特許第5913633号(P5913633)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5913633流体作動式アクチュエータの位置調整および位置固定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913633
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】流体作動式アクチュエータの位置調整および位置固定
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/26 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
   F15B15/26
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-551611(P2014-551611)
(86)(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公表番号】特表2015-503722(P2015-503722A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】EP2013050386
(87)【国際公開番号】WO2013104707
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2014年8月11日
(31)【優先権主張番号】61/586,240
(32)【優先日】2012年1月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308012864
【氏名又は名称】ノアグレン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーデル, ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ベルク, ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】キュールマン, ハンス−ペーター
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−159140(JP,A)
【文献】 米国特許第02118890(US,A)
【文献】 実開昭60−018061(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ筐体(104)、
前記アクチュエータ筐体(104)において移動可能なピストン(106)およびピストンロッド(108)を有するピストンアセンブリ(109)、
前記ピストンロッド(108)に一体化され、かつ、前記ピストンロッド(108)の長手軸に沿って配置された複数の上側戻り止め(210a)、および、前記ピストンロッド(108)の前記複数の上側戻り止め(210a)の反対側において前記ピストンロッド(108)の長手軸に沿って配置された複数の下側戻り止め(210b)を有し、前記複数の下側戻り止め(210b)が長手方向において前記複数の上側戻り止め(210a)から所定の距離(d)だけ離れた互い違いである複数の戻り止め(210)、および
第1および第2の位置の間を移動するように構成されているロック(209)を備え、
前記ロック(209)が前記第1の位置または前記第2の位置にあるときに前記複数の戻り止め(210)に係合して、前記アクチュエータ筐体(104)に対してピストンアセンブリ(109)が移動することを防止し、そして、前記ロック(209)が前記第1および第2の位置の間にあるときに前記複数の戻り止め(210)から解放されて、前記アクチュエータ筐体(104)に対してピストンアセンブリ(109)を移動させられるように、前記ロックが構成されている、流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項2】
前記複数の戻り止め(210)は、前記ピストンロッド(108)の一部として形成されることによって前記ピストンロッド(108)と一体化されている、請求項1に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項3】
前記複数の戻り止め(210)は、前記ピストンロッド(108)に連結されることによって前記ピストンロッド(108)と一体化されている、請求項1に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項4】
前記アクチュエータ筐体(104)に連結され、かつ、前記ロック(209)の少なくとも一部を囲むロック筐体(213)をさらに備えている、請求項1に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項5】
