【文献】
Huawei,Un Subframe Allocation for FDD,R1-103122,フランス,3GPP,2010年 5月 4日,paragraph 2.1
【文献】
LG Electronics,Remaining Issue on Un HARQ for FDD,R1-104654,フランス,3GPP,2010年 8月17日,paragraph 1-3
【文献】
LG Electronics,Details of Defining FDD Un HARQ Process,R1-105346,フランス,3GPP,2010年10月 5日,paragraph 1,3
【文献】
LG Electronics Inc.,Subframe allocation for backhaul HARQ operation,R1-092493,フランス,3GPP,2009年 6月23日,paragraph 2
【文献】
LG Electronics Inc.,Subframe allocation for backhaul HARQ operation,R1-092851,フランス,3GPP,2009年 6月26日,paragraph 2
【文献】
LG Electronics Inc.,Subframe allocation for backhaul HARQ operation,R1-092950,フランス,3GPP,2009年 7月 3日,paragraph 2
【文献】
Texas Instruments,On the design of relay node for LTE-advanced,R1-091294,フランス,3GPP,2009年 3月18日,paragraph 1,2.3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線通信システム内の基地局(BS)によって、Frequency Division Duplex(FDD)フレーム構造を用いてハイブリッド自動再送要請(HARQ)プロセス動作を行う方法であって、該方法は、
上位層シグナリングを介してHARQプロセス個数に関する情報を中継機に伝送することを含み、
該HARQプロセス個数は、該BSと中継機(RN)との間の伝送のために構成されたサブフレームの構成に依存し、
該HARQプロセスは、該RNから該BSへの伝送のために構成されたサブフレームに対して連続して割り当てられる、方法。
Radio Resource Control(RRC)シグナリングを介して、BSから前記RNへの伝送のために構成された前記サブフレームに関する情報を、該RNに伝送することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記BSから前記RNへの伝送のために構成されたサブフレームnに対してアップリンク(UL)割当が割り当てられる場合に、該アップリンク(UL)割当に対応するHARQプロセスが、該RNから該BSへの伝送のために構成されたサブフレームn+4に対して割り当てられる、請求項2に記載の方法。
無線通信システム内の中継機(RN)においてFrequency Division Duplex(FDD)フレーム構造を用いてハイブリッド自動再送要請(HARQ)プロセス動作を行う方法であって、該方法は、
上位層シグナリングを介してHARQプロセス個数に関する情報を基地局(BS)から受信することを含み、
該HARQプロセス個数は、該BSと中継機(RN)との間の伝送のために構成されたサブフレームの構成に依存し、
該HARQプロセスは、該RNから該BSへの伝送のために構成されたサブフレームに対して連続して割り当てられる、方法。
Radio Resource Control(RRC)シグナリングを介して、前記BSと前記RNとの間の伝送のために構成された前記サブフレームに関する情報を、該BSから受信することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
前記BSから前記RNへの伝送のために構成されたサブフレームnに対してアップリンク(UL)割当が割り当てられる場合に、該アップリンク(UL)割当に対応するHARQプロセスが、該RNから該BSへの伝送のために構成されたサブフレームn+4に対して割り当てられる、請求項5に記載の方法。
無線通信システムにおいてFrequency Division Duplex(FDD)フレーム構造を用いてハイブリッド自動再送要請(HARQ)プロセス動作を行う基地局(BS)であって、該BSは、
上位層シグナリングを介してHARQプロセス個数に関する情報を中継機に伝送するように構成された送信器を含み、
該HARQプロセス個数は、該BSと中継機(RN)との間の伝送のために構成されたサブフレームの構成に依存し、
該HARQプロセスは、該RNから該BSへの伝送のために構成されたサブフレームに対して連続して割り当てられる、BS。
無線通信システム内の中継機(RN)においてFrequency Division Duplex(FDD)フレーム構造を用いてハイブリッド自動再送要請(HARQ)プロセス動作を行う中継機(RN)であって、該RNは、
上位層シグナリングを介してHARQプロセス個数に関する情報を基地局(BS)から受信するように構成された受信器と、
該HARQプロセスに関する情報を獲得するように構成されたプロセッサと
を含み、
該HARQプロセス個数は、該BSと中継機(RN)との間の伝送のために構成されたサブフレームの構成に依存し、
該HARQプロセスは、該RNから該BSへの伝送のために構成されたサブフレームに対して連続して割り当てられる、RN。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明が実施されうる唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者には、本発明がこのような具体的な細部事項なしにも実施可能であるということがわかる。例えば、以下の詳細な説明は、移動通信システムが3GPP LTE、LTE−Aシステムである場合を取って具体的に説明するが、3GPP LTE、LTE−A特有の事項を除いては、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。
【0019】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されてもよい。なお、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0020】
なお、以下の説明において、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、AMS(Advanced Mobile Station)のような移動または固定型のユーザー端機器を総称するものとする。また、基地局は、Node B、eNode B、BS(Base Station)、AP(Access Point)のような、端末と通信するネットワーク端の任意のノードを総称するものとする。
【0021】
移動通信システムにおいて、端末(User Equipment)は、基地局からダウンリンク(Downlink)/バックホールダウンリンクを通じて情報を受信することができ、端末はアップリンク(Uplink)を通じて情報を伝送することができる。端末と基地局が伝送または受信する情報にはデータ及び様々な制御情報があり、端末と基地局が伝送または受信する情報の種類・用途に応じて様々な物理チャネルが存在する。
【0022】
図1は、本発明に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【0023】
本発明に係る通信システムは、基地局100、中継機150、端末180、ネットワーク(図示せず)を含むことができる。通信システムを簡略に示すために、一つの基地局100、一つの中継機150、一つの端末180を示したが、本発明に係る通信システムは、複数の基地局、複数の中継機、複数の端末を含むことができる。
【0024】
図1を参照すると、基地局100は、送信(Tx)データプロセッサ105、シンボル変調器110、送信器115、送受信アンテナ120、プロセッサ125、メモリー130、受信器135、シンボル復調器140、受信(Rx)データプロセッサ145を備えることができる。そして、中継機150も、送信(Tx)データプロセッサ155、シンボル変調器160、送信器165、送受信アンテナ170、プロセッサ175、メモリー176、受信器177、シンボル復調器178、受信(Rx)データプロセッサ179を備えることができる。また、端末180は、送信(Tx)データプロセッサ182、シンボル変調器184、送信器186、送受信アンテナ188、プロセッサ190、メモリー192、受信器194、シンボル復調器196、受信データプロセッサ198を備えることができる。
【0025】
アンテナ120、170及び188がそれぞれ、基地局100、中継機150及び端末180において一つとして示されているが、基地局100、中継機150及び端末180は、複数個のアンテナを備えている。そのため、本発明に係る基地局100、中継機150及び端末180は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムを支援する。本発明に係る基地局100、中継機150及び端末180は、SU−MIMO(Single User−MIMO)、MU−MIMO(Multi User−MIMO)の両方式とも支援することができる。
【0026】
ダウンリンク上で、基地局100の送信データプロセッサ105は、トラフィックデータを受信し、受信したトラフィックデータをフォーマットしてコーディングし、コーディングされたトラフィックデータをインターリービングし変調し(または、シンボルマッピングし)、変調シンボル(「データシンボル」)を提供する。シンボル変調器110は、これらのデータシンボル及びパイロットシンボルを受信及び処理し、シンボルのストリームを提供する。基地局100のシンボル変調器110は、データ及びパイロットシンボルを多重化してそれを送信器115に伝送する。この時、それぞれの送信シンボルは、データシンボル、パイロットシンボル、またはゼロ(null)信号値でもい。それぞれのシンボル周期で、パイロットシンボルが連続して送信されてもよい。パイロットシンボルは周波数分割多重化(FDM)、直交周波数分割多重化(OFDM)、時分割多重化(TDM)、またはコード分割多重化(CDM)シンボルでよい。基地局100の送信器115は、シンボルのストリームを受信し、それを一つ以上のアナログ信号に変換し、また、これらのアナログ信号をさらに調節(例えば、増幅、フィルタリング、及び周波数アップコンバーティング(upconverting)して、無線チャネルを通じた送信に適したダウンリンク信号を生成する。続いて、ダウンリンク信号は、アンテナ120から中継機150及び/または端末180に伝送される。
【0027】
中継機150の受信アンテナ170は、基地局100からダウンリンク信号、及び/または端末180からアップリンク信号を受信し、受信した信号を受信器177に提供する。受信器177は、受信した信号を調整(例えば、フィルタリング、増幅、及び周波数ダウンコンバーティング(downconverting))し、調整された信号をデジタル化してサンプルを獲得する。シンボル復調器178は、受信したパイロットシンボルを復調し、それを、チャネル推定のためにプロセッサ175に提供する。
【0028】
中継機150のプロセッサ175は、基地局100及び/または端末180から受信したダウンリンク/アップリンク信号を復調して処理した後に、送信アンテナ170から端末110及び/または基地局100に伝送することができる。
【0029】
端末180において、アンテナ188は、基地局100及び/または中継機150からのダウンリンク信号を受信し、受信した信号を受信器194に提供する。受信器194は、受信した信号を調整し(例えば、フィルタリング、増幅、及び周波数ダウンコンバーティング(downconverting))し、調整された信号をデジタル化してサンプルを獲得する。シンボル復調器196は、受信したパイロットシンボルを復調し、それをチャネル推定のためにプロセッサ190に提供する。
【0030】
