特許第5913812号(P5913812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5913812接触力を感知する遠位先端部を有するカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5913812
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年4月27日
(54)【発明の名称】接触力を感知する遠位先端部を有するカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20160414BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20160414BHJP
【FI】
   A61M25/00 530
   A61B17/00 320
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-10627(P2011-10627)
(22)【出願日】2011年1月21日
(65)【公開番号】特開2011-147783(P2011-147783A)
(43)【公開日】2011年8月4日
【審査請求日】2013年12月20日
(31)【優先権主張番号】12/692,506
(32)【優先日】2010年1月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508080229
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ブイ・セルキー
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−513270(JP,A)
【文献】 特開2006−204378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体遠位の偏向可能な区域と、
前記偏向可能な区域遠位の先端部電極と、
前記先端部電極と接触して前記先端部電極に印加された接触力を受容する接触力センサーであって、前記接触力センサーが、本体、及び前記接触力によって生じる前記本体の変形に反応する電気的特性を有する少なくとも1つのセンサーを有し、前記少なくとも1つのセンサーが、電流を受容し、前記電気的特性における変化を示す電気信号を出力するように適合された、接触力センサーと、を含み、
前記少なくとも1つのセンサーが、前記接触力センサーの前記本体の少なくとも一部分の伸張及び圧縮に反応する歪みゲージであり、前記歪みゲージは、温度センサーとしても機能し、
前記接触力センサーが前記本体から放射状に延びる複数のスポークを含み、前記歪みゲージが前記複数のスポークの各々の上に取り付けられ、前記複数のスポークは、温度の変化に応じて膨張または縮小する材料により形成され、前記歪みゲージが前記複数のスポークの各々の上における温度を検知することにより、前記複数のスポークの材料の温度の変化に応じた膨張または縮小が無効にされる、カテーテル。
【請求項2】
前記電気的特性が固有抵抗である、請求項に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記本体の少なくとも一部分の歪み及び応力に反応する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記電気的特性がインダクタンスである、請求項に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記電気的特性がヒステリシス損である、請求項に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓組織の電気活動のアブレーション及び感知に有用な電気生理学的カテーテル、特にその遠位端で接触力感知能力を備える電気生理学的カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心不整脈は、また特に心房細動は、とりわけ老年人口において、一般的でかつ危険な慢性病として持続するものである。洞調律が正常な患者において、心房組織、心室組織、及び興奮伝播組織から構成される心臓は、洞調的でパターン化された様式で拍動するように電気的に興奮される。心不整脈の患者では、心臓組織の異常な領域は、正常の洞調律を有する患者のように通常の導電組織に結びついた同期的な拍動周期に従わない。その代わりに、心組織の異常領域は、隣接組織に異常に伝播し、それによって、心周期を乱して非同期的な心律動にする。そのような異常な伝播は、例えば、房室結節(AV)及びヒス束の伝播経路に沿った洞房(SA)結節の領域、又は心室及び心房室の壁を形成する心筋組織など、心臓の様々な領域で生じることが既に知られている。
【0003】
心房性不整脈を含む心不整脈は、心房室の回りで散乱し、かつしばしば自己増殖する電気インパルスの複数の非同期的ループを特徴とする、マルチウェーブレットリエントラント型となる可能性がある。マルチウェーブレットリエントラント型に代わって又はそれに加えて、心不整脈はまた、心房の組織の孤立領域が、急速で反復的な様式で自律的に興奮する場合など、局所的な起源を有することもある。
【0004】
心室性頻脈症(V−tach又はVT)は、心室のうちの1つにおいて起こる頻脈症又は高速な心律動である。これは、心室細動及び突然死につながり得るため、場合によっては重篤な不整脈となる。
【0005】
心不整脈の診断及び治療には、心臓組織の、特に心内膜の電気的性質及び心臓容積をマッピングすること、並びに、エネルギーの印加によって心組織に選択的にアブレーションを施すことが含まれる。そのようなアブレーションにより、望ましくない電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを止めるかあるいは修正することができる。アブレーションプロセスは、非伝導性の損傷部位を形成することによって、望ましくない電気的経路を破壊するものである。さまざまなエネルギー送達様式が、損傷部位を形成するために開示されており、心臓組織壁に沿って伝導の遮断部分を造るための、マイクロ波、レーザー、及び更に一般的に高周波エネルギーの使用が挙げられる。2段階の手技、つまりマッピングに続くアブレーションにおいては、心臓内の各点における電気活動が、通常、1つ以上の電気センサー(又は電極)を収容したカテーテルを心臓の中に前進させ、多数の点におけるデータを取得することによって感知され測定される。次いでこれらのデータが利用されて、アブレーションが実施される心内膜の標的領域が選択される。
【0006】
