(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、特に、複数の受止手段が荷物受面にグリッド状に配置されているということも利用する。クリッドの態様は、予め規定されかつ、荷物受面上の個々の受止手段の各位置の配置を規定する。このグリッド状配置によっては、船への積み込みの準備段階(及び船からの積み降ろしの予備段階)で、最小時間で最適な積み込み、及び/又は、積み降ろしの手順を確保するために、大きさ及び/又は重さにより個別の物品を荷物受面上のどのような場所に配置するか、又は、物品を船の甲板上からいつ、どのように除去するか、荷物受面のレイアウト計画を参照して確定することがすでに可能であることを意味する。この点において、受止手段自体は、荷物受面に固定的に結合されるとともに、さらなる積み込み、及び/又は、積み降ろしの操作のために再び利用可能である。受止手段と結合可能な固定手段は、荷物を固定(確保)又は解放するための取り付け及び取り外しを行うだけである。すなわち、それは、溶接により、船の積荷室(船倉)の床及び/又は壁に、直接、固定手段のための受止手段を個別に取り付ける従来公知のアプローチと比較して特に有利である。一方で、それは永久的に積荷室の床と壁の損傷を引き起こし、他方で、その目的のために作業員を訓練し、溶接機器や材料を提供しなければならなかった。
【0010】
本発明の展開形態では、第1方向に隣接する受止手段間の(第1方向の)間隔、及び/又は、第2方向に隣接する受止手段間の(第2方向の)間隔が同じであることを提供する。それは、荷物受面に略矩形状のグリッドを提供する。隣接する受止手段間の(仮想的な)接続線は、荷物受面に略一定のグリッド間隔を提供する。この構成の利点は、規則的なパターン(ないしデザイン)に基づいて、特に容易に変更することができ、容易に設計することができることである。
【0011】
さらなる本発明の特に好ましい形態として、第1方向に隣接する受止手段間の(第1方向の)間隔、及び/又は、第2方向に隣接する受止手段間の(第2方向の)間隔は、繰り返しパターンに応じて異なっているものを提供する。隣接する受止手段間の間隔が受止手段のグリッド状配列の全体の広がりに沿って一定に維持されていない場合に、特に有利であることが判明した。船への積み込みの多様性や、船の荷物受面上の荷物の最適な固定の可能性を、受止手段のグリッド状配置の所定のパターン形成によってさらに高めることができる。また、隣接する受止手段間の間隔は、好ましくは船の甲板上で輸送される個別の物品の種類のように、個別的に最適化することができる。特に好ましくは、第1方向及び/又は第2方向に隣接する受止手段間の(第1方向及び/又は第2方向の)間隔の繰り返しパターンは、風力発電設備における付属品と同様に、風力発電設備及びその構成要素を受容するために設計されている。
【0012】
好ましい形態として、第1方向に隣接する受止手段は、20〜35cm、又は、58〜73cm、又は、115〜130cm、又は、160〜175cmの範囲内で互いに離間している。さらに好ましくは、第2方向に隣接する受止手段は、18〜33cm、又は、218〜233cmの範囲内で互いに離間している。
【0013】
第1方向及び/又は第2方向に隣接する受止手段間の(第1方向及び/又は第2方向の)間隔(複数)は、好ましくは、上記範囲に配置されている。その場合、それぞれ上記範囲のいずれか1つと関連付けられている受止手段のそれぞれのグループが存在することが好ましい。
【0014】
本発明に係る船の有利な発展形態は、荷物受面が、固定手段に結合することができ、かつ、荷物受面上で第2グリッド状に分布される複数の第2受止手段を有するものを提供する。それは、第1受止手段から形成された第1グリッドに加えて、必要に応じて第1グリッドと異なる第2グリッドを提供するために、荷物受面上に、特に好ましく個別の物品又はさらなる荷物の交互配置のために設計されている第2グリッドが特に有利であることが判明した。
【0015】
第1方向に隣接した第2受止手段間の(第1方向の)間隔、及び/又は、第2方向に隣接する第2受止手段間の(第2方向の)間隔は、同一、又は、繰り返しパターンに応じて異なっていることが好ましい。同じことが第1受止手段については、この配置の利点に関して適用される。
【0016】
第1方向に隣接する第2受止手段間の(第1方向の)間隔は、218〜233cm、又は、360〜385cmの範囲内で互いに離間していることが好ましい。第2方向に隣接する第2受止手段間の(第2方向の)間隔は、11.9〜12.1mの範囲で互いに離間されていることがさらに好ましい。
【0017】