前記ロック筐体(213)内に配置され、かつ、第1の方向に前記ロック(209)を付勢する付勢部材(214)をさらに備えている、請求項4に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項6】
作動チャンバ(218)および流体ポート(215)をさらに備え、
前記作動チャンバ(218)における圧力が第2の方向に前記ロック(209)を付勢する、請求項4に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項7】
前記ロック(209)は、前記複数の戻り止め(210)のうちの上側戻り止め(210a)に係合するように構成された上側留め具(211)、および、前記複数の戻り止め(210)のうちの下側戻り止め(210b)に係合するように構成された下側留め具(212)を有している、請求項1に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項8】
前記上側留め具(211)は前記下側留め具(212)から所定の距離(d)だけ離れている、請求項に記載の流体作動式アクチュエータ(103)。
【請求項9】
複数の戻り止め(210)は、ピストンロッド(108)の長手軸に沿って配置された複数の上側戻り止め(210a)、および、前記ピストンロッド(108)の前記複数の上側戻り止め(210a)の反対側において前記ピストンロッド(108)の長手軸に沿って配置された複数の下側戻り止め(210b)を有し、前記複数の下側戻り止め(210b)が長手方向において前記複数の上側戻り止め(210a)から所定の距離(d)だけ離れた互い違いである、流体作動式アクチュエータにおける、ピストンおよび前記ピストンロッドを有するピストンアセンブリの位置を制御するための方法であって、
第1および第2の位置の間を移動可能なロックを用いて、前記ピストンロッドに一体化された戻り止めと前記第1および第2の位置で前記ロックが係合して、ピストンアセンブリをロックするステップ、
第1の方向に前記ピストンアセンブリを付勢するステップ、
前記第1の位置から前記第2の位置に向かって前記ロックを作動するステップ、および、
前記ロックが前記第2の位置に達して前記複数の戻り止めに係合する前に、前記ピストンアセンブリを前記第1の方向に所定の距離、移動させられるように、前記ロックが前記第1および第2の位置の間にあるときに前記ロックを前記複数の戻り止めから解放するステップ、を備えている、方法。
【請求項10】
前記ピストンアセンブリを付勢するステップは、前記流体作動式アクチュエータの第1流体チャンバを加圧することにより構成されている、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記ロックを作動するステップは、前記ロックと、少なくとも前記ロックの一部を囲むロック筐体とにより規定される作動チャンバを加圧することにより構成されている、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記ピストンアセンブリをロックするステップは、前記ロックの上側留め具を前記複数の戻り止めの上側戻り止めに係合することにより構成されている、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記ロックが前記第2の位置に達して前記複数の戻り止めに係合するステップは、前記ロックの下側留め具を前記複数の戻り止めの下側戻り止めに係合することにより構成されている、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、以下のとおり、流体作動式アクチュエータに関し、特に、位置調整および位置固定を改良した流体作動式アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
流体作動式アクチュエータは多様な産業に用いられ、商業的に大成功を収めてきている。一般に、流体作動式アクチュエータは流体圧力を機械的な動きに変換したり、機械的な動きを流体圧力の変化に変換したりする。通常、流体作動式アクチュエータに用いられる流体は、たとえば、空気圧式アクチュエータや作動液などの空気から成る。両方のタイプの流体は長所を有し、場合によってはいずれか一方のタイプの流体が用いられてもよい。通常、空気圧式アクチュエータは、高速運転が要求される場合に用いられる。従来、作動液は、多くの場合、より高い流体圧力、延いては、より強い力が要求されるときに適した選択である。
【0003】