アブレーション及びマッピングは、カテーテルの電極を用いて組織壁に接触することを含む。しかしながら、組織壁に対する先端部電極の正確な位置決めは常に可能ではない。したがって、遠位先端部において接触力感知を備えるカテーテルを提供することが望ましい。最近の研究は、損傷部位の深さは、高周波アブレーション中に、組織壁に対する先端部電極の接触力により決定され得るということを示唆している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、カテーテルが、その遠位の先端部電極で接触力感知を備えて、マッピング及びアブレーションに採用されるということは望ましい。そのようなカテーテルは、カテーテル先端部に作用する三次元の接触力ベクトルを決定するための3軸センサーを備えていることも望ましい。カテーテルの位置は、磁気ベースの位置センサーを用いてモニターされ、心腔壁は三次元でマッピングされるため、心壁に対する先端部電極接触面積を決定し、これにより先端部電極接触圧を計算することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その遠位端で接触力感知能力を備えるマッピング及びアブレーションカテーテルを目的とする。カテーテルは、カテーテル本体と、偏向可能な区域と、先端部電極及びこの先端部電極に印加された三次元の接触力ベクトルを感知するための一体化接触力センサーを有する先端部遠位区域と、を含む。接触力センサーは、本体、及びこの本体の変形に反応する電気的特性を備える少なくとも1つのセンサーを有する。センサーは電流を受容し、電気的特性における変化を示す電気的信号を出力するように適合されている。1つの実施形態では、センサーは、接触力センサーの本体の少なくとも一部分の伸張及び圧縮に反応を示し、モニターされている歪みゲージの電気的特性は電気固有抵抗である。別の実施形態では、センサーは、本体の少なくとも一部分の歪み及び応力に反応し、モニターされている電気的特性はインダクタンス又はヒステリシス損である。
【0009】
より詳細な実施形態では、本発明のカテーテルは、カテーテル本体と、偏向可能な中間区域と、先端部電極、及び曲げモーメントと、カテーテル先端部電極に印加された伸張及び圧縮力の両方とによって生じた材料歪みに反応する接触力センサーを備える先端部分と、を含む。接触力センサーはカップ形状の本体、複数の放射状のスポーク、軸方向ビーム部材、及びスポークの1つの上に取り付けられた少なくとも1つの歪みゲージを有する。スポークはそこからビーム部材が延在する本体上の中心ハブで収束し、印加された接触力ベクトルが先端部電極から、接触力センサーの本体を変形させ、歪ませるビーム部材に送られるように、先端部電極に接続されている。モーメント負荷が、接触力ベクトルからビームに移入され、先端部電極上に作用するように、ギャップは先端部電極と接触力センサーの本体との間で長手方向軸に沿って提供される。接触力センサーのそれぞれのスポークは、その上に取り付けられた1つを超える歪みゲージ、例えば、互いに対称的に取り付けられたスポークの対向する表面上の2つの歪みゲージを有してもよい。この対称的な形状において、歪み測定にハーフブリッジ電気構成が使用されるとき、各歪みゲージは、他方の温度影響を取り消し、それはまたは、本体への単位歪み入力当たりの出力抵抗(抵抗測定感度)における変化を増大させ、倍にする。
【0010】
別の詳細な実施形態では、本発明のカテーテルは、カテーテル本体と、偏向可能な直近区域と、先端部電極を備える先端区域と、歪み及び応力に反応する接触力センサーと、を有する。接触力センサーは、円筒形の本体及び少なくとも1つの歪みセンサーワイヤを有する。センサーワイヤは導電性であり、歪み感受性磁気フィルムによって囲まれている区分を有する。この区分及び磁気フィルムはプレストレスを与えられており、本体に埋め込まれる。先端部電極は近位軸部を有し、円筒形の本体は先端部電極の近位軸部を受容するように穿孔されている遠位端を有する。接触力センサーは、複数の歪みセンサーワイヤ、例えば少なくとも3つの歪みセンサーワイヤを有することができ、それぞれが磁気フィルムによって囲まれている区分を有し、その磁気フィルムを備える区分のそれぞれはプレストレスを与えられており、本体に埋め込まれている。歪みセンサーワイヤのそれぞれは、半径方向の対称のために、接触力センサーの長手方向軸周辺において放射状パターンで、互いに等距離で位置決めされている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のこれらの及び他の特徴と利点は、添付の図面とともに考慮すれば、以下の詳細な説明を参照することによって更に理解されよう。
図1】本発明のカテーテルの一実施形態の上部平面図。
図2A】カテーテル本体と中間区域との接合部及び中間区域と第1の直径に沿った接続ハウジングとの接合部の実施形態の側断面図。
図2B】第1の直径に概ね垂直な第2の直径に沿った、図2aの接合の実施形態の側断面図。
図2C】線C−−Cに沿った、図2a及び2bの実施形態の末端部断面図。
図3】先端部電極、並びに伸張及び圧縮に反応する接触力センサーを含む、本発明のカテーテルの遠位先端区域の実施形態の側断面図。
図3A】線A−−Aに沿った、図3の遠位先端区域の実施形態の末端部断面図。
図3B】線B−−Bに沿った、図3の遠位先端区域の実施形態の末端部断面図。
図3C】線C−−Cに沿った、図3の遠位先端区域の実施形態の末端部断面図。
図4図3の接触力センサーの正面斜視図。
図5図3の接触力センサーの背面斜視図。
図6図3の接触力センサーと共に使用するように適合されたブリッジ回路の実施形態の概略図。
図7】先端部電極、並びに歪み及び応力に反応する接触力センサーを含む、遠位先端区域の代替の実施形態の側断面図。
図7A図7の遠位先端区域の実施形態と共に使用するように適合された偏向可能な中間区域の実施形態の末端部断面図。
図7B】線B−−Bに沿った、図7の遠位先端区域の実施形態の末端部断面図。
図7C】線C−−Cに沿った、図7の遠位先端区域の実施形態の末端部断面図。
図8図7の接触力センサーの実施形態の斜視図。
図9図7の接触力センサーの歪みセンサーの出力電圧を、時間の関数として、方形波励起に関して、負荷有り及び無しで比較するグラフ。
図10】方形波入力フィルタ(ハイパス)及び整流器/DC電圧アベレージャーを備えるセンサー駆動回路の実施形態の概略。
