(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5913710
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置
(51)【国際特許分類】
E01D 19/02 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
E01D19/02
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-195561(P2015-195561)
(22)【出願日】2015年10月1日
【審査請求日】2015年10月16日
(31)【優先権主張番号】201510376692.4
(32)【優先日】2015年7月1日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515273380
【氏名又は名称】重慶交通大学
【氏名又は名称原語表記】Chongqing Jiaotong University
(74)【代理人】
【識別番号】100200528
【弁理士】
【氏名又は名称】水村 香穂里
(72)【発明者】
【氏名】余葵
(72)【発明者】
【氏名】呉俊
【審査官】
竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第104088255(CN,A)
【文献】
特開平05−222711(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102535329(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00−24/00
E02B 3/26
F16F 7/00−7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置であって、
橋脚(1)の外側には一体化されたリング状のフロートタンク群が設けられ、前記一体化されたリング状のフロートタンク群には伸縮装置が設けられ、該伸縮装置は一体化されたリング状のフロートタンク群の伸縮量を調節して橋脚(1)の対応位置の周長変化に適応しており、前記伸縮装置には伸縮変位量を調節することができるバランスウェート(36)が設けられ、該一体化されたリング状のフロートタンク群は第1のフロートタンク群(21)と第2のフロートタンク群(22)を含み、前記第1のフロートタンク群(21)の内側には凹部が設けられ、前記第2のフロートタンク群(22)は第1のフロートタンク群(21)の凹部内に滑動可能に嵌め込まれており、該第1のフロートタンク群(21)と第2のフロートタンク群(22)の内側にはそれぞれ複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、該複数のエネルギー吸収用減衰要素は全て橋脚(1)の周囲の外側に設けられており、前記伸縮装置は、2つの滑車群と2つのガイドプーリ(33)を含み、2つの前記滑車群は第1のフロートタンク群(21)に対称に設けられ、各前記滑車群は第1滑車(31)と第2滑車(32)を含み、各前記第1滑車(31)の車輪軸には第1歯車(34)が設けられ、各前記第2滑車(32)の車輪軸には第2歯車(35)が設けられており、互いに対応する箇所に位置する前記第2歯車(35)と第1歯車(34)が噛合しており、
2つの前記ガイドプーリ(33)は第2のフロートタンク群(22)に対称に設けられ、各前記ガイドプーリ(33)と対応する側の第1滑車(31)との間は第1ワイヤロープ(4)により連結され、各前記第1ワイヤロープ(4)の一端は対応する側のガイドプーリ(33)に連結し、他端は第1滑車(31)に固定されており、各前記第2滑車(32)には第2ワイヤロープ(5)が固設され、各前記第2ワイヤロープ(5)の延伸端にはそれぞれバランスウェート(36)が設けられている、ことを特徴とする橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【請求項2】
前記第1のフロートタンク群(21)と第2のフロートタンク群(22)は"U"字形構造になっており、2つの前記フロートタンク群の開口端は対向して設けられており、
