特許第5913768号(P5913768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5913768自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバー
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  • 特許5913768-自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバー 図000002
  • 特許5913768-自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバー 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913768
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバー
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/58 20060101AFI20160414BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   B60N2/58
   A47C31/02 A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-144418(P2012-144418)
(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-8794(P2014-8794A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅之
(72)【発明者】
【氏名】石井 厚
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−064635(JP,A)
【文献】 特開2009−292463(JP,A)
【文献】 特開2000−189292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
A47C 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション・サイドまちが、上下方向において中間部分を複数の連続したひだに、下方端末部分を溝形にそれぞれなす断面形状に軟質樹脂で成形され、そして、その下方端末部分を除く周囲端末でメイン・トリム・カバーに縫い付けられてサイド・フィニッシャーの端末をその溝形の下方端末部分にはめ込んでシート・クッション・フレームに挟み込み可能にする自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバー。
【請求項2】
そのクッション・サイドまちが、縫製可能な軟質樹脂、エラストマーのような軟質樹脂などで成形され、そして、ドア側でそのメイン・トリム・カバーに縫い付けられる請求項1に記載の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーに関し、詳細には、シート・クッションの側面でトリム・カバーに縫い付けられた軟質樹脂製サイドまちをサイド・フィニッシャーで固定する方法の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車シートのシート・クッションでは、トリム・カバーはクッション・サイドまちを延長し、そして、そのクッション・サイドまちがトリム・エンド・フックなどでクッション・フレームの下端末に固定される方法が採られるので、そのクッション・サイドまちの張力でサイド・フィニッシャーが外側へ回転されたり、そのサイド・フィニッシャーとの隙間が見えるなどの不具合が発生し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−120490公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、シート・クッションのトリム・カバーにサイドまち成形品を活用できてそのサイドまちの端末をクッション・フレームに安定的に固定でき、隙間の発生を未然に回避できて指入れを防止でき、そして、見映えを向上するところの自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーは、クッション・サイドまちが、上下方向において中間部分を複数の連続したひだに、下方端末部分を溝形にそれぞれなす断面形状に軟質樹脂で成形され、そして、その下方端末部分を除く周囲端末でメイン・トリム・カバーに縫い付けられてサイド・フィニッシャーの端末をその溝形の下方端末部分にはめ込んでシート・クッション・フレームに挟み込み可能にする。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーでは、軟質樹脂成形サイドまちが活用できてそのサイドまちの端末がサイド・フィニッシャーでクッション・フレームに安定的に固定され、シート・クッションの潰れに順応でき、隙間の発生が未然に回避され、そのサイドまちとそのサイド・フィニッシャーとの間の隙間に指入れが防止され、そして、見映え、すなわち、外観品質が向上され、そして、特に、そのひだ付きクッション・サイドまちによって意匠的効果が高められて商品性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーの具体例を活用するところの乗用車のドライバー・シートを部分的に示した側面図である。
