【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明は流動性物質を圧送するための装置を提供し、この装置は、
中空室を有する本体を具備し、この中空室が入口を介して物質源に流体接続され、かつ出口を介して本体の周囲の物質目的地に流体接続され、入口と出口が方向(L)に沿って互いに離隔されて本体に配置され、
第1ボディと第2ボディを具備し、この両ボディが本体中空室内で本体に対して相対的におよび互いに相対的に方向(L)に沿って移動可能であり、第1ボディと第2ボディがそれぞれ内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1ボディおよび/または第2ボディの移動によって、チャンバの容積と、本体と相対的なあるいは本体内のチャンバの位置が変更可能である。
【0007】
互いに相対的におよび本体に対して相対的に移動可能である両ボディは、装置の簡単な構造を可能にする。本体内のチャンバの容積は両ボディの少なくとも一方の移動によって変更可能であり、本体内のチャンバの位置は両ボディの移動によって変更可能である。従って、チャンバは入口または出口に流体接続可能である。さらに、ボディの1つがこの入口の前に位置することにより、入口または出口を閉鎖することができる。第1ボディと第2ボディがそれぞれ内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触するので、この両ボディはこの内壁に形成された開口をスライド弁状に閉鎖することができる。チャンバ内への吸引作用を生じるために、両ボディを互いに離れるように移動させることにより、チャンバ容積を増大することができたり、またはチャンバからの押し出し作用を生じるために、両ボディを相互の方へ移動させることにより、チャンバ容積を縮小することができる。
【0008】
本発明に係る装置は、その構造が簡単であるだけでなく、いろいろな目的のためにきわめてフレキシブルに使用可能である。両ボディが互いに独立して移動可能であるので、装置によって多くの異なる作用を達成することができる。例えば入口と出口で吸引作用または押し出し作用を容易に達成することができる。それによって、圧送方向と搬送方向を逆転することができる。さらに、両ボディの間の最小間隔および最大間隔を適切に定めることにより、サイクルまたは圧送行程あたりの圧送容積を容易に変更することができる。
【0009】
そのために必要である、時間に依存する第1ボディと第2ボディの位置決めを設定するために、第1ボディと第2ボディをそれぞれサーボモータ駆動装置に連結することができる。それによって、サーボモータの高い位置精度と再現性とプログラミング可能性が本発明に係る装置に直接適用される。
【0010】
サーボモータの代わりに、第1ボディと第2ボディを往復運動させるための空気圧式駆動装置を設けることができる。この場合、装置は好ましくは、両ボディの運動を制限するためのストッパを備えている。特に、両ボディの各々のために、行きの運動を制限するためのストッパと、帰りの運動を制限するためのストッパを設けることができる。このような空気圧式駆動装置の弾性に基づいて、両ボディの両端位置の間の運動の時間的な経過が変化するがしかし、ポンプサイクルあたりの圧送行程または圧送容積は変化しない。従って、圧送容積または配量精度と、流動性物質の所定の容積の吸い込みと押し出しの間のポンプサイクルの全体時間とが設定される多くの用途にとって、空気圧式駆動装置は十分である。
【0011】
両ボディの往復運動のための制御は、各ボディがばね手段によって一方の方向(例えばその行きの運動方向またはその帰りの運動方向)に押され、そしてカム手段、偏心体手段等によって反対方向(すなわち、その帰りの運動方向またはその行きの運動方向)にばね手段の力に抗して移動させられることにより行われる。ばね手段は空気圧式ばね装置であってもよいし、コイルばね、板ばね、ダイヤフラムばね等を備えたばね装置であってもよい。
【0012】
平行に接続された多数の本発明に係る装置を設置すると合目的である。その際、すべての装置は第1横方向部材と第2横方向部材によって平行に接続され、かつ平行に駆動制御される。この場合、各装置の第1ボディは第1横方向部材(「ポンプバー」、「ピストンバー」、「ノズルバー」等)を介して、他の装置の第1ボディと一緒に駆動制御され、各装置の第2ボディは第2横方向部材(「ポンプバー」、「ピストンバー」、「ノズルバー」等)を介して、他の装置の第2ボディと一緒に駆動制御される。その際、第1横方向部材と第2横方向部材は第1駆動装置によってまたは第2駆動装置によって駆動される。これらの駆動装置は例えば上述した種類から選択可能である。その際、両ボディのために、同じ種類の駆動装置または異なる種類の駆動装置を使用することができる。特に、第1ボディのために、例えばサーボモータ、カム駆動装置または偏心体駆動装置のような硬弾性的な駆動装置、すなわちほとんど剛性であるかまたは「硬い」駆動装置が使用可能である一方、第2ボディのために、例えば空気圧式駆動装置のような軟弾性的な駆動装置、すなわち可撓性または「軟らかい」駆動装置が使用可能である。
