特許第5913733号(P5913733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許5913733パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング
<>
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000002
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000003
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000004
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000005
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000006
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000007
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000008
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000009
  • 特許5913733-パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913733
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】パケット交換網における擬似回線拡張グループメッセージング
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20160414BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-503246(P2015-503246)
(86)(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公表番号】特表2015-512588(P2015-512588A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】US2013030221
(87)【国際公開番号】WO2013148137
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2014年11月27日
(31)【優先権主張番号】13/435,904
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ,プランジャル・ケイ
【審査官】 浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0327797(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0242988(US,A1)
【文献】 L. Martini et al.,Pseudowire Setup and Maintenance Using the Label Distribution Protocol (LDP),RFC4447,IETF,2006年 4月,URL,https://tools.ietf.org/pdf/rfc4447.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/28
12/44−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬似回線が属する複数の擬似回線グループ要素を使用するワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを起動する方法であって、
プロバイダエッジデバイスにおいて、
プロバイダエッジデバイスにおいて、単一のポイントツーポイント擬似回線として動作し、機能する、2つ以上の隣接したセグメントのセットの実行を通して隣接するデバイスから学習した擬似回線拡張グループ要素のマッピング情報を格納するステップと、
プロバイダエッジデバイスと関連するリソースのステータスの変化を検出するステップ(302)と、
擬似回線がステータスの変化によって影響を受けているかどうかを判断するステップ(304)と、
擬似回線拡張グループのマッピング情報に基づいて、擬似回線がステータスの変化によって影響を受けていることに応じて、擬似回線の擬似回線グループを特定するステップ(306)と、
擬似回線拡張グループの表示を含んだワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを形成するステップ(308)と、
ワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを、擬似回線の経路にあるプロバイダエッジデバイスの次ホップに転送するステップ(310)
を行うこと
を含む、方法。
【請求項2】
擬似回線が影響を受けているかどうかを判断するステップが、プロバイダエッジデバイスにおいて、リソースと関連する擬似回線をチェックするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
擬似回線グループを特定するステップが、プロバイダエッジデバイス上のデータベース(14)から、擬似回線に基づいた擬似回線グループの表示を読み取るステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
表示を形成するステップが、プロバイダエッジデバイス識別子およびグループ識別子を表示に含めるステップを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
擬似回線拡張グループを実行するためのデバイスであって、
擬似回線のプロトコルデータ単位トラフィックを受信および送信するように動作可能なデータポート(506)と、
命令のプログラム(508)によって適合されたメモリを有するストレージ(504)と、
ストレージ、およびデータポートと通信しているプロセッサ(502)と
を備え、
