特許第5914530号(P5914530)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5914530高コントラストのグレースケールおよびカラーディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914530
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】高コントラストのグレースケールおよびカラーディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1347 20060101AFI20160422BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20160422BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20160422BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20160422BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   G02F1/1347
   G02F1/13357
   G02F1/133 535
   G09G3/36
   G09G3/34 J
【請求項の数】18
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-556674(P2013-556674)
(86)(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公表番号】特表2014-509413(P2014-509413A)
(43)【公表日】2014年4月17日
(86)【国際出願番号】US2012027729
(87)【国際公開番号】WO2012122104
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2013年8月29日
(31)【優先権主張番号】61/450,802
(32)【優先日】2011年3月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】セライン、クリストファー ジェイ.
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−122940(JP,A)
【文献】 特開平08−271892(JP,A)
【文献】 特開2007−310376(JP,A)
【文献】 特開2007−286413(JP,A)
【文献】 特開2009−031420(JP,A)
【文献】 特開2008−276156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1347
G02F 1/13357
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所調光を有するデュアル変調アーキテクチャを備えるディスプレイにおいて、
変調される局所調光された光を生成するバックライトと、
前記バックライトの下流に配置された複数の偏光制御変調器であって、変調される局所調光された光は、前記複数の偏光制御変調器を通過し、前記複数の偏光制御変調器は、カラーLCDパネルを含む画像生成パネルと、LCDパネルの各画素がそれぞれ画素の1/3をカバーする3個のサブピクセルを備えるようにカラーフィルタを取り除いたLCDパネルを含むコントラスト向上パネルとを含む、前記複数の偏光制御変調器と、
前記バックライト、および前記複数の偏光制御変調器を制御するディスプレイ用コントローラとを備え、
前記ディスプレイ用コントローラは、
前記バックライトが光を局所調光するためのバックライト制御信号を生成するバックライトコントローラと、
画像データおよび前記バックライト制御信号に基づいて、前記コントラスト向上パネルにより生成される調光の量を規定するためのコントラスト向上制御信号を生成するコントラスト向上パネルコントローラと、
前記画像データ、前記バックライト制御信号、およびコントラスト向上制御信号に基づいて、前記画像生成パネルの活性化を規定する画像生成制御信号を生成する画像生成パネルコントローラとを含む、ディスプレイ。
【請求項2】
前記下流の偏光制御変調器は、前記LCDパネルにより変調された上流の光線を反映するように構成された分析用偏光板を備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記局所調光された光の光源の周りに配置される偏光解消用反射板をさらに備える、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
基準偏光板と、輝度を高めて、該基準偏光板を通過する光の損失を減少させるように構成された一連のフィルムとを含む光学積層体をさらに備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記フィルムは、少なくとも1つの輝度向上層を備える、請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記光学積層体は、局所調光された光の光源の後かつ複数の下流の変調器のうちの最初の変調器の前に位置付ける、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記積層体は、バックライトにより生成された光を、前記最初の変調器全体にわたって均一に分散するように構成された拡散板を備え、
前記バックライトは、前記局所調光された光の光源を制御する、請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記光学積層体は、複数の下流の変調器の間に位置付けられる、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記積層体は、前記複数の変調器のうちの上流の変調器から放出された光を、該上流の変調器のサブピクセルレベルで拡散するように構成された拡散板を含、請求項8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記積層体は、前記局所調光された光の光源と前記複数の下流の変調器のうちの最初の変調器との間に位置付けられ、
同様な積層体が、前記複数の下流の変調器のうちの第1の変調器と第2の変調器との間に位置付けられる、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記ディスプレイ用コントローラは、
下流の変調器に入射する光照射野を判断するように構成される光照射野シミュレーションモジュールを備え、
前記シミュレーションが、前記光のサブピクセルレベルの変調を考慮する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記シミュレーションは、さらに前記サブピクセルの変調光のサブピクセルスケールの拡散を考慮する、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記シミュレーションはさらに、前記サブピクセル変調の前に、局所調光された光の光源を考慮する、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記シミュレーションはさらに、少なくとも1つの輝度向上フィルムを備える少なくとも1つの光学積層体を考慮する、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記コントローラは、前記シミュレーションに基づいて少なくとも1つの下流の変調器に活性化信号を供給するように構成されている、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記コントローラは医療機器に取り付けられて、医療機器のディスプレイを視野角が解像度およびコントラスト、あるいは解像度またはコントラストとトレードされるように高解像度およびコントラストに関して制御するように構成されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記ディスプレイは、グレースケールである、請求項16に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記コントローラは消費者向けディスプレイに取り付けられて、業界標準の視野角で高コントラストおよび解像度を提供するように前記ディスプレイを制御するように構成されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高ダイナミックレンジディスプレイ(HDR)に関し、より具体的には二重変調を使用したグレースケールHDRディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