図11】複数の磁気コーティングを備える接触力センサーの代替の実施形態の透視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、遠位先端部で接触力感知能力を備えるカテーテル10の実施形態を示す。カテーテルは、近位端及び遠位端を備える細長いカテーテル本体12と、カテーテル本体12の遠位端での中間偏向可能区域14と、マッピング、アブレーション、及び先端部電極が組織壁19と接触する場合に先端部電極17に印加された接触力を検出するように適合された遠位部分15と、を有する。カテーテルはまた、中間区域14の二方向の偏向を制御するための、カテーテル本体12の近位端における制御ハンドル16を含む。制御ハンドル16は更に、マッピング、アブレーション、及び/又は、例えば接触力感知ソリューションでプログラムアルゴリズムを適用するマイクロプロセッサ13の手段などにより接触力を感知する遠位区域15から、及び遠位区域15への電気的な入力信号及び出力信号を送信し、受信し及び処理するように適合されたコントローラ11への導管としての働きをする。本発明によると、このような信号は、先端部電極上の接触力を検出し、測定する遠位区域15に収容された3軸接触力センサーからの信号を含み、これによってコントローラ及びマイクロプロセッサは、そのような信号を接触力ベクトルの算定時に処理するように適合される。
【0013】
図2A及び2Bを参照すると、カテーテル本体12は、単一の軸方向又は中央管腔18を有する細長い管状構造体を含む。カテーテル本体12は可撓性であり、すなわち曲がることができるが、その長さに沿って実質的に圧縮不可能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造体であり得、任意の好適な材料で作ることができる。現在好ましい構造体は、ポリウレタン又はPEBAXで作製された外壁20を含む。外壁20は、ステンレス鋼等の埋め込まれた編みメッシュを含み、カテーテル本体12のねじり剛性を上昇させ、その結果、制御ハンドル16が回転するとき、カテーテル10の中間区域14は対応する方向に回転する。
【0014】
カテーテル本体12の外径は重要ではないが、好ましくは約8フレンチ以下、より好ましくは7フレンチである。同様に外壁20の厚さは重要ではないが、中央管腔18がワイヤ、ケーブル、又はチューブを収容できるように十分薄い。必要に応じて、外壁20の内面は、ねじり安定性を向上させるために補強管22で裏打ちされる。開示する実施形態において、このカテーテルは、約0.23cm(0.090インチ)〜約0.25cm(0.100インチ)の外径と、約0.15cm(0.061インチ)〜約0.17cm(0.065インチ)の内径とを備える外壁20を有する。補強管22の遠位端及び外壁20は遠位端及びカテーテル本体12の近位端付近のそれらの間で接着剤接合によって互いに固定して取り付けられる。
【0015】
制御ハンドル16と偏向可能な区域14との間に延在する構成要素は、カテーテル本体12の中央管腔18を通過する。これらの構成要素は、先端部電極17及び先端区域15の任意のリング電極用のリードワイヤ40、先端区域における接触力センサー用のメインリードワイヤ160、流体を先端区域15に搬送するための灌注チューブ38、電磁位置検出センサー用のケーブル48、並びに/又は中間区域14の二方向の偏向用の、1対のプーラワイヤ44を含む。
【0016】
また、より短い部分のチューブ材19を含む偏向可能な中間区域14の実施形態が、図2A、2B、及び2Cに示されている。チューブはまた、編みメッシュ構造体を有するが、複数の軸外管腔、例えば、第1の管腔30、第2の管腔31、第3の管腔32、及び第4の管腔33を備える。示された実施形態では、正反対の第2の管腔31及び第4の管腔33のそれぞれは、二方向のための1つのプーラワイヤ44を担持する。第1の管腔30は、リードワイヤ40、メインリードワイヤ160、及びセンサーケーブル48を担持する。第3の管腔32は灌注チューブ38を担持する。
【0017】
中間区域14のチューブ材19は、カテーテル本体12よりも可撓性である好適な非毒性材料で作製される。チューブ材19に好適な材料は、編みポリウレタン、すなわち、編みステンレス鋼等の埋め込まれたメッシュを備えるポリウレタン又はPEBAXである。それぞれの管腔の大きさは重要ではないが、それを通して延在するそれぞれの構成要素を格納するのに十分である。
【0018】
カテーテル本体12を中間区域14のチューブ材19に取り付ける手段が、図2A及び2Bに示されている。中間区域14の近位端は、カテーテル本体12の外壁20の内面を受容する外周ノッチを含む。中間区域14及びカテーテル本体12は、糊等により取り付けられる。
【0019】
必要に応じて、スペーサ(図示せず)を、カテーテル本体内の、補強管の遠位端(提供される場合)と中間区域の近位端との間に配置できる。スペーサは、カテーテル本体と中間区域との接合部において可撓性の変化をもたらし、これにより、この接合部が折り畳まれる又はよじれることなく滑らかに曲がることが可能になる。そのようなスペーサを有するカテーテルが、米国特許第5,964,757号に記載されており、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0020】
それぞれのプーラワイヤ44は、Teflon(登録商標)でコーティングされることが望ましい。プーラワイヤ44は、例えばステンレス鋼などの任意の好適な金属、又はプーラワイヤに潤滑性を付与するNitinol及びTeflonコーティングで作製されてもよい。プーラワイヤは好ましくは、約0.015cm〜0.025cm(0.006インチ〜0.010インチ)の範囲の直径を有する。図2B及び2Cに示されるように、カテーテル本体12でプーラワイヤ44の一部分のそれぞれは、そのプーラワイヤ44に包囲する関係にある圧縮コイル35を通過する。圧縮コイル35は、カテーテル本体12の近位端から中間区域14の近位端まで延在する。圧縮コイル35は、任意の好適な金属、好ましくはステンレス鋼で作製され、それ自体にきつく巻かれて、可撓性、すなわち、屈曲性を与えるが、圧縮に対して耐性である。圧縮コイルの内径は好ましくは、プーラワイヤ44の直径よりもわずかに大きなものである。カテーテル本体12内で、圧縮コイル35の外側表面はまた、例えばポリイミドのチューブ材でできた、可撓性の非電導性シース39で被覆されている。
【0021】
プーラワイヤ44の近位端は、制御ハンドル16に定着されている。図2Bに示されるように、プーラワイヤの遠位端は、中間区域14の遠位端付近に定着される。それぞれのプーラワイヤの遠位端には、管状のステンレス鋼の短片を含むT型アンカー47(例えば、皮下注射ストック)が備わっており、これはプーラワイヤの遠位端の上に取り付けられ、この上に圧着される。管状のステンレス鋼は、例えば溶接によって、ステンレス鋼リボン等で形成されたクロスピースに固定される。クロスピースは、それぞれのプーラワイヤの遠位端を定着させるために、チューブ材19の外壁にしっかりと固定して取り付けられる。第1のプーラワイヤは、第2の管腔31を通過し、第2のプーラワイヤは、偏向可能な中間区域14の第4の管腔33を通過する。偏向ワイヤ44がカテーテル本体12とは別にかつ独立に長手方向に運動することにより、結果として、中間区域14及びこのように先端区域15のステアリングが偏向することになるが、この運動は、偏向部材37(図1)の適切な操作によって達成される。
