(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージに取り付けられ、
手動ステージの摺動部品又は固定部品を挟み込んで共回りを防止する回転防止用冶具と、
ハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合するハンドル駆動用連結部と、
ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、
ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、
を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項1に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、ハンドル駆動用連結部は、手動で回転操作されることにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項1又は2に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、回転防止用冶具は、一対のクランプであり、クランプの先端部を相互に開くか、又は閉じて着脱自在に摺動部品又は固定部品を挟み込む開閉機構を備えることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項3に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、前記開閉機構は、ギアを軸回りに回転させることで連結するホイールを回転させて一方のクランプの先端部の開閉を行い、ホイールに噛み合うスパーギアをホイールの回転に連動して回転させて他方のクランプの先端部の開閉を行い、一対のクランプの先端部を相互に開くか、又は閉じることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、
摺動部品又は固定部品を挟み込んで共回りを防止する回転防止用冶具と、
ハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合するハンドル駆動用連結部と、
ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、
ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、
を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする手動ステージ。
請求項6に記載の手動ステージであって、取り付けられた電動化ユニットのハンドル駆動用連結部を手動で回転操作することにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とする手動ステージ。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージに取り付けられ、
摺動部品又は固定部品を挟み込んで固定させる挟み固定部と、
ハンドル軸と略同軸を保持しながら摺動部品又は固定部品のハンドルと連結する電動化ユニット本体と、
ハンドルを回転させるモーターと、を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項8に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、挟み固定部は、ボルト孔が明いた挟みプレートと通しボルトにより構成されたフレームであり、摺動部品又は固定部品を両側からフレームで挟み込み、ナットを締め込むことにより摺動部品又は固定部品が締め付けられることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項8又は9に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、電動化ユニット本体は、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項8乃至10のいずれか1項に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、電動化ユニット本体には、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸が連結されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、
摺動部品又は固定部品を挟み込んで固定させる挟み固定部と、
ハンドル軸と略同軸を保持しながら摺動部品又は固定部品のハンドルと連結する電動化ユニット本体と、
ハンドルを回転させるモーターと、
を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする手動ステージ。
請求項12に記載の手動ステージであって、取り付けられた電動化ユニット本体は、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することを特徴とする手動ステージ。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージに取り付けられ、
ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、
ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、
ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、
モーターの共回りを防止する回転防止用冶具と、
モーターと接続し、回転防止用冶具が取り付けられるモーター接続部を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項14に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、回転防止用冶具は、送りネジ式手動ステージの固定部品端部のブロックに設けられた複数の固定用孔に嵌入される連結シャフトであることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項14又は15に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、ハンドル把持部は、手動で回転操作されることにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項14乃至16のいずれか1項に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、ハンドル駆動用連結部は、ハンドル把持部と組み合わされて一体となってハンドル軸とモーター軸とを連動させることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージであって、
ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、
ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、
ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、
モーターの共回りを防止する回転防止用冶具と、
モーターと接続し、回転防止用冶具が取り付けられるモーター接続部と、
を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする手動ステージ。
請求項18に記載の手動ステージであって、取り付けられた電動化ユニットのハンドル把持部を手動で回転操作することにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とする電動化ユニット付き手動ステージ。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージに取り付けられ、
ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、
ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、
モーターの共回りを防止する回転防止部と、
モーターと接続するモーター接続部と、
を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項20に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、回転防止部は、手動ステージの固定部品端部に設けられた複数の固定用孔に締結具により固定されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項20又は21に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、ハンドル駆動用連結部は、手動で回転操作されることにより、手動ステージのハンドル軸を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項20乃至22のいずれか1項に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、ハンドル駆動用連結部は、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸に連結されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項23に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、ハンドル駆動用連結部は、ハンドル軸に連結された連結軸を介してハンドル軸に連結されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項20乃至24のいずれか1項に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、回転防止部は、モーター接続部及びハンドル軸支持台と一体的に形成され、ハンドル駆動用連結部を挟み込むことを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージであって、
ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、
ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、
モーターの共回りを防止する回転防止部と、
モーターと接続するモーター接続部と、
を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする手動ステージ。
請求項26に記載の手動ステージであって、取り付けられた電動化ユニットのハンドル駆動用連結部を手動で回転操作することにより、ハンドル軸を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とする手動ステージ。