飲料業界において、流動作動式アクチュエータが典型的に使用されている。典型的には、瓶詰および加工工程において、コンベヤーシステムでいくつかの場所の間に様々なサイズのボトルが運ばれる。ボトルは、真っ直ぐ立てられた状態で、および/または、レイルを使用したコンベヤーベルト上に保持されている。運ばれるボトルの特定のサイズに基づいて、レイル間の距離を変える必要がある。多くの状況では、レイル間の距離を手動で調整している。新規のシステムでは、距離の調整に複数の流体作動式アクチュエータを用いているものもある。わかるように、レイル間の距離を手動で調整する場合、距離の変更には、時間がかかり、製造コストがかさむ。流体作動式アクチュエータを用いることによりレイルとレイルとの距離を調整するスピードを図ることができるが、流体作動式アクチュエータを用いた先行技術による取り組みは不十分である。流体作動式アクチュエータは流体圧力の常時監視および制御を必要とするが、これは、レイル間の距離を変えている間の長い時間を考慮すると好ましくなく、また、手動ロックが求められるが、これは、作業者が一般的にロックを所定の位置に物理的に置く必要がある。自動ロックシステムでさえ、ロックする前に全てのアクチュエータが正しい位置に確実にあるように点検することが作業員にまだ求められる。
【0004】
力や流体圧力を与え続けることなく、流体作動式アクチュエータを所望の位置に駆動してその位置を維持することができる必要がある。さらに、流体作動式アクチュエータのピストンアセンブリの位置を作業者が物理的に点検する必要なく、流体作動式アクチュエータを正確に位置づけることができるシステムが求められている。
【0005】
以下の実施の形態はこれらと他の問題を克服し、技術的な進歩が成し遂げられる。以下の実施の形態は、ピストンアセンブリに備えられているまたは連結されている戻り止めと相互作用する機械的ロックを用いて、正確に位置付けすることができる流体作動式アクチュエータを提供する。別の流体作動式アクチュエータまたは他の何らかのタイプのアクチュエータシステムを用いて、所定の位置へまたは所定の位置から機械的ロックが動かされてもよい。機械的ロックが1つ以上の所定の位置に達すると、主要な流体作動式アクチュエータのピストンアセンブリはもはや移動することができず、ロックされる。
【発明の概要】
【0006】
実施の形態に係る流体作動式アクチュエータを提供する。流体作動式アクチュエータは、アクチュエータ筐体と、前記アクチュエータ筐体において移動可能なピストンおよびピストンロッドを有するピストンアセンブリとを備えている。さらに、実施の形態に係る流体作動式アクチュエータは、前記ピストンロッドに一体化された複数の戻り止めと、第1および第2の位置の間を移動するように構成されているロックとを備えている。実施の形態に係る前記ロックが前記第1の位置または前記第2の位置にあるときに前記複数の戻り止めに係合して、アクチュエータ筐体に対してピストンアセンブリが移動することを防止する。さらに、前記ロックが前記第1および第2の位置の間にあるときに前記複数の戻り止めから解放されて、アクチュエータ筐体に対してピストンアセンブリを移動させられる。
【0007】
実施の形態に係る流体作動式アクチュエータにおける、ピストンおよびピストンロッドを有するピストンアセンブリの位置を制御するための方法を提供する。実施の形態に係る方法は、第1および第2の位置の間を移動可能なロックを用いて、前記ピストンロッドに一体化された戻り止めと前記第1および第2の位置でロックが係合し、ピストンアセンブリをロックするステップを備えている。さらに、実施の形態に係る方法は、第1の方向に前記ピストンアセンブリを付勢するステップ、および、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって前記ロックを作動するステップを備えている。さらに、実施の形態に係る方法は、前記ロックが前記第2の位置に達して前記複数の戻り止めに係合する前に、前記ピストンアセンブリを前記第1の方向に所定の距離、移動させられるように、前記ロックが前記第1および第2の位置の間にあるときに前記ロックを前記複数の戻り止めから解放するステップを備えている。
【0008】
一態様では、流体作動式アクチュエータは、アクチュエータ筐体、前記アクチュエータ筐体において移動可能なピストンおよびピストンロッドを有するピストンアセンブリ、前記ピストンロッドに一体化された複数の戻り止め、および、第1および第2の位置の間を移動するように構成されているロックを備え、前記ロックが前記第1の位置または前記第2の位置にあるときに前記複数の戻り止めに係合して、アクチュエータ筐体に対してピストンアセンブリが移動することを防止し、そして、前記ロックが前記第1および第2の位置の間にあるときに前記複数の戻り止めから解放されて、アクチュエータ筐体に対してピストンアセンブリを移動させられるように、前記ロックが構成されている。
【0009】
好ましくは、前記複数の戻り止めは、前記ピストンロッドの一部として形成されることによって前記ピストンロッドと一体化されている。
【0010】
好ましくは、前記複数の戻り止めは、前記ピストンロッドに連結されることによって前記ピストンロッドと一体化されている。
【0011】
好ましくは、前記流体作動式アクチュエータは、前記アクチュエータ筐体に連結され、かつ、前記ロックの少なくとも一部を囲むロック筐体をさらに備えている。
【0012】