本発明の有利な展開形態では、荷物受面は、固定手段に結合することができ、かつ、荷物受面上で第3グリッド上に分布される複数の第3受止手段を有する。荷物受面上の第3グリッド状に分布された第3受止手段に関しては、同じことは上記第1受止手段及び第2受止手段に関しても、その利点に関して適用される。
【0018】
好ましい形態では、第1方向に隣接する第3受止手段間の(第1方向の)間隔(複数)、及び/又は、第2方向に隣接する第3受止手段間の(第2方向の)間隔(複数)は、同一、又は、繰り返しパターンに応じて異なっている。
【0019】
第1方向に隣接する第3受止手段は、20〜35cm、又は、98〜113cm、又は、218〜233cm、又は、5.8〜5.9mの範囲で互いに離間し、及び/又は、第2方向に隣接する第3受止手段は、218〜233cmの範囲内で互いに離間していることが好ましい。
【0020】
特に好ましい形態では、第1方向及び/又は第2方向の第1受止手段、第2受止手段又は第3受止手段間の(第1方向及び/又は第2方向の)間隔の整数倍は、5.8〜5.9m、又は、11.9〜12.1mの範囲である。各受止手段が上記間隔の範囲内に配置されている場合には、船上に配置される荷物の多様性に関して、特に有利であることが判明された。好ましくは、さらなる受止手段を、第1方向及び/又は第2方向に上記範囲に配置された2つの受止手段間に配置することもできる。例えば、さらなる受止手段を、上記範囲の1つに関連付けられた間隔で配置する。20フィート又は40フィートのISOコンテナの取り付け点に対応する受止手段を有する例示の荷物の方法でも、個別の物品のために最適化された船の荷物受面上で、そのような方法で取り付けることができる。
【0021】
本発明に係る船の有利な形態では、第1受止手段、第2受止手段及び/又は第3受止手段は、荷物受面に切欠き開口部を有し、固定手段は、切欠き開口部と係合させて取り付けることが可能なツイストロック装置の形態である。あるいは、受止手段は、1又は複数の突起を有し、固定手段は、突起と係合させて取り付けることが可能なツイストロック装置、好ましくは鳩尾形係合機構(dovetail fittings)である。
【0022】
さらなる代替として、第1受止手段、第2受止手段及び/又は第3受止手段は、リング形状又はヨーク形状に構成される。
【0023】
ツイストロック装置及び/又はリング状又はヨーク状の切欠き開口部は、締め付け装置、特に引き締めねじ(ターンバックル)又はさらなる固縛手段を受容するように構成されることが好ましい。
【0024】
受止手段が、例えば、ツイストロックのような固定手段と係合可能な切欠き開口部として構成されるということは、受止手段から離れて、特に、車両によって荷物受面上で動き回る場合に、荷物受面には障害物がなく、荷物受面が実質的に平坦であるという特別な利点を与え、そうでなければ、その上での走行を妨げたり、車への損傷のリスク(又は歩行者がつまずくリスク)が発生する可能性がある
【0025】
切欠き開口部上を歩くときに落下するリスクがないように、切欠き開口部自体は十分に小さいサイズである。結果的に、その建造には、船が航海しているときや、積み込み又は積み降ろし時の港でも、歩いたり、及び/又は、移動しなければならない荷物受面の領域に対して特に有利であることが考えられるべきである。代替として、荷物受面上に固定手段と係合可能な突起を配置することが特に有利である。なぜなら、このような受止手段は、鳩尾形係合機構の例に関して顕著に知覚される固定手段への係合(結合)についてより大きな安定性を確保するためである。上述した安全上のリスクを荷物受面上に突起を設けるために受け入れなければならないという欠点は、船の操作中に、言い換えると、特に船の航海中に、歩く必要のない荷物受面のそれらの部分では特に正当である。それは、特に、船の露天甲板上の荷物受面の領域に適用される。
【0026】
船の露天甲板を形成するそれらの床部材上に配置された受止手段は、平らであることが好ましい。それらは、30cm未満、特に好ましくは15cm未満の範囲内の床への相対的な高さであることが好ましい。特に好ましくは、受止手段は、空気力学的に最適化されていることである。受止手段は、例えば、露天甲板の床に対して浅い角度で配置された側面部分を有することが好ましい。それは、受止手段上を流れる空気の流入特性に有利な効果を有する。受止手段が平坦であればあるだけ、空気が順番に燃料に有利な効果を有する開口部上を流れる時に緩やかな受止手段の床から側面への移行は穏やかになり、それに対応して、空気が開口部上を流れるときに空気渦の生成が小さく、船の燃料消費に有利な効果があり、特に好ましくはマグヌスロータを有する船の場合には、駆動装置としてのロータへの流入として機能する。空気力学的最適化の利点は、露天甲板を形成する荷物受面の一部に荷物が積み込まれていないときに、特に明らかであり、このようにして完全に風の流入流に曝されるが、それはすでに荷物受面に部分的に荷物が積み込まれたときにも適用される。さらに好ましい形態において、船の露天甲板を形成するそれらの床部材上に配置された受止手段は、カバー部材によって塞ぐことができ、カバー部材は、空気力学的に最適化されている。カバー部材は、下側において受止手段に対応する固定手段を有することが好ましい。さらに好ましくは、カバー部材の上面は、被覆された受止手段が配置される床に沿って実質的に流線形状に構成される。