2つの前記滑車群は第1のフロートタンク群(21)の非開口端の両側に対称に設けられ、2つの前記ガイドプーリ(33)は第2のフロートタンク群(22)の非開口端の両側に対称に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【請求項3】
前記第2歯車(35)の歯底円の直径は第1歯車(34)の歯底円の直径より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【請求項4】
前記第1のフロートタンク群(21)の内側の上部には複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、前記第2のフロートタンク群(22)の内側にも複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、前記複数のエネルギー吸収用減衰要素は対応するフロートタンク群の内側の軸方向に沿って分布する、ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【請求項5】
各前記エネルギー吸収用減衰要素は弾性的に設けられている複数のゴムホルダ(51)を含み、複数の前記ゴムホルダ(51)の外側にはアーチ型ゴム(52)が周回して設けられ、複数の前記ゴムホルダ(51)と対応する箇所に位置するアーチ型ゴム(52)との間には邪魔板(53)が設けられ、前記邪魔板(53)は複数のゴムホルダ(51)に固定されており、
前記アーチ型ゴム(52)には耐摩耗パネル(54)が設けられ、前記耐摩耗パネル(54)と橋脚(1)の外側面が対向して設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【請求項6】
前記耐摩耗パネル(54)の外側と橋脚の対応位置の外観が適合する、ことを特徴とする請求項5に記載の橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【請求項7】
前記耐摩耗パネル(54)の外表面には耐摩耗の塗布保護層が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水上建築の安全防護装置の技術分野に関し、特に
橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この数年間、航路のレベルアップに従って、航行船舶の容積トン数が顕著に高くなり、船舶の航行量も大幅に増加している。しかし、一旦、船舶が暴走しまたは航路をずれて航行して橋梁に衝突したとき、橋梁が崩れやすくなり、かつ船舶が転倒して最悪の事故が発生した場合は、想像できない結果に至ることがある。
【0003】
中国西部の山地河川は水位の変動幅が大きく、水流が急激で、特にハブ貯水領域で、貯水、放水により、水位の変動幅が大きくなっている。山地河川を渡る橋梁、またはハブ貯水領域に位置する橋梁は、水位の大きい変動幅で、充分に航行できる高さと幅を保証するため、橋脚の高さを高くしている。水位の変動幅が大きい場合、異なる水位期間で、船舶は航路をずれて航行しまたは暴走して橋脚の異なる箇所に衝突するため、橋梁での衝突防止装置はその保護領域を拡大して、異なる水位に適応するための橋脚の周長とエネルギー吸収を大きくする必要がある。
【0004】
現在、衝突防止装置は主に、附着式衝突防止装置、独立式衝突防止装置と人工島の3つの種類に分類される。附着式衝突防止装置は主にゴム防舷材からなり、独立式衝突防止装置は主に衝突防止フロートタンクと衝突防止脚を含む。そのうち、衝突防止フロートタンクは外形が美しく、建造費が経済的で、水位の大きい変動幅に適応する脚式橋梁に対して衝突防止する特徴を有し、脚式橋梁において、最も主要な衝突防止装置になっている。
【0005】
衝突防止フロートタンクは水位によって自動昇降し、かつ異なる水位期間で、橋梁橋脚での船の衝突防止保護問題を満たしているが、いくつかの線形変化量が大きく、水位の変化により橋脚周長の変化が大きい橋脚に対して、通常の断面が同じである衝突防止フロートタンクまたは小規模の伸縮可能の衝突防止フロートタンクでは適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は大水位での変動幅に適応し、更に
橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は下記の技術方法を採用する。
