(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913610
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】紙葉類集積装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/40 20060101AFI20160414BHJP
G07D 9/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
B65H29/40
G07D9/00 408E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-539530(P2014-539530)
(86)(22)【出願日】2012年10月3日
(86)【国際出願番号】JP2012075682
(87)【国際公開番号】WO2014054139
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2014年8月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】玉橋 知之
【審査官】
冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−225652(JP,A)
【文献】
特開昭62−31657(JP,A)
【文献】
特開2005−275521(JP,A)
【文献】
特開平9−110261(JP,A)
【文献】
特開昭58−212546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H29/40
G07D9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を集積する紙葉類集積装置において、
羽根車本体と該羽根車本体の外周に設けられた複数の羽根とを有し、互いに隣接する該羽根の間に前記紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、
前記羽根車に回転搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、
互いに隣接する前記羽根の間に収容された前記紙葉類に接触して該紙葉類の収容を検知する検知機構と、
を備え、
前記検知機構は、前記羽根車の回転軸方向からの側面視において前記羽根車本体側から前記互いに隣接する羽根の間の空間のうち前記羽根の前記羽根車本体に対する固定部分側に突出し前記紙葉類に押圧される被押圧部分を有し、互いに隣接する前記羽根の間の空間の奥まで到達した前記紙葉類に接触して該紙葉類の収容を検知する、
ことを特徴とする紙葉類集積装置。
【請求項2】
互いに同一の回転軸を回転中心とする複数の前記羽根車を備え、
前記検知機構は、前記複数の羽根車が配置された領域のうち前記羽根車の回転軸方向の中央において前記紙葉類の収容を検知する、
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類集積装置。
【請求項3】
互いに同一の回転軸を回転中心とする複数の前記羽根車を備え、
前記複数の羽根車のうち1つの羽根車は、前記複数の羽根車が配置された領域のうち前記羽根車の回転軸方向の中央に配置され、
前記検知機構は、前記中央に配置された羽根車に隣接した位置において前記紙葉類の収容を検知する、
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施形態は、羽根車を備える紙葉類集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ATM(Automated Teller Machine)その他の紙葉類取扱装置などにおいて、紙幣、小切手、有価証券などの紙葉類を集積する集積装置が配置されている。このような集積装置において、搬送される紙葉類を、羽根車のうち互いに隣接する羽根の間に受け入れて回転搬送し、集積部に集積する集積装置が知られている。
【0003】
図6A〜
図6Dは、第1の参考技術に係る紙葉類集積装置11を示す側面図である。
紙葉類集積装置11は、羽根車12と、集積部13と、搬送ローラ15と、紙幣通過センサ16と、搬送路17と、位相検知センサ18と、羽根車連結軸19と、を備える。
【0004】
紙幣100は、
図6Aに示すように一対の搬送ローラ15の間を搬送され、
図6Bに示すように搬送路17に沿って紙幣通過センサ16を通過して羽根車12に搬送される。
紙幣100は、羽根車12のうち羽根車本体12aの外周に設けられた複数の羽根12bの間に収容されて回転搬送される。これにより、紙幣100は、集積部13に集積される。
【0005】
なお、羽根車12は、羽根車連結軸19に連結されて回転し、位相検知センサ18により位相を検知される。
図6Cに示すように、紙幣100が羽根12bの間に収容されない場合、紙幣通過センサ16による検知以降は紙幣100の位置が確認されないため、
