【文献】
菊地 忠雄,計測・制御システム,東芝レビュー 第66巻 第10号,株式会社東芝,2011年10月 1日,P.11-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
24時間操業を行っているプラントでは、交代勤務における業務引継、トラブル解析および運転ノウハウの承継等のために、運転日誌が作製されている。当該運転日誌(引継簿、申し送り帳など)には、プラント運転に関する各連絡事項(実施された作業内容、プラントで発生した事項、交代勤務のオペレータへの連絡、および管理情報項目に対する諸情報など)が記録される。他方において、以前は手書きで作製されていた運転日誌も、近年では電子化され、当該電子化された運転日誌の作製が可能な日誌システムも導入されつつある。
【0003】
ここで、管理情報項目とは、プラント運転管理の目的で設定された項目であり、通常、複数個の管理情報項目が存在する(たとえば、生産量、分析結果など)。つまり、各管理情報項目の状態等を各々把握することにより、プラント運転全体の状態を把握・管理することが可能である。各管理情報項目は、数値データにより、当該管理情報項目の状態等を把握できる。ここで、各管理情報項目の管理指標となる当該数値データは、プロセス管理数値データおよび品質数値データなどに分類可能である。
【0004】
なお、プロセス管理数値データは、プラント運転におけるプロセスの管理の指標となる数値データである。当該プロセス管理数値データとして、たとえば、勤務中の生産高、ユーティリティ使用量(電力量、蒸気量など)、原料使用量、振動値、および、プラントが安定して運転していたかの目安になる各機器における温度や圧力値などである。これに対して、品質数値データは、プラント運転により作成される製品の品質の管理の指標となる数値データである。当該品質数値データとして、たとえば、化学製品の組成を調べた結果取得される化学分析データ値などである。
【0005】
上記の通り、管理情報項目は、複数の項目に分類され設定されており、プラント運転に関連する諸数値データを用いて、各管理情報項目の管理評価および各管理情報項目の状態管理などが可能である。
【0006】
各管理情報項目に対して日誌に記録された情報は、当該記録したときにおけるプラント運転状況が総括的に管理できるデータとして活用されている。従来では、作業者は、制御システム、各機器および分析計などから各数値を読み取ることにより、各管理情報項目毎に種々の数値データを取得していた。そして、作業者は、日誌を作成する際に、必要に応じて、各管理情報項目毎に、各数値データなどを日誌に記録していた。
【0007】
一方、各管理情報項目は、種々の数値データにより評価等可能であることから、当該数値データの時系列的変化を追うことにより、管理情報項目の状況(結果として、プラント運転の状況)が一目で視認できる。そこで、従来、確認したい管理情報項目がある場合には、作業者は次のような作業を行っていた。
【0008】
まず、当該管理情報項目の管理指標となる各数値データの時系列的な変化を追うために、作業者は、当該管理情報項目の数値データを日誌から取得する。そして、作業者は、表シートに当該取得した数値データを記入する。そして、作業者は、数値データを記入した表シートから、確認したい管理情報項目の数値データの時系列的な変化を示すグラフ等を作成する。当該グラフ等から、作業者は、当該管理情報項目の状況を確認・評価等することが可能となる。
【0009】
なお、日誌を電子的に作成し、管理する電子日誌装置に関する先行文献として、例えば特許文献1が存在している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、プラント(工場)での運転に関する各連絡事項(実施された作業内容、プラントで発生した問題事項、交代勤務のオペレータへの連絡および上記管理情報項目に関する情報など)を電子的に記録する電子日誌システムに関するものである。以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0019】
<実施の形態>
図1は、本実施の形態に係る電子日誌システムの概略全体構成を示したブロック図である。当該電子日誌システムは、入力部1、日誌機能部2、表作成部3、記憶部4および表示部5を含む。
【0020】
入力部1は、作業者が入力・操作処理を行う部分である。また、日誌機能部2は、日誌作成を電子的に行う機能を有する。また、記憶部4には、複数の日誌が保存されている。また、表作成部3は、記憶部4に保存されている日誌を利用して、表の作成を行う機能を有する。また、表示部5は、入力画面、作成された表、操作に必要な情報などを作業者に提示する。各ブロック1−5の動作・機能は、以下に示す動作説明において、より詳細に説明する。