プロセッサによるプログラムの実行により、デバイスが、
デバイスにおいて、単一のポイントツーポイント擬似回線として動作し、機能する、2つ以上の隣接したセグメントのセットの実行を通して隣接するデバイスから学習した複数の擬似回線グループ要素のマッピング情報を格納し、
デバイスと関連するリソースのステータスの変化を検出し(302)、
擬似回線がステータスの変化によって影響を受けているかどうかを判断し(304)、
擬似回線拡張グループのマッピング情報に基づいて、擬似回線がステータスの変化によって影響を受けていることに応じて、擬似回線の擬似回線グループを特定し(306)、
擬似回線拡張グループの表示を含んだワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを形成し(308)、
ワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを、擬似回線の経路にあるプロバイダエッジデバイスの次ホップに転送する(310)
ようになる、デバイス。
【請求項6】
擬似回線が影響を受けているかどうかを判断することが、プロバイダエッジデバイスにおいて、リソースと関連する擬似回線をチェックすることを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
擬似回線グループを特定することが、デバイス内のデータベースから、擬似回線に基づいた擬似回線グループの表示を読み取ることを含む、請求項5または6に記載のデバイス。
【請求項8】
表示を形成することが、プロバイダエッジデバイス識別子およびグループ識別子を表示に含めることを含む、請求項5から7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
デバイスに、擬似回線が属する複数の擬似回線グループ要素を使用するワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを起動させる命令を記憶した非一時的な機械読み出し可能な媒体であって、前記命令が、
プロバイダエッジデバイスにおいて、
プロバイダエッジデバイスにおいて、単一のポイントツーポイント擬似回線として動作し、機能する、2つ以上の隣接したセグメントのセットの実行を通して隣接するデバイスから学習した擬似回線拡張グループ要素のマッピング情報を格納するステップと、
プロバイダエッジデバイスと関連するリソースのステータスの変化を検出するステップ(302)と、
擬似回線がステータスの変化によって影響を受けているかどうかを判断するステップ(304)と、
擬似回線拡張グループのマッピング情報に基づいて、擬似回線がステータスの変化によって影響を受けていることに応じて、擬似回線の擬似回線グループを特定するステップ(306)と、
擬似回線拡張グループの表示を含んだワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを形成するステップ(308)と、
ワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを、擬似回線の経路にあるプロバイダエッジデバイスの次ホップに転送するステップ(310)と
を行うステップ
を含む、非一時的な機械読み出し可能な媒体。
【請求項10】
擬似回線が影響を受けているかどうかを判断するステップが、プロバイダエッジデバイスにおいて、リソースと関連する擬似回線をチェックするステップを含む、請求項9に記載の非一時的な機械読み出し可能な媒体。
【請求項11】
擬似回線グループを特定するステップが、プロバイダエッジデバイス上のデータベース(14)から、擬似回線に基づいた擬似回線グループの表示を読み取るステップを含む、請求項9または10に記載の非一時的な機械読み出し可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット交換網(PSN)における擬似回線のグループを対象とし、詳細には、グループを確立し、管理すること、およびPSN内のデバイスにグループと関連した情報を伝えることを対象とする。
【背景技術】
【0002】
擬似回線(PW)は、パケット交換網(PSN)を通じて電気通信サービスの本質的属性(フレームリレー、非同期転送モード、イーサネット(登録商標))をエミュレートする機構である。これらのレイヤ2サービスは、レイヤ2のプロトコルデータ単位(PDU)をカプセル化し、PWを識別するMPLSラベルとともにこれらを伝送することによって、MPLSバックボーンを通じてエミュレートされることが可能である。インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)RFC4447により、擬似回線セットアップおよび保守のデフォルトプロトコルとして、ラベル配布プロトコル(LPD)が使用される。
【0003】
本明細書で使用される用語は、「プロバイダエッジデバイス(Provider Edge Device)」を表すPE、および「顧客エッジデバイス(Customer Edge Device)」を表すCEを含む。PSNトンネルが確立されて、2つのプロバイダエッジデバイス間のPWにデータ経路を提供する。PWトラフィックは、コアネットワークに識別できないものであり、コアネットワークは、CEに対して透過的である。ネイティブのデータ単位(ビット、セル、またはパケット)が、各PEとそのCEとの間のそれぞれのアタッチメント回線(Attachment Circuit)を介して届き、PWのPDUにカプセル化され、PSNトンネルを介して下層のネットワークにわたって搬送される。PEは、PWのPDUの必要なカプセル化および逆カプセル化を行い、PWサービスによって必要とされる任意の他の機能、例えば順序付けまたはタイミングなどを処理する。
【0004】
マルチセグメント擬似回線(MS−PW)は、単一のポイントツーポイントPWとして動作し、機能する、2つ以上の隣接したPWセグメントのセットである。MS−PWによりプロバイダは、複数のトラスポートPSNドメインにわたってPWの届く範囲を拡大することができる。本明細書で使用される用語は、MS−PWの2つのセグメントがまとめられる「交換(Switching)」PEデバイスを表すS−PEを含む。PWラベルは、2つのPWセグメント間でS−PEによって交換される。
【0005】
