(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914093
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】ガス遮断装置
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20160422BHJP
G01F 15/075 20060101ALI20160422BHJP
F23K 5/00 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
G01F3/22 B
G01F15/075
F23K5/00 304
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-75067(P2012-75067)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-205249(P2013-205249A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 貴則
(72)【発明者】
【氏名】岩本 龍志
(72)【発明者】
【氏名】浅野 一高
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 博久
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】大和久 崇
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】藤井 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】増田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】石田 宏
(72)【発明者】
【氏名】坂野 貴裕
【審査官】
山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−147430(JP,A)
【文献】
特開2005−249532(JP,A)
【文献】
特開2009−216641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00−25/00
F23K 5/00
F23K 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号を出力する流量検出手段と、
前記流量検出手段の流量信号が予め定めた異常条件に合致するかどうかの異常判定を実施し異常成立時に閉弁信号を出力するセンサ異常判定手段と、
前記流量検出手段の前記流量信号を受取ると流量を算出する流量算出手段と、
前記流量算出手段の算出した流量を受取ると予め保持している判定値と比較し異常であれば閉弁信号を出力する異常流量判定手段と、
外部より復帰入力を受け付けると開弁信号を出力する復帰入力部と、
外部より遮断操作を受け付けると閉弁するテスト遮断入力部と、
前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記センサ異常判定手段によるセンサ異常判定を行わないセンサ異常判定禁止手段と、
前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記異常流量判定手段による流量の異常判定をおこなわない流量異常判定禁止手段と、
前記閉弁信号または前記開弁信号を受取ると弁駆動信号を出力する弁駆動手段と、
前記弁駆動手段の前記弁駆動信号を受取ると前記ガス通路を開弁または閉弁する弁と、を備え、
前記センサ異常判定禁止手段は、前記復帰入力部からの操作信号により前記センサ異常判定手段によるセンサ異常判定を再開させ、前記流量異常判定禁止手段は、前記復帰入力部からの操作信号により前記異常流量判定手段による流量の異常判定を再開させることを特徴とするガス遮断装置。
【請求項2】
前記流量算出手段より算出した流量を積算する流量積算手段と、前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記流量積算手段による流量積算をおこなわない積算禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のガス遮断装置。
【請求項3】
外部より入力することが可能な外部入力手段と、前記センサ異常判定禁止手段、前記流量異常判定禁止手段、前記積算禁止手段のそれぞれの判定禁止時間を前記外部入力手段により変更する禁止時間入力手段とを備えた請求項1または請求項2記載のガス遮断装置。
【請求項4】
前記テスト遮断入力部の遮断操作により、前記センサ異常判定禁止手段、前記流量異常判定禁止手段、前記積算禁止手段が判定禁止状態となっていることを表示する表示手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば都市ガスやLPガス等の熱量転換や設置・交換等のような現在使用中のガス種と異なる気体が混合する時に生じる流量異常やセンサ異常の誤判定を防止するガス遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ガスやLPガス等のガス流量を計測するガス遮断装置として、特許文献1に記載のものがある。その構成について
図3を参照しながら説明する。
【0003】
図において、異常バイパス部27は、異常流量判定部23の弁閉信号Cまたは復帰入力部26の弁開信号Eを受け取ると任意の時間、バイパス信号Fを出力する。
【0004】