図6Dに示すように紙幣100は連続的に弾かれる。
【0006】
図7A〜
図7Cは、第2の参考技術に係る紙葉類集積装置21を示す側面図である。
紙葉類集積装置21は、羽根車22と、集積部23と、搬送ローラ25と、紙幣通過センサ26と、搬送路27と、位相検知センサ28と、羽根車連結軸29と、を第1の参考技術に係る11と同様に備え、光学式紙幣突入検知センサ24を更に備える。
【0007】
光学式紙幣突入検知センサ24は、
図7A及び
図7Bに示すように搬送ローラ25や紙幣通過センサ26を通って搬送され複数の羽根車22の間の空間に収容される紙幣100を、
図7Bに示す検知位置Pにおいて検知する。紙幣100が検知されると、図示しない制御部が羽根車22の回転を継続する。そして、
図7Cに示すように紙幣100が検知位置Pを通過すると、光学式紙幣突入検知センサ24は、次の紙幣100を検知することができる。
【0008】
その他の集積装置としては、羽根車に進入する紙葉類の進入角度を調整する集積装置(特許文献1参照)や、紙葉類の先端が羽根の先端に衝突するかを判別する集積装置(特許文献2参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−48394号公報
【特許文献2】特開2001−316012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図6A〜
図6Dに示す第1の参考技術に係る紙葉類集積装置11では、上述のように、紙幣100が羽根12bの間に収容されない場合、紙幣通過センサ16以降は紙幣100の位置が確認されないため、
図6Dに示すように紙幣100が連続的に弾かれてしまう。
【0011】
また、
図7A〜
図7Cに示す第2の参考技術に係る紙葉類集積装置21では、羽根22b間に収容されない紙幣100は検知されうるが、紙幣100が
図7Bに示すような検知位置Pから外れるまでの羽根車22の回転量が大きく、紙幣100の処理速度が低下する。更には、光学式紙幣突入検知センサ24は、近年増加しているポリマー券等の透明部分を有する紙幣100を確実に検知することができない。
【0012】
1つの側面では、本発明の目的は、紙葉類を効率良く且つ確実に集積することができる紙葉類集積装置1を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施の形態に係る紙葉類集積装置は、紙葉類を集積する紙葉類集積装置において、羽根車本体と該羽根車本体の外周に設けられた複数の羽根とを有し、互いに隣接する該羽根の間に前記紙葉類を収容して回転搬送する羽根車と、前記羽根車に回転搬送された前記紙葉類を集積する集積部と、互いに隣接する前記羽根の間に収容された前記紙葉類に接触して該紙葉類の収容を検知する検知機構と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
実施の形態に係る紙葉類集積装置によれば、紙葉類を効率良く且つ確実に集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】実施の形態に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その1)である。
【
図1B】実施の形態に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その2)である。
【
図1C】実施の形態に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その3)である。
【
図3】実施の形態における羽根車及び検知機構の配置例(その1)を示す平面図である。
【
図4】実施の形態における羽根車及び検知機構の配置例(その2)を示す平面図である。
【
図5】実施の形態における羽根車及び検知機構の配置例(その3)を示す平面図である。
【
図6A】第1の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その1)である。
【
図6B】第1の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その2)である。
【
図6C】第1の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その3)である。
【
図6D】第1の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その4)である。
【
図7A】第2の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その1)である。
【
図7B】第2の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その2)である。
【
図7C】第2の参考技術に係る紙葉類集積装置を示す側面図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態に係る媒体集積装置について、図面を参照しながら説明する。