【0027】
特に好ましくは、荷物受面は、積荷室、及び/又は、1又は複数の板状の床部材(ないし要素)の床を含むことである。好ましくは、床部材は、それぞれ複数箇所、及び、積荷室内又は積荷室上に異なる高さで独立して配置することができ、船クレーンによって船内及び船外に移動することができる。その場合、船クレーンは、船に固有の船内クレーン、又は、特に好ましくは港で提供された積荷用クレーンとすることができる。したがって、床部材は、中間フロアパネル又はカバーパネルの形態で、船の積荷室の床に加えて、荷物受面の各部を形成することが好ましい。本発明に係る船の荷積みの多様性は、さらに別の様々な場所で、様々な位置及び様々な高さで異なる位置決め態様をさらに増加させることができる。
【0028】
本発明に係る船は、隣接する受止手段間に配置され、かつ、固定手段の相対的な移動を阻止するように構成された2つの固定手段と係合させることができる1又は複数の固定確保部材(Sicherungs-Elemente)を有することが好ましい。固定確保部材は、フレーム(ラーメン)状の構成であり、固定手段を受け入れることが好ましく、それらが受止手段内に配置されているときに、固定確保部材を除去した後に限り、固定手段を除去することが可能である。代替として、固定手段は、ピン状の構成にすることができ、あるいは、それらを受止手段内に配置するとすぐに受止手段と係止フックの形式で係合するように構成することができる。しかしながら、それは、特に有利であることが証明されており、唯一それぞれの固定確保部材が互いに対して2つの固定手段を同時に固定するために提供され、受止手段内に固定手段を位置合せ及び固定することを顕著に簡素化する。
【0029】
本発明は、さらに、船用、特に貨物船用、の床部材(床要素)に関する。上記の種類の床部材の場合、床部材が、船の荷物受面の一部を形成するように構成され、荷物受面上でグリッド状に分布した固定手段と接続可能な複数の受止手段を有することで、目的が達成される。床部材は、本発明の好ましい形態に係る船での使用に適合されることが好ましい。その場合、床部材は、中間フロア部材又はカバーフラップ又はハッチ要素の形態であることが特に好ましく、中間フロア部材の形態の床部材は、積荷室内に配置することができ、カバーパネルとして構成された床部材は、船の露天甲板に配置されていることが好ましい。
【0030】
荷物受面の一部として個々の床部材を設けることの利点は、床部材を、船の甲板上に、及び船の外部にも、個別に格納することができるということによるものである。そのようにして、荷物受面の一部を形成する個々の床部材は、既に荷物、特に個別の物品に供する(に対して用いる)ことができ、本発明に係る船が停泊地に到着する前に、個別の物品を床部材に固定しておき、次いで、船が停泊地に到着したとき、船の甲板上にある床部材を、既に事前に荷積みされ、かつ、港で格納されていた床部材によって置き換えるだけでよい。それは、かなりの時間の節約を実現するが、公知の船、及び、公知の荷物受面の構成では実現することはできない。
【0031】
加えて、個々の床部材は、損傷が発生した場合に、造船所又は港で船のために長期の停泊時間を生じさせることなく、船の外部で修理することができる。床部材が欠陥を被ったときに、単に無傷の交換部材に置き換えられ、床部材が復元されている間に、船は航海を続けることができる。
【0032】
本発明は、さらに、隣接する受止手段間に配置された2つの固定手段と係合可能であり、かつ、互いに対する固定手段の相対移動を阻止するように構成された固定確保部材(ないし要素)に関する。固定確保部材は、2つの端部にそれぞれ固定手段の対応する形状の部分と係合するように構成されている切欠き開口部を有する基体を有する。固定確保部材は、2つの隣接する固定手段を、フレーム(ラーメン)部材ないしクランプのパターンに応じて互いに対して固定する機能は、互いに隣接するように配置された2つの床部材を固定することに同時に使用することができるという認識を利用している。
【0033】
