特許第5913712号(P5913712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5913712
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】塗装装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/26 20060101AFI20160414BHJP
【FI】
   B05B7/26
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-198277(P2015-198277)
(22)【出願日】2015年10月6日
【審査請求日】2015年10月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000187149
【氏名又は名称】昭和電工ガスプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】那須 貴樹
(72)【発明者】
【氏名】小松 康宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎吾
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−502201(JP,A)
【文献】 特開2012−086150(JP,A)
【文献】 特開平10−137173(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/139536(WO,A1)
【文献】 特開平05−096213(JP,A)
【文献】 特開2010−234348(JP,A)
【文献】 特開2010−234349(JP,A)
【文献】 特開2012−086151(JP,A)
【文献】 特開2014−050766(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0018815(US,A1)
【文献】 特開2006−289590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B7/00−7/32
B05D3/00
F04B9/12−9/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアー供給ラインと、このエアー供給ラインから供給されるエアーを駆動源とする塗料用駆動ポンプと、この塗料用駆動ポンプと塗料供給源とを含み混合器に塗料を供給する塗料供給ラインと、二酸化炭素用駆動ポンプと、この二酸化炭素用駆動ポンプと二酸化炭素供給源とを含み前記混合器に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給ラインと、前記塗料供給ライン及び二酸化炭素供給ラインに接続し、前記塗料と前記二酸化炭素の両方の成分を混合して被覆材組成物を生成する前記混合器と、この混合器に接続し、かつ前記被覆材組成物を噴射する噴射手段と、前記エアー供給ラインに設けられ、前記エアー供給ラインを流れるエアーの変動を検知する検知手段と、前記二酸化炭素供給ラインに設けられた仕切弁とを備える塗装装置であって、前記二酸化炭素供給ラインは、圧力調整弁又は流量調節弁のいずれかを含む二酸化炭素定量供給機構を前記二酸化炭素駆動ポンプの下流側に備え、前記二酸化炭素供給源から供給される二酸化炭素は気体であり、前記検知手段に接続する制御部は、前記検知手段の検出信号に基づき前記仕切弁の開閉を制御することを特徴とする塗装装置。
【請求項2】
前記二酸化炭素供給源は、ボンベ切り替え機構を有し、二酸化炭素が充填された複数の可搬ボンベを、前記ボンベ切り替え機構を介して接続し、気体の二酸化炭素を供給できるものであることを特徴とする請求項1記載の塗装装置。
【請求項3】
前記二酸化炭素供給源は、1m以上の容量を要する据置型タンクに充填された二酸化炭素を、蒸発器を介し蒸発させ、気体の二酸化炭素として供給できるものであることを特徴とする請求項1記載の塗装装置。
【請求項4】
前記二酸化炭素定量供給機構は流量調節弁、仕切弁及び圧力調整弁とで成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗装装置。
【請求項5】
