特許第5914425号(P5914425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914425
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】旋回式建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20160422BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   E02F9/16 C
   E02F9/16 A
   E02F9/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-145622(P2013-145622)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-17438(P2015-17438A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2015年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 庄吾
(72)【発明者】
【氏名】小堀 真嗣
(72)【発明者】
【氏名】島田 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】天野 浩二
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−042351(JP,U)
【文献】 特開2000−170209(JP,A)
【文献】 実開平07−011407(JP,U)
【文献】 特開2003−182353(JP,A)
【文献】 特開平09−095137(JP,A)
【文献】 特許第3269992(JP,B2)
【文献】 特開2005−163390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/16
E02F 9/00
B60R 16/02
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、支持構造部材を形成する旋回フレームと、該旋回フレーム上に取付けられ前,後方向の後面部に後窓を備えたキャブと、該キャブ内に設けられオペレータが着座する運転席と、前記キャブ内に調和空気を吹き出すために前記キャブの後面部に沿って立上った空調ダクトとにより構成してなる旋回式建設機械において、
前記キャブの後窓は、キャブ内で空気を流通させるために開閉可能に形成し、
前記空調ダクトには、開いた状態の前記後窓からキャブ内に浸入する雨水が当該空調ダクトに沿って流下するように雨水を案内する雨水案内部材を設け
前記雨水案内部材は、前記空調ダクトの周囲から外向きに突出した樋状体として形成し、この樋状体を前記後窓と隣接している前記空調ダクトの後側位置から前側位置まで延設する構成としたことを特徴とする旋回式建設機械。
【請求項2】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、支持構造部材を形成する旋回フレームと、該旋回フレーム上に取付けられ前,後方向の後面部に後窓を備えたキャブと、該キャブ内に設けられオペレータが着座する運転席と、前記キャブ内に調和空気を吹き出すために前記キャブの後面部に沿って立上った空調ダクトとにより構成してなる旋回式建設機械において、
前記キャブの後窓は、キャブ内で空気を流通させるために開閉可能に形成し、
前記空調ダクトには、開いた状態の前記後窓からキャブ内に浸入する雨水が当該空調ダクトに沿って流下するように雨水を案内する雨水案内部材を設け、
前記キャブの後面部には、前記後窓の下側部位から前記雨水案内部材に向けて雨水を導く導水板を設ける構成としたことを特徴とする旋回式建設機械。
【請求項3】
前記空調ダクトは、前記キャブの後面部に沿って上,下方向に延びた縦向きダクト部と、該縦向きダクト部の上部から前記後窓の下側近傍位置を左,右方向に延びた横向きダクト部と、該横向きダクト部の上面に設けられた吹出口とにより構成し、
前記雨水案内部材は、前記横向きダクト部に設けることにより、前記後窓からキャブ内に浸入する雨水を、前記横向きダクト部から縦向きダクト部に案内する構成としてなる請求項1または2に記載の旋回式建設機械。
【請求項4】