【0022】
中間区域14の遠位端にあるのは、先端部電極17及び接触力センサー100を含む先端部分15である。図3、4、及び5を参照すると、接触力センサーは、遠位端106及び近位端108を備える概ね円筒形の壁104を有する「カップ」形状本体102と、遠位端106で横断面内に概ね存在する複数の離間した放射状のアーム又はスポーク110と、を有する。アームは横断面上に存在する必要はなく、それらが半径方向に対称であるならば湾曲されてもよいということが、当業者によって理解される。アーム110は、接触力センサーの長手方向軸114上のハブ112で中心に収束する。遠位の線状部材116は、接触力センサーの長手方向軸114に沿って、ハブ112から遠位に延在する。円筒形の壁104及びアーム110は概ね同じ厚さを有し、それぞれのアームは、環状壁とハブとの間で共通の概ね均一の幅を有する。円筒形の壁104は、近位端108と遠位端106との間の中空の内部120を画定する。近位端108において、壁104は開口部122を中空の内部120へと外接させる。遠位端において、アーム110は、それらの間に概ね三角形又はくさび型の開口部126を画定し、遠位方向から中空の内部120へ、又は遠位方向へのアクセス若しくは通路を可能にする。
【0023】
示された実施形態では、線状部材116は、円形断面を備える中空の円筒形状ビームであるが、ビームは、長手方向軸114を中心として対称である任意の断面形状を有してもよく、任意の平面区域がアーム110と整列される。接触力センサー100の寸法のために、ビームの形状は利用可能な製造技法に大きく依存する。アーム110及びハブ112のそれぞれに固定されて取り付けられるか、ないしは別の方法で接続される、その近位端と共に遠位に延びながら、ビーム116は、圧縮−伸張及び/又はアーム110に伝播される、その長さに沿ったモーメント負荷に反応する。図4を参照すると、接触力が矢印140の方向においてビーム116に印加された場所では、アーム110aによって経験された応力/歪みは、アームの遠位の半分Dにおいて圧縮を、アームの近位半分Pにおいて伸張を生じさせる。アームのそれぞれにおいて圧縮及び伸張を測定することによって、半径方向及び/又は軸方向の構成成分を備える任意の力が測定され、三次元の座標系において3軸の力ベクトルを決定できるということが、当業者によって理解される。更に、カテーテル先端部の位置は、磁気ベースの位置センサーを用いてモニターされ、心腔壁は三次元でマッピングされているため、心臓壁に対する先端部電極接触面積を決定し、このように更なるパラメータ、例えば先端部電極接触圧を計算することは可能である。不十分な接触力は不適切な損傷部位形成(接触力に対応する損傷部位の深さ)となる場合があり、過剰な接触力は組織壁の貫通となる場合があるため、そのようなベクトル及び/又はパラメータは、先端部電極が組織壁に対して正しく位置決めされているかどうかを決定する際に有用である。
【0024】
示された実施形態では、ビーム116は中空の内部142を有し、したがって、潅注又は他の流体、例えば食塩水又はヘパリンなどの通る中央流体ポートとして機能することができ、細胞を冷却し、凝固を低減し、及び/又は増加された高周波エネルギー入力を用いて、より深い損傷部位の形成を促進することができる。更に、リードワイヤ、安全ワイヤ等は、アーム110間の開口部126を通過することができる。示された実施形態では、少なくとも3つの放射状アーム110a、110b、110cがあるが、複数は約2〜10の間の範囲であってもよく、制限は製造技法に大きく依存するということが、当業者によって理解される。
【0025】
接触力センサー100は、その長手方向軸114を中心として半径方向に対称であり、アーム110は同じ形状及び寸法であり、長手方向軸を中心として互いに半径方向から等距離である。3つのアームがある場所では、アームは、長手方向軸を中心として約0度、120度、240度で中心とされ、それぞれのアームの幅は、アームと環状壁との接合部において約30度にわたっている。接触力センサーは、十分に低い熱膨張係数を有する任意の好適な材料で作製されてもよい。好適な材料には、ステンレス鋼及びチタン、例えば、17−4若しくは15−5ステンレス鋼、又は6AL−4Vチタンが挙げられる。その点において、非線形で、非再現性の、かつヒステリシスで構成される、最適な静的誤差体を有する、接触力センサーに好ましい材料には、低ヒステリシス及び17−4PH若しくはチタニウム6AL4Vのような低熱膨張を備える金属が挙げられる。接触力センサーの製造において、様々な熱膨張係数を有する、異なる材料の使用は避けることが好ましい。
【0026】
接触力センサー本体102の「カップ」形状は、延伸カップ形成方法を含む、好適な方法を利用して形成されてもよい。アーム110は、レーザー切断、穿孔、又は圧延を含む、好適な方法を利用して形成されてもよい。ビーム116は、回転溶接、蝋付け、又はレーザー溶接のいずれかを含む、任意の好適な方法を使用して、ハブに取り付けられてもよい。接触力センサーはまた、スイス型CNC旋盤上で棒材(単一片)から製造することができる。
【0027】
図4及び5の実施形態では、壁204は、約0.12cm(0.046インチの)外半径RW、約0.18cm(0.069インチ)の長さLW、並びに約0.020cm(0.008インチ)の半径方向の厚さTRW及び0.018cm(0.007インチ)の遠位厚さTDWを有する。ビーム116は、約0.076cm(0.030インチの)外径DB、約0.15cm(0.058インチ)の長さLB、及び約0.010cm(0.004インチ)の厚さTBを有する(図4を参照)。それぞれのアームは、約0.061cm(0.024インチ)の幅WAを有する。
【0028】
図3A及び3Bに示されるように、それぞれのアーム又はスポーク110は、アーム110の遠位表面及び/又は近位表面上に少なくとも1つのシリコン半導体歪みゲージ又は歪みセンサー(「センサー」及び「ゲージ」は本明細書では同じ意味で用いられる)が有利に備わっている。示された実施形態では、合計3つの近位の歪みゲージGPa、GPb、及びGPc、並びに3つの遠位の歪みゲージGDa、GDb、GDcに対して、1つの歪みゲージが、それぞれの遠位及び近位表面上に取り付けられる。それぞれの歪みゲージは、歪みゲージがその上に取り付けられているアームの、その対応する近位又は遠位半分によって経験される伸張若しくは圧縮に反応する。それぞれが、同じアーム上で遠位ゲージ及び近位ゲージのそれぞれの対である3つの対(GPa/GDa)、(GPb/GDb)、(GPc/GDc)を形成する6つのU型の歪みゲージは、エポキシなどの接着剤によってアーム上に対称的に取り付けられる。
