(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913636
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】靴、特に運動靴
(51)【国際特許分類】
A43B 3/00 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
A43B3/00
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-555080(P2014-555080)
(86)(22)【出願日】2012年2月4日
(65)【公表番号】特表2015-505488(P2015-505488A)
(43)【公表日】2015年2月23日
(86)【国際出願番号】EP2012000511
(87)【国際公開番号】WO2013113337
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2014年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー、トーマス
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭06−002004(JP,Y1)
【文献】
国際公開第2011/158989(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第0451120(EP,A2)
【文献】
特開2009−172180(JP,A)
【文献】
米国特許第6115940(US,A)
【文献】
米国特許第2299831(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0121177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴上部分(2)と、前記靴上部分(2)に連結している靴底(3)とを有する靴(1)、特に運動靴であって、
前記靴上部分(2)及び前記靴底(3)は、連結要素(4)によって互いに連結される構成において、
前記連結要素(4)が、縦方向に伸長する異形成型部分であり、前記異形成型部分は、上細片状セクション(5)と、2つのフォークセクション(7、8)を有する下フォーク状セクション(6)とを有し、前記靴上部分(2)は、その領域内に前記靴底(3)に近接する細片状上部分セクション(9)を有し、前記細片状上部分セクション(9)は、前記連結要素(4)の前記上細片状セクション(5)に連結し、前記靴底(3)はその領域内に前記靴上部分(2)に近接する細片状靴底セクション(10)を有し、前記細片状靴底セクション(10)は、前記2つのフォークセクション(7、8)間で伸長し、かつ、前記フォークセクション(7、8)のうちの少なくとも1つに連結し、
前記細片状靴底セクション(10)と、前記フォークセクション(7、8)のうちの少なくとも1つとの間の連結を、溶接連結(14)によって確立する
ことを特徴とする靴。
【請求項2】
前記フォークセクション(7、8)は実質的に互いに平行に配置される
請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記細片状上部分セクション(9)と、前記連結要素(4)の前記上細片状セクション(5)との間の連結は、とじ目(11)によって確立される
請求項1または2に記載の靴。
【請求項4】
前記細片状靴底セクション(10)と前記フォークセクション(7、8)のうちの少なくとも1つとの間の連結は、はめ合い連結(12、13)によって確立される
請求項1ないし3のいずれかに記載の靴。
【請求項5】
前記はめ合い連結(12、13)は、前記細片状靴底セクション(10)における、または前記フォークセクション(7、8)のうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの鼻状突出部(12)と、前記フォークセクション(7、8)のうちの1つにおける、または前記細片状靴底セクション(10)における少なくとも1つのフックセクション(13)とを含み、前記鼻状突出部(12)及び前記フックセクション(13)は互いに適合するようにデザインされる
請求項4に記載の靴。
【請求項6】
単一の鼻状突出部(12)を前記細片状靴底セクション(10)に配置しまたは設け、単一のフックセクション(13)を前記フォークセクション(7、8)のうちの1つに配置するまたは設ける
請求項5に記載の靴。
【請求項7】
前記溶接連結(14)は、レーザ溶接連結である
請求項1に記載の靴。
【請求項8】
前記細片状靴底セクション(10)と、前記フォークセクション(7、8)のうちの少なくとも1つとの間の連結を、はめ合い連結(12、13)によって、及び、材料接合連結(14)によって確立する
請求項1ないし7のいずれかに記載の靴。
【請求項9】
前記連結要素(4)は、プラスチック異形押出である
請求項1ないし8のいずれかに記載の靴。
【請求項10】
前記連結要素(4)のプラスチック材料は透明である
請求項9に記載の靴。