高ダイナミックレンジ(HDR)ディスプレイとは、一般に800対1以上のダイナミックレンジを有すると定義される。近年の技術進歩により1,000,000対1を超えるコントラスト比を示すディスプレイが製造されている。
【0003】
一般的にいうと、これらのより高いコントラスト比のHDRディスプレイは、LCDパネルを照射するバックライトの局所調光を利用する。本分野の早期の特許、ホワイトヘッド(Whitehead)、ワード(Ward)、スチュエルツリンガ−(Stuerzlinger)およびゼーツェン(Seetzen)による「高ダイナミックレンジ表示装置」と題する特許文献1が基礎技術を記述している。かかる技術は所望の画像の近似を用いてLCDパネルを照射するステップと、さらにLCDパネルと合わせて近似を所望の画像に近づくように変調するステップとを含む。
【0004】
LCDパネルの使用(ベルマン(Berman))、および規定された複数の変調層または前置変調器の使用(例、ブラックハム(Blackham)の特許文献2、ギボン(Gibbon)の特許文献3、およびその他)によるLCoS投影画像を「暗くすること」を含め、他のコントラスト向上の形態も提示されてきている。しかし、市販のHDRディスプレイは、主に視差、バックライト漏れ、および他の問題による星空および他の難しい画像の再現、ならびにそれから生じるアーチファクトの点で欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6891672号明細書
【特許文献2】米国特許第5978142号明細書
【特許文献3】米国特許第7050122号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、LCDパネルおよび他のディスプレイの空間的に局所的なコントラストを向上させるニーズを実現した。本発明のディスプレイは一般に複数の変調層から製造される。複数の変調層はLCDパネル、グレースケールLCDパネル、およびカラーフィルタのないRGBカラーパネルのいずれでもよい。カラーフィルタのないパネルは高い解像度を提供する。
【0007】
パネルは、例えば、単色で局所調光したエッジライト型CCFLとすることのできるバックライト、または別のバックライト技術で照射することができる。本発明はある層から次の層に最大限の光が再利用されるように、すべての層の偏光を管理する。
【0008】
非常に明るいバックライト、偏光マネジメント、およびフィルタの付いていないLCDパネルを使用することにより、通常よりもかなり明るいディスプレイが可能である。2以上のパネル(例、複数のLCDパネル)の使用により、高コントラストの達成を高め、改善し、部分的に可能にする。複数のパネルを追加制御することで、画素あたりの輝度の全体的な制御を高められる。
【0009】
パネルまたはパネルを含む光学積層体(カラーフィルタを取り除いたものか、またはB&Wバージョン)の光効率は、代表的なカラーLCDパネルよりも高い。高輝度が必要ではない状況では、減光してエネルギー消費量の少ないバックライトを使用することができる。
【0010】
本発明によるディスプレイの解像度は、視野角を狭くしても受け入れ可能であれば、LCDパネルの解像度よりも高くすることができる。本発明は解像度と視野角とのトレードを意図して利用することを含む。もとはRGBディスプレイであるカラーフィルタのないディスプレイ(または同様に設計されたパネル)の解像度は、典型的には普通のカラーLCDパネルの3倍であり、本発明の様々な実施例において利用することができる。
【0011】
本発明の様々な態様は、画像の低解像度輝度の特徴を高解像度の特徴から分離し、それを異なるパネル層に表示することによって、視覚的アーチファクトがなく、より大きな視野角を達成することができる。
【0012】
一実施形態では、本発明は、(ディスプレイの内側のコンポーネントから可視部に向かう順序で)、光反射体と、光源(バックライト)と、バックライト拡散板と、(任意であるが、効率性、輝度およびコントラストを向上する)集光フィルムの1以上の層と、(これも任意であるが、効率性および輝度を向上する)反射型偏光板、バイアス用偏光板と、カラーフィルタのないLCDパネルと、仕上げ用偏光板(オプションであり、輝度をコントラストと交換する)と、2枚のLCDパネル間のモアレ相互作用を排除するが、できるだけ多くの偏光を維持するように構成された第2拡散板と、第2バイアス用偏光板と、第2カラーフィルタのないLCDパネルと、第2仕上げ用偏光板とを備えるディスプレイとして説明することができる。BFE、偏光板、アンチグレアコーティング等を含め、追加のLCDパネルの層、フィルムを利用することもできる。
【0013】
別の実施形態では、2枚のLCDパネルは異なる解像度をもつことができ、下流のLCDパネルが上流のパネルよりも解像度が低い(おそらく、安価である)。好ましくは、大規模の解像度の差は中間拡散板でマスクされる程度に小さいモアレ特徴しか生み出さず、小規模の差はディスプレイの大部分に広がって目立たないため、パネルの解像度間の低/無アーチファクト関係が利用される。しかし、中規模の差は拡散板でマスクできないかもしれない中規模のモアレ特徴を生み出すので、望ましくない。
【0014】
一定の種類のLCDパネルでは、LCDがそれを通過する光に対して作り出す偏光角の変化は、光の特定の波長およびLCD制御信号に依存する。すなわち、カラーフィルタのないLCDパネルであっても、一定のLCD制御信号がわずかな数のカラーを有する画像を生み出すことがあるのである。これは、望むなら、カラー依存性の偏光遅延フィルムを追加して緩和することができる。LCDパネルの一方がカラーフィルタを内蔵するデュアルLCDシステム、または追加のカラーLCDパネルを有するカラーフィルタのないデュアルLCDシステムでは、これらのわずかなカラー効果は、カラーLCDに対して正しい無効信号を用いて抹消することができる。本発明はディスプレイなどのオプティカルパスで適用されるあらゆるかかるカラー補正方法を含む。
【0015】
別の実施形態では、2枚のLCDパネルディスプレイは、カラーと輝度を切り換えることができるように制御可能なバックライトを装備している。素早い進行でバックライトに異なるカラーを設定すると、様々な画像をディスプレイに表示することができる。これにより、ディスプレイは色間の輝度および彩度のレベルに対する制御をはるかに大きくしたカラー画像を生成できる。さらに任意の数の原色または基本色がはるかに拡大した色域を出すことができるようになる。
【0016】
様々な実施形態において、本書で説明するディスプレイは、低コストの消費者向け/プロシューマーグレードの高ダイナミックレンジのディスプレイモニタを開発し、商品化するために利用することができる。本書で説明するハードウェアエレメントおよびアルゴリズムコンポーネントは、既存のグラフィックカードのソフトウェアのプラグインに組み込んで、またはソフトウェアモジュールとして、既存のディスプレイを高ダイナミックレンジディスプレイに作り変えるための関係作業を行うように(既存の構成の変更およびレトロフィット、あるいは既存の設計の変更またはレトロフィット)開発することができる。
【0017】