センサ異常判定部28は、異常バイパス部27からのバイパス信号Fがなければ流量検出部21の流量信号Aが予め定められた異常条件に合致するかどうかの異常判定を実施し異常成立時にのみ弁閉信号Cを出力し、異常バイパス部27からのバイパス信号Fがあれば予め定められた異常条件の判定を停止する。
【0005】
従って、センサ異常判定部28が、流量検出部21からのガス遮断装置が弁を開閉栓したとき発生する可能性のある一過性の異常な流量信号Aを排除することができ、異常な流量信号Aに基づくセンサ異常判定を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−147430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の構成では、異常流量判定部23の弁閉信号Cを受取ると任意の時間、バイパス信号Fを出力するが、需要家のガス配管を「継手漏洩予防」・「腐食漏洩予防」のために既設ガス配管内面にエポキシ樹脂のライニング膜を形成する工事をする場合、手動で強制的な遮断(テスト遮断)をおこない、一旦メータを取り外し、メータに口金キャップをしたまま数時間放置されるため、バイパス信号Fを出力する時間が例えば10分や1時間など比較的短い時間の場合は、放置されている間にバイパス信号Fの出力が停止して、再度メータを取付けて遮断状態で放置される場合がある。この際、バイパス信号Fの出力が停止した状態となっているので、異常判定を行うことになり、一時的な空気の混入等により流量異常やセンサ異常と誤判定してしまうという課題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常の誤判定をなくし、長時間におよぶ工事においても、安全性を高めたガス遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号を出力する流量検出手段と、前記流量検出手段の流量信号が予め定めた異常条件に合致するかどうかの異常判定を実施し異常成立時に閉弁信号を出力するセンサ異常判定手段と、前記流量検出手段の前記流量信号を受取ると流量を算出する流量算出手段と、前記流量算出手段の算出した流量を受取ると予め保持している判定値と比較し異常であれば閉弁信号を出力する異常流量判定手段と、外部より復帰入力を受け付けると開弁信号を出力する復帰入力部と、外部より遮断操作を受け付けると閉弁するテスト遮断入力部と、前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記センサ異常判定手段によるセンサ異常判定を行わないセンサ異常判定禁止手段と、前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記異常流量判定手段による流量の異常判定をおこなわない流量異常判定禁止手段と、前記閉弁信号または前記開弁信号を受取ると弁駆動信号を出力する弁駆動手段と、前記弁駆動手段の前記弁駆動信号を受取ると前記ガス通路を開弁または閉弁する弁と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
これにより、工事等において手動で遮断をした場合には、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常と誤判定をなくすことができる。また、所定時間経過後はセンサ異常判定および流量算出をおこなうことで、長時間におよぶ工事の終了後においても、安全性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のガス遮断装置によると、工事等で手動にて強制的な遮断をした場合には、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常の誤判定をなくし、また、メータを取り外した状態が長時間におよぶ工事においても、安全性を高めたガス遮断装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置のブロック図
【
図2】本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号を出力する流量検出手段と、前記流量検出手段の流量信号が予め定めた異常条件に合致するかどうかの異常判定を実施し異常成立時に閉弁信号を出力するセンサ異常判定手段と、前記流量検出手段の前記流量信号を受取ると流量を算出する流量算出手段と、前記流量算出手段の算出した流量を受取ると予め保持している判定値と比較し異常であれば閉弁信号を出力する異常流量判定手段と、外部より復帰入力を受け付けると開弁信号を出力する復帰入力部と、外部より遮断操作を受け付けると閉弁するテスト遮断入力部と、前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記センサ異常判定手段によるセンサ異常判定を行わないセンサ異常判定禁止手段と、前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記異常流量判定手段による流量の異常判定をおこなわない流量異常判定禁止手段と、前記閉弁信号または前記開弁信号を受取ると弁駆動信号を出力する弁駆動手段と、前記弁駆動手段の前記弁駆動信号を受取ると前記ガス通路を開弁または閉弁する弁と、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
これによって、工事等によるテスト遮断時に、センサ異常判定禁止手段により所定時間センサ異常判定をおこなわない、また、流量異常判定禁止手段により所定時間異常流量判定をおこなわないことで、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常と誤判定をなくし、所定時間経過後はセンサ異常判定および異常流量判定をおこなうことで、長時間におよぶ工事の終了後においても、安全性を高めることが可能となる。