RFC4447は、「終端(Terminating)」PE(T−PE)に特有のPWの任意のグループを表すPWグループ化の概念を説明している。T−PEは、PWが終端するPEデバイスを表す。2つのPWエミュレーションポイント間で、ラベルマッピングメッセージが交わされるとき、これらのメッセージは、送信側T−PEにローカルのPWグループを識別するPWグループ化TLVを搬送する。相手側(ラベルマッピングの受信側)のT−PEは、送信側T−PEでPWグループにマッピングする、PWのデータベースを維持する。
【0006】
PWグループ化により、グループに共通の任意のイベントが、ワイルドカードラベル取り消し(withdrawal)メッセージまたはワイルドカードステータス通知メッセージのような、相手側のT−PEへの通知を必要とするとき、グループ全体で送信側T−PEからの「ワイルドカード」メッセージングが可能になる。単一メッセージが、PWグループ化識別子(ID)とともに送信されて、グループ内のすべてのメンバーPWにアクションを通知することが可能である。例えば、PWグループ化IDが、ポートインデックスとして使用されることが可能であり、そのポートにバインドされるACを有するすべてのPWに割り当てられることが可能である。PWグループ化IDの使用により、PEは、1つの単一ワイルドカードラベル取り消しメッセージ、またはポート障害の場合にグループIDを指定するPWステータス通知メッセージを送信できるようになる。このようなワイルドカードメッセージングは、PWメッセージングあたりのオーバーヘッドの大幅な減少をもたらし、PWの運用管理保守(Operations Administration and Maintenance:OAM)ステータス通知を非常に効率的にする。
【0007】
PWグループ化の既存の方法は、PWはT−PE全体で1つのグループにしか属することができないという制限を課す。さらに、MS−PWを用いると、MS−PWは1つまたは複数のS−PEを横断するので、PWがT−PE全体で同じグループに属することができるということはありえず、このようなPWグループ化は、単一PWセグメントにおいて意味をなすものである。
【0008】
第1のT−PEに始まるPWのセットが、同じローカルポートにバインドされることが可能である。PWのPSN要求は、多様なサービス品質(QoS)または多様な次ホップS−PE要求などに基づいて変化する可能性があるので、すべてのメンバーPWが、第1のT−PEと第1のS−PEとの間で同じPSNトンネルにバインドされる必要はない。グループの2つのPWは、同じローカルポートを共有するが、異なるS−PEにルーティングされることがある。これは、PWが送信側T−PEにおいて少なくとも2つのグループを割り当てることを必要とする:
1.アタッチメント回線(AC)と関連する様々な障害/状態遷移に関するワイルドカードPWステータスメッセージをトリガするためのAC上のポートidまたは他の属性に基づいた「アクセス」グループ。
2.PSNトンネルと関連する様々なPSN障害/状態遷移に関するワイルドカードPWステータスメッセージをトリガするための第1のS−PEに到達するために使用されるPSNトンネルに基づいた「ネットワーク」グループ。
【0009】
グループ化の関連付けは、MS−PW沿いの各S−PEにおいて変化することもある。例えば、第1のS−PEは、同じグループ化ID「G」を有する両方のPWに対するPWセットアップ要求を受信することがあるが、PWのそれぞれの多様なQoS要求/ポリシー要件に基づいて、PWのそれぞれを異なるS−PEに、または同じS−PEに、ただし異なるPSNトンネルを通じてルーティングすることができる。しかしながら、両方の場合において、第1のS−PEが別のS−PEに向かうPSNトンネル障害を検出する場合、第1のS−PEは、影響を受けるメンバーPWのすべてのPEに障害を通知するためにワイルドカードメッセージングを使用することはできない。さらに、S−PEがグループGを有するワイルドカードメッセージを受信するとき、グループ化IDは単一PWホップに対してのみ意味をなすので、S−PEは、(1つまたは複数の)次ホップS−PEに透過的にワイルドカードメッセージを転送することができない。
【0010】
PW保守の効率および拡張性については、グループに属するPWが横断するすべてのT−PEデバイスまたはS−PEデバイスにわたってシームレスに通知されることが可能である任意のT−PEまたはS−PEから、ワイルドカードメッセージングが可能であることが求められる。以下、この文書では、T−PEまたはS−PEを指定するためにPEを使用することがある。LDPは、伝送制御プロトコル(TCP)ベースのプロトコルであり、TCPにおける輻輳制御によりシグナリング遅延の傾向がある。IETF RFC6310による、PWのOAMメッセージマッピングの要件であるために、ダイナミックMS−PWでは、PWステータスメッセージが、MS−PWのS−PEのそれぞれのコントロールプレーンを横断する。PWステータスシグナリングの効率および性能は、PWのOAMメッセージマッピング、PWの冗長性、例えばIETF RFC4762による仮想プライベートローカルエリアネットワークサービス(VPLS)メディアアクセス制御(MAC)アドレスフラッシュのようなPWのアプリケーションにとって、非常に重要な要素である。PWのスケーリング要求が高い(例えば、128,000PW)とき、結果として生じる大量のPWステータスシグナリングが、PWサービスのLDPおよびSLA(サービスレベルアグリーメント)の動作効率に影響を及ぼしうる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】IETF RFC4447
【非特許文献2】IETF RFC6310
【非特許文献3】IETF RFC4762
【非特許文献4】IETF RFC5036