請求項8に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、摺動部品又は固定部品を挟み込む側にそれぞれ弾性体を備え、弾性体の弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項8に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、相互を連結するスプリングを備え、スプリングの弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項28又は29に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、電動化ユニット本体は、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項28乃至30のいずれか1項に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、電動化ユニット本体には、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸が連結されることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項29乃至31のいずれか1項に記載の手動ステージ用電動化ユニットであって、電動化ユニット本体は、挟み固定部が外れるのを防止するストッパを備えることを特徴とする手動ステージ用電動化ユニット。
請求項12に記載の手動ステージであって、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、摺動部品又は固定部品を挟み込む側にそれぞれ弾性体を備え、弾性体の弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることを特徴とする手動ステージ。
請求項12に記載の手動ステージであって、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、相互を連結するスプリングを備え、スプリングの弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることを特徴とする手動ステージ。
請求項33又は34に記載の手動ステージであって、取り付けられた電動化ユニット本体は、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することを特徴とする手動ステージ。
【背景技術】
【0002】
例えばCCDカメラやセンサなどの電機・電子機器、例えばレンズや顕微鏡などの光学機器、例えばLEDなどの照明機器などは、その取付けに際し、位置決めやピント合わせのために位置調整をしなければならない場合がある。また、それらの取付け後において、更にそれらの位置を微調整しなければならない場合がある。上述した電機・電子機器、光学機器、照明機器などは、一般に「ステージ」と呼ばれる機械要素上に設置されて位置調整や微調整が行われる。なお、本明細書では、位置決めやピント合わせのための位置調整や微調整を必要とする機器を「精密機器」と総称する。
【0003】
これらのステージのうち、利用者がハンドル操作により精密機器を移動させるものを「手動ステージ」といい、摺動部品、固定部品及びハンドルから構成される。この手動ステージは、摺動部品と固定部品とが摺動機構を介して連結され、摺動部品又は固定部品に設けられたハンドルを軸回りに回転操作させ、固定部品に対して摺動部品を移動させて精密機器の位置調整を行う機器である。この手動ステージには、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれる。また、それぞれのステージには、使用目的に応じて多様な形式があり、例えば、アリ溝式ステージの場合には、1方向に摺動するX軸アリ溝式ステージ、略直交する2方向に摺動するXY軸アリ溝式ステージ、上下方向に摺動するZ軸アリ溝ステージなどがある。
【0004】
図6から
図16に、上述した多様な形式の実施例を図面に示す。
図6はX軸ステージの実施例である。
図7はX軸ステージ(ハンドル延長タイプ)の実施例である。
図8はXY軸ステージの実施例である。
図9はZ軸ステージの実施例である。
図10はX軸ステージの実施例である。
図11はZ軸ステージの実施例である。
図12はX軸ステージの実施例である。
図13はX軸ステージ(アリ溝送りネジタイプ)の実施例である。
図14はX軸ステージ(アリ溝スリム送りネジタイプ)の実施例である。
図15はX軸ステージ(アリ溝スリム送りネジタイプ)の実施例である。そして、
図16はX軸ステージの実施例である。
【0005】
手動ステージは、駆動機構により摺動部品を固定部品に対して移動させて精密機器の位置調整を行う。この駆動機構には、例えば、主としてアリ溝式ステージに用いられるラックアンドピニオン、主として送りネジ式ステージに用いられる雄ネジ棒及び雌ネジ筒などがある。さらに、駆動機構として手動ではなく自動又は電動で操作する自動ステージ又は電動ステージがある。
【0006】
精密機器は、ステージのうち摺動部品の上側に設けられた精密機器取付け孔に締結具により取り付けられる。また、ステージの固定部品は、締結具を土台固定孔にねじ込むことにより土台に固定される。この手動ステージは、摺動部品に設けられた摺動固定ネジを締め込むことにより固定部品上の任意の位置において固定され、この摺動固定ネジを緩めることにより固定部品上を移動することが可能となる。
【0007】
特許文献1の
図2を参照してラックアンドピニオン式手動ステージの駆動機構を説明する。ラックアンドピニオンによる駆動機構は、摺動部品又は固定部品に固定されたラック(特許文献1
図2符号13)と、ハンドルと回転軸が共通するように接続されて固定部品又は摺動部品により支持されたピニオンギア(同符号14)とが係合され、ハンドル(同符号9)を回転するとピニオンギアが連動して回転してラック上を移動し、摺動部品が固定部品に対して摺動する駆動機構である。つまり、ハンドルを回転駆動することでラック及びピニオンギアが動作する駆動機構である。このラックアンドピニオン式による手動ステージは、後述するアリ溝式ステージという摺動機構と組み合わされ、ハンドル1回転により約18mm移動し、素早く大きい動きが必要な場合に適した駆動機構である。
【0008】
特許文献1の
図22を参照して送りネジ式手動ステージの駆動機構を説明する。送りネジ式による駆動機構は、精密機器が取付けられる摺動部品の裏面に接続される雌ネジ筒(特許文献1
図22符号306)と、土台に接続される固定部品に固定されたブロックを貫通する雄ネジ棒(同符号307)とが係合され、ハンドル(同符号309)の操作により雄ネジ棒を回転させて固定部品に対して摺動部品を移動させる駆動機構である。つまり、ハンドルを回転駆動することで雄ネジ棒及び雌ネジ筒が動作する駆動機構である。この送りネジ式による手動ステージは、後述するアリ溝式ステージという摺動機構と組み合わされ、ハンドル1回転により、機種により約0.5mm,約1.0mm,約2.0mm,約約4.2mm,約5.0mm,約10.0mmなどのピッチで移動し、耐荷重性が要求され微細な調整が必要な場合に適した駆動機構である。
【0009】
特許文献1の
図1を参照してアリ溝による摺動機構を説明する。ラックアンドピニオン式手動ステージ、及び送りネジ式手動ステージでは、固定部品に対して摺動部品を滑らかに摺動させる摺動機構としてアリ溝式手動ステージを用いられるのが一般的である。アリ溝式手動ステージとは、台形状に窪んだアリ溝(特許文献1
図1符号3)を有する固定部品と、台形状に突出したアリ(同符号2)を有する摺動部品が嵌合され、摺動部品が固定部品に対して滑らかに摺動する手動ステージである。
【0010】
このアリ溝ステージは、手動ステージのみであり、ステージとモーターなどの回転駆動機構とが一体化された自動ステージ(或いは電動ステージ)はまだ開発されていない。一方、アリ溝ステージとは異なる他の摺動機構を備えるリニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージなどでは、内部にモーター、制御装置などが組み込まれた自動ステージが既に開発されている。なお、この自動ステージ(或いは電動ステージ)は、その機構により自動操作(或いは電動操作)のみが可能であり、手動により操作することはできない。
【0011】
また、特許文献2の
図11には、電動機によりハンドルの回転制御を行うシステムが開示されている。ここでは、第1ブロックに第1ワッシャを介してクランプ部材(
図11の符号409)が接続し、クランプ部材に第2ワッシャを介して回転操作部(
図11の符号406)が接続する。さらに、回転操作部には、カプラ(
図11の符号31)により電動機(
図11の符号32)及び制御装置(
図11の符号33)が連結される。すなわち、電動機がカプラを介して回転操作部の端部に連結され、電動機の回転操作により雄ネジ棒を回転させ、固定部品に対して摺動部品を移動させる。
【0012】
さらに、特許文献3には、手動ステージ本体に取付けられる部品を、使い勝手、要求される機能、及び使用される用途に合わせて選択できる高機能な手動ステージユニット及び手動ステージ構成システムが開示されている。そして、
図6に示す「手動ステージ本体(
図6中符号2)」に
図9に示すように「ハンドル部品(群)(
図9中符号5a〜5e)」が選択されて取り付けられることが開示されている。このうち、
図9(e)には、ハンドル連結手段に連結するハンドル部品を更に包み込むカプラにより電動機及び制御装置に接続し、電動機によりハンドルの回転制御を行うための電動ハンドル部品(
図9中符号5e)を示す。これらのハンドル部品は、全て手動ステージ本体のハンドル連結手段の先端ネジ部に係合するように構成され、この電動ハンドル部品を選択することで、手動ステージを電動ステージに拡張することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した、ステージとモーターなどの回転駆動機構とが一体化された自動ステージ、或いは電動ステージは、ステージにモーターなどの自動化装置が組み込まれているため、摺動部品の移動は自動操作に限られる。このため、手動ステージを使い慣れたユーザーにとっては使い勝手が悪くなる場合がある。例えば、位置の調整をする際に微妙な移動が必要となる場合である。この場合には、手動による調整のほうが望ましく、自動操作では手動による微妙なハンドル操作を代替することは難しい。また、手動による微妙な調整を自動化(或いは電動化)により実現しようとすると、より高価な制御機構や制御ソフトウエアが必要となってしまうという問題がある。また、ステージの利用者は、一体化された自動ステージを既存の手動ステージに取り付けられないため、新たに自動ステージを購入しなければならないという問題がある。
【0015】
また、特許文献2に示す、電動機によりハンドルの回転制御を行うシステム、及び特許文献3に示す電動ステージについて、これらを実用化して着脱自在なユニットとするには、下記の3つの技術的な課題を解決しなければならない。
【0016】
第1に、モーターの回転により電動化ユニット自体が共回りするのを防止する機構が必要となる点である。すなわち、電動化ユニットをモーターの回転の影響を受けない固定物に取付ければならない。そして、この共回りを防止する機構は手動ステージに対して容易に着脱できる機構でなければならないという問題がある。
【0017】
第2に、既存の手動ステージの摺動部品又は固定部品に取り付け可能とするためには、多様なサイズの摺動部品又は固定部品に汎用的に取り付けられる機構が必要となる。また、手動ステージのハンドルを回転させるためには多様なサイズのハンドルを汎用的に掴むことが可能な機構が必要になる。さらに、摺動部品、固定部品、ハンドルなどには製作誤差があるため、製作誤差に対応して確実に取付けられる機構や確実に掴む機構が要求されるという問題がある。
【0018】
第3に、ステージを自動化或いは電動化した場合であってもステージの位置の微調整を容易に行える機構が必要となる。つまり、手動ステージの利点である微調整が可能な点は自動ステージ(或いは電動式ステージ)においても要求される。この点に関し、自動ステージ(或いは電動式ステージ)においてこの微調整を行うためには、複雑な制御機構とそれを動作させる制御ソフトウエアが必要となり、経済的ではないという問題がある。
【0019】