【0013】
本発明に係る装置の第1の実施形態では、本体の中空室が一定の通路横断面を有する通路を備え、第1ボディと第2ボディがそれぞれスライダとして形成され、このスライダが通路横断面全体にわたって延在し、そして本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、両スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって両スライダの間にチャンバが形成され、このチャンバの容積および/または本体に対する位置が、通路縦方向に沿った両スライダの互いに独立した移動によって変更可能である。
【0014】
スライダの直列配置構造(
図1A参照)は、装置の3個の基本要素、すなわち通路を有する本体と第1スライダと第2スライダを、きわめて簡単な構造で提供することができ、しかも本体は一定の横断面を有する通路と、通路方向に沿って離隔された2つの開口(入口と出口)を有し、2個のスライダは同一に形成され、その横断面は通路の横断面に一致している。
【0015】
本発明に係る装置の第2の実施形態では、本体の中空室が一定の通路横断面を有する本体通路を備え、第1ボディが第1スライダとして形成され、この第1スライダが第1縦方向区間を有し、この第1縦方向区間が本体通路の横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダが第2縦方向区間を有し、この第2縦方向区間が一定の通路横断面を有するスライダ通路を備え、第2ボディが第2スライダとして形成され、この第2スライダが縦方向区間を有し、この縦方向区間が第2スライダのスライダ通路の横断面全体にわたって延在し、かつスライダ通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、両スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって両スライダの間にチャンバが形成され、このチャンバの容積および/または本体に対する位置が通路縦方向に沿った両スライダの互いに独立した移動によって変更可能である。
【0016】
スライダのこのテレスコープ配置構造(
図2A参照)は、装置の3個の基本要素、すなわち通路を有する本体と第1スライダと第2スライダを、きわめて簡単でコンパクトな構造で提供することができ、しかも本体は、例えば一定の横断面を有する通路と、通路方向に沿って離隔された2つの開口(入口と出口)を有し、第1スライダの外側横断面は通路の横断面に一致し、かつその内部に同様に1つの通路、いわゆるスライダ通路を備え、第2スライダの外側横断面はスライダ通路の横断面に一致し、この場合、第1スライダが2つの開口を有し、そのうち第1スライダ開口が本体の入口と重なることができ、第2スライダ開口が本体の出口と重なることができる。この第2の実施形態は第1の実施形態と同じ種類の駆動装置によって同じ機能を可能にする。
【0017】
本発明に係る装置の第3の実施形態では、中空室を有する本体を具備し、この中空室が第1入口を介して第1物質源に流体接続され、かつ第2入口を介して第2物質源に流体接続され、中空室が第1出口と第2出口を介して本体の周囲の物質目的地に流体接続され、一方では第1入口と第2入口が一方向に沿って互いに離隔されて本体に配置され、他方では第1出口と第2出口が一方向に沿って互いに離隔されて本体に配置されている。この実施形態はさらに、第1ボディと、第2ボディと、第3ボディとを具備し、第1ボディと第2ボディと第3ボディがそれぞれ、本体中空室内で本体と相対的におよび互いに相対的に上記方向に沿って移動可能であり、それぞれ内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触する。第1ボディと第2ボディによって第1チャンバが画成され、第1ボディおよび/または第2ボディの移動によって第1チャンバの容積と、本体と相対的なまたは本体内の第1チャンバの位置が変更可能である。第1ボディと第3ボディによって第2チャンバが画成され、第1ボディおよび/または第3ボディの移動によって第2チャンバの容積と、本体と相対的なまたは本体内の第2チャンバの位置が変更可能である。
【0018】
この「3ピストン構造体」または「2チャンバ構造体」は、移動可能な3個のボディ(
スライダまたはピストン)の各々の個別制御を可能し、それによって両チャンバの各々の圧送容積と圧送速度の個別制御を可能にする。この構造体では、3つのチャンバの各々によって、異なる物質、すなわち異なる3つの物質を目的地に圧送することができる。
【0019】
