(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吊り下げ用容器と同様の紙製であり、前記一対の紐挿通孔と前記紐係止切欠とを備えた第1の変形防止板と、前記第1の変形防止板の上縁又は下縁に連なり前記第1の変形防止板との境界線を挟んで前記第1の変形防止板と上下対称の形状を成す第2の変形防止板と、を備え、
前記境界線で前記第2の変形防止板を前記第1の変形防止板の裏に折り重ねた2つ折りの構造で使用されることを特徴とする請求項1に記載の変形防止板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
店頭で吊下げ用容器を使用する場合には、限られたスペースにより多くの商品を展示するためや、陳列棚の商品のより近くに関連商品を展示するため等の目的で、紐120をできるだけ短くして吊り下げることが要求される。
【0007】
しかし、紐120を短くすると、それに伴い、フックに引っかけられた紐120の傾き角度θが小さくなる。この傾き角度θが小さくなると、紐120から紐固定部114に作用する容器の幅方向の圧縮荷重P1が大きくなり、容器本体110の変形を招くという問題が生じる。特に、吊下げ用容器に液体などの重量のある商品を陳列した場合にはこのような問題が生じやすい。
【0008】
そのため、紐120を短くした場合に、圧縮荷重P1により容器本体110が変形しないように、容器本体110自体の強度を向上させることが考えられるが、容器本体110自体の強度を向上させると、容器本体110のコストアップを招くという問題が生じる。さらに、容器本体110自体も重くなるため、紐固定部114に作用する荷重が大きくなり、より一層の強度向上が必要になる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、吊り下げ用の紐を短くして吊り下げ用容器を吊り下げる場合でも、吊り下げ用容器の変形を招く幅方向の圧縮荷重が吊り下げ用容器に作用することを防止して、重量のある商品を陳列した場合であっても、吊り下げ用容器の変形を防止することができる変形防止板及び吊り下げ用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1) 紙製の箱形容器の上部の幅方向の両端2箇所に紐を固定して紐の一箇所を吊して使用する吊り下げ用容器を吊す際に、前記紐に両端部を装着される変形防止板であって、
前記吊り下げ用容器の紐固定部間の長さと略等しい距離で離間した一対の紐挿通孔と、
前記紐挿通孔のそれぞれの上下に位置する両側縁に形成された紐係止切欠と、
を有することを特徴とする変形防止板。
【0011】
(2) 前記吊り下げ用容器と同様の紙製であり、前記一対の紐挿通孔と前記紐係止切欠とを備えた第1の変形防止板と、前記第1の変形防止板の上縁又は下縁に連なり前記第1の変形防止板との境界線を挟んで前記第1の変形防止板と上下対称の形状を成す第2の変形防止板と、を備え、
前記境界線で前記第2の変形防止板を前記第1の変形防止板の裏に折り重ねた2つ折りの構造で使用されることを特徴とする上記(1)に記載の変形防止板。
【0012】
(3) 上記(1)又は(2)に記載の変形防止板を備えたことを特徴とする吊り下げ用容器。
【0013】
上記(1)の構成によれば、吊り下げ用容器の上部に結び付けられている吊り下げ用の紐の途中部分を折り曲げて当該変形防止板上のそれぞれの紐挿通孔に挿通させ、それぞれの紐挿通孔から飛び出した輪状の部位に当該変形防止板の端部を潜らせて紐を紐係止切欠に係止させることで、当該変形防止板を吊り下げ用の紐に固定することができる。
【0014】
また、紐を緩めて、紐係止切欠に係止させる紐の位置をずらすことで、吊り下げ用容器の吊り下げる高さ位置を簡単に微調整することができ、展示する吊り下げ用容器の高さ調整が容易になる。さらに、変形防止板を備えていない吊り下げ用容器にも後から装着することが可能であり、変形防止板だけを繰り返し使用することや陳列する商品の重量に合せて別の変形防止板を選択することが可能となる。
【0015】
そして、吊り下げ用の紐に固定された変形防止板は、紐を吊り下げ用のフックに引っかけた状態では、フックと吊り下げ用容器との間に介在して、フックに引っかけられた紐の傾斜に関係なく、吊り下げ用容器の上部の幅方向の両端の紐固定部に結ばれている紐の延在方向を、略鉛直方向に延びた状態に整える。
【0016】