前記二酸化炭素用駆動ポンプは、前記エアー供給ラインとは別個の第2のエアー供給ラインから供給されるエアーを駆動源とするエアー駆動ポンプであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動産又は不動産の如何を問わず、噴射手段(噴射ガン)を操作して物の表面に被覆材組成物を塗布する塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「有機溶剤系の噴霧塗装において用いられる希釈溶剤(シンナー)を、二酸化炭素で一部又は全部を代替する二酸化炭素塗装において、 塗料供給ラインとして、塗料を貯蔵するタンク、該タンクから供給される塗料を所定の圧力まで加圧する塗料高圧ポンプ、該塗料高圧ポンプの吐出圧を調整し、余剰分を塗料タンクへ返送させる塗料1次圧調整弁、を有し、二酸化炭素供給ラインとして、液体二酸化炭素を貯蔵するタンク、該液体二酸化炭素を所定温度まで冷却する冷却器、該冷却器から供給される液体二酸化炭素を所定の圧力まで加圧する液体二酸化炭素高圧ポンプ、該液体二酸化炭素高圧ポンプの吐出圧を調整し、余剰分を同ポンプのサクションに返送させる液体二酸化炭素1次圧調整弁、を有し、塗料/二酸化炭素混合物ラインとして、上記塗料供給ラインから供給される加圧された塗料、上記二酸化炭素供給ラインから供給される加圧された二酸化炭素とを混合する混合器、及び該混合器から供給される混合後の塗料/二酸化炭素加圧混合物を大気圧下の塗装対象物へ噴霧する噴霧ガン、を有することを特徴とする二酸化炭素を用いた塗装装置」が開示されている。
【0003】
上記特許文献1の公知発明1は、液体二酸化炭素を混合器にて塗料と混合し、噴霧する塗装装置であり、液体取り出し用二酸化炭素ボンベが必要となり、ボンベから液体用加圧ポンプまで液体二酸化炭素を安定して供給するために、蒸発防止のための冷却器等が必要になり、設備の小型化やローコスト化が困難であるという問題があった。
【0004】
また、液体取り出し用二酸化炭素ボンベは気体取り出し用二酸化炭素ボンベと比較すると、供給可能量まで二酸化炭素を取り出した後のボンベ内残量が多く残ると共に、残量管理にロードセル等を用いる必要があり、その分コストが向上してしまうという問題があった。
【0005】
なお、特許文献2乃至4に記載されている公知発明も液体二酸化炭素を用いるものであって、気体の二酸化炭素を用いた塗装装置は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−234348号公報
【特許文献2】特開2010−234349号公報
【特許文献3】特開2012−86150号公報
【特許文献4】特開2012−86151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、装置全体の小型化とローコスト化を実現できると共に、二酸化炭素を混合器に定量的に供給できる塗装装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の塗装装置は、エアー供給ラインと、このエアー供給ラインから供給されるエアーを駆動源とする塗料用駆動ポンプと、この塗料用駆動ポンプと塗料供給源とを含み混合器に塗料を供給する塗料供給ラインと、二酸化炭素用駆動ポンプと、この二酸化炭素用駆動ポンプと二酸化炭素供給源とを含み前記混合器に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給ラインと、前記塗料供給ライン及び二酸化炭素供給ラインに接続し、前記塗料と前記二酸化炭素の両方の成分を混合して被覆材組成物を生成する前記混合器と、この混合器に接続し、かつ前記被覆材組成物を噴射する噴射手段と、前記エアー供給ラインに設けられ、前記エアー供給ラインを流れるエアーの変動を検知する検知手段と、前記二酸化炭素供給ラインに設けられた仕切弁とを備える塗装装置であって、前記二酸化炭素供給ラインは、圧力調整弁又は流量調節弁のいずれかを含む二酸化炭素定量供給機構を前記二酸化炭素駆動ポンプの下流側に備え、前記二酸化炭素供給源から供給される二酸化炭素は気体であり、前記検知手段に接続する制御部は、前記検知手段の検出信号に基づき前記仕切弁の開閉を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、気体の二酸化炭素を二酸化炭素用駆動ポンプに供給するので、二酸化炭素を液化させる必要がなく、二酸化炭素供給源から二酸化炭素用駆動ポンプの間に冷却器や液体二酸化炭素高圧ポンプを設置する必要がない。
したがって、塗装装置全体の小型化とローコスト化を実現することができる。
(2)気体の二酸化炭素を流体希釈剤として二酸化炭素用駆動ポンプに供給するので、二酸化炭素を取り出した後のボンベ内残量を低減することができる。