3つの可動のボディを備えたこの構造体の場合、本体の中空室が一定の通路横断面を有する通路を備え、第1ボディと第2ボディがそれぞれスライダとして形成され、このスライダが通路横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダと第2スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって第1チャンバの容積および/または位置が、通路縦方向に沿った本体と相対的な両スライダの互いに独立した移動によって変更可能であると合目的である。
【0020】
この実施形態の場合、両チャンバの一つはスライダの上述の直列配置によって形成され、その利点を有する。
【0021】
その際好ましくは、第1ボディと第3ボディがそれぞれスライダとして形成され、このスライダが通路横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダと第3スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって第2チャンバの容積および/または位置が、通路縦方向に沿った本体と相対的な両スライダの互いに独立した移動によって変更可能である。
【0022】
この「二重直列」配置構造の場合、両チャンバはスライダの直列配置によって形成され、共にその利点を有する。
【0023】
可動の3個のボディを有する構造体の場合、代替的に、第1ボディが第1スライダとして形成され、この第1スライダが第1縦方向区間を有し、この第1縦方向区間が本体通路の横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダが第2縦方向区間を有し、この第2縦方向区間が一定の通路横断面を有するスライダ通路を備え、第3ボディが第3スライダとして形成され、この第3スライダが縦方向区間を有し、この縦方向区間が第1スライダのスライダ通路の横断面全体にわたって延在し、かつスライダ通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダと第3スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって第2チャンバの容積および/または位置が通路縦方向に沿った本体と相対的な両スライダの互いに独立した移動によって変更可能である。
【0024】
この実施形態の場合、両チャンバの一つは上述のスライダのテレスコープ構造体によって形成され、その利点を有する。
【0025】
その際、好ましくは、第2ボディが第2スライダとして形成され、この第2スライダが第1縦方向区間を有し、この第1縦方向区間が本体通路の横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第2スライダが第2縦方向区間を有し、この第2縦方向区間が一定の通路横断面を有するスライダ通路を備え、第4ボディが設けられ、この第4ボディが第4スライダとして形成され、第2ボディと第4ボディが第3チャンバを画成し、第4スライダが縦方向区間を有し、この縦方向区間が第2スライダのスライダ通路の横断面全体にわたって延在し、かつスライダ通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第2スライダと第4スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって第3チャンバの容積および/または位置が通路縦方向に沿った本体に対する両スライダの互いに独立した移動によって変更可能である。
【0026】
この「二重テレスコープ」実施形態の場合、3つのチャンバの2つがスライダの各テレスコープ構造体内に形成され、3つのチャンバの1つが両テレスコープ構造体の間に形成されている。この構造は直列構造体の利点と、テレスコープ構造体の利点を組み合わせる。この実施形態の場合、3つのチャンバが提供され、そのためには全部で4つのスライダが必要になる。この構造体はコンパクトであるにもかかわらず、きわめて多方面で使用可能である。スライダの制御、ひいては各チャンバの容積と位置の制御に関しては、それぞれ独立した駆動装置、特にサーボモータ駆動装置によって実現可能な4つの自由度がある。さらにコンパクトにするためにおよび4個の駆動装置の1つを節約するために、4個の駆動装置の2つを互いに連結することができる。それによって、スライダ位置決めに関してまだ3つの自由度がある。これはほとんどの用途にとって十分である。
【0027】