図1A〜
図1Cは、実施の形態に係る紙葉類集積装置1を示す側面図である。
図2A〜
図2Cは、
図1A〜
図1CのA部拡大図、B部拡大図、及びC部拡大図である。
【0017】
紙葉類集積装置1は、羽根車2と、集積部3と、検知機構4と、搬送ローラ5と、紙幣通過センサ6と、搬送路7と、位相検知センサ8と、羽根車連結軸9と、を備える。
紙葉類集積装置1は、例えばATMその他の紙葉類取扱装置などに配置され、紙幣、小切手、有価証券などの紙葉類を集積する。本実施の形態では、紙幣100を紙葉類の一例として説明する。
【0018】
羽根車2は、羽根車本体2aと、この羽根車本体2aの外周に設けられた複数の羽根2bとを有する。複数の羽根2bは、羽根車本体2aの外周面の周方向に等間隔に配置され、全体として渦巻き状をなすようにそれぞれが湾曲して形成されている。羽根車2は、互いに隣接する羽根2bの間に紙幣100を1枚ずつ収容して回転搬送する。なお、羽根車2は、紙幣100の先端側の一部分において、紙幣100を収容する。
【0019】
詳しくは後述するが、羽根車2は、例えば複数個配置される。複数の羽根車2は、駆動軸となる羽根車連結軸9により連結され、互いに同一の羽根車連結軸9(回転軸)を回転中心とする。
【0020】
集積部3は、羽根車2に回転搬送された紙幣100を集積する。本実施の形態では、紙幣100は、集積部3に立ち上がった状態で集積されるが、水平状態で集積されるようにしてもよい。
【0021】
検知機構4は、互いに隣接する羽根2bの間に収容された紙幣100に接触して紙幣100の収容を検知する。本実施の形態では、検知機構4は、被押圧部分の一例である回動自在に設けられた検知レバー4aと、この検知レバー4aの回動を検知することで紙幣100の収容を検知する検知部4bと、を有する。
【0022】
検知レバー4aは、羽根車2の回転軸方向からの側面視(
図2A〜
図2C参照)において、互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間の空間のうち羽根2b−1,2b−2の固定端側、すなわち、羽根2b−1,2b−2の羽根車本体2aに対する固定部分側に、羽根車本体2a側から突出するように設けられている。これにより、本実施の形態では、検知機構4は、互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間の空間の奥まで到達した紙幣100に接触して紙幣100の収容を検知する。なお、羽根2b−1,2b−2の間の空間の奥とは、羽根車2の設計に応じた紙幣100の収容位置をいうものとし、紙幣100が羽根車本体2aに当接する位置である必要はない。
【0023】
なお、検知機構4の被押圧部分としては、検知レバー4aのように回動するものでなくとも、紙幣100に接触して紙幣100の収容を検知するものであればよい。また、検知レバー4a(被押圧部分)の配置は、上述のような側面視(
図1A〜
図2C参照)において羽根車本体2a側から羽根2b−1,2b−2の間の空間に突出するものでなくとも採用可能である。
【0024】
図3に示すように、2つの羽根車2−11,2−12が羽根車連結軸9に連結される場合、検知機構4は、2つの羽根車2−11,2−12が配置された領域Sのうち羽根車2の回転軸方向Dの中央において紙幣100の収容を検知するとよい。
【0025】
また、
図4に示すように、3つの羽根車2−21,2−22,2−23が羽根車連結軸9に連結され、3つの羽根車2−21,2−22,2−22が配置された領域Sのうち羽根車2の回転軸方向Dの中央に1つの羽根車2−22が位置する場合、検知機構4は、中央に配置された羽根車2−22に隣接した位置において紙幣100の収容を検知するとよい。なお、羽根車2−22に隣接した位置とは、羽根車2−22と、この羽根車2−22に隣接する羽根車2−21,23との間の間隔の3分の1以下の間隔に検知位置の少なくとも一部が含まれる位置をいうものとする。
【0026】
図5に示すように、4つの羽根車2−31,2−32,2−33,2−34が羽根車連結軸9に連結される場合で、4つの羽根車2−31,2−32,2−33,2−34が配置された領域Sの回転軸方向Dの中央に羽根車2が位置しない場合、検知機構4は、領域Sのうち羽根車2の回転軸方向Dの中央において紙幣100の収容を検知するとよい。
【0027】
図1A〜
図1Cに示す搬送ローラ5は、例えば上下一対で配置され、搬送されてくる紙幣100を羽根車2側に搬送する。
紙幣通過センサ6は、搬送ローラ5を通って紙幣100が搬送されてきたことを例えば光学的に検知する。
【0028】
搬送路7は、搬送ローラ5と集積部3との間に配置される。紙幣100は、搬送路7に沿って搬送される。搬送路7は、紙幣100の底をガイドするようにしてもよいし、搬送幅方向の少なくとも一方をガイドするようにしてもよい。
【0029】
位相検知センサ8は、羽根車本体2aの位相を検知する。この検知結果により、図示しない制御部は、例えば、紙幣100が搬送されてくる際の紙幣100の受け入れ位置に羽根車2を回転させる。
【0030】