本願の目的は、かかる課題を解決し、ハンドルの手動回転により摺動部品又は固定部品を移動させる従来の手動ステージに対して、簡易な機構を着脱させることで自動と手動とが選択自在となり、さらに手動により微調整も可能な手動ステージ用電動化ユニット、及び電動化ユニット付き手動ステージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニットは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージに取り付けられ、手動ステージの摺動部品又は固定部品を挟み込んで共回りを防止する回転防止用冶具と、ハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合するハンドル駆動用連結部と、ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする。
【0021】
上記構成により、手動ステージに電動化ユニットが着脱自在に取り付けられる。そして、電動化ユニットの着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)とすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを取り外すことで手動操作モードに戻すことができ、ステージの使い勝手が良くなる。このように、ユーザーは、手動操作の利点及び自動操作或いは電動操作のそれぞれの利点を生かして使い分けることができる。
【0022】
この電動化ユニットは、回転防止用冶具、ハンドル駆動用連結部、ハンドル把持部、及びモーターから構成される。そして、手動ステージの摺動部品又は固定部品を挟み込む回転防止用冶具により共回りを防止することができる。また、回転防止用冶具によりサイズが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。また、回転防止用冶具により摺動部品又は固定部品の寸法精度のばらつきに対しても確実に挟み込むことができる。また、ハンドル駆動用連結部によりハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合させることができる。さらに、ハンドル把持部により、寸法精度にばらつきのあるハンドルのつまみ部を確実に把持することができる。
【0023】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル駆動用連結部が、手動で回転操作されることにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが好ましい。これにより、上述した手動操作及び自動操作に加えて、自動操作を止めることで、ハンドル駆動用連結部により手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0024】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、回転防止用冶具が、一対のクランプであり、クランプの先端部を相互に開くか、又は閉じて着脱自在に摺動部品又は固定部品を挟み込む開閉機構を備えることが好ましい。これにより、簡単な機構により確実に共回りを防止することができる。また、回転防止用冶具によりサイズが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。さらに、回転防止用冶具により摺動部品又は固定部品の寸法精度のばらつきに対しても確実に挟み込むことができる。
【0025】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、開閉機構が、ギアを軸回りに回転させることで連結するホイールを回転させて一方のクランプの先端部の開閉を行い、ホイールに噛み合うスパーギアをホイールの回転に連動して回転させて他方のクランプの先端部の開閉を行い、一対のクランプの先端部を相互に開くか、又は閉じることが好ましい。この開閉機構により、簡単な機構で確実に共回りを防止することができる。また、回転防止用冶具によりサイズが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。さらに、回転防止用冶具により摺動部品又は固定部品の寸法精度のばらつきに対しても確実に挟み込むことができる。
【0026】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル把持部が、爪状のチャック装置によりハンドルのつまみ部を着脱自在に把持することが好ましい。これにより、簡単な機構でハンドルのつまみ部を確実に把持することができる。また、このチャック機構を大きさの異なる他のチャック機構に取り換えることで多様な大きさのつまみ部に対応可能である。さらに、寸法精度にばらつきのあるハンドルのつまみ部を確実に把持することができる。
【0027】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、摺動部品又は固定部品を挟み込んで共回りを防止する回転防止用冶具と、ハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合するハンドル駆動用連結部と、ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする。
【0028】
上記構成により、電動化ユニットが着脱自在に取り付けられた手動ステージは、電動化ユニットの着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が自在に選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて自動操作モード(或いは電動操作モード)にすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを外すことで手動操作モードに切り替えることができ、ステージの使い勝手が良くなる。このように、ユーザーは、手動操作の利点及び自動操作或いは電動操作のそれぞれの利点を生かして使い分けることができる。
【0029】
この電動化ユニットは、回転防止用冶具、ハンドル駆動用連結部、ハンドル把持部、及びモーターから構成される。そして、手動ステージの摺動部品又は固定部品を挟み込む回転防止用冶具により共回りを防止することができる。また、回転防止用冶具により大きさが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。また、ハンドル駆動用連結部によりハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合させることができる。さらに、ハンドル把持部により、寸法精度にばらつきのあるハンドルのつまみ部を確実に把持することができる。
【0030】
また、手動ステージは、取り付けられた電動化ユニットのハンドル駆動用連結部を手動で回転操作することにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが好ましい。これにより、上述した手動操作及び自動操作に加えて、自動操作を止めることで、ハンドル駆動用連結部により手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0031】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニットは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージに取り付けられ、摺動部品又は固定部品を挟み込んで固定させる挟み固定部と、ハンドル軸と略同軸を保持しながら摺動部品又は固定部品のハンドルと連結する電動化ユニット本体と、ハンドルを回転させるモーターと、を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする。
【0032】
上記構成により、手動ステージに電動化ユニットが着脱自在に取り付けられる。そして、電動化ユニットの着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)とすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを外すことで手動操作モードに戻すことができ、ステージの使い勝手が良くなる。このように、ユーザーは、手動操作の利点及び自動操作或いは電動操作のそれぞれの利点を生かして使い分けることができる。
【0033】
この電動化ユニットは、摺動部品又は固定部品を挟み込んで固定させる挟み固定部、ハンドル軸と略同軸を保持しながら摺動部品又は固定部品のハンドルと連結する電動化ユニット本体、及びハンドルを回転させるモーターから構成される。そして、手動ステージの摺動部品又は固定部品を固定させる挟み固定部により共回りを防止することができる。また、挟み固定部によりサイズが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。また、挟み固定部により摺動部品又は固定部品の寸法精度のばらつきに対しても確実に挟み込むことができる。また、電動化ユニット本体によりハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルと結合させることができる。さらに、電動化ユニット本体により、寸法精度にばらつきのあるハンドルのつまみ部を確実に把持することができる。
【0034】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、挟み固定部が、ボルト孔が明いた挟みプレートと通しボルトにより構成されたフレームであり、摺動部品又は固定部品を両側からフレームで挟み込み、ナットを締め込むことにより摺動部品又は固定部品が締め付けられることが好ましい。これにより、簡単な機構で確実に共回りを防止することができる。また、このフレームにより大きさが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。
【0035】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、電動化ユニット本体が、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することが好ましい。これにより、上述した手動操作及び自動操作に加えて、自動操作モードをやめることで、ハンドル駆動用連結部により手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0036】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、電動化ユニット本体には、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸が連結されることが好ましい。これにより、簡易な機構によりハンドルを回転させることができる。また、寸法精度が比較的悪いハンドルのつまみ部ではなく、寸法精度が比較的良いハンドル軸を把持することができる。
【0037】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う手動ステージにおいて、摺動部品又は固定部品を挟み込んで固定させる挟み固定部と、ハンドル軸と略同軸を保持しながら摺動部品又は固定部品のハンドルと連結する電動化ユニット本体と、ハンドルを回転させるモーターと、を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする。
【0038】
上記構成により、