一実施形態では、本発明は、画像を生成するカラーLCDパネル(画像生成パネル)と、生成された画像のコントラスト比を高め、黒色レベルを向上する(黒をより暗くするか、または完全に黒にするつもりのない暗域のカラーおよび輝度の忠実度を高めるかのいずれか)ように構成されたカラーフィルタのないLCDパネル(コントラスト向上パネル)とを備える高ダイナミックレンジのディスプレイを提供する。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、画像生成パネルとコントラスト向上パネルとを備え、コントラスト向上パネルがカラーフィルタのないLCDパネルを備えるディスプレイを提供する。コントラスト向上パネルは分析用偏光板と組み合わせて作動させることもできる。コントラスト向上パネルは画像生成パネルの下流に配置することもできる。コントラスト向上パネルの解像度は、画像生成パネルより高くても、または低くてもよい。画像生成パネルは、例えば、コントラスト向上パネルと同じ偏光回転設計を有するカラーフィルタ方式のLCDパネルを備えることもできる。コントラスト向上パネルは、例えば、画像生成パネルに当接させることもできる。
【0019】
本発明は画像生成パネル活性化モジュール(例、カラーモジュールおよびカラー補正モジュール、あるいはカラーモジュールまたはカラー補正モジュール)と、コントラスト向上パネル活性化モジュール(例、コントラスト向上制御モジュール)とから構成されるコントローラを含む。コントローラは、例えば、画像生成LCDとコントラスト向上LCDの両方を活性化するために、対応する活性化モジュールによって作成される制御データに接続することができる。画像生成パネルの活性化は、コントラスト向上パネル活性化モジュールから画像生成パネル活性化モジュールへのフィードバックに一部基づかせることができる。
【0020】
コントローラは、例えば、標準的な高解像度およびコントラスト、またはそれより高い(例、高精細VDR)、または他の画像タイプの媒体ソースからデータを入力するように構成することもできる。画像生成パネルは標準的な高(または他の)解像度の画像を生成できるように選択してもよい。コントラスト向上層は、例えば画像生成パネルとは異なる解像度を使用して、コントラストを高めるように構成される。好ましくは、コントラスト向上パネルの解像度は画像生成パネルよりも高い(が、同等であっても、または低くてもよい)。
【0021】
本発明はコントラスト向上パネルを備えるディスプレイを含み、コントラスト向上パネルは、例えば、カラーフィルタのないLCDパネルを備えることができる。ディスプレイはカラーパネルなどの別の変調器を含むことができ、コントラスト向上パネルは1以上の他の変調器よりも高い解像度を有することができる。ディスプレイは、例えば、ディスプレイのバックライトから光を拡散するように構成された相対的に粗い拡散板と、コントラスト向上パネルによって変調される光の高周波数成分または未制御の特徴をマスクするように構成された相対的に細かい拡散板を含め、拡散板のセットを含むことができる。コントラスト向上パネルは拡散板のセットと他の変調器の上流との間に配置することができる。
【0022】
本発明は、画像生成パネルがカラーフィルタ層と、活性層と、偏光フィルタ層とを備え、コントラスト向上パネルが活性層と偏光フィルタ層とを備えるディスプレイを含む。画像生成パネルおよびコントラスト向上パネルの層は、好ましくは、例えば、画像生成パネルおよびコントラスト向上パネルの活性層をできるだけ近づけて配置するように配列することもできる。
【0023】
画像生成層は少なくとも1種類の光源によりバックライトが当てられる。光源は、例えば、CCFL、LEDおよびOLEDから構成することができる。これらは直接照射してもよく、またはエッジライト型構成の場合は、ライトパイプを通して光を伝達することもできる。一実施形態では、光源のアレイは次のうちの少なくとも1つを備える。白色または広スペクトル光源、RGB光源、RGBW光源、RGBプラス1以上の追加原色光源、または他の多原色光源の色の組み合わせ。光源のアレイ(エッジライト型光源)は局所調光することもできる。一実施形態では、光源は異なるカラーを備え、各カラーの輝度が個別に制御可能である。
【0024】
一実施形態では、ディスプレイは光源のアレイによりバックライトを当てられるコントラスト向上層(例、コントラスト向上パネル)を含み、バックライトおよびコントラスト向上パネルは、バックライトからコントラスト向上パネルを通過する光が画像生成パネルを照射するように配列される。コントラスト向上パネルは、例えば、ディスプレイによって表示される画像の基本バージョンを生成することができ、画像生成パネルはさらに基本画像を変調して、表示される画像を生成する。基本画像は、例えば、表示される画像の輝度強度に比例した輝度強度を備える。基本画像の輝度強度は表示される画像よりシャープな画像にすることもできる。
【0025】
一実施形態では、基本画像は表示される画像の輝度レベルに比例した輝度レベルのぼやけ近似である。
同様な他の実施形態では、本発明は画像生成パネルおよび輝度向上パネルに接続されて、第1処理画像データを画像生成パネルに提供し、第2処理画像データを輝度向上パネルに提供するように構成されたコントローラを含み、第1処理画像データは媒体ソースからの画像データ入力および第2処理画像データの生成からのフィードバックに一部基づいて生成される。第1処理画像データは入力画像データのフルカラー高解像度バージョンを備えることができ、第2処理画像データは入力画像データに比例した輝度レベルのマッピングを備えることができる。
【0026】
本発明はディスプレイまたはシステムとして具体化することができ、本発明の一部は、好都合なことに、例えば汎用コンピュータ、またはネットワーク上のコンピュータでプログラムする時の方法として具体化することができ、その結果は汎用コンピュータ、ネットワーク上のコンピュータのいずれにも接続できる出力装置に表示し、または出力もしくは表示のために遠隔装置に送信することができる。さらに、コンピュータプログラム、データシーケンス、および制御信号、あるいはコンピュータプログラム、データシーケンス、または制御信号で表象される本発明のいずれの要素も、無線放送、および銅線、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル等による伝送を含むが、これだけに限定されないあらゆる媒体のいずれの周波数でも放送(または伝送)できる電子信号として具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイの模式図である。
図2A】本発明の別の実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイの模式図である。
図2B】本発明による別の実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイの模式図である。
図2C】本発明の一実施形態による高周波数特徴と拡散を図示するグラフである。
図3A】典型的なLCDパネルの層の配列を図示する図である。
図3B】本発明の一実施形態によるLCDパネルおよび輝度向上パネルの層の配列を図示する図である。
図4A】本発明の一実施形態によるLCDパネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号を生成する電子機器のあるアーキテクチャおよび代替アーキテクチャである。
図4B】本発明の一実施形態によるLCDパネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号を生成する別の電子機器のアーキテクチャである。
図4C】本発明の一実施形態によるLCDパネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号を生成するさらに別の電子機器のアーキテクチャである。
図4D】本発明の一実施形態によるLCDパネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号を生成するさらに別の電子機器のアーキテクチャである。
図5】本発明の様々な実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイを活性化するプロセスのフローチャートである。
図6】本発明の様々な実施形態の態様を説明する色度図である。
図7A】本発明の一実施形態による制御可能なパネルの配列である。
図7B】本発明の一実施形態によるパネル上の画素の配列である。
図8】本発明の2Dおよび3D混在表示ディスプレイを含む様々な実施形態による制御可能なパネルの配列である。
図9】本発明による2Dおよび3D混在表示ディスプレイの考えらうる一実施形態の図である。