(3)二酸化炭素定量供給機構を備えるので、定量性を向上させることができる。
(4)請求項2に記載の発明も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、複数の可搬ボンベから気体として二酸化炭素を供給するので、ロードセル等を用いて重量で可搬ボンベの内容量を管理する必要がなく、塗装装置全体の小型化とローコスト化を実現することができる。
(5)請求項3乃至請求項5に記載の各発明も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1乃至図3は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図4及び図5は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図6は本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
図1】概略説明図。
図2】塗料供給ラインの概略説明図。
図3】二酸化炭素供給ラインの概略説明図。
図4】概略説明図。
図5】二酸化炭素供給ラインの概略説明図。
図6】概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図3に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は本発明の塗装装置で、この塗装装置1は、動産又は不動産の如何を問わず、また金属製・合成樹脂製・コンクリート製かを問わず、ロボット、各種の機械やその部品、電気器具やその部品、建物の壁面等の表面に被覆材組成物を塗布するものである。
【0013】
この塗装装置1は、第1のエアー供給ライン2と、この第1のエアー供給ライン2から供給されるエアーを駆動源とする塗料用駆動ポンプ3と、この塗料用駆動ポンプ3と塗料供給源4とを含み混合器5に塗料6を供給する塗料供給ライン7と、一方、第2のエアー供給ライン8と、この第2のエアー供給ライン8から供給されるエアーを駆動源とする二酸化炭素用駆動ポンプ9と、この二酸化炭素用駆動ポンプ9と二酸化炭素供給源10とを含み前記混合器5に二酸化炭素11を供給する二酸化炭素供給ライン12と、前記塗料供給ライン7及び二酸化炭素供給ライン12に接続し、前記塗料6と前記気体の二酸化炭素11の両方の成分を混合して被覆材組成物13を生成する前記混合器5と、この混合器5に接続し、かつ前記被覆材組成物13を噴射する噴射手段14(例えば手動で噴射させる噴射ガン)とで構成されている。
【0014】
前記塗料用駆動ポンプ3は、駆動用エアーで起動するものを採用しており、この塗料用駆動ポンプ3には塗料接続ライン(管)15を介して単数又は複数の塗料供給源4が接続している。
【0015】
したがって、塗料用駆動ポンプ3が駆動用エアーで起動すると、その吸引口から前記塗料供給源4の塗料6を吸い込む一方、その吐出口から塗料6を圧送する。それ故に、塗料用駆動ポンプ3は塗料6を吸引し、かつ吐出する塗料高圧ポンプである。また塗装供給ライン7は、塗料供給源4と塗料接続ライン15と前記塗料用駆動ポンプ3と塗料吐出ライン16とで構成されており、塗料吐出ライン16は、塗料用駆動ポンプ3と混合器(混合部)5とを接続する塗料吐出ラインで、この塗料吐出ライン16は塗料用駆動ポンプ3から圧送される塗料を混合器5に供給する。
【0016】
なお、塗装用駆動ポンプ3の一例としては、旭サナック株式会社製の空気圧式プランジャーポンプの、SP1021、SP1628、SP1636、SP1844、SP1854(Z)、SP1878、SP2544、SP2554(Z)、SP2578等を適宜に用いることができる。
【0017】
混合器5の機能について説明する。ところで、混合器5の詳細構造は、好ましくは流路径を考慮して適宜なマイクロ混合器が使用される。マイクロ混合器の種類や構造は周知事項(例えば特開2010−234348号公報の段落0031〜段落0033、)なので割愛する。
【0018】
この混合器5は、逆止弁17を有する二酸化炭素吐出ライン18及び逆止弁19を有する塗料吐出ライン16の下流に配設され、前述した塗料用駆動ポンプ3から塗料吐出ライン16を介して取得した塗料6と前記二酸化炭素吐出ライン18から取得した二酸化炭素11との両方の成分を混合して被覆材組成物を生成する。また前述した噴射手段14は、市販されている噴射ガン14が用いられ、該噴射ガン14は前記混合器5と噴射ホース20を介して接続し、かつ混合器5で生成した被覆材組成物を大気圧下の塗装対象物21に噴射する。
【0019】