【請求項11】
前記靴底(3)は、少なくとも1つの靴底部分(3’、3’’)を含み、前記靴上部分(2)は、地上に面している領域内に配置される少なくとも1つの切り取り部分(15、16)を含み、前記切り取り部分(15、16)のサイズ及び形状は、前記靴上部分(2)との接触領域内の前記靴底部分(3’、3’’)に対応し、前記少なくとも1つの靴底部分(3’、3’’)を前記少なくとも1つの切り取り部分(15、16)に差し込み、前記連結要素(4)によって前記靴上部分(2)に連結する
請求項1ないし10のいずれかのいずれかに記載の靴。
【請求項12】
前記少なくとも1つの靴底部分(3’、3’’)を、貝状構造としてデザインする
請求項11に記載の靴。
【請求項13】
1つの靴底部分(3’、3’’)を後足領域内に配置し、1つの靴底部分(3’’)を前足領域内に配置する
請求項11または12に記載の靴。
【請求項14】
前記靴上部分(2)を、連続的にかつ継ぎ目なく前記2つの靴底部分(3’、3’’)間にデザインする
請求項13に記載の靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴上部分と、当該靴上部分に連結している靴底を有する靴、特に運動靴であって、靴上部分及び靴底は、連結要素によって互いに連結される靴に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な種類の靴は、縫い合わせによって、靴上部分と靴底とを連結するように生産されることが多い。あるいは、または、加えて、水密性を保証するものとする接着連結も既知である。連結の質は基本的に、靴が恒久的に使用可能であるかどうかによって決まる。
【0003】
特に、靴の水密性に対して、靴上部分と靴底との間の連結を確立するためのより精緻な解決法も知られるようになった。ここで、必要とされる費用が時々かなり大きくなって、それに対して靴の生産に費用が掛かってしまうといった弊害がもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一般的な種類の靴をさらに展開することで、靴上部分と靴底との間の連結を簡略化可能とすることを課題とする。ここで、当該部分間の連結の高い安定性が保証される。さらに、靴上部分と靴底との間の連結を、防水性を有するようにもする。費用効率の高い靴の生産が可能になるような製造に対して、容易な方法で連結がもたらされ得るものとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による解決法は、連結要素が、縦方向に伸長する異形成型部分であり、当該部分は、上細片状セクションと、2つのフォークセクションを有する下フォーク状セクションとを有する。ここで、靴上部分はその領域内に靴底に近接する細片状上部分セクションを有し、この細片状上部分セクションは、連結要素の細片状セクションに連結し、靴底はその領域内に靴上部分に近接する細片状靴底セクションを有し、この細片状靴底セクションは、2つのフォークセクション間で伸長し、かつ、フォークセクションのうちの少なくとも1つに連結する。
【0006】
フォークセクションは実質的に互いに平行に配置されるのが好ましい。
【0007】
細片状上部分セクションと、連結要素の上細片状セクションとの間の連結は、とじ目によって確立されるのが好ましい。
【0008】
細片状靴底セクションと、フォークセクションのうちの少なくとも1つとの間の連結は、はめ合い連結によって確立されるのが好ましい。そのために、はめ合い連結は、細片状靴底セクションにおける(またはフォークセクションのうちの少なくとも1つにおける)少なくとも1つの鼻状突出部と、フォークセクションのうちの1つにおける(または細片状靴底セクションにおける)少なくとも1つのフックセクションとを含むことができ、ここで、鼻状突出部及びフックセクションは互いに適合するようにデザインされる。そのために、単一の鼻状突出部を細片状靴底セクションに配置しまたは設け、単一のフックセクションをフォークセクションのうちの1つに配置するまたは設けるのが好ましい。
【0009】
細片状靴底セクションと、フォークセクションのうちの少なくとも1つとの間の連結を、材料接合連結によって確立することもできる。そのために、材料接合連結は、溶接連結、特に、レーザ溶接連結であるのが好ましい。
【0010】
具体的には、細片状靴底セクションと、フォークセクションのうちの少なくとも1つとの間の連結を、はめ合い連結によって、及び、材料接合連結によって確立するのが好ましい。
【0011】
連結要素は、プラスチック異形押出であるのが好ましい。連結要素のプラスチック材料は、透明であるのが好ましい。
【0012】
靴底は、少なくとも1つの靴底部分を含むことができ、この場合、靴上部分は、地上に面している領域内に配置される少なくとも1つの切り取り部分を含む。この切り取り部分のサイズ及び形状は、靴上部分との接触領域内の靴底部分に対応し、それによって、少なくとも1つの靴底部分を少なくとも1つの切り取り部分に差し込むことができ、連結要素によって靴上部分に連結することができる。
【0013】