橋脚の超大伸縮量を有する衝突防止装置であって、橋脚の外側には一体化されたリング状のフロートタンク群が設けられ、前記一体化されたリング状のフロートタンク群には伸縮装置が設けられており、該伸縮装置は一体化されたリング状のフロートタンク群の伸縮量を調節して橋脚の対応位置の周長変化に適応している。前記伸縮装置には伸縮変位量の調節が可能なバランスウェートが設けられ、該一体化されたリング状のフロートタンク群は第1のフロートタンク群と第2のフロートタンク群を含み、前記第1のフロートタンク群の内側には凹部が設けられ、前記第2のフロートタンク群は第1のフロートタンク群の凹部に滑動可能に嵌め込まれている。該第1のフロートタンク群と第2のフロートタンク群の内側には複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、複数のエネルギー吸収用減衰要素は全て橋脚の周囲の外側に取付けられている。
【0008】
以上の構造により、水位が昇降して変化するとき、水面に露出する橋脚の外形の横断面は大きく変化し、このとき、2つのフロートタンク群からなる一体化されたリング状のフロートタンクは内部の伸縮装置の自動調節により、橋脚の外形の変化に従って延伸または収縮される。延伸するとき、伸縮装置に設けられているバランスウェートはリング状のフロートタンク群の変位量を調節して、大きな自動伸縮性能を有することで、一体化されたリング状のフロートタンク群が橋脚の外側で上下に摺動して、橋脚の外側に堅固に取付けられている。2つのフロートタンク群の内側のエネルギー吸収用減衰要素は日常運転で摩擦を減少することができ、衝突した際にエネルギーを吸収して衝突力を緩衝する作用を果たし、かつ一体化されたリング状のフロートタンク群が橋脚からの離脱または橋脚との衝突を回避し、衝突防止装置が衝突を受けたとき、最終的に橋脚に伝達する衝突力は橋脚自身の抵抗力より小さいため、橋脚を保護する作用を果たすことができる。
【0009】
有限空間内でバランスウェートの移動距離問題を解決して、バランスウェートが水底に沈んで失効しないように、本発明はてこの原理を採用してバランスウェートが伸縮装置に対して動力制御を行っている。好ましくは、前記伸縮装置は2つの滑車群と2つのガイドプーリを含み、2つの前記滑車群は第1フロートタンク群に対称に設けられ、各前記滑車群は第1滑車と第2滑車を含み、各前記第1滑車の車輪軸には第1歯車が設けられ、各前記第2滑車の車輪軸には第2歯車が設けられており、対応する箇所に位置する前記第2歯車と第1歯車が噛合する。2つの前記ガイドプーリは第2フロートタンク群に対称に設けられ、各前記ガイドプーリと対応する側の第1滑車との間は第1ワイヤロープにより連結され、各前記第1ワイヤロープの一端は対応する側のガイドプーリに連結し、他端は第1滑車に固定されている。各前記第2滑車には第2ワイヤロープが固設され、各前記第2ワイヤロープの延伸端にはバランスウェートが固設されている。
【0010】
延伸過程で、干渉、係止または受力が不均一な状況を防止すると同時に、複数の橋脚形状の設計要件を満たすため、好ましくは、前記第1のフロートタンク群と第2のフロートタンク群は"U"字形構造になっており、2つの前記フロートタンク群の開口端は対向して設けられている。2つの前記滑車群は第1のフロートタンク群の非開口端の両側に対称に設けられ、2つの前記ガイドプーリは第2のフロートタンク群の非開口端の両側に対称に設けられている。
【0011】
バランスウェートの移動距離が水の深さを満たし、更にバランスウェートの作動を失効させないため、好ましくは、前記第2歯車の歯底円の直径は第1歯車の歯底円の直径より大きい。
【0012】
2つのフロートタンク群が橋脚の外側表面に堅固に取付けられて、橋脚に対する外力の影響を緩衝するため、好ましくは、前記第1のフロートタンク群の内側の上部には複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、前記第2のフロートタンク群の内側にも複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられており、複数の前記エネルギー吸収用減衰要素は対応するフロートタンク群の内側の軸方向に沿って分布している。
【0013】