【0029】
当業者に理解されるように、半導体歪みゲージは、それらに歪みが印加されると、電気抵抗が変化するデバイスである。この特性はこれらのゲージを、極少量の力誘発材料歪みを正確さ及び精度を備えて測定するのに非常に有用にしている。半導体材料から作製されたゲージは、従来のタイプの歪みゲージよりも、より多くの利点を有する。これらの利点には、幅広い材料歪みを測定する能力(範囲の3倍まで試験された)、増強された「感度」(歪みは2.5E−7cm(0.1マイクロ−インチ)解像度まで確実に測定することができる)、及び減少された寸法が挙げられる。半導体歪みゲージは、バー型、U型、M型、Micron Instruments(Simi Valley,California)によって製造されるものなど、形状において様々であってもよい。歪みゲージは、±0.1グラムの計算理論的力解像度を提供することを意図したものである。歪みゲージに関して、500マイクロ歪みのフルスケールの動作範囲を利用して、センサーは0〜150gの範囲の先端部電極力ベクトル測定範囲及び約750gの安全率の制限(材料降伏強度を超えることによって、本体において永久変形を形成する)を超える力を提供する。当業者によって理解されるように、歪みゲージは、接触力センサーの非線状の半径方向の歪み線、接触力センサー上の歪みゲージの配置精度、及び接触力センサー本体の製造公差を含む、様々なパラメータを補償するためにカスタマイズすることができる。
【0030】
アーム上の歪みゲージの各対はまた、単一の温度センサーとして機能し、したがって、温度はそれぞれのアーム上のそれらの位置においてモニターすることもできる一方で、ゲージの対、アームのそれぞれの側部上のものは、材料の温度影響を有利に無効にする。アームの材料の温度における変化があるとき、材料はある量だけ(例えば、約1インチ当たりマイクロインチ)膨張又は縮小する。したがって、アームの各側部上でゲージを有することは、材料の膨張の係数による温度の影響を有利に無効にする。
【0031】
互いに半径方向から等距離で、壁104の内周上に取り付けられているのは、歪みゲージ回路において使用するように適合された複数の接合された端子(はんだタブ)156である。一実施形態では、端子は、電気絶縁を確実にし、その一方で、可撓性、強度が保たれ最高約135℃(約275°F)までの高温に耐え得る、約0.14厚の銅張エポキシ樹脂ガラスで製造される。端子は、より大きな直径のメインリードワイヤ(例えば銅ワイヤ)160と、より小さな精密な歪みゲージリード(例えば、24K金ワイヤ)162との間で用いられ、後者は歪みゲージが、第1の歪みゲージリード及び第2の歪みゲージリードを有する。示された実施形態では、1つの共通端子156C及び6つの専用端子156Dがある。共通端子156Cは、各歪みゲージから第1のゲージリード162を受容し、6つの専用端子156Dのぞれぞれは、歪みゲージのそれぞれから第2のゲージリード162を受容する。7つのメインリードワイヤ160のうち、1つのメインリードワイヤは、その遠位端で共通端子156Cに接続され、残りの6つのメインリードワイヤのそれぞれは、6つの専用端子156Dの異なるものに接続される。メインリードワイヤ160は、図6に示されるように、それらの近位端において、Wheatstoneブリッジ回路170に接合される。示された実施形態では、回路は3つのハーフブリッジ(ゲージの各対GPa/GDa、GPb/GDb、GPc/GDc用の1つのハーフブリッジ)を含み、これはゲージ出力を効果的に倍にし、各アームの材料温度影響を取り消し、回路はブリッジ構成(completion)及びブリッジ励起電圧(例えば、5.0VDC)で感度補償抵抗R1及びR2(例えば、3000Ω)で平衡化される。抵抗平衡化温度補償(RBTC)は、ブリッジを更に平衡化とるために必要とされてもよい。平衡化温度補償は、負荷がない状態で、温度に対するブリッジ出力電圧における変化である。完全な平衡化に関して、温度補償はゼロであるべきである。上昇型平衡化温度補償(positive balance temperature)は、負荷のない条件で、ブリッジが電圧で正しく励起されたとき、温度上昇と共に、正方向に移動するブリッジの出力電圧として定義される。減少型温度補償は、温度上昇と共に出力電圧が減少する。これは、1つのゲージが他よりも早く抵抗を変化させるときに発生する。この変化をゼロまで低減させるために、より早く変化しているゲージを、図6で示されるようにRBTCを用いて短絡することが可能である。ブリッジ全体にRBTCを適用することにより、ブリッジを非平衡化させることができ、得られる非平衡は、ブリッジ構成抵抗R1又はR2のうちの1つを変えることによって、再調整することができる。
【0032】
当業者によって理解されるように、ブリッジ励起電圧は、歪みゲージの自己発熱によって決まり、したがってゲージへの全体のワット数入力は予め決定される。全体のワット数がゲージの自己加熱を防ぐための閾値を下回る限り、回路への入力はDC、AC正弦波又は方形波であってもよい。例えば、500Ωの歪みゲージへの5V DCは、自己加熱を生じさせるとは予想されないが、同じ歪みゲージへの10V DCは、加熱問題を生じさせる場合がある。歪みゲージ測定の感度を高めるために、ゲージは、ゲージへの平均ワット数を制限するために1%の負荷サイクルに対して、より高い電圧で(例えば100V DC)パルス駆動(低負荷サイクルを備える方形波)であってもよい。ゲージは、印加された歪みに対する抵抗における変化を提供することによって、ゲージが接合されているスポーク110の歪みを測定するように適合される。抵抗における変化は次に、ブリッジ(E=IXR)の出力電圧を変化させ、よってゲージへの高入力電圧は、それらの出力感度を増大させる。当業者によって理解されるように、歪みゲージは、使用される歪みゲージのタイプによって、補償抵抗を必要とする場合がある。
【0033】
遠位区域15はまた、接触力センサー100と偏向可能な中間区域14との間に接続チューブ53の短い片を含む。図3の示された実施形態では、接続チューブ53は、単一の管腔を有し、これは先端部電極17への、先端部電極リードワイヤ40及び灌注チューブ38の通路を可能にする。チューブ53はまた、チューブ53を通ってそこから近位に延在するケーブル46を有する電磁位置センサー48を収容する。チューブ53はまた、接合された端子156からのメインリードワイヤ160の、接触力センサー100内の通路を可能にする。接続チューブ53の単一の管腔は、これらの構成要素がそれら自体を、中間区域14において、必要に応じてそれらの対応の管腔から、先端部電極17内でそれらの位置の方へ再配向できるようにする。