図10】本発明の一実施形態による制御可能なパネルの配列である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の詳細な説明を添付の図面に関連付けて考えると分かりやすくなるので、本発明のより完全な理解と、それに伴う利点の多くは容易に得られるであろう。
ここで、同じ参照番号は同一部品または対応する部品を示す図面、より具体的にはその図1を参照すると、本発明のある実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイ100の新たな構造が図示されている。ディスプレイ100はバックライト110を含み、これは標準的なCCFLであっても、または他のブロードバンド光源(例、LED、OLED等)であってもよい。さらに、バックライトは直下型(光源が下流の変調パネルを直接照射する)であっても、または(多くの薄型画面のLCDディスプレイの設計で普及しているように)エッジライト型であってもよい。その上、バックライトは一定であっても、全面調光されても、または局所調光されてもよい。このディスプレイの光源は白色、制御可能な輝度、または多色ドライブにすることができる。
【0029】
バックライト110は、この例では、バックライトの強度と色を変調するLCDパネル120を含む、下流の変調器を照射する。制御可能な偏光板(またはコントラスト向上パネル)130はさらに、光の極性を変調する(さらに、これが偏光層によって減衰されて、出力光の強度変調をもたらすことができる)。
【0030】
LCDパネル120は最初の偏光層122を含むように構成され、これは、例えば、反射型偏光板、吸収型偏光板、もしくは偏光変換器、または下流の変調が基とする最初の均一な偏光配向を提供する別の機器のいずれにすることもできる。最初の偏光層122は、反射光がバックライト110の光キャビティに入ってから出てくる反射により「リサイクル」されるように反射型偏光板であるのが好ましい。活性層124は液晶(例、ねじれネマティック)と、カラーフィルタ(例、代表的にはRGB)とを備える。液晶は、フィルタを通過する光の偏光を回転または変更するよう意図される活性層の活性化に基づいて配向される。受動偏光アナライザ126は、例えば、液晶により変更される所定の偏光の光を濾光(または通す)吸収型偏光層とすることができる。
【0031】
制御可能な偏光板(コントラスト向上パネル)130は、例えば、受動偏光板と組み合わせたLCDパネルの能動素子(例、TN層)とすることができる(例、活性層、または能動素子134と受動偏光板136)。制御可能な偏光板130は、例えば、カラーフィルタのないLCDパネルとすることもできる。図示するように、この第2LCDパネルの最初の偏光板は、この場合には、最初の均一な偏光用の受動偏光アナライザ126に依拠して、省くこともできる。
【0032】
一定のバックライトの場合、バックライト110は一定または均一な初期光112を生成する。他の実施形態では、初期光112は変調することができ、例えば、空間変調した光、予め変調した光、全面調光した光、個々のRGBを調光し、時間変調した光、もしくはその他、および上記の組み合わせ、あるいは空間変調した光、予め変調した光、全面調光した光、個々のRGBを調光し、時間変調した光、もしくはその他、または上記の組み合わせのいずれにすることもできる。初期光112は第1下流変調器を照射する(拡散板、コリメータ、DEV、輝度向上フィルム(BEF)等のいずれかを含め、光/画像チェーンのほぼあらゆるポイントに追加の光学素子を置くことができることに留意する)。設計次第では、反射板を含めた他の光学素子も利用することができる(例、サイドライト型ディスプレイ設計は、例えば、ディスプレイ画面に主に平行な横の光路から、ディスプレイ画面に主に垂直な光路に光を向け直して拡散するために、反射板/拡散板の組み合わせを利用することができる)。
【0033】
画像生成パネル120は、初期光112を標準LCDディスプレイと物理的に同様な方法で変調する。画像生成パネル120の活性化は、設計および制御可能な偏光板130の使用に対応するように計算され、以下さらに詳しく述べる。第1変調光128が画像生成パネル120から放出されて、コントラスト向上パネル130を照射する。
【0034】
コントラスト向上パネル130はさらに第1変調光128を、コントラスト、および、例えば、変調光の解像度を高めるように変調する結果、第2変調光、またはこの場合、最終画像光138としてよりよく示されるものが得られる。解像度の向上は、例えば、コントラスト向上パネル130が画像生成パネル120よりも所定の面積当たりの画素が多い場合に得られる。
【0035】
能動素子134が画像生成パネル120の能動素子と同様または同じ構造を有している場合には(例、コントラスト向上パネル130がカラーフィルタを取り除いていることを除き、LCDパネル120とコントラスト向上パネル130が同じである)、空間解像度の向上も得ることができる。コントラスト向上パネルの画素が、画像生成パネルと比較して異なる形状、オフセット、サイズ(例、小さいまたは大きい)、向き(例、0度、45度、もしくは90度)、またはレイアウトを有している場合にもメリットを得ることができる。
【0036】
能動素子134は第1変調光128の個々の「画素」の偏光を所望の局所調光効果に基づいて回転する。第1変調光の画素は能動素子134の画素とは異なるため、画素に引用符を付けている。設計が能動素子134と同じ能動素子を有するLCDパネル(例、LCDパネル120)を利用する場合、能動素子134の各要素を1個の画素として定義すると、LCDパネル120の画素はそれぞれ3個の能動素子(各LCD画素を形成する赤、緑および青のそれぞれのフィルタに1個ずつ)を含むため、能動素子134の画素はやはりLCDパネル120の画素とは異なっている。
【0037】
能動素子134はさらに、規定量の偏光回転を与えることによって、第1変調光128を能動素子134の画素を介して画素ごとに変調する。さらに変調は、上流で変調された偏光の光の差に比例する光の量を吸収する受動偏光板136によって行われる。コントラスト向上パネル130は画像生成パネル120から下流に図示されているが、画像生成パネル120の上流に配置することもできる。
【0038】
図2Aは、本発明の別の実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイ200の模式図である。図2Aでは、(例、制御可能な偏光板または改良型制御可能な偏光板)コントラスト向上パネル240は、画像生成パネル250の上流に配置されている。バックライト210はコントラスト向上パネルを光218で照射する。コントラスト向上パネル240は変調光248を生成するが、これはバックライト218の局所調光されたバージョンである。変調光248はさらにカラーパネル250(例、LCDパネル)によって色と輝度が変調されて、最終画像光258を生成する。
【0039】
図示するように、コントラスト向上パネル240は最初の偏光板242と、能動素子パネル242(例、カラーフィルタのないTN層)とを含む。カラーパネル250は偏光板246(例、吸収型偏光板)がカラーパネル用の最初の偏光板および能動素子パネル242用のアナライザの両方として作動するように構成されている。カラー活性層254(例、TN層+カラーフィルタ)は光を強度および色に関して変調し、受動偏光板256はフィルタリングに基づく偏光によって変調を行う。
【0040】
図2Bは、本発明の別の実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイ260の模式図である。ディスプレイ260は適切に設計した拡散板を追加して性能を改善している。追加の拡散板は上流拡散板272と、中流拡散板274とを含む。上流拡散板は、バックライトを均一に分散される光源に拡散するように設計された「粗い」拡散板である。局所調光されたバックライトの実施形態では、上流拡散板は上流変調器(例、この例のコントラスト向上パネル244)の画素全体にわたりバックライトを滑らかに変化させるように設計されている。
【0041】
中流拡散板は上流変調器(例、この例のコントラスト向上パネル244)から放出される光を平滑化するように特別に設計されている。