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、PWグループを確立し、管理する、およびPSN内のデバイスにグループと関連して情報を伝達するための効率的な方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態は、パケット交換網における拡張擬似回線グループを対象とする。いくつかの実施形態は、擬似回線が横断する各プロバイダエッジデバイスで、擬似回線を1つまたは複数のグループに関連付ける。擬似回線セットアップ要求メッセージが様々なプロバイダエッジデバイスを横断するとき、各プロバイダエッジデバイスは、一般的に1つまたは複数のローカルグループメンバーシップ情報要素を、擬似回線セットアップ要求メッセージに追加する。そのようにして、擬似回線が横断する各プロバイダエッジデバイスによって割り当てられるグループ化は、擬似回線によって横断される他のすべてのプロバイダエッジデバイスに利用可能にされる。有利には、擬似回線グループ化情報をこのように利用できることにより、これらのプロバイダエッジデバイス(T−PEまたはS−PEのいずれか)のいずれも、ワイルドカードメッセージを起動して、そのローカルグループのいずれかの擬似回線に関して他のプロバイダエッジデバイスに通知することが可能になるのと同じく、様々な要求に基づいて擬似回線が複数のグループにバインドされることが可能になる。本発明は、このPWグループ化を「拡張グループ」と表現する。
【0014】
本発明の一態様によれば、擬似回線拡張グループを学習する方法が提供される。この方法は、プロバイダエッジデバイスによって次のステップを行うことを含む:擬似回線ラベルおよび拡張グループ情報を含む擬似回線セットアップ要求メッセージを受信するステップと、擬似回線セットアップ要求メッセージから拡張グループ情報および擬似回線ラベルを取り出すステップと、取り出した拡張グループ情報をプロバイダエッジデバイスのデータベースに追加するステップと、取り出した拡張グループ情報を含んだデータベースのレコードに擬似回線ラベルを追加するステップ。
【0015】
本発明の別の態様によれば、ワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを起動する方法が提供される。この方法は、プロバイダエッジデバイス上で次のステップを行うことを含む:プロバイダエッジデバイスと関連付けられたリソースのステータスの変化を検出するステップと、ステータスの変化によって擬似回線が影響を受けているかどうかを判断するステップと、ステータスの変化によって影響を受けている擬似回線に応答して、擬似回線の擬似回線グループを特定するステップと、擬似回線グループの表示を含んだワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを形成するステップと、擬似回線の経路にあるプロバイダエッジデバイスの次ホップにワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを転送するステップ。
【0016】
本発明の別の態様によれば、ワイルドカード擬似回線ステータスメッセージに応答する方法が提供される。この方法は、プロバイダエッジデバイス上で次のステップを行うことを含む:擬似回線を通じてワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを受信するステップと、擬似回線ステータスメッセージから、影響を受けた擬似回線グループを特定するステップと、影響を受けた擬似回線グループの影響を受けた擬似回線を特定するステップと、影響を受けた擬似回線に対してアクションを起こすステップ。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、擬似回線拡張グループを実行するためのデバイスが提供される。このデバイスは、擬似回線のプロトコルデータ単位トラフィックを受信および送信するように動作可能なデータポートと、命令のプログラムによって適合されたメモリを有するストレージと、ストレージおよびデータポートと通信しているプロセッサとを備える。プロセッサによるプログラムの実行が、デバイスに擬似回線拡張グループと関連付けられた機能を行わせる。
【0018】
デバイスによって行われる機能は、以下を含むことができる:擬似回線ラベルおよび拡張グループ情報を含む擬似回線セットアップ要求メッセージを受信することと、擬似回線セットアップ要求メッセージから拡張グループ情報および擬似回線ラベルを取り出すことと、取り出した拡張グループ情報をプロバイダエッジデバイスのデータベースに追加する
ことと、取り出した拡張グループ情報を含んだデータベースのレコードに擬似回線ラベルを追加すること。
【0019】
追加的にまたは代替的に、このデバイスによって行われる機能は、さらに以下を含むことができる:プロバイダエッジデバイスと関連付けられたリソースのステータスの変化を検出することと、ステータスの変化によって擬似回線が影響を受けているかどうかを判断することと、ステータスの変化によって影響を受けている擬似回線に応答して、擬似回線の擬似回線グループを決定することと、擬似回線グループの表示を含んだワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを形成することと、擬似回線の経路にあるプロバイダエッジデバイスの次ホップにワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを転送すること。
【0020】
さらに追加的にまたは代替的に、このデバイスによって行われる機能は、プロバイダエッジデバイス上で次のステップを行うことをさらに含むことができる:擬似回線を通じてワイルドカード擬似回線ステータスメッセージを受信するステップと、擬似回線ステータスメッセージから、影響を受けた擬似回線グループを特定するステップと、影響を受けた擬似回線グループの影響を受けた擬似回線を特定するステップと、影響を受けた擬似回線に対してアクションを起こすステップ。
【0021】
本発明のまたさらなる態様によれば、パケット交換網が提供される。このパケット交換網は、擬似回線拡張グループを実行するための、第1のデータベースを含んだ第1のデバイスと、擬似回線拡張グループを実行するための、第2のデータベースを含んだ第2のデバイスとを含む。第1のデバイスおよび第2のデバイスは、擬似回線を介して第1のデバイスと第2のデバイスの間の通信を可能にするようにプロビジョニングされている。第1のデータベースは、擬似回線および第2の擬似回線グループと関連した第2のデバイスの識別子を含み、第2のデータベースは、擬似回線および第1の擬似回線グループと関連した第1のデバイスの識別子を含む。
【0022】