前記雨水案内部材は、前記吹出口を取囲んだ状態で前記横向きダクト部の周囲に配置し、前記後窓から前記横向きダクト部に向けて浸入する雨水を前記縦向きダクト部に流下させる構成としてなる請求項3に記載の旋回式建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブ内に空調ダクトや各種の電気部品を備えた油圧ショベル等の旋回式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、旋回式建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって構成されている。
【0003】
上部旋回体は、支持構造部材を形成する旋回フレームと、該旋回フレーム上に取付けられたキャブと、該キャブ内に設けられオペレータが着座する運転席とを備えている。油圧ショベルでは、多くの電気機器、各種センサ、スイッチ類を使用しており、キャブ内には、これらを制御するためのコントローラを含む各種の電気部品が設けられている。この電気部品は、運転席とキャブの後面部との間の空間を利用し、キャブの後面部に取付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−200862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の油圧ショベルには、広い視界を得るためにキャブの前面部、後面部、左面部、右面部にそれぞれ窓が設けられている。これらの窓のうち、後面部に設けられた後窓は、キャブ内で外気を流通させることができるように開閉機能を有している。この場合、後窓を開くことにより、後窓を通してキャブ内に外気を取り入れることができる。しかし、後窓を開いた状態で、急に雨が降り出したり、誤って水をかけてしまった場合には、開いた後窓からキャブ内に雨水が浸入してしまう。このときに、後窓から浸入した雨水は、キャブの後面部を伝って下側に流れることになる。
【0006】
ここで、特許文献1によるものでは、キャブの後面部にコントローラ等の電気部品を配置している。このために、雨水がキャブの後面部に沿って流れ落ちると、後面部に設けられた電気部品が被水し、損傷する虞がある。この場合の対処方法としては、電気部品を液密状態で覆うカバーを設けることが考えられる。しかし、雨水が浸入しないようにカバーの密閉性を高めるためには、カバーの剛性、シール性を高める必要があり、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、キャブの後窓から雨水が浸入した場合でも、キャブの後面部に設けられる電気部品等を簡単な構成で雨水から保護できるようにした旋回式建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による旋回式建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、支持構造部材を形成する旋回フレームと、該旋回フレーム上に取付けられ前,後方向の後面部に後窓を備えたキャブと、該キャブ内に設けられオペレータが着座する運転席と、前記キャブ内に調和空気を吹き出すために前記キャブの後面部に沿って立上った空調ダクトとにより構成している。
【0009】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記キャブの後窓は、キャブ内で空気を流通させるために開閉可能に形成し、前記空調ダクトには、開いた状態の前記後窓からキャブ内に浸入する雨水が当該空調ダクトに沿って流下するように雨水を案内する雨水案内部材を設け、前記雨水案内部材は、前記空調ダクトの周囲から外向きに突出した樋状体として形成し、この樋状体を前記後窓と隣接している前記空調ダクトの後側位置から前側位置まで延設する構成としたことにある。
【0010】
請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記キャブの後窓は、キャブ内で空気を流通させるために開閉可能に形成し、前記空調ダクトには、開いた状態の前記後窓からキャブ内に浸入する雨水が当該空調ダクトに沿って流下するように雨水を案内する雨水案内部材を設け、前記キャブの後面部には、前記後窓の下側部位から前記雨水案内部材に向けて雨水を導く導水板を設ける構成としたことにある。
【0011】
請求項3の発明は、前記空調ダクトは、前記キャブの後面部に沿って上,下方向に延びた縦向きダクト部と、該縦向きダクト部の上部から前記後窓の下側近傍位置を左,右方向に延びた横向きダクト部と、該横向きダクト部の上面に設けられた吹出口とにより構成し、前記雨水案内部材は、前記横向きダクト部に設けることにより、前記後窓からキャブ内に浸入する雨水を、前記横向きダクト部から縦向きダクト部に案内する構成としたことにある。
【0012】