好ましくは、中流拡散板は、上流変調器の各画素から放出される光の粗いエッジを除去して平滑化するように作動する。そうするために、中流拡散板は、例えば、上流拡散板よりも高い拡散解像度を有し(例、より小さな特徴を拡散する)、上流変調器から放出される光の変調解像度を維持することができる拡散板である。例えば、図2Cは、コントラスト向上パネルまたは他の上流変調器から放出されるかもしれないオンオフパターンの変調光280の近似解像度を図示するグラフを提供する。
【0042】
中流拡散板はさらに、好ましくは拡散光285により図示されるようにできるだけ多くのピークの明暗を維持しながら、シャープなエッジを除去し、放出される光を平滑化するように作動する。
【0043】
拡散光285は上流で変調した光のシャープなエッジ(例、より高い周波数)を除去し、グリッド状パネルおよび他の光学素子、あるいはグリッド状パネルまたは他の光学素子の様々な組み合わせを有するディスプレイで、典型的にはアーチファクトとして発達するモアレパターンの形成を「中止する」かまたは防止するのに十分である。また、さらに述べる価値があるのは、中流拡散板274から放出される拡散光285は好ましくは上流拡散板272から放出される拡散光と比べて全く異なる拡散レベルであることである。上流拡散板は、例えば、バックライトをバックライト内のある照明素子から次の素子に滑らかに変化させることができる。対して、中流拡散板は、例えば、1個の画素内の照明の滑らかな変化を提供し、直に隣接する画素からの光だけを混合することができる。
【0044】
一実施形態では、上流拡散板と中流拡散板は、拡散粗さは1桁以上異なる。実際、上流拡散板と中流拡散板との解像度の差がさらに大きくなると、最善の結果を出すことができる。
【0045】
一実施形態では、上流拡散板はバックライトの複数の光源からの光を混合して平滑化する一方で、中流拡散板は光を1つのコントラスト向上サイズの画素の状態に平滑化する。別の実施形態では、上流拡散板は上流拡散板の1個の画素がバックライトの複数の光源により照射されるように光を混合するとして記述することができ、中流拡散板はサブピクセルレベル(上流変調器のサブピクセル)で光を混合すると記述することができる。一実施形態では、上流拡散板は相対的に細かい中流拡散板と比べて粗い拡散板である。一実施形態では、中流拡散板はサブピクセルの解像度未満で拡散を施す。別の実施形態では、中流拡散板は、本来なら放出される光の高周波数エレメントを遮断、除去、移動または排除する空間伝達機能をもつ拡散板を備える。別の実施形態では、中流拡散板は、上流の画素の非正方度を補償するために、ある方向に別の方向よりも多く光を拡散する材料からなることができる。
【0046】
さらに別の実施形態では、中流拡散板は、変調光の解像度が変わらないように十分な成分を保つ拡散板を備える(例、解像度は変わるのではなく、より高い周波数成分がもう存在しない)。中流拡散板は、コントラスト向上パネルで変調した光の高周波数成分をマスクするように設計することもできる。例えば、中流拡散板は最も低い4つの高調波を通す光学ローパスフィルタを備えることができるが(例、図2Cを参照すると、4つの280の最も低い高調波がほぼ285を再現する)、例えば、基本周波数の2〜8の高調波の間にすることができる。中流拡散板は、例えば、コントラスト向上パネルによって光の流れに導入されるサブピクセルレベルの特徴を除去する。
【0047】
ほとんどの実施形態では、コントラスト向上パネルの画素のサイズは、能動パネル間の距離(例、コントラスト向上パネルと画像生成パネルとの距離)よりも小さい。
中流拡散板の粗さは、例えば、コントラスト向上パネルのセルの形状および周辺領域によって一部判断することができる。例えば、コントラスト向上パネルがすべてのサイズでハードウェア(ワイヤ、セル壁等)の量が等しい四角形のセルである場合、中流拡散板の粗さは一般にすべての方向で均一になるであろう。コントラスト向上パネルのセルが長方形の場合、中流拡散板の粗さは、他の要因がすべて等しいと仮定すると、長方形の長辺に対応する方向が粗くなり、長方形の短辺に対応する方向が細かくなるだろう。
【0048】
中流拡散板の粗さは、例えば、スケールおよび物理的、あるいはスケールまたは物理的もしくは他の測定可能な未制御の特徴、および/またはコントラスト向上パネルのセルの欠陥によっても判断することができる。粗さは制御不可能な特徴をマスクするが、それでもパネルの解像度(偏調光における)をほとんど変更することなく通すことのできる解像度で判断される。例えば、コントラスト向上パネルのセル間の空間は、例えば、光をブロックし、またはある程度の量の未変調光を通過することができる。コントラスト向上パネルでブロックされた光または通過する未変調の光により、画像に未制御の部分または制御不可能な部分が形成される。
【0049】
他の制御不可能な特徴には、例えば、その活性化レベルに起因しないセルの変調の差、およびセル内の不均一性、あるいはその活性化レベルに起因しないセルの変調の差、またはセル内の不均一性を含むことができ、そのいずれも、例えば、製造またはコンポーネントの品質のばらつきによるであろう。一実施形態では、中流変調器の粗さは、1以上の制御不可能な特徴を拡散により除去、マスク、またはその他最小化の少なくとも1つが行われるように選択される。一実施形態では、制御不可能な特徴は方向(例、水平および垂直)で異なり、各方向(1つの拡散板で少なくとも2つの方向)はその方向で見られる制御不可能な特徴の量が異なることに関連する異なる拡散特性を有する。
【0050】
上記の偏光板246は、上流変調器244用のアナライザと下流変調器254用の最初の配向偏光板の両方として使用してきたことに留意されたい。中流拡散板274は偏光を含むように、または既存の偏光を維持するように特別に構成することもできる。中流拡散板274が偏光を維持する場合(例、拡散する光の偏光を実質的に変更しない拡散板)、偏光板246は前述したようにアナライザと最初の配向偏光板の両方として作動する。しかし、拡散板は典型的には望ましいよりも多くの偏光の変更を与えるので、拡散および付随する偏光の変更の前に光を分析できるように、拡散層274に偏光板を追加することが望ましい。この追加の偏光板は輝度を代償としてコントラストを高める。本発明は、活性層間に追加偏光板を含むまたは含まないことによって、それぞれコントラストまたは輝度のいずれかを高めるディスプレイを設計するステップを含む。
【0051】
図1図2Aおよび図2Bの実施形態は、変調器(例、コントラスト向上パネル240および画像生成パネル250)を互いに密接するように構成しており、1つの利点として、パネル間の分離により生じる視差を減少する。本発明では、変調器は直に、または薄膜、エアギャップ、もしくは拡散板、コリメータもしくはガラスおよびLCDパネルの他の層と比較して相対的に薄い他の光学素子で分離して、互いに挟持される。
【0052】
パネルが密接していても、特に難しい画像またはパターンが表示され、直角からずれた角度で見る場合には、視差が生じることがある。本発明者らはパネルの特別な構成により、コントラスト向上パネルおよび画像生成パネルの活性層を互いに近づけて、さらに視差の影響を低減することを実現した。
【0053】
典型的なLCDパネル310の構造を図3Aに図示する。視認側から見て第1層が偏光(分析)層312である。次に、相対的に厚い透明な基板314(例、ガラス)が図示されている。ガラスの非視認側には、例えば、液晶層316を制御するための配線および電子部品、あるいは配線または電子部品がエッチングされている。基板および液晶層と合わせて積層されるのが、カラーフィルタ層318および最初の偏光層320である。動作時、バックライトはパネル310を照射し、偏光層320は最初の偏光を設定し、カラーフィルタ318は原色の赤、緑および青を提供し、液晶層316は各R、GおよびBの光の偏光を各光を減衰するべき量だけ回転する。さらに分析層は液晶層が与えるそれぞれの偏光に基づいて、R、GおよびBの光の量を吸収する。
【0054】
図3Bは、本発明の一実施形態による画像生成パネルおよびコントラスト向上パネルの層の配列を図示する図である。配列は、コントラスト向上パネル350の活性層を画像生成パネル370の活性層にできるだけ近づけて配置するように特別に設計されている。
【0055】
コントラスト向上パネル350の層(バックライト側から見て)は、透明な基板352と、最初の偏光層354と、活性層356(例、制御可能な偏光層)とを備える。偏光板360(個別のコンポーネントでもよく、またはコントラスト向上パネル350もしくは画像生成パネル370のいずれかと合わせて積層してもよい)は、コントラスト向上パネル350用の分析用偏光板および画像生成パネル370の最初の偏光層を兼ねる二重の役割を果たす。
