特許第5914525号(P5914525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5914525BACE1及び/又はBACE2阻害剤としてのN−[3−(5−アミノ−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−フェニル]−アミド類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914525
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】BACE1及び/又はBACE2阻害剤としてのN−[3−(5−アミノ−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−フェニル]−アミド類
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/04 20060101AFI20160422BHJP
   A61K 31/5365 20060101ALI20160422BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20160422BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20160422BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   C07D498/04 111
   C07D498/04CSP
   A61K31/5365
   A61P25/28
   A61P3/10
   A61P43/00 111
【請求項の数】29
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2013-552917(P2013-552917)
(86)(22)【出願日】2012年2月6日
(65)【公表番号】特表2014-505086(P2014-505086A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】EP2012051910
(87)【国際公開番号】WO2012107371
(87)【国際公開日】20120816
【審査請求日】2015年2月4日
(31)【優先権主張番号】11153633.0
(32)【優先日】2011年2月8日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135873
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100116528
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 俊男
(74)【代理人】
【識別番号】100122736
【弁理士】
【氏名又は名称】小國 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100122747
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 洋子
(74)【代理人】
【識別番号】100132540
【弁理士】
【氏名又は名称】生川 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100146031
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173912
【弁理士】
【氏名又は名称】塩見 敦
(72)【発明者】
【氏名】ヒルペルト,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】フム,ローラント
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/071135(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/009898(WO,A1)
【文献】 特開2012−250933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 498/04
A61K 31/5365
A61P 3/10
A61P 25/28
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化26】

[式中、
は、
i)アリール、
ii)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)C1−6−アルキル、及び
iii)ハロゲン
からなる群より選択され;
は、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され、
は、
i)水素、及び
ii)C1−6−アルキル
からなる群より選択され、そして
は、
i)水素、
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル、及び
iii)C1−6−アルキル
からなる群より選択される]
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩;ただし、化合物:
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−(5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−(5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、及び
5−メトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−(5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
を除く
【請求項2】
が、
i)アリール、
ii)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
が、
i)水素、
ii)C1−6−アルキル、及び
iii)ハロゲン
からなる群より選択され;
が、C1−6−アルキルであり、
が、
i)水素、及び
ii)C1−6−アルキル
からなる群より選択され、そして
が、
i)水素、及び
ii)C1−6−アルキル
からなる群より選択される、
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の、式Ia:
【化27】

(式中、R、R、R、R及びRは、請求項1又は2に定義されるとおりである)
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項4】
が、ハロゲンである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が、Fである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が、C1−6−アルキルである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が、メチルである、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、ハロゲン−C1−6−アルキルである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
が、−CH又は−CHFである、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
が、水素である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
が、水素である、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
が、ハロゲン−C1−6−アルキルである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
が、−CFである、請求項1〜10又は12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
が、ヘテロアリール;又はシアノ、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ及びC2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシから個別に選択される1〜2個の置換基により置換されているヘテロアリールである、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
が、ピリジニル;シアノ、ハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルコキシから個別に選択される1〜2個の置換基により置換されているピリジニル;又はハロゲン−C1−6−アルコキシもしくはC2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシにより置換されているピラジニルである、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
が、5−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イル、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−イル、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−イル、5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−イル、5−シアノ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル又はピリジン−2−イルである、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
が、5−シアノ−ピリジン−2−イル又は5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−イルである、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
以下からなる群より選択される、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩
−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
N−(3−(rel−(4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド、
N−(3−(rel−(4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ブタ−2−イニルオキシ)ピラジン−2−カルボキサミド、
N−(3−((4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド、
N−(3−((4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−プロポキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
N−(3−((4S,4aS,7aS)−2−アミノ−4−メチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−3−クロロ−5−シアノピコリンアミド、
ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、及び
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド。
【請求項19】
以下からなる群より選択される、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩
,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、及び
ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれかに定義される式Iの化合物の調製方法であって、式XIで表される化合物と式XIIで表される化合物を反応させて、式Iの化合物を得る工程:
【化28】

(式中、R、R、R、R、Rは、請求項1〜17のいずれかに定義されるとおりである)を含む、方法。
【請求項21】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜19のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項22】
疾患及び障害、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質として使用するための、請求項1〜19に記載の式Iの化合物。
【請求項23】
糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質として使用するための、請求項1〜19に記載の式Iの化合物。
【請求項24】
請求項1〜19のいずれかに記載の式Iの化合物ならびに薬学的に許容しうる担体及び/又は薬学的に許容しうる補助物質を含む、医薬組成物。
【請求項25】
アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を製造するための、請求項1〜19のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項26】
糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を製造するための、請求項1〜19のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項27】
アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための、請求項1〜19に記載の式Iの化合物。
【請求項28】
糖尿病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための、請求項1〜19に記載の式Iの化合物。
【請求項29】
アルツハイマー病、糖尿病又は2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための請求項1〜19のいずれかに記載の式Iの化合物を含む、医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アルツハイマー病(AD)は中枢神経系の神経変性障害であり、高齢者における進行性認知症の主な原因である。その臨床症状は、記憶、認知、時間及び場所の見当識、判断力ならびに論理的思考の機能障害であるが、また重度の感情障害でもある。現在のところ、この疾患又はその進行を予防するか、あるいはその臨床症状を安定に回復させることができる有用な治療法はない。ADは、平均寿命が長い全ての社会において重大な健康問題となっており、またそれらの医療制度にとって大きな経済的負担にもなっている。
【0002】
ADは、中枢神経系(CNS)における2つの主要な病理である、アミロイドプラークの出現と神経原線維変化によって特徴付けられる(Hardy et al., The amyloid hypothesis of Alzheimer's disease: progress and problems on the road to therapeutics, Science. 2002 Jul 19;297(5580):353-6, Selkoe, Cell biology of the amyloid beta-protein precursor and the mechanism of Alzheimer's disease, Annu Rev Cell Biol. 1994;10:373-403)。両方の病理は、一般的に、ダウン症候群(トリソミー21)を有する患者においても観察され、これは若年期においてAD様症状も発症する。神経原線維変化は、微小管関連タンパク質tau(MAPT)の細胞内凝集体である。アミロイドプラークは細胞外空間に生じ;それらの主要成分は、Aβ−ペプチドである。後者は、一連のタンパク質的切断工程によりβ−アミロイド前駆体タンパク質(APP)から誘導されるタンパク質分解フラグメント群である。いくつかの形態のAPPが同定されており、その中で最も豊富に存在するのは、695、751及び770アミノ酸長のタンパク質である。これらは全て、差次的スプライシングにより単一遺伝子から生じる。Aβ−ペプチドは、APPの同じドメインに由来するが、それらのN−及びC−末端が異なっており、主な種は、40及び42アミノ酸長のものである。凝集したAβ−ペプチドがADの病因に不可欠な分子であることを強く示唆するいくつかの証拠がある:1)Aβ−ペプチドから生成されたアミロイドプラークは、常にAD病理の一部である;2)Aβ−ペプチドは、ニューロンに有毒である;3)家族性アルツハイマー病(FAD)において、疾患遺伝子APP、PSN1、PSN2の突然変異は、Aβ−ペプチドレベルの上昇及び初期の脳アミロイド症をもたらす;4)そのようなFAD遺伝子を発現するトランスジェニックマウスは、ヒトの疾患と多くの類似点を有する病理を発症する。Aβ−ペプチドは、β−セクレターゼとγ−セクレターゼと呼ばれる2つのタンパク質分解酵素の連続した作用を介してAPPから産生される。β−セクレターゼは、最初に、APPの細胞外ドメインにおいて、膜貫通ドメイン(TM)の外側の約28アミノ酸で切断して、TM−及び細胞質ドメインを含有するAPPのC−末端フラグメント(CTFβ)を生成する。CTFβはγ−セクレターゼの基質であり、γ−セクレターゼはTM内のいくつかの隣接位置で切断して、Aβペプチド及び細胞質フラグメントを生成する。γ−セクレターゼは、少なくとも4つの異なるタンパク質の複合体であり、その触媒サブユニットは、プレセニリンタンパク質(PSEN1、PSEN2)である可能性が非常に高い。β−セクレターゼ(BACE1、Asp2;BACEは、β−部位APP−切断酵素を表す)は、膜貫通ドメインにより膜内に固定されているアスパルチルプロテアーゼである(Vassar et al., Beta-secretase cleavage of Alzheimer's amyloid precursor protein by the transmembrane aspartic protease BACE, Science. 1999 Oct 22;286(5440):735)。これは、人体の多くの組織で発現しているが、そのレベルはCNSで特に高い。マウスでは、BACE1遺伝子の遺伝子除去によって、その活性がAβ−ペプチドの生成をもたらすAPPのプロセシングに不可欠であり、BACE1の非存在下では、Aβ−ペプチドが産生されないことが明らかに示された(Luo et al., Mice deficient in BACE1, the Alzheimer's beta-secretase, have normal phenotype and abolished beta-amyloid generation, Nat Neurosci. 2001 Mar;4(3):231-2, Roberds et al., BACE knockout mice are healthy despite lacking the primary beta-secretase activity in brain: implications for Alzheimer's disease therapeutics, Hum Mol Genet. 2001 Jun 1;10(12):1317-24)。ヒトAPP遺伝子を発現するように遺伝子改変され、そして、加齢過程で広範なアミロイドプラーク及びアルツハイマー病様病理を生成するマウスは、BACE1対立遺伝子の一つの遺伝子除去によりβ−セクレターゼ活性が低下するとそのようにできない(McConlogue et al., Partial reduction of BACE1 has dramatic effects on Alzheimer plaque and synaptic pathology in APP Transgenic Mice. J Biol Chem. 2007 Sep 7; 282(36):26326)。従って、BACE1活性の阻害剤がアルツハイマー病(AD)の治療的介入に有用な薬剤となりうることが推測される。
【0003】
2型糖尿病(T2D)は、インスリン抵抗性及び膵臓β細胞からの不十分なインスリン分泌により引き起こされ、血糖コントロール不良及び高血糖をもたらす(M Prentki & CJ Nolan, "Islet beta-cell failure in type 2 diabetes." J. Clin. Investig. 2006, 116(7), 1802-1812)。T2Dを有する患者は、微小血管疾患及び大血管疾患、ならびに糖尿病性ネフロパシー、網膜症及び循環器疾患を含む種々の関連する合併症のリスクが増加している。2000年、推定1億7100万人がこの病状を有しており、この数字が2030年には二倍になり(S Wild, G Roglic, A Green, R.Sicree & H King, "Global prevalence of diabetes", Diabetes Care 2004, 27(5), 1047-1053)、この疾患が主要な健康問題となるであろうと予想されている。T2Dの有病率の増加は、世界の人々の座りがちなライフスタイル及び高エネルギー食物の摂取の増加と関連している(P Zimmet, KGMM Alberti & J Shaw, "Global and societal implications of the diabetes epidemic" Nature 2001, 414, 782-787)。
【0004】
β細胞の異常、その結果として起こる、インスリン分泌の劇的な減少及び高血糖がT2Dの発症を特徴付ける。最近の治療法では、顕性T2Dを特徴付けるβ細胞量の損失を防止できない。しかし、GLP−1類似体、ガストリン及び他の薬剤を用いた近年の進展によれば、β細胞の維持及び増殖が達成可能であり、耐糖能を改善させ、顕性T2Dへの進行をより遅延させることが分かっている(LL Baggio & DJ Drucker、"Therapeutic approaches to preserve islet mass in type 2 diabetes", Annu. Rev. Med. 2006, 57, 265-281)。
【0005】
Tmem27は、β細胞の増殖(P Akpinar, S Kuwajima, J Krutzfeldt, M Stoffel, "Tmem27: A cleaved and shed plasma membrane protein that stimulates pancreatic β cell proliferation", Cell Metab. 2005, 2, 385-397)及びインスリン分泌(K Fukui, Q Yang, Y Cao, N Takahashi et al., "The HNF-1 target Collectrin controls insulin exocytosis by SNARE complex formation", Cell Metab. 2005, 2, 373-384)を促進するタンパク質として同定された。Tmem27は、完全長細胞Tmem27の分解から生じる、β細胞の表面から構成的に脱落された42kDaの膜糖タンパク質である。トランスジェニックマウスにおけるTmem27の過剰発現は、糖尿病の食餌性肥満DIOモデルにおいて、β細胞量を増加させ、耐糖能を改善する。さらに、げっ歯類のβ細胞増殖アッセイ(例えば、INS1e細胞を使用する)において、Tmem27のsiRNAノックアウトは増殖速度を低下させるが、これはβ細胞量の制御にTmem27がある役割を担っていることを示している。
【0006】
同じ増殖アッセイにおいて、BACE2阻害剤も増殖を増加させる。しかし、Tmem27のsiRNAノックアウトと組み合わせたBACE2阻害は低い増殖速度をもたらす。従って、BACE2が、Tmem27の分解に関与するプロテアーゼであることが結論付けられる。さらに、in vitroでは、BACE2は、Tmem27の配列に基づいてペプチドを切断する。密接に関係するプロテアーゼBACE1はこのペプチドを切断せず、BACE1の選択的阻害は、単独では、β細胞の増殖を増強しない。
【0007】
近いホモログBACE2は膜結合アスパルチルプロテアーゼであり、ヒトの膵臓β細胞においてTmem27と共局在化している(G Finzi, F Franzi, C Placidi, F Acquati et al., "BACE2 is stored in secretory granules of mouse and rat pancreatic beta cells", Ultrastruct Pathol. 2008, 32(6), 246-251)。これは、また、APP(I Hussain, D Powell, D Howlett, G Chapman et al., "ASP1 (BACE2) cleaves the amyloid precursor protein at the β-secretase site" Mol Cell Neurosci. 2000, 16, 609-619)、IL−1R2(P Kuhn, E Marjaux, A Imhof, B De Strooper et al., "Regulated intramembrane proteolysis of the interleukin-1 receptor II by alpha-, beta-, and gamma-secretase" J. Biol. Chem. 2007, 282(16), 11982-11995)及びACE2を分解可能であることが知られている。ACE2を分解する能力は、高血圧の制御においてBACE2がある役割を有する可能性を示している。
【0008】
従って、BACE2の阻害は、前糖尿病及び糖尿病患者において、β細胞量を維持及び回復し、そして、インスリン分泌を刺激する可能性があるため、T2Dの処置として提案されている。従って、本発明の目的は、選択的BACE2阻害剤を提供することである。そのような化合物は、特に、BACE2の阻害に関連する疾患の治療及び/又は予防において、治療活性物質として有用である。
【0009】
さらに、神経組織(例えば、脳)内、上又は周辺のβ−アミロイドプラークの形成、又は形成及び沈着は、本発明の化合物により阻害される(すなわち、APP又はAPPフラグメントからのAβ産生の阻害)。
【0010】
本発明は、式Iの新規化合物、それらの製造、本発明の化合物に基づく医薬及びそれらの製造、ならびにアルツハイマー病及び2型糖尿病などの病気の制御又は予防における式Iの化合物の使用を提供する。
【技術分野】
【0011】
本発明は、BACE1及び/又はBACE2阻害特性を有する、N−[3−(5−アミノ−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−フェニル]−アミド類、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及び治療活性物質としてのそれらの使用に関する。
【0012】
発明の概要
本発明は、式I:
【化1】