請求項4の発明は、前記雨水案内部材は、前記吹出口を取囲んだ状態で前記横向きダクト部の周囲に配置し、前記後窓から前記横向きダクト部に向けて浸入する雨水を前記縦向きダクト部に流下させる構成としたことにある。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、キャブの後窓を開くことにより、キャブ内で空気を流通させることができ、キャブ内の作業環境を良好にすることができる。一方、後窓を開いた状態で、急に雨が降り出したり、誤って水をかけてしまった場合には、開いた後窓からキャブ内に雨水が浸入してしまう。これに対し、空調ダクトには、開いた状態の後窓からキャブ内に浸入する雨水が当該空調ダクトに沿って流下するように雨水を案内する雨水案内部材を設ける構成としている。しかも、後窓から浸入した雨水が樋状体として形成された雨水案内部材に達すると、この雨水案内部材は、雨水を樋状体に沿って空調ダクトの周囲で流通させる。このときに、雨水案内部材は、後窓と隣接している空調ダクトの後側位置から前側位置まで延設されているから、後窓から浸入した雨水を空調ダクトの前側まで案内することができる。
【0015】
従って、後窓から浸入する雨水は、雨水案内部材によって案内されることにより、空調ダクトに沿って流れ落ちて外部に排出される。これにより、例えばキャブの後面部に雨水に脆弱な部品、例えば電気部品を取付けた場合でも、後窓から浸入する雨水が電気部品に掛かるような事態を未然に防ぐことができる。
【0016】
この結果、電気部品等のように雨水を避ける必要がある部品をキャブの後面部に取付けた場合でも、密閉性の高い高価なカバーを用いることなく、空調ダクトに雨水案内部材を設けるだけの簡単な構成で、電気部品を雨水から保護することができる。これにより、旋回式建設機械に対する信頼性を高めることができる。
【0017】
一方、請求項2の発明によれば、キャブの後面部には導水板を設けているから、この導水板は、キャブの後窓から浸入した雨水を、後窓の下側部位から雨水案内部材に向けて導くことができる。これにより、雨水を周囲に漏らすことなく、雨水案内部材に導くことができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、横向きダクト部に設けられた雨水案内部材は、後窓から浸入した雨水を横向きダクト部から縦向きダクト部に案内することができる。これにより、縦向きダクト部に案内された雨水は、この縦向きダクト部に沿って流下させることができ、キャブの外部に排出させることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、雨水案内部材は、吹出口を取囲んだ状態で横向きダクト部の周囲に配置しているから、後窓から横向きダクト部に向けて浸入する雨水は、縦向きダクト部に流下させることができる。これにより、後窓から浸入した雨水を、専用の経路で外部に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
図2図1中のキャブを拡大して左前側から示す斜視図である。
図3図1中のキャブを拡大して左後側から示す斜視図である。
図4】運転席を省略したキャブを図2中の矢示IV−IV方向から見た断面斜視図である。
図5】運転席とダクトカバーを省略したキャブを図4と同様位置から見た断面斜視図である。
図6】運転席とダクトカバーと後空調ダクトを省略したキャブを図4と同様位置から見た断面斜視図である。
図7】後窓から浸入した雨水の流通経路を図4中の矢示VII−VII方向から見た拡大断面図である。
図8】雨水案内部材が取付けられた後空調ダクトを左前側から拡大して見た斜視図である。
図9】雨水案内部材が取付けられた後空調ダクトを右後側から拡大して見た斜視図である。
図10】本発明の第2の実施の形態による雨水案内部材を備えた後空調ダクトを左前側から拡大して見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る旋回式建設機械として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0023】
図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は土砂の掘削作業等に用いられる旋回式建設機械としての油圧ショベルである。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより構成されている。
【0024】
上部旋回体3は、支持構造部材を形成する旋回フレーム5と、該旋回フレーム5の左前側に搭載された後述のキャブ8と、該キャブ8の後側に位置して旋回フレーム5に搭載されたエンジン、油圧ポンプ、制御弁等(いずれも図示せず)を覆う建屋カバー6と、前記旋回フレーム5の後部に取付けられたカウンタウエイト7とを含んで構成されている。
【0025】
ここで、第1の実施の形態の要部となるキャブ8の構成について述べる。
【0026】