【0056】
バックライト側から続けると、画像生成パネル370の層は、カラーフィルタ層372と、活性層374と、基板376と、偏光(分析:analyzing)層378とを備える。例えば、偏光(分析)層378を基板376のバックライト側に配置するなど、他の層配列を利用することもできる。偏光(分析)層378はカラーフィルタ層372のバックライト側にも配置することができ、活性層374は画像生成パネル370のバックライト側に最初の層として配置することもできる(例、活性層−カラーフィルタ層−偏光(分析層))。
【0057】
本発明の一実施形態では、コントラスト向上パネルおよび画像生成パネルは、同様に構成されるLCDパネルから提供される。コントラスト向上パネルは、例えば、LCDパネルに対して後側または逆さ(反転もしくは逆転)に向けることができる。この配列はコントラスト向上パネルおよび画像生成パネルの活性層を、市販される典型的な構成の同様に配向されるパネルよりも互いに接近して配置する。
【0058】
図4Aは、本発明の一実施形態による画像生成パネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号(energization signal)を生成する電子機器400(例、電子回路、ソフトウェア・アーキテクチャ、プログラマブルデバイス・アーキテクチャ、プラグイン等、またはその組み合わせ)のアーキテクチャを提示する。例えば、Rinininを備える信号が、画像もしくは映像源(例、DVD、ケーブル、ブロードキャスト、衛星、ストリーミングビデオ、インターネット、リムーバル媒体、サムドライブ等)から、LCDカラー補正モジュール410および偏光制御モジュール420に供給され、および抽出される、あるいは供給され、または抽出される。偏光制御モジュールは、コントラスト向上パネル(例、制御可能な偏光パネル)に結合されているPout信号425を生成する。本質的に、Pout信号425はコントラスト向上パネルのどの画素を減衰するかと、減衰量を示す。コントラスト向上パネルとして制御可能な偏光板を使用する場合、これは、例えば、減衰する画素の偏光をその画素に望ましい減衰量に比例する量だけ回転させることによって行う。Pout信号425は、例えば、Rinininデータによって定義される所望の画像から輝度計算とすることもできる。
【0059】
偏光制御モジュールでの処理は、例えば、局所的なコントラストを高め、または低下する(画素を暗く、または明るくする)補正応答曲線(例、ある輝度のRGB値を補正)および非線形関数(例、伝達関数)を生成する特性の両方を含むことができる。非線形関数は、例えば、隣接する画素の相対的な輝度を考慮するように、画素を明るく、または暗くすることができる。図示するように、PoutはさらにLCDカラー補正モジュール410に(ライン422を介して)転送(供給)される。代わりに、中間データをLCDカラー補正モジュールに(424を介して)排他的にまたは追加で転送することもできる。中間データは、例えば、Poutを生成するために行われる1以上のいずれかのステップを含む部分的に処理したデータとすることもできる(例、非線形関数を適用しない特性)。
【0060】
inininデータとともに、LCDカラー補正モジュールは、画像生成パネル(例、LCDパネル)を制御するために接続されるRoutoutout信号430を生成する。画像生成パネルはLCDディスプレイ、プラズマディスプレイ、または他の種類のディスプレイ機器とすることもできる。
【0061】
別の実施形態では、電子機器440(例、電子回路、ソフトウェア・アーキテクチャ、プログラマブル機器アーキテクチャ、プラグイン等、またはその組み合わせ)が、本発明の一実施形態による画像生成パネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号を生成する。例えば、Rinininを備える信号は、画像または映像源(例、DVD、ケーブル、ブロードキャスト、衛星、ストリーミングビデオ、インターネット、リムーバブル媒体、サムドライブ等)から、偏光制御モジュール442およびLCDカラー補正モジュール446に提供される。偏光制御モジュール442は、例えば、ディスプレイに物理的に位置し、対応するカラーパネルの上流にある偏光板を制御する。偏光制御モジュール442は、カラーパネルの解像度よりも高い解像度にするための変調信号を生成するように構成することができる(例、制御可能な画素の数でより高い解像度、および対応するパネルの所定の面積における制御可能な素子の総数でより高い解像度)。偏光制御モジュールは、例えば、1680×1050の能動素子パネルの能動素子を制御するように構成することもできる。
【0062】
出力輝度Pout442が生成される。次に、LCDカラー補正モジュール446は対応するカラーパネルを制御するために信号を供給し、カラーパネルは例えば、1920×1080パネルとすることができる。LCDカラー補正モジュール446はビデオ・イン(RGB)信号プラス偏光制御モジュールからの結果(上流のパネルで制御される輝度)を利用する。
【0063】
図4Bは、本発明の一実施形態による画像生成パネルおよびコントラスト向上パネル用の活性化信号を生成する電子機器450(例、電子回路、ソフトウェア・アーキテクチャ、プログラマブル機器アーキテクチャ、プラグイン等、またはその組み合わせ)のアーキテクチャである。例えば、Rinininを備えるソース画像/映像信号は、画像もしくは映像ソース(例、DVD、ケーブル、ブロードキャスト、衛星、ストリーミングビデオ、インターネット、リムーバブル媒体、サムドライブ等)から全面輝度計算モジュール452に供給され、これが光をその原色成分(例、R、GおよびB)に分離して、その情報をバックライトコントローラ454に供給する。バックライト制御信号が生成されて、例えば、(例、各原色値について)計算される全面調光されたバックライト値とすることができ、これは、例えば、バックライト456の個々の原色光の活性化量(または強度)を備える。こうして、バックライトは各原色について計算されたバックライト値に従って活性化される。
【0064】
一実施形態では、局所調光可能なバックライト(例、局所調光された(もしくは調光可能な)光源)を含むバックライト)の場合、バックライトコントローラは画像の領域(例、領域は、例えば、各バックライト画素を備える)における相対的な輝度に従って下流のパネルを照射する空間変調されたバックライトを生成することができる。相対的な輝度は、例えば、対応するバックライト画素の各原色の相対強度に基づいて計算することができる。空間変調されたバックライトの生成は、例えば、隣接もしくは付近のバックライト画素の輝度、および映像の場合、あるいは隣接もしくは付近のバックライト画素の輝度または映像の場合は、前および後、あるいは前または後の画像フレームの画素の輝度の要因も含むことができる。
【0065】
調光/偏光コントローラ458はバックライト制御信号および入力映像/画像信号を受信し、これを利用してコントラスト向上制御信号を生成する。コントラスト向上制御信号は、コントラスト向上パネル460により生成される調光の量を規定する。様々な実施形態において、コントラスト向上パネルは画像生成パネル(例、LCDパネル)よりも高い解像度をもち、例えば、非常に精密な照明プロファイルを生成することができる。
【0066】
一実施形態では、画像生成パネルはコントラスト向上パネルから下流にあり、より高い解像度のコントラスト向上パネルを利用して、意図的にぼかした照明プロファイルを生成する(コントラスト向上パネルの解像度が低いためにぼかされるのと対照的に、コントラスト向上パネルのより高い解像度能力を利用してぼかされる)。意図的にぼかされた画像は、点拡がり関数またはバックライトもしくはバックライトの個々の光の他の品質/配向のためにバックライト間またはバックライトの混合により発生するボケとは区別されて、ディスプレイのより高い解像度能力を利用してぼかされる。前述のボケは、バックライトのボケまたは混合とは区別されるが、本発明の実施形態はそれでもなおバックライトの個々の素子の混合もしくはボケの量を含むことができる。
【0067】