電動化ユニットは、手動ステージに着脱自在に取り付けられ、着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで電動ステージとすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを取り除くことで手動ステージに戻すことができ、使い勝手が良くなる。また、ユーザーは、手動操作の利点及び電動操作の利点を生かして使い分けることができる。
【0039】
また、手動ステージは、取り付けられた電動化ユニット本体が、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することが好ましい。これにより、上述した手動操作及び自動操作に加えて、自動操作を止めて、微調整つまみにより手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0040】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニットは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージに取り付けられ、ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、モーターの共回りを防止する回転防止用冶具と、モーターと接続し、回転防止用冶具が取り付けられるモーター接続部と、を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする。
【0041】
上記構成により、手動ステージに電動化ユニットが着脱自在に取り付けられる。そして、電動化ユニットの着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)とすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを取り外すことで手動操作モードに戻すことができ、ステージの使い勝手が良くなる。このように、ユーザーは、手動操作の利点及び自動操作或いは電動操作のそれぞれの利点を生かして使い分けることができる。
【0042】
この電動化ユニットは、回転防止用冶具、ハンドル駆動用連結部、ハンドル把持部、モーター、及びモーター接続部から構成される。このモーター接続部によりモーターと回転防止用冶具が連結される。さらに、回転防止用冶具が手動ステージに連結されることでモーターの共回りが防止される。また、ハンドル駆動用連結部により、ハンドル軸とモーター軸とが略同軸を保持しながら連動される。さらに、ハンドル把持部により、寸法精度にばらつきのあるハンドルのつまみ部を確実に把持することができる。
【0043】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、回転防止用冶具が、送りネジ式手動ステージの固定部品端部のブロックに設けられた複数の固定用孔に嵌入される連結シャフトであることが好ましい。このように、送りネジ式手動ステージに一般的に設けられている固定用孔を利用して少なくとも2本の連結シャフトを挿入することでモーターの共回りを容易に防止することができる。
【0044】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル把持部が、手動で回転操作されることにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが好ましい。これにより、ユーザーは、モーターの使用を停止し、ハンドル把持部を回転させることで手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0045】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル駆動用連結部が、ハンドル把持部と組み合わされて一体となってハンドル軸とモーター軸とを連動させることを特徴とすることが好ましい。これにより、ハンドル把持部を回転させることでモーターの回転を確実にハンドルの回転に繋げることができる。
【0046】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージであって、ハンドルのつまみ部を把持するハンドル把持部と、ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、モーターの共回りを防止する回転防止用冶具と、モーターと接続し、回転防止用冶具が取り付けられるモーター接続部と、を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする。
【0047】
上記構成により、
電動化ユニットは、手動ステージに着脱自在に取り付けられ、着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで電動ステージとすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを取り除くことで手動ステージに戻すことができ、使い勝手が良くなる。また、ユーザーは、手動操作の利点及び電動操作の利点を生かして使い分けることができる。
【0048】
また、手動ステージは、取り付けられた電動化ユニットのハンドル把持部を手動で回転操作することにより、ハンドル把持部により把持されたハンドルのつまみ部を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことを特徴とすることが好ましい。これにより、ユーザーは、モーターの使用を停止し、ハンドル把持部を回転させることで手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0049】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニットは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージに取り付けられ、ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、モーターの共回りを防止する回転防止部と、モーターと接続するモーター接続部と、を備え、着脱することで手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択されることを特徴とする。
【0050】
上記構成により、手動ステージに電動化ユニットが着脱自在に取り付けられる。そして、電動化ユニットの着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)とすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを取り外すことで手動操作モードに戻すことができ、ステージの使い勝手が良くなる。このように、ユーザーは、手動操作の利点及び自動操作或いは電動操作のそれぞれの利点を生かして使い分けることができる。
【0051】
この電動化ユニットは、回転防止用冶具、ハンドル駆動用連結部、モーター、及びモーター接続部から構成される。このモーター接続部によりモーターと回転防止用冶具が連結される。さらに、回転防止用冶具が手動ステージに連結されることでモーターの共回りが防止される。また、ハンドル駆動用連結部により、ハンドル軸とモーター軸とが略同軸を保持しながら連動される。
【0052】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、手動ステージの固定部品端部に設けられた複数の固定用孔に締結具により固定されることが好ましい。このように、送りネジ式手動ステージに一般的に設けられている固定用孔を利用して締結具により固定することでモーターの共回りを容易に防止することができる。
【0053】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル駆動用連結部が、手動で回転操作されることにより、手動ステージのハンドル軸を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが好ましい。これにより、ユーザーは、モーターの使用を停止し、ハンドル駆動用連結部を回転させることで手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0054】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル駆動用連結部は、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸に連結されることが好ましい。これにより、簡易な機構によりハンドルを回転させることができる。また、寸法精度が比較的悪いハンドルのつまみ部ではなく、寸法精度が比較的良いハンドル軸を回転させることができる。
【0055】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、ハンドル駆動用連結部は、ハンドル軸に連結された連結軸を介してハンドル軸に連結されることが好ましい。これにより、手動ステージのハンドル軸のサイズに合わせて連結軸を選択することができる。
【0056】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、回転防止部は、モーター接続部及びハンドル軸支持台と一体的に形成され、ハンドル駆動用連結部を挟み込むことが好ましい。すなわち、回転防止部とモーター接続部とが固定される。また、ハンドル軸がハンドル軸支持台により確実に保持される。これにより、モーター接続部及び回転防止部が確実にモーターに接続したうえでモーターの共回りを防止できる。
【0057】
上記目的を達成するため、本発明に係る手動ステージは、精密機器が取り付けられる摺動部品と、土台に固定される固定部品とが駆動機構を介して連結され、ハンドルの軸回りの回転操作により摺動部品を移動させ、精密機器の位置調整を行う送りネジ式手動ステージであって、ハンドル軸と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部と、ハンドル駆動用連結部を回転させるモーターと、モーターの共回りを防止する回転防止部と、モーターと接続するモーター接続部と、を備える電動化ユニットを取付けることで自動操作が選択可能となることを特徴とする。
【0058】
上記構成により、
電動化ユニットは、手動ステージに着脱自在に取り付けられ、着脱により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。これにより、ユーザーは、すでに購入した手動ステージについて新たに購入した電動化ユニットを取り付けることで電動ステージとすることができる。また、取り付けられた電動化ユニットを取り除くことで手動ステージに戻すことができ、使い勝手が良くなる。また、ユーザーは、手動操作の利点及び電動操作の利点を生かして使い分けることができる。
【0059】
また、手動ステージは、取り付けられた電動化ユニットのハンドル駆動用連結部を手動で回転操作することにより、ハンドル軸を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが好ましい。これにより、ユーザーは、モーターの使用を停止し、ハンドル把持部を回転させることで手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0060】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、摺動部品又は固定部品を挟み込む側にそれぞれ弾性体を備え、弾性体の弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることが好ましい。このように、摺動部品又は固定部品を両側の挟み固定部により挟み込む際に、弾性体という簡易な機構により摺動部品又は固定部品を両側から押し付け、確実に共回りを防止することができる。