好ましくは、前記流体作動式アクチュエータは、前記ロック筐体内に配置され、かつ、第1の方向に前記ロックを付勢する付勢部材をさらに備えている。
【0013】
好ましくは、前記流体作動式アクチュエータは、作動チャンバおよび流体ポートをさらに備え、前記作動チャンバにおける圧力が第2の方向に前記ロックを付勢する。
【0014】
好ましくは、前記複数の戻り止めは、上側戻り止め、および、前記上側戻り止めから所定の距離だけ離れた下側戻り止めを有している。
【0015】
好ましくは、前記ロックは、前記複数の戻り止めのうちの上側戻り止めに係合するように構成された上側留め具、および、前記複数の戻り止めのうちの下側戻り止めに係合するように構成された下側留め具を有している。
【0016】
好ましくは、前記上側留め具は前記下側留め具から所定の距離だけ離れている。
【0017】
他の態様では、方法は、流体作動式アクチュエータにおける、ピストンおよびピストンロッドを有するピストンアセンブリの位置を制御するための方法であって、第1および第2の位置の間を移動可能なロックを用いて、前記ピストンロッドに一体化された戻り止めと前記第1および第2の位置でロックが係合して、ピストンアセンブリをロックするステップ、第1の方向に前記ピストンアセンブリを付勢するステップ、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって前記ロックを作動するステップ、および、前記ロックが前記第2の位置に達して前記複数の戻り止めに係合する前に、前記ピストンアセンブリを前記第1の方向に所定の距離、移動させられるように、前記ロックが前記第1および第2の位置の間にあるときに前記ロックを前記複数の戻り止めから解放するステップ、を備えている。
【0018】
好ましくは、前記ピストンアセンブリを付勢するステップは、前記流体作動式アクチュエータの第1流体チャンバを加圧することにより構成されている。
【0019】
好ましくは、前記ロックを作動するステップは、前記ロックと、少なくとも前記ロックの一部を囲むロック筐体とにより規定される作動チャンバを加圧することにより構成されている。
【0020】
好ましくは、前記複数の戻り止めは、上側戻り止め、および、前記上側戻り止めから所定の距離dだけ離れた下側戻り止めを有している。
【0021】
好ましくは、前記ピストンアセンブリをロックするステップは、前記ロックの上側留め具を前記複数の戻り止めの上側戻り止めに係合することにより構成されている。
【0022】
好ましくは、前記ロックが前記第2の位置に達して前記複数の戻り止めに係合するステップは、前記ロックの下側留め具を前記複数の戻り止めの下側戻り止めに係合することにより構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施の形態に係るコンベヤーシステムの一部を示す。
図2図2は、実施の形態に係る流体作動式アクチュエータの断面図を示す。
図3図3は、他の実施の形態に係る流体作動式アクチュエータの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜3および以下の説明は、流体作動式アクチュエータを製造し使用する最善の方法を当業者に教示する具体例を表している。発明の原理を教示するため、従来態様は簡素化または省略されているものもある。当業者であれば、本説明の範囲に属するこれらの例からバリエーションがわかるだろう。流体作動式アクチュエータの多様なバリエーションを構成するように、様々な方法で以下に述べる特徴を結合することができることを当業者はわかるだろう。結果として、以下の実施の形態は、以下の具体例に限定されず、クレームおよびそれに準ずる物によってのみ限定される。
【0025】
図1は、実施の形態に係るコンベヤーシステム100の一部を示す。コンベヤーシステム100は、ボトル102を移動させるための運搬システム(図示せず)に沿った2本以上のレイル101を備えている。図1に示されるように2本のレイル101は、複数の流体作動式アクチュエータ103により位置合わせされる。当然のことながら、流体作動式アクチュエータ103は多種多様な用途に用いられ得、流体作動式アクチュエータ103の理解に役立つように流体作動式アクチュエータ103の使用例としてコンベヤーシステム100を単に示しているに過ぎない。よって、流体作動式アクチュエータ103を対象としたクレームは、コンベヤーシステム100の残る構成要素を必須としない。
【0026】
図1に示し、後述の図において詳細に述べるように、図示した複数の流体作動式アクチュエータの各流体作動式アクチュエータ103は筐体104を有している。図示されていないが、使用において、流体作動式アクチュエータ103の配置を維持するために、筐体104は据え付け台に連結されてもよい。流体作動式アクチュエータ103の内部構成を示すために、少なくとも部分的に透明な材料で構成されているように筐体104が示されている。多くの実施の形態において当然のことながら、筐体104は透明な材料で構成されておらず、本実施の形態を理解する目的で筐体104を単に透明に示している。