即ち、当該変形防止板は、フックと吊り下げ用容器との間に介在して、紐の傾斜のために発生する容器の幅方向の圧縮荷重を受けて、吊り下げ用容器のそれぞれの紐固定部には略鉛直方向の荷重のみを作用させる。
【0017】
従って、紐を短くして吊り下げ用容器を吊した場合でも、吊り下げ用容器の両端の紐固定部には、吊り下げ用容器の変形を招く幅方向の圧縮荷重が作用することを防止して、吊り下げ用容器の変形を防止することができる。
【0018】
そして、当該変形防止板を使用することで、吊り下げ用容器自体の強度を向上させずとも、吊り下げる紐を短くした効果的な吊り下げ用容器による展示を実現することができる。
【0019】
上記(2)の構成によれば、変形防止板が吊り下げ用容器と同様の紙製であるため、宣伝用のPOP等の印刷が容易にでき、宣伝用のPOP等の印刷を施すことで、吊り下げ用容器における広告機能を向上させることができる。そして、折り曲げ前の状態で印刷を施すことで、変形防止板の前後両面に広告機能を持たせることができる。
【0020】
また、吊り下げ用容器と同様の紙製であるため、吊り下げ用容器と一緒に廃棄処分することができ、環境に優しい。
【0021】
また、2つ折り構造は、強度アップによって変形を生じ難くすることができる一方、構造の繁雑化を抑え、また、最終形状への成形作業(二つ折り作業)の複雑化を抑えることができ、強度の向上とコストの低減とを両立させることができる。
【0022】
上記(3)の構成によれば、フックにかける紐を短くした場合でも、紐から作用する幅方向への圧縮荷重は、変形防止板によって受けて、吊り下げ用容器には鉛直方向の荷重のみが作用するようにして、吊り下げ用容器の圧縮荷重による変形を防止することができる。従って、変形防止のために吊り下げ用容器自体の強度を向上させる必要がなく、安価に,吊り下げ用容器の変形を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による変形防止板、及び吊り下げ用容器によれば、吊り下げ用の紐を短くして吊り下げ用容器を吊り下げる場合でも、吊り下げ用容器の変形を招く幅方向の圧縮荷重が吊り下げ用容器に作用することを防止して、重量のある商品を陳列した場合であっても、吊り下げ用容器の変形を防止することができる。
【0024】
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る変形防止板、及び吊り下げ用容器の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
[一実施形態]
図1〜
図3は、本発明に係る変形防止板を備えた吊り下げ用容器の一実施形態を示したもので、
図1は本発明の一実施形態の吊り下げ用容器の斜視図、
図2は
図1に示した吊り下げ用容器の展示状態の側面図、
図3は
図2に示した吊り下げ用容器の背面側から視た斜視図である。
【0028】
この一実施形態の吊り下げ用容器30は、紙製の箱形容器で、底板301と、背面板302と、前面板303と、左右側板304,305とで上部を開放した箱形に形成されている。
【0029】
底板301と、背面板302と、前面板303と、左右側板304,305とで囲う収容空間31が、商品を収容する空間になっている。
【0030】
前面板303には、収容する商品を取り出し易くするための切欠領域32が形成されている。
【0031】
また、
図2及び
図3に示すように、展示場所の壁面41に対向する吊り下げ用容器30の背面板302には、一対のイーゼル(姿勢保持板)33が、切り起こしにより形成されている。一対のイーゼル33は、
図2に示すように、縁部331が壁面41に当接して、吊り下げ用容器30を後傾姿勢に保持する。
【0032】
一対のイーゼル33は、
図3に示すように、背面板302から切り起こされた支持板34との係合によって、背面板302から垂直に起こした状態に保持される。
【0033】
本実施形態の吊り下げ用容器30は、左右の側板304,305の上部に、紐固定部35を備えている。本実施形態の場合、それぞれの紐固定部35は、吊り下げ用容器30を吊り下げる紐50の両端を固定する孔になっている。
【0034】
本実施形態の吊り下げ用容器30は、両端が吊り下げ用容器30に固定された吊り下げ用の紐50に、変形防止板60が取り付けられる。即ち、吊り下げ用容器30は、以下に説明する変形防止板60を備えている。
【0035】
変形防止板60は、両端が吊り下げ用容器30に固定された紐50を、