図2図1の2−2線の沿って示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーは、クッション・サイドまちが、上下方向において中間部分を複数の連続したひだに、下方端末部分を溝形にそれぞれなす断面形状に軟質樹脂で成形され、そして、その下方端末部分を除く周囲端末でメイン・トリム・カバーに縫い付けられてサイド・フィニッシャーの端末をその溝形の下方端末部分にはめ込んでシート・クッション・フレームに挟み込み可能にする。
【0009】
そして、そのクッション・サイドまちが、縫製可能な軟質樹脂、エラストマーのような軟質樹脂などで成形され、そして、ドア側でそのメイン・トリム・カバーに縫い付けられるのが望ましい。
【実施例1】
【0010】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーを説明するに、図1および図2は、この発明の自動車シ
ートに用いるシート・クッション・トリム・カバーの具体例10を活用するところの乗用車のドライバー・シート20を部分的に示し、そして、このドライバー・シート20は、シート・クッション21、左右のリクライニング・デバイス(図示せず)でそのシート・クッション21に前倒しおよび角度調整可能に支持されるシート・バック22、およびそのシート・バック22に取り外し可能に取り付けられるヘッドレスト(図示せず)などで組み立てられ、そして、そのシート・クッション21にシート・トラック(図示せず)およびシート・リフター(図示せず)を組み込んでそのシート・トラックでその乗用車のフロアに据え付けられる。
【0011】
そのシート・クッション21は、クッション・フレーム24、そのクッション・フレーム24をはめ合わせられて被せられるクッション・パッド25、およびそのクッション・パッド25上に被せられて多数のトリム・エンド・フック(図示せず)でトリム・カバー端末(図示せず)の大部分をそのクッション・フレーム24に止めるところのそのシート・クッション・トリム・カバー10で組み立てられ、そしてさらに、クッション側面24にサイド・フィニッシャー26を組み付け、そのリクライニング・デバイス、シート・トラック、およびシート・リフターを隠してシート側面の見映えを図るように仕上げられる。
【0012】
このシート・クッション・トリム・カバー10では、メイン・トリム・カバー11が、ドア側端末12にクッション・サイドまち13を、室内側端末(図示せず)に別のクッション・サイドまち(図示せず)を縫い付け、そして、そのクッション・サイドまち13が、上下方向において中間部分14を複数のひだ15、15に、下方端末部分17を溝形にそれぞれなす断面形状に軟質樹脂で成形され、そして、その下方端末部分17を除く周囲端末16でそのメイン・トリム・カバー11に縫い付けられてそのサイド・フィニッシャー26の端末27をその溝形の下方端末部分17にはめ込んでそのクッション・フレームと挟み込んでその溝形の下方端末部分17がそのサイド・フィニッシャー26でそのクッション・フレーム24に固定的に止められる。
【0013】
そのクッション・サイドまち13は、縫製可能な軟質樹脂、エラストマーのような軟質樹脂などで成形され、そして、ドア側でそのメイン・トリム・カバー11のその端末12に縫い付けられる。
また、その別のクッション・サイドまちは、そのメイン・トリム・カバー11の材料を用い、そして、その室内側でそのメイン・トリム・カバー11の端末に縫い付けられる。
【0014】
したがって、このシート・クッション・トリム・カバー10では、その軟質樹脂成形サイドまち13が活用できてそのサイドまち13の端末17がそのサイド・フィニッシャー26でそのクッション・フレーム24に安定的に固定され、そのシート・クッション21の潰れに順応でき、隙間の発生が未然に回避され、そのサイドまち13とそのサイド・フィニッシャー26との間の隙間に指入れが防止され、そして、見映え、すなわち、外観品質が向上され、そして、特に、そのひだ付きクッション・サイドまち13によって意匠的
効果が高められて商品性が向上される。
【0015】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0016】
上述から理解されるように、この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーは、クッション・サイドまちが、上下方向において中間部分を複数のひだに、下方端末部分を溝形にそれぞれなす断面形状に軟質樹脂で成形され、そして、その下方端末部分を除く周囲端末でメイン・トリム・カバーに縫い付けられてサイド・フィニッシャーの端末をその溝形の下方端末部分にはめ込んでシート・クッション・フレームと挟み込み可能にするので、この発明の自動車シートに用いるシート・クッション・トリム・カバーでは、その軟質樹脂成形サイドまちが活用できてそのサイドまちの端末がそのサイド・フィニッシャーでそのクッション・フレームに安定的に固定され、シート・クッションの潰れに順応でき、隙間の発生が未然に回避され、そのサイドまちとそのサイド・フィニッシャーとの間の隙間に指入れが防止され、そして、見映え、すなわち、外観品質が向上され、そして、特に、そのひだ付きクッション・サイドまちによって意匠的効果が高められて商品性が向上され、その結果、自動車シートにとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0017】
10 シート・クッション・トリム・カバー
11 メイン・トリム・カバー
12 ドア側端末
13 クッション・サイドまち/軟質樹脂成形サイドまち
14 中間部分
15 ひだ
16 周囲端末
17 下方端末部分/溝形の下方端末部分
20 ドライバー・シート
21 シート・クッション
22 シート・バック
23 クッション側面
24 クッション・フレーム
25 クッション・パッド
26 サイド・フィニッシャー
27 端末
図1
図2