また、シンボル復調器196は、プロセッサ190からダウンリンクに対する周波数応答推定値を受信し、受信したデータシンボルにデータ復調を行って、(送信されたデータシンボルの推定値である)データシンボル推定値を獲得し、データシンボル推定値を受信(Rx)データプロセッサ198に提供する。受信データプロセッサ150は、データシンボル推定値を復調(すなわち、シンボルデマッピング(demapping))し、デインターリーバング(deinterleaving)し、デコーディングすることで、伝送されたトラフィックデータを復旧する。
【0031】
シンボル復調器196及び受信データプロセッサ198による処理はそれぞれ、基地局100におけるシンボル変調器110及び送信データプロセッサ105による処理と相補的である。
【0032】
端末180は、アップリンク上で、送信データプロセッサ182がトラフィックデータを処理して、データシンボルを提供する。シンボル変調器184は、データシンボルを受信し、パイロットシンボルと共に多重化し、変調を行って、シンボルのストリームを送信器186に提供する。送信器186は、シンボルのストリームを受信及び処理してアップリンク信号を生成し、該アップリンク信号は、アンテナ135から基地局100または中継機150に伝送される。
【0033】
基地局100において、端末180及び/または中継機150からアップリンク信号をアンテナ130から受信し、受信器190は、受信したアップリンク信号を処理してサンプルを獲得する。続いて、シンボル復調器195は、このサンプルを処理し、アップリンクに対して受信したパイロットシンボル及びデータシンボル推定値を提供する。受信データプロセッサ197は、データシンボル推定値を処理し、端末機180及び/または中継機150から伝送されたトラフィックデータを復旧する。
【0034】
基地局100、中継機150、端末180のそれぞれのプロセッサ125,175,190はそれぞれ、基地局100、中継機150、端末180での動作を指示(例えば、制御、調整、管理など)する。それぞれのプロセッサ125,175,190は、プログラムコード及びデータを格納するメモリー130,176,192に接続することができる。メモリー130,176,192はそれぞれ、プロセッサ125,175,190に接続してオペレーティングシステム、アプリケーション、及び一般ファイル(general files)を格納する。
【0035】
プロセッサ125,175,190を、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ぶこともできる。一方、プロセッサ125,175,190は、ハードウェア(hardware)またはファームウェア(firmware)、ソフトウェア、またはそれらの結合により具現することができる。ハードウェアを用いて本発明の実施例を具現する場合には、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、またはFPGAs(field programmable gate arrays)などをプロセッサ125,175,190に備えることができる。
【0036】
一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明の実施例を具現する場合には、本発明の機能または動作を行うモジュール、手順または関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアを構成することができ、本発明を実行できるように構成されたファームウェアまたはソフトウェアを、プロセッサ125,175,190内に備えたり、メモリー130,176,192に格納したりして、プロセッサ125,175,190により駆動することができる。
【0037】
基地局100、中継機150及び端末180と無線通信システム(ネットワーク)間の無線インターフェースプロトコルのレイヤーは、通信システムにおいて周知であるOSI(open system interconnection)モデルの下位の3つのレイヤーに基づいて第1のレイヤー(L1)、第2のレイヤー(L2)、及び第3のレイヤー(L3)に分類することができる。物理レイヤーは上記第1のレイヤーに属し、物理チャネルを通じて情報伝送サービスを提供する。RRC(Radio Resource Control)レイヤーは、上記第3のレイヤーに属し、端末180とネットワーク間の制御無線リソースを提供する。基地局100、中継機150及び端末180は、無線通信ネットワークとRRCレイヤーを通じてRRCメッセージを交換する。
【0038】
図2は、移動通信システムの一例である3GPP LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0039】
図2を参照すると、1無線フレーム(radio frame)は、10ms(327200T
s)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは、1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは、0.5ms(15360T
s)の長さを有する。ここで、T
sは、サンプリング時間を示し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
−8(約33ns)で表示される。スロットは、時間領域において複数のOFDMシンボルあるいはSC−FDMAシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block)を含む。
【0040】
LTEシステムにおいて、1リソースブロックは、12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルあるいはSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)シンボルを含む。データの伝送される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、1以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数またはサブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるOFDMシンボルあるいはSC−FDMAシンボルの数は、様々に変更可能である。
【0041】
図3A及び
図3Bはそれぞれ、移動通信システムの一例である3GPP LTEシステムにおけるダウンリンク及びアップリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0042】
図3Aを参照すると、一つのダウンリンクサブフレームは、時間領域において2個のスロットを含む。ダウンリンクサブフレーム内の1番目のスロットにおける先頭の最大3 OFDMシンボルが、制御チャネルが割り当てられる制御領域(control region)であり、残りOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられるデータ領域となる。
【0043】
3GPP LTEで用いられるダウンリンク制御チャネルは、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)などがある。サブフレームの1番目のOFDMシンボルで伝送されるPCFICHは、サブフレーム内で制御チャネルの伝送に用いられるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域のサイズ)に関する情報を運ぶ。PDCCHを通じて伝送される制御情報をダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)という。DCIは、アップリンクリソース割当情報、ダウンリンクリソース割当情報及び任意の端末グループに対するアップリンク伝送パワー制御命令などを指示する。PHICHは、アップリンクHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgement)/NACK(Not−Acknowledgement)信号を運ぶ。すなわち、端末の伝送したアップリンクデータに対するACK/NACK信号は、PHICH上で伝送される。
【0044】
以下、ダウンリンク物理チャネルであるPDCCHについて述べる。
【0045】
基地局は、PDCCHを通じて、PDSCHのリソース割当及び伝送フォーマット(これをDL grantともいう。)、PUSCHのリソース割当情報(これを、UL grantともいう。)、任意の端末グループ内の個別端末に対する伝送パワー制御命令の集合及びVoIP(Voice over Internet Protocol)の活性化などを伝送することができる。複数のPDCCHが制御領域内で伝送されることがあり、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、一つまたは複数の連続したCCE(Control Channel Elements)の組み合わせ(aggregation)で構成される。一つまたは複数の連続したCCEの組み合わせで構成されたPDCCHは、サブブロックインターリービング(subblock interleaving)を経た後に、制御領域を通じて伝送されることが可能である。CCEは、無線チャネルの状態に応じた符号化率をPDCCHに提供するために用いられる論理的割当単位である。CCEは、複数のリソース要素グループ(resource element group)に対応する。CCEの数及びCCEにより提供される符号化率の関係に従ってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。
【0046】
PDCCHを通じて伝送される制御情報を、ダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)という。下記の表1は、DCIフォーマットによるDCIを示す。
【0047】
【表1】
DCIフォーマット0は、アップリンクリソース割当情報を指示し、DCIフォーマット1〜2は、ダウンリンクリソース割当情報を指示し、DCIフォーマット3、3Aは、任意の端末グループに対するアップリンクTPC(transmit power control)命令を指示する。
【0048】
LTEシステムにおいて、基地局がPDCCHの伝送のためにリソースをマッピングする方案について簡単に説明する。
【0049】
一般に、基地局は、PDCCHを通じてスケジューリング割当情報及び他の制御情報を伝送することができる。物理制御チャネルは、一つの組み合わせ(aggregation)または複数個の連続した制御チャネル要素(CCE:Control Channel Element)で伝送することができる。一つのCCEは、9個のリソース要素グループ(Resource Element Group、REG)を含む。PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)またはPHICH(Physical Hybrid Automatic Repeat Request Indicator Channel)に割り当てられなかったREGの個数は、N
REGである。システムで利用可能なCCEは、0〜N
CCE−1である(ここで、
【0050】
【化1】
である)。PDCCHは、下記の表2に示すように、多重フォーマットを支援する。n個の連続CCEで構成された一つのPDCCHは、i mod n=0を行うCCEから始まる(ここで、iはCCE番号である)。多重PDCCHを一つのサブフレームで伝送することができる。
【0051】
【表2】
表2を参照すると、基地局は、制御情報などを送る領域の数に基づいてPDCCHフォーマットを決定することができる。端末は、CCE単位に制御情報などを読むことでオーバーヘッドを減らすことができる。同様に、中継機もR−CCE単位に制御情報などを読むことができる。LTE−Aシステムでは、任意の中継機のためのR−PDCCHを伝送するために、R−CCE(Relay−Control Channel Element)単位にリソース要素(Resource Element、RE)をマッピングすることができる。
【0052】