他の有利な実施形態の場合には、本体の中空室が一定の通路横断面を有する通路を備え、第1ボディと第2ボディがそれぞれスライダとして形成され、このスライダが通路横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダと第2スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって第1チャンバの容積および/または位置が、通路縦方向に沿った本体と相対的な両スライダの互いに独立した移動によって変更可能であり、第1ボディが第1スライダとして形成され、この第1スライダが第1縦方向区間を有し、この第1縦方向区間が本体通路の横断面全体にわたって延在し、かつ本体通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダが第2縦方向区間を有し、この第2縦方向区間が一定の通路横断面を有するスライダ通路を備え、第3ボディが第3スライダとして形成され、この第3スライダが縦方向区間を有し、この縦方向区間が第1スライダのスライダ通路の横断面全体にわたって延在し、かつスライダ通路の内壁に封止接触しかつこの内壁に滑動接触し、第1スライダと第3スライダが通路内で通路縦方向に沿って延びる線に沿って互いに独立して移動可能であり、それによって第2チャンバの容積および/または位置が通路縦方向に沿った本体と相対的な両スライダの互いに独立した移動によって変更可能である。
【0028】
3個のスライダのこの「直列−テレスコープ−配置構造」(
図3A参照)は、上述した「直列配置構造」(
図1A)と上述した「テレスコープ配置構造」(
図2A)の組み合わせである。この組み合わせ
も多大なフレキシビリティを提供し、しかも3個のスライダ、ひいては両チャンバのための3位置決め自由度を提供する。この配置構造は特に、例えばサーボモータ駆動装置によって、3個の可動ボディの個別位置決めを可能にする。
【0029】
直列配置構造(第1の実施形態)の場合好ましくは、入口が本体通路の内壁の領域内に配置され、この領域に沿って第1スライダが移動可能である。それによって、第1スライダはそのピストン機能のほかに同時に、入口を開閉するためのスライド弁の機能を担う。それに類似して好ましくは、出口が本体通路の内壁の領域に配置され、この領域に沿って第2スライダが移動可能である。それによって、第2スライダはピストンの機能のほかに同時に、出口を開閉するためのスライド弁の機能を受け持つ。
【0030】
テレスコープ構造(第2の実施形態)の場合、好ましくは、第1スライダがスライダ通路の第1開口とスライダ通路の第2開口を備え、この第1開口が通路縦方向(L)に沿ったスライダの第1位置において本体の入口と重なることができ、それによってスライダの内部のチャンバが入口を介して物質源に流体接続し、第2開口が通路縦方向(L)に沿ったスライダの第2位置において本体の出口と重なることができ、それによってスライダの内部のチャンバが出口を介して本体の周囲の物質目的地に流体接続する。
【0031】
本発明に係る装置は従来技術と比べて、比較的に大きな入口と出口を可能にする。これは特に、例えば発泡した物質のような圧力に敏感な物質にとってきわめて有利である。移動線(L)に対して垂直に延びる入口の最大直径DEは、移動線(L)に対して垂直な第1ボディの最大直径の1/10〜10/10であり、この移動線に沿って第1ボディが本体中空室内で本体と相対的に移動可能である。同様に、移動線(L)に対して垂直に延びる出口の最大直径DAは、移動線(L)に対して垂直な、直列配置構造の場合の第2ボディの最大直径の1/10〜10/10であるかまたはテレスコープ配置の場合の第1ボディの1/10〜10/10である値を有し、この移動線に沿って第2ボディまたは第1ボディが本体中空室内で本体と相対的に移動可能である。
【0032】
好ましくは、円形または楕円形開口が使用される。この場合、その直径DE、またはDAは第2ホディまたは第1ボディの最大直径の5/10〜10/10である。それによって、本発明に係る装置の内部の搬送路に沿った大きな流動抵抗が防止される。すなわち、「隘路」が十分に回避される。この隘路では敏感な物質が損傷し得る。この大きな開口横断面はさらに、大きな固体を含む物質の圧送を可能にする。この物質は例えばハシバミの実まるごとまたはハシバミの実の一部分を有するチョコレート塊である。
【0033】
第1ボディと第2ボディは移動線(L)に対して垂直な円形横断面を有し、この移動線に沿って第1ボディと第2ボディが本体中空室内で本体と相対的に移動可能である。この形状は簡単に製作可能であり、かつ故障しにくい。
【0034】
本発明に係る装置の場合、中空室が多数の入口を介して多数の流体源に流体接続されている。ポンプサイクルの間、第1ボディと第2ボディを適切に移動させることにより、異なる流体の混合を行うことができる。好ましくは、本体の中空室のこのような入口は、第1ボディおよび/または第2ボディが移動な方向に沿って離隔されている。移動線(L)に沿って両ボディが移動する間、移動線(L)に沿った両ボディの相互間隔を拡大する運動成分を、両ボディの運動に重ね合わせることにより、1つまたは複数の入口から各々の流体を吸い込むことができる。ポンプサイクルの間、異なる物質を順々に吸い込み、合流させることができる。本体の中空室の入口は、第1ボディおよび/または第2ボディが移動可能である方向(L)に対して横向き、特に垂直である方向に沿って離隔可能である。ポンプサイクルの間、異なる物質をほぼ同時にまたは同時に吸い込み、合流させることができる。