カラーLCDコントローラ462はコントラスト向上制御信号、バックライト制御信号、および画像/映像信号を受信し、これを利用して、カラーパネル464に提供される上流の照射に対してカラーパネル485の活性化を規定する画像生成制御信号を生成する(例、様々な実施形態において、バックライトとコントラスト向上パネルの組み合わせが、上流の照射を生む)。
【0068】
図4Cは、本発明の一実施形態によるコントローラのアーキテクチャである。RGBin信号が偏光制御モジュール466およびLCDカラー補正モジュール468の両方に供給される。LCDカラー補正モジュールはRGB画素の1920×1080アレイの出力を補正し、生成するように構成することもできる。偏光制御モジュールは、他の解像度、例えば、1680×1050の偏光セルを制御するように構成することもできる。
【0069】
偏光制御モジュールは、LCDカラー補正モジュール、サブピクセル補間およびレジストレーションモジュール、ならびにフィルタリングモジュールのそれぞれに供給する。サブピクセル補間モジュールは偏光制御パネルの各画素の値を補間する(例、各画素は画像生成パネルのより大きな画素に対してサブピクセルと考えられる)。補間および規定モジュールにより、実施形態は制御解像度およびサイズが異なる複数のパネルを扱えるようになる。空間およびレンジフィルタリングモジュールにより、コントラスト向上パネルの活性化を滑らかにして、エッジを維持して画像の高周波数成分を保ちながら、視野角の性能を良くすることができる。このモジュールは本実施形態の局所的なコントラストも高める。フィルタリングは偏光制御と前のサブピクセルの動作に基づいて行う。その結果が、制御可能な偏光板を制御するためのP1、P2およびP3出力と、カラーパネルを制御するための出力である。
【0070】
図4Dは、本発明のある実施例により、高ダイナミックレンジ(HDR)信号を利用するための枠組みを提供するコントローラのアーキテクチャである。HDR信号は、平均で人の視覚系(HVS)のダイナミックレンジと等価のダイナミックレンジを有する1つおよび複数、あるいは1つまたは複数の画像(例、映像)を備えることができるだろう。平均して、HVSはほとんどのディスプレイよりも大きなダイナミックレンジを有するため、トーンマッピングアルゴリズムを利用して、画像もしくは画像の一部が提案されるディスプレイシステムの輝度範囲内になるように、そのダイナミックレンジを変更する。HDRのフレームシーケンス{Xininin}が全面トーンマッピングモジュール482に提供されて、これがRGB信号を生成し、さらに偏光制御モジュールおよびLCDカラー補正モジュールに供給される。
【0071】
図5は、本発明の様々な実施形態による高ダイナミックレンジディスプレイを活性化するプロセスのフローチャートである。少なくとも510で、画像および映像データ、あるいは画像または映像データ(各フレームについて実時間で繰り返される方法)が受信される。輝度値は画像データから抽出されて、コントラスト向上パネルを駆動するために使用する(ステップ520を参照)。コントラスト向上パネルと光学的に結合される画像生成パネルは、画像データおよび全面的もしくは局所的な調光レベル(ステップ530)、またはバックライトのカラーを表す一定値に基づいて駆動される。
【0072】
ここでコントラスト向上パネルおよび画像生成パネルを駆動する特別なアルゴリズムに関する詳細を、画素精度の二重変調ディスプレイを製造するために説明する。おそらく類似の構造の2つの変調器のアーキテクチャにより、サブピクセル(またはより高い解像度)レベルで局所調光の性能が可能になる。さらに、変調器の一方を他方といずれかの寸法で異なるかまたは同じ解像度にすることもできるだろう。
【0073】
コントラスト向上パネルの画素は、対応する(または関係する)入力画素の輝度に基づいて駆動できる。コントラスト向上画素は、入力画素のサブピクセル、入力画素の一部、または入力画素に光学的に精密に対応する画素とすることができる。局所調光パネルの出力輝度応答の正確な特性を利用して、入力RGB画素値を特定の駆動レベル(例、この例では、特定の偏光回転)にマッピングすることができるだろう。
【0074】
駆動値は、例えば、以下の式により提供することができる。
max=Y+Y+Y
out=Yin+Yin+Yin
drivepolarizer=f(f(Yout/Ymax))
関数fは、RGBカラーLCDの駆動を全白色(最大コードワード)に設定して局所調光パネル(偏光板)の制御を線形に可変するときの総合的な二重変調システムの輝度応答を特徴づける多項式である。
【0075】
関数fは、輝度が駆動の非線形性を表すときにコードワードのスキュー(skew)を表すことができるであろう非線形伝達関数である。この関数は、単純ガンマ曲線または多項式関数のいずれかで近似化できるであろう。この駆動の計算を使用して、コントラスト向上パネルの画素(コントラスト向上パネルが画像生成パネルと類似の構造および配向を有する場合、入力画素のサブピクセル(P、P、P)について駆動を計算することができる。この関数は、非線形の入出力の関係が暗い領域をより暗く、明るい領域をより明るくすることを利用して、ディスプレイのコントラストの局所的な向上のために使用することもできるだろう。
【0076】
画像生成パネルとコントラスト向上パネル(例、制御可能な偏光板)との相関は、カラー補正関数で表現される。この関数は、例えば、画像生成パネルの原色の特徴からマッピングされた表面と、コントラスト向上パネルによる局所調光(例、偏光)の対応する量を利用することができる。
【0077】
得られるRGBの駆動は、例えば、以下のように計算することができる。
out=f(Rin,f(Rin,Yout))
out=f(Gin,f(Gin,Yout))
out=f(Bin,f(Bin,Yout))
ここで、f、fおよびfは、入力原色画素と計算したYoutの出力原色を定義する特徴関数を定義する。f、fおよびfは、特徴関数から入力原色と出力とを組み合わせるための非線形組み合わせ関数を定義する。偏光制御をLCD補正システムで予め計算すると、調光面の駆動で計算される偏光制御信号とは独立してLCD制御面を駆動することができるだろう。
【0078】
コントラスト向上パネルのサブピクセル制御は、使用することにより発生する視差誤差を取り除くために使用することができる。サブピクセル制御は局所調光パネル(例、偏光板)の暗示される解像度を高めるため、平滑化/ディザリング動作はより精密に正確になる。例えば、以下のように、変調用偏光板に対してドライブ画像に平滑化マスクを使用することによる。
[drivepolarizer(i,j)=fintR(drivepolarizer(i.j)
上記式において、fintはRサブピクセルの空間半径に適用される平滑化演算子である。偏光板の4サブピクセルがカラーRGB LCDのすべての画素に対応する構造では、適用されるクワッド設計がコントラスト向上パネルの解像度を、幅および高さ方向の両方に画像生成パネルの2倍まで高めるであろう。
【0079】
一実施形態では、ソース画像は非線形関数で処理して、コントラスト向上パネルを変調することもできる。これはコントラストストレッチングの知覚効果を生み出すことができる。既存のトーンマッピングのアルゴリズムは、コントラストを強調するソフトウェア・アルゴリズムにのみ依拠する。例えば、上記説明したアルゴリズム要素を有する図1に図示するような構成を使用することにより、トーンマッピングまたは他のコントラスト合成を行うことなくコントラストストレッチングを達成することができる。
【0080】
本発明は、幅広い範囲の輝度値にわたり一定の色域を維持するためにも利用することができる。様々な輝度値の色度の期待表現(x,y)は、第1の図面で概説した表面に従う。しかし、原色の最大のコードワードで標準的なディスプレイの輝度測定値は、最初の図面で概説したように上部が傾斜した三角形を生み出す。
【0081】
しかし、一部のディスプレイシステムは下の図で説明される色域制限効果を実証する。色度軸(x,y)への色域の投影は、個々の原色の最大駆動値で1点まで減少する(正規化された駆動値ではR=G=B=1.0)まで、輝度の高い領域に減少する。この点は通常、システムの白色点である。
【0082】
3原色の不均一な現行の駆動を使用することにより、個々の原色の最大入力コードワードは色域を高め、システムにより高い輝度値で色度平面へのより均一な投影を実証させて、そこでより高い輝度レベルで上部が平坦な三角形を生成する(図6を参照、現行システム610と「理想的な」システム620の比較)。