(式中、置換基及び変数は下記及び特許請求の範囲に記載のとおりである)
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0013】
本発明の化合物は、Asp2(β−セクレターゼ、BACE1又はメマプシン−2)阻害活性を有するため、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイドプラーク及びさらなる沈着により特徴付けられる疾患及び障害、特に、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置に使用してもよい。そして/あるいは、本発明の化合物は、BACE2阻害活性を有するため、2型糖尿病及び他の代謝障害などの疾患及び障害の治療的及び/又は予防的処置に使用することができる。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物及びそれらのその薬学的に許容しうる塩、上記化合物の調製、それらを含有する医薬及びそれらの製造、ならびBACE1及び/又はBACE2活性の阻害に関連する疾患及び障害、例えば、アルツハイマー病及び2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置における上記化合物の使用を提供する。さらに、神経組織(例えば、脳)内、上又は周辺のβ−アミロイドプラークの形成、又は形成及び沈着が、APP又はAPPフラグメントからのAβ産生を阻害することにより、本発明の化合物により阻害される。
【0015】
本明細書の説明において使用される下記の一般用語の定義は、その用語が単独であるか、他の基と組み合わされて出現するかに関わらず適用される。
【0016】
特に明記しない限り、本願(本明細書及び特許請求の範囲を含む)において使用される下記の用語は、以下に提供する定義を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するように、文脈において明確に他のことを指示しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数の対象も包含することに留意すべきである。
【0017】
用語「C1−6−アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、直鎖又は分岐鎖(単分岐又は多分岐)であってもよい炭化水素ラジカル(アルキル基は、通常、1〜6個の炭素原子を含有する)、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル、イソプロピル(i−プロピル)、n−ブチル、i−ブチル(イソブチル)、2−ブチル(sec−ブチル)、t−ブチル(tert−ブチル)、イソペンチル、2−エチル−プロピル、1,2−ジメチル−プロピルなどを表す。特に「C1−6−アルキル」は、1〜5個の炭素原子を有する基である。具体的には、メチル、エチル及びt−ブチルである。最も具体的には、メチルである。
【0018】
用語「シアノ−C1−6−アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、1つ又は複数のシアノ、特に、1〜5個のシアノ、より特に、1個のシアノにより置換されている、本明細書で定義されるC1−6−アルキルを指す。例は、シアノ−メチルなどである。
【0019】
用語「ハロゲン−C1−6−アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、1つ又は複数のハロゲン、好ましくは、1〜5個のハロゲン、より好ましくは、1〜3個のハロゲン、最も好ましくは、1個のハロゲン又は3個のハロゲンにより置換されている、本明細書で定義されるC1−6−アルキルを指す。特定のハロゲンは、フルオロである。例は、ジフルオロメチル、クロロメチル、フルオロメチルなど、特に、−CHCHF、CHCHF又は−CFである。具体的には、トリフルオロメチルである。
【0020】
用語「C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、1つ又は複数のC1−6−アルコキシにより置換されている、本明細書で定義されるC1−6−アルキルを指す。例は、MeO−Me、1MeO−Et、2MeO−Et、1MeO−2EtO−プロピルなどである。
【0021】
用語「シアノ」は、単独で又は他の基と組み合わされて、N≡C−(NC−)を指す。
【0022】
用語「ハロゲン」は、単独で又は他の基と組み合わされて、クロロ(Cl)、ヨード(I)、フルオロ(F)及びブロモ(Br)を示す。特定の「ハロゲン」は、Cl及びFである。具体的には、Fである。
【0023】
用語「アリール」は、単独で又は他の基と組み合わされて、6〜14個、好ましくは、6〜10個の炭素原子を含み、かつ、少なくとも1つの芳香環又は複数の縮合環(少なくとも1つの環は、芳香族である)を有する、芳香族炭素環基を指す。「アリール」の例としては、ベンジル、ビフェニル、インダニル、ナフチル、フェニル(Ph)などが挙げられる。特定の「アリール」は、フェニルである。
【0024】
用語「ヘテロアリール」は、単独で又は他の基と組み合わされて、単一の4〜8員環、又は6〜14個、特に、6〜10個の環原子を含む複数の縮合環を有し、かつ、N、O及びS、特に、N及びOから個別に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する、芳香族炭素環基(その基において、少なくとも1つの複素環は、芳香族である)を指す。「ヘテロアリール」の例としては、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、1H−ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、1H−インダゾリル、インドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル(ピラジル)、1H−ピラゾリル、ピラゾロ[1、5−a]ピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キノリニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、6,7−ジヒドロ−5H−[1]ピリンジニル(pyrindinyl)などが挙げられる。特定の「ヘテロアリール」は、ピリジニル及びピラジニルである。具体的には、ピリジン−2−イル及びピラジン−2−イルである。
【0025】
用語「C1−6−アルコキシ」は、単独で又は他の基と組み合わされて、直鎖又は分岐鎖(単分岐又は多分岐)であってもよい−O−C1−6−アルキルラジカル(アルキル基は、通常、1〜6個の炭素原子を含む)、例えば、メトキシ(OMe、MeO)、エトキシ(OEt)、プロポキシ、イソプロポキシ(i−プロポキシ)、n−ブトキシ、i−ブトキシ(イソ−ブトキシ)、2−ブトキシ(sec−ブトキシ)、t−ブトキシ(tert−ブトキシ)、イソペンチルオキシ(i−ペンチルオキシ)などを表す。特定の「C1−6−アルコキシ」は、1〜4個の炭素原子を有する基である。具体的には、メトキシ、エトキシ及びエチオキシ(ethyoxy)である。
【0026】
用語「ハロゲン−C1−6−アルコキシ」は、単独で又は他の基と組み合わされて、1つ又は複数のハロゲン、具体的には、フルオロにより置換されている、本明細書で定義されるC1−6−アルコキシを指す。特に「ハロゲン−C1−6−アルコキシ」は、フルオロ−C1−6−アルコキシである。具体的には、2,2,2−トリフルオロ−エトキシ−である。
【0027】
用語「C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ」は、単独で又は他の基と組み合わされて、1つ又は複数の本明細書で定義されるC2−6−アルキニルにより置換されている、本明細書で定義されるC1−6−アルコキシを指す。特に「C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ」は、5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−イルである。
【0028】
用語「C2−6−アルキニル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、1、2又は3つの三重結合を含む、2〜6個の炭素原子、特に、2〜4個の炭素原子の一価の直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基を示す。「C2−6−アルキニル」の例としては、エチニル、プロピニル、プロパ−2−イニル、イソプロピニル及びn−ブチニルが挙げられる。具体的には、エチニル及びプロピニルである。
【0029】
用語「薬学的に許容しうる塩」は、ヒト及び動物の組織との接触での使用に適する塩を指す。無機及び有機酸との適切な塩の例としては、酢酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、硫酸(sulfuric acid)、硫酸(sulphuric acid)、酒石酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいのは、ギ酸、トリフルオロ酢酸及び塩酸である。
【0030】
用語「薬学的に許容しうる担体」及び「薬学的に許容しうる補助物質」は、製剤の他の成分と適合する希釈剤又は賦形剤などの担体及び補助物質を指す。
【0031】
用語「医薬組成物」は、特定の成分を所定の量又は割合で含む生成物、ならびに特定の成分を特定の量で混ぜ合わせることで直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含する。好ましくは、医薬組成物は、1つ又は複数の活性成分と場合により不活性成分を含む担体を含む生成物、ならびに任意の2つ以上の成分の混合、複合又は凝集、あるいは1つ又は複数の成分の解離、あるいは1つ又は複数の成分のその他の反応又は相互作用から直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含する。
【0032】
用語「阻害剤」は、特定のリガンドの特定の受容体への結合と競合、結合を低下又は防止するか、あるいは特定のタンパク質の機能の阻害を低下又は防止する化合物を示す。
【0033】
用語「半最大阻害濃度」(IC50)は、in vitroで生物学的プロセスの50%阻害を得るために必要な特定の化合物の濃度を示す。IC50値は、pIC50値(−logIC50)に対数変換することができ、より高い値は、指数関数的により大きい効力を指す。IC50値は絶対値ではないが、実験条件、例えば、用いられる濃度に依存する。IC50値は、Cheng-Prusoff式を使用して、絶対阻害定数(Ki)に変換することができる(Biochem. Pharmacol. (1973) 22:3099)。用語「阻害定数」(Ki)は、特定の阻害剤の受容体への絶対結合親和性を示す。これは、競合結合アッセイを使用して測定され、競合リガンド(例えば、放射性リガンド)が存在しない場合に、特定の阻害剤が受容体の50%を占める濃度に等しい。Ki値は、pKi値(−logKi)に対数変換することができ、より高い値は、指数関数的により大きい効力を指す。
【0034】
「治療有効量」は、疾患状態を治療するために被験体に投与したとき、その疾患状態に対してそのような治療を達成するのに十分である、化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、治療される疾患状態、治療される疾患の重症度、被験体の年齢及び相対的な健康、投与経路及び投与形態、主治医又は獣医の判断ならびに他の要因に応じて変更されるだろう。
【0035】
用語「本明細書で定義される」及び「本明細書で記載される」は、変数について言及するとき、変数の広い定義、ならびに存在するならば、好ましい定義、より好ましい定義及び最も好ましい定義がその言及によって包含される。
【0036】
用語「処置する」、「接触する」及び「反応する」は、化学反応について言及するとき、表示及び/又は所望の生成物を生成するために、2種以上の試薬を適切な条件下で添加又は混合することを意味する。表示及び/又は所望の生成物を生成する反応が、必ずしも最初に添加した2種の試薬の組み合わせから直接得られるとは限らず、すなわち、最終的に表示及び/又は所望の生成物の生成に至る混合物として生成される、1つ又は複数の中間体であってもよいことを理解すべきである。
【0037】
用語「芳香族」は、文献、具体的には、IUPAC - Compendium of Chemical Terminology, 2nd, A. D. McNaught & A. Wilkinson (Eds). Blackwell Scientific Publications, Oxford (1997) に定義されるような芳香族性の従来の考えを示す。
【0038】
用語「薬学的に許容しうる賦形剤」は、医薬品の製剤化において使用される、治療活性を有さず、かつ、非毒性の任意の成分、例えば、崩壊剤、結合剤、増量剤、溶剤、緩衝剤、等張化剤、安定剤、抗酸化剤、界面活性剤又は潤滑剤を示す。
【0039】
キラル炭素が化学構造に存在する場合は、必ずそのキラル炭素を有する全ての立体異性体がその構造に包含されることが意図される。
【0040】
本発明は、また、医薬組成物、使用方法及び前述の化合物の調製方法を提供する。
【0041】
別々の実施態様は全て、組み合わせることもできる。
【0042】
本発明の一実施態様は、式I:
【化2】