【0035】
直列配置構造(第1の実施形態)の場合、本体通路が直線的な通路であり、スライダが通路に対して相補的に形成された直線的なボディである。テレスコープ配置構造(第2の実施形態)の場合、同様に、本体通路と第1スライダのスライダ通路が直線的な通路であり、第1スライダと第2スライダが直線的なボディである。この場合、移動線(L)はそれぞれ直線である。
【0036】
本発明に係る装置の機能にとって、両ボディが移動方向(L)に沿って並進でのみ往復移動可能であることで全く十分である。両ボディのこの直線的な往復運動だけによって、ポンプサイクルのすべての機能、すなわち吸い込み、搬送または運搬および押し出しが可能になる。この場合、弁機能、すなわち入口と出口の開閉は両ボディによって行われる。特に、冒頭で述べた往復/回転ピストンの場合のようなボディの付加的な回転運動は必要でない。
【0037】
真っ直ぐな移動線(L)の代わりに、両ボディのための円弧状の移動線を通路内に設けることができる。直列配置構造(第1の実施形態)の場合、本体通路は円弧状に曲げられた通路または円環の周方向に沿った円環区間であってもよく、スライダは通路に対して相補的な円弧状に曲げられたまたは円環区間状のボディであってもよい。テレスコープ配置構造(第2の実施形態)の場合、本体通路と第1スライダのスライダ通路は円弧状に曲げられた通路または円環の周方向に沿った円環区間であってもよく、第1スライダと第2スライダは円弧状に曲げられたまたは円環区間状のボディであってもよい。
【0038】
両ボディのこの曲線状の往復運動だけによって、ポンプサイクルのすべての機能、すなわち吸い込み、搬送または運搬および押し出しが可能になる。この場合、弁機能、すなわち入口と出口の開閉は両ボディによって行われる。特に、冒頭で述べた往復/回転ピストンの場合のようなボディの付加的な回転運動は必要でない(同様に、不可能である)。
【0039】
装置の手前に発泡ユニットが接続配置され、この発泡ユニットの出口が装置の入口に流体接続されているときわめて有利である。それによって、現場で発泡した物質を生じることができ、他の使用のために配量および/または
分割して準備すること
ができる。
【0040】
上述したような2個のスライダを備えた装置を使用して、流動性物質M1、特に流動性飲食物を圧送するための本発明に係る方法は、次のステップ、すなわち、
a)両スライダが本体内で移動させられることにより、チャンバが入口と物質源に流体接続し、チャンバが第1チャンバ容積を有する位置まで、両スライダによって形成されるチャンバが本体の入口に近づくステップと、
b)両スライダが本体内で互いに離れるように移動させられることにより、チャンバ容積が入口に配置されたチャンバの第2チャンバ容積に拡大され、物質源から物質を拡大するチャンバに吸い込むために、チャンバが入口と流体接続するステップと、
c)両スライダが本体内で移動させられることにより、チャンバが入口および物質源と流体接続せず、チャンバが出口および物質目的地と流体接続し、そしてチャンバが第3チャンバ容積を有する位置まで、両スライダによって形成されたチャンバが本体の入口から離れるように移動するステップと、
d)両スライダが本体内で相互の方へ移動させられることにより、チャンバ容積が出口に配置されたチャンバの第4チャンバ容積に縮小し、この縮小するチャンバから物質を物質目的地に押し出すために、チャンバが出口に流体接続するステップと、を含む。
【0041】
上述したような3個のスライダを備えた装置を使用して、第1流動性物質M1と第2流動性物質M2、特に流動性飲食物を圧送するための本発明に係る方法は、次のステップ、すなわち、
a1)第1スライダ
および/または第2スライダが本体内で移動させられることにより、第1チャンバが第1入口と
第1物質源に流体接続し、チャンバが第1チャンバ容積を有する位置まで、第1スライダと第2スライダによって形成されるチャンバが本体の第1入口に近づくステップと、
a2)第1スライダと第3スライダが本体内で移動させられることにより、第2チャンバが第2入口と第2物質源に流体接続し、チャンバが第1チャンバ容積を有する位置まで、第1スライダと第3スライダによって形成されるチャンバが本体の第2入口に近づくステップと、
b1)第1スライダと第2スライダが本体内で互いに離れるように移動させられることにより、チャンバ容積が第1入口に配置された第1チャンバの第2チャンバ容積に拡大され、第1物質源から物質M1を拡大する第1チャンバに吸い込むために、第1チャンバが第1入口と流体接続するステップと、