本発明の上述のおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に示す好ましい実施形態の次のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来技術のPWエミュレーション参照モデルを示す図である。
図2】MS−PWの従来技術の参照モデルを示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態によるMS−PWのためのPW拡張グループを割り当て、伝えるために使用されるデバイスおよびメッセージングを示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態によるPW拡張グループタイプ、長さ、値(type length value:TLV)メッセージを示す図である。
図5図4のメッセージのPWグループ要素を示す図である。
図6】本発明の第3の実施形態によりPW拡張グループを学習する方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の第4の実施形態によりワイルドカードPWステータスメッセージを起動する方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の第5の実施形態によりワイルドカードPWステータスメッセージに応答する方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の第6の実施形態により擬似回線拡張グループを実行するためのデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図において、同様の特徴は、同様の参照符号で示される。
【0025】
図1は、従来技術のPWエミュレーション参照モデルを示す。図に示すように、2つのPE(PE1、PE2)が、そのクライアントCE(CE1およびCE2)のために2つのPW(PW1、PW2)を提供して、クライアントCEがPSNを通じて通信できるようにする。PSNトンネルが確立されて、2つのPE(PE1、PE2)間のPW(PW1、PW2)にデータ経路を提供する。PWトラフィックは、コアネットワークにとって他のトラフィックと区別ができないものであり、コアネットワークは、CEに対して透過的である。ネイティブサービスのデータ単位(例えば、ビット、セル、またはパケット)が、アタッチメント回線(AC1、AC2)を介して届き、それぞれの擬似回線のPDU(PWのPDU)にカプセル化され、PSNトンネルを介して下層のネットワーク全域に搬送される。PEは、PWのPDUのカプセル化および逆カプセル化を行い、順序付けまたはタイミングなど、PWサービスによって必要とされる任意の他の機能を処理する。
【0026】
図2は、MS−PWの従来技術の参照モデルを示す。マルチセグメント擬似回線(MS−PW)は、単一のポイントツーポイントPWとして動作し、機能する、2つ以上の隣接したセグメントのセットである。MS−PWにより、プロバイダは複数のトランスポートPSNドメイン全体にわたってPWの届く範囲を拡張できるようになる。
【0027】
図2を参照すると、交換ポイントPE(S−PE)(SPE1)が、2つの別個のコントロールプレーン、すなわち第1のトンネルエンドポイントPE(TPE1)に向かうコントロールプレーン、および第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)に向かうコントロールプレーンを実行する。PW交換ポイント(SPE1)は、第1のPSNトンネル(PSNトンネル1)を通じて搬送される第1の擬似回線の第1のセグメント(PW1セグメント1)および第2のPSNトンネル(PSNトンネル2)を通じて搬送される第1の擬似回線の第2のセグメント(PW1セグメント2)を合わせて接続して、第1のトンネルエンドポイントPE(TPE1)と第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)との間のマルチセグメントPWを完成するように構成される。第1の擬似回線の第1のセグメントおよび第2のセグメント(PW1セグメント1、PW1セグメント2)は、同じPWタイプでなければならないが、第1のPSNトンネルおよび第2のPSNトンネル(PSNトンネル1、PSNトンネル2)は、同じ技術である必要はない。後者の事例において、PWが異なる技術に切り換えられる場合、PEは、異なるPSN技術間でPDUカプセル化を適合しなければならない。第1のPSNトンネル(PSNトンネル1)および第2のPSNトンネル(PSNトンネル2)が同じ技術である場合、PWのPDUは変更される必要がなく、PDUはその後、これらのそれぞれの擬似回線の第1のセグメントと第2のセグメントの間で、PWラベルレベルで交換される。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態によりMS−PWの経路にあるすべてのPEに、MS−PWのPW拡張グループを割り当てること、および拡張グループに関する情報を伝達することができるシステム10を示す。このシステムは、図2のそれと同様であるが、PE(TPE1、SPE1、TPE2)が、MS−PWの全長にわたってシームレスなワイルドカードメッセージングを可能にするために、PW「拡張」グループの新しい概念を実行するようになされた少なくとも1つの区別しうる特徴を有する。PWがセットアップされるとき、PWをセットアップするために使用されるセットアップ要求メッセージとともに、PW拡張グループ情報が搬送される。セットアップ要求メッセージは、PEのコントロールプレーン12で処理される。MS−PWの経路沿いの各S−PEが、S−PEによってローカルに割り当てられる拡張グループ情報を追加した後に、PWセットアップ要求を次ホップPEデバイスに転送する。PW拡張グループは、PWが属する複数のPWグループ要素を含む。各PWグループ要素は、PE識別子およびグループ識別子(PE−ID、Group−ID)タプルによって記述される。PEがPWを、そのPEに一意の1つまたは複数のグループにバインドし、そのような各グループが、PWグループ要素によって表される。したがってPWグループ要素は、PEにとって局所的重要性を有するが、この情報は、その特定のPWのセットアップ要求メッセージが伝わる経路沿いの他のすべてのPEに伝搬される。