図3Bを参照すると、アップリンクサブフレームは、周波数領域において制御領域とデータ領域とに区別可能である。制御領域は、アップリンク制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)に割り当てられる。データ領域は、ユーザーデータを運ぶためのPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)に割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCH及びPUSCHを同時に伝送しない。一つの端末のためのPUCCHは、一つのサブフレームでRB対として割り当てられる。RB対に属するRBは、各2個のスロットで異なる副搬送波を占めている。PUCCHに割り当てられたRB対は、スロット境界(slot boundary)で周波数ホッピングする。
【0053】
図4は、本発明で用いられるダウンリンクの時間−周波数リソース格子構造(resource grid structure)を示す図である。
【0054】
各スロットで伝送されるダウンリンク信号は、
【0055】
【化2】
の副搬送波(subcarrier)と
【0056】
【化3】
のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルで構成されるリソース格子(resource grid)構造を用いる。ここで、
【0057】
【化4】
は、ダウンリンクでのリソースブロック(RB:Resource Block)の個数を示し、
【0058】
【化5】
は、一つのRBを構成する副搬送波の個数を示し、
【0059】
【化6】
は、一つのダウンリンクスロットにおけるOFDMシンボルの個数を示す。
【0060】
【化7】
のサイズは、セル内で構成されたダウンリンク伝送帯域幅によって異なり、
【0061】
【化8】
を満たさなければならない。ここで、
【0062】
【化9】
は、無線通信システムが支援する最小のダウンリンク帯域幅であり、
【0063】
【化10】
は、無線通信システムが支援する最大のダウンリンク帯域幅である。
【0065】
【化12】
でよいが、これに限定されるものではない。一つのスロット内に含まれたOFDMシンボルの個数は、巡回プレフィックス(CP:Cyclic Prefix)の長さ及び副搬送波の間隔によって異なることがある。多重アンテナ伝送の場合に、一つのアンテナポート当たりに一つのリソース格子を定義することができる。
【0066】
各アンテナポートに対するリソース格子内の各要素は、リソース要素(RE:Resource Element)と呼ばれ、スロット内のインデックス対(k,l)により唯一に識別される。ここで、kは、周波数領域でのインデックスであり、lは、時間領域でのインデックスであり、
【0067】
【化13】
のいずれか一つの値を有し、
【0068】
【化14】
のいずれか一つの値を有する。
【0069】
図4に示すリソースブロックは、ある物理チャネルとリソース要素間のマッピング(mapping)関係を記述するために用いられる。RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)と仮想リソースブロック(VRB:Virtual Resource Block)とに区別される。一つのPRBは、時間領域の
【0070】
【化15】
の連続したOFDMシンボルと周波数領域の
【0071】
【化16】
の連続した副搬送波とで定義される。ここで、
【0072】
【化17】
は、あらかじめ決定された値でよい。例えば、
【0073】
【化18】
は、下記の表1のように与えることができる。そのため、一つのPRBは、
【0074】
【化19】
のリソース要素で構成される。一つのPRBは、時間領域では一つのスロットに対応し、周波数領域では180kHzに対応するが、これに限定されるものではない。
【0076】
【化20】
の値を有する。周波数領域におけるPRBナンバー(number)n
PRBと一つのスロット内におけるリソース要素(k,l)との関係は
【0078】
VRBのサイズはPRBのサイズと同一である。VRBは、ローカル型VRB(Localized VRB、LVRB)と分散型VRB(Distributed VRB、DVRB)とに分類可能である。各タイプのVRBについて、一つのサブフレーム内の2つのスロットにおける1対のVRBは、単一のVRBナンバーn
VRBが共に割り当てられる。
【0079】
VRBはPRBと同じサイズを有することができる。2タイプのVRBが定義されるが、第一のタイプはローカル型VRB(Localized VRB、LVRB)であり、第二のタイプは分散型VRB(Distributed VRB、DVRB)である。各タイプのVRBについて、一対(pair)のVRBが単一のVRBインデックス(以下、VRBナンバー(number)と呼ぶこともできる。)で1サブフレームの2個のスロットにわたって割り当てられる。言い換えると、一つのサブフレームを構成する2個のスロットのうち、第1のスロットに属する
【0081】
【化23】
のいずれか一つのインデックス(Index)を割り当てられ、上の2個のスロットのうちの第2のスロットに属する
【0082】
【化24】
のVRBも同様、それぞれ、
【0083】
【化25】
のいずれか一つのインデックスを割り当てられる。
【0084】
以下、一般の多重アンテナ(MIMO)技術を概略的に説明する。MIMOとは、「Multi−Input Multi−Output」の略語で、1個の送信アンテナと1個の受信アンテナを使用した既存の方法から脱皮し、多重送信アンテナ及び多重受信アンテナを採択することで送受信データ効率を向上させることができる方法のことをいう。すなわち、無線通信システムの送信端あるいは受信端において多重アンテナを用いて容量増大あるいは性能改善を図る技術のことをいう。以下では、「MIMO」を「多重アンテナ」と称するものとする。
【0085】
多重アンテナ技術とは、一つの全体メッセージを受信するために単一アンテナ経路に依存せずに、複数のアンテナから受信されたデータ断片を一つに集めて完成する技術を応用したものを指す。これにより、特定範囲でデータ伝送速度を向上させたり、特定データ伝送速度に対してシステム範囲を増加させたりできる。
【0086】
次世代移動通信は、既存の移動通信に比べて遥かに高いデータ伝送率を要求することから、効率的な多重アンテナ技術が必須になると予想される。このような状況で、MIMO通信技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く用いることができる次世代移動通信技術であり、かつデータ通信の拡大などによる限界状況に達した移動通信の伝送量限界を克服できる技術として関心を集めている。
【0087】
一方、現在研究されている様々な伝送効率向上技術のうち、送受信端の両方に多数のアンテナを用いる多重アンテナ(MIMO)技術は、追加の周波数の割当や電力増加なしにも通信容量及び送受信性能を画期的に向上させることができる方法として現在最も注目を受けている。
【0088】
図5は、一般の多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成図である。
【0089】
図5に示すように、送信アンテナの数をN
T個、受信アンテナの数をN
R個と同時に増やすと、送信器や受信器のいずれか一方でのみ多数のアンテナを用いる場合とは違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル伝送容量が増加するので、伝送レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル伝送容量の増加による伝送レートは、一つのアンテナを用いる場合における最大伝送レート(R
o)に、下記のようなレート増加率(R
i)が掛けられた分だけ理論的に増加することができる。レート増加率(R
i)は、下記の数学式1のように示すことができる。
【0090】
【数1】
上述したような多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するために数学的にモデリングすると、下記のように示すことができる。
【0091】
まず、
図5に示すように、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在するとしよう。
【0092】
まず、送信信号について説明すると、同図のようにN
T個の送信アンテナがある場合に、最大伝送可能な情報はN
T個であるから、これを下記の数学式2のようなベクトルで示すことができる。
【0094】
【化26】
において伝送電力を異ならせることができ、この場合、それぞれの伝送電力を
【0095】
【化27】
とすれば、伝送電力の調整された伝送情報は、下記の数学式3のようなベクトルで示すことができる。
【0097】
【化28】
を伝送電力の対角行列Pを用いて下記の数学式4のように示すことができる。
【0098】
【数4】
一方、伝送電力の調整された情報ベクトルは、以降、重み行列Wが掛けられて、実際に伝送されるN
T個の伝送信号
【0099】
【化29】
を構成する。ここで、重み行列は、伝送情報を伝送チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。このような伝送信号
【0100】
【化30】
を、ベクトルxを用いて、下記の数学式5のように示すことができる。
【0101】
【数5】
上記の数学式5で、w
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の伝送情報間の重み値を表し、Wは、それを行列で表したものである。このような行列Wを重み行列(Weight Matrix)またはプリコーディング行列(Precoding Matrix)と呼ぶ。
【0102】
一方、上述のような伝送信号(x)は、空間ダイバーシティを用いる場合と空間マルチプレクシングを用いる場合とに分けて考えることができる。
【0103】
空間マルチプレクシングを用いる場合は、異なる信号を多重化して送るから、情報ベクトルsの元素がいずれも異なる値を有する反面、空間ダイバーシティを用いる場合は、同じ信号を複数のチャネル経路を通じて送るから、情報ベクトルsの元素はいずれも同一の値を有することとなる。
【0104】
もちろん、空間マルチプレクシングと空間ダイバーシティとを混合する方法も考慮することができる。すなわち、例えば、3個の送信アンテナを通じて同一の信号を空間ダイバーシティを用いて伝送し、残りは、それぞれ異なる信号を空間マルチプレクシングして送る場合も考慮することができる。次に、受信信号については、N
R個の受信アンテナがある場合に、各アンテナの受信信号
【0105】
【化30-1】
を、ベクトルyを用いて、下記の数学式6のように示すことができる。
【0106】
【数6】
一方、多重アンテナ通信システムにおけるチャネルをモデリングする場合に、チャネルは送受信アンテナインデックスによって区別でき、送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルをh
ijと表示するとする。ここで、h
ijのインデックスの順序が、受信アンテナインデックスが先で、送信アンテナのインデックスが後ろであることに留意されたい。このようなチャネルは、複数個を一つにまとめてベクトル及び行列の形態で表示することも可能である。ベクトル表示を例にとって説明すると、下記の通りである。
【0107】
図6は、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す図である。
【0108】
図6に示すように、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、下記の数学式7のように表現可能である。
【0109】
【数7】
また、上記の数学式7のような行列表現を用いて、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナを経るチャネルの全てを、下記の数学式8のように示すことができる。
【0110】
【数8】
一方、実際のチャネルは、上記のようなチャネル行列Hを経た後に、白色雑音(AWGN:Additive White Gaussian Noise)が加えられるので、N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音
【0111】
【化30-2】
をベクトルで表現すると、下記の数学式9の通りである。
【0112】
【数9】
上述の伝送信号、受信信号、チャネル及び白色雑音のモデリングを通じて、多重アンテナ通信システムにおけるそれぞれは、下記の数学式10のような関係により示すことができる。
【0113】
【数10】
一方、チャネルの状態を示すチャネル行列Hの行(row)と列(column)の数は、送受信アンテナ数によって決定される。チャネル行列Hにおいて、上述したように、行の数は受信アンテナの数N