少なくとも1つの靴底部分を、貝状構造としてデザインすることができる。それによって、この部分は主に、靴のかかと領域内の靴底部分となる。
【0014】
それによって、1つの靴底部分を後足領域内に配置することができ、1つの靴底部分を前足領域内に配置することができる。靴上部分を、連続的にかつ継ぎ目なく2つの靴底部分間にデザインすることが好ましい。
【0015】
用語「上部」及び「底部」それぞれが使用される限りでは、これらは、靴が通常使用される状態にあり、地上に置かれている場合の靴の位置に言及する。
【0016】
よって、プラスチック異形の形態の連結要素は靴底要素の突出部にはめ込まれるが、この突出部は、取り付けられた後、レーザ溶接によって靴底要素に連結される。その後、プラスチック異形は、プラスチック異形の平坦なウエブセクションを介して、靴上部分において縫い合わされる。
【0017】
靴上部分と靴底との間の簡易で費用効率の高い、生産可能な複合材料は、高い安定性とかなりの気密性とを有するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】靴上部分と、靴上部分に固定される2つの靴底部分とを有する靴の透視図
【
図2】靴底部分が取り外された、底部から横方向に見た靴上部分の透視図
【
図4】
図1による断面C−Dにおける、完成した靴の断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面により、下記のように本発明の実施形態が示される。
【0020】
図1〜3において、最初に、靴上部分2及び靴底3を有する靴1の基本デザインの一例の可能な実施形態が示されている。靴上部分2は、その底部領域内に2つの切り取り部分15及び16を有し、その部分に、靴底部分3’及び3’’が差し込まれ、かつ固定される。
【0021】
靴上部分2と、靴底3、別の場合、靴底部分3’、3’’との間の連結を行う際の詳細が、
図4による詳細な断面図から明らかである。外側領域にはAで印が付けられ、靴の内側にはIで印が付けられている。
【0022】
靴上部分2は、靴底3に近接する領域内に、細片状上部分セクション9を備えている。また、靴底3は、靴上部分2に面している領域内に、細片状靴底セクション10を含む(
図3を参照)。2つの細片状セクション9及び10は、プラスチック異形押出であり、かつ、
図4から明らかである断面形状を有する連結要素4によって、互いに連結される。
【0023】
連結要素4は、上細片状セクション5、及び、下フォーク状セクション6を含む。フォーク状セクション6は、実質的に互いに平行にわたる2つのフォークセクション7及び8を含み、それらの間に受容空間が画定される。
【0024】
細片状上部分セクション9と、連結要素4の上細片状セクション5との間の連結は、縫い合わせによって行われる。上述した2つの部分を連結するとじ目11が示されている。
【0025】
しかしながら、連結要素4と細片状靴底セクション10との間の連結は、はめ合い連結と材料接合連結との組み合わせによって確立される。
【0026】
このために、細片状靴底セクション10は、鼻状突出部12を含み、これは
図4にも示される。この鼻状突出部12は靴の外側に向けられ、反対側では、すなわち、靴の内側に面している側では、細片状靴底セクション10が、直線的に、別の場合は、平面的に設けられる。
【0027】
2つのフォークセクションのうちの1つ、すなわち、フォークセクション7は、フックセクション13を備える。フックセクション13及び突出部12は、互いに適合するように、すなわち、当該両部分が貼り合わされている状態にデザインされ、
図4に示されるような配置構成が与えられる。フックセクション13は、突出部12をはめるように把持するため、連結要素4においてしっかりと靴底3を保持する。
【0028】
確実に、通常は、このはめ合い連結だけではしっかりとした状態にするには不十分であるため、部分3及び4を貼り合わせた後に追加の材料接合連結がもたらされる。これは、ここでは、連結要素4及び靴底セクション10の材料のレーザ溶接によって行われる。
【0029】
図4では、焦点が合わせられたレーザ光が、所望の溶接とじ目14がもたらされるべき場所上へと向けられる、レーザヘッド17が示されている。連結要素4及び靴底セクション10の材料の短い溶融後、それら部分間に、しっかりとした機械的接合及び防水性を有する連結がもたらされる。
【0030】
靴底3及び連結要素4に対して、熱可塑性プラスチック材料を使用することによって、簡易な方法での材料接合連結が可能になる。
【0031】
しかしながら、上述の部分間では接着連結も考慮に入れることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 靴
2 靴上部分
3 靴底
3’ 靴底部分
3’’ 靴底部分
4 連結要素
5 上細片状セクション
6 下フォーク状セクション
7 フォークセクション
8 フォークセクション
9 細片状上部分セクション
10 細片状靴底セクション
11 とじ目
12、13 はめ合い連結
12 鼻状突出部
13 フックセクション
14 溶接とじ目
15 切り取り部分
16 切り取り部分
17 レーザヘッド
I 内側
A 外側