なお、羽根車2は、常に回転している必要はなく、紙葉類集積装置1の外部にあるセンサや紙幣通過センサ6などが紙幣100を検知することで、図示しない制御部により回転を制御されればよい。
【0031】
次に、紙幣100の集積について、上述の説明と重複する事項については適宜省略しながら説明する。
まず、
図1Aに示すように、紙幣100が搬送ローラ5の間に搬送されてくる。なお、紙葉類集積装置1が紙葉類取扱装置などの他の装置内に配置される場合、紙幣100の位置の情報は外部のセンサから制御部が取得することも可能である。
【0032】
図1A及び
図2Aに示すように、検知機構4の検知レバー4aは、互いに隣接する羽根2bの間の空間に羽根車本体2a側から突出するように位置している。
次に、紙幣100は、
図1Bに示すように、紙幣通過センサ6により通過を検知され、
図1B及び
図2Bに示すように、羽根車2の互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間に収容される。
【0033】
そして、紙幣100は、検知レバー4aを押圧し、検知部4bは、押圧された検知レバー4aの回動を検知する。なお、紙幣通過センサ6が検知した紙幣100を検知機構4が検知しない場合、図示しない制御部が異常であると判断して羽根車2等の動作を停止するとよい。
【0034】
次に、
図1C及び
図2Cに示すように、紙幣100が検知機構4による検知位置を通過すると、押圧されていた検知レバー4aは初期位置に戻り、次に搬送されてくる紙幣100を待機する。
【0035】
なお、紙幣100は、羽根2b間に連続的に収容されることもあることから、検知レバー4aは、紙幣100に押圧される時間が羽根2bの配置間隔角度よりも小さい角度分だけ羽根車2が回転する時間となるように配置される。
その後、紙幣100は、羽根車2の回転により集積部3に順次集積されていく。
【0036】
以上説明した実施の形態では、羽根車2は、羽根車本体2aとこの羽根車本体2aの外周に設けられた複数の羽根2bとを有し、互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間に紙葉類の一例である紙幣100を収容して回転搬送する。検知機構4は、互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間に収容された紙幣100に接触して紙幣100の収容を検知する。
【0037】
そのため、検知機構4に代えて光学センサなどの非接触のセンサを用いる場合と比較して、紙幣100がセンサの検知位置を抜けるまでの時間を短縮し、集積効率を高めることができる。また、近年増加しているポリマー券等の透明部分を有する紙幣100をも確実に検知することができる。
【0038】
よって、本実施の形態によれば、紙葉類の一例である紙幣100を効率良く且つ確実に集積することができる。
また、本実施の形態では、検知機構4は、互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間の空間の奥まで到達した紙幣100に接触して紙幣100の収容を検知する。そのため、紙幣100を確実に検知して、より一層、紙幣100を効率良く且つ確実に集積することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、検知機構4は、羽根車2の回転軸方向Dからの側面視(
図1A〜
図2C)において羽根車本体2a側から互いに隣接する羽根2b−1,2b−2の間の空間側に突出し紙幣100に押圧される検知レバー4a(被押圧部分の一例)を有する。そのため、簡素な構成で紙幣100を確実に検知することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、
図3及び
図5に示す羽根車2及び検知機構4の配置例の場合、すなわち、複数の羽根車2が互いに同一の羽根車連結軸9(回転軸)を回転中心とし、検知機構4が、複数の羽根車2が配置された領域Sのうち羽根車2の回転軸方向Dの中央において紙幣100の収容を検知する場合、単一の検知機構4によって、簡素な構成で紙幣100を確実に検知することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、
図4に示す羽根車2及び検知機構4の配置例の場合、すなわち、複数の羽根車2が互いに同一の羽根車連結軸9(回転軸)を回転中心とし、複数の羽根車2−21,2−22,2−23のうちの1つの羽根車2−22が領域Sのうち回転軸方向Dの中央に配置され、検知機構4が、中央に配置された羽根車2−22に隣接した位置において紙幣100の収容を検知する場合、単一の検知機構4によって、簡素な構成で紙幣100を確実に検知することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 紙葉類集積装置
2 羽根車
2a 羽根車本体
2b 羽根
3 集積部
4 検知機構
4a 検知レバー
4b 検知部
5 搬送ローラ
6 紙幣通過センサ
7 搬送路
8 位相検知センサ
9 羽根車連結軸
100 紙幣