【0029】
各PEが、その隣接するPEデバイスから学習したPWグループ要素のマッピング14を維持する。PEデバイスが、PWセットアップ要求メッセージ内で受信されたPW拡張グループ情報から、別のPEデバイスによって割り当てられた様々なPWグループを学習する。PWグループはPEデバイスに一意なものであるが、このような情報を受信する各PEデバイスが、例えばPE上のデータベース内のレコードとして、PWグループ要素が学習された隣接するPEデバイスに基づいたPWグループ要素のマッピングを維持する。ワイルドカードメッセージは一般的に特定の隣接PEデバイスを介して受信されるので、これは重要である。
【0030】
PWグループ要素のマッピングレコードが、そのメンバーPWのリストを含んでいる。PW拡張グルーピングにより、いかなるPEデバイスも1つまたは複数のローカルPWグループ要素に基づいてワイルドカードメッセージを起動できるようになる。受信中のPEデバイスが、送信側PEに関するPWグループ要素マッピングレコードにより、メンバーPWに適切なアクションを起こす。受信中のデバイスが、指定されたグループ(または複数のグループ)に属するPWのセットのS−PEである場合、ワイルドカードメッセージは、メンバーPWのすべての次ホップS−PEおよび/またはT−PEにシームレスに転送される。
【0031】
図3に示すMS−PWに基づいた一例は、次のようである。
1.第1の擬似回線(PW1)と第2の擬似回線(PW2)の両方が、同じローカルポートを共有し、したがって、第1のトンネルエンドポイントPE(TPE1)においてグループ(TPE1,G1)を割り当てられる。
2.第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)はともに、交換ポイントPE(SPE1)である同じ次ホップにルーティングされるが、それぞれ第1のPSNトンネル(PSNトンネル1)および第2のPSNトンネル(PSNトンネル2)である異なるトンラスポートトンネルを割り当てられる。第1のトンネルエンドポイントPE(TPE1)は、第1のPSNトンネル(PSNトンネル1)を共有するすべてのPWにグループG2を割り当て、第2のPSNトンネル(PSNトンネル2)を共有するすべてのPWにG3を割り当てる。したがって、第1の擬似回線(PW1)は、グループ(TPE1,G1)+(TPE1,G2)を割り当てられ、第2の擬似回線(PW2)は、グループ(TPE1,G1)+(TPE2,G3)を割り当てられる。
3.交換ポイントPE(SPE1)が、第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)のための第1のPWセットアップメッセージ16を受信した後、交換ポイントPE(SPE1)は次のPWグループ化情報を学習し、これをPWグループ要素のマッピング14として格納する:
隣接T−PE1:
ポート
(TPE1,G1)−−−−>PW1、PW2
トンネル
(TPE1,G2)−−−−>PW1
(TPE1,G3)−−−−>PW2
4.交換ポイントPE(SPE1)は、第1の擬似回線と第2の擬似回線(PW1、PW2)の両方を同じ次ホップにルーティングすることを決定し、この同じ次ホップは、同じPSNトンネルを介した第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)であり、この同じPSNトンネルは、第3のPSNトンネル(PSNトンネル3)である。交換ポイントPE(SPE1)は、第3のPSNトンネル(PSNトンネル3)を共有しているすべてのPWにグループG1を割り当てる。したがって、第1の擬似回線(PW1)のための第2のセットアップ要求メッセージ18は、グループ(TPE1,G1)+(TPE1,G2)+(SPE1,G1)とともに、第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)に転送される。第2の擬似回線(PW2)のための第3のセットアップ要求メッセージ20は、グループ(TPE1,G1)+(TPE1,G3)+(SPE1,G1)とともに、第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)に転送される。
5.それぞれ第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)に対する第2のセットアップ要求メッセージ18および第3のセットアップ要求メッセージ20を受信すると、第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)は、以下を形成し、PWグループ要素のマッピング14としてこれを格納する:
隣接T−PE1:
ポート
(TPE1,G1)−−−−>PW1、PW2
トンネル
(TPE1,G2)−−−−>PW1
(TPE1,G3)−−−−>PW2
(SPE1,G1)−−−−>PW1、PW2
【0032】
上記のPWセットアップに基づいて、PWステータス/障害手順の一部は次のようなものとなる。
【0033】
ローカルポートステータスが、第1のトンネルエンドポイントPE(TPE1)で変化するとき、第1のトンネルエンドポイントPE(TPE1)は、グループ(TPE1,G1)を有するワイルドカードPWステータスメッセージ22を起動し、交換ポイントPE(SPE1)にメッセージ22を送信する。メッセージ22を受信すると、交換ポイントPE(SPE1)は、グループ(TPE1,G1)に利用できるメンバーシップ情報に基づいて、第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)にアクションを起こす。交換ポイントPE(SPE1)は、第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)であるメンバーPWの次ホップ(または複数の次ホップ)に、ワイルドカードPWステータスメッセージ22を転送する。メッセージ22を受信すると、第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)は、グループ(TPE1,G1)に関して学習したメンバーシップ情報に基づいて第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)にアクションを起こす。交換ポイントPE(SPE1)および第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)によって起こされるこのようなアクションは、警報を発すること、第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)によって搬送されるトラフィックを他の擬似回線に回すこと、および/または第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)を再ルーティングすることを含むことができる。