8は旋回フレーム5の左前側に搭載されたキャブである。このキャブ8内には、オペレータが搭乗して各種操作を行う居住空間が画成されている。キャブ8は、図2ないし図4に示す如く、後述するフロア部材9とキャブボックス10とにより構成されている。
【0027】
9はキャブ8の床面を構成するフロア部材で(図2図4参照)、該フロア部材9は、前,後方向に長尺な長方形状の板体として形成されている。フロア部材9は、その四隅を含む複数箇所が防振マウント(図示せず)を介して旋回フレーム5に支持されている。一方、フロア部材9のほぼ中央位置には、上,下方向に扁平なボックス形状をした運転席取付台9Aが設けられ、該運転席取付台9A上には後述の運転席16が設けられている。ここで、運転席取付台9A内は空洞となっており、その内部は、後述する空調装置の室内機20を収容するために利用されている。
【0028】
さらに、フロア部材9のうち、例えば運転席取付台9Aよりも後側位置には、各種の油圧ホース、ハーネス等を通すための複数個の貫通孔(いずれも図示せず)が設けられている。これらの貫通孔は、キャブ8の内部と外部とを連通するもので、その一部の貫通孔は、後述する後空調ダクト21を伝って流れ落ちる雨水の排出口として使用されている。
【0029】
10はフロア部材9と共にキャブ8を構成するキャブボックスである。このキャブボックス10は、フロア部材9上に居住空間を画成するものである。キャブボックス10は、前面部11、後面部12、左面部13、右面部14および天面部15によりボックス状に形成され、周面となる前面部11、後面部12、左面部13、右面部14の下部がフロア部材9の周囲に取付けられている。
【0030】
前面部11は、オペレータに広い前方視界を与えるための上前窓11Aと下前窓11Bを有している。例えば、上前窓11Aは、天面部15に向けて上側に移動させることにより、天面部15の下側に格納することができる。一方、下前窓11Bは、前面部11から取外すことができる。これにより、前面部11は、上前窓11Aを格納し、下前窓11Bを取外すことにより、大きく開口することができる。
【0031】
後面部12は、フロア部材9の後端位置から上側に延びた下縦板12Aと、該下縦板12Aの上部から後側に延びた横板12Bと、該横板12Bの後部から天面部15まで上側に延びた上縦板12Cとによりステップ状に形成されている。
【0032】
上縦板12Cは、上,下方向の中間部から上部までの範囲が後窓12Dとなっている。この後窓12Dは、窓枠12D1内に前,後方向で重なるように配置された左,右のガラス板12D2,12D3により構成されている。この左,右のガラス板12D2,12D3のうち、例えば右側のガラス板12D3は固定され、左側のガラス板12D2は、窓枠12D1に沿って左,右方向に移動することができる。これにより、左側のガラス板12D2を右側に移動させることにより、後窓12Dを開くことができる。
【0033】
後面部12には、後窓12Dの下側部位から後述の雨水案内部材26に向けて雨水を導くための導水板12Eが設けられている。この導水板12Eは、後述するカバー部材27の後側を支持するカバー支持部材を兼ねている。導水板12Eは、左,右方向に長尺な板体を前側が1段低くなるようにクランク状に折り曲げることにより形成されている。この、導水板12Eは、例えば、後端部が後窓12Dの窓枠12D1に取付けられている。
【0034】
これにより、導水板12Eは、周囲に漏らすことなく、後面部12の後窓12Dから浸入した雨水を、後窓12Dの下側部位から段差形状に沿って雨水案内部材26に向けて導くことができる。
【0035】
後面部12の上縦板12Cには、後窓12Dの下側近傍に位置してブラケット12Fが設けられている。このブラケット12Fは、左,右方向に長尺な板体をL字状に折り曲げて形成することにより、後側から前側に向け下側に傾斜した取付面を有している。
【0036】
さらに、後面部12には、長方形状の板体からなる電気部品取付板12Gが設けられている。この電気部品取付板12Gは、後述の電気部品19が取付けられるもので、後側から前側に向け下側に傾斜した状態で配置されている。電気部品取付板12Gは、その上側部位(後側部位)がブラケット12Fの取付面に取付けられ、下側部位(前側部位)が横板12Bの前端部に取付けられている。
【0037】
左面部13は、前,後方向の中間部から後側寄りに左窓13Aを有し、中間部から前側がキャブ8にオペレータが乗り降りするための乗降口13Bとなって開口している。左面部13には、乗降口13Bを開閉するためのドア13Cが回動可能に取付けられている。
【0038】
右面部14には、上,下方向の中間部から上側の広い範囲に右窓14Aが設けられている。さらに、天面部15には、作業装置4を高くした状態での作業を見るための天窓15Aが設けられている。