【0021】
次に、本実施の形態に係る電子日誌システムの動作について説明する。
【0022】
はじめに、電子日誌システムにおける日誌作成および日誌保存の動作について説明する。
【0023】
まず、日誌を作成するとき、作業者は、入力部1に対して、日誌作成開始処理の操作を施す。当該日誌作成開始処理の操作は、入力部1を介して、日誌機能部2へと通知される。当該通知を受けて、日誌機能部2は、日誌作成画面を表示部5に表示させる。
図2は、表示部5により表示された日誌作成画面D1の一例を示す図である。
【0024】
図2に例示する日誌作成画面D1には、日誌本文を記入するための日誌本文入力画面を表示させるための日誌本文入力画面呼出しボタン51と、各管理情報項目の数値データを記入するための(換言すると、プラント運転に関連する数値データを記入するための)数値入力画面を表示させるための数値入力画面呼出しボタン52とが、含まれている。
【0025】
なお、上記の通り、管理情報項目は、プラント運転管理の目的で設定され、複数個存在している。そして、各管理情報項目は、数値データ(たとえば、所定の機器における電流値、所定の機器における温度値、所定の場所における振動値、製品の品質を示す分析値など)によりその状態を把握することが可能である。
図2に例示する日誌作成画面D1には、各管理情報項目に対応して、各数値入力画面呼出しボタン52a,52b,52c,・・・,52nが表示される。
【0026】
日誌作成を行う作業者は、日誌作成画面D1を見て、日誌本文入力画面呼出しボタン51および複数の数値入力画面呼出しボタン52の中から、所望のもの(日誌として記録したい項目)を任意に選択する。ここで、当該選択は、作業者が、入力部1を操作することにより実施できる。
【0027】
たとえば、作業者が、これから作成する日誌において、問題が発生した場合のその状況等を記録したい場合には、日誌本文を記入するための日誌本文入力画面呼出しボタン51を選択する。また、所定の管理情報項目に対する数値データ等を日誌に記録したい場合には、当該所定の管理情報項目の数値データ等を記入するために、当該所定の管理情報項目に対応する数値入力画面呼出しボタン52を選択する。
【0028】
なお、上記の通り、日誌本文入力画面呼出しボタン51および数値入力画面呼出しボタン52の選択は、日誌に何を記録するかによって、作業者が任意に選択され、選択する数は日誌に何を記録するかによって変化する。
【0029】
たとえば、日誌作成に際して、全ての数値入力画面呼出しボタン52を選択する必要はない。つまり、その時々に作成される日誌に記載すべき事項に応じて、全ての数値入力画面呼出しボタン52選択するケースや、記録要望に応じて所望の数値入力画面呼出しボタン52を1つ以上選択するケースや、全ての数値入力画面呼出しボタン52を選択しないケースもあり得る。また、日誌本文入力画面呼出しボタン51の選択も必須という分けでは無い。
【0030】
図2表示されている日誌作成画面D1に対して上記選択が実施されると、当該選択に応じて、日誌機能部2は、各入力画面を表示部5に表示される。
図3は、表示部5により表示された日誌作成画面D2の一例を示す図である。
【0031】
図3の表示例では、日誌本文入力画面呼出しボタン51と数値入力画面呼出しボタン(管理情報項目IAに対応したボタン)52aと数値入力画面呼出しボタン(管理情報項目INに対応したボタン)52nとが選択された場合の、日誌作成画面D2を示している。つまり、上記ボタン51,52の選択操作に応じて、
図3に例示する日誌作成画面D2には、日誌本文入力画面61と数値入力画面61aと数値入力画面61nとが、含まれている。
【0032】
ここで、日誌本文入力画面61は、日誌本文を記入するための画面であり、数値入力画面61aは、管理情報項目IAの数値データを記入するための画面であり、数値入力画面61bは、管理情報項目INの数値データを記入するための画面である。
【0033】
日誌本文入力画面61には、日誌本文を記入する欄の他に、たとえば、時間に関する情報を記入する欄、作成者名を記入する欄、件名を記入する欄、備考欄およびその他必要に応じた欄が設けられている。
【0034】
また、数値入力画面61aには、管理情報項目IAの数値データを記入する欄の他に、たとえば、時間に関する情報を記入する欄、数値データの測定等を行った者や数値データ記入した者等の名前を記入する欄、件名を記入する欄、備考欄およびその他必要に応じた欄が設けられている。