Rと同一になり、列の数は送信アンテナの数N
Tと同一になる。すなわち、チャネル行列Hは、N
R×N
Tの行列となる。
【0114】
一般に、行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行または列の個数のうちの最小の個数と定義される。そのため、行列のランクは、行または列の個数よりも大きくなることがない。例えば、数式的には、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、下記の数学式11のように制限される。
【0115】
【数11】
移動通信システムにおいて、送信端が受信端へパケット(あるいは信号)を伝送する時に、送信端が伝送するパケットは無線チャネルを通じて伝送されるため、伝送過程で信号の歪みが発生することがある。このように歪まれた信号を受信端で正しく受信するために、受信端は、チャネル情報を検出し、該チャネル情報に基づいて受信信号において歪みを補正することによって、正しい信号を受信することができる。このようにチャネルの情報を検出するためには、送信端と受信端の両方とも知っている信号を伝送する必要がある。すなわち、受信端で知っている信号がチャネルを通じて受信される時に、該信号の歪み度合をもってチャネルの情報を検出する方法を主に用いるが、この送信側と受信側の両方とも知っている信号を、参照信号またはパイロット信号(Pilot Signal)という。
【0116】
従来は、送信端が受信端にパケットを伝送する時に、1個の送信アンテナと1個の受信アンテナを使用してきた。しかし、最近の大部分の移動通信システムでは、多重送信アンテナと多重受信アンテナを採択し、送受信データ効率を向上させる方法を用いている。移動通信システムの送信端あるいは受信端で容量増大、通信性能を改善するために多重アンテナを用いてデータを送受信する場合に、各送信アンテナ別に異なる参照信号が存在する。受信端は、知っている各送信アンテナ別参照信号を用いて、各送信アンテナからの信号を正しく受信することができる。
【0117】
移動通信システムにおいて参照信号はその目的によって2種類に大別することができる。参照信号には、チャネル情報獲得のためのものと、データ復調のために用いられるものとがある。前者は、端末がダウンリンクのチャネル情報を獲得できるようにするためのものであるから、広帯域に伝送される必要があり、かつ、特定サブフレームでダウンリンクデータを受信しない端末であっても、その参照信号を受信し測定可能でなければならない。また、このようなチャネル測定用参照信号は、ハンドオーバーの測定などのためにも用いることができる。後者は、基地局がダウンリンク信号を伝送する時に、該当のリソースで共に送る参照信号であって、端末は、当該参照信号を受信することによってチャネル推定ができ、よって、データを復調可能になる。このような復調用参照信号は、データの伝送される領域で伝送されなければならない。
【0118】
図7(a)及び
図7(b)は、移動通信システムの一例である3GPP LTEシステムにおける参照信号パターンを示す図であり、
図7(a)は、一般CP(Cyclic Prefix)が適用された場合の参照信号パターンを示し、
図7(b)は、拡張されたCPが適用された場合の参照信号パターンを示す。
【0119】
移動通信システムの一例である3GPP LTE release−8システムでは、ユニキャストサービス(unicast service)のために2種類のダウンリンク参照信号が定義されている。チャネル状態に関する情報の獲得及びハンドオーバーなどの測定などに用いられる共通参照信号(Common Reference Signal、CRS)と、データ復調のために用いられる専用参照信号(Dedicated Reference Signal、DRS)(端末−特定(UE−specific)参照信号に該当する。)と呼ばれる2種類の参照信号がある。LTE release−8システムで端末−特定(UE−specific)参照信号は、データ復調用にのみ用いられ、CRSは、チャネル情報の獲得及びデータ復調といった2つの目的に用いられる。このCRSは、セル−特定(cell−specific)参照信号であり、基地局は広帯域(wideband)にわたって毎サブフレームごとにCRSを伝送する。セル−特定(Cell−specific)CRSは、基地局の伝送アンテナの個数によって最大4個のアンテナポートに対する参照信号が伝送される。
【0120】
図7(a)及び
図7(b)に示すように、4個のアンテナポートに対するCRS(1,2,3,4)(それぞれ、アンテナポート別の参照信号であるR0,R1,R2,R3を表す。)は、1RBにおいて時間−周波数リソースが重ならないようにして割り当てられる。LTEシステムでCRSが時間−周波数リソースにマッピングされる時に、周波数軸で一つのアンテナポートに対する参照信号は、6 RE(Resource Element)間隔にマッピングされて伝送される。1 RBが周波数軸で12個のREで構成されているので、一つのアンテナポートに対するREは、1 RB当たりに2 REが用いられる。
【0121】
図7(a)及び
図7(b)に示すように、DRS(「D」と表示されている。)は、PDSCHの単一−アンテナポート伝送のために支援される。端末は、上位層から端末−特定(UE−specific)RSが存在するか否かに関する情報などを受信することができる。データ復調が必要な場合は、端末−特定(UE−specific)RSがリソース要素を通じて端末に伝送される。一方、リソースブロック(RB)へのRSマッピング規則は、下記の数学式12乃至数学式14のように示すことができる。下記の数学式12は、CRSマッピング規則を示すためのものである。そして、数学式13は、一般CPが適用されるDRSのマッピング規則を示すためのものであり、数学式14は、拡張されたCPが適用されるDRSのマッピング規則を示すためのものである。
【0124】
【数14】
上記の数学式12乃至数学式14で、k及びpはそれぞれ、副搬送波インデックス及びアンテナポートを表す。
【0125】
【化31】
はそれぞれ、ダウンリンクに割り当てられたRBの数、スロットインデックスの数、セルIDの数を表す。RSの位置は、周波数ドメイン観点でV
shift値によって異なってくる。
【0126】
次世代移動通信システムの標準である3GPP LTE−Aシステムでは、データ伝送率の向上のために、既存システムでは支援しなかったCoMP(Coordinated Multi Point)方式、マルチユーザ−MIMO(MU−MIMO)方式を支援すると予想される。ここで、CoMPシステムは、陰影地域に位置している端末及び基地局(セルまたはセクター)間の通信性能を向上させるために、2以上の基地局あるいはセルが互いに協力して端末と通信するシステムのことをいう。
【0127】
CoMP方式は、データ共有を通じた協力的MIMO形態のジョイントプロセシング(CoMP−Joint Processing、CoMP−JP)と、協力スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP−Coordinated Scheduling/beamforming、CoMP−CS/CB)方式とに区別することができる。
【0128】
ダウンリンクにおいて、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式によれば、端末は、CoMPを行う各基地局からデータを瞬間的に同時に受信することができ、各基地局から受信した信号を結合して受信性能を向上させることができる。これに対して、協力スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS)によれば、端末は、ビームフォーミングによりデータを瞬間的に一つの基地局から受信することができる。
【0129】
アップリンクでは、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式によれば、各基地局は、端末からPUSCH信号を同時に受信することができる。一方、協力スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS)によれば、一つの基地局のみがPUSCHを受信する。この時、協力スケジューリング/ビームフォーミング方式を用いるとの決定は、協力セル(あるいは基地局)により決定される。
【0130】
MU−MIMO技術は、基地局が各アンテナリソースを、異なる端末に割り当てる方式を指し、アンテナ別に高速データ伝送率が可能な端末を選択してスケジューリングする。このようなMU−MIMO方式は、システム処理率(system throughput)を向上させることができる。
【0131】
図8は、SRSシンボルを含むアップリンクサブフレーム構成の一例を示す図である。
【0132】
図8を参照すると、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal、SRS)は、アップリンクデータ及び/または制御情報の伝送とは関連がなく、主にアップリンク上で周波数−選択的スケジューリングが可能なようにチャネル品質を評価するのに用いられる。しかし、SRSは、近年、スケジューリングされていない端末に対しては、様々な機能を提供したり、電力制御を向上させたりするなどの他の目的にも用いられている。SRSは、アップリンクチャネル測定に用いられる参照信号、すなわち、各端末が基地局に伝送するパイロット信号であって、各端末から基地局までのチャネル状態を基地局が推定するのに用いられる。SRSを伝送するチャネルは、各端末状態に応じて各端末ごとに異なる伝送帯域幅及び伝送周期を有することができる。チャネル推定結果に基づいて、基地局は毎サブフレームごとに、ある端末のデータチャネルをスケジューリングするか否かを決定することができる。
【0133】
無線チャネルはアップリンク及びダウンリンク間に相互的関係(reciprocal)有するという仮定下で、SRSを、ダウンリンクチャネル品質を推定するのに用いることができる。
このような仮定は、アップリンクとダウンリンクが同じ周波数領域を共有し、時間領域では分離された時間分割デュプレックス(Time Division Duplex、TDD)システムにおいて有効である。セル内の端末によりSRSが伝送されるサブフレームは、セル−特定(cell−specific)放送シグナリングにより指示することができる。4ビットサイズのセル−特定‘srssubframeConfiguration’パラメータが、各無線フレーム内でSRSが伝送されうる15個の可能なサブフレームセットを指示する。このような構成は、SRSオーバーヘッドの調整において柔軟性を提供する。
図9に示すように、端末は、構成されたサブフレームにおいて最後のSC−FDMAシンボルを通じてSRSを伝送することができる。
【0134】
そのため、SRS及びデータ復調用参照信号(DeModulation−Reference Signal、DM−RS)は、サブフレームにおいて異なるSC−FDMAシンボルに位置する。同じサブフレームの最後のSC−FDMAで伝送される複数の端末のサウンディング参照信号は、周波数位置によって区別可能である。端末のPUSCHデータは、SRSのために設計されたSC−FDMAシンボルを通じては伝送されず、最悪の場合は、毎サブフレームごとにSRSシンボルを有することから、7%のサウンディングオーバーヘッドが生じることもある。
【0135】
SRSは、CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto Correlation)シーケンスなどにより生成され、複数の端末から伝送されたサウンディング参照信号は、下記の数学式15による異なる巡回シフト(cyclic shift)値(α)を有するCAZACシーケンス
【0137】
【化33】
は、SRSシーケンスである。
【0139】
【化34】
は、上位層によって各端末に設定される値を表し、0〜7の整数値を有する。一つのCAZACシーケンスから巡回シフトにより生成されたCAZACシーケンスはそれぞれ、自身と異なる巡回シフト値を有するシーケンスと零の相関値(zero−correlation)を有する特性がある。このような特性を用いて、同じ周波数領域におけるSRSは、CAZACシーケンス巡回シフト値によって区別可能である。各端末のSRSは、基地局で設定するパラメータに基づいて周波数上に割り当てられる。端末は、アップリンクデータ伝送帯域幅全体を通じてSRSを伝送できるように、サウンディング参照信号の周波数ホッピング(hopping)を行う。