【0039】
16はフロア部材9の運転席取付台9A上に設けられた運転席である。この運転席16はオペレータが着座するものである。運転席16の左,右両側には、作業装置4等を操作する左,右の作業レバー17が設けられている。一方、運転席16の前側となるフロア部材9の前側位置には、下部走行体2を走行させるための左,右の走行レバー・ペダル18が設けられている。
【0040】
19はキャブ8の後面部12に設けられた複数個、例えば2個の電気部品を示し、該各電気部品19は、電気部品取付板12Gに取付けられている。この2個の電気部品19の代表例としては、油圧ショベル1に搭載された電気機器、各種センサ、スイッチ類を制御するためのコントローラ、ネットワークを利用して油圧ショベル1の情報(稼働時間、メンテナンス情報、位置情報等)を伝えるための通信端末が挙げられる。これらの電気部品19は、多くの電子部品によって形成されているから、雨水の接触(被水)を避ける必要がある。
【0041】
20はフロア部材9の運転席取付台9A内に収容された空調装置の室内機である(図4中に点線で図示)。この室内機20は、所望の温度に調整した冷風または温風を調和空気としてキャブ8内の居住空間に吹き出すことにより、キャブ8内をオペレータが望む温度環境に調整するものである。室内機20は、箱体状に形成されたハウジング20A内に送風ファン、エバポレータ、ヒータコア、送風方向切換板(いずれも図示せず)を有し、エンジン側に設けられるコンデンサ、コンプレッサ等からなる室外機(図示せず)と接続されている。室内機20は、内気流入口20Bと外気流入口20Cとを有し、これらの流入口20B,20Cから吸込んだ空気を、所望の調和空気に調整し、前空調ダクト(図示せず)と後述の後空調ダクト21とからキャブ8内に供給するものである。
【0042】
21はキャブ8内に調和空気を吹き出すための後空調ダクトである。この後空調ダクト21は、運転席16とキャブ8の後面部12との間に位置して該後面部12に沿って立上るように設けられている。後空調ダクト21は、図5図8に示すように、後面部12の右側に位置して下縦板12Aに沿って上,下方向に延びた縦向きダクト部22と、該縦向きダクト部22の上部から後窓12Dの下側近傍位置を左,右方向に延びた横向きダクト部23と、該横向きダクト部23の上板23Eに設けられた複数個、例えば3個の吹出口24,25とにより構成されている。縦向きダクト部22の上部と横向きダクト部23とは、各電気部品19の前側を間隔をもって覆う位置に配置されている。
【0043】
縦向きダクト部22は、図8図9に示すように、上,下方向に延びる筒状体、例えば、前板22A、後板22B、左板22Cおよび右板22Dからなる断面四角形状の角筒体として形成されている。この場合、縦向きダクト部22は、断面四角形状の角筒体以外にも、円筒体、楕円筒体、その他異形筒体として形成することもできる。即ち、縦向きダクト部22は、周囲の機器、構造物との配置関係で形成される空間に応じて適宜に形状が設定されている。
【0044】
ここで、縦向きダクト部22は、その下側がフロア部材9の近傍で室内機20の流出側に接続されている。従って、縦向きダクト部22の前板22Aに案内された雨水は、この縦向きダクト部22の周囲を伝って流下し、フロア部材9の貫通孔から外部に排出されることになる。これにより、縦向きダクト部22の前板22Aまで案内された雨水は、各電気部品19に掛かることなく、外部に排出される。
【0045】
横向きダクト部23は、縦向きダクト部22の上部から左,右方向の左側に延びた中空体として形成されている。横向きダクト部23は、例えば、縦向きダクト部22の前板22Aと連続するように斜めに形成された前板23Aと、該前板23Aと吹出口24,25を挟んで前,後方向の反対側、即ち、後窓12Dと隣接する後側に配置された後板23Bと、左,右方向の両端部に設けられ、前記前板23Aと後板23Bとの間を接続する左,右の湾曲板23C,23Dと、前記各板23A〜23Dに囲まれた上面をなす上板23Eとにより構成されている。
【0046】
吹出口24は、横向きダクト部23の左,右方向の両端部に位置して上板23Eから上向きに延びた円筒体として形成されている。この左,右の吹出口24は、調和空気を上向きに吹き出すことにより、キャブ8内の全体に調和空気を供給するものである。一方、吹出口25は、左,右の吹出口24間に位置し、上板23Eに開口して設けられている。この吹出口25は、例えば後面部12の後窓12Dに向けて調和空気を吹き付けることにより、ガラス板12D2,12D3の曇りを取るものである。
【0047】