【0035】
同様に、数値入力画面61nには、管理情報項目INの数値データを記入する欄の他に、たとえば、時間に関する情報を記入する欄、名前を記入する欄、件名を記入する欄、備考欄およびその他必要に応じた欄が設けられている。
【0036】
上記から分かるように、日誌作成画面D1内で選択された各管理情報項目毎に、当該管理情報項目に関する数値データを含む他の情報を記入するための数値入力画面呼出しボタンが各々、日誌作成画面D2内に表示される。
【0037】
さて、
図3に例示されるような日誌作成画面D2が表示されると、作業者は、日誌本文入力画面61に対して日誌本文およびその他記録したい事項等を記入し、数値入力画面61aに対して管理情報項目IAの数値データおよびその他記録したい事項等を記入し、数値入力画面61nに対して管理情報項目INの数値データおよびその他記録した事項等を記入する。ここで、入力画面61,61a,61nに対する当該各記入は、入力部1を操作することにより実現できる。
【0038】
各入力画面61,61a,61nに対する当該各記入が終了したとき、作業者は、作成した日誌を、記憶部4に保存する処理を行う。記憶部4への日誌の保存処理は、入力部1に対して施され、当該入力部1は、作成した日誌の記録部4への保存を指示する信号を、日誌機能部2に伝達する。
【0039】
日誌機能部2は、作成した日誌の記憶部4への保存指示を受けると、作成が完了した日誌において、日誌本文に関する部分のデータ(つまり、日誌本文入力画面内に入力された各事項)は、当該作成が完了した日誌に関連付けて、テキストデータとして記憶部4に保存する。他方、管理情報項目の数値データ等に関するデータ(つまり、数値入力画面内に入力された事項)は、当該作成が完了した日誌に関連付けて、XML(Extensible Markup Language)形式として記憶部4に保存する。ここで、日誌の記憶部4への保存の際には、当該保存の日時も、当該作成が完了した日誌に関連付けて記録される。
【0040】
図3で例示した日誌作成画面D2の場合では、日誌本文入力画面61に記入された日誌本文を含む各事項は、テキストデータとして、記憶部4に保存される。これに対して、数値入力画面61a,61nに記入された数値データを含む各事項は、XML形式で記憶部4に保存される。なお、記憶部4内には、作成された各日誌が時系列的に保存されている。
【0041】
ここで、記憶部4内に保存されている各日誌に記録されている事項は、様々である。つまり、全ての日誌において、日誌本文が記録されているとは限らず、また全ての管理情報項目に関する数値データ等の情報が記録されているとは限らない。
【0042】
たとえば、記憶部4内に保存されている日誌において、日誌本文入力画面に記入された各事項のみが記録されている日誌もあれば、日誌本文入力画面に記入された各事項と管理情報項目Iaに対応する数値入力画面に記入された各事項とが記録された日誌もあれば、管理情報項目Iaに対応する数値入力画面に記入された各事項と管理情報項目Idに対応する数値入力画面に記入された各事項とが記録された日誌もあれば、少なくとも1以上の管理情報項目に対応する数値入力画面に記入された各事項のみが記録された(つまり、日誌本文等が記録されていない)日誌もある。
【0043】
次に、電子日誌システムにおける表作成の動作について説明する。
【0044】
まず、表を作成するとき、作業者は、入力部1に対して、表作成開始の操作を施す。当該表作成開始処理の操作は、入力部1を介して、表作成部3へと通知される。当該通知を受けて、表作成部3は、表作成に際して必要な事項を入力・選択するための画面を表示部5に表示される。
【0045】
表作成部3は、作業者により、入力部1を通じて、管理情報項目および期間が指定されると、記憶部4内に格納されている各日誌の数値データを用いて、指定された管理情報項目および期間に応じた、数値データを含む表を作成する。以下、例示を用いて、表作成の動作を具体的に説明する。
【0046】
たとえば、表作成に際して作業者は、入力部1において、管理情報項目IAの選択および所定の期間T1を選択・入力したとする。記憶部4には、各日誌が、当該日誌の保存日時と共に記憶されている。
【0047】
そこで、表作成部3は、当該選択・入力を受けて、記憶部4内に保存されている各日誌において、所定の期間T1に属する日誌を全て抽出・選択する。つまり、表作成部3は、保存日時が所定の期間T1内である全ての日誌を、記憶部4から抽出・選択する。ここで、表作成部3は、記憶部4内から、所定の期間T1に属する日誌として、N個の日誌を抽出したとする。