【0140】
以下、中継機のタイプについて説明する。中継機の帯域(またはスペクトル)の使用について、バックホールリンクがアクセスリンクと同じ周波数帯域で動作する場合を「イン−バンド(in−band)」といい、バックホールリンクとアクセスリンクとが異なる周波数帯域で動作する場合を「アウト−バンド(out−band)」という。イン−バンド及びアウト−バンドのいずれにおいても、既存のLTEシステム(例えば、リリース−8)に基づいて動作する端末がドナーセルに接続できるようにしなければならない。
【0141】
端末で中継機を認識するか否かによって、中継機を、トランスペアレント(transparent)中継機とノン−トランスペアレント(non−transparent)中継機とに分類することができる。トランスペアレントは、端末が中継機を介してネットワークと通信するか否かを認知できない場合を意味し、ノン−トランスペアレントは、端末が中継機を介してネットワークと通信するか否かを認知する場合を意味する。
【0142】
中継機の制御と関連して、ドナーセルの一部として構成される中継機、または自律でセルを制御する中継機とに区別することができる。
【0143】
ドナーセルの一部として構成される中継機は、中継機識別子(ID)を有することはできるが、中継機自身のセル識別子(identity)を有しない。ドナーセルの属する基地局によってRRM(Radio Resource Management)の少なくとも一部が制御されると、(RRMの残りの部分は中継機に位置しても)ドナーセルの一部として構成される中継機とする。好ましくは、このような中継機はレガシー端末を支援することができる。かかる中継機には、例えば、スマートリピータ(Smart repeaters)、デコード−アンド−フォワード中継機(decode−and−forward relays)、L2(第2の層)中継機の様々な種類及びタイプ−2中継機がある。
【0144】
自律でセルを制御する中継機の場合に、中継機は一つまたは複数のセルを制御し、中継機により制御されるセルのそれぞれに固有の物理層セル識別子が提供され、同じRRMメカニズムを用いることができる。端末にとっては、中継機によって制御されるセルにアクセスすることと、一般基地局により制御されるセルにアクセスすることとに、相違点がない。好ましくは、このような中継機により制御されるセルは、レガシー端末を支援することができる。かかる中継機には、例えば、セルフ−バックホーリング(Self−backhauling)中継機、L3(第3層)中継機、タイプ−1中継機及びタイプ−1a中継機がある。
【0145】
タイプ−1中継機は、イン−バンド中継機であり、複数個のセルを制御し、これら複数個のセルのそれぞれは、端末にとっては、ドナーセルと区別される別個のセルとして見える。また、複数個のセルは、各自の物理セルID(LTEリリース−8で定義する。)を有し、中継機は自身の同期化チャネル、参照信号などを伝送することができる。単一−セル動作の場合に、端末は中継機から直接スケジューリング情報及びHARQフィードバックを受信し、かつ、中継機に自身の制御チャネル(スケジューリング要請(SR)、CQI、ACK/NACKなど)を伝送することができる。なお、レガシー端末(LTEリリース−8システムに基づいて動作する端末)にとって、タイプ−1中継機はレガシー基地局(LTEリリース−8システムに基づいて動作する基地局)として見える。すなわち、後方互換性(backward compatibility)を有する。一方、LTE−Aシステムに基づいて動作する端末には、タイプ−1中継機がレガシー基地局とは異なる基地局として見え、性能向上を提供することができる。
【0146】
タイプ−1a中継機は、アウト−バンドで動作する以外は、前述のタイプ−1中継機と同様の特徴を有する。タイプ−1a中継機の動作は、L1(第1の層)動作に対する影響が最小化するようにまたはないように構成することができる。
【0147】
タイプ−2中継機は、イン−バンド中継機であり、別途の物理セルIDを有さず、よって、新しいセルを形成しない。タイプ−2中継機は、レガシー端末にトランスペアレントであり、レガシー端末はタイプ−2中継機の存在が認知できない。タイプ−2中継機は、PDSCHを伝送することができるが、少なくともCRS及びPDCCHは伝送しない。
【0148】
一方、中継機がイン−バンドで動作するようにするために、時間−周波数空間での一部リソースをバックホールリンク(Un)のために予備しておかなければならず、このリソースは、アクセスリンク(Uu)のためには用いられないように設定することができる。これを、リソース分割(resource partitioning)という。
【0149】
中継機でのリソース分割における一般的な原理は、次のように説明することができる。バックホールダウンリンク及びアクセスダウンリンクを一つの搬送波周波数上で時間分割多重化(Time Division Multiplexing;TDM)方式で多重化することができる(すなわち、特定時間でバックホールダウンリンクまたはアクセスダウンリンクのいずれかのみが活性化される)。同様に、バックホールアップリンク及びアクセスアップリンクを一つの搬送波周波数上でTDM方式で多重化することができる(すなわち、特定時間でバックホールアップリンクまたはアクセスアップリンクのいずれかのみが活性化される)。
【0150】
FDDでのバックホールリンク多重化は、バックホールダウンリンク伝送はダウンリンク周波数帯域で行われ、バックホールアップリンク伝送はアップリンク周波数帯域で行われるものと説明することができる。TDDでのバックホールリンク多重化は、バックホールダウンリンク伝送は基地局と中継機とのダウンリンクサブフレームで行われ、バックホールアップリンク伝送は基地局と中継機とのアップリンクサブフレームで行われるものと説明することができる。
【0151】
イン−バンド中継機の場合に、例えば、所定の周波数帯域で基地局からのバックホールダウンリンク受信と端末へのアクセスダウンリンク伝送が同時になされると、中継機の送信端から伝送される信号が中継機の受信端に受信されることがあり、そのため、中継機のRF前端(front−end)で信号干渉またはRFジャミング(jamming)が発生することがある。同様に、所定の周波数帯域で端末からのアクセスアップリンクの受信と基地局へのバックホールアップリンクの伝送が同時になされると、中継機のRF前端で信号干渉が発生することがある。そのため、中継機で一つの周波数帯域を通じた同時送受信を可能するためには、受信信号と送信信号間に十分な分離(例えば、送信アンテナと受信アンテナとを地理的に十分に離間して(例えば、地上/地下に)設置する。)を提供しなければならない。
【0152】
このような信号干渉の問題を解決する一案として、中継機がドナーセルから信号を受信する間には端末に信号を伝送しないように動作させることがある。すなわち、中継機から端末への伝送にギャップ(gap)を置き、このギャップ中には端末(レガシー端末も含む。)が中継機からのいかなる伝送も期待しないように設定することができる。このようなギャップは、MBSFN(Multicast Broadcast Single Frequency Network)サブフレームを構成することによって設定することができる。
【0153】
本発明で基地局と中継機間のバックホールリンクに該当するサブフレームをバックホールサブフレームまたはUnサブフレームと呼び、中継機と端末間のアクセスリンクに該当するサブフレームをアクセスサブフレームまたはUuサブフレームなどと呼ぶものとする。しかし、このような呼称に制限されることはない。
【0154】
以下では、本発明の一実施例として、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)プロセス(process)の数をシグナリングする方法、及びHARQプロセスの数を決定する方法の様々な実施例について説明する。まず、基地局がHARQプロセスの数をシグナリングする方法を説明する。このような基地局のHARQプロセスの数の決定、HARQプロセスの数のシグナリング内容は、中継機の他、端末にも適用可能である。すなわち、LTE−AシステムにおいてPDCCHの拡張バージョン(enhancement version)としてAdvanced PDCCH概念を導入することによって、基地局及び端末間のHARQプロセス動作にも適用可能になったことを明らかにされたい。ただし、一例として、LTE−Aシステムで導入の確定された中継機と基地局間のHARQプロセス動作についてより具体的に説明する。
【0155】
HARQプロセスの数は、バックホールサブフレームのうち、バックホールサブフレームに利用できないサブフレーム(例えば、MBSFNサブフレームを構成(configuration)できないバックホールサブフレームなど)以外の、残りの利用可能なバックホールサブフレームを基準に計算される必要がある。このようにHARQプロセスの個数は、基地局がRRCシグナリングで知らせたり、中継機または端末が直接計算したり、下記の表4のように、事前にHARQプロセスの個数とそれに対応する利用可能なバックホールサブフレームを指示するビットマップを定義し、基地局と中継機及び端末間に共有していればよい。
【0156】
【表4】
表4を参照すると、中継機でのHARQプロセスの数を、基地局及び中継機間の伝送のために構成されたサブフレームによって決定する。例えば、FDDフレーム構造(Frame structure type 1)に対して、HARQプロセスの数を、パラメータSubframeConfigurationFDDの8ビットのビットマップを表す2進数に対応する10進数値によって決定することができる。このような表4を基地局と中継機は事前に共有していることが可能である。HARQプロセスは、基地局及び中継機間の伝送のために構成されたサブフレームで連続して割り当てることができる。
【0157】
バックホールサブフレームに利用できない例として、MBSFNサブフレームを構成(configuration)できないバックホールサブフレームを挙げているが、より多種多様な利用できないバックホールサブフレームが存在し、これについては後述する。
【0158】
基地局は、中継機が現在動作中のHARQプロセスの数(N)を把握できるようにするための一方法として、基地局が上位層シグナリングを通じて中継機に知らせる方法を提案する。中継機は、特定時点で基地局から上位層シグナリングを通じて受信したHARQプロセスの数(N)値を用いて、自身が再伝送すべきアップリンクデータが、既存のどのサブフレームで伝送したアップリンクデータであるか把握することができる。このような方法は、中継機の初期伝送の後に再伝送状況が発生した場合に、再伝送するまでにかかる時間(RTT)が可変的であり、可変RTTであっても、実際に運用されるHARQプロセスの数またはそれ以外の情報を用いて可変RTT値を把握できるようにするという長所がある。
【0159】
以下の説明では、アップリンクとダウンリンクのバックホールサブフレームの個数が同一に割り当てられており、基地局が、インデックスnのサブフレーム(すなわち、サブフレームn)でUL grantを伝送すると、これに対して、中継機がインデックスn+4のサブフレーム(すなわち、サブフレームn+4)でアップリンクデータを伝送するとしよう。
【0160】
図9は、基地局と中継機間のHARQプロセス動作を説明するためのフレーム構造の一例を示す図である。
【0161】
図9で斜線で塗り付けた部分の領域は、バックホールサブフレームと割り当てられたサブフレームである。基地局がアップリンクデータを正しく受信できなかった場合に、中継機は、基地局が受信できなかったアップリンクデータに対するダウンリンクNACK信号が、ダウンリンクサブフレームのうちのいずれのサブフレームで伝送されるかを把握するために、N値を用いることができる。もし、N=3(すなわち、HARQプロセスの数が3)であり、UL grantを伝送したサブフレームn後の3番目のダウンリンクサブフレーム(ダウンリンクバックホールリソースとして割り当てられたサブフレームのみを考慮してインデクシングするケースに該当する。)でNACK信号が伝送されると仮定する。基地局がサブフレームnでUL grantを伝送すると、これに対して中継機はサブフレームn+4でアップリンクデータを伝送するが、基地局がこれを受信できない場合に、中継機アップリンクサブフレームn+4で伝送したアップリンクデータを再伝送する必要がある。この時、中継機がアップリンクデータをサブフレームn+14で再伝送するが、再伝送すべきアップリンクデータはN(