【0015】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記流量算出手段より算出した流量を積算する流量積算手段と、前記テスト遮断入力部の遮断操作時に所定時間前記流量積算手段による流量積算をおこなわない積算禁止手段を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
これによって、工事等におけるテスト遮断時に、積算禁止手段により所定時間流量積算をおこなわないことで、一時的な空気の混入等による誤計測をなくすことが可能となる。また、所定時間経過後は流量積算をおこなうことで、長時間におよぶ工事の終了後には正常に流量積算することが可能となる。
【0017】
第3の発明は、特に第1または2の発明において、外部より入力することが可能な外部入力手段と、前記センサ異常判定禁止手段、前記流量異常判定禁止手段、前記積算禁止手段のそれぞれの判定禁止時間を前記外部入力手段により変更する禁止時間入力手段とを備えたものである。
【0018】
これによって、工事等におけるテスト遮断時に、禁止時間入力手段により任意に前記センサ異常判定禁止手段、流量異常判定禁止手段、積算禁止手段の禁止時間を変更することができ、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常と誤判定をなくし、配管長が異なる工事においては任意に判定禁止時間の設定が可能となり、安全性を高めることが可能となる。
【0019】
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明において、前記テスト遮断入力部の遮断操作により、前記センサ異常判定禁止手段、前記流量異常判定禁止手段、前記積算禁止手段が判定禁止状態となっていることを表示する表示手段を備えたものである。
【0020】
これによって、工事等におけるテスト遮断時に、センサ異常判定禁止手段により所定時間センサ異常判定をおこなわず、積算禁止手段により所定時間流量積算をおこなわない、またテスト遮断入力時に流量異常判定禁止手段により所定時間流量算出をおこなわないことを表示することで、一時的な空気の混入等によるセンサ異常や異常流量の誤判定をなくし、異常判定を禁止していることを確認でき安全性を高めることが可能となる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置のブロック図である。
【0023】
図1において、ガス遮断装置は、ガス通路内を通過するガス流量を計測する流量検出手段1、流量検出手段1より計測した出力から流量を算出する流量算出手段5、流量検出手段1の流量信号が予め定めた異常条件に合致するかどうかの異常判定をおこない異常時に弁駆動手段9に閉弁信号を出力するセンサ異常判定手段7、流量算出手段5より算出した流量が異常か否かの判定をおこない異常時には弁駆動手段9に閉弁信号を出力する異常流量判定手段6、ガス通路内に構成しガスを流したり、遮断したりする弁12、弁12を開弁、閉弁駆動する弁駆動手段9、弁駆動手段9に閉弁信号を出力するテスト遮断入力部11、弁駆動手段9に開弁信号を出力する復帰入力部10、判定禁止中はセンサ異常判定手段7にセンサ異常判定をおこなわないように指示をするセンサ異常判定禁止手段2、判定禁止中は異常流量判定手段6に異常流量判定をおこなわないように指示をする流量異常判定禁止手段3、電話回線網やインターネット網との接続が可能で外部と通信する外部入力手段13、センサ異常判定禁止手段2、流量異常判定禁止手段3、積算禁止手段4での判定の禁止時間をそれぞれ変更する禁止時間入力手段14、禁止期間中であることを表示する表示手段15とから構成されている。
【0024】
以上のように構成されたガス遮断装置(以後、メータと記す)についてその動作について説明する。
【0025】
まず、需要家のガス配管を「継手漏洩予防」・「腐食漏洩予防」のために既設ガス配管内面にエポキシ樹脂のライニング膜を形成する工事をする場合、テスト遮断入力部11を操作してメータを取り外し、メータに口金キャップをする。この状態でメータは数時間放置されることになる。
【0026】
この際、テスト遮断入力部11を操作することにより閉弁信号が弁駆動手段9に出力され、弁駆動手段9により弁12が閉弁しガスを遮断する。また同時に、テスト遮断入力部11の操作によりセンサ異常判定禁止手段2、流量異常判定禁止手段3にテスト遮断入力信号を出力する。
【0027】
そして、センサ異常判定禁止手段2は、テスト遮断入力部11からの操作信号により所定時間センサ異常判定禁止信号をセンサ異常判定手段7に出力し、センサ異常判定手段7は、センサ異常判定禁止手段2からのセンサ異常判定禁止信号によりセンサ異常判定をおこなわないようになる。
【0028】
また、流量異常判定禁止手段3は、テスト遮断入力部11からの操作信号により所定時間異常流量判定禁止信号を異常流量判定手段6に出力し、異常流量判定手段6は、流量異常判定禁止手段3からの異常流量判定禁止信号により流量検出手段1の流量信号の異常判定をおこなわないようになる。
【0029】
次に、ライニング膜を形成する工事が終了すると再び取り外していたメータを取り付ける。取り付けが完了すると復帰入力部10を操作し、この復帰入力部10の操作により開弁信号が弁駆動手段9に出力され、弁駆動手段9により、弁12が開弁する。
【0030】
また、センサ異常判定禁止手段2は、復帰入力部10からの操作信号によりセンサ異常判定手段7へのセンサ異常判定禁止出力を停止するので、センサ異常判定手段7はセンサ異常判定を再開する。同様に、流量異常判定禁止手段3は、復帰入力部10からの操作信号により流量判定禁止出力を停止するので、異常流量判定手段6は流量検出手段1が検出した流量信号の異常流量判定を再開する。