固定確保部材は、少なくとも1つの固定手段が固定確保部材を完全に通って延在するようにして、1又は複数の対応する切欠き開口部に少なくとも部分的に固定手段を受け止める(受容する)ように構成されることが好ましい。かくて、ツイストロックの形式で好ましくは円錐形で回転可能なクランプ部材又はラッチ部材として構成された固定要素は、固定確保部材の存在にもかかわらず、さらなる固定確保機能を果す。
【0034】
固定確保部材は、床部材内に収容された固定手段の固定要素が、それに係合するように、又は、その背後から係合可能なように、床部材に固定要素を固定確保するように構成されたバーを有していることが好ましい。かくて固定確保部材の一の側は、その目的ための固定確保機能として使用され、固定確保部材の別の側は、切欠き開口部を有し、固定手段の未使用の固定要素が切欠き開口部を通じて、固定すべき個別の物品やコンテナなどへと延在する。
【0035】
好ましい形態では、本発明に係る船は、少なくとも1つのマグヌスロータ、特に好ましくは、4つのマグヌスロータを有している。マグヌスロータはフレットナーロータ又はセーリング(Segel)ロータとも呼ばれる。そのようなロータは、円筒の形態であることが好ましい。マグヌスロータの回転は、ロータに流入する流体の方向に対して横方向に向かう力を発生する結果となる。
【0036】
マグヌスロータ又は、エネルギー供給システムによって提供される電気エネルギーにより回転させることができる。4つのマグヌスロータを有する船において、マグヌスロータは、船の船首と船尾の角部に配置されていることが特に好ましい。荷物受面を収容する積荷室は、マグヌスロータの配置によって、船首と船尾の両方で、その長さに制限される。荷物受面を有する積荷室は、マグヌスロータ間において船の最大表面積を提供するように構成されていることが好ましい。
【0037】
好ましい形態において、本発明に係る船は、さらに、好ましくは、船の駆動、及び/又は、マグヌスロータによる駆動のための電気エネルギーを提供するために船上で使用される少なくとも1つのディーゼル発電システムを、船の内部から撤去したり、及び/又は、船の内部に導入できるように構成された船クレーンを有する。特に好ましくは、複数のディーゼル発電システムは、船の中で、それぞれの共通の開口部の下に配置されていることである。特に好ましい形態では、共通の開口部は、本発明に係る床部材によって塞ぐことができる。
【0038】
船クレーンは、好ましくは、積荷室、及び、共通の開口部を通ってクレーンフックを降下させディーゼル発電システムが配置される部屋内へ達するように配置されている。したがって、船クレーンは、岸にクレーンがあるかどうかに関わらず、任意の港又は任意のドックでディーゼル発電システムを交換することができる。また、船クレーンは、好ましくは、任意的に共通の開口部のためのカバーとなる床部材を持ち上げ又は下げることもできる。
【0039】
特に好ましい形態おいて、1又は複数のディーゼル発電システムを交換する工程のために、船の甲板上に残っている可能性のある荷物を予め撤去する必要はない。固定手段によって床部材に固定されている個別の物品は、ディーゼル発電システム又はシステムへの自由なアクセスを与えるために、床部材と一緒に持ち上げられ、側方へ移動させることができることが好ましい。置き換え操作が行われた後、荷物は、ディーゼル発電システム又はシステムのための開口部上へ、床部材と一緒に再び配置され、積荷室及び荷物受面は閉塞される。
【0040】
本発明は、図面を参照しながら、好ましい実施例により、以下に詳細に記載されている。
【実施例】
【0042】
図1は、船1の船尾部を示す概略平面図である。図示された船1は、船体3を有する。船体3には積荷室5が設けられている。積荷室5は、カバーパネル7の形態の複数の床部材により閉じられている。床部材は、船1の荷物受面の一部を形成する。複数の受止手段9、11、13は、カバーパネル7の形態の床部材を含む受止め面上に配置されている。受止手段9、11、13は、荷物受面に沿って種々のグリッド構成で配置されている。
【0043】
図1を参照すると、第1受止手段13のグリッドは、床部材7によって形成された荷物受面に配置されている。第1受止手段13は、第1方向15(船1の長手方向)及び第2方向17(船1の幅方向)に互いに実質的に均一に離間している。
【0044】
荷物受面の床部材7は、第2グリッドを有し、第2受止手段11は、第2グリッドに沿って配置されている。また、
図3から詳細に見ることができるように、第2受止手段11は、互いに相対する間隔G及び間隔Hで交互に第1方向15に配置されている。第2方向17において、第2受止手段11は、間隔Iで離間している。図示された例において、間隔Iは、間隔Fに等しく、11.9〜12.1mの範囲にあり、特に好ましくは、11.98mと12.0mとの間である。
