて、6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(3.66g)を無色ガム状物として得た。
【0570】
H NMR (CDCl)δ:11.60 (1H, d), 7.48 (1H, d), 6.75 (1H, d), 4.54 (2H, s), 3.94 (3H, s), 1.39 (18H, s), 0.87 (9H, s), 0.32 (9H, s), 0.01 (6H, s).
【0571】
中間体101:6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−(4−メチル−ベンゼンスルホニルオキシ)安息香酸メチル
【化142】
【0572】
6−アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(中間体102、3.61g)、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.52g)、DMAP(0.942g)およびトリエチルアミン(1.21g)のDCM(40mL)中溶液を室温で16時間撹拌した。混合物を水で洗浄し、相分離器によってろ過した。有機層を真空で濃縮し、残留物をアセトニトリル(40mL)中に溶解させた。DMAP(0.942g)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(3.49g)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜20%の勾配で溶出させて、6−ビス−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニル−フラン−3−イル]−2−(4メチルベンゼンスルホニルオキシ)安息香酸メチル(5.71g)を粘稠性ガム状物として得た。
【0573】
H NMR (CDCl)δ:7.44 (1H, dd), 7.36 (2H, d), 7.19 (1H, d), 7.09 (2H, d), 4.19 (2H, s), 3.90 (3H, s), 2.41 (3H, s),1.41 (18H, s), 0.86 (9H, s), 0.33 (9H, s), 0.01 (6H, s).
【0574】
中間体102:6−アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
【化143】
【0575】
2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル−ボロン酸(中間体103、6.0g)、6−アミノ−3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(Wang et al, Bioorg Med Chem Lett 2007 17 2817にしたがって調製、4.27g)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.793g)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(0.502g)および炭酸セシウム(16.94g)のジオキサン(96mL)および水(12mL)中混合物を、63℃にて窒素雰囲気下で90分間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜20%の勾配で溶出させた。結果としての生成物をシリカ上クロマトグラフィーにより再精製し、DCMおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜100%の勾配で溶出させて、6−アミノ−3−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル]−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(3.86g)を黄色油状物として得、これをこすりながら結晶化させて、灰白色固体を得た。
【0576】
H NMR (CDCl)δ:11.57 (1H, s), 7.20 (1H, d), 6.20 (1H, d), 5.34 (2H, br, s), 4.53 (2H, s), 4.01 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.31 (9H, s), 0.02 (6H, s).
【0577】
中間体103:2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル−ボロン酸
【化144】
【0578】
tert−ブチル−(4−フルオロフラン−2−イルメトキシ)ジメチルシラン(Heffernanら、米国特許第2008 0058395号にしたがって調製、6.75g)を無水THF(100mL)中に窒素雰囲気下で溶解させ、そして−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、11.74mL)を添加し、混合物を−78℃で10分間撹拌した。クロロトリメチルシラン(3.19g)を添加し、混合物を−78℃で40分間撹拌した。さらにn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、11.74mL)を添加し、混合物を−78℃で40分間撹拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(11.04g)を添加した。結果としての混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いで室温まで温めた。1M水性塩酸(100mL)およびジエチルエーテル(50mL)を添加し、混合物を5分間激しく撹拌した。層を分離し、有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を真空で濃縮し、残留物をシリカ上クロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの混合物で、0〜20%の勾配で溶出させて、2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−4−フルオロ−5−トリメチルシラニルフラン−3−イル−ボロン酸(6.01g)を褐色油状物として得、これをさらに特性化することなく使用した。
【0579】
生物学的活性
以下のアッセイを用いて、化合物を、組換えヒトMetAP2活性を阻害するそれらの能力について試験する。
【0580】
Sf9細胞で発現させ、続いてアフィニティー精製およびEDTA処理をおこなって、内因性活性部位カチオンを除去したヒト組換えMetAP2を、MnClに対して透析して、アッセイで使用するマンガン酵素を産生した。アッセイを、30分間25℃にて、100mMのNaClを含有する50mMのHEPES緩衝液(pH7.5)中、0.75mMのメチオニン−アラニン−セリン(MAS)基質および50μg/mLのアミノ酸オキシダーゼの存在下で、精製されたMetAP2の希釈物を用いて実施し、>3倍のシグナル:ノイズを得た。MetAP2による基質の切断およびアミノ酸オキシダーゼによる遊離メチオニンの酸化を、Amplex red(10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン)によって生じる蛍光を、酸化ステップ中に放出されるHを検出するホースラディッシュペルオキシダーゼと組み合わせて用いて検出し、定量化した。マルチウェル蛍光光度計を用いて蛍光シグナルを検出した。化合物をアッセイ緩衝液に添加する前にDMSO中で希釈し、アッセイにおける最終DMSO濃度は1%であった。
【0581】
IC50は、所定の化合物が対照の50%阻害を達成する濃度と定義される。IC50値は、XLfitソフトウェアパッケージ(バージョン2.0.5)を用いて計算される。
【0582】
本発明の化合物は、次表で示されるように、この実施例のアッセイ例で活性を示し、表中、AはIC50≦0.1μMを表し、Bは0.1μM〜1μMのIC50を表し、CはIC50>1μMを表す。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0583】
参照による組み入れ
以下に列挙するものを含む本明細書中で引用されるすべての刊行物および特許は、それぞれの刊行物または特許が具体的かつ個別に参照することによって組み込まれるかのように、あらゆる目的についてそれらの全体で参照することによって本明細書中に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書中の任意の定義を含む本出願が支配する。
【0584】
均等論
対象の発明の具体的な実施形態を検討してきたが、前記明細書は例示的であって、限定的ではない。本発明の多くの変形は、本明細書を再考すると当業者には明らかになるであろう。本発明の全範囲は、請求の範囲とそれらの均等物の全範囲、および明細書とそのような変形によって決定されなければならない。
【0585】
特に明記しない限り、本明細書および請求の範囲で用いられる成分、反応条件などの量を表す全ての数は、全ての場合で「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、特に明記しない限り、本明細書および添付の請求の範囲で記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性によって変化し得る近似値である。