【0048】
次に、上記で抽出・選択した各日誌において、上記で選択された管理情報項目IAに関する記録事項があるものを検索する。
【0049】
ここで、上記記載から分かるように、日誌作成段階で、管理情報項目IAに対応する数値入力画面61aにおいて、管理情報項目IAの数値データを含む各情報が記入された日誌には、管理情報項目IAに関する記録事項がある。なお、上記日誌作成の説明から明らかなように、上記で抽出・選択した日誌の中には、当該管理情報項目IAに関する記載がないものが存在することもあり得る。
【0050】
また、日誌における「管理情報項目IAに関する記録事項」とは、当該日誌の作成段階で、管理情報項目IAに対応する数値入力画面61aにおいて、記入された数値データを含む全ての記入事項である。
【0051】
上記検索により、表作成部3は、N個の日誌から、管理情報項目IAに関する記録事項が記入されているものとして、(N−n)個の日誌を見つけ出したとする(n個の日誌においては、管理情報項目IAに関する記録事項が記入されていないと把握できる)。
【0052】
次に、表作成部3は、見つけ出した当該(N−n)個の日誌から、管理情報項目IAに関する記録事項を取り出す。そして、表作成部3は、数値データを含む当該取り出した管理情報項目IAに関する記録事項を用いて、管理情報項目IAに関する表の作成を実行する。
【0053】
上記の通り、「管理情報項目IAに関する記録事項」は、日誌の作成段階で、管理情報項目IAに対応する数値入力画面61aにおいて、記入された数値データを含む全ての記入事項である。管理情報項目IAに関する全ての記入事項を用いて、表作成部3は、上記表の作成を行う。
【0054】
たとえば、表作成部3は、数値データを、当該数値データが記入された日誌の保存日時の順に従って、順序立てて(降順または昇順にて)表内に配置させる。
【0055】
一例として、「管理情報項目IAに関する記録事項」が記録されている日誌が、4つ(日誌M1,M2,M3,M4)あるとする。そして、日誌M1→日誌M2→日誌M3→日誌M4の順に、時系列に日誌が記憶部4に保存されたとする。この場合には、表作成部3は、表内において各数値データを以下のように配置させる。
【0056】
つまり、日誌M1に記入された数値データ→日誌M2に記入された数値データ→日誌M3に記入された数値データ→日誌M4に記入された数値データの、当該順序が明確となるように、各数値データを表内に配置させる(たとえば、当該順序で数値データを表内に配置させる)。なお、表作成部3は、各数値データが記入された各日誌M1〜M4の保存日時も、表内において、各数値データと当該数値データが記録された日誌の保存日時との関係が明確になるように記入する。
【0057】
また、管理情報項目IAに関する記録事項(つまり、管理情報項目IAに対応する数値入力画面61aにおける記入事項)には、数値データの他に、たとえば数値データが測定された機器等の識別記号(換言すれば、当該数値データが何の値であるかを示すための識別記号)、測定・分析等した者の名前、測定・分析等の時間、分析・測定対象の名称(たとえば、「酸素の分析値」、「機器Aの電流値」などで、前記識別記号から特定できる具体的な名称)、備考、およびその他の事項が存在し得る。
【0058】
そこで、表作成部3は、当該数値データ以外の事項に関しても、対応する数値データと共に、数値データとの対応が明確となるように、表内に所定の位置に配置させる。つまり、同じ日誌に記録さている管理情報項目IAに関する記録事項が各々、当該同じ日誌からの出所であることが明確となるように、管理情報項目IAに関する記録事項の各々を表内に配置させる。たとえば、同じ日誌に記録さている管理情報項目IAに関する各記録事項を、表内の同じ行に並べて配置させる。
【0059】
ここで、数値データを含む管理情報項目IAに関する記録事項の各々を、作成される表内のどこの位置に何を配置させるかは、予めシステム管理者等により、表作成部3において配置規則として設定されている。よって、表作成部3は、当該設定された配置規則に従い、各日誌から抽出した管理情報項目IAに関する記録事項の各情報を、表内に配置させる。なお、
図4は、表作成部3により作成される表の一例を示す図である。
【0060】
以上のように、本実施の形態に係る電子日誌システムでは、日誌機能部2は、所定の日誌の作成に際に、表示部5に数値入力画面を表示させることができ、数値入力画面に対する数値データの入力操作後、所定の日誌に関連付けて、保存日時と共に、数値入力画面に入力された事項などを記憶部4に保存している。そして、表作成部3は、記憶部4に保存されている所定の日誌に含まれる数値データを用いて、数値データに関する表を作成している。