なお、後空調ダクト21は、空調装置の室内機20から供給される調和空気をキャブ8内に吹き出すために設けられている。しかし、油圧ショベル1には、空調装置が設けられていないものがある。一方で、油圧ショベル1の納品後に、顧客の要望によって空調装置を取付ける場合がある。そこで、空調装置が設けられていない油圧ショベル1でも、取付に手間を要する後空調ダクト21は、キャブ8内に予め取付ける構成としている。
【0048】
次に、本発明の要部として後空調ダクト21に設けられた雨水案内部材26の構成について述べる。
【0049】
26は後空調ダクト21の横向きダクト部23に設けられた雨水案内部材を示している。この雨水案内部材26は、開いた状態の後面部12の後窓12Dからキャブ8内に浸入する雨水が後空調ダクト21に沿って流下するように雨水を案内するものである。雨水案内部材26は、例えば後空調ダクト21と別部材からなる柔軟性をもった樹脂材料、例えばウレタン樹脂材料、ゴム材料等を用いて長尺な角棒状に形成されている。この場合、角棒状の雨水案内部材26には、後空調ダクト21の横向きダクト部23に取付けたときに、内側となる位置の上側のほぼ全長に亘って凹溝状の案内水路26Aが形成されている。この案内水路26Aは、雨水を雨水案内部材26の長さ方向に案内するものであるから、凹溝状に限らず、凹円弧状、V字状、傾斜面状等の他の形状とすることもできる。
【0050】
雨水案内部材26は、案内水路26Aが設けられた側の端面が横向きダクト部23の周囲に対し、例えば接着剤、両面テープ等を用いて一体的に固着されている。従って、雨水案内部材26は、横向きダクト部23の周囲から外向きに突出した樋状体として形成され、この樋状体が後窓12Dと隣接している横向きダクト部23の後板23Bから前板23Aまで延設されている。これにより、雨水案内部材26は、左側の吹出口24を取囲んだ状態で横向きダクト部23の周囲に配置されており、後窓12Dから横向きダクト部23に向けて浸入する雨水を縦向きダクト部22に流下させることができる。
【0051】
雨水案内部材26は、横向きダクト部23の後板23Bに沿って左,右方向に延びた後案内部26Bと、該後案内部26Bの左端から左湾曲板23Cを回り込んで前側に延びた円弧状案内部26Cと、該円弧状案内部26Cから前板23A上を左,右方向の右側、即ち、縦向きダクト部22に向けて延びた前案内部26Dとにより構成されている。ここで、各案内部26B〜26Dは、案内水路26Aに入り込んだ雨水が、図8図9中に矢示で示す方向に流れるように、高低差をもって配置されている。
【0052】
このように構成された雨水案内部材26は、図7に示すように、後面部12の後窓12Dから雨水が流入し、導水板12Eに沿って流れてくると、この雨水を後案内部26Bで案内水路26Aに流入させる。これにより、雨水案内部材26は、後案内部26B、円弧状案内部26C、前案内部26Dで順次雨水を流通させることにより、雨水を周囲にこぼすことなく、前案内部26Dから横向きダクト部23の前板23A上に流出させることができる。
【0053】
27はキャブ8内に位置して後面部12の前側に設けられたカバー部材である。このカバー部材27は、各電気部品19、後空調ダクト21を覆い隠すための化粧カバーを構成している。カバー部材27は、下側が後面部12の下縦板12A等にボルト止めされ、上側(後側)が導水板12E、ブラケット12F等にボルト止めされている。
【0054】
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0055】
まず、オペレータは、キャブ8に搭乗し、左,右の走行レバー・ペダル18を操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、キャブ8内のオペレータは、左,右の作業レバー17を操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0056】
上述した作業時には、例えばキャブ8内の換気を行うために、後面部12の後窓12Dを開いて作業を行う場合がある。一方、前述した空調装置が設けられていない油圧ショベル1では、キャブ8内の温度を下げるために後窓12Dを開いて作業を行う場合がある。このように、後窓12Dを開いて作業を行っているときに、急に雨が降り出すと、開いた後窓12Dからキャブ8内に雨水が流入してしまう。また、油圧ショベル1を洗浄するときに、後窓12Dを開いたまま、誤って水をかけてしまった場合にも、開いた後窓12Dからキャブ8内に水が流入してしまう。
【0057】
このときに、後窓12Dからキャブ8内に浸入した雨水が、キャブ8の後面部12を伝って下側に流れると、後窓12Dの下側に位置して後面部12に取付けられた電気部品19が被水して損傷する虞がある。
【0058】