[式中、
は、
i)アリール、
ii)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)C1−6−アルキル、及び
iii)ハロゲン
からなる群より選択され;
は、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され、
は、
i)水素、及び
ii)C1−6−アルキル
からなる群より選択され、そして
は、
i)水素、
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル、及び
iii)C1−6−アルキル
からなる群より選択される]
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0043】
本発明のある実施態様は、式I:
【化3】

[式中、
は、
i)アリール、
ii)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)C1−6−アルキル、及び
iii)ハロゲン
からなる群より選択され;
は、C1−6−アルキルであり、
は、
i)水素、及び
ii)C1−6−アルキル
からなる群より選択され、そして
は、
i)水素、及び
ii)C1−6−アルキル
からなる群より選択される]
で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0044】
本発明のある実施態様は、式Ia:
【化4】

(式中、R、R、R、R及びRは、本明細書において定義されるとおりである)で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0045】
本発明のある実施態様は、式Ib:
【化5】

(式中、R、R、R、R及びRは、本明細書において定義されるとおりである)で表される化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0046】
本発明のある実施態様は、Rが、ハロゲンである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0047】
本発明のある実施態様は、Rが、Fである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0048】
本発明のある実施態様は、Rが、C1−6−アルキルである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0049】
本発明のある実施態様は、Rが、メチルである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0050】
本発明のある実施態様は、Rが、ハロゲン−C1−6−アルキルである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0051】
本発明のある実施態様は、Rが、−CHCHF又は−CHCHFである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0052】
本発明のある実施態様は、Rが、−CHCHFである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0053】
本発明のある実施態様は、Rが、−CHCHFである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0054】
本発明のある実施態様は、Rが、メチル、−CHCHF又は−CHCHFである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0055】
本発明のある実施態様は、Rが、C1−6−アルキルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0056】
本発明のある実施態様は、Rが、水素である、本明細書に定義される化合物に関する。
【0057】
本発明のある実施態様は、Rが、水素である、本明細書に定義される化合物に関する。
【0058】
本発明のある実施態様は、Rが、C1−6−アルキルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0059】
本発明のある実施態様は、Rが、ハロゲン−C1−6−アルキルである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0060】
本発明のある実施態様は、Rが、−CFである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0061】
本発明のある実施態様は、Rが、ヘテロアリール;又はシアノ、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ及びC2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシから個別に選択される1〜2個の置換基により置換されているヘテロアリールである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0062】
本発明のある実施態様は、Rが、ヘテロアリールである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0063】
本発明のある実施態様は、Rが、ピリジニルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0064】
本発明のある実施態様は、Rが、ピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0065】
本発明のある実施態様は、Rが、シアノ、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ及びC2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシから個別に選択される1〜2個の置換基により置換されているヘテロアリールである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0066】
本発明のある実施態様は、Rが、シアノ、ハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルコキシから個別に選択される1〜2個の置換基により置換されているピリジニルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0067】
本発明のある実施態様は、Rが、5−クロロ−ピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0068】
本発明のある実施態様は、Rが、3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0069】
本発明のある実施態様は、Rが、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0070】
本発明のある実施態様は、Rが、5−シアノ−ピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0071】
本発明のある実施態様は、Rが、5−フルオロ−ピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0072】
本発明のある実施態様は、Rが、ハロゲン−C1−6−アルコキシ又はC2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシにより置換されているピラジニルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0073】
本発明のある実施態様は、Rが、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0074】
本発明のある実施態様は、Rが、5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0075】
本発明のある実施態様は、Rが、ピリジニル;シアノ、ハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルコキシから個別に選択される1〜2個の置換基により置換されているピリジニル;又はハロゲン−C1−6−アルコキシもしくはC2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシにより置換されているピラジニルである、本明細書に定義される化合物に関する。
【0076】
本発明のある実施態様は、Rが、5−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イル、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−イル、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−イル、5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−イル、5−シアノ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル又はピリジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0077】
本発明のある実施態様は、Rが、5−シアノ−ピリジン−2−イル又は5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−イルである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0078】
本発明のある実施態様は、Rが、アリールである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0079】
本発明のある実施態様は、Rが、シアノ、シアノ−C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロゲン−C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルキニル−C1−6−アルコキシ、C2−6−アルキニル及びC1−6−アルキルから個別に選択される1〜4個の置換基により置換されているアリールである、本明細書に記載の化合物に関する。
【0080】
本発明のある実施態様は、以下からなる群より選択される、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する:
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
N−(3−(rel−(4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド、
N−(3−(rel−(4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ブタ−2−イニルオキシ)ピラジン−2−カルボキサミド、
N−(3−((4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド、
N−(3−((4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−プロポキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
N−(3−((4S,4aS,7aS)−2−アミノ−4−メチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−3−クロロ−5−シアノピコリンアミド、
ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、及び
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド。
【0081】
本発明のある実施態様は、以下からなる群より選択される、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する:
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、及び
ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド。
【0082】
本発明のある実施態様は、本明細書に記載の式Iの化合物の合成方法であって、式XIで表される化合物と式XIIで表される化合物を反応させて、式Iの化合物を得る工程:
【化6】