【0027】
実施の形態では、ピストン106によって2つ以上の流体チャンバ105a、105bに筐体104が分割されている。実施の形態では、第1ピストンロッド107は、ピストン106の第1の方向に連結されて延び、レイル101に連結されている。第2ピストンロッド108は、ピストン106の第2の方向に連結されて延びている。第2ピストンロッド108は、ピストン106、延いては第1ピストンロッド107の位置を調整するために用いられ得る。実施の形態では、ピストン106、第1ピストンロッド107および第2ピストンロッド108は、互いに連結されてピストンアセンブリ109を形成する。わかるように、コンベヤーシステム100において動いている多様なサイズのボトルに適用するために、ピストンアセンブリ109を調整することにより、レイル101の配置を調整することができる。
【0028】
図2は、実施の形態に係る流体作動式アクチュエータ103の断面図を示す。2つの流体チャンバ105a、105bは図2においてより見えやすいように、ピストン106により筐体104が流体チャンバ105a、105bに分けられていることが明らかである。示されていないが、流体チャンバ105a、105bへの流体の供給および流体チャンバ105a、105bからの流体の排出を選択的に行うために、流体ポートが筐体104に設けられている。流体は、空気、作動液、また別のタイプの適切な流体により構成されていてもよい。使用された特定の流体によって、本実施の形態の範囲が限定されることは全くない。また、当業者はわかるように、ピストン106と筐体104との間、および、ピストンロッド107、108と筐体104との間におけるシールの液密性を維持するために、適切なシールが流体作動式アクチュエータ103に設けられている。わかりやすくするために図からシールを省略している。
【0029】
図2に示す実施の形態によれば、筐体104には複数の止め具206a、206bがさらに設けられている。止め具206a、206bは、筐体104の内面から第1および第2流体チャンバ105a、105bに向かって延びる突起により構成され、ピストンロッド107、108それぞれの通過を許容するが、ピストン106の通過を防げる。したがって、止め具206a、206bは、ピストン106、延いては、ピストンアセンブリ109全体の移動距離を制限することができる。当然のことながら、全ての実施の形態が止め具206a、206bを必要なわけではない。むしろ、他の実施の形態では、ピストン106の移動距離を、たとえば、筐体104自体の壁によって制限することもできる(図3を参照。)。
【0030】
実施の形態では、流体作動式アクチュエータ103にロック209がさらに設けられている。ロック209は、ピストンアセンブリ109と一体化された複数の戻り止め210に係合するようなサイズおよい形状に形成されている。さらに具体的に、図2に示す実施の形態では、ロック209は、第2ピストンロッド108に一体化された複数の戻り止め210に選択的に係合するようなサイズおよび形状に形成されている。本願では当然のことながら、「戻り止め」は、たとえば、筋、溝、突起、歯、スタブ、窪みにより構成されてもよく、ロック209の上側および下側戻り止めの留め具211、212と係合し、ロック209に対してピストンアセンブリ109が移動することを防止することができる。よって、留め具211、212は突起として示されているが、他の実施の形態では留め具211、212は戻り止め210の突起と係合し得る溝や窪みにより構成されてもよい。さらに、ただ1つの上側留め具211のみおよびただ1つの下側留め具212のみが示されているが、他の実施の形態では、1つ以上の上側留め具およびまたは下側留め具が設けられていてもよい。
【0031】
実施形態において、戻り止め210は、ピストンアセンブリ109に不可欠な構成要素として形成されることによってピストンアセンブリ109に一体化されてもよいし、あるいは、ピストンアセンブリ109に連結されることによってピストンアセンブリ109に一体化されてもよい(図3を参照。)。戻り止め210は、ピストンアセンブリ109に取り外し可能に連結されてもよいし、ピストンアセンブリ109に実質上永久的に連結されていてもよい。また、図示した実施の形態では、戻り止め210は第2ピストンロッド108に形成または連結されているが、戻り止め210は第1ピストンロッド107に形成されたり連結されたりしてもよい。前記実施形態において、第2ピストンロッド108が省略されてもよい(図3を参照。)。よって、図示されているとおりの戻り止め210の配置によって説明および請求の範囲は限定されるわけではない。しかしながら、重要なことは、戻り止め210の動きは、ピストンアセンブリ109の動きに対応している。
【0032】