図2に示すように、壁面41上のフック(吊り下げ用金具)42に吊す際に、紐に両端部を装着して使用される。
【0036】
変形防止板60は、
図1に示すように、吊り下げ用容器30の幅方向に離れた2箇所に装備された一対の紐挿通孔61,62と、上下側縁上で各紐挿通孔61,62の周辺の位置に形成された紐係止切欠63,64と、を備えている。
【0037】
一対の紐挿通孔61,62は、吊り下げ用容器30の紐固定部35間の長さL1と略等しい距離L2で離間して設けられている。
【0038】
紐係止切欠63は、紐挿通孔61の周辺に装備される切欠で、変形防止板60の上下の側縁に、それぞれ装備されている。
【0039】
紐係止切欠64は、紐挿通孔62の周辺に装備される切欠で、変形防止板60の上下の側縁に、それぞれ装備されている。
【0040】
本実施形態の変形防止板60は、吊り下げ用容器30と同様の紙製であり、
図4に示した展開形状の紙製の母材板600を、後述する境界線603で2つ折りに折り重ねることで、形成される。
【0041】
母材板600は、
図4に示すように、第1の変形防止板601との第1の変形防止板601の下縁に連なる第2の変形防止板602と、を備えている。
【0042】
母材板600に使う紙は、ボール紙(厚紙)の裏面に段ボールを積層した構造で、段ボールの目が吊り下げ用容器30の幅方向に沿っている。
図4における一点鎖線の円内は、段ボールの目が幅方向に沿っていることを示している。なお、母材板600の表面となるボール紙(厚紙)が、吊り下げ用容器30を支えたときに紐50から作用する荷重(幅方
向の圧縮荷重と、鉛直方向の引張荷重)に耐え得る十分な強度を持つ場合には、その裏面に積層する段ボールを省略した構造とすることができる。
【0043】
第1の変形防止板601は、
図4に示すように、幅方向(
図4の矢印X3方向)に離間した一対の紐挿通孔61,62と、幅方向の両端の上下側縁に形成された紐係止切欠63,64とを備えている。
【0044】
また、第2の変形防止板602は、一対の紐挿通孔61,62と、両端の上下側縁に形成された紐係止切欠63,64とを備えている。
【0045】
第2の変形防止板602は、第1の変形防止板601の下縁に連なり、第1の変形防止板601との境界線603を挟んで、第1の変形防止板601と上下対称の形状を成している。
【0046】
前述した第1の変形防止板601及び第2の変形防止板602において、幅方向の一端(
図4では、右端)の上下側縁に形成された紐係止切欠63は、紐挿通孔61に挿通した紐50を係止するものである。この紐係止切欠63は、
図4に示すように、紐挿通孔61から幅方向外側に距離L4だけ離れた位置に形成されている。
【0047】
また、前述した第1の変形防止板601及び第2の変形防止板602において、幅方向の他端(
図4では、左端)の上下側縁に形成された紐係止切欠64は、紐挿通孔62に挿通した紐50を係止するものである。この紐係止切欠64は、
図4に示すように、紐挿通孔62から幅方向外側に距離L5だけ離れた位置に形成されている。
【0048】
本実施形態の場合、L4=L5に設定されている。
【0049】
変形防止板60は、
図5に示すように、母材板600を、境界線603で第2の変形防止板602を第1の変形防止板601の裏に折り重ねた2つ折りの構造に形成される。
【0050】
2つ折りされて重なる第1の変形防止板601と第2の変形防止板602は、必要に応じて、両面粘着テープや接着剤で接着固定される。しかし、強度上又は取り扱い上で、接着の必要が無い場合には、第1の変形防止板601と第2の変形防止板602は、単純に折り重ねた状態で使用することができる。
【0051】
本実施形態の場合、変形防止板60を構成する第1の変形防止板601及び第2の変形防止板602は、二つ折りする前の展開状態(
図4の状態)で、POP等の広告の文字や画像が、表面に印刷される。
【0052】
そして、
図5に示すように、母材板600を二つ折りすると、表裏両面にPOP等の広告の文字や画像が印刷された変形防止板60を得ることができる。
【0053】
また、
図1に示すように、変形防止板60の幅寸法W1は、吊り下げ用容器30の幅方向の内法寸法W2よりも小さく設定されている。
【0054】
以上に説明した一実施形態の変形防止板60は、吊り下げ用容器30の上部に結び付けられている吊り下げ用の紐50の途中部分を折り曲げて
図6(a)に示すように当該変形防止板60上のそれぞれの紐挿通孔61,62に挿通させ、次いで、