(式中、R、R、R、R、Rは、本明細書において定義されるとおりである)
を含む、方法に関する。
【0083】
本発明のある実施態様は、上記に定義されるプロセスにより調製される場合の、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0084】
本発明のある実施態様は、治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0085】
本発明のある実施態様は、BACE1及び/又はBACE2活性の阻害剤として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0086】
本発明のある実施態様は、BACE1活性の阻害剤として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0087】
本発明のある実施態様は、BACE2活性の阻害剤として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0088】
本発明のある実施態様は、BACE1及びBACE2活性の阻害剤として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0089】
本発明のある実施態様は、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイドプラーク及びさらなる沈着により特徴付けられる疾患及び障害、特に、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0090】
本発明のある実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0091】
本発明のある実施態様は、糖尿病、特に、2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0092】
本発明のある実施態様は、糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0093】
本発明のある実施態様は、本明細書に記載の式Iの化合物ならびに薬学的に許容しうる担体及び/又は薬学的に許容しうる補助物質を含む、医薬組成物に関する。
【0094】
本発明のある実施態様は、BACE1及び/又はBACE2活性の阻害に使用するための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0095】
本発明のある実施態様は、BACE1活性の阻害に使用するための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0096】
本発明のある実施態様は、BACE2活性の阻害に使用するための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0097】
本発明のある実施態様は、BACE1及びBACE2活性の阻害に使用するための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0098】
本発明のある実施態様は、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイドプラーク及びさらなる沈着により特徴付けられる疾患及び障害、特に、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0099】
本発明のある実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0100】
本発明のある実施態様は、糖尿病、特に、2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0101】
本発明のある実施態様は、糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための医薬を製造するための、本明細書に記載の式Iの化合物の使用に関する。
【0102】
本発明のある実施態様は、BACE1及び/又はBACE2活性の阻害に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0103】
本発明のある実施態様は、BACE1活性の阻害に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0104】
本発明のある実施態様は、BACE2活性の阻害に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0105】
本発明のある実施態様は、BACE1及びBACE2活性の阻害に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0106】
本発明のある実施態様は、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイドプラーク及びさらなる沈着により特徴付けられる疾患及び障害、特に、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0107】
本発明のある実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0108】
本発明のある実施態様は、糖尿病、特に、2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0109】
本発明のある実施態様は、糖尿病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための、本明細書に記載の式Iの化合物に関する。
【0110】
本発明のある実施態様は、BACE1及び/又はBACE2活性の阻害に使用するための、特に、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイドプラーク及びさらなる沈着により特徴付けられる疾患及び障害、アルツハイマー病、糖尿病又は2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置のための方法であって、ヒト又は動物に本明細書に記載の式Iの化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0111】
本発明のある実施態様は、アルツハイマー病、糖尿病又は2型糖尿病の治療的及び/又は予防的処置に使用するための方法であって、ヒト又は動物に本明細書に記載の式Iの化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0112】
さらに、本発明は、式Iの化合物の全ての光学異性体、すなわち、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ラセミ混合物、全てのこれらの対応するエナンチオマー及び/又は互変異性体、ならびにこれらの溶媒和物を含む。
【0113】
当業者であれば、式Iの化合物が、互変異性体形態、例えば、下記の互変異性体形態で存在することができることが理解されよう。
【化7】
【0114】
全ての互変異性体形態が本発明に包含される。
【0115】
式Iの化合物は、1つ又は複数の不斉中心を含有してもよく、従って、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。分子上の様々な置換基の性質によってはさらに不斉中心が存在していてもよい。そのような不斉中心はそれぞれ、別々に2種の光学異性体を生成し、そして、全ての可能な光学異性体及びジアステレオマーを混合物及び純粋又は部分的に純粋な化合物として本発明の範囲内に含むことを意図する。本発明は、これらの化合物のそのような異性体形態の全てを包含することを意味する。これらのジアステレオマーの独立合成又はそのクロマトグラフ分離は、本明細書に開示の方法を適当に改変することにより、当技術分野において知られているように達成することができる。その絶対立体化学は、結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶学的方法により決定することができるが、その結晶生成物又は結晶中間体は、必要があれば、絶対配置が分かっている不斉中心を有する試薬で誘導化してもよい。所望ならば、化合物のラセミ混合物を分離して個々のエナンチオマーを単離することができる。分離は当技術分野においてよく知られた方法、例えば、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、続いて、個々のジアステレオマーを分別結晶又はクロマトグラフィーなどの標準的な方法で分離する方法により行うことができる。式Iの化合物の異性体の好ましい例は、式Ibの化合物又は式Icの化合物、特に、Ibの化合物である(残基は、いずれかの実施態様に記載の意味を有する)。
【化8】
【0116】
光学的に純粋なエナンチオマーが提供される実施態様においては、光学的に純粋なエナンチオマーは、化合物が、所望の異性体の>90%重量、好ましくは、所望の異性体の>95%重量、又はより好ましくは、所望の異性体の>99%重量を含有することを意味する(前記重量%は、化合物の異性体の全重量に基づく)。キラルに純粋な又はキラルに富んでいる化合物は、キラル選択的合成又はエナンチオマーの分離により調製してもよい。エナンチオマーの分離は、最終生成物又は適切な中間体で実施してもよい。
【0117】
式Iの化合物は、下記のスキームに従って調製してもよい。出発物質は市販品であるか、又は公知の方法に従って調製してもよい。先に定義した任意の残基及び変数は、特に明記しない限り、継続的に先に定義した意味を有する。
【0118】
ニトロ化合物(II)を、ベンゼン又はトルエン、特に、ベンゼン、又はアルキルエーテル、特に、ジエチルエーテルなどの溶媒中、例えば、イソシアネート、特に、フェニルイソシアネートなどの活性化剤及び触媒量の塩基、特に、アルキルアミン、より特に、NEtの存在下で、オレフィン(III)と反応させて、ジヒドロイソオキサゾールIVを得る。
【0119】
イソオキサゾリジン(VI)を得るための臭化アリール(V)によるジヒドロイソオキサゾール(IV)のアリール化は、エーテル、特に、THF及びトルエンからなる混合溶媒中、ルイス塩基、好ましくは、三フッ化ホウ素エーテラートの存在下、−100℃〜−20℃、特に、−78℃で、ハロゲン化アリール、特に、臭化アリールを、アルキルリチウム試薬、特に、n−BuLiと反応させてアリールリチウム種を得て、これを、ジヒドロイソオキサゾール(IV)と反応させることにより実施される。
【0120】
キラルなイソオキサゾリジン(VII)を得るためのラセミ体のイソオキサゾリジン(VI)の分割は、n−ヘプタンとエタノールの混合物中、Chiralpack ADカラムを使用して、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行うことができる。
【0121】
キラルなイソオキサゾリジン(VII)のアミノアルコール(VIII)への水素化分解は、アルコール、特に、エタノールなどのプロトン性溶媒中、Pd触媒、特に、Pd炭素、及び水素源、例えば、ギ酸塩、特に、ギ酸アンモニウムを使用した転移水素化分解により最もよく達成することができる。
【0122】
オキサジン(IX)は、アルコール、特に、エタノールなどの溶媒中、高温で、アミノアルコール(VIII)と臭化シアンを反応させることにより調製することができる。あるいは、反応は、例えば、CHCNなどの溶媒の存在下、シアン化臭素、及び例えば、酢酸ナトリウムなどの緩衝液を使用し、続いて、エーテル、特に、1,4−ジオキサンなどの溶媒中、鉱酸、特に、塩酸の存在下で中間体を環化する2連続工程で実施することができる。
【0123】
ニトロ−オキサジン(X)を得るためのオキサジン(IX)のニトロ化は、溶媒を使用することなく、原液の硫酸及び発煙硝酸を用いる標準的な手順に従う。
【0124】
アニリン(XI)を得るための中間体(X)中のニトロ基の還元は、アルコール、特に、エタノール又はメタノールなどのプロトン性溶媒中、Pd/Cなどの触媒を使用した水素化により達成することができる。
【0125】
アミド(I)を得るためのアニリン(XI)とカルボン酸(XII)の選択的アミドカップリングは、アルコール、特に、メタノールなどの溶媒中、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)水和物により実施することができる。
【0126】
【化9】