実施の形態では、ロック209が第1の位置にあるとき、ロック209の上側留め具211はピストンアセンブリ109の上側戻り止め210aに係合する。実施形態では、ロック209が第2の位置にあるとき、下側留め具212は下側戻り止め210bに係合する。図2では、ロック209は第2の位置にある。実施の形態では、ロック209が第3の位置にあるとき、上側留め具211も下側留め具212も戻り止め210に係合しない。図示した実施の形態では、第3の位置は第1の位置と第2の位置との間にある。よって、ロック209が第3の位置にあるとき、ピストンアセンブリ109はロック209に対して自由に移動できる。反対に、ロック209が第1または第2の位置にあるとき、戻り止め210が上側留め具211または下側留め具212に係合するため、ピストンアセンブリ109はロック209に対して固定される。
【0033】
実施の形態では、流体作動式アクチュエータ103がロック筐体213をさらに備えることができる。実施の形態では、ロック筐体213はアクチュエータ筐体104に連結されていてもよい。しかしながら、他の実施の形態では、ロック筐体213はアクチュエータ筐体104に対して実質上、固定されている外付け部品に連結されていてもよい。ロック筐体213は、ロック209の少なくとも一部を取り囲み、ロック209がアクチュエータ103の長手方向の軸X−Xに平行な方向に動くこと、延いては、ピストンアセンブリ109が動くことを防止することができる。たとえば、図2において、ピストンアセンブリ109は、左右に動くことができるが、実質上、ピストン106と筐体104との間における液密性シールにより上下方向の動きが防止されている。よって、ロック筐体213は、実質上、ロック209が左右方向に動くことを防ぐが、図示しているように、ロック209が上下方向に動かすことができる。当然ながら、用いた特定の方向は、図の配置に関する物であって、本実施の形態の範囲を限定する物ではない。
【0034】
実施の形態では、ロック筐体213に付勢部材214を設けてもよい。付勢部材214は、第1の方向においてロック209を付勢することができる。図示した実施の形態では、付勢部材214は、第1の位置に向かってロック209を下方に付勢する。しかしながら、他の実施形態では、付勢部材214は、たとえば、第2の位置に向かってロックを上方に付勢してもよい。他の実施の形態では、流体作動式アクチュエータ103が適切な向きを維持していれば、付勢部材214が省かれ、ロック209の重さによって第1の位置に向かってロックを十分に付勢してもよい。さらに他の実施形態では、付勢部材214を省略してもよく、第1の位置に向かってロック209を付勢するために流体圧力を供給してもよい。
【0035】
ロック筐体213に流体ポート215がさらに設けられている。流体ポート215は、バルブ217および流体ライン219を介して圧力供給部216または排出部に流体連通していてもよい。示された実施の形態では、バルブ217は3/3方弁により構成されている。図示された3/3方弁はばねであって、3/3方弁が中央位置に付勢されると、全てのポートは遮断される。しかしながら、他の実施の形態では、バルブ217は、たとえば、3/2方弁で構成されてもよい。使用される弁の特定のタイプにより、説明および請求項の範囲が限定されるわけではない。実施の形態では、ロック筐体213の作動チャンバ218に対して流体の供給および排出を選択的に行うように、バルブ217を作動させてもよい。付勢部材214がロック209に作用する方向と反対の方向にロック209を付勢するように、作動チャンバ218内の流体がロック209に作用してもよい。この結果として、当然ながら、実質上、ロック209とロック筐体213との間の液密性シールを形成するように、密封部材(図示せず)が設けられてもよい。よって、摩擦に加えて、付勢部材214の力を超える力が作動チャンバ218内の圧力によりロック209に加えられると、ロック209は第1の位置から第2の位置へ移動することができる。
【0036】
当然ながら、ロック209は第1の位置から第2の位置へ移動する間に、ロック209は第3の位置を通過する。ロックが第3の位置に至ると、上側および下側戻り止め210a、210bはロック209の上側および下側留め具211、212から解放される。ピストンアセンブリ109がいずれか一方の方向に付勢されてさえいれば、第3の位置における時間が短くても、ピストンアセンブリ109は移動することができる。たとえば、第2流体チャンバ105b内より第1流体チャンバ105a内の圧力が高く、ピストンアセンブリ109が左側へ付勢されても、下側留め具212が下側戻り止め210bに係合されると、ピストンアセンブリ109が動くことができない。しかしながら、作動チャンバ218内の圧力が排出されて、その圧力に付勢部材214が打ち勝てば、付勢部材214はロック209が第2の位置から第1の位置へ下がって戻る。ロック209が下がると、下側留め具212と下側戻り止め210aとの係合が解かれ、ピストンアセンブリ109は左側へ移動することができる。実施の形態では、上側および下側戻り止め210a、210bは長手軸X−Xに沿って距離dだけ少し互いに離れて位置している。距離dは、使用者が容易に確認する、または、求められるような、所定の値であってもよい。図のように、これによって、上側および下側戻り止め210a、210bの間に互い違いの配列が作られる。当然ながら、上側および下側戻り止め210a、210bが互いに少し流れていることに代えて、他の実施の形態では、上側および下側留め具211、212が長手軸X−Xに沿って距離dだけ少し互いに離れて位置して、互い違いの配列が作られてもよい。