図9ではN=3)サブフレーム前(すなわち、アップリンクバックホールと割り当てられたサブフレームの数を基準に)であるサブフレームn+4で初期伝送に失敗したデータに対する再伝送である。ダウンリンクも同様の方式により、中継機がアップリンクサブフレームn+4で初期伝送したアップリンクデータに対して、基地局がこれを正しく受信できないと、サブフレームnを基準にN(
図9ではN=3)番目の後に割り当てられたバックホールサブフレーム(すなわち、サブフレームn+10)で中継機にNACK信号を伝送すると仮定する。
【0162】
基地局がHARQプロセスの数(N)を上位層シグナリングで知らせる場合に、中継機は、非常に簡単な方式で、自身に割り当てられたプロセスID(Identifier)に対応するサブフレーム位置を把握できる。もし、基地局がN値を明示的に中継機にシグナリングしないとすれば、中継機のプロセッサ175は、最小HARQ RTTウィンドウ内に存在するダウンリンクサブフレームの数の最大値を基準にN値を推定することになる。しかし、このような方法は、多数のサブフレームにわたってウィンドウ検索を行わねばならず、面倒である。
【0163】
HARQプロセス(N)値は、HARQプロセスIDを検出できるような手段であるから、基地局は、N値をダウンリンクバックホールサブフレーム割当に用いる上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)と同じタイミングに伝送することが好ましい。また、基地局は、HARQプロセス数(N)値をダウンリンクバックホールサブフレーム割当のためのシグナリングの一部分に含めて共に伝送してもよい。そのため、ダウンリンク/アップリンクサブフレーム割当パターンの変化がある場合に限ってHARQプロセスの数が変化するという点を考慮すると、基地局は、ダウンリンク/アップリンクバックホールサブフレーム割当情報とN値を共に中継機に伝送することが好ましいといえる。
【0164】
または、イベントトリガリング(event triggering)方式により、ダウンリンク/アップリンクバックホールサブフレーム割当の変化がないと、基地局がN値をシグナリングしなかったり、または、Nビットフィールドまたは別のビットを用いてN値の変わらなかった事実のみを簡単に知らせることができる。もちろん、前述したように、基地局がダウンリンク/アップリンクバックホールサブフレームが変化する場合にのみN値をシグナリングする方法も可能である。ダウンリンク/アップリンクバックホールサブフレーム割当パターンが変わる場合にのみN値を伝送する場合には、基地局がN値のシグナリング情報を別途に設計することも可能である。
【0165】
以上、
図9と関連して説明したHARQプロセス動作に対して、既存のサブフレームインデックスの他に、仮想インデックス(virtual index)概念を、基地局と中継機間のバックホールリンク(Un linkという、以下ではUnリンクとも略称する。)に導入すると、アップリンクグラント伝送タイミング及びアップリンクデータ再伝送タイミングをより明確に説明することができる。ここで、仮想サブフレームインデックス(virtual subframe index)(または、仮想インデックス)は、Unリンク(バックホールリンク)に割り当てられたサブフレームにのみ順次に割り当てられるサブフレームインデックスであって、ダウンリンクstand aloneサブフレームが存在する場合であっても、UL grantと伝送でペアリングされる(paired)アップリンク/ダウンリンクペアリングされたサブフレームに対してのみ仮想サブフレームインデックスを定義したものである。すなわち、ダウンリンクstand aloneサブフレームは仮想サブフレームインデックスを定義するのに含めない。そのため、ダウンリンクstand aloneサブフレームは、HARQプロセス動作と関連して新しく指定され、管理される必要がある。
【0166】
図9に示すフレーム構造に基づいて、ダウンリンク仮想サブフレームインデックスとアップリンク仮想サブフレームインデックスをそれぞれ、下記の表5(Virtual index value in Un DL subframe)と表6(Virtual index value in Un UL subframe)のように示すことができる。両仮想サブフレームインデックスは、n’という表記を共有するが、ダウンリンクか、またはアップリンクかによって解釈を異にしているということが特徴である。ダウンリンクについては下記の表5に示し、アップリンクについては下記の表6に示す。
【0168】
【表6】
前述した仮想インデックスn’を用いて説明する。基地局は、Un UL grantをダウンリンク仮想インデックス0で伝送し、中継機はこれを受信する。このUn UL grantに対応して中継機は、アップリンク仮想インデックス0でアップリンクデータを伝送することができる。もし、再伝送状況が発生する場合に、基地局は、アップリンク再伝送grantをダウンリンク仮想インデックス3で伝送できる(N=3と仮定した場合)。これに対する中継機のアップリンク再伝送は、アップリンク仮想インデックス3で発生するようになる。ここで、ダウンリンク仮想インデックス0はダウンリンクサブフレームインデックス0(すなわち、n=0)を示し、アップリンク仮想インデックス0はアップリンクサブフレームインデックス4を示す。
【0169】
このような概念をより一般的に表現すると、仮想インデックスn’で伝送された中継機のアップリンク伝送に対して、中継機のアップリンク再伝送は仮想インデックスn’+Nでなされ、ここで、NはUnアップリンクHARQプロセスの個数を意味する。より具体的に説明すると、アップリンク伝送に対する再伝送grantは、基地局がダウンリンク仮想インデックス(n’+N)で伝送し、これに対応して中継機は、アップリンク再伝送をアップリンク仮想インデックスn’+Nで行うことができる。
【0170】
上述したように、HARQプロセスのダウンリンク/アップリンクペアリングされたサブフレームに対してのみ定義される仮想インデックスを定義して用いることによって、各アップリンクバックホールサブフレーム(UL Un subframe)で初期伝送されたデータに対する再伝送grantを受信するダウンリンクサブフレームインデックス(あるいは、再伝送が実行されるアップリンクサブフレームインデックス)を簡単に規定することが可能になる。このように、仮想インデックス概念を導入すると、HARQプロセスの管理や利用が簡便になる。
【0171】
上記の表5及び表6に用いられた仮想インデックスn’=0は一例に過ぎず、仮想インデックスn’=0を定める基準位置は、無線フレームまたは無線サブフレームの整数倍にしてもよい。または、バックホールサブフレームを指定するMBSFNシグナリング周期を考慮して、40ms(4無線フレーム)ごとにn’=0を設定することもできる。
【0172】
次に、非対称バックホールサブフレーム割当に対するダウンリンクgrant stand aloneサブフレームを考慮する方案を説明する。
【0173】
図10は、基地局と中継機間のHARQプロセス動作を説明するためのダウンリンクgrant stand aloneサブフレームを含むフレーム構造の一例を示す図である。
【0174】
図10に示すように、フレーム構造においてダウンリンクstand−aloneサブフレームが割り当てられた場合には、上の
図9で説明した方式を適用するにあって注意が要される。すなわち、中継機のプロセッサ175は、HARQプロセスの数(N)値を用いて同一のHARQプロセスIDを持つサブフレームを決定する時に、ダウンリンクstand−aloneサブフレームは除外して計算する必要がある。すなわち、割り当てられたバックホールサブフレームのうちダウンリンクstand−aloneサブフレームはインデクシングから除外して計算する必要がある。
【0175】
図10で、ダウンリンクサブフレームn+9はダウンリンクstand−aloneサブフレームであるから、HARQプロセスID 0に該当するダウンリンクバックホールサブフレームではない。このようなダウンリンクstand−aloneサブフレームに関する情報は、基地局が中継機に適切に(例えば、シグナリングなどを用いて)知らせる必要がある。基地局が中継機に上位層シグナリングなどを用いて中継機に知らせることが好ましい。また、ダウンリンクstand−aloneサブフレーム割当情報は、基地局がダウンリンクサブフレーム割当シグナリングの一部として設計し、同一タイミングに中継機に伝送することも好ましい。
【0176】
ここで、仮想サブフレームインデックスは、バックホールリンク(Un link)に割り当てられたサブフレームに対してのみ順次に割り当てられるサブフレームインデックスであり、
図10のようにダウンリンクstand aloneサブフレームが存在する場合には、UL grantとこれに対応するアップリンク伝送でペアリングされる‘アップリンク/ダウンリンクペアリングされたサブフレーム’に対してのみ仮想サブフレームインデックスを定義することができる。すなわち、ダウンリンクstand aloneサブフレームは仮想サブフレームインデックスにおいて定義しないで除外する。しかし、仮想インデックスが定義されなかった場合であっても、UL grantとこれに対応するアップリンク伝送でペアリングされる‘アップリンク/ダウンリンクペアリングされたサブフレーム’でダウンリンクstand aloneサブフレームがあるとすれば、これを除いてHARQプロセッサ動作を行えばいい。
【0177】
前述したHARQプロセス動作と関連して、HARQプロセスの数を計算する時にさらに考慮しなければならない事項について説明する。上記提案された技術において、HARQプロセスの数を計算する時に下記のような事項を考慮する必要がある。
【0178】
ここで、基地局のプロセッサ125がHARQプロセスの数を決定でき、中継機は基地局からHARQプロセスの数に関する情報を受信することができる。または、基地局から別のシグナリングを通じてHARQプロセスの数を受信しないとすれば、中継機のプロセッサ175がHARQプロセッサの数を推定すればよい。
【0179】
すなわち、基地局のプロセッサ125がHARQプロセッサの数を計算するにあたり、HARQプロセスと衝突するサブフレームは除外する必要がある。例えば、特定パターンまたは特定パターンの反復された形態のパターンにしたバックホールサブフレームのうち、非−MBSFNサブフレーム(non−MBSFN subframe)(例えば、サブフレームインデックス0、4、5、9のサブフレーム)は、HARQプロセスの数の計算において除外する必要がある。例えば、構成されたN個のバックホールサブフレームのうちのK個が衝突するとすれば、基地局のプロセッサ125は、N−K値に基づいて該当の時点でHARQプロセスの数を計算することができる。もちろん、このような動作及び一連の過程は、上に提案した方式によって基地局のプロセッサ125で行うことも、中継機のプロセッサ175で行うこともできる。
【0180】
例えば、40ms中に8ms周期で反復されるバックホールサブフレーム割当情報パターンは、10ms周期で反復される非−MBSFNサブフレーム割当パターンとは必然的に衝突(あるいは重複)することになる。この場合、基地局のプロセッサ125は、このような非−MBSFNサブフレームを、HARQプロセス数の計算において除外することが好ましい。前述したように、このようなHARQプロセスの数は、中継機のプロセッサ175がHARQプロセスIDを決定するのに用いられる。
【0181】
前述した基地局のシグナリングパターンまたはビットマップは、基地局サブフレームまたは無線フレームを基準にインデクシングされたシグナリングパターンでも、ビットマップパターンでもよい。例えば、ビットマップパターンの始点は((基地局無線フレームインデックスmod 4)=0になる)無線フレームのインデックス0であるサブフレームを基準にインデクシングされたビットマップパターンでもよく、中継機サブフレームインデックスを基準にインデクシングされたビットマップパターンでもよい。
【0182】