スキーム1:式I(式中、R=F、R=メチル、R=H及びR=H)(I’)の化合物の合成
【0127】
【化10】

スキーム2:式I(式中、R=F、R=メチル)(I’’)の化合物の合成
【0128】
【化11】

スキーム3:式I’’’(式中、R=F)の化合物の合成
【0129】
一般式I’’’の化合物は、スキーム3に記載のように調製することができる。すでに上述したアミノアルコールVIIIbは、ジクロロメタンなどの塩素化溶媒中、トリアルキルアミン塩基、特に、トリエチルアミン、及びピリジン触媒、特に、4−ジメチルアミノピリジンの存在下、0℃〜23℃で、クロロシラン、特に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(PG=t−BuMeSi)で、O−シリル化により酸素上を選択的に保護して、O−シリル化アミノアルコールXIIIbにすることができる。
【0130】
O−シリル化アミノアルコールXIIIbは、塩素化溶媒、特に、ジクロロメタン中、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の存在下、0℃〜60℃、好ましくは、23℃で、塩化スルフィニル、特に、塩化tert−ブチルスルフィニル(PG=t−BuSO)により、O−シリル化N−スルフィニル化アミノアルコールXIVbにアシル化することができる。
【0131】
O−シリル化N−スルフィニル化アミノアルコールXIVbは、THFなどの溶媒中、0℃〜50℃、好ましくは、23℃で、フッ素源、特に、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)と反応させることにより、N−スルフィニル化アミノアルコールXVbに脱シリル化することができる。
【0132】
N−スルフィニル化アミノアルコールXVbは、塩素化溶媒、特に、ジクロロメタン中、−78℃〜周囲温度の温度で、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシドなどの試薬とトリエチルアミン又はジイソプロピルアミンなどのアミン塩基を組み合わせることにより、N−スルフィニル化アミノケトンXVIbに酸化することができる。
【0133】
N−スルフィニル化アミノケトンXVIbは、THFなどの溶媒中、フッ素源、特に、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)の存在下、0℃〜50℃、好ましくは、0〜23℃で、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(Ruppert試薬)などのトリフルオロメチル化試薬と反応させることにより、N−スルフィニル化アミノ−α−トリフルオロメチルアルコールXVIIbに変換することができる。
【0134】
N−スルフィニル化アミノ−α−トリフルオロメチルアルコールXVIIbは、THF、酢酸エチル、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、0〜23℃の温度で、強水性鉱酸、特に、塩酸と反応させることにより、アミノ−α−トリフルオロメチルアルコールXVIIIbに脱保護することができる。
【0135】
アミノ−α−トリフルオロメチルアルコールXVIIIbは、THFなどのエーテル系溶媒中、強塩基、特に、水素化ナトリウムの存在下、0℃〜23℃の温度で、強シリル化試薬、特に、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(PG=t−BuMeSi)で、O−シリル化により酸素上を選択的に保護して、O−シリル化アミノ−α−トリフルオロメチルアルコールXIXbにすることができる。
【0136】
O−シリル化アミノ−α−トリフルオロメチルアルコールXIXbは、塩素化溶媒、特に、ジクロロメタン中、重炭酸ナトリウムなどの弱塩基の存在下、0〜23℃の温度で、好ましくは、23℃で、チオホスゲン又は1、1’−チオカルボニルジイミダゾールなどの等価な試薬で処理することにより、O−シリル化α−トリフルオロメチルアルコールイソチオシアネートXXbに変換することができる。
【0137】
O−シリル化α−トリフルオロメチルアルコールイソチオシアネートXXbは、以下のような3工程ワンポット手順によりN−ベンジル化オキサジンXXIbに変換することができる:1.)溶媒、特に、アセトニトリル中、0℃〜100℃、好ましくは、80℃での、対応するO−シリル化チオウレアへの、アミン、特に、p−メトキシベンジルアミン(PG=PMB)又は2,4−ジメトキシベンジルアミン(PG=DMB)との反応。2.)O−シリル化チオウレアは、アセトニトリルなどの溶媒中、0℃〜80℃、好ましくは、23℃で、フッ素源、特に、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(TBAF・3HO)と反応させることにより、α−トリフルオロメチルアルコールチオウレアに脱シリル化することができる。3.)α−トリフルオロメチルアルコールチオウレアは、アセトニトリルなどの溶媒中、23〜100℃、好ましくは、80℃で、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩などのカルボジイミドで処理することにより、N−ベンジル化オキサジンXXIbに環化することができる。
【0138】
N−ベンジル化オキサジンXXIbは、0℃〜50℃の温度、好ましくは、23℃で、強有機酸、特に、トリフルオロ酢酸でニート反応させることにより、オキサジンXXIIbに脱ベンジル化する。
【0139】
オキサジンXXIIbは、オキサジンIX及びIXaについてすでに上述したように、ニトロ−オキサジンXXIIIb及びアニリンXXIVbを介して、一般式I’’’の化合物に変換することができる。
【0140】
式Iの化合物ならびに全ての中間体生成物は、これらの調製が実施例において記載されない場合は、類似の方法又は本明細書に記載の方法に従って調製することができる。出発物質は、市販品であるか、当技術分野において公知のものであるか、あるいは当技術分野において公知の方法又はその類似の方法により調製することができる。
【0141】
本発明の一般式Iの化合物の官能基を誘導体化して、in vivoで再び親化合物に変換することが可能な誘導体を提供することができることが明らかであろう。
【0142】
薬理試験
式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、有益な薬理学的特性を有する。本発明の化合物が、BACE1及び/又はBACE2活性の阻害と関連することが見出された。本化合物は、本明細書で後述する試験に従って調査した。
【0143】
細胞のAβ低下アッセイ:
ヒトAPPwt遺伝子(APP695)のcDNAを発現するベクターで安定的にトランスフェクトされたヒトHEK293細胞を使用して、細胞アッセイにおける本化合物の効力を評価した。96ウェルマイクロタイタープレート中の細胞培養培地(Iscove、+10%(v/v)ウシ胎仔血清、グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン)に細胞を播種し、約80%のコンフルエンスにして、本化合物を、8%DMSOを含有するFCS不含の培地の1/10容量中、10×濃度で加えた(DMSOの最終濃度は0.8%v/vで維持した)。加湿インキュベーター中、37℃及び5%COで18〜20時間インキュベートした後、培養物の上清を、Aβ40の濃度を決定するために回収した。96ウェルELISAプレート(例えば、Nunc MaxiSorb)を、Aβ40のC−末端を特異的に認識するモノクローナル抗体でコートした(Brockhaus et al., NeuroReport 9, 1481-1486; 1998)。非特異的結合部位を、例えば、1%BSAでブロッキングして洗浄した後、培養物の上清を適切に希釈して、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合Aβ検出抗体(例えば、抗体4G8, Senetek, Maryland Heights, MO)と共に加え、5〜7時間インキュベートした。その後、マイクロタイタープレートのウェルを、0.05%Tween20を含有するトリス緩衝食塩水で十分に洗浄し、アッセイをクエン酸緩衝液中のテトラメチルベンジジン/Hで発色させた。1容量の1N HSOで反応を停止した後、反応物をELISAリーダーにて450nmの波長で測定した。培養物上清中のAβの濃度を、既知量の純粋なAβペプチドを用いて得た標準曲線から計算した。
【0144】
細胞TMEM27切断を測定することによるBACE阻害についてのアッセイ:
本アッセイは、Ins1eラット細胞株における内因性細胞BACE2によるヒトTMEM27切断及び細胞表面から培養培地への脱落の阻害の原理を使用し、続いて、ELISAアッセイで検出する。BACE2の阻害は、用量依存的にこの切断及び脱落を防止する。
【0145】
安定な細胞株「INS−TMEM27」は、ドキシサイクリン依存的に完全長hTMEM27の誘導性発現を有する(TetOn系を使用する)INS1e由来細胞株を表す。細胞を、実験を通して、RPMI1640+Glutamax(Invitrogen)ペニシリン/ストレプトマイシン、10%ウシ胎仔血清、100mMピルビン酸塩、5mMβ−メルカプトエタノール、100マイクログラム/ml G418及び100マイクログラム/mlハイグロマイシン中で培養し、標準的なCO細胞培養インキュベーター内にて37℃で非接着培養により成長させる。
【0146】
INS−TMEM27細胞を96ウェルプレートに播種する。2日間培養した後、BACE2阻害剤をアッセイに必要な濃度範囲で加え、さらに2時間の後、ドキシサイクリンを最終濃度500ng/mlで加える。細胞をさらに46時間インキュベートし、脱落したTMEM27の検出のために上清を回収する。
【0147】
ELISAアッセイ(TMEM27の細胞外ドメインに対して産生された、一対のマウス抗ヒトTMEM27抗体を使用する)を培養培地中のTMEM27の検出に使用する。BACE2阻害のEC50は、Excel表計算プログラム用のXLFitなどの標準的な曲線フィッティングソフトウェアを用いて、各阻害剤濃度についてのELISA読み取り値を使用して計算する。
【0148】
【表1】