【0037】
ロック209が第1および第2の位置の間を移動するとき、互い違いの配列によってピストンアセンブリ109は距離dだけ移動することができる。たとえば、作動チャンバ218が排出されると、付勢部材214によりロック209を押し下げられ、ピストンアセンブリ109は左側へ移動する。しかしながら、下側留め具212が下側戻り止め210bから解放されると、上側留め具211が隣のセットの上側戻り止め210aに係合し始めるように、ロック209のサイズが形成されていてもよい。ただし、上側および下側戻り止め210a、210bは距離dだけ少し互いに離れているから、ピストンアセンブリ109は距離dだけ左側へ移動する。わかるように、続いて圧力が作動チャンバ218に与えられると、ロック209は再び第2の位置に、つまり、上方に戻る。ロック209が第2の位置に向かって上昇すると、第3の位置を再び通過して、上側留め具211は上側戻り止め210aから解放され、下側留め具212が隣のセットの下側戻り止め210bに係合する。この特有の構成によりピストンアセンブリ109を正確に位置調整することができる。わかるように、ロック209が第1および第2の位置の間を移動する度に、ピストンアセンブリ109は所定の距離dだけ移動することができる。よって、ピストンアセンブリ109がどちらかの方向に付勢されると、ピストンアセンブリ109の両方の動きを制御し、また、ピストンアセンブリ109を所望の方向にロックするように、ロック209が作動する。
【0038】
当然ながら、上記説明では、第2流体チャンバ105bより第1流体チャンバ105aにおける圧力が高いためピストン106は左側へ移動するが、第1流体チャンバ105aより高い圧力が第2流体チャンバ105bを供給することによって反対の方向に同様に動くことが容易にわかる。よって、ロック209が両方向に動作可能であることを、当業者は容易にわかる。
【0039】
実施の形態では、戻り止め210と共にロック209を用いた流体作動式アクチュエータ103によって、ピストンアセンブリ109の正確な位置調整がなされる。以下に挙げた例は、コンベヤーシステム100におけるレイル101の位置制御に流体作動式アクチュエータ103を用いた場合を対象としている。しかし、他の場合における正確な位置調整を具現化する方法を当業者は容易にわかる。
【0040】
実施の形態では、当業者は、レイル101の位置を調節する必要があれば、複数の流体作動式アクチュエータ103のそれぞれのピストンアセンブリを、調節して、ロック209により所望の位置に保つ。実施の形態では、ピストンアセンブリ109を第1の位置にまず配置してもよい。他の実施の形態では、たとえば、第1の位置は止め具206aによって定められてもよい。さらに他の実施の形態では、第1の位置は第1戻り止め210の位置によって定められてもよい。ピストンアセンブリ109が第1の位置にあると、ピストンアセンブリ109が第1の位置にあるときのレイル101の位置に対するレイル101の所望の位置が定められる。例では、ピストンアセンブリ109が第1の位置にあると、レイル101は最も外側の位置、つまり、レイル101間の距離が最大になる位置に配される。このような場合には、第1の位置では、ピストン106が止め具206aに隣接したり、または、図2に示すように下側留め具212が最も左側にある下側戻り止め210bに係合したりするであろう。
【0041】
第1終端位置から、ボトル102の固有のサイズに対してレイルがどの程度内側に移動するかを使用者や作業者が決めることができる。連続する上側および下側戻り止め110間の距離dがわかるため、位置調整を正確に行うことができる。よって、たとえば、第2流体チャンバ105bより高い圧力で第1流体チャンバ105aに供給することによって、ピストンアセンブリ109が左側に付勢されてさえすれば、ロック209が第2の位置から第1の位置へ動作する毎に、ピストンアセンブリ109が所定の距離dだけ左側へ移動する。同様に、圧力が作動チャンバ218に再び供給されて、ロック209が第1の位置から第2の位置へ戻ると、ピストンアセンブリ109がまた距離dだけ左側へ移動する。したがって、第2流体チャンバ105bより第1流体チャンバ105aの圧力を高く維持しながら、作動チャンバ218への圧力の供給および排出を所望回数行うことによって、使用者がピストンアセンブリ109を移動させたい総距離を容易に制御することができる。バルブ217が電気的に作動すれば、適切な処理システム(図示せず)がバルブ217と電気的に通信して、作動チャンバ218に対する流体の供給および排出の回数を容易に制御することができる。