二酸化炭素用駆動ポンプ9は、駆動用エアーで起動するものを採用しており、この二酸化炭素用駆動ポンプ9には、二酸化炭素接続ライン(管)22を介して二酸化炭素供給源10が接続されている。二酸化炭素供給源10は、本実施形態では、複数の可搬ボンベ23を圧力検知器24を介してボンベライン切替機構25に接続し、該ボンベライン切替機構25は二酸化炭素接続ライン22に接続されている。ボンベライン切替機構25では、圧力検知器24で検知された可搬ボンベ23の圧力を検知し、検知された圧力が所定圧力以下になった場合に、その所定圧力以下になった可搬ボンベ23の接続ライン26を閉じ、他の可搬ボンベ23の接続ライン26を開にし、安定して連続的に二酸化炭素11を供給できるものである。
【0020】
なお、本発明では、気体状の二酸化炭素11を用いているので、圧力を検知して二酸化炭素を供給する可搬ボンベ23を切り替えるため、ロードセル等の機器で可搬ボンベ23の重量を検知し、残量管理をする必要がなく、設備全体の小型化やローコスト化を実現している。この可搬ボンベ23は、一般的に内容量3.4Lから47L程度のボンベが用いられるが、本実施形態では40Lのボンベを複数用いている。
【0021】
また、液体二酸化炭素を供給する場合には、ボンベにサイフォン管を設けて液状の二酸化炭素を吐出させるが、サイフォン管の長さにはバラツキがあり、安定的に二酸化炭素を供給する場合には、ある程度ボンベ内残量が残っている時点で二酸化炭素を供給するボンベを切り替えなければならない。これに対して、本発明のように気体で二酸化炭素を供給する場合、圧力管理によって二酸化炭素を供給する可搬ボンベを切り替えることができるので、ボンベ内残量を低減することができる。
【0022】
二酸化炭素用駆動ポンプ9が駆動用エアーで起動すると、その吸引口から前記二酸化炭素供給源10から気体の二酸化炭素11を吸い込む一方、その吐出口から気体の二酸化炭素11を圧送する。それ故に、二酸化炭素用駆動ポンプ9は気体の二酸化炭素11を吸引し、かつ吐出する高圧ポンプである。また二酸化炭素供給ライン12は、二酸化炭素供給源10と二酸化炭素接続ライン22と前記二酸化炭素用駆動ポンプ9と二酸化炭素吐出ライン18とで構成されており、二酸化炭素吐出ライン18は、二酸化炭素用駆動ポンプ9と混合器(混合部)5とを接続する二酸化炭素吐出ラインで、この二酸化炭素吐出ライン18は二酸化炭素用駆動ポンプ9から圧送される二酸化炭素を混合器5に供給する。この時の二酸化炭素性状は特に限定するものではなく、気体であってもその他の性状であってもよい。
【0023】
前記二酸化炭素供給ライン12の下流側(前記二酸化炭素用駆動ポンプ9の2次側)に位置する二酸化炭素吐出ライン18は、二酸化炭素定量供給機構27を備えている。
【0024】
この二酸化炭素定量供給機構27は、本実施形態では流量計28、流量調節弁29、仕切弁30及び圧力調整弁31で構成されている。これらの機器を二酸化炭素用駆動ポンプ9の2次側に設けることにより、定量供給精度を向上させることができる。
【0025】
なお、この流量計28と流量調節弁29は、一体型の物を用いて二酸化炭素定量供給機構27を構成してもよく、流量調節弁29の1次圧力と2次圧力及び開度やオリフィスを設ける等により流量を予め設定する場合には、流量計28を用いずに二酸化炭素定量供給機構27を構成してもよい。また、本実施形態のように二酸化炭素供給ライン12の上流側(二酸化炭素用駆動ポンプ9の1次側)に位置する二酸化炭素接続ライン22のボンベライン切替機構25と二酸化炭素用駆動ポンプ9の間に圧力調整弁31をさらに設けてもよい。二酸化炭素用駆動ポンプ9の1次側にも圧力調整弁31を設けることにより、さらに定量供給精度を向上させることができる。
【0026】
また、塗料供給ライン7のエアー供給ライン2に検知手段34としての流量センサーを備え、エアー供給ライン2のエアー供給量が減少した場合には、二酸化炭素定量供給機構27の仕切弁30等を操作し、二酸化炭素の供給を停止するような制御部35を設けてもよい。この制御部35は非防爆エリアに設けることが望ましい。
【0027】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図4乃至図6に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】