表1:選択した化合物のIC50
【0149】
医薬組成物
式Iの化合物及び薬学的に許容しうる塩は、治療活性物質として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、経口的に、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質及び軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で投与することができる。しかし、投与は、また、経直腸的に、例えば、坐剤の剤形で、又は非経口的に、例えば、注射剤の剤形で行うことができる。
【0150】
式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、医薬製剤の製造のために、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に加工することができる。ラクトース、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤用のそのような担体として使用することができる。軟質ゼラチンカプセル剤に好適な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである。しかし、軟質ゼラチンカプセル剤の場合、活性物質の性質によっては、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に好適な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤に好適な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0151】
さらに、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味料、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤などの薬学的に許容しうる補助物質を含有することができる。これらは、また、さらに他の治療上有益な物質を含有することができる。
【0152】
また式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬も発明の目的であり、1つ又は複数の式Iの化合物及び/又は薬学的に許容しうる塩、ならびに所望であれば、1つ又は複数の他の治療上有益な物質を、1つ又は複数の治療上不活性な担体と一緒にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、それらの製造プロセスも同様に本発明の目的である。
【0153】
用量は広範に変更可能であり、そして、当然のことであるが、特定の症例の各々で個々の要件に合わせて調整する必要がある。経口投与の場合、成人の用量は、一般式Iの化合物を約0.01mg〜約1000mg/日で、又はその薬学的に許容しうる塩をその対応する量で変更することができる。一日用量は、単回用量又は分割用量で投与してもよく、また必要に応じてその上限を超えてもよい。
【0154】
前述の例は本発明を限定することなく説明するものであるが、単にその代表例としての役割をもつ。医薬製剤は、約1〜500mg、好ましくは、1〜100mgの式Iの化合物を含有することが都合がよい。以下は、本発明の組成物の例である:
【0155】
実施例A
下記の組成の錠剤を常法で製造する:
【表2】
【0156】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で顆粒状にする。
2.顆粒を50℃で乾燥する。
3.顆粒を適切な製粉装置にかける。
4.成分5を加え3分間混合して、適切な圧縮機で圧縮する。
【0157】
実施例B−1
下記の組成のカプセル剤を製造する:
【表3】
【0158】
製造手順
1.成分1、2及び3を適切な混合器で30分間混合する。
2.成分4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0159】
式Iの化合物、ラクトース及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に、微粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、そこにタルクを加えて十分に混合する。混合物を、機械で適切なカプセル、例えば、硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0160】
実施例B−2
下記の組成の軟質ゼラチンカプセル剤を製造する:
【表4】
【0161】
【表5】
【0162】
製造手順
式Iの化合物を他の成分の温かい溶融物に溶解し、その混合物を適切なサイズの軟質ゼラチンカプセルに充填する。充填した軟質ゼラチンカプセルを、通常の手順に従って処理する。
【0163】
実施例C
下記の組成の坐剤を製造する:
【表6】
【0164】
製造手順
坐剤用練剤を、ガラス又はスチール容器で溶融し、十分に混合して45℃に冷却する。その後、微粉末の式Iの化合物をそこに加え、完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切なサイズの坐剤用鋳型に注いで、放冷した後、坐剤を鋳型から取り出し、ロウ紙又は金属箔に個別に包装する。
【0165】
実施例D
下記の組成の注射剤を製造する:
【表7】
【0166】
製造手順
式Iの化合物を、ポリエチレングリコール400と注射剤用水(一部)の混合物に溶解する。pHを酢酸で5.0に調整する。残りの水を加えて容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適度の過剰量でバイアルに充填し、滅菌する。
【0167】
実施例E
下記の組成のサッシェ剤を製造する:
【表8】
【0168】
製造手順
式Iの化合物を、ラクトース、微晶質セルロース及びカルボキシルメチルセルロースナトリウムと混合し、ポリビニルピロリドンと水の混合物と共に造粒する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び風味添加剤と混合し、サシェに充填する。
【0169】
実験の部
下記の例は本発明を説明するために提供する。これらは本発明の範囲を限定するものではなく、単にその代表例として捉えるべきである。
【0170】
一般手順A:中間体ジヒドロイソオキサゾールIVの合成
ベンゼン(105ml)中のニトロ化合物II(72.8mmol)及びオレフィンIII(71.3mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(NEt)(10滴)、続いて、ベンゼン(15ml)中のフェニルイソシアネート(146mmol)の溶液を加え、撹拌を22℃で1時間、還流温度で1時間続けた。あるいは、ジエチルエーテルを溶媒として使用することもでき、反応混合物を22℃で3日間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液でシクロヘキサンと酢酸エチル(AcOEt)の混合物を使用したシリカクロマトグラフィーを行って、純粋なジヒドロイソオキサゾールIVを得た。
【0171】
【化12】

中間体IV−1:ニトロエタンと2,5−ジヒドロ−フランから出発して、生成物(3aS,6aS)−rel−3−メチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを淡黄色の固体として得た。
【0172】
【化13】

中間体IV−2:ジクロロメタン(40ml)中の(3aS,6aS)−rel−1−(3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−イル)−メタノール(14.0mmol)の溶液を、−70℃で、ジクロロメタン(5ml)中の(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(15.4mmol)の溶液で滴下処理した。無色の混濁溶液を−70℃で30分間撹拌して、次に、室温まで放温しその間に色が褐色に変化した。1時間撹拌した後、黒褐色の溶液を氷浴中で冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)でクエンチした。水層を分離し、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に、蒸発させた。粗生成物を、溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜80:20のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。(3aS,6aS)−rel−3−フルオロメチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール(814mg、収率40%)を明黄色の固体として得た。MS: m/z = 146.2 [M+H]+
【0173】
(3aS,6aS)−rel−1−(3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−イル)−メタノールは、以下のようにして得た:
【0174】
【化14】

市販の2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸(Z)−エチルニトロエタン及び2,5−ジヒドロ−フランから開始し一般手順Aに従って、生成物(3aS,6aS)−rel−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルを黄色の液体として得た。
【0175】
【化15】

エタノール(60ml)中の(3aS,6aS)−rel−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル(18.9mmol)(中間体IV−2)の溶液を5℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(37.8mmol)を15分間かけて滴下した。ガス発生の間、温度を5〜10℃に維持した。その後、反応混合物を25〜28℃で1時間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物を氷浴中で冷却し、3M塩酸(12ml)を滴下した。混合物を室温まで放温し、次に、炭酸ナトリウム溶液(2M;10ml)で処理した。懸濁液を減圧下で濃縮し、得られた固体をジクロロメタン中で撹拌し、次に、濾過して、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜0:100のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。(3aS,6aS)−rel−1−(3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−イル)−メタノール(2.06g、収率76%)を明黄色の油状物として得た。MS: m/z = 144.0 [M+H]+
【0176】
【化16】

中間体IV−3:ジクロロメタン(20ml)中の(3aS,6aS)−rel−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−カルバルデヒド(35.4mmol)の溶液を、−2℃で、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(42.5mmol)で滴下処理した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液(25ml)を注意深く滴下してクエンチし、その後、炭酸ナトリウム溶液(10%)を加えて、pHをアルカリ性に調整した。混合物をジクロロメタンで3回抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。精製のために、粗生成物を減圧下で蒸留した。(3aS,6aS)−rel−3−ジフルオロメチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール(2.9g、収率50%)を明黄色の油状物として得た。
【0177】
(3aS,6aS)−rel−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−カルバルデヒドは、以下のようにして得た:
【0178】
【化17】

市販の1,1−ジメトキシ−2−ニトロエタン(CAS69425-53-2)及び2,5−ジヒドロ−フランから出発し一般手順Aに従って、生成物(3aS,6aS)−rel−3−ジメトキシメチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを明褐色の油状物として得た。
【0179】
【化18】

トリフルオロ酢酸(30ml)中の(3aS,6aS)−rel−3−ジメトキシメチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール(35.3mmol)の溶液を水(1.3ml)で処理した。混合物を室温で30分間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物を水(100ml)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタンとヘプタンの5:1混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。(3aS,6aS)−rel−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール−3−カルバルデヒド(4.79g、収率96%)を黄色の油状物として得た。MS: m/z = 144.0 [M+H]+
【0180】
一般手順B:中間体イソオキサゾリジンVI及びVIIの合成
THF(5ml)及びトルエン(15ml)中の臭化アリールV(8.26mmol)の撹拌溶液に、−78℃で、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、4.9ml)を10分間かけて加え、撹拌を−78℃で1時間続けた。
【0181】
トルエン(35ml)中のジヒドロイソオキサゾールIV(3.9mmol)の溶液に、−78℃で、三フッ化ホウ素エーテラート(BF・EtO)(7.9mmol)を加え、続いて、−70℃未満に温度を維持しながら、絶縁カニューレを使用して上記で調製したフェニルリチウム試薬を10分間かけて加えた。混合物を−78℃で1時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(NHCl)でクエンチし、AcOEtで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、残渣でシクロヘキサンとAcOEtの混合物を使用したシリカクロマトグラフィーを行って、純粋なイソオキサゾリジンVIを得た。
【0182】
【化19】

中間体VI−1:(3aS,6aS)−rel−3−メチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールから出発し、生成物(3S,3aS,6aS)−rel−3−(2−フルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロフロ[3,4−d]イソオキサゾールをオフホワイトの固体として得た。MS: m/z = 224.2 [M+H]+
【0183】
【化20】

中間体VI−2:(3aS,6aS)−rel−3−フルオロメチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール及び1−ブロモ−2−フルオロベンゼンから出発し、生成物(3S,3aS,6aS)−rel−3−フルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを明黄色の油状物として得た。MS: m/z = 242.1 [M+H]+
【0184】
【化21】

中間体VI−3:(3aS,6aS)−rel−3−ジフルオロメチル−3a,4,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾール及び1−ブロモ−2−フルオロベンゼンから出発し、生成物(3S,3aS,6aS)−rel−3−ジフルオロメチル−3−(2−フルオロフェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを橙色の油状物として得た。MS: m/z = 260.2 [M+H]+
【0185】
【化22】

中間体VII−1:ラセミ体の(3S,3aS,6aS)−3−(2−フルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロフロ[3,4−d]イソオキサゾールを、n−ヘプタン/エタノール(85:15)を使用したキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラム(Chiralpack AD)で分割して、所望の(3S,3aS,6aS)−3−(2−フルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロフロ[3,4−d]イソオキサゾールをより速く溶離したエナンチオマーとして、そして、(3R,3aR,6aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールをより遅く溶離したエナンチオマーとして得た。
【0186】
【化23】

中間体VII−2:ラセミ体の(3S,3aS,6aS)−3−フルオロメチル−3−(2−フルオロフェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを、n−ヘプタン/エタノール(85:15)を使用したキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラム(Chiralpack AD)で分割して、所望の(3S,3aS,6aS)−3−フルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールをより速く溶離したエナンチオマーとして、そして、(3R,3aR,6aR−3−フルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールをより遅く溶離したエナンチオマーとして得た。
【0187】
【化24】