【0034】
第3のPSNトンネル(PSNトンネル3)のステータスが、交換ポイントPE(SPE1)で変化するとき、交換ポイントPE(SPE1)は、グループ(SPE1,G1)を有するワイルドカードPWステータスメッセージ24を起動し、これを、そのグループを共有するすべてのPWの次ホップ(または複数の次ホップ)、この事例では第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)に、送信する。ワイルドカードPW1ステータスメッセージ24を受信すると、第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)は、そのデータベース14内で利用できるメンバーシップ情報に基づいて、第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)にアクションを起こす。第2のトンネルエンドポイントPE(TPE2)によって起こされるこのようなアクションは、警報を発すること、第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)によって搬送されるトラフィックを他の擬似回線に回すこと、および/または第1の擬似回線および第2の擬似回線(PW1、PW2)を再ルーティングすることを含むことができる。
【0035】
図4は、本発明の第2の実施形態による、PW拡張グループタイプ、長さ、値(TLV)メッセージ50を示す。メッセージ50においてビット2からビット15を占めているPW拡張グループTLV56は、PWグループ要素のリストを搬送し、各PWグループ要素60a、60nは、32ビットの倍数の長さである。PW拡張グループTLVメッセージ50のビット0およびビット1は、それぞれ1および0に設定される。PW拡張グループTLVメッセージ50のビット16からビット31は、メッセージ50の長さに対応する長さ値58を保持する。PW拡張グループTLVメッセージ50の定義は、IETF LDP仕様RFC5036の要件に準拠している。LDP仕様RFC5036は、ベンダに割り当てられたTLVタイプスペースを割り当てるために使用されることが可能であるベンダプライベートTLVスペースを許可する。ベンダ間の相互運用性のために、TLVタイプは、インターネットアドレスおよび命名機関(Internet Address and Naming Authority:IANA)で標準化されることも可能である。
【0036】
図5は、図4のPW拡張グループメッセージ50のPWグループ要素60を示す。PWグループ要素60は、ビット0からビット7を占めている要素タイプフィールド102と、PWグループ要素60の長さを指定する、ビット8からビット15を占めている長さフィールド104と、PWグループ要素60の残りのビットを占めている1つまたは複数の可変長さ値フィールド106a、106mとを含む。
【0037】
次のPWグループ要素タイプ102は、この文書では以下のように定義される:
タイプ1− 値フィールド106は、以下を含む:
− 32ビットグループID
− グループIDが属するPEデバイスを識別するIPアドレス
タイプ2− 値フィールド106は、以下を含む:
− 32ビットグループID
− ダイナミックマルチセグメント(Dynamic Multi−segment)PW仕様で指定されるS−PEアドレス指定フォーマットのPEデバイスの識別子
【0038】
図6は、本発明の第3の実施形態によりPW拡張グループを学習する方法を示すフローチャートである。方法200は、PEによって行われることが可能であり、PEは、すでに述べたように、S−PEデバイスと、TPEデバイスとを含む。方法200の次の説明は、特徴の参照符号により例として前述の図面の特徴を参照する。方法200は、例えば、MPLS PWラベルによってセットアップされるPWを識別するPWセットアップ要求メッセージ(16、18、20)を、PE(TPE1、SPE1、TPE2)で受信すること202から始める。PEは、PWセットアップ要求メッセージ(16、18、および20)が、PW拡張グループTLV56のようなPW拡張グループ情報を含んでいるかどうかを判断する204。このようなPW拡張グループ情報が、PWセットアップ要求メッセージに含まれていない場合、方法200は終了し212、含まれている場合、方法200の実行は、PWセットアップ要求メッセージ(16、18、20)から1つまたは複数のPWグループ要素60を取り出すステップ206に進む。
【0039】
取り出されたPWグループ要素60は、これらがPEのグループマッピングデータベース14にすでに存在しない場合、グループマッピングデータベース14に追加される208。この追加208は、いくつかの方法で行われることが可能であり、例えば、特定のPWグループ要素60がグループマッピングデータベースにすでにあるかどうかをまず調べるために、例えばインデックスとしてPWグループ要素タプル(PE−ID,グループID)を使用して、そのタプルをすでに有するデータベース内のレコードを検索することによって、チェックが行われることが可能である、または、PWグループ要素60を追加する試みが行われることが可能であり、実際の追加は、タプルがグループマッピングデータベース14にすでに存在することを示すエラーが返された場合、単にスキップされる。
【0040】
方法200は、次に、PW拡張TLV56から取り出されたPWグループ要素を含んでいる、グループマッピングデータベース14内のレコードに、セットアップされるPWのPWラベルを追加すること210に進む。方法200は、その後終了する212。
【0041】