図6(b)に示すようにそれぞれの紐挿通孔61,62から飛び出した輪状の部位50aに当該変形防止板60の端部60aを潜らせ、更に、
図6(c)に示すように当該変形防止板60の端部60aを潜らせた輪状の部位50aを紐係止切欠63,64に係止させることで、当該変形防
止板60を吊り下げ用の紐50に固定することができる。
【0055】
また、紐50を緩めて、紐係止切欠63,64に係止させる紐50の位置をずらすことで、吊り下げ用容器30の吊り下げる高さ位置を簡単に微調整することができ、展示する吊り下げ用容器30の高さ調整が容易になる。さらに、変形防止板60を備えていない吊り下げ用容器30にも後から装着することが可能であり、変形防止板60だけを繰り返し使用することや陳列する商品の重量に合せて別の変形防止板60を選択することが可能となる。
【0056】
そして、吊り下げ用の紐50に固定された変形防止板60は、紐50を吊り下げ用のフック42に引っかけた状態では、
図1及び
図2に示すように、フック42と吊り下げ用容器30との間に介在して、フック42に引っかけられた紐50の傾斜に関係なく、吊り下げ用容器30の上部の紐固定部35に結ばれている紐50の延在方向を、鉛直方向に近づく傾斜状態、好ましくは、略鉛直方向に延びた状態に整える。
【0057】
即ち、変形防止板60は、吊り下げ用容器30の紐固定部35に連結されている紐の傾斜を鉛直方向に近付ける。
【0058】
これにより、当該変形防止板60は、フック42と吊り下げ用容器30との間に介在して、
図1に示すように、紐50の傾斜のために発生する容器の幅方向の圧縮荷重P2を受けて、吊り下げ用容器30のそれぞれの紐固定部35には略鉛直方向の荷重G2のみを作用させる(実際には、図示のように、紐固定部35に結ばれる紐50が鉛直方向に対して若干傾斜しているため、側板304,305には、幅方向の内側に向かう若干の荷重(圧縮荷重)も作用する)。
【0059】
従って、紐50を短くして吊り下げ用容器30を吊した場合でも、吊り下げ用容器30の両端の紐固定部35には、吊り下げ用容器30の変形を招く幅方向の圧縮荷重が作用することを抑止して、吊り下げ用容器30の変形を防止することができる。
【0060】
そして、当該変形防止板60を使用することで、吊り下げ用容器30自体の強度を向上させずとも、吊り下げる紐50を短くした効果的な吊り下げ用容器30による展示を実現することができる。
【0061】
また、一実施形態の変形防止板60の場合、吊り下げ用容器30と同様の紙製であるため、宣伝用のPOP等の印刷が容易にでき、宣伝用のPOP等の印刷を施すことで、吊り下げ用容器30における広告機能を向上させることができる。そして、折り曲げ前の状態で印刷を施すことで、変形防止板60の前後両面に広告機能を持たせることができる。
【0062】
また、一実施形態の変形防止板60の場合、吊り下げ用容器30と同様の紙製であるため、吊り下げ用容器30と一緒に廃棄処分することができ、環境に優しい。
【0063】
また、一実施形態の変形防止板60の2つ折り構造は、強度アップによって変形を生じ難くすることができる一方、構造の繁雑化を抑え、また、最終形状への成形作業(二つ折り作業)の複雑化を抑えることができ、強度の向上とコストの低減とを両立させることができる。
【0064】
また、前述した一実施形態において、変形防止板60を構成する第1の変形防止板601及び第2の変形防止板602は、二つ折りする前の展開状態で、表面への印刷が実施される。
【0065】
そのため、第1の変形防止板601と第2の変形防止板602を二つ折りすることで、表裏両面に印刷が施された変形防止板60を得ることができる。
【0066】
また、前述した一実施形態において、変形防止板60を構成する第1の変形防止板601及び第2の変形防止板602は、ボール紙の裏面に段ボールを積層した構造で、段ボールの目が吊り下げ用容器30の幅方向に沿っている。
【0067】
ボール紙の裏面に段ボールを積層した構造としたことで、ボール紙の強度を補強させることができ、更に、段ボールの目の方向を吊り下げ用容器30の幅方向に沿わせたことで、幅方向への圧縮荷重P2(
図1参照)に対する強度を効率良く向上させることができ、変形防止板60の圧縮荷重P2による変形を防止することができる。
【0068】
また、前述した一実施形態において、変形防止板60の幅寸法W1は、
図1に示すように、吊り下げ用容器30の幅方向の内法寸法W2よりも小さく設定されている。