【0045】
間隔Gは218〜233cmの範囲であり、間隔Hは360〜386cmの範囲にある。特に好ましくは、間隔Gは225cmと227cmとの間であり、間隔Hは368cmと370cmとの間である。
【0046】
第3受止手段9は、第1方向15(船の長手方向)及び第2方向17(船の幅方向)に延びる第3グリッド状に配置されている。第3受止手段9は、繰り返しパターンに応じて第1方向に互いに異なるように離間している。第1方向において、第3受止手段9は、左側から見ると、間隔A、それから間隔B、それから再び間隔A、それから間隔C、最後に再び間隔Aで互いに離間している。船尾に配置された3つのカバーパネル7は、桟(Steg)19によって
図1の右側の部分に示されている次のカバーパネル7から分離されている。桟19は、船1の港側から右舷側に延びている。
【0047】
間隔Aは5.8〜5.9mの範囲にあり、間隔Bは20〜35cmの範囲であり、間隔Cは98〜113cmの範囲である。特に好ましくは、間隔Aは5.84mと5.86mとの間であり、間隔Bは27cmと29cmとの間であり、間隔Cは105cmと107cmとの間である。
【0048】
第3受止手段9は、間隔D又は間隔Eの間隔で第2方向17に互いに相対して交互に配置されている。
【0049】
間隔Dは218〜233cmの範囲であり、間隔Eは20〜35cmの範囲である。特に好ましくは、間隔Dは225〜227cmの範囲である。
【0050】
第3受止手段9は、さらに、第3受止手段の第1行9’と第3受止手段の第4行9”との間の間隔が間隔Fとなる関係で第1方向15に離間して配置されている。
【0051】
間隔Fは、11.9〜12.1mの範囲であり、特に好ましくは、11.98〜12.0mの範囲である。
【0052】
図1に示すように、第3受止手段9は、鳩尾形係合機構を受け止めるための突起の形態に構成されている。第2受止手段11は、ツイストロックを受け止めるための切欠き開口部として構成されている。第1受止手段13は、略リング状の目金具ないしD−リングの形態である。港側の船1の桟19で領域には、多数のクレーンが配置されており、1つのクレーン21が示されている。部分23は、桟19上で(図示の)右舷側から港側の方向(図示左方)に延びている。多数の第3受止手段9が、部分23に配置されている。部分23に配置された第3受止手段9は、カバーパネル7によって形成された荷物受面に設けられたグリッドの第3受止手段9と比較して、90°回転して配置されている。
【0053】
(第1)受止手段13(図示せず)も、必要に応じて、部分23に配置され、これらの受止手段13も、カバーパネル7上の受止手段13と比較して、90°回転して配置されている。
【0054】
図2は、代替の実施例に係る船1を示している。
図2に示す船1は、中間フロア25の形態の複数の床部材から形成される荷物受面の構成を有する。複数の第1受止手段27は、中間フロア25を含む荷物受面に第1グリッド状に配置されている。第1受止手段27は、繰り返しパターンに応じて第1方向15に互いに異なる間隔で配置されている。第1方向にそれぞれ隣接している第1受止手段27は、間隔K、それから間隔L、それから間隔L、それから再び間隔K、最終的に間隔Mで連続して互いに離間している。それから、受止手段は、間隔K、それから間隔L、それから再び間隔L、それから再び間隔K、最終的に間隔Nで連続して互いに離間している。
【0055】
間隔Kは、115〜130cmの範囲であり、特に好ましくは、123cm〜124cmである。間隔Lは、160〜175cmの範囲であり、特に好ましくは、168cm〜170cmである。間隔Mは、20〜35cmの範囲であり、特に好ましくは、27cm〜29cmである。間隔Nは、58〜73cmの範囲であり、特に好ましくは、65〜67cmである。
【0056】
第2方向17において、第1受止手段27は、交互に間隔Oと間隔Pとで互いに離間している。
【0057】
間隔Oは、218〜233cmの範囲であり、特に好ましくは、225cm〜227cmの範囲である。間隔Pは、18〜33cmの範囲である。
【0058】
複数の第2受止手段11は、
図1に示された第2グリッドに沿って第2受止手段11と同じ態様で荷物受面上に配置されている。本図によれば、船1の領域(19の矢印で示した領域)19において、中間フロア25の形態の2つの床部材は、他の中間フロア25と比較して、短くなっている。
【0059】
図1及び
図2の2つの実施例に共通することは、床部材7、25を、船の固有のクレーン、又は、外部のクレーンによってすべて個別に船から取り外したり、船に取り付けることができるということである。