中間体VII−3:ラセミ体の(3S,3aS,6aS)−3−ジフルオロメチル−3−(2−フルオロフェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを、n−ヘプタン/イソプロパノールを使用したキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラム(Chiralpack AD)で分割して、所望の(3S,3aS,6aS)−3−ジフルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを二番目に溶離したエナンチオマーとして、そして、(3R,3aR,6aR−3−ジフルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールを最初に溶離したエナンチオマーとして得た。
【0188】
一般手順C:中間体アミノアルコールVIIIの合成
EtOH(40ml)中のイソオキサゾリジンVII(6.4mmol)の溶液に、Pd/C(10%、288mg)及びギ酸アンモニウム(3.2g)を加え、混合物の撹拌を22℃で3時間続けた。懸濁液を濾過し、濾液を蒸発させて、残渣をAcOEtと飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO)水溶液で分液した。有機層を乾燥させ、蒸発させて、残渣でシクロヘキサンとAcOEtの混合物を使用したSi−NHカラムクロマトグラフィーを行って、純粋なアミノアルコールVIIIを得た。
【0189】
中間体VIII−1:(3S,3aS,6aS)−3−(2−フルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロフロ[3,4−d]イソオキサゾールから出発し、生成物(3S,4S)−4−[(S)−1−アミノ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−テトラヒドロ−フラン−3−オールを無色の油状物として得た。MS: m/z = 226.2 [M+H]+
【0190】
中間体VIII−2:(3S,3aS,6aS)−3−フルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールから出発し、生成物(3S,4S)−4−[(S)−1−アミノ−2−フルオロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−テトラヒドロ−フラン−3−オールを白色の固体として得た。MS: m/z = 244.2 [M+H]+
【0191】
中間体VIII−3:(3S,3aS,6aS)−3−ジフルオロメチル−3−(2−フルオロ−フェニル)−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−d]イソオキサゾールから出発し、生成物(3S,4S)−4−[(S)−1−アミノ−2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−テトラヒドロ−フラン−3−オールを無色の固体として得た。MS: m/z = 262.2 [M+H]+
【0192】
一般手順D:中間体オキサジンIXの合成
THF(130ml)中のアミノアルコールVIII(5.9mmol)の溶液に、酢酸ナトリウム(6.8mmol)とシアン化臭素(Br−CN)溶液(アセトニトリル(CHCN)中5M、6.8mmol)を続けて加え、混合物を還流温度で16時間撹拌した。混合物を1,4−ジオキサン中の塩酸(HCl)(4M、7.1ml)で希釈し、撹拌を22℃で1時間続けた。混合物をAcOEtと飽和炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液で分液し、有機層を乾燥させ、蒸発させて、残渣にAcOEtとメタノール(MeOH)(9:1)の混合物を使用したシリカクロマトグラフィーを行って、純粋なオキサジンIXを得た。
【0193】
中間体IX−1:(3S,4S)−4−[(S)−1−アミノ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−テトラヒドロ−フラン−3−オールから出発し、生成物(3aS,7S,7aS)−7−(2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを淡黄色の非晶質固体として得た。MS: m/z = 251.1 [M+H]+
【0194】
中間体IX−2:(3S,4S)−4−[(S)−1−アミノ−2−フルオロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−テトラヒドロ−フラン−3−オールから出発し、生成物(3aS,7S,7aS)−7−フルオロメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを白色の泡状物して得た。MS: m/z = 269.1 [M+H]+
【0195】
中間体IX−3:(3S,4S)−4−[(S)−1−アミノ−2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−テトラヒドロ−フラン−3−オールから出発し、生成物(3aS,7S,7aS)−7−ジフルオロメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを無色の固体として得た。MS: m/z = 287.2 [M+H]+
【0196】
一般手順E:中間体ニトロ−オキサジンXの合成
濃硫酸(13ml)に、22℃で、オキサジンIX(3.0mmol)を少しずつ加え、得られた溶液を0℃に冷却して、赤発煙硝酸(HNO)(0.19ml)で20分間かけて処理し、撹拌を0℃で1時間続けた。反応混合物を砕いた氷(60g)にゆっくり加え、水酸化ナトリウム(NaOH)を用いてpHを10に調整して、水層をAcOEtで抽出し、有機層を乾燥させ、蒸発させて、残渣でAcOEt/MeOH(9:1)の混合物を使用したシリカクロマトグラフィーを行って、純粋なニトロ−オキサジンXを得た。
【0197】
中間体X−1:(3aS,7S,7aS)−7−(2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンから出発し、生成物(3aS,7S,7aS)−7−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを淡黄色の非晶質固体として得た。MS: m/z = 296.2 [M+H]+
【0198】
中間体X−2:(3aS,7S,7aS)−7−フルオロメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンから出発し、生成物(3aS,7S,7aS)−7−フルオロメチル−7−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを白色の固体として得た。MS: m/z = 313.9 [M+H]+
【0199】
中間体X−3:(3aS,7S,7aS)−7−ジフルオロメチル−7−(2−フルオロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンから出発し、生成物(3aS,7S,7aS)−7−ジフルオロメチル−7−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを明黄色の固体として得た。MS: m/z = 332.2 [M+H]+
【0200】
一般手順F:中間体アニリンXIの合成
EtOH(40ml)及びNEt(0.2ml)中のニトロ−オキサジンX(2.6mmol)の懸濁液をPd/C(10%、80mg)で処理し、混合物を大気圧下、22℃で2時間水素化した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、残渣でAcOEt/MeOH(9:1)の混合物を使用したSi−NHカラムクロマトグラフィーを行って、純粋なアニリンXIを得た。
【0201】
中間体XI−1:(3aS,7S,7aS)−7−(2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンから出発し、(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを白色の非晶質固体として得た。MS: m/z = 266.1 [M+H]+
【0202】
中間体XI−2:(3aS,7S,7aS)−7−フルオロメチル−7−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンから出発し、(3aS,7S,7aS)−7−フルオロメチル−7−(5−アミノ−2−フルオロ−5−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを白色の泡状物として得た。MS: m/z = 284.1 [M+H]+
【0203】
中間体XI−3:(3aS,7S,7aS)−7−ジフルオロメチル−7−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンから出発し、(3aS,7S,7aS)−7−ジフルオロメチル−7−(5−アミノ−2−フルオロ−5−フェニル)−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンを無色の泡状物として得た。MS: m/z = 302.3 [M+H]+
【0204】
一般手順G:中間体O−保護アミノアルコールXIIIbの合成
【化25】