【0031】
なお、復帰入力部10の操作忘れがあった場合でも、所定の判定禁止時間経過後には、センサ異常判定禁止手段2によるセンサ異常判定禁止出力が停止し、センサ異常判定手段7はセンサ異常判定を再開する。同様に、所定時間経過後には、流量異常判定禁止手段3による異常流量判定禁止信号が停止し、異常流量判定手段6は流量検出手段1が検出した流量信号の異常流量判定を再開する。
【0032】
このように、テスト遮断入力部11の操作時にセンサ異常判定禁止手段2により所定時間センサ異常判定をおこなわない、また、流量異常判定禁止手段3により所定時間異常流量判定をおこなわないことで、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常と誤判定をなくし、所定時間経過後はセンサ異常判定および異常流量判定をおこなうことで、長時間におよぶ工事の終了後においても、安全性を高めることが可能となる。
【0033】
また、外部入力手段13により電話回線網やインターネット網より外部より送受信をすることができる。禁止時間入力手段14は外部入力手段13から受信した判定禁止時間をセンサ異常判定禁止手段2が判定するセンサ異常判定禁止時間と、流量異常判定禁止手段3が判定する流量判定禁止時間と、積算禁止手段4が判定する積算判定禁止時間の変更をそれぞれ行うことを可能とする。
【0034】
このように、テスト遮断入力部11操作時に禁止時間入力手段14により任意に前記センサ異常判定禁止手段2、流量異常判定禁止手段3、積算禁止手段4の判定禁止時間を変更することができ、一時的な空気の混入等による流量異常やセンサ異常の誤判定をなくし、配管長が異なる工事においては任意に判定禁止時間の設定が可能となり、安全性を高めることが可能となる。
【0035】
更に、表示手段15は、センサ異常判定禁止手段2、流量異常判定禁止手段3のいずれかが判定禁止時間中である場合に異常判定禁止中であることを表示する。
【0036】
このように、前記センサ異常判定禁止手段2により所定時間センサ異常判定をおこなわない期間、あるいは前記流量異常判定禁止手段により所定時間異常流量判定をおこなわない期間を表示することで、一時的な空気の混入等によるセンサ異常や流量異常の誤判定をなくし、異常判定を禁止していることを視認でき安全性を高めることが可能となる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について、
図2を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0038】
本実施の形態は、実施の形態1に対して、更に、流量算出手段5より算出した流量を基に流量積算する流量積算手段8、及び、積算禁止中は流量積算手段8に流量積算をしないように指示をする積算禁止手段4を備えた点である。
【0039】
そして、需要家のガス配管を「継手漏洩予防」・「腐食漏洩予防」のために既設ガス配管内面にエポキシ樹脂のライニング膜を形成する工事をする場合、テスト遮断入力部11を操作してメータを取り外し、メータに口金キャップをする。この状態でメータは数時間放置される。
【0040】
この際、テスト遮断入力部11を操作することにより閉弁信号が弁駆動手段9に出力され、弁駆動手段9により弁12が閉弁しガスを遮断する。また同時に、テスト遮断入力部11からの操作信号により積算禁止手段4は流量積算手段8に積算判定禁止出力をおこない、流量積算手段8は積算禁止手段4からの積算判定禁止信号により所定時間流量積算をおこなわない。
【0041】
そして、ライニング膜を形成する工事が終了すると再び取り外していたメータを取り付ける。取り付けが完了すると復帰入力部10を操作し、この復帰入力部10の操作により開弁信号が弁駆動手段9に出力され、弁駆動手段9により、弁12が開弁する。
【0042】
また、積算禁止手段4は、復帰入力部10からの操作信号により流量積算手段8への積算判定禁止出力を停止するので、流量積算手段8は流量積算を再開する。
【0043】
なお、復帰入力部10の操作忘れがあった場合でも、所定の判定禁止時間経過後には、積算禁止手段4による積算判定禁止出力が停止するように構成しているので、流量積算手段8は流量積算を再開する。
【0044】
このように、テスト遮断入力時に積算禁止手段4により所定時間流量積算をおこなわないことで、一時的な空気の混入等による誤計測をなくすことが可能となる。また、所定時間経過後は流量積算をおこなうことで、長時間におよぶ工事の終了後には正常に流量積算することが可能となる。
【0045】
なお、実施の形態1と同様、禁止時間入力手段14は外部入力手段13から受信した判定禁止時間を積算禁止手段4が判定する積算判定禁止時間の変更を行うことが可能である。
【0046】
また、実施の形態1と同様、積算禁止手段4が判定禁止時間中である場合に異常判定禁止中であることを表示するようにしているので、一時的な空気の混入等によるセンサ異常や流量異常の誤判定をなくし、異常判定を禁止していることを視認でき安全性を高めることが可能となる。
【0047】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は、都市ガスやLPガス等の熱量転換や設置・交換等のような現在使用中のガス種と異なる気体が混合する時に生じる、流量異常やセンサ異常の誤判定の防止に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 流量検出手段
2 センサ異常判定禁止手段
3 流量異常判定禁止手段
4 積算禁止手段
5 流量算出手段
6 異常流量判定手段
7 センサ異常判定手段
8 流量積算手段
9 弁駆動手段
10 復帰入力部
11 テスト遮断入力部
12 弁
13 外部入力手段
14 禁止時間入力手段
15 表示手段