図2は、確かに、中間フロア25の形態の床部材は、また、互いに対して異なる高さに配置することもできることは示していない。しかしながら、これは好ましい場合であることに留意されたい。
【0060】
図3は、本発明に係る一つの船1の荷物受面の中間フロア29として構成された床部材を示している。荷物受面は、船1の船体3内に配置されている。
図3の中間フロア29は、それが実質的に中間フロア25の幅の2倍の幅であるという点で、
図2の中間フロア25とは異なる。第1受止手段27及び第2受止手段11の第1グリッド及び第2グリッドは、しかしながら、それぞれ
図2と比較して、変わっていない。その点については、
図2に関する上記の説明を参照されたい。
【0061】
図3に示された第2受止手段11及び第1受止手段27は、切欠き開口部の形態に構成されている。切欠き開口部は、船1の中間フロア29にカップ状の形で埋設され、突き出ていない。唯一の溶接部は、いくつかの状況下では、中間フロア29によって形成された荷物受面上で最小の曲率を表すことがある。しかしながら、それは、適切な製造プロセスを用いて最小限に抑えることができる。
【0062】
基本的に、
図3の第1受止手段27及び第2受止手段11は、同一の構成の受止手段である。しかしながら、第2受止手段11は、
図3の実施例によれば、第1受止手段27に対して90°回転している。任意の構成によれば、これは
図2にも妥当し、それによれば第2受止手段11は、
図2の第1受止手段27に対して90°回転して配置されている。
【0063】
図4は、
図1の受止手段の配置の詳細図を示す。その点については、
図1に関連する上記の説明を参照されたい。船1の船首領域の部分は、ここに示されている。
図4に示す実施例において、第1受止手段13は、実質的に同一形態で規則的に形成され、船1の荷物受面上に分布されている。例外は、部分31内の受止手段である。部分31において、2つのそれぞれの受止手段113は、隣接する2つの床部材7の端部領域に配置されている。受止手段113は、形状および構成において第1受止手段13に相当するが、それらは互いに直接隣接して配置され、第1受止手段13と比較して90°回転していることが分かる。
【0064】
同様に、部分31には、第3受止手段9の形状及び構成に対応する2つの鳩尾形(蟻継式形状結合の係合)受止手段109が配置されているが、床部材7の端部領域における第3受止手段9と比較して90°回転して配置されている。
【0065】
受止手段を90°回転した方向に配置すると、個別の物品の所定の固定具を用いるときに、統計的に決定された方法での床部材7上での個別の物品の固定配置を可能とする。
【0066】
図5は、中間フロア25又は中間フロア29の形態の床部材の表面の詳細図を示す。特に、
図5では、全部で4つの第1受止手段27の配設を示している。計4つの第1受止手段27は、共通のパネルの切欠き開口部の形態で2×2の配向で4つ組として配置されている。パネルは、周りを取り囲む溶接部35によって中間フロア25又は中間フロア29の表面に埋込み取り付けられる。一例として、固定手段33は、切欠き開口部27の1つに取り付けられる。固定手段33は、外部からツイストロックに取り付けられた取付(係止)リング37を有するツイストロックである。図示されたツイストロックに代わるものとして、受止手段27に他の固定手段を取り付けることも可能である。それぞれの選択は、特定の使用状況に適合させるべきものである。
【0067】
図6は、カバーパネル7の形態の床部材の一部を示す上方からの傾斜図である。第3受止手段9は、カバーパネル7の形態の床部材上の突起の形態として構成される。上方から見ると、第3受止手段9は、略H字形状である。それは、鳩尾形挿入部材の挿入を受け止めるように適合されている。図示された配向では、鳩尾形挿入部材の挿入は、右から第3受止手段9に挿入される。その目的のために、第3受止手段は、2つの負の円錐面部分39を有し、これに対応して構成された鳩尾形挿入部材の挿入に対応する構成部分は、背後から係合(Hintergriff)させることができる。当接部41は、端部が図示された方向で左側にある円錐面部分39の双方の端部に設けられている。当接部41は、挿入すべき鳩尾形挿入部材に対するストッパとして、それぞれ機能する。
【0068】
第3切欠き開口部(受止手段)9に加えて、図の左端に示される2つの第1受止手段13は、リング状の受止手段の形態である。
【0069】
図7は、
図6に示されている状態を別の角度から示したものである。それは、カバーパネルとして構成された(その一つが