b2)第1スライダと第3スライダが本体内で互いに離れるように移動させられることにより、チャンバ容積が第2入口に配置された第2チャンバの第2チャンバ容積に拡大され、第2物質源から物質M2を拡大する第2チャンバに吸い込むために、第2チャンバが第2入口と流体接続するステップと、
c1)第1スライダと第2スライダが本体内で移動させられることにより、第1チャンバが第1入口および第1物質源と流体接続せず、第1チャンバが第1出口および物質目的地と流体接続し、そして第1チャンバが第3チャンバ容積を有する位置まで、第1スライダと第2スライダによって形成された第1チャンバが本体の第1入口から離れるように移動するステップと、
c2)第1スライダと第3スライダが本体内で移動させられることにより、第2チャンバが第2入口および第2物質源と流体接続せず、第2チャンバが第2出口および物質目的地と流体接続し、そして第2チャンバが第3チャンバ容積を有する位置まで、第1スライダと第3スライダによって形成された第2チャンバが本体の第2入口から離れるように移動するステップと、
d1)第1スライダと第2スライダが本体内で相互の方へ移動させられることにより、チャンバ容積が第1出口に配置された第1チャンバの第4チャンバ容積に縮小し、この縮小する第1チャンバから物質M1を物質目的地に押し出すために、第1チャンバが第1出口に流体接続するステップと、
d2)第1スライダと第3スライダが本体内で相互の方へ移動させられることにより、チャンバ容積が第2出口に配置された第2チャンバの第4チャンバ容積に縮小し、この縮小する第2チャンバから物質M2を物質目的地に押し出すために、第2チャンバが第2出口に流体接続するステップと、を含む。
【0042】
この方法は敏感な物質をやさしく吸い込んで押し出すことができる。従って、物質をやさしく圧送および配量することができる。
【0043】
ステップd)の場合、チャンバ容積を第4チャンバ容積に縮小することによって物質を押し出した後で、両スライダが本体の通路内で少しだけ互いに離れるように移動することにより、チャンバ容積が少しだけ拡大する。この「拘束ステップ」によって、出口から物質がとめどなくしたたり落ちることが防止される。その際、少しだけ拡大したチャンバ容積は、ステップb)でさらにまたはもう一度拡大される前の、ステップa)の第1チャンバ容積であってもよい。
【0044】
ステップ列a)〜d)が完全に終了した後で、他のステップ列a)〜d)が行われると合目的である。
【0045】
本発明に係る方法が発泡ステップと関連して使用可能であるときわめて有利である。この場合、流動性物質はステップ列a)〜d)が行われる前に発泡されて、流動性発泡物質となる。これをやさしく圧送することができるので、圧送中に物質内の泡セルは実質的に破壊されないかまたは少ししか破壊されない。
【0046】
独立した3個のスライダまたはピストンを備えた構造体を使用する本発明に係る方法のきわめて有利な実施形態では、3個のスライダのサイクル的または周期的な絶対運動(すなわち定置された本体と相対的な運動経過)が位相をずらして行われる。特に、3個のスライダの少なくとも1個のスライダの運動のサイクルまたは周期は他のスライダの運動のサイクルまたは周期に対して位相をずらして行われる。その結果、ポンプ出力の時間的な変化(単位時間あたりの搬送される物質量)が両チャンバで異なることになる。例えば配量された第1量の物質M1の第1「射出」を物質目的地に供給し、配量された第2量の物質M1の第2「射出」を物質目的地に供給することができる。
【0047】
その際、両物質は好ましくは互いに隣接する第1通路と第2通路を通って物質目的地に供給される。この場合、物質M1は第1チャンバから第1通路を経て圧送され、物質M2は第2チャンバから第2通路を経て圧送される。
両方の通路の一方が
他方の通路内で
同心に配置されているときわめて有利である。通路は円形、楕円形、三角形または多角形の横断面を有することができる。物質目的地は中空形状部または胞状部である。この構造体により、2つの異なる物質を有するコンフィズリー物品(プラリーヌ、充填したボール等)をワンショット法で製造することが可能である。
【0048】
本発明は、2個または3個の独立したスライダを備えた上記の構造体に限定されず、4個以上の独立して移動可能なスライダまたは位置および/または容積を互いに独立して変更可能な3個以上のチャンバを有する構造体も含む。それによって、各チャンバによって、ポンプ出力の特別な時間的経過またはこのチャンバの射出の特別な「プロファイル」を定めることができる。このような構造によって、3つ以上の異なる物質を有するコンフィズリー物品(プラリーヌ、充填したボール等)をワンショット法で製造することが可能である。
【0049】
図面によって、本発明の他の効果、特徴および用途は、非限定的に解釈すべきである、本発明の2つの例示的な実施形態の次の説明から明らかになる。