然るに、第1の実施の形態によれば、後空調ダクト21の横向きダクト部23には、雨水案内部材26を設けている。従って、開いた状態の後窓12Dからキャブ8内に浸入する雨水は、図7に示すように、導水板12Eに沿って前側に流れ、横向きダクト部23の後板23Bに沿って流れ落ちることにより、後案内部26Bの位置で案内水路26Aに流入する。これにより、雨水案内部材26は、横向きダクト部23を左側から回り込むように、後案内部26B、円弧状案内部26C、前案内部26Dで順次雨水を流通させることができ、雨水を周囲にこぼすことなく、前案内部26Dから横向きダクト部23の前板23A上に流出させることができる。このように、雨水案内部材26によって案内されて横向きダクト部23の前板23A上に流出した雨水は、縦向きダクト部22を流下してフロア部材9に設けた貫通孔からキャブ8の外部に排出することができる。
【0059】
かくして、第1の実施の形態によれば、後窓12Dからキャブ8内に浸入する雨水は、後空調ダクト21に設けた雨水案内部材26により該後空調ダクト21に沿ってキャブ8の外部に排出させることができる。これにより、後面部12に雨水に脆弱な電気部品19を取付けた場合でも、後窓12Dから浸入する雨水が電気部品19に掛かるような事態を未然に防ぐことができる。
【0060】
この結果、電気部品19をキャブ8の後面部12に取付けた場合でも、密閉性の高い高価なカバーを用いることなく、後空調ダクト21に雨水案内部材26を設けるだけの簡単な構成で、各電気部品19を雨水から保護することができる。これにより、油圧ショベル1に対する信頼性を高めることができる。
【0061】
雨水案内部材26は、後空調ダクト21を構成する横向きダクト部23の周囲から外向きに突出した樋状体として形成している。これにより、樋状体からなる雨水案内部材26は、後窓12Dから浸入した雨水を、周囲にこぼすことなく樋状体に沿って横向きダクト部23の周囲で流通させることができる。このときに、雨水案内部材26は、後窓12Dと隣接している横向きダクト部23の後側位置となる後板23Bから前側位置となる前板23Aまで延設しているから、浸入した雨水を後空調ダクト21の前側まで効率よく案内することができる。
【0062】
後空調ダクト21は、キャブ8の後面部12に沿って上,下方向に延びた縦向きダクト部22と、該縦向きダクト部22の上部から後窓12Dの下側近傍位置を左,右方向に延びた横向きダクト部23と、該横向きダクト部23の上板23Eに設けられた吹出口24,25とにより構成している。この上で、雨水案内部材26は、横向きダクト部23に設けているから、後窓12Dからキャブ8内に浸入する雨水を、横向きダクト部23から縦向きダクト部22に案内することができる。これにより、縦向きダクト部22に案内された雨水は、この縦向きダクト部22に沿って流下させることができ、キャブ8の外部に排出することができる。
【0063】
雨水案内部材26は、後空調ダクト21の左側の吹出口24を取囲んだ状態で横向きダクト部23の周囲に配置しているから、後窓12Dから横向きダクト部23に向けて浸入する雨水は、縦向きダクト部22に流下させることができる。これにより、後窓12Dから浸入した雨水を、専用の経路で外部に排出することができる。
【0064】
さらに、キャブ8の後面部12には、後窓12Dの下側部位から雨水案内部材26に向けて雨水を導く導水板12Eを設ける構成としている。これにより、雨水を周囲に漏らすことなく、雨水案内部材26に導くことができる。
【0065】
次に、図10は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、空調ダクトと雨水案内部材とを一体成形する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0066】
図10において、31は第2の実施の形態による後空調ダクトである。この後空調ダクト31は、前述した第1の実施の形態による後空調ダクト21とほぼ同様に、キャブ8の後面部12に沿って立上るように設けられ、前板32A、後板(図示せず)、左板32C、右板(図示せず)からなる縦向きダクト部32と、前板33A、後板(図示せず)、左板33C、右板(図示せず)、上板33Eからなる横向きダクト部33と、例えば3個の吹出口34,35とにより構成されている。しかし、第2の実施の形態による後空調ダクト31は、横向きダクト部33に後述の雨水案内部材36が一体成形されている点で、第1の実施の形態による後空調ダクト21と相違している。ここで、後空調ダクト31は、例えば樹脂材料を用いた成型加工により所望の中空構造体として形成されている。
【0067】