【0069】
そのため、変形防止板60は、吊り下げ用容器30に収容することができ、変形防止板60を対応する吊り下げ用容器30内に収容した状態で商品出荷を行うことで、変形防止板60と吊り下げ用容器30との誤組み合わせ等の発生を防止することができる。
【0070】
また、一実施形態の吊り下げ用容器30は、前述の変形防止板60を備えているため、フック42にかける紐50を短くした場合でも、紐50から作用する幅方向への圧縮荷重は、変形防止板60によって受けて、吊り下げ用容器30には鉛直方向の荷重のみが作用するようにして、吊り下げ用容器30の圧縮荷重による変形を防止することができる。
【0071】
従って、変形防止のために吊り下げ用容器30自体の強度を向上させる必要がなく、安価に、吊り下げ用容器30の変形を防止することができる。
【0072】
また、一実施形態の吊り下げ用容器30は、
図2に示したように、展示場所の壁面41に対向する背面板302に、壁面41に当接して吊り下げ用容器30を後傾姿勢に保持するイーゼル(姿勢保持板)33が切り起こしにより形成されている。
【0073】
従って、フック42に吊された吊り下げ用容器30が後傾するため、吊り下げ用容器30に収容した商品が落下し難く、商品の落下を抑止することができる。
【0074】
また、吊り下げ用容器30が後傾になることで、吊り下げ用容器30に収容している商品が見やすくなり、吊り下げ用容器30による展示性能を向上させることができる。
【0075】
[他の実施形態]
図7は、本発明に係る変形防止板の他の実施形態の要部を示している。この他の実施形態の変形防止板60Aでは、また、紐50を挿通する紐挿通孔61(62)よりも、幅方向の内側に距離L7だけ移動した位置に、紐50を係止する紐係止切欠63(64)を設けている。
【0076】
このように、紐係止切欠63(64)の位置は、紐挿通孔61よりも幅方向の内側に設定しても、紐50を係止することができる。
【0077】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0078】
例えば、前述した一実施形態の吊り下げ用容器30は、収容する商品を取り出し易くするための切欠領域32が前面板303に形成されていた。そこで、本実施形態の変形防止板60は、切欠領域32の形成のために前面板303から切り離された紙片から形成するようにしても良い。
【0079】
具体的には、切欠領域32の形成のために前面板303から切り離された紙片から、
図4に示した変形防止板60の展開形状を得るようにしても良い。又は、前面板303から切り離された紙片から、ミシン目によって、変形防止板60が切り出されるようにしても良い。
このようにすると、廃棄する紙材を減らして、資源を節約することができる。
【0080】
また、一実施形態に示した変形防止板60は、一枚の母材を2つ折りして形成したが、変形防止板60を構成する紙が十分な強度を有する場合には、2つ折りではなく、単純な一枚の紙で形成しても良い。また、2つ折りでも強度不足となるような場合には、一枚の母材を3つ折り以上の多重に折り重ねた構造とすることができる。
【0081】
このように、変形防止板は、折り重ねる数量を調整することで、任意の強度を確保することができる。
【0082】
また、一実施形態に示した変形防止板60は、吊り下げ用容器30の紐50を係止するための紐挿通孔と紐係止切欠とを、幅方向の両端に、1組ずつ設けた。しかし、幅方向の両端の紐固定部の位置が異なる複数の吊り下げ用容器に対応するように、紐挿通孔と紐係止切欠とが、当該変形防止板の両端部において、幅方向に位置をずらした複数箇所に装備された構成としても良い。
【0083】
このようにすると、一種類の変形防止板を、幅方向の両端の紐固定部の位置が異なる複数の吊り下げ用容器で共通使用することができ、変形防止板の汎用性を向上させて、コスト低減を図ることができる。
【0084】
また、前述の一実施形態の吊り下げ用容器30では、両側板304,305の上部に紐固定部35を備えたが、紐固定部35を背面板302の上部の幅方向の両端に装備するようにしても良い。
【0085】
また、前述の一実施形態の吊り下げ用容器30では、紐挿通孔61,62の離間距離は紐固定部35間の距離と略等しい。しかし、吊り下げ用容器30を吊り下げた際に、紐固定部35間に吊り避け用容器30が変形するような圧縮力又は引張力が作用しない範囲で、紐挿通孔61,62の離間距離を増減しても良い。