図7に示されている)床部材7の表面43上で明瞭に見ることができ、第3受止手段9は、表面43から突起のように突出している。負の円錐面部分39と当接部(表面)41に明確な表示がある。さらに、凹部45には、2つの円錐面部分39間の中央部に、略H字形の輪郭(プロフィル)が設けられている。受止手段9は空気力学的に最適化さていれる。これは、傾斜して延びる側部を有し、その内側に円錐面部分39が形成されている。
【0070】
図8は、
図6及び
図7の第3受止手段9のための設置状況を示している。2つの第3受止手段9は、カバーパネルとして構成された隣接する2つの床部材7のそれぞれに配置されている。各固定手段133は、横方向から第3受止手段9に挿入されている。
【0071】
対向して配置された2つの固定手段133は、固定確保要素(ないし部材 Sicherungs-Elemente)によって互いに対して固定されている。固定確保部材47は、それぞれ対向して配置された2つの固定手段133とありつぎ式形状結合によってロックして係合する。
図8に示すように、固定手段133は、鳩尾形挿入部材として構成され、上面側に円錐状部材49を有する。円錐状部材49は、標準化された角装備品(角当て部材)と係合するように適合されている。これらの角装備品の2つは、それぞれの円錐状部材49と係合する角装備品51の形態で示されている。
【0072】
角装備品51は、それぞれのロータブレード受止手段の一部である。は、ロータブレードの受止手段は、角装備品51を含むフレームを有する。風力発電設備のロータブレードは、ねじ止め又はピン止めによって受止手段に固定されて、受止手段は、デッキに存在する場合、さらに船の甲板上の固定手段133によって固定される。円錐状部材49は、固定手段133における調整レバー(Stell-Hebel)53によって90°回転可能に取り付けられている。円錐状部材49は角装備品51と係合した後に、円錐状部材49は調整レバー53によって90°回転され、角装備品51はロックされる。
【0073】
ロックすべきアイテム(荷物)の一部に相当な重量がかかるにもかかわらず、スラスト力や振動の結果として、それらのアイテムは、垂直方向55に固定確保しなければならず、固定確保部材47は、角装備品と同様の方法で、その背後から係合させることができる円錐状部材49のバー57を有する。バー57は、固定確保部材47が意図せずに持ち上げたり、除去することができないことを保証する。
【0074】
本発明の代替の構成では、カバーパネルの形態の床部材7上の受止手段9は、隣接する2つの受止手段によって個別の物品を固定する際に、個別の物品の両方向の動きを防ぐための阻止機能を提供するために、交互に90°回転させて配置することができる。互いに隣接する関係で配置されない2つの手段によって個別の物品を固定する。しかし、1つの受止手段、及び、次々回に相対する受止手段によって、固定確保部材47は追加の固定確保を提供するように適合される。
【0075】
図8に示す固定確保部材の1つは、
図9に再度示されている。固定確保部材47は、固定手段133の固定部59の2つの略矩形部分をつかむことが分かる。その目的のために、固定確保部材には、固定手段の略矩形部分に対応する開口部(切欠き)が設けられている。固定確保部材47の中央部61には、固定手段133の調整レバー53へのアクセスを許容する多角形の開口部分が設けられている。加えて、固定確保部材は、固定確保部材上に配設され、かつ、固定手段133に固定される物品アイテムの位置決め補助として機能するリブ63を有する。リブ63は、そのための当接部として機能する。固定確保部材47は、2つのバー57(図示せず)を有している限りにおいて、カバーパネルとして構成された隣り合う2つの床部材7を固定するために用いることができる。
【0076】
図10は、分離した固定確保部材47を示している。固定確保部材47は、基体65を有する。基体65は、中央部61と2つの端部67とに区分される。基体65は、基体65を完全に貫通して延びる開口部を有する。開口部は、端部67のそれぞれにおいて略矩形状の開口部分69を有する。開口部分69は、例えば、鳩尾形挿入部材の挿入のような対応する構成の固定手段のそれぞれをありつぎ式形状結合により囲んでロックするように適合されている。バー57は、端部67の1つ(好ましくは両端部67)に配置される。バー57は、基体65に接続固定され、中央部にバー57を完全に貫通して延びる開口部を有する。この開口部は、固定手段の円錐状部材が、第1位置において開口部を通じて延びることができ、かつ、第2位置においてバー57に背後から係合するよう寸法を規定した(dimensioniert)ものである。円錐状部材は、固定手段のうちツイストロックとして構成した固定要素の一部である。
【0077】