ジクロロメタン(91ml)中のアミノアルコールVIIIb(13.9mmol)の溶液を、0℃で、トリエチルアミン(4.48g、44.3mmol)及び4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(846mg、6.93mmol)、続いて、tert−ブチルジメチルクロロシラン(4.18g、27.7mmol)で処理した。反応混合物を室温まで放温し、一晩撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO)溶液で抽出して、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得て、これを溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜0:100のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0205】
中間体XIIIb−1:rel−(3S,4S)−4−((S)−1−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エチル)テトラヒドロフラン−3−オール)から出発し、rel−(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンを無色の油状物として得た。
【0206】
中間体XIIIb−2:(3S,4S)−4−((S)−1−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エチル)テトラヒドロフラン−3−オール)から出発し、(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンを無色の油状物として得た。MS: m/z = 340.3 [M+H]+
【0207】
一般手順H:中間体二保護アミノアルコールXIVbの合成
ジクロロメタン(34ml)中の保護アミノアルコールXIIIb(19.1mmol)及びトリエチルアミン(2.9g、28.6mmol)の溶液を、0℃で、塩化tert−ブチルスルフィニル(2.95g、21.0mmol)で滴下処理した。反応物を0℃で3時間撹拌した。反応を完了させるために、塩化tert−ブチルスルフィニル(0.5ml、4mmol)を再度加え、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO)溶液で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。蒸発させて、粗生成物を得て、これを溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜0:100のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0208】
中間体XIVb−1:rel−(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンから出発し、(R)−N−rel−((S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド及び(S)−N−rel−((S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを共に無色の油状物として得た。
【0209】
中間体XIVb−2:(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンから出発し、(R)−N−((S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド及び(S)−N−((S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを共に無色の油状物として得た。
【0210】
一般手順I:中間体N−保護アミノアルコールXVbの合成
テトラヒドロフラン(7ml)中の二保護アミノアルコールXIVb(5.43mmol)の溶液を、23℃で、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M)(7.0ml、7.00mmol)で処理し、45分間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、次に、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで再抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物を溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜0:100のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0211】
中間体XVb−1:(S又はR)−N−rel−((S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(S又はR)−N−rel−((SR)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを白色の固体として得た。
【0212】
中間体XVb−2:(S又はR)−N−((S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(S又はR)−N−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドをオフホワイトの固体として得た。MS: m/z = 330.1 [M+H]+
【0213】
一般手順J:中間体ケトンXVIbの合成
乾燥アルゴン雰囲気下、塩化オキサリル(896mg、7.06mmol)を脱水ジクロロメタン(16.5ml)に溶解した。−78℃で、脱水ジメチルスルホキシド(1.00ml、14.1mmol)をシリンジで滴下した。得られた混合物を15分間撹拌し、その後、脱水ジクロロメタン(19ml)中のN−保護アミノアルコールXVb(4.71mmol)の微粒懸濁液をシリンジで加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌した。次に、トリエチルアミン(3.28ml、23.5mmol)を加え、得られた混合物を−78℃で10分間、次に、−78℃〜10℃で撹拌した。ワークアップのために、反応物を塩化アンモニウム溶液(20ml)でクエンチし、ジクロロメタンで希釈して、クエン酸(pH=2〜3)で抽出し、炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜20:80のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0214】
中間体XVIb−1:(S又はR)−N−rel−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(S又はR)−N−rel−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((S)−4−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを明黄色の油状物として得た。MS: m/z = 328.2 [M+H]+
【0215】
中間体XVIb−2:(S又はR)−N−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(S又はR)−N−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((S)−4−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを明黄色の油状物として得た。MS: m/z = 328.2 [M+H]+
【0216】
一般手順K:中間体トリフルオロメチル誘導体XVIIbの合成
テトラヒドロフラン(15ml)中の中間体ケトンXVIb(2.72mmol)の溶液を、0℃で、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(580mg、603μl、4.08mmol)で滴下処理した。その後、0℃で、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M)(136μl、136μmol)を加えた。褐色の溶液を室温まで放温し、3時間撹拌した。反応を完了させるために、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M)(4.08ml、4.08mmol)を加え、撹拌を1時間続けた。ワークアップのために、反応混合物を水でクエンチし、水層を酢酸エチルで抽出して、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で蒸発させた後、残渣を溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜0:100のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0217】
中間体XVIIb−1:(S又はR)−N−rel−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((S)−4−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(S又はR)−N−rel−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを明褐色の固体として得た。MS: m/z = 398.1 [M+H]+
【0218】
中間体XVIIb−2:(S又はR)−N−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((S)−4−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(S又はR)−N−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを明褐色の泡状物として得た。MS: m/z = 398.1 [M+H]+
【0219】
一般手順L:中間体アミノアルコールXVIIIbの合成
テトラヒドロフラン(15ml)中の中間体トリフルオロメチル誘導体XVIIb(1.4mmol)の溶液を、23℃で、塩酸(37%水溶液)(573μl、6.98mmol)で処理した。黄色の溶液を23℃で2時間撹拌し、次に、炭酸ナトリウム溶液(1M)に注いだ。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。粗生成物を溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜50:50のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0220】
中間体XVIIIb−1:(S又はR)−N−rel−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、rel−(3S,4S)−4−((S)−1−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−オールを明黄色の油状物として得た。MS: m/z = 294.1 [M+H]+
【0221】
中間体XVIIIb−2:(S又はR)−N−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−((3S,4S)−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドから出発し、(3S,4S)−4−((S)−1−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−オールを褐色の油状物として得た。MS: m/z = 294.2 [M+H]+
【0222】
一般手順M:中間体O−保護アミノアルコールXIXbの合成
水素化ナトリウム(油中55%分散物)(116mg、2.67mmol)を、0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(6ml)中のアミノアルコールXVIIIb(1.48mmol、Eq:1.00)の溶液に加えた。23℃で30分間撹拌した後、反応混合物を、0℃で、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(728mg、632μl、2.67mmol)で処理した。16時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム溶液の混合物で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜50:50のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0223】
中間体XIXb−1:rel−(3S,4S)−4−((S)−1−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−オールから出発し、rel−(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンを無色の油状物として得た。
【0224】
中間体XIXb−2:(3S,4S)−4−((S)−1−アミノ−1−(2−フルオロフェニル)エチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−オールから出発し、(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンを明黄色の油状物として得た。MS: m/z = 408.3 [M+H]+
【0225】
一般手順N:中間体イソチオシアネートXXbの合成
ジクロロメタン(6ml)中のO−保護アミノアルコールXIXb(908μmol)及び重炭酸ナトリウム(381mg、4.54mmol)の混合物を、0℃で、チオホスゲン(129mg、86.1μl、1.09mmol)で処理した。反応混合物を23℃で4時間撹拌した。ワークアップのために、反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0226】
中間体XXb−1:rel−(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンから出発し、tert−ブチル−rel−((3S,4S)−4−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−イソチオシアナトエチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ジメチルシランを無色の油状物として得た。
【0227】
中間体XXb−2:(S)−1−((3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)−1−(2−フルオロフェニル)エタンアミンから出発し、tert−ブチル−((3S,4S)−4−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−イソチオシアナトエチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ジメチルシランを褐色の油状物として得た。
【0228】
一般手順O:中間体N−ベンジル化オキサジンXXIbの合成
アセトニトリル(11ml)中のイソチオシアネートXXb(1.09mmol)の溶液を、室温で、2,4−ジメトキシベンジルアミン(273mg、246μl、1.63mmol)で処理した。無色の溶液を70℃で16時間撹拌した。フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(378mg、1.2mmol)を23℃で加え、撹拌を2時間続けた。その後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(418mg、2.18mmol)を加え、撹拌を80℃で16時間続けた。ワークアップのために、反応混合物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム溶液の混合物で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離剤としてヘプタン及び酢酸エチル=100:0〜65:35のグラジエントを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0229】
中間体XXIb−1:tert−ブチル−rel−((3S,4S)−4−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−イソチオシアナトエチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ジメチルシランから出発し、rel−(4S,4aS,7aS)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを白色の固体として得た。MS: m/z = 469.23 [M+H]+
【0230】
中間体XXIb−2:tert−ブチル((3S,4S)−4−((S)−1−(2−フルオロフェニル)−1−イソチオシアナトエチル)−3−(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)ジメチルシランから出発し、(4S,4aS,7aS)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを無色の油状物として得た。
【0231】
一般手順P:中間体オキサジンXXIIbの合成
トリフルオロ酢酸(4.32g、2.92ml、37.9mmol)中のN−ベンジル化オキサジンXXIb(758μmol)の溶液を5時間撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸(341mg、202μl、2.27mmol)を加え、撹拌をさらに2時間続けた。暗赤色の溶液を炭酸ナトリウム溶液に(1M)に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離剤としてヘプタンとメタノールの19:1混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0232】
中間体XXIIb−1:rel−(4S,4aS,7aS)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンから出発し、rel−(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを白色の固体として得た。MS: m/z = 319.0 [M+H]+
【0233】
中間体XXIIb−2:(4S,4aS,7aS)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンから出発し、(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを白色のガム状物として得た。MS: m/z = 319.0 [M+H]+
【0234】
中間体ニトロオキサジンXXIIIbの合成
中間体XXIIIb−1:一般手順Eに従って、rel−(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンをニトロ化して、rel−(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを明褐色の固体として得た。MS: m/z = 364.0 [M+H]+
【0235】
中間体XXIIIb−2:一般手順Eに従って、(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンをニトロ化して、(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを明褐色の泡状物として得た。MS: m/z = 364.0 [M+H]+
【0236】
中間体アニリンXXIVbの合成
中間体XXIVb−1:一般手順Fに従って、rel−(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを還元して、rel−(4S,4aS,7aS)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンをオフホワイトの固体として得た。MS: m/z = 334.2 [M+H]+
【0237】
中間体XXIVb−2:一般手順Fに従って、(4S,4aS,7aS)−4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを還元して、(4S,4aS,7aS)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミンを明褐色の泡状物として得た。MS: m/z = 334.2 [M+H]+
【0238】
最終実施例Iの合成のための一般手順Q
MeOH(1ml)中の酸XII(0.16mmol)の溶液に、22℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリニウムクロリド(0.19mmol)を加え、撹拌を0℃で30分間続けた。混合物に、MeOH(2ml)中のアニリンXI(0.15mmol)の溶液を加え、撹拌を0℃で4時間続けた。混合物を蒸発させ、残渣を飽和NaCO水溶液と酢酸エチルで分液した。有機層を乾燥させ、蒸発させて、残渣を水/NEt(99.9:0.1)→CHCNのグラジエントを使用したRP18カラム分取HPLCで精製した。あるいは、粗物質を、AcOEtを使用したSi−NHクロマトグラフィーにより精製し、続いて、ジエチルエーテルでトリチュレートして、式Iの最終実施例を得ることができる。
【0239】
実施例1
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 405.3 & 407.2[M+H]+
【0240】
実施例2
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 439.1 & 441.1 [M+H]+
【0241】
実施例3
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 389.2 [M+H]+
【0242】
実施例4
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 396.2 [M+H]+
【0243】
実施例5
ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンとピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 371.2 [M+H]+
【0244】
実施例6
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸(Banner D. et al., WO 2010/128 058に記載のように調製した)のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 469.2 [M+H]+
【0245】
実施例7
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸(Tamura Y. et al., WO 2010/113 848に記載のように調製した)のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 440.4 [M+H]+
【0246】
実施例8
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸(Suzuki Y. et al., WO 2009/091 016に記載のように調製した)のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 470.2 [M+H]+
【0247】
実施例9
5−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸(Scott, J. et al., WO 2011/044181に記載のように調製した)のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 441.3 [M+H]+
【0248】
実施例10
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
DMF(5ml)中の5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(271mg)と1−ブロモ−2−ブチン(butine)(283mg)の混合物を炭酸カリウム(367mg)で処理し、100℃で16時間加熱した。混合物を水と酢酸エチルで分液し、有機層を乾燥させ、蒸発させて、残渣をヘプタン/酢酸エチル(0〜80%酢酸エチルのグラジエント)を使用したクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物(266mg)を淡黄色の固体として得た。MS: m/z = 206.1 [M+H]+
【0249】
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸
THF(20ml)及び水(15ml)中の5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(234mg)の溶液に、LiOH水溶液(1M、2.3ml)を加え、混合物を22℃で1時間撹拌した。混合物をHCl水溶液(1M、2.3ml)で処理し、ゆっくり蒸発させ、得られた懸濁液を濾過して、残渣を水で洗浄し、乾燥させて、標記生成物(165mg)を白色の固体として得た。MS: m/z = 192.1 [M+H]+
【0250】
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 439.2 [M+H]+
【0251】
実施例11
5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−プロポキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−(2,2,3,3−テトラフルオロ−プロポキシ)−ピリジン−2−カルボン酸(Banner, D. et al., WO 2011/069934に記載のように調製した)のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 501.1 [M+H]+
【0252】
実施例12
N−(3−((4S,4aS,7aS)−2−アミノ−4−メチル−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−3−クロロ−5−シアノピコリンアミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−メチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を淡黄色の固体として得た。MS: m/z = 430.2 [M+H]+
【0253】
実施例13
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 414.1 [M+H]+
【0254】
実施例14
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 423.0 [M+H]+
【0255】
実施例15
5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−フルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 407.3 [M+H]+
【0256】
実施例16
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 441.2 [M+H]+
【0257】
実施例17
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 432.3 [M+H]+
【0258】
実施例18
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3aS,7S,7aS)−5−アミノ−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−7−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
(3aS,7S,7aS)−7−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−7−ジフルオロメチル−3,3a,7,7a−テトラヒドロ−1H−2,4−ジオキサ−6−アザ−インデン−5−イルアミンと5−ブタ−2−イニルオキシ−ピリジン−2−カルボン酸(Tamura Y. et al., WO 2010/113 848に記載のように調製した)のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を無色の固体として得た。MS: m/z = 476.2[M+H]+
【0259】
実施例19
N−(3−(rel−(4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド
rel−(4S,4aS,7aS)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミン(中間体XXIVb−1)と5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物をオフホワイトの泡状物として得た。MS: m/z = 464.1 [M+H]+
【0260】
実施例20
N−(3−(rel−(4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ブタ−2−イニルオキシ)ピラジン−2−カルボキサミド
rel−(4S,4aS,7aS)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミン(中間体XXIVb−1)と5−(ブタ−2−イニルオキシ)ピラジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の泡状物として得た。MS: m/z = 508.2 [M+H]+
【0261】
実施例21
N−(3−((4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド
(4S,4aS,7aS)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミン(中間体XXIVb−2)と5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 473.1 [M+H]+
【0262】
実施例22
N−(3−((4SR,4aSR,7aSR)−2−アミノ−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−4−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド
(4S,4aS,7aS)−4−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−7a−(トリフルオロメチル)−4a,5,7,7a−テトラヒドロ−4H−フロ[3,4−e][1,3]オキサジン−2−アミン(中間体XXIVb−2)と5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸のカップリング、続く、手順Gによって、標記化合物を白色の固体として得た。MS: m/z = 464.1 [M+H]+