各種類の船舶の橋脚に対する衝突力を更に減少させると同時に、橋脚の外側に対する損傷を減少させるため、好ましくは、前記エネルギー吸収用減衰要素は弾性的に設けられている複数のゴムホルダを含み、複数の前記ゴムホルダの外側にはアーチ型ゴムが周回して設けられている。複数の前記ゴムホルダと対応する位置のアーチ型ゴムとの間には邪魔板が設けられ、前記邪魔板は複数のゴムホルダに固定されている。前記アーチ型ゴムには耐摩耗パネルが設けられ、前記耐摩耗パネルと橋脚の外側面は対向して設けられている。
【0014】
衝突の際に生じる応力作用を回避すると同時に、衝突力のエネルギーを消散させるため、好ましくは、前記耐摩耗パネルの外側面と橋脚の外形は互いに適合する。
橋脚を保護し、更に橋脚の外側の摩損を減少させるため、好ましくは、前記耐摩耗パネルの外表面には耐摩耗の塗布保護層が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は伸縮可能な一体化されたリング状のフロートタンク群であって、バランスウェートを有する伸縮装置が設けられて、一体化されたフロートタンク群の伸縮量を調節することができ、更に、エネルギー吸収用減衰要素は橋脚の外側に取付けられて、緩衝かつエネルギーを吸収する作用を果たすことができ、構造が簡単で、かつ実用的で、コストが低く、操作が簡便で、適用範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図2は、
図1のA−A方向で観察した状態を示す図である。
【
図3】
図3は、滑車群、ガイドプーリとバランスウェートの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記では、図面を用いて本発明に対して詳細に説明する。
図1及び
図2に示されるように、本発明は橋脚1の外側を囲む一体化されたリング状のフロートタンク群を含み、該一体化されたリング状のフロートタンク群は第1のフロートタンク群21と第2のフロートタンク群22を含み、前記第1のフロートタンク群21の内側には凹部が設けられ、前記第2のフロートタンク群22は該凹部に滑動可能に嵌め込まれている。
【0018】
図1、
図3、
図4及び
図5に示されるように、前記一体化されたリング状のフロートタンク群には伸縮装置が設けられ、該伸縮装置は一体化されたリング状のフロートタンク群の伸縮量を調整して橋脚1の対応位置の周長変化に適応している。前記第1のフロートタンク群21と第2のフロートタンク群22は"U"字形構造になっており、2つの前記フロートタンク群の開口端は対向して設けられている。前記伸縮装置は2つの滑車群と2つのガイドプーリ33を含み、2つの前記滑車群は第1のフロートタンク群21の非開口端の両側に左、右対称に設けられ、2つの前記ガイドプーリ33は第2のフロートタンク群22の非開口端の両側に左、右対称に設けられている。各前記滑車群は第1滑車31と第2滑車32を含み、各前記第1滑車31の車輪軸には第1歯車34が設けられ、各前記第2滑車32の車輪軸には第2歯車35が設けられ、対応箇所に位置する前記第2歯車35と第1歯車34が噛合しており、前記第2歯車35の歯底円の直径は第1歯車34の歯底円の直径より大きく、その直径比は10:1が好ましい。第1歯車34は高速に回転して、第2のフロートタンク群22を高速に伸縮させるため、水位により変化する橋脚1の外側面に接着しやすくなる。各前記ガイドプーリ33と対応する側の第1滑車31との間は第1ワイヤロープ4により連結され、各前記第1ワイヤロープ4の一端は対応する側のガイドプーリ33に連結され、他端は第1滑車31に固定されている。各前記第2滑車32には第2ワイヤロープ5が固設され、各前記第2ワイヤロープ5の延伸端には第2のフロートタンク群22の延伸変位量を調節するバランスウェート36が固設されている。
【0019】
図1、
図6及び