【0034】
本発明の目的は、適合部分が先端部電極17上に作用する力ベクトルからのほぼすべての歪みエネルギーを吸収するように、遠位先端区域15において、変形する(歪む)適合区域(例えば接触力センサー100)と、剛性であり、あらゆる変形に耐性である剛性の非適合区域(例えば遠位補強管57)とを提供することである、ということが理解される。接触力センサー100及び遠位の補強管57は、各材料の異なる膨張係数による熱ヒステリシス(材料の熱膨張及び収縮の異なる速度によって生じる歪み)を防ぐために同じ材料又は同様な熱膨張係数を備える少なくとも材料で作製されるべきである。1つの実施形態では、遠位の補強管は、0.0076〜0.015cm(0.003〜0.006インチ)厚×0.32〜0.64(0.125〜0.250インチ)長さの寸法を備える、薄い壁の付いたチューブ57である。チューブは、例えば、圧力嵌め又は接着材接合によって、接触力センサー100の近位端の内径又は外径に取り付けられる。図3に示された実施形態において、チューブ57は、接触力センサー100の内径に取り付けられる。チューブ57の長手方向軸に垂直な穴は、それによってリング電極への配線が容易になるように形成されてもよい。
【0035】
図3に示されるように、先端部電極17は、接触力センサーの長手方向軸114と整列される長手方向軸180を画定する。先端部電極17は、ドーム形状の無傷遠位端182と、接触力センサーのビーム116を受容するための中心穴186が形成されている、概ね平坦な表面を有する近位端184を有する。穴186は、ギャップ又は空間190が、先端部電極17と本体102と、接触力センサーのアーム110との間に存在するように、ビームの長さLBよりも小さい深さを有する。ギャップ190は、先端部電極の、より自由な及びビーム116の遠位端における大きな回転力動作を可能することを目的としており、これにより先端部電極上に印加された力を三次元でより良好に感知できる。チューブ又はシーラント192の薄い、流体密封の可撓性かつ弾性の短い区域は、先端部電極17と接触力センサーの本体との間に延在し、ビーム116上に先端部電極を保持し、破片を取り除いてギャップ190を維持するのに役立つ。穴180と同軸であるのは、半径方向に横断する分岐部分198を備える潅注経路194であり、灌注チューブ38によって搬送された流体が、複数の半径方向のポート199を介して先端部電極の外へ出るのを可能にする。
【0036】
先端部電極17の近位端はまた、先端部電極リードワイヤ40が定着される、非貫通穴201を含む。先端部電極リードワイヤ40は、接触力センサー100における開口部126の1つを通って、先端部電極17を通過する。図2に示されるように、先端部電極リードワイヤは、制御ハンドル16に到達する前に、中間区域14の第1の管腔30及びカテーテル本体12の中心管腔18を通過する。センサーゲージ用のメインリードワイヤ160はまた、それらがブリッジ回路170に接続されている制御ハンドル16に到達する前に、中間区域14の第1管腔30及びカテーテル本体12の中心管腔18を通過する。
【0037】
図3に示されるように、カテーテルの遠位端部分は、接触力センサー100及び中間区域のチューブ材19をつなぐ接続チューブ53上に取り付けられているリング電極21を含むことができる。このリング電極21は、白金又は金、好ましくは白金とイリジウムの組み合わせなど、任意の好適な固体導電材料で作ることができる。リング電極は糊等で接続チューブ53の上に取り付けることができる。あるいは、リング電極は、プラチナ、金及び/又はイリジウムのような導電性材料でチューブ53をコーティングすることにより形成できる。コーティングは、スパッタリング、イオンビーム蒸着、又は等価な技術を用いて施されることができる。チューブ53上のリング電極の数は、必要に応じて変えることができる。リングは単極であっても二極であってもよい。各リング電極は、中間区域14の第1の管腔30及びカテーテルシャフト12の中心管腔18を通過することができる、それぞれのリードワイヤ40に接続される。絶縁又は保護シースは、カテーテル本体12及び/又は中間区域を含む、カテーテル全体で、必要に応じて任意のワイヤ及びケーブルのために提供されてもよいということが理解される。
【0038】
本発明のカテーテルの代替の実施形態が図7、7A、7B、及び7Cに示されており、ここでは同様な要素が同じ参照番号で記載されている。カテーテルは、遠位先端部分15において、中空の円筒形の本体又はハウジング202と、電極先端部17に印加された三次元の力ベクトルを感知するとき、本体202の歪みをモニターするための、複数の埋め込まれた歪み検出引張部材204と、を含む、接触力センサー200を組み込む。図8を参照すると、本体は円形の断面を備える壁206、近位端208、並びに内側の遠位端210を備える穿孔された若しくは外側の遠位端209を有する。外側長さは、近位端208と遠位端209との間に延在する。内側長さは、近位端208と内側遠位端210との間に延在する。近位端と内側遠位端との間で、壁は均一の厚さTを有する。壁は、内部空間216を画定する円周方向外面212及び円周方向内面214を有する。壁は長手方向軸220周辺において互いから半径方向に等距離に配置された複数の軸通路又は貫通穴218で形成される。各軸通路218は、内部長さにわたって、近位端208及び内側遠位端210において、対応の開口部222を画定する。
【0039】
図7を参照すると、接触力センサーの外側遠位端209は、先端部電極の近位軸部230を受容する。先端部電極及び接触力センサーは、接触力センサー200の外側の遠位端209が、先端部電極の近位の周辺端部232に接合し、心軸部230の近位端が接触力センサーの内側遠位端210に接合するような寸法にされ、それによって先端部電極17に印加された力ベクトルが、接触力センサーの外側遠位端及び内側遠位端において、接触力センサー200に伝播される。
【0040】
それぞれの経路218を通って延在しているのは、小径の歪み感知引張部材234(「引張部材」及び「ワイヤ」は本明細書では同じ意味で用いられる)、例えば多結晶の銅ワイヤなどの、小径の導電性ワイヤである。示された実施形態では、それぞれの歪みセンサーワイヤは、接触力センサー本体の内側の遠位端において、U形の屈折部を有し、それは(討論の目的の便宜のため)第1のワイヤ部分234a及び第2のワイヤ部分234bを画定する。ワイヤが接触力センサーの軸部230と内側遠位端210との間で挟まれないように、本体の内側遠位端210で、それぞれの開口部222において、内側に面するノッチ又は凹部236が提供される。同様に、接触力センサー200と、偏向可能な区域14のチューブ19の、周囲方向に切欠きされた遠位端との間でワイヤが挟まれないように、貫通孔238がそれぞれの経路の近位端付近で提供される。