もし、基地局と中継機間にタイミングオフセットが存在し、ビットマップパターンの適用始点が基地局の特定フレームのサブフレームインデックス0であれば、ビットマップで与えられたサブフレームインデックスから、中継機における非−MBSFNサブフレーム(例えば、サブフレームインデックス0、4、5、9のサブフレーム)に該当するサブフレームインデックスを計算するためには、基地局及び中継機間のタイミングオフセットをさらに考慮する必要がある。このようなビットマップパターンは中継機の立場で様々に解析できるが、ビットマップの各ビットが一つずつのサブフレームインデックスを指示するとも解析できるが、複数のサブフレームを一度で指示するとも解析することができる。
【0183】
次に、RRCシグナリング情報を用いて、中継機のプロセッサ175が、一般的にバックホールサブフレームに利用可能なサブフレームを計算する方法について説明する。
【0184】
基地局−中継機及び中継機−端末の伝送を時間多重化することによって、基地局−中継機間の伝送のための時間−周波数リソースが別々に割り当てられる。基地局−中継機間伝送時のサブフレームは上位層で構成される。基地局から中継機への伝送はダウンリンクバックホールサブフレームで起き、中継機から基地局への伝送はアップリンクバックホールサブフレームで起きる。基地局−中継機間の伝送のために構成されたサブフレームは8ms周期を従う。フレーム構造タイプ1において、中継機は8ビットHARQプロセス指示ビットマップ[b0 b1…b7](ここで、b0は最下位ビット(Least Significant Bit、LSB)を受信することができる。基地局セルにおいて、システムフレーム番号nfにおけるダウンリンクサブフレームnは、下記の2条件を満たすと、基地局−中継機伝送のために構成されたものである。
b
k is set to 1 for k=(n
f * 10 + n + n
f、offset * 10 + n
offset) mod 8 -(1)
and (n + n
offset) mod 10 is 1, 2, 3, 6, 7, or 8 −(2)
ここで、基地局セルにおいてシステムフレーム0におけるサブフレーム0は、毎中継機セルにおいてサブフレームsystem frame n
f,offsetとサブフレームn
offsetと同期している。bkを基地局サブフレームインデックス観点で定義すると、システムフレーム番号n
fにおけるダウンリンクサブフレームnは、下記の2条件を満たすと、基地局−中継機間の伝送のために構成されたものである。
b
k is set to 1 for k = (n
f * 10 + n) mod 8 (1)及び
(n + n
offset) mod 10 is 1, 2, 3, 6, 7, or 8, (2)
ここで、n
offset値は、負数、または0を含む正数でもよい。
【0185】
さらに説明及び具現を簡単にするために、基地局及び中継機(またはフェムト、ピコなど)間の全オフセット値を0に固定したり、または一つの特定値に固定したりできる。このように固定されたオフセットは、中継機グループ−特定ベース(basis)に定義可能である。また、ダウンリンクサブフレーム割当に対応するアップリンクサブフレーム割当は、一つの事前に定義されたオフセット値によって決定され、オフセット値は一般的に4であるが、他の値が適用されてもよい。
【0186】
次に、基地局−中継機間のHARQプロセス動作のために使用可能なバックホールサブフレームを計算する方法について説明する。
【0187】
中継機は、Nビット(例えば、8ビット、10ビット、20ビット、40ビット)サイズのHARQプロセス指示ビットマップを受信した後に、そのビットマップが指示するバックホールサブフレームのうち、中継機がMBSFN構成をできないサブフレーム(すなわち、非−MBSFNサブフレーム(例えば、サブフレームインデックス0、4、5、9のサブフレーム)と一致するサブフレームを除外した残りのサブフレームを、バックホールサブフレーム(Un subframe)に用いることができる。上述したように、ビットマップパターンは、基地局サブフレームまたはフレームインデックスの観点で記述されてもよく、中継機サブフレームまたはフレームインデックスの観点で記述されてもよい。
【0188】
もし、基地局がMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービスを提供するためにMBSFNサブフレームを構成したり、または、3GPP LTE−A専用サブフレーム、fake−MBSFNサブフレームとして構成した該当のサブフレームでは共通参照信号(Common Reference Signal、CRS)が存在しないため、中継機のプロセッサ175がCRSを用いてR−PDCCHをデコーディングする場合には、該当のサブフレームでR−PDCCHをデコーディングすることができない。そのため、このようなサブフレームもバックホールサブフレームに用いることができず、HARQプロセスの計算において除外することが好ましい。すなわち、基地局が上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)でHARQ関連情報(例えば、8ビットサイズのビットマップ)を中継機に与える場合に、このビットマップ信号が指示するサブフレームで、前述したように、下記の表7に示すサブフレームの種類は、HARQプロセス数を計算する際にバックホールサブフレームから除外する必要がある。
【0189】
【表7】
このように、バックホールサブフレームとして使用できないサブフレーム以外の残りサブフレームをもってHARQプロセスIDをマッピングし動作させる。
【0190】
しかし、DM RSベースのR−PDCCHの場合には、下記の表8に該当するサブフレームもHARQプロセスの数を計算する際に除外する必要がある。
【0191】
【表8】
表8を参照すると、3GPP LTE−A専用サブフレームまたはfake−MBSFNサブフレームがバックホールサブフレームとして使用可能なものとされている。これは、基地局がMBMS伝送をする場合に、CRSの他、DM RSも存在しないが、LTE−A専用サブフレームまたはfake−MBSFNサブフレームの場合はDM RSベースのR−PDCCHを伝送できるわけである。
【0192】
一方、中継機が基地局とサブフレームタイミングにおいて別途のサブフレームオフセットを有する場合にも上述の内容を適用可能である。しかし、基地局及び中継機がそれぞれ異なるサブフレームオフセットを有する場合に、これを考慮して基地局がMBSFNサブフレーム構成及びマクロUEスケジューリングを行わねばならず、スケジューリング自由度が大きく制限されることがある。そのため、サブフレームオフセットを0に設定する方法がより好ましいといえる。
【0193】
前述したように、基地局から中継機へのダウンリンク伝送(Un downlink transmission)のために、基地局は中継機にバックホールサブフレーム割当情報を伝送することができる。中継機は、受信したシグナリング情報(例えば、8ビットビットマップ)のうち、中継機Uuダウンリンク非−MBSFNサブフレーム(すなわち、MBSFNサブフレームとして使用できないサブフレームであって、例えば、サブフレームインデックス0、4、5、9のサブフレーム)を除外したサブフレームを、バックホールサブフレーム(Unサブフレーム)に用いることができる。もちろん、基地局がtrue−MBSFNサービスをする場合、またはポジショニング参照信号(Positioning RS、PRS)を伝送する場合にも、これらのサブフレームはバックホールサブフレームに用いることができない。
【0194】
図11は、干渉協力(interference coordination)のためのMBSFN構成の使用を示すもので、
図11(a)は、PDSCH領域における干渉測定を示す図であり、
図11(b)は、2番目のスロットにおける干渉測定を示す図である。
【0195】
もし、他のセルと干渉協力(interference coordination)のような協力作業を行おうとする場合は、次のような追加的な情報を基地局が中継機にシグナリングする必要がある。例えば、マクロ基地局(あるいは、セル)が、
図11(a)及び
図11(b)のようにMBSFNサブフレームを設定することで、ピコセル(Pico cell)の測定リソース要素(measurement RE)への干渉を低減するように動作し、ピコセルの低減した−干渉データ伝送などの動作を可能にする。もちろん、ABS(Almost Blank Subframe)を用いても類似の動作を行うことができる。
図11(a)では、測定のためにネットワークによりシグナリングされるCRSは、ピコセルのPDSCH領域を通じて受信され、
図11(b)では、2番目のスロット領域を通じて受信される。
【0196】
このようなMBSFN、ABSを用いる干渉協力情報は、バックホールサブフレーム割当情報と異なる性格のものであるから考慮に入れなかったが、セル間干渉協力(Inter Cell Interference Coordination、ICIC))が中継機で適用可能になるにつれ、基地局がこれら2つの情報を效率的に結合して中継機に伝送することができる。もちろん、結合された情報(信号)でなくとも、中継機のプロセッサ175は、このような情報を受信してどのように動作すべきかを決定する必要がある。
【0197】
もし、Unサブフレーム割当ビットマップ情報の内容を構成する際に、Unサブフレームとして割り当てることのできないサブフレーム情報で構成する方法がある。Unサブフレーム割当ビットマップ情報に、MBSFN、ABSサブフレームによりUnサブフレームとして使用できないサブフレーム情報を追加して、一つの信号を構成する方法も可能である。すなわち、中継機は、結合された一つのシグナリング情報からUnサブフレーム割当情報がわかる。さらに、LTE−A専用サブフレームの場合はCRS伝送がないため、CRSベースに動作する中継機は、当該サブフレームをUnサブフレームとして用いることができない。そのため、この種の中継機は、LTE−AサブフレームもUnサブフレームから除外してHARQプロセス動作を行う必要がある。LTE−A専用サブフレームを別途のシグナリングで基地局が中継機に、下記の表9のような形で知らせることができる。
【0198】
【表9】
上記の表9に示すシグナリング情報は、それぞれの組み合わせに従って様々な形態でシグナリング可能である。特に、1.及び2.のシグナリングを共に結合することが、シグナリングオーバーヘッドの観点で有利である。両シグナリングともビットマップ形態で構成されるとすれば、2ビットマップの和集合、積集合またはマスキング(Masking)のような作業をし、コンパクト信号(compact signal)を構成することができる。もちろん、3.のシグナリングも共に結合することができる。表9における3.のシグナリングは、基地局がCRS−ベース中継機にシグナリングすることができる。CRSベースかまたはDM RSベースかによって中継機はシグナリング解析を柔軟にする必要がある。
【0199】
動作の一例として、Unサブフレーム割当ビットマップは8ビット、干渉サブフレームビットマップは40ビットの場合に、中継機のプロセッサ175は、8ビットの連続(concatenation)により40ビットを構成した後に、ここから、非−MBSFNサブフレーム、true−MBSFNサブフレーム、干渉協力サブフレームを除外したサブフレームを、割り当てられたUnサブフレームと想定し、ここにHARQ動作を行うことができる。もちろん、CRSベースにR−PDCCHをデコーディングする中継機の場合には、CRSの存在しないサブフレームをさらにバックホールサブフレームから除外してHARQ動作を行う必要がある。Unサブフレームとして使用できないサブフレームを完全に排除してHARQプロセスマッピングをするのが一般的であるが、問題となるサブフレームが頻繁に発生しない場合は、HARQプロセスマッピングにおいて排除せず、実際の動作時に該当のサブフレームでHARQ動作を中止(suspending)する方法も考慮することができる。このような方法は、前述したシグナリングの種類よりは、サブフレームの発生頻度によって決定される特徴がある。そのため、中継機ごとにUnサブフレームを決定する方法を別々にすることができる。
【0200】
下記の表10は、バックホールサブフレーム情報、使用できないサブフレーム情報を示すものである。
【0201】
【表10】