36は後空調ダクト31の横向きダクト部33に設けられた第2の実施の形態による雨水案内部材を示している。この雨水案内部材36は、第1の実施の形態による雨水案内部材26とほぼ同様に、横向きダクト部33の周囲から外向きに突出した樋状体として形成され、この樋状体は、後窓12Dと隣接している横向きダクト部33の後板33Bから前板33Aまで延設されている。しかし、第2の実施の形態による雨水案内部材36は、後空調ダクト31を樹脂成形するときに一体成形されている点で、第1の実施の形態による雨水案内部材26と相違している。
【0068】
ここで、雨水案内部材36には、内側位置(横向きダクト部33側位置)の上側のほぼ全長に亘って凹溝状の案内水路36Aが形成されている。また、雨水案内部材36は、横向きダクト部33の後板に沿って左,右方向に延びた後案内部36Bと、該後案内部36Bの左端から左湾曲板33Cを回り込んで前側に延びた円弧状案内部36Cと、該円弧状案内部36Cから前板33A上を左,右方向の右側、即ち、縦向きダクト部32に向けて延びた前案内部36Dとにより構成されている。これにより、雨水案内部材36は、左側の吹出口34を取囲んだ状態で横向きダクト部33の周囲に配置されており、後窓12Dから横向きダクト部33に向けて浸入する雨水を縦向きダクト部32に流下させることができる。
【0069】
このように構成された雨水案内部材36は、後面部12の後窓12Dから雨水が流入し、導水板12Eに沿って流れてくると、この雨水を後案内部36Bで案内水路36Aに流入させる。これにより、雨水案内部材36は、後案内部36B、円弧状案内部36C、前案内部36Dで順次雨水を流通させることにより、雨水を周囲にこぼすことなく、前案内部36Dから横向きダクト部33の前板33A上に流出させることができる。
【0070】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、雨水案内部材36は、後空調ダクト31を樹脂成形するときに一体成形することができるから、加工工数を増やすことなく、雨水案内部材36を簡単に設けることができる。また、雨水案内部材36と後空調ダクト31との間に隙間が形成されることがないから、案内水路36Aを流れる全ての雨水を縦向きダクト部32側に案内することができる。
【0071】
なお、第1の実施の形態では、後窓12Dの開閉方式として、前,後方向に重ねて配置された2枚のガラス板12D2,12D3からなる引き戸方式を採用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、1枚のガラス板の左,右方向の一方または上,下方向の一方を回動可能に取付け、これを回動中心として他方を開閉する方式を採用してもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0072】
第1の実施の形態では、雨水案内部材26は、横向きダクト部23の後板23Bから左湾曲板23Cを回り込んで前板23A側に延びる構成とした場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、雨水案内部材は、横向きダクト部23の後板23Bから右湾曲板23Dを回り込んで前板23A側に延びる構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0073】
さらに、各実施の形態では、旋回式建設機械として、クローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、ホイール式の油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、油圧クレーン等の他の旋回式建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 油圧ショベル(旋回式建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム
8 キャブ
9 フロア部材
10 キャブボックス
11 前面部
12 後面部
12A 下縦板
12B 横板
12C 上縦板
12D 後窓
12D1 窓枠
12D2,12D3 ガラス板
12E 導水板
13 左面部
14 右面部
15 天面部
16 運転席
19 電気部品
20 室内機
21,31 後空調ダクト
22,32 縦向きダクト部
22A,23A,32A,33A 前板
22B,23B 後板
22C,32C 左板
22D 右板
23,33 横向きダクト部
23C,33C 左湾曲板
23D 右湾曲板
23E,33E 上板(上面)
24,25,34,35 吹出口
26,36 雨水案内部材
26A,36A 案内水路
26B,36B 後案内部
26C,36C 円弧状案内部
26D,36D 前案内部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10