多角形の開口部分71は、固定確保部材47の開口部の中央部61に設けられている。現在の図における多角形の開口部分は、八角形である。第1エッジ73は、第2エッジ75に対して角度αで配置されている。特に好ましくは、角度α=90°以上である。第3エッジ77及び第4エッジ79も、互いに対して角度αで配置することができる。特に好ましくは、角度αは、少なくとも固定確保部材47で受け止められる固定手段の調整レバーの動きの角度に対応する。大きい角度は固定手段の調整レバーとの係合(握り Griff)のための自由を促進するが、しかし空間と材料の量の増加を必要とする。固定手段の調整レバーは、開口部分71を介して任意の操作位置にアクセスすることができる。
【0078】
リブ63は、固定確保部材上の固定手段に接続される物品アイテムの位置決め援助及び当接面として機能する。
【0079】
図10に示す固定確保部材は、2つの機能を組み合わせることが有利である。すなわち、互いに対して隣接する2つの床部材間の固定を保証すると同時に、固定手段133によって1つ又は2つ(の床部材)をそれぞれ隣接する床部材に対して固定するように適合させることである。
【0080】
図11は、積荷室207の下の機関室として構成された部屋205の概略断面図ないし側面図を示す。積荷室207及びその下の部屋205は、天井208によって区切られている。天井208は、積荷室207の床として形成され、荷物受面の一部であることが好ましい。天井208には、天井208を完全に貫通して延び、かつ、カバー部材222によって閉じられる開口部209が設けられている。カバー部材は、
図11に示すように分離したカバー部材222の形態でなく、本発明に係る床部材の形態であってもよい。この点については、床部材に関連した前述の説明を参照されたい。
【0081】
部屋205内には、複数のディーゼル発電システム211が配置されている。なお、
図3には、1つのディーゼル発電システム211のみ示されている。ディーゼル発電システム211は、固定要素(図示せず)によって作動位置212に拘束される。ディーゼル発電システム211の下には、移送手段として機能する複数のレール223が配置されている。ディーゼル発電システム211とレール223との間には、レール223に対して妨害による影響を受けることなく部屋205の中を歩くことを可能にするフロアパネル221が配置されている。ディーゼル発電システム211の上側には、例えば、ケーブル、鎖、フック等のようなそのような力伝達手段を取り付けるための装備品(アタッチメント)227を有する。ディーゼル発電システムの交換は、ディーゼル発電システムをその作動位置212から取り付け/取り外し位置217に移動させることによって行われる。その目的のために、まず、ディーゼル発電システム211の移動を妨げるフロアパネル221を除去したり、横に移動したりする。その後、ディーゼル発電システム211は、移送部225の領域のレール223に接触させる。それは、例えば、滑車システムにより、ディーゼル発電システム211を、上げるか下げることによって行うことができる。できるだけ早く、ディーゼル発電システム211を所与の固定手段から解放しレール223に接触させるとすぐに、ディーゼル発電システム211を矢印219の方向に作動位置212から取り付け/取り外し位置217に移動させる。このすべては、船が港に到達する前に、準備及び実行することができる。港に到達した後、本発明に係る床部材として構成されたカバー部材222は、クレーン231によって開口部209から除去されることが特に好ましい。
【0082】
クレーン231は、好ましくは、
図1のクレーン21の形態で配置されるように船に取り付けられたクレーンであることが好ましい。その目的のために、クレーン231は、力伝達手段(吊り上げ手段)229が配置されたクレーンフック239を有する。力伝達手段229は、シャックルケーブル、キャリアケーブル、チェーン等とすることができる。クレーン231(のクレーンフック)は、開口部209を通じて矢印235の方向に下向きに滑車システム233によって移動される。取り付け/取り外し位置にあるディーゼル発電システム211は、装備品227にて力伝達手段229に係合させ、それから、クレーン231によって矢印235の方向に持ち上げられる。ディーゼル発電システムをクレーン231によって船から完全に持ち上げることも可能である。必要に応じて、積荷室の内部でクレーン231によってディーゼル発電システム211を移動させることができ、そこから通常の車両によりさらに先へ移動させ、或いは、その後、必要に応じて、新しい又は修理されたディーゼル発電システムをクレーン231によって船の内部に移動し、同一であるが、逆の手順で、取り付け/取り外し位置から作動位置212にずらす。