【0061】
したがって、当該電子日誌システムでは、表作成のための労力が不要となり、表作成のために当該表内に数値データ等を手入力する必要性もなくなる。よって、特別な労力無くして、かつ正確に、管理情報項目の数値データをまとめた表を作成することができる電子日誌システムの提供が、可能となる。
【0062】
なお、各数値入力画面には、各数値データが入力される欄が設けられており、当該欄に該当する数値データを入力する。ここで、日誌機能部2には、数値データ入力される各欄に対して、記入条件を各々設定することができる。たとえば、数値データdgが入力される欄に対して、当該欄に入力される数値データは「10以上、であり1000未満である」という記入条件を設定したり、数値データdhが入力される欄に対して、当該欄に入力される数値データは「少数点の記入は禁止する」という記入条件を設定したりする。
【0063】
そして、日誌機能部2は、ある数値入力画面のある数値データ入力欄に対して入力された数値データが、当該数値データ入力欄に対して予め設定された記入条件を満たさないときには、日誌機能部2は、当該入力を拒絶、または当該記入条件を満たしていないことを通知する。
【0064】
たとえば、日誌機能部2は、記入条件を満たさない数値データが入力されたとき、当該入力された数値データを削除し、数値データ入力欄を空白に戻す。あるいは、日誌機能部2は、記入条件を満たさない数値データが入力されたとき、当該数値データが記入された数値データ入力欄の背景の色を変化させることにより、作業者に入力エラーが発生していることを通知する。
【0065】
このように、日誌機能部2に対して、数値データ入力される各欄に対して、記入条件を各々設定することができることにより、入力された数値データの明らかな誤り等を、作業者に認識させることができる。
【0066】
また、プラントにおいて、当該プラントの各場所に配置された計器からの計測データを、収集するプロセスデータデータベースが存在しているとする。当該プロセスデータデータベースには、収集された各計測データ毎に、当該計測データがどの計器から計測・送信されたかを示す当該計器の識別記号、および当該計測データが計測・送信された日時を示すデータなども記録される。ここで、当該プロセスデータデータベースにおいて、各識別記号と当該識別記号に対応する各計器等の名称との対応関係も、管理されている。なお、当該プロセスデータデータベースには、上記の他に、上述した記入条件に相当するデータが管理されていたり、計器の設置場所が管理されていたりしても良い。
【0067】
当該プロセスデータデータベースと本発明に係る電子日誌システムとを連携させることにより、次のような処理も可能となる。
【0068】
たとえば、数値入力画面の識別記号記入欄に、所定の識別記号を入力したとする。すると、日誌機能部2は、当該入力した識別記号と関連付けてプロセスデータデータベースに管理されている各情報を、当該プロセスデータデータベースから各々取得する。そして、取得した各情報を、所定の識別記号を入力させた数値入力画面の各欄に、自動的に記入する。
【0069】
一例として、数値入力画面の識別記号記入欄に、所定の識別記号を入力し、また、時間記入欄に所定の時間を記入したとする。すると、日誌機能部2は、所定の識別記号と関連付けてプロセスデータデータベースに管理されている、当該所定の時間に計測した数値データおよび所定の識別記号で特定される計器の名前等を、当該プロセスデータデータベースから取得する。そして、日誌機能部2は、取得した数値データを、所定の識別記号を入力させた数値入力画面の数値データ記入欄に、自動的に記入し、取得した計器の名前を、所定の識別記号を入力させた数値入力画面の計器名前記入欄に、自動的に記入する。
【0070】
上記のように、プロセスデータデータベースと本発明に係る電子日誌システムとを連携させることにより、数値入力画面にて入力する情報の削減を図ることができ、タイプエラーの抑制、日誌作成労力の削減が可能となる。
【0071】
なお、数値入力画面の設定は、高度なデータベースの知識がなくても設定できるように、また、設定した情報を自由に変更できるように、XML形式によるユーザテーブルを作成している。これにより、数値入力画面の設定を簡単に行うことが可能となる。また、これにより、数値入力画面に入力された各情報は、XML形式で記憶部4内に保存され、当該各情報の取り出しも簡単に行うことができる。