図7は、本発明の第4の実施形態によりワイルドカードPWステータスメッセージ22を起動する方法300を示すフローチャートである。方法300は、PEによって行われることが可能であり、PEは、すでに述べたように、S−PEデバイスと、TPEデバイスとを含む。方法300の次の説明は、特徴の参照符号により例として前述の図面の特徴を参照する。方法300は、PEにおいて、PEと関連するリソースのステータスの変化を検出すること302から始める。このようなリソースは、PEのポート、またはPSNトンネル(例えば、PSNトンネル1)とすることができ、これらを通じてPEはPWのPDUを伝える、またはリソースを使用するもしくは監視する。ステータスの変化は、リソースの稼働状態から非稼働状態への変化、リソースのアラームのない状態からアラーム発生状態への変化、リソースのエラーのない稼働状態からエラーのある稼働状態への変化などを含むことができる。リソースのステータスの変化が検出された302後、方法の実行は、ある場合はどの1つまたは複数のPWが、ステータスの変化によって影響を受けるかを判断する304ステップに進む。これは、例えば、PEが、対象のリソースと関連するPWについて、(例えば、一般的なPEに存在する)MPLSラベルプロビジョニングのそのレコードをチェックすることによって行われることが可能である。PWがリソースステータスの変化によって影響を受けていない場合、方法300は終了し312、受けている場合、方法300の実行は、影響を受けたPWまたは複数のPWのグループを特定するステップ306に進む。
【0042】
PWが関連付けられたPW拡張グループを学習する方法200の間に、グループマッピングデータベース14のレコードに、PWラベルおよびPWグループ要素60を格納することを含むことを想起されたい。さらに、PWグループ要素60が、PE−IDおよびグループIDを含んだタプルを含むことを想起されたい。1つまたは複数の影響を受けたPWのグループを特定するステップ306は、そのPWに対応する、PEのグループマッピングデータベース14内のPWグループ要素を、検索する(lookup)ためのインデックスとして、影響を受けた各PWのPWラベルを使用することによって達成されることが可能である。方法300の実行は、その後、影響を受けたPWグループの表示を含んだワイルドカードメッセージ22を形成すること308に進む。この形成すること308は、PEのグループマッピングデータベース14で検索された、影響を受けたPWグループのPWグループ要素60を含んだPW拡張グループTLV50を作成することを含む。方法300の実行は、その後、そのワイルドカードメッセージ22を、影響を受けた1つまたは複数のPWの経路にある次ホップデバイスに転送すること310に進む。方法300は、その後終了する312。
【0043】
図8は、本発明の第5の実施形態によりワイルドカードPWステータスメッセージ22に応答する方法400を示すフローチャートである。方法400は、PEによって行われることが可能であり、PEは、すでに述べたように、S−PEデバイスと、TPEデバイスとを含む。方法400の次の説明は、特徴の参照符号により例として前述の図面の特徴を参照する。方法400は、PW(例えば、PW1)を通じてPEにおいてワイルドカードPWステータスメッセージ22を受信することから始める。PEは、次に、どのPWグループが影響を受けるかをPWステータスメッセージ22から判断する404。これは、ワイルドカードPWステータスメッセージ22のPWグループ要素60に含まれる1つまたは複数のタプルからグループIDを読み取ることによって行われる。方法400の実行は、その後、影響を受けたPWグループの影響を受けたPWを特定すること406に進む。PEは、例えば、1つまたは複数の影響を受けたグループIDのタプルをインデックスとして使用して、PEのグループマッピングデータベース14から、影響を受けたPWグループと関連する各PWのラベルを読み取ることによって、このステップを行うことができる。方法400は、次に、影響を受けたPWに対してPEがアクションを起こすステップ408に進む。アクションを起こすこと408は、前述した方法300に従って、別のワイルドカードPWステータスメッセージ22を起動することを含むことができ、その上これは、警報を発すること、PWによって搬送されたトラフィックを別のPWに回すこと、および/またはPWを再ルーティングすることを含むことができる。方法400は、その後終了する410。
【0044】
図9は、本発明の第6の実施形態により擬似回線拡張グループを実行するためのデバイス500を示す。デバイスは、前述したPEの形をとることができる。デバイス500は、プロセッサ502と、ストレージ504と、1つまたは複数のデータポート506とを含む。プロセッサは、ストレージ504、およびデータポート506と通信している。データポートは、PWセットアップ要求メッセージ(16、18、20)およびワイルドカードPWステータスメッセージ(22、24)など、前述したタイプのPWのPDUトラフィックを受信および送信するために使用される。ストレージ504は、前述の方法200、300、400の1つまたは複数を具体化するプログラム508を格納するメモリを含む。すなわち、ストレージ504は、デバイス500が、方法200、300、400の1つまたは複数を行うように動作可能となるように、プログラム508によって構成されている。例えば、プログラム508は、一般的に、プロセッサ500によって実行されるとき、記載した方法200、300、400の1つまたは複数のステップが、デバイス500によって行われるようにする実行可能命令を含む。そのために、ストレージ504は、前述のグループマッピングデータベース14に含まれる情報を、格納するようになされ、動作中に一般的に格納する、メモリ510もまた含む。
【0045】
有利には、前述のPW拡張グループ化手順は、次のシナリオに適用可能とすることができる:PWラベルマッピングのワイルドカード取り消し、すべてのOAMメッセージマッピングを含んだPWステータスシグナリング、VPLSのためのMACフラッシュのようなPW利用など。
【0046】
上述の本発明の諸実施形態には、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく、数多くの変更、変形、および適応が行われることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9