【0042】
所望の位置に達すると、ロック209がピストンアセンブリ109のさらなる動きを防止できるように、必要に応じて、第1および第2流体チャンバ105a、105bを排出してもよい。図示された実施形態では、バルブ217から力を単に取り除き、バルブ217を中央位置に戻し、ここで、作動チャンバ218における圧力の排出または供給を遮断することにより、ロック209は第1または第2の位置を維持することができる。よって、3/3方バルブにより、ロックされたロック209の位置、延いては、係合されたロック209の位置を維持するために、エネルギーをさらに要しない。
【0043】
一方、バルブ217が3/2方バルブにより構成され、ロック209が第1の位置にあるときに所望の位置であれば、所望の位置を保持するための圧力は必要ない。反対に、ロック209が第2の位置にあるときに所望の位置であれば、作動チャンバ218における圧力を単に維持すればよい。さらに、作業者によりレイル101の位置を物理的に移動、固定および確認するより高精度に、レイル101の位置決めを電気的に制御することができる。これによって、先行技術の手法に比べてより迅速にかつより効果的にレイルの位置決め制御を行う方法が明らかに創り上げられている。
【0044】
図3は、他の実施の形態に係る流体作動式アクチュエータ103の断面図を示す。図2に示す実施の形態では、戻り止め210が第2ピストンロッド108の形成されることによりピストンアセンブリ109に一体化されているが、図3に示す実施の形態では、戻り止め210はブラケット310を介してピストンアセンブリ109に連結されている。ブラケット310は、機械的な留め金具、ろう着、溶接、接着剤などによりピストンアセンブリ109に連結されてもよい。ブラケット310をピストンアセンブリ109に連結するための方法は、特には、本実施の形態の目的にとっては重要ではない。流体作動式アクチュエータ103の長手方向におけるサイズが限定されている場合には、ブラケット310は役立つ。ブラケット310は、戻り止め210の位置を筐体104の上方に代えている。同様に、図2のように側方ではなく、作動筐体104の上部にロック筐体213を連結している。
【0045】
第2ピストンロッド108が取り除かれている点で、図2に示す実施の形態と図3に示す実施の形態とにおいてさらに異なる。図3に示す実施の形態では、1つのピストンロッド107のみが備えられている。したがって、ピストン106およびピストンロッド107からピストンアセンブリ109は構成される。第2ピストンロッド108を排除することにより、流体作動式アクチュエータ103の長手軸X−Xに沿った長さをさらに減ずることができる。
【0046】
また、図3に示す実施の形態では、止め具206a、206bは省かれている。止め具206a、206bを用いることなく、筐体104の壁によってピストンアセンブリ109の動きは制限される。
【0047】
図3に示す実施の形態への上記変更にもかかわらず、図2に対する説明とほぼ同様の方法で動作は行われ得る。
【0048】
当然ながら、付勢部材214および流体圧力によりロック209が作動することは記載されているが、ロック209の位置を制御する他の方法が用いられてもよい。たとえば、機械装置をロック209に作用させてもよい。代わりに、ロック209は、ソレノイドを介して制御されてもよい。また、別の例では、形状記憶合金をロックの位置変更に用いてもよい。ロック209を第1および第2の位置の間で移動させるために様々な方法を用いることができることを当業者なら容易に理解できるであろう。さまざまな選択肢を理解することを単に目的として例を挙げたので、説明やクレームの範囲が使用方法により特に限定されるわけではない。しかし、どのような方法が使用されても、ピストンアセンブリ109の位置を正確に制御するには、第1および第2の位置の間をロック209が動作する回数を正確に記憶できるべきである。
【0049】
上記実施の形態の詳細な説明は、発明者が本説明の範囲内にあると考えられる全実施の形態の説明を網羅しているわけではない。実際、上記実施の形態のある構成要素を様々に他と結合したり省略したりしてさらに別の実施の形態を作り、そのような別の実施の形態が本説明の範囲や教示に該当すると、当業者はわかるであろう。また、上記実施の形態どうしが全体的にまたは一部において結合されて、本説明の範囲および教示内における別の実施の形態を作ることができることは、当業者にとっては明らかであろう。
【0050】
従って、説明のために具体的な実施の形態をここで挙げたが、本説明の範囲であればさまざまな同等の修正が可能であることは、当業者ならわかるであろう。ここで挙げた技術は、添付図面で示された上記実施の形態に関わらず、他の流体作動式アクチュエータに適用可能である。よって、上記実施の形態の範囲は、以下のクレームにより定められるべきである。
図1
図2
図3