表10を参照すると、基地局は、Fake−MBSFNサブフレームに割当情報(Xと表示されたサブフレームインデックス)を中継機にシグナリングすることができる。また、基地局は、バックホールサブフレーム(Unサブフレーム)割当情報を8ビットサイズのビットマップ(‘1’とシグナリングされたサブフレームがバックホールサブフレームである。)で中継機にシグナリングすることができ、干渉協力サブフレーム割当情報を40ビットサイズのビットマップパターン(‘1’とシグナリングされたサブフレームが当該サブフレームである。)で中継機に伝送することができる。また、基地局は、True−MBSFNサブフレーム割当情報、LTE−A専用サブフレーム割当情報(‘1’とシグナリングされたサブフレームが当該サブフレームである。)を中継機に伝送することができる。そのため、中継機のプロセッサ175は、バックホールサブフレーム(Unサブフレーム)として割り当てられたサブフレームから、Fake−MBSFNサブフレーム、干渉協力サブフレーム、True−MBSFNサブフレーム、LTE−A専用サブフレームなどを除外した残りサブフレームを、使用可能なバックホールサブフレームとして把握できる。または、基地局が、使用可能なバックホールサブフレーム情報を直接中継機にシグナリングすることで、中継機が使用可能なバックホールサブフレーム情報を知ることもできる。
【0202】
下記の表11は、上記の表10に示す情報を、統合したシグナリング(Unifiedsignal)にしたものである。
【0203】
【表11】
表11を参照すると、一例として、基地局は、Unサブフレーム割当情報を8ビットサイズのビットマップとして中継機に伝送し、干渉協力情報ビットマップを40ビットサイズのビットマップとして中継機に伝送すると仮定する。もちろん、他のシグナリング情報のビットマップパターンの長さが異なる場合も同様に適用可能である。
【0204】
基地局は、8ビットのビットマップパターンを正常に伝送するものの、干渉協力情報ビットマップ(干渉協力サブフレーム情報を含む。)40ビットに、Unサブフレームビットマップ情報8ビットの5回反復された40ビットビットマップパターンを共に考慮して、最終信号である40ビットビットマップパターンを決定することもできる。このようにすると、既存のUnサブフレームビットマップパターンがなくても、干渉協力情報ビットマップパターンのみを用いてUnサブフレームを決定することができる。
【0205】
もちろん、上の表10で言及したシグナリング情報を全て協力ビットマップパターンに反映して伝送することも可能である。このように決定されたビットマップは、中継機が解析できるように事前に基地局と中継機間に約束されていなければならない。このような統合ビットマップ信号は、協力信号とする必要がなく、他の種類の信号として統合することができる。
【0206】
基地局は、表11に示した統合されたシグナリングパターンとして伝送し、中継機に、HARQプロセス動作ができる使用可能なバックホールサブフレーム割当情報を伝送することができる。表11で、統合されたシグナリングパターンにおいて‘0’と表示されたサブフレームが、中継機がHARQプロセス動作を行うバックホールサブフレームとなる。一方、基地局は、統合されたシグナリングパターンと、バックホールサブフレーム(Unサブフレーム)として割り当てられたサブフレーム、干渉協力サブフレーム、True−MBSFNサブフレーム、LTE−A専用サブフレームなどの情報を、個別シグナリングで共に伝送することができるが、この場合に、中継機は、当該サブフレームが使用可能なUnサブフレームであるか否かを相互検証(verification)するためにも用いることができる。
【0207】
中継機が基地局からバックホールサブフレーム(Unサブフレーム)、干渉協力サブフレーム、True−MBSFNサブフレーム、LTE−A専用サブフレームなどの情報を、個別シグナリングを通じて受信したり、または、統合されたシグナリングを受信したりすると、中継機のプロセッサ175は、そこからFake−MBSFNサブフレームをさらに除外して残ったサブフレームを、使用可能なバックホールサブフレームと決定することができる。中継機のプロセッサ175は、このようにして決定された使用可能なバックホールサブフレーム情報を用いてバックホールHARQ動作を行うことができる。表11では、中継機のプロセッサ175は、個別シグナリング情報を結合して判断したり、または、受信した統合シグナリング情報に基づいてバックホールサブフレーム情報を把握することができ、このバックホールサブフレームは、表11の統合されたシグナリングパターンにおいて‘0’と表示されたサブフレームでよい。
【0208】
このようなHARQプロセス動作とシグナリング方法は、基地局及び中継機間を中心に記述したが、ここで、中継機は無線通信システムにおけるエンティティ(entity)の例示に過ぎず、他のエンティティでも同様な適用が可能である。
【0209】
また、表10及び表11などと関連したシグナリング及び動作は、基地局から中継機への単方向にのみ定義されるものではなく、相互同等なセルとされる場合は、双方向にも同一の動作を行うことができる。
【0210】
下記の表12は、3GPP LTEシステムにおけるシステム情報ブロック(System Information Block、SIB)タイプ2を示すものである。
【0211】
【表12】
表12を参照すると、SIBタイプ2情報は、MBSFNサブフレーム構成リスト情報を含むことができる。これによれば、MBSFNサブフレームは、radioframeAllocationPeriod、radioframeAllocationOffset、subframeAllocation(oneFrame,fourFrames)によってサブフレームパターンを決定することができる。このようなパターンは、maxMBSFN−Allocations個指定することができる。説明の便宜上、
図12及び
図13にMBSFNサブフレーム構成を示す。
【0212】
図12及び
図13はそれぞれ、MBSFNサブフレーム構成の一例を示す図である。
【0213】
このような構成は、所謂fake−MBSFNを設定する時にも同様に用いられる。そのため、バックホールサブフレーム割当に用いられるビットマップパターンから、true−MBSFNサブフレーム及びfake−MBSFNサブフレームに用いられるサブフレームは除外することが好ましい。Nビットサイズのビットマップパターンで反復されるバックホールサブフレーム割当と異なる周期及びパターンで構成されたMBSFNビットマップパターンは、互いに関連していない独立パターンであるから、バックホールサブフレームビットマップからMBSFNビットマップパターンを除外すると、使用可能なバックホールサブフレームビットマップパターンは非常に不規則的なパターンを示すことになる。特に、
図12に示すように、基地局が、斜線で塗り付けた領域である8個のMBSFN領域(area)をカバーすると、MBSFNとして設定されたサブフレームはさらに増加することとなる。この場合、HARQプロセスの数及びHARQプロセスIDを決定するために下記の数学式16を適用する場合に、入力値範囲を定める必要がある。
【0214】
【数16】
ここで、Nは、RRCシグナリングされる10msまたは40msのUnサブフレーム構成周期を表す。
【0215】
入力値をどのように決定すべきかによってHARQプロセス数及び最小RTTも異なってくる。その一方法は、UnサブフレームビットマップパターンからMBSFNサブフレームビットマップパターンを除去して(masking−out)得られた結果のうち、使用可能なバックホールサブフレームが最も多く得られるサブフレーム区間(ウィンドウ)を入力パラメータに用いる。このようにすると、バックホールサブフレームにおけるHARQ最小RTTを最小限にすることができる。他の方法は、UnサブフレームビットマップパターンからMBSFNサブフレームビットマップパターンを除去して得られた結果のうち、使用可能なバックホールサブフレームが最も少なく得られるサブフレーム区間(ウィンドウ)を入力パラメータに用いる。このようにすると、バックホールサブフレームでHARQ最小RTTは大きくなるが、MBSFNとのサスペンディング(suspending)などによる問題を避けることができる。さらに他の方法は、MBSFNサブフレームの特定位置(計算により得られた位置、または事前に定められた位置)からK個(formula入力パラメータサイズ)のサブフレームを選択して用いる。これは、事前に定められたサスペンディング(suspending)回数及び他のシステムパラメータを考慮して、特定臨界点を超えない値(例えば、平均値)に該当するものを入力パラメータとすることができる。
【0216】
上に提案した使用可能な有効(affective)バックホールサブフレーム決定方法において、有効バックホールサブフレームを決定する時に次の事項をさらに考慮する必要がある。ここで考慮すべき事項は、eICIC(enhanced Inter−Cell Interference Coordination)のためにやり取りする信号の一種であり、用途及び特徴によって2種類のビットマップパターンが存在し、各ビットマップパターンは特定サブフレームを指示することができる。特に、各ビットマップは、ABS(almost blank subframe)パターンを指定するのに用いることができる。例えば、周期は、FDDシステムの場合は40ms、TDDシステムの場合は、構成によって、20ms(構成1〜5)、70ms(構成0)、60ms(構成6)である。このようなビットマップパターンは半−静的に(semi−statically)アップデートされ、既存の3GPP LTE Release 8/9 RNTP信号よりも頻繁にアップデートされないと仮定する。
【0217】
2種類のビットマップをそれぞれ、ビットマップ1とビットマップ2とすれば、次のように定義することができる。ビットマップ1は、ABS(almost blank subframe)に該当するサブフレームを指示するものであり、ビットマップ2は、ビットマップ1により指示されたサブフレームのサブセットを指示するものと定義することができる。ビットマップ2は、制限されたRLM(Radio Link Monitoring)/RRM測定の構成のための受信モードで推奨される。サービングセルはRRCシグナリングを通じてRLM/RRM及びCSIのための実際リソースを指示することができる。ビットマップ2は、非周期的にまたはイベント−ベースにトリガリングされるとよい。
【0218】
このようなビットマップパターンによって指定されたABSサブフレームは、バックホールサブフレームとして正常に用いることができず、使用可能な有効バックホールサブフレームから除外することが好ましい。ビットマップの用途が異なるため、いずれのビットマップを除外すべきかについては、次のような組み合わせがありうる。例えば、ビットマップ1が指示するサブフレームを、有効バックホールサブフレームから除外することができる。そして、ビットマップ2が指示するサブフレームを有効バックホールサブフレームから除外することができる。または、ビットマップ1及びビットマップ2の和集合のパターンが指示するサブフレーム(例えば、ビットマップ1)を有効バックホールサブフレームから除外してもよい。
【0219】
上述したHARQプロセス数の決定方法及びHARQプロセス数のシグナリング方法によって、基地局及び中継機はバックホールリンクを通じて効率的なHARQプロセス動作を行うことができる。このようなHARQプロセス数の決定方法及びHARQプロセス数のシグナリング方法は、基地局及び中継機間のリンクの他、基地局及び端末間のリンク、中継機及び端末間のリンクにも適用可能である。
【0220】
以上で説明された実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態に結合したものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮すればよい。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施してもよい。また、一部の構成要素及び/または特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に代わってもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めることもできることは明らかである。
【0221】
本発明は本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できるということは当業者には自明である。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈により決定すべきものであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。