【0061】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、相互を連結するスプリングを備え、スプリングの弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることが好ましい。このように、摺動部品又は固定部品を両側の挟み固定部により挟み込む際に、スプリングという簡易な機構により摺動部品又は固定部品を両側から押し付け、確実に共回りを防止することができる。
【0062】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、電動化ユニット本体は、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することが好ましい。これにより、上述した手動操作及び自動操作に加えて、自動操作モードをやめることで、ハンドル駆動用連結部により手動でハンドルの微調整をすることができる。
【0063】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、電動化ユニット本体には、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸が連結されることが好ましい。これにより、容易な機構によりハンドルを回転させることができる。また、寸法精度が比較的悪いハンドルのつまみ部ではなく、寸法精度が比較的良いハンドル軸を把持することができる。
【0064】
また、手動ステージ用電動化ユニットは、電動化ユニット本体は、挟み固定部が外れるのを防止するストッパを備えることが好ましい。これにより、挟み固定部を広げ過ぎて外れてしまう事態を回避できることが好ましい。
【0065】
また、手動ステージは、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、摺動部品又は固定部品を挟み込む側にそれぞれ弾性体を備え、弾性体の弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることが好ましい。このように、摺動部品又は固定部品を両側の挟み固定部により挟み込む際に、弾性体という簡易な機構により摺動部品又は固定部品を両側から押し付け、確実に共回りを防止することができる
。
【0066】
また、手動ステージは、摺動部品又は固定部品の両側の挟み固定部は、相互を連結するスプリングを備え、スプリングの弾性力により摺動部品又は固定部品を両側から押し込んで固定させることが好ましい。このように、摺動部品又は固定部品を両側の挟み固定部により挟み込む際に、スプリングという簡易な機構により摺動部品又は固定部品を両側から押し付け、確実に共回りを防止することができる。
【0067】
また、手動ステージは、取り付けられた電動化ユニット本体は、摺動部品又は固定部品のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみを有することが好ましい。これにより、上述した手動操作及び自動操作に加えて、自動操作モードをやめることで、ハンドル駆動用連結部により手動でハンドルの微調整をすることができる。
【発明の効果】
【0068】
以上のように、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット、及び電動化ユニット付き手動ステージによれば、ハンドルの手動回転により摺動部品を移動させる従来の手動ステージに対して、簡易な機構を着脱させることで自動と手動とが選択自在となり、さらに手動により微調整も可能な手動ステージ用電動化ユニット、及び電動化ユニット付き手動ステージを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0070】
(手動ステージ用電動化ユニットの第1実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット1の第1実施形態につき、詳細に説明する。
図1に手動ステージ用電動化ユニット1の第1実施形態の概略構成を斜視図で示す。手動ステージ用電動化ユニット1は、手動ステージ10に取り付けられ、手動ステージ10に自動ステージの機能が発揮される。また、
図2に、
図1の手動ステージ用電動化ユニット1の側面図を示す。
【0071】
手動ステージ10は、摺動部品12と固定部品11とが、例えば、ラックアンドピニオン式、送りネジ式などの駆動機構を介して連結される。
図1には、ラック15及びピニオンギア16(
図2参照)が噛み合って摺動するラックアンドピニオン式の手動ステージの場合を示すが、例えば、送りネジ式の手動ステージなど他の手動ステージであっても良い。そして、
図1に示す手動ステージ10の場合にはハンドル13及びハンドルつまみ部19が摺動部品12には取り付けられる。そして、ハンドル13の回転により摺動部品12に連結されたピニオンギア16が回転し、固定部品に取り付けられたラック15上を移動する。なお、ハンドル13が固定部品11に取り付けられている場合には、ハンドル13の回転により固定部品11に連結されたピニオンギア16が回転し、摺動部品12に取り付けられたラック15上を移動する。手動ステージ10の利用者は、ハンドルつまみ部19を軸回りに回転操作させ、固定部品11に対して摺動部品12を移動させて精密機器の位置調整を行う。また、手動ステージ10は、
図2に示す摺動固定ネジ5が締め込まれることで摺動部品12を固定部品11上の任意の位置において固定する。そして、摺動固定ネジ5を緩めることにより摺動部品12を移動可能にする。また、精密機器(図示せず)が精密機器取付け孔14に締結具により取り付けられる。さらに、固定部品11は、締結具を土台固定孔17にねじ込むことにより土台(図示せず)に固定される。
【0072】
本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット1は、この手動ステージ10に取り付けられ、手動ステージ10の摺動部品12の移動を電動化させるユニットである。
図1に示すように、この電動化ユニット1は、回転防止用冶具であるクランプ3、ハンドル駆動用連結部であるカプリング9、ハンドル把持部であるカプリング用爪7、及び電動化ユニット本体2に内蔵されるモーター(図示せず)から構成される。また、電動化ユニット本体2には配線が束ねられたワイヤーハーネス4が取り付けられる。なお、手動ステージ10には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本発明の電動化ユニット1は、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ以外にも上述した手動ステージ10の中で電動化ユニット1が取り付く手動ステージ10には適用される。
【0073】
クランプ3は、手動ステージ10の摺動部品12又は固定部品11を両側から挟み込み、モーターの回転により生じるトルクに対して反力を発生させ、電動化ユニット1の共回りを防止する。また、カプリング9は、ハンドル軸
18と略同軸を保持しながらハンドル13と結合する。そして、このカプリング9はモーター(図示せず)により回転される。また、カプリング用爪7は、ハンドル13のつまみ部19を把持し、カプリング9の回転をハンドル13に伝達する。このカプリング用爪7には、「爪」状のチャック装置が設けられ、ハンドル13のつまみ部19を挟み込み着脱自在に把持する。
【0074】
図2に示すように、このクランプ3は、先端部を相互に開くか又は閉じて着脱自在に摺動部品12又は固定部品11を挟み込む開閉機構となる。この開閉機構は、クランプ開閉用ネジ8によりギア21を軸回りに回転させることで連結するホイール23を回転させ、一方のクランプ3の先端部の開閉を行う。また、ホイール23に噛み合うスパーギア22をホイール23の回転に連動して回転させて他方のクランプ3の先端部を開閉させる。そして、この一対のクランプ3の先端部の開閉の方向および開閉の度合いは、電動化ユニット本体2に設けられたクランプ開閉用ネジ8の回転方向及び回転量により調整される。このように、一対のクランプ3の先端部を相互に開くか、又は閉じることで簡易に摺動部品12又は固定部品11を挟み込むことが可能となる。また、この開閉機構によりサイズが異なる摺動部品12又は固定部品11に対しても挟み込むことが可能となる。また、この開閉機構により摺動部品12又は固定部品11の寸法精度のばらつきに対しても確実に挟み込むことができる。
【0075】
カプリング9は、ハンドル13と結合する機構であり、その円形の外周につまみ部であるローレット6を備える。カプリング用爪7がハンドル13のつまみ部19を把持している状態であれば、手動でローレット6を回転操作することにより、ハンドル13のつまみ部19を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが可能となる。
【0076】
このように、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット1は手動ステージ10に対して着脱自在である。そして、電動化ユニット1を手動ステージ10に取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)に切り替わる。また、電動化ユニット1を手動ステージ10から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット1により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット1を手動ステージ10に取り付けた自動操作モード(或いは電動操作モード)であってもローレット6を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作モード(或いは電動操作モード)の際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0077】
(手動ステージ用電動化ユニットの第2実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット30の第2実施形態につき、詳細に説明する。
図3に、手動ステージ用電動化ユニット30の第2実施形態の概略構成を斜視図で示す。手動ステージ用電動化ユニット30は、手動ステージ10に取り付けられ、手動ステージ10に自動ステージの機能が発揮される。また、
図4に、
図3の手動ステージ用電動化ユニット30の平面図を示す。さらに、
図5に、
図4の手動ステージ用電動化ユニット30の側面図を示す。
【0078】
手動ステージ10は、摺動部品31と固定部品44とが、例えば、ラックアンドピニオン、送りネジなどの駆動機構を介して連結される。
図3には、ラック41及びピニオンギア(図示せず)が噛み合って摺動するラックアンドピニオン式の手動ステージの場合を示す。本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット30は、この手動ステージ10に取り付けられ、手動ステージ10の摺動部品31又は固定部品44の移動を電動化させるユニットである。なお、手動ステージ10には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本発明の手動ステージ10は、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ以外にも上述した手動ステージ10の中で電動化ユニット30の取り付けが可能な手動ステージ10にも適用される。
【0079】
図3及び
図4に示すように、この電動化ユニット30は、摺動部品31又は固定部品44を挟み込んで固定させる挟み固定部24と、ハンドル軸45と略同軸を保持しながら摺動部品31又は固定部品44のハンドルと連結する電動化ユニット本体40と、ハンドルを回転させるモーター(図示せず)とから構成される。また、電動化ユニット本体40には配線が束ねられたワイヤーハーネス43が取り付けられる。