図7に示されるように、前記第1のフロートタンク群21の内側の上部には複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、前記第2のフロートタンク群22の内側にも複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられている。複数の前記エネルギー吸収用減衰要素は対応するフロートタンク群の内側の軸方向に沿って分布し、各前記エネルギー吸収用減衰要素は弾性的に設けられている複数のゴムホルダ51を含み、複数の前記ゴムホルダ51の外側にはアーチ型ゴム52が周回して設けられており、複数の前記ゴムホルダ51と対応する箇所に位置するアーチ型ゴム52との間には邪魔板53が設けられ、前記邪魔板53は複数のゴムホルダ51に固定されている。前記アーチ型ゴム52には耐摩耗パネル54が設けられ、前記耐摩耗パネル54と橋脚1の外側面は対向して設けられており、前記耐摩耗パネル54の外側には耐摩耗の塗布保護層が設けられ、該耐摩耗パネル54の外側面と橋脚1の外形が対応している。
【0020】
本発明の方法は下記の技術手段を採用する。
図1から
図7に示されるように、第2のフロートタンク群22と第1のフロートタンク群21は橋脚1を包囲し、更に第2のフロートタンク群22は第1のフロートタンク群21の凹部に嵌め込まれて、両端の対応する第1滑車31とガイドプーリ33を2つの第1ワイヤロープ4で固設し、更に第2ワイヤロープ5により2つのバランスウェート36を対応する側の第2滑車32に固定している。2つのフロートタンク群からなる一体化されたリング状のフロートタンク群は内部の伸縮装置の自動調節を通じて、橋脚1の外形変化により延伸または収縮されることができる。延伸過程で、伸縮装置に設けられているバランスウェート36は2つのフロートタンク群の間の相対変位量を調節することにより、一体化されたリング状のフロートタンク群が橋脚1の外側で上下に自由摺動可能に、堅固に橋脚1の外側に取付けられている。
【0021】
伸縮過程で、左、右両側の第1ワイヤロープ4は同時に対応する側の第1滑車31を連動して回転させ、かつ対応する側の第1歯車34と第2歯車35の間の噛合伝動により、第2のフロートタンク群22が高速に伸縮すると同時に、対応する側のバランスウェート36もそれに応じて上下に浮動し、てこの力平衡原理を利用して2つの歯車の回転を制動し、それによって第2のフロートタンク群22の伸縮変位量を制限し、従って、リング状のフロートタンク群が橋脚1から離脱または橋脚1と衝突することを回避する。2つのフロートタンク群の内側の減衰セルは衝突力を緩衝し、船舶が衝突されたとき、衝突箇所に位置する一体化されたリング状のフロートタンク群は橋脚1に向かって移動し、かつ耐摩耗パネル54を橋脚1の外側に接着させている。このとき、アーチ型ゴム52は受力して圧縮し、更にゴムホルダ51が弾性力を受けるため、衝突力を緩衝させることができる。衝突力が非常に大きいとき、邪魔板53は耐摩耗パネル54に接着し、ゴムホルダ51の継続的な弾性力の作用を利用し、更に邪魔板53の厚さが衝突力を緩衝してエネルギーを吸収し、かつ最終的には橋脚1に伝達される衝突力が橋脚1自身の抵抗力より小さいため、橋脚1を保護する作用を果たすことができる。
【0022】
図7に示されるように、本発明は水位の変化に応じて、橋脚1との間の位置関係も変化するため、本発明のエネルギー吸収用減衰要素の形状は、橋脚1の実際の外形に基づいて調整することができ、本実施例の実施形態は1つに制限されない。
【0023】
本発明はその一部と従来技術との一致性を提言していなかったが、ここでは詳細に説明しない。
以上は本発明を実施するための実施形態であるが、本発明の特許請求の範囲を制限しない。本発明の明細書と図面を用いて行った同等構造を、他の関連技術領域に直接または間接的に利用しても、同じく本発明の特許請求の範囲内に属するべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】超大伸縮量を有する橋脚の衝突防止装置を提供する。
【解決手段】橋脚1の外側には一体化されたリング状のフロートタンク群が設けられ、前記一体化されたリング状のフロートタンク群には伸縮装置が設けられ、前記伸縮装置には延伸変位量を制御するバランスウェートが設けられている。該一体化されたリング状のフロートタンク群は第1のフロートタンク群21と第2のフロートタンク群22を含み、第1のフロートタンク群21と第2のフロートタンク群22の内側には複数のエネルギー吸収用減衰要素が設けられ、複数のエネルギー吸収用減衰要素は全て橋脚1の外側に取付けられている。これにより、一体化されたフロートタンク群の伸縮量を容易に調節することができ、更に、エネルギー吸収用減衰要素が橋脚の外側に堅固に取付けられて、エネルギー吸収における緩衝作用を果たすことができる。
【選択図】
図1