図4及び図5に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、1m3以上の容量を要する据置型タンク32に充填された液体二酸化炭素を、蒸発器33を用いて気化させ、気体の二酸化炭素11を供給する二酸化炭素供給源10Aを用いた二酸化炭素供給ライン12Aにした点で、このような塗装装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0029】
図6に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、噴射手段14に塗装対象物21を検知する検知手段34Aを設け、該検知手段34Aが塗装対象物21を検知した場合のみ前記仕切弁30を開状態とするように前記制御部35で制御する点で、このような塗装装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0030】
付言すると、このように噴射手段14に塗装対象物21を検知する検知手段34Aを設けることにより、例えば搬送コンベアで流れてくる塗装対象物21をロボット等を用いてで噴射手段14(例えば自動開閉式噴射ガン)を操作し、塗装する場合、流れてきた塗装対象物21を検知手段34A(例えば赤外線センサー)で検知して塗装することにより、塗装対象物21が噴射手段14の前にあるときにだけ塗料を噴射することができる。
【0031】
なお、本発明の実施の形態においては、エアー供給ライン又は噴射手段に検知手段を備えているものについて説明したが、本発明はこれに限られず、塗料吐出ラインに検知手段としての流量センサーを備えて流量の変化を検知してもよいし、噴射手段に検知手段としてのリミットスイッチ等を設けて、噴射手段のトリガーを握っている状態を検知し、仕切弁等を操作するように制御してもよく、その他上位の制御機器(生産ラインの制御コンピューター等)からの出力信号を検知し、仕切弁等を操作するように制御してもよい。
【0032】
また、本発明の実施の形態においては、制御プログラムを記憶部に記憶し、そのプログラムに基づいて仕切弁を制御する制御部について説明したが、本発明はこれに限られず、リレー回路等を用いた(記憶部等を有しない)制御部としてもよい。
【0033】
さらに本発明の実施の形態において、二酸化炭素駆動ポンプはエアー駆動のものについて説明したが、本発明はこれに限られず、電動ポンプ等、エアー駆動以外のポンプを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は塗装装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0035】
1、1A、1B:塗装装置、 2:第1のエアー供給ライン、
3:塗料用駆動ポンプ、 4:塗料供給源、
5:混合器、 6:塗料、
7:塗料供給ライン、 8:第2のエアー供給ライン、
9:二酸化炭素用駆動ポンプ、 10、10A:二酸化炭素供給源、
11:二酸化炭素、 12、12A:二酸化炭素供給ライン、
13:被覆材組成物、 14:噴射手段、
15:塗料接続ライン、 16:塗料吐出ライン、
17:逆止弁、 18:二酸化炭素吐出ライン、
19:逆止弁、 20:噴射ホース、
21:塗装対象物、 22:二酸化炭素接続ライン、
23:可搬ボンベ、 24:圧力検知器、
25:ボンベライン切替機構、 26:接続ライン、
27:二酸化炭素定量供給機構、 28:流量計、
29:流量調節弁、 30:仕切弁
31:圧力調整弁 32:据置型タンク、
33:蒸発器、 34、34A:検知手段、
35:制御部。
【要約】
【課題】 装置全体の小型化とローコスト化を実現できると共に、二酸化炭素を混合器に定量的に供給できる塗装装置を提供すること。
【解決手段】 エアー供給ラインと、このエアー供給ラインから供給されるエアーを駆動源とする塗料用駆動ポンプと、この塗料用駆動ポンプと塗料供給源とを含み混合器に塗料を供給する塗料供給ラインと、二酸化炭素用駆動ポンプと、この二酸化炭素用駆動ポンプと二酸化炭素供給源とを含み前記混合器に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給ラインと、前記塗料供給ライン及び二酸化炭素供給ラインに接続し、前記塗料と前記二酸化炭素の両方の成分を混合して被覆材組成物を生成する前記混合器と、この混合器に接続し、かつ前記被覆材組成物を噴射する噴射手段を備える塗装装置であって、前記二酸化炭素供給ラインは、圧力調整弁又は流量調節弁のいずれかを含む二酸化炭素定量供給機構を前記二酸化炭素駆動ポンプの下流側に備え、前記二酸化炭素供給源から供給される二酸化炭素は気体であることを特徴とする。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6