【0080】
挟み固定部24は、摺動部品31又は固定部品44の前面で電動化ユニット本体40との間に設けられる挟みプレート36a、摺動部品31又は固定部品44の後面に設けられる挟みプレート36b、挟みプレート36a及び36bを連結する通しボルト34a,34b、及び通しボルト34a,34bに接続する袋ナット35a,35bからなり、フレームが構成される。電動化ユニット本体40は、取付けボルト42により挟みプレート36aに接続される。このフレームの袋ナット35、及び電動化ユニット本体40に設けられた通しボルト締付けネジ39を締め込むことで、電動化ユニット本体40は、摺動部品31又は固定部品44に密着して接続される。そして、このフレームにより簡単な機構で確実に共回りを防止することができる。また、大きさが異なる摺動部品又は固定部品に対しても挟み込むことが可能となる。
【0081】
図4に示すように、電動化ユニット本体40には、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸45が連結される。このハンドル軸45は、電動化ユニット本体40内に設けられたモーター(図示せず)に連動したギア46に連結されて電動により回転する。このギア46は止めネジ47によりハンドル軸45に固定される。さらに、電動化ユニット本体40は、摺動部品31又は固定部品44のハンドル軸45と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみ37を有する。この微調整つまみ37を手動で回転させると摺動部品31又は固定部品44のハンドル軸45が連動して回転する。
【0082】
このように、電動化ユニット本体40は、ギア46によりハンドル軸45を回転させる。これにより、電動化ユニット本体40はハンドル軸45と略同軸を保持しながらハンドルと結合させることができる。さらに、電動化ユニット本体40は、寸法精度にばらつきのあるハンドルのつまみ部ではなくハンドル軸45を直接把持することで確実にモーターの回転を手動ステージ10に伝達できる。
【0083】
このように、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット30は手動ステージ10に対して着脱自在である。そして、電動化ユニット30を手動ステージ10に取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)に切り替わる。また、電動化ユニット30を手動ステージ10から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット30により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット30を手動ステージ10に取り付けた自動操作モード(或いは電動操作モード)であっても微調整つまみ37を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作モードの際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0084】
(電動化ユニット付き手動ステージの第1実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ20の第1実施形態につき、詳細に説明する。
図1に、電動化ユニット付き手動ステージ20の第1実施形態を分解した斜視図で示す。電動化ユニット付き手動ステージ20は、手動ステージ用電動化ユニット1が
図1中の一点鎖線の方向に手動ステージ10に結合されたステージである。また、
図2に、
図1の電動化ユニット付き手動ステージ20の側面図を示す。
【0085】
なお、手動ステージ10には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本発明の手動ステージ10は、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ以外にも上述した手動ステージ10の中で電動化ユニット1の取り付けが可能な手動ステージ10にも適用される。
【0086】
本電動化ユニット付き手動ステージ20は、手動ステージ10に電動化ユニット1が組み込まれた機器である。そして、電動化ユニット1は、回転防止用冶具であるクランプ3、ハンドル駆動用連結部であるカプリング9、ハンドル把持部であるカプリング用爪7、及び電動化ユニット本体2に内蔵されるモーター(図示せず)から構成される。
【0087】
図2に示すように、カプリング9は、円形の外周につまみ部であるローレット6を備える。カプリング用爪7がハンドル13のつまみ部19を把持している状態であれば、手動でローレット6を回転操作することにより、ハンドル13のつまみ部19を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことが可能となる。
【0088】
このように、電動化ユニット付き手動ステージ20は、電動化ユニット1が手動ステージ10に取り付けられていることで自動操作モードとなる。また、電動化ユニット1を手動ステージ10から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ20は、手動操作又は自動操作(或いは電動操作モード)のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット1が手動ステージ10に取り付けられた「自動操作」モードであってもローレット6を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作(或いは電動操作モード)モードの際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0089】
(電動化ユニット付き手動ステージの第2実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ50の第2実施形態につき、詳細に説明する。
図3に、電動化ユニット付き手動ステージ50の第2実施形態を斜視図で示す。電動化ユニット付き手動ステージ50は、手動ステージ用電動化ユニット30が手動ステージ10に結合されたステージである。また、
図4に、
図3の電動化ユニット付き手動ステージ50の正面図を示す。また、
図5に、
図3の電動化ユニット付き手動ステージ50の側面図を示す。
【0090】
電動化ユニット30は、摺動部品31又は固定部品44を挟み込んで固定させる挟み固定部24と、ハンドル軸と略同軸を保持しながら摺動部品31又は固定部品44のハンドルと連結する電動化ユニット本体40と、ハンドルを回転させるモーター(図示せず)とから構成される。
【0091】
なお、手動ステージ10には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本発明の手動ステージ10は、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ以外にも上述した手動ステージ10の中で電動化ユニット30の取り付けが可能な手動ステージ10にも適用される。
【0092】
取り付けられた電動化ユニット本体40は、摺動部品31又は固定部品44のハンドル軸と略同軸を保持しながらハンドルを手動で回転させる微調整つまみ37を有する。
【0093】
(電動化ユニットの制御方法)
上述した電動化ユニット1,30の制御方法は、制御盤(図示せず)により行われ、単純なON/OFFスイッチによる操作だけではなく、ジョイスティックによる多段階(無段階)速度指令が可能な操作、キーパッドによる移動量指定による操作が可能であり、利用者により操作方法が指定されても良い。
【0094】
(手動ステージ用電動化ユニットの第3実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット200の第3実施形態につき、詳細に説明する。
図17に、手動ステージ用電動化ユニット200の第3実施形態の概略構成を斜視図で示す。また、
図18に、
図17の手動ステージ用電動化ユニット200の回転防止用冶具203、モーター接続部208、及びギアードモーター248の構成を斜視図で示す。また、
図19に、手動ステージ210と回転防止用冶具203との接続方法を斜視図で示す。さらに、
図20に、電動化ユニット付き手動ステージ220の一部を断面図です。手動ステージ用電動化ユニット200は、手動ステージ210に取り付けられ、手動ステージ210に自動ステージの機能が発揮される。
【0095】
手動ステージ210は、摺動部品212と固定部品211とが雄ネジ及び雌ネジから構成される駆動機構を介して連結される。そして、
図17に示すように、手動ステージ210にはハンドル213及びハンドルつまみ部219が摺動部品212に取り付けられる。手動ステージ210の利用者は、ハンドルつまみ部219を軸回りに回転操作させる。雄ネジであるハンドル軸218は、このハンドルつまみ部219の回転に連動して回転し、摺動部品212に固定された雌ネジを移動させる。このように、固定部品211に対して摺動部品212を移動させて精密機器の位置調整を行う。また、手動ステージ210は、
図17に示す摺動固定ネジ205が締め込まれることで摺動部品212を固定部品211上の任意の位置において固定する。そして、摺動固定ネジ205を緩めることにより摺動部品212を摺動可能にする。また、精密機器(図示せず)が精密機器取付け孔214に締結具により取り付けられる。さらに、固定部品211は、締結具を土台固定孔217にねじ込むことにより土台(図示せず)に固定される。
【0096】
本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット200は、この手動ステージ210に取り付けられ、手動ステージ210の摺動部品212の移動を電動化させるユニットである。
図17に示すように、この電動化ユニット200は、モーターの共回りを防止する回転防止用冶具203、ハンドル軸218と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部209、ハンドル213のつまみ部219を把持するハンドル把持部207、ハンドル駆動用連結部209を回転させるギアードモーター248、及びモーターと接続し、回転防止冶具203が取り付けられるモーター接続部208から構成される。なお、本発明では、モーターとしてギアードモーター248が用いられるが、このギアードモーター248には限らず、他のモーターであっても良い。
【0097】
なお、手動ステージ210には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本実施形態の電動化ユニット200は、送りネジ式ステージに適用される。
【0098】
図17に示すように、回転防止用冶具203は、本実施形態では2本の連結シャフト249である。
図18に示すように、これらの連結シャフト249は、モーター接続部208に設けられた連結シャフト固定用孔256に挿入された連結シャフト固定用ネジ254により固定される。また、モーター接続部208は、モーター接続部固定用ネジ255がモーター接続部固定用孔257を貫通しモーター取付け用孔258に締結されることでギアードモーター248に固定される。そして、
図19に示すように、連結シャフト249は、手動ステージ210の固定部品211の端部のブロック251に設けられた固定用孔252にそれぞれ嵌入される。これにより、モーター接続部208に固定されたギアードモーター248は、2本の連結シャフト249により手動ステージ210に固定される。このように、電動化ユニット200は、これらの構成により手動ステージ210に固定され、モーター軸253の回転の影響を受けずに共回りが防止される。
【0099】