【0041】
1つの実施形態では、ハウジング202は約0.24cm(0.095インチ)の外径を有する。本体の壁206は、約0.064〜0.071cm(0.025〜0.028インチ)の厚さを有する。軸通路218は、約0.025〜0.036(0.010〜0.014インチ)の直径を有する。各歪み感知部材234は、約0.25〜0.51cm(0.10〜0.20インチ)の「作用している」歪んだ長さと共に、約0.010〜0.015cm(0.004〜0.006インチ)の直径を有する。
【0042】
それぞれの第1のワイヤ部分234aの区分240は、経路218を通って延び、そのサブ区分は、磁気コーティング、フィルム又は層244が設けられている。磁気フィルム244を含む区分は、接着剤又はセメント246によって経路に埋め込まれる。当業者によって理解されるように、磁気フィルム244の組成物は、その特性が歪み感受性であるように制御される。ワイヤの上に付着されている高透過性フィルムは、ワイヤのインダクタンスを支配し、よって、ワイヤがその磁気特性をモニターする際にインダクタンス又は損失のいずれかを測定する。小径のワイヤ上に、磁気フィルムを均一にメッキする能力は、磁気フィルムを容易に飽和させることを可能にする。このように、フィルムにおける損失がモニターされる。フィルムの磁気特性は歪み感受性であるため、ワイヤは歪みにおける変化を感知する。歪み感知ワイヤは自動力がないため、それらは通路に埋め込まれる。また当業者によって理解されるように、それぞれの歪み感知ワイヤは、ワイヤ内の電流により作られる電磁場を利用する。この場は、周囲方向に連続的な磁気コーティングの形状を確認する。しかしながら、外部場は軸の又は直径方向に不連続なコーティングの別の形状を確認する。これらの形状の自己減磁効果は、これらの外部場の影響を著しく低減する。通常、外部場に直面することによるこの影響はしたがって、フィルムを小さな、軸方向に分離された区分にパターン形成することによって、電流によって作られた場に影響を与えることなく、実質上取り除くことができる。ワイヤ周辺に付着された電磁フィルムの長さは、センサーの活性ひずみ領域を決定する。1つの実施形態では、長さは約0.46〜0.51cm(0.18〜0.20インチ)の長さである。好適な歪みセンサーは、Sensortex,Inc.(Kennett Square,Pennsylvania)から入手可能である。
【0043】
経路218を通って延在するそれぞれの区分240は、経路に、区分を埋め込む接続接着剤の適用、乾燥/硬化の間に、印加された張力(例えば1000マイクロ歪み)で、事前に応力がかけられている(「事前に歪みがかけられている」及び「事前に応力がかけられている(プレストレスを与えられた)」は本明細書では同じ意味で用いられる)。ワイヤに事前に歪みをかけることは、信号不感帯領域を取り除き、部分(又はセンサー信号範囲長さ)を増大させる役割をする。制御された均一な伸張は、接触力センサー内で対称性を感知するために、各センサーワイヤに適用される。接触力センサー内の複数のワイヤは、約2〜10の範囲であり得る。示された実施形態では、約90°で、接触力センサーの軸方向220を中心として、4つのワイヤが位置決めされている。
【0044】
示された実施形態では、それぞれの歪みセンサーワイヤの第1の部分234aは、カテーテル本体の中心管腔18、偏向可能な中間区域14の第1の管腔30、及び接触力センサー200の対応の経路218を通って延在する。それぞれの歪みセンサーの第2の部分234bは、接触力センサー200の内部空間216、偏向可能な中間区域14の第1の管腔30、及びカテーテル本体12の中心管腔8を通って延在する。接触力センサーの本体の変形は、歪みセンサー204への歪み振幅における変化となる。接触力センサー200の各歪みセンサーは、ワイヤを介してAC電流を提供する電源並びに適切な回路及び/又はプロセッサーに接続され、先端部電極に印加された、三次元の印加された力ベクトルを決定するためのインダクタンス又は損失を検出するために、それらの電圧出力を受容する。
【0045】
接触力ベクトルが先端部電極上に作用するとき、それらは接触力センサーの円筒形の本体に伝播され、これは僅かに変形し、歪みにおける変化を歪みセンサーに付与するとのということが当業者によって理解される。各歪みセンサーの小さな寸法及び対称的なプロファイルは、磁気フィルムが適度な電流レベルで容易に飽和にされる。得られるヒステリシス損は、歪みセンサーのインピーダンスを支配し、応力に大きく依存する。ワイヤがそれらの磁気特性をモニターする際にインダクタンス又はヒステリシス損失のいずれかを測定する。この損失は、電流に対して非線形の対応する曲線であり、アナログ又はデジタル信号抽出回路(図9を参照」)で検出することができる、高周波電圧スパイクを生じさせる。
【0046】
本体は、生体適合性であり、温度安定性であり、応力及び歪みで変形を経験するのに十分剛性である任意の材料から構成されることができ、PEEK、ポリエーテルエーテルケトン、自己強化ポリフェニレン、ポリフェニルスルホン、液晶ポリマーが挙げられる。歪みセンサーを通路内で接合する接合接着剤は、本体構造材料と比較可能である、弾性率及び熱膨張の係数を有する。
【0047】
図7及び8に示されるように、それぞれの歪みセンサーワイヤの遠位端及び近位端は、接触力感知手段と共にプログラムアルゴリズムを適用するマイクロプロセッサによって、マッピング、アブレーション及び/又は接触力感知のために、遠位部分15へ及びこれに対して、電気的な入力及び出力信号を送り、受容し、処理するために適用されたコントローラへの又はこれからの電流入力及び電圧出力を利用できる。
【0048】
図10は、接触力センサー200のための駆動回路の実施形態を示し、接触力センサーは、動作増幅器152(駆動電圧約1〜5V及びRMS電流は約200〜800mA)で振幅された方形波発振器150(周波数入力範囲は約5〜50KHz)で駆動される。回路は、センサーワイヤ抵抗及び電磁コーティングの誘導構成成分からなる駆動周波数での大電圧構成成分を排除するハイパスフィルタ(15KHz超の信号をフィルタする)として作用する第2の動作増幅器154も含む。インダクタンスは、センサーが歪んだときわずかに変化するが、損失因数における変化はずっと大きい。DC出力電圧は、センサー歪みの増加と共に減少する。
【0049】