ハンドル駆動用連結部209は、ハンドル軸218とモーター軸253とを連動させる。
図20に断面で示すように、ハンドル駆動用連結部209は、一端がギアードモーター248から突出するモーター軸253に接続し、他端の突出部がハンドル213のハンドル軸218に接続する。そして、ハンドル駆動用連結部209は、ハンドル軸218とモーター軸253と同軸で接続するため、ギアードモーター248によるモーター軸253の回転をハンドル213のハンドル軸218に連動させることができる。
【0100】
ハンドル把持部207は、ハンドル駆動用連結部209と組み合わされて一体となる。そして、ハンドル把持部207により把持されたハンドル213のつまみ部219を回転させる。このため、ハンドル把持部207は、例えばエラストマーなどのラバーといった摩擦係数の高い素材が用いられるが、それに限らず、アルミニウム等の金属等の素材が用いられても良い。さらに、このハンドル把持部207は、手動で回転操作されることにより、精密機器の位置の微調整を行うことができる。
【0101】
このように、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット200は手動ステージ210に対して着脱自在である。そして、電動化ユニット200を手動ステージ210に取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)に切り替わる。また、電動化ユニット200を手動ステージ210から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット200により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット200を手動ステージ210に取り付けた自動操作モード(或いは電動操作モード)であってもハンドル把持部207を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作モード(或いは電動操作モード)の際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0102】
(手動ステージ用電動化ユニットの第4実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット300の第4実施形態につき、詳細に説明する。
図21は、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット300の第4実施形態の概略構成を示す斜視図であり、電動化ユニット付き手動ステージ320の第4の実施形態の概略構成を示す一部分解された斜視図である。また、
図22は、
図21に示す電動化ユニット付き手動ステージ320の全体構成を示す斜視図である。また、
図23は、電動化ユニット300の構成を示す斜視図である。また、
図24は、送りネジ式手動ステージ310と電動化ユニット300との接続方法を示す斜視図である。さらに、
図25は、
図22に示す電動化ユニット付き手動ステージ320のB−B断面図である。手動ステージ用電動化ユニット300は、手動ステージ310に取り付けられ、手動ステージ310に自動ステージの機能が発揮される。
【0103】
手動ステージ310は、摺動部品312と固定部品311とが雄ネジ及び雌ネジから構成される駆動機構を介して連結される。そして、
図21に示す手動ステージ310には、摺動部品312に取り付けられていたハンドル(
図17参照)及びハンドルつまみ部(
図17参照)が取り外され、手動ステージ用電動化ユニット300が取り付けられる。手動ステージ310の利用者は、ハンドルつまみ部219を軸回りに回転操作させる。雄ネジであるハンドル軸318は、このハンドルつまみ部219の回転に連動して回転し、摺動部品312に固定された雌ネジを移動させる。このように、固定部品311に対して摺動部品312を移動させて精密機器の位置調整を行う。また、手動ステージ310は、
図21に示す摺動固定ネジ305が締め込まれることで摺動部品312を固定部品311上の任意の位置において固定する。そして、摺動固定ネジ305を緩めることにより摺動部品312を移動可能にする。また、精密機器(図示せず)が精密機器取付け孔314に締結具により取り付けられる。さらに、固定部品311は、締結具を土台固定孔317にねじ込むことにより土台(図示せず)に固定される。
【0104】
本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット300は、この手動ステージ310に取り付けられ、手動ステージ310の摺動部品312の移動を電動化させるユニットである。
図21に示すように、この電動化ユニット300は、ハンドル軸318と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部309、ハンドル駆動用連結部309を回転させるギアードモーター348、ギアードモーター348の共回りを防止する回転防止部303、及びギアードモーター348と接続するモーター接続部308から構成される。なお、手動ステージ310には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本実施形態の電動化ユニット300は、送りネジ式ステージに適用される。
【0105】
ハンドル駆動用連結部309は、ハンドル軸318とモーター軸353とを連動させる。
図25に断面で示すように、ハンドル駆動用連結部309は、一端がギアードモーター348から突出するモーター軸353に接続し、他端がハンド
ルのハンドル軸318に接続する。そして、ハンドル駆動用連結部309は、ハンドル軸318とモーター軸353と同軸で接続するため、ギアードモーター348によるモーター軸353の回転をハンド
ルのハンドル軸318に連動させることができる。
【0106】
図23に示すように、回転防止部303は、モーター接続部308及びハンドル軸支持台359と一体的に形成され、L字状となる。そして、このL字の中にハンドル駆動用連結部309を安定的に挟み込むことができる。これにより、コンパクトな手動ステージ用電動化ユニット300となる。
【0107】
また、
図24に示すように、回転防止部303は、回転防止部固定用ネジ364により、手動ステージ310の固定部品311の端部に設けられた2箇所のブロック固定用孔352に固定される。この回転防止部固定用ネジ364は、手動ステージ310の固定部品311の端部の2箇所で回転が拘束される。また、
図23に示すように、モーター接続部308は、モーター接続部固定用ネジ362によりモーター接続部固定用孔363を貫通してモーター取付け用孔358に固定される。このモーター接続部固定用ネジ362は、3個がモーター接続部308に設けられたモーター取付け用孔358を貫通するが、下部の1個は、回転防止部303及びモーター接続部308を貫通する。このように、回転防止部303は、手動ステージ310及びモーター348に固定される構成によりモーター348の共回りが防止される。
【0108】
ハンドル駆動用連結部309は、ハンドルからつまみ部が除去されたハンドル軸318に連結される。そして、ハンドル駆動用連結部309は、ハンドル軸318に連結された連結軸368を介してハンドル軸318に連結される。すなわち、ハンドル軸318は、手動ステージ310の機種によりサイズが異なる場合がある。その場合には、その手動ステージ310の機種のハンドル軸318の適合する連結軸368を用いてハンドル駆動用連結部309に接続することができる。このように、必要な連結軸
368を揃えておけば機種が異なる手動ステージ310に対応することができる。また、ハンドル駆動用連結部309は、手動で回転操作されることにより、手動ステージのハンドル軸318を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことができる。
【0109】
このように、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット300は手動ステージ310に対して着脱自在である。そして、電動化ユニット300を手動ステージ310に取り付けることで自動操作モード(或いは電動操作モード)に切り替わる。また、電動化ユニット300を手動ステージ310から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット300により手動操作又は自動操作のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット300を手動ステージ310に取り付けた自動操作モード(或いは電動操作モード)であっても
ハンドル駆動用連結部309を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作モード(或いは電動操作モード)の際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0110】
(電動化ユニット付き手動ステージの第3実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ220の第3実施形態につき、詳細に説明する。
図17に、電動化ユニット付き手動ステージ220の第3実施形態を分解した斜視図で示す。電動化ユニット付き手動ステージ220は、手動ステージ用電動化ユニット200が手動ステージ210に結合されたステージである。また、
図20に、
図17の電動化ユニット付き手動ステージ220の断面図を示す。
【0111】
なお、手動ステージ210には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本発明の手動ステージ210は、送りネジ式ステージに適用される。
【0112】
本電動化ユニット付き手動ステージ220は、手動ステージ210に電動化ユニット200が組み込まれた機器である。そして、電動化ユニット200は、モーターの共回りを防止する回転防止用冶具203、ハンドル軸218と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部209、ハンドル213のつまみ部219を把持するハンドル把持部207、ハンドル駆動用連結部209を回転させるギアードモーター248、及びモーターと接続し、回転防止用冶具203が取り付けられるモーター接続部208から構成される。
【0113】
また、取り付けられた電動化ユニット200のハンドル把持部207を手動で回転操作することにより、ハンドル把持部207より把持されたハンドル213のつまみ部219を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことができる。
【0114】
このように、電動化ユニット付き手動ステージ220は、電動化ユニット200が手動ステージ210に取り付けられていることで自動操作モードとなる。また、電動化ユニット200を手動ステージ210から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ220は、手動操作又は自動操作(或いは電動操作モード)のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット200が手動ステージ210に取り付けられた「自動操作」モードであってもハンドル駆動用連結部209を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作(或いは電動操作モード)モードの際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0115】
(電動化ユニット付き手動ステージの第4実施形態の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ320の第4実施形態につき、詳細に説明する。
図22に、電動化ユニット付き手動ステージ320の第4実施形態を斜視図で示す。電動化ユニット付き手動ステージ320は、手動ステージ用電動化ユニット300が手動ステージ310に結合されたステージである。また、
図25に、電動化ユニット付き手動ステージ320の断面図を示す。
【0116】
なお、手動ステージ
310には、その摺動機構により、例えば、アリ溝式ステージ、送りネジ式ステージ、リニアボール式ステージ、クロスローラ式ステージ、簡易ボール式ステージ、アリ溝スライドレール式ステージなどが含まれるが、本発明の手動ステージ310は、送りネジ式ステージに適用される。
【0117】
本電動化ユニット付き手動ステージ320は、手動ステージ310に電動化ユニット300が組み込まれた機器である。そして、電動化ユニット300は、ハンドル軸318と略同軸を保持しながら連結するハンドル駆動用連結部309、ハンドル駆動用連結部309を回転させるギアードモーター348、ハンドル駆動用連結部309を挟み込んで共回りを防止する回転防止部303、及びモーター348と接続するモーター接続部308から構成される。また、
図21に示すように、ハンドル駆動用連結部309が、ハンドル軸318のサイズと適合させるために連結軸368を備えても良い。なお、
図22は、この連結軸368が不要な場合を示す。
【0118】
また、取り付けられた電動化ユニット300のハンドル駆動用連結部309を手動で回転操作することにより、ハンドル軸318を回転させ、精密機器の位置の微調整を行うことができる。
【0119】
このように、電動化ユニット付き手動ステージ320は、電動化ユニット300が手動ステージ310に取り付けられていることで自動操作モードとなる。また、電動化ユニット300を手動ステージ310から除去することで手動操作モードに切り替わる。つまり、本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ320は、手動操作又は自動操作(或いは電動操作モード)のいずれか一方が選択される。さらに、電動化ユニット300が手動ステージ310に取り付けられた「自動操作」モードであってもハンドル駆動用連結部309を手動で回転させることで精密機器の位置を微調整することができる。これにより、自動操作(或いは電動操作モード)モードの際に手動操作モードの利点を実施できる。
【0120】
(電動化ユニット付き手動ステージの第2実施形態の第1実施例の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る手動ステージ用電動化ユニット400の第2実施形態の第1実施例につき、詳細に説明する。この第1実施例は、
図3及び
図4に示す第2実施形態のバリエーションである。
図26に、手動ステージ用電動化ユニット400の第1実施例の概略構成を斜視図で示す。手動ステージ用電動化ユニット400は、手動ステージ410に取り付けられ、手動ステージ410に自動ステージの機能が発揮される。また、
図27に、
図26の手動ステージ用電動化ユニット400の平面図を示す。以下の第1実施例についての記載では、
図3及び
図4に示す第2実施形態と同様の記載は省略して第2実施形態との差異についてのみ説明する。従って、
図3及び
図4に示す第2実施形態に関する記載のうち、以下の第1実施例に関する記載にないものは援用される。
【0121】
図26及び
図27に示すように、この電動化ユニット400は、摺動部品431又は固定部品444を挟み込んで固定させる挟み固定部424の構成について、
図3及び
図4に示す第2実施形態と相違する。
【0122】
図27に示すように、挟み固定部424は、摺動部品431又は固定部品444の両側を挟み込むように設置される。そして、この挟み固定部424は、摺動部品431又は固定部品444を挟み込む側にそれぞれ弾性体450を備える。それにより、弾性体450の弾性力により摺動部品431又は固定部品444を両側から押し込んで固定させる。つまり、手動ステージ410に手動ステージ用電動化ユニット400を取り付ける際には、電動化ユニット400の左右の挟み固定部424を若干開き、摺動部品431又は固定部品444を挟み込む。弾性体450は、挟み固定部424の摺動部品431又は固定部品444と接触する面から僅かに突出させてある。従って、弾性体450は、挟み固定部424が摺動部品431又は固定部品444を挟み込んだ際に圧縮される。左右の挟み固定部424が摺動部品431又は固定部品444を挟み込むと、弾性体450は圧縮されて弾性変形し、復元しようとする弾性力が発生する。そして、弾性体450のこの弾性力により摺動部品431又は固定部品444を両側から押し込んで固定させる。このように、この弾性体450により簡単な機構で確実に共回りを防止することができる。
【0123】
(電動化ユニット付き手動ステージの第2実施形態の第2実施例の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る手動ステージ用電動化ユニットの第2実施形態の第2実施例につき、詳細に説明する。この第2実施例は、
図3及び
図4に示す第2実施形態のバリエーションである。
図28に、手動ステージ用電動化ユニット500の第2実施例の概略構成を斜視図で示す。手動ステージ用電動化ユニット500は、手動ステージ510に取り付けられ、手動ステージ510に自動ステージの機能が発揮される。また、
図29に、
図28の手動ステージ用電動化ユニット500の平面図を示す。さらに、
図30に、
図28の手動ステージ用電動化ユニット500を手動ステージ510側からみた斜視図で示す。以下の第2実施例についての記載では、
図3及び
図4に示す第2実施形態と同様の記載は省略して第2実施形態との差異についてのみ説明する。従って、
図3及び
図4に示す第2実施形態に関する記載のうち、以下の第2実施例に関する記載にないものは援用される。
【0124】
図28及び
図29に示すように、この電動化ユニット500は、摺動部品531又は固定部品544を挟み込んで固定させる挟み固定部524の構成について、
図3及び
図4に示す第2実施形態と相違する。
【0125】
図29に示すように、挟み固定部524は、摺動部品531又は固定部品544の両側を挟み込むように設置される。そして、
図30に示すように、摺動部品531又は固定部品544の両側の挟み固定部524は、挟み固定部反力盤553により支持され、相互を連結するスプリング550を備える。それにより、スプリング550の弾性力により摺動部品531又は固定部品544を両側から押し込んで固定させ、スプリング550の弾性力の反力は挟み固定部反力盤553が負担する。つまり、手動ステージ510に手動ステージ用電動化ユニット500を取り付ける際には、電動化ユニット500の左右の挟み固定部524を若干開き、摺動部品531又は固定部品544を挟み込む。このように、電動化ユニット500の左右の挟み固定部524を若干開くことでスプリング550が弾性変形し、復元しようとする張力が発生する。そして、スプリング550のこの張力により摺動部品531又は固定部品544を両側から押し込んで固定させる。なお、挟み固定部524は、固定部抜止め552により抜けが防止される。このように、このスプリング550を用いた簡単な機構により確実に共回りが防止され、モーター539により手動ステージ510が電動で動作する。
【0126】
(手動ステージの第2実施形態の第1実施例の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ420の第1実施例につき、詳細に説明する。
図26に、電動化ユニット付き手動ステージ420の第1実施例を斜視図で示す。電動化ユニット付き手動ステージ420は、手動ステージ用電動化ユニット400が手動ステージ410に結合されたステージである。また、
図27に、
図26の電動化ユニット付き手動ステージ420の平面図を示す。以下の第1実施例についての記載では、
図3及び
図4に示す第2実施形態と同様の記載は省略して第2実施形態との差異についてのみ説明する。従って、
図3及び
図4に示す第2実施形態に関する記載のうち、以下の第1実施例に関する記載にないものは援用される。
【0127】
図26及び
図27に示すように、この電動化ユニット付き手動ステージ420は、摺動部品431又は固定部品444を挟み込んで固定させる挟み固定部424の構成について、
図3及び
図4に示す第2実施形態と相違する。
【0128】
図27に示すように、挟み固定部424は、摺動部品431又は固定部品444の両側を挟み込むように設置される。そして、この挟み固定部424は、摺動部品431又は固定部品444を挟み込む側にそれぞれ弾性体450を備える。それにより、弾性体450の弾性力により摺動部品431又は固定部品444を両側から押し込んで固定させる。つまり、手動ステージ410に手動ステージ用電動化ユニット400を取り付ける際には、電動化ユニット400の左右の挟み固定部424を若干開き、摺動部品431又は固定部品444を挟み込む。弾性体450は、挟み固定部424が摺動部品431又は固定部品444を挟み込んだ際に圧縮されるように挟み固定部424の摺動部品431又は固定部品444と接触する面から僅かに突出させてある。従って、弾性体450は、左右の挟み固定部424が摺動部品431又は固定部品444を挟み込むと圧縮されて弾性変形し、復元しようとする弾性力が発生する。そして、弾性体450のこの弾性力により摺動部品431又は固定部品444を両側から押し込んで固定させる。このように、この弾性体450により簡単な機構で確実に共回りを防止することができる。
【0129】
(手動ステージの第2実施形態の第2実施例の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る電動化ユニット付き手動ステージ520の第2実施例につき、詳細に説明する。
図28に、電動化ユニット付き手動ステージ520の第2実施例を斜視図で示す。電動化ユニット付き手動ステージ
520は、手動ステージ用電動化ユニット500が手動ステージ510に結合されたステージである。また、
図29に、
図27の電動化ユニット付き手動ステージ520の平面図を示す。以下の第2実施例についての記載では、
図3及び
図4に示す第2実施形態と同様の記載は省略して第2実施形態との差異についてのみ説明する。従って、
図3及び
図4に示す第2実施形態に関する記載のうち、以下の第2実施例に関する記載にないものは援用される。
【0130】
図28及び
図29に示すように、この電動化ユニット付き手動ステージ520は、摺動部品531又は固定部品
544を挟み込んで固定させる挟み固定部524の構成について、
図3及び
図4に示す第2実施形態と相違する。
【0131】
図29に示すように、挟み固定部524は、摺動部品531又は固定部品544の両側を挟み込むように設置される。そして、
図30に示すように、摺動部品531又は固定部品544の両側の挟み固定部524は、挟み固定部反力盤553により支持され、相互を連結するスプリング550を備える。それにより、スプリング550の弾性力により摺動部品531又は固定部品544を両側から押し込んで固定させ、スプリング550の弾性力の反力は挟み固定部反力盤553が負担する。つまり、手動ステージ510に手動ステージ用電動化ユニット500を取り付ける際には、電動化ユニット500の左右の挟み固定部524を若干開き、摺動部品531又は固定部品544を挟み込む。このように、電動化ユニット500の左右の挟み固定部524を若干開くことでスプリング550が弾性変形し、復元しようとする張力が発生する。そして、スプリング550のこの張力により摺動部品531又は固定部品544を両側から押し込んで固定させる。なお、挟み固定部524は、固定部抜止め552により抜けが防止される。このように、このスプリング550を用いた簡単な機構により確実に共回りが防止され、モーター539により手動ステージ510が電動で動作する。