本発明は、複数のセンサー(磁気フィルム)がそれぞれのワイヤ上に提供されている、代替の実施形態を含む。しかしながら、それぞれのセンサーにわたって電圧は測定され、したがって、それぞれのセンサーの端部においてワイヤ接続が提供されるということが理解される。単一ワイヤ、複数のセンサーの構成は、単一の電流入力のみであるため、ワイヤの数はより少なくなるが、番号38のワイヤを含む、複数のワイヤ接続は、歪み測定に多数の2つのワイヤセンサーを利用する程、信頼性もなく、費用効率も高くない場合がある。図11は、単一ワイヤ複数センサーの構成、例えば、3つの電磁フィルム244を備える単一銅ワイヤの実施形態であり、3つの接触力センサー200a、200b、200cとあり、それぞれが対応の出力a、出力b、出力cを提供する。
【0050】
センサーの動作に要求される電圧、電流、及び周波数は、約5KHz〜50KHzの範囲の周波数において、約1〜5V、200〜800mA(方形波)の範囲である。センサー歪みが増加すると、各方形波の始まり及び終わりにおいて得られるスパイクは低減される(図9を参照)。歪みセンサー電圧出力フィルタ回路は、高速動作増幅器ベースの開ループ又は閉ループパル背得検出回路と組み合わされて、センサー歪みピーク電圧値を安定なDC電圧出力に変換する(図10を参照)。
【0051】
図7〜9のカテーテルの実施形態はまた、中間区域14と接触力センサー200との間の接続チューブ53を含むことができ、そこでは電池位置センサー48は接触力センサー200の近位に収容されるということが理解される。センサー48用のケーブル46は、それが制御ハンドル16に到達する前に中間区域14の第1の管腔30を通過することができる。
【0052】
上記の説明は、本発明の特定の例示的実施形態を参照して提示されたものである。本発明に関連する分野及び技術の当業者には、説明した構造に対する変形及び変更が、本発明の原理、趣旨、及び範囲から大きく逸脱することなく実施され得ることは理解されよう。図面は、必ずしも縮尺通りではないことが理解される。したがって、上記の説明は、添付の図面に記載し説明した厳密な構造のみに関するものとして解釈されるべきではない。むしろ、上記の説明は、以下の特許請求の範囲と整合するものとして、またその特許請求の範囲を支持するものとして解釈されるべきであり、この特許請求の範囲は、最も完全でかつ公正な範囲を有するものである。
【0053】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体遠位の偏向可能な区域と、
前記偏向可能な区域遠位の先端部電極と、
前記先端部電極と接触して前記先端部電極に印加された接触力を受容する接触力センサーであって、前記接触力センサーが、本体、及び前記接触力によって生じる前記本体の変形に反応する電気的特性を有する少なくとも1つのセンサーを有し、前記少なくとも1つのセンサーが、電流を受容し、前記電気的特性における変化を示す電気信号を出力するように適合された、接触力センサーと、を含む、カテーテル。
(2) 前記接触力センサーが本体を有し、前記少なくとも1つのセンサーが、前記接触力センサーの前記本体の少なくとも一部分の伸張及び圧縮に反応する歪みゲージである、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記電気的特性が固有抵抗である、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記接触力センサーが本体を有し、前記少なくとも1つのセンサーが、前記本体の少なくとも一部分の歪み及び応力に反応する、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記電気的特性がインダクタンスである、実施態様4に記載のカテーテル。
(6) 前記電気的特性がヒステリシス損である、実施態様4に記載のカテーテル。
(7) カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体遠位の偏向可能な区域と、
前記偏向可能な区域遠位の先端部電極と、
前記偏向可能な区域と前記先端部電極との間の接触力センサーであって、前記接触力センサーがカップ形状の本体、複数のスポーク、ビーム部材、及び前記スポークの1つの上に取り付けられた少なくとも1つの歪みゲージを含み、前記スポークが、ビーム部材が延在する前記本体上の位置で収束し、
前記ビーム部材の末端部が前記先端部電極に接続された、接触力センサーと、を含む、カテーテル。
(8) 前記先端部電極と前記接触力センサーの前記本体との間にギャップが存在する、実施態様7に記載のカテーテル。
(9) 前記スポークのそれぞれが、その上に取り付けられた少なくとも1つの歪みゲージを有する、実施態様7に記載のカテーテル。
(10) 前記スポークのそれぞれが、少なくとも2つの表面を有し、前記表面のそれぞれが、その上に取り付けられた少なくとも1つの歪みゲージを有する、実施態様7に記載のカテーテル。
【0054】
(11) 少なくとも3つの前記スポークを含む、実施態様7に記載のカテーテル。
(12) 前記ビームを通って延在する灌注チューブを更に含む、実施態様7に記載のカテーテル。
(13) 前記スポーク間に開口部を更に含む、実施態様7に記載のカテーテル。
(14) カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
前記カテーテル本体遠位の偏向可能な区域と、
前記偏向可能な区域遠位の先端部電極と、
前記偏向可能な区域と前記先端部電極との間の接触力センサーであって、前記接触力センサーが円筒形の本体及び少なくとも1つの歪みセンサーワイヤを有し、前記センサーワイヤが磁気フィルムによって囲まれている区分を有し、前記区分及び磁気フィルムが、前記本体に埋め込まれた、接触力センサーと、を含む、カテーテル。
(15) 前記センサーワイヤがプレストレスを与えられる、実施態様14に記載のカテーテル。
(16) 前記センサーワイヤが、前記接触力センサーの長手方向軸に概ね平行な方向に延在する、実施態様14に記載のカテーテル。
(17) 前記先端部電極が近位軸部を有し、前記円筒形の本体が遠位端を有し、前記遠位端が前記先端部電極の前記近位軸部を受容するように穿孔された、実施態様14に記載のカテーテル。
(18) それぞれが磁気フィルムによって囲まれる区分を有する、前記歪みセンサーワイヤを少なくとも3つ更に含み、磁気フィルムを備える前記区分のそれぞれが前記本体に埋め込まれた、実施態様14に記載のカテーテル。
(19) 前記歪みセンサーワイヤのそれぞれが、前記接触力センサーの長手方向軸周辺において放射状パターンで、互いに等距離に位置決めされた、実施態様18に記載のカテーテル。
(20) 前記磁気フィルムが歪み感受性である、実施態様14に記載のカテーテル。
【0055】
(21) 前記ワイヤが導電性である、実施態様14に記載のカテーテル。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11