【0083】
本発明は、RGBが個別制御される三刺激値ベースのバックライト(tristimulus based backlight)の使用を含む(例、例えば、エッジライト型構成、直下型アレイ、または他の配列に配列されるLED)。現行の駆動をRGBが個別制御される三刺激値LEDバックライトに適用することにより、表される色の輝度vs色度の3D表面を調整することができる。輝度制御は主に調光平面およびLEDバックライトと調光平面との組み合わせ、カラーの駆動をLEDに適用してより高い輝度値で色域を広げることによる。ターゲットのディスプレイ輝度にするために、輝度vs現行の特徴曲線を使用して、そのターゲットの輝度で色域の制御を向上させるために構成された現行の駆動に相応しいスケーリングパラメータを判断/作成することができる。これは全面バックライトコントローラの実施形態の基礎となる。
【0084】
全面バックライトコントローラの実施形態を、例えば、近接に配された複数のLEDに使用すると、カラーLCDおよび調光面と連動するエッジライト型ゾーン調光バックライト(edge lit zonal dimming backlight)を作成することができる。同時に複数のLEDに動作させることで、全面バックライトコントローラの実施形態はあるゾーンからの光の出力波長のドリフトを輝度を用いて補正するように使用されて、より高い波長でより正確なカラー特性を維持することもできる。
【0085】
本発明は、少ないデータセットからの原色の回転行列の計算を含む。ディスプレイシステムへの入力画像として少ない三刺激値パラメータセット(R、G、B)とそれに対応する輝度(Y)および色度座標(x,y)があれば、以下のようにRGB値を関係するディスプレイでそれに対応するXYZ値に変換する最適な色回転行列に到達することができる。
【0086】
A=[P1 P2 P3 … Pn]T
ここで、Px=xの入力サンプル原色の[R G B]x
B=[M1 M2 M3 … Mn]T
ここで、Mx=xの出力輝度/色度の[X Y Z]x
例えば、色回転行列を以下のように仮定すると:
x=EMBED Eqiation.3
これは以下の形の等式の線形システムとして表し、
Ax=B
以下の疑似逆行列を使用して、回転行列xを計算することができる。
【0087】
x=(AA)−1
計算したこの色回転行列は、捕捉したサンプルデータポイント数が与えられると、XYZ空間での最小二乗色ひずみについて最適になる。より均一に配されたデータポイントが与えられると、計算した色回転行列はディスプレイによる真の回転動作がより正確に表される。
【0088】
本発明は、多重変調ディスプレイシステムの視野角の拡大を含む。赤、緑または青のカラーフィルタのない既存のLCDパネルを使用すると、別のパネルを有する背景パネルまたは前景パネルと使用するよりもはるかにコントラスト向上の解像度を高めることができる。この高い解像度は、これら調光パネルを異なる解像度のカラーLCDパネルまたは同様に適用されたカラーLCDパネルに連結すると、視覚的アーチファクトを最小限にしながら、ディスプレイ全体で視野角を調整できるようになるため、さらに重要になる。
【0089】
ベースパネルが四角形構成の4個のクラスタ(2×2)の画素を有している場合(例、同じ画像チェーンの他の変調器と比べられるサブピクセル)、これは画素/サブピクセルの解像度を水平方向にも垂直方向にも二倍にするので、さらに優れた制御が可能である。個々の制御ポイントとして扱えば、画像スケーリングの既存の画像処理技術をこれらサブピクセル調光領域に応用することができるので、様々な視野角および距離に対応できる。同時に複数の観察者に対応するように視野角を広げるために、図4Dの空間およびレンジフィルタリングの実施形態によって示すように、ガウスフィルタまたは同様なローパスフィルタを適用することができる。
【0090】
本発明は一定色のバックライトの制御を含む。ディスプレイのバックライトの光量および色を設定する従来の方法は、光を駆動する電圧または電流レベルのセットから選択することに関わる。これらは、コンポーネントの温度もしくは気温、コンポーネントの使用年数または他の要因による色または輝度の変化を考慮していない。我々のバックライト制御方法は、ディスプレイにターゲットの色および輝度(通常、スケールされたRGBターゲット値と合わせて)を送信し、これをさらにバックライトに直接連結されている校正済みの光およびカラーセンサから取得する値と比較し、フィードバックループを使用して補正を行う。これによりディスプレイがある特定の色に落ち着くためのウォームアップ時間がなくなり、長時間のいずれかの色または輝度のドリフトがなくなる。このフィードバックプロセスはフィードフォワード・フィードバック・ハイブリッドドライバを使用することによって(実時間のバックライトの変更のため)改良することができる。こうして、カラーおよび光センサにより維持される精度を依然として維持しながら、変更を制御するためにバックライトを瞬時に応答させることができる。
【0091】
本発明は、ここで上記説明したハードウェアおよびプロセスの組み合わせを含む多数の形態で実施することができる。本発明の一実施形態による表示装置の別の例示的な実施形態を図7Aに図示する。バックライト705は、バックライト715を生成する反射型偏光板710を含む。反射型偏光板は、バックライトの反射型偏光面に向かう光を反射して偏光する。該反射は反射型偏光板725からバックライトに跳ね返った光を含むが、それがディスプレイによるさらに下流の処理に望ましい配向ではないためである。反射型偏光板による別の反射は反射光の偏光を変えて、それを反射型偏光板725を透過する別の機会を提供して、所望の画像の生成に利用される。
【0092】
拡散板積層体720はバックライト715を平滑化して拡散し、反射型または他のタイプの偏光板がさらに下流の処理のために所望の最初の偏光の光を透過する。コントラスト向上パネル730(例えば、制御可能な「サブピクセル」偏光板−ここでも「サブピクセル」であるのは、コントラスト向上パネルの画素がその対応する(例、下流の)画像生成パネルよりも高い解像度を有することがあるため)、バックライト710から観察者への画像/光チェーンの光を局所的に調光するかまたはさらに局所的に調光する(さらに局所的に調光する場合とは、光がすでにあるレベルですでに局所的に調光されている場合、例えば、(図示していない)別の上流パネルにより調光されている場合である)。バックライト自体は、エッジから直接または別の視野から画像チェーンを照射するアレイ(2次元または線形)または1以上の他の光源とすることができる。
【0093】
拡散板積層体735は局所調光された光を拡散し、画像生成パネル740(例、LCDパネル)は光に最終的な変調(例、カラー、輝度、および空間解像度)を施し、それがさらに観察者に表示するために放出される。偏光板(通常、吸収型)が画像生成パネルの前に含まれて、カラーパネルが与える変調を実現する。画像生成パネルの前に、追加のアンチグレアまたは他の光処理層が存在することもできる。
【0094】
ここで、画像生成パネルの画素とコントラスト向上パネルの画素との想定される関係を図示する図を提示する図7Bを参照して画素に関する説明を詳しく述べる。画像生成パネル750は、それぞれカラーパネルの画素を備える赤、緑および青(RGB)の制御可能な素子のセットを含む。例えば、ある画素はカラーLCD(i,j)として定義され、iおよびjは、例えば、画素の行および列の位置、または画素を備えるRGB三原色を特定する。この場合、同様な位置がコントラスト向上パネル780で識別することができ、3つの画素のセットがカラーLCD(i,j)のRGB三原色、偏光板(i,j)として定義される局所調光する画素のグループのP1、P2およびP3に対応する(ただし、P1、P2およびP3は、カラーLCD画素のサブピクセル領域に光学的に対応(または変調)するため、サブピクセルといっても適切である)。
【0095】
本発明は、解像度の異なる変調器の使用を含む。このような場合、図7Bに図示するようにカラーおよび調光パネルの画素を整列することはできない(しかし、サイズと局所調光パネルの画素とカラーパネルの画素との間の配列の直接的な対応がある場合でも、アライメントは必ずしもそうではない)。さらに、コントラスト向上パネルの画素は、カラーパネルの画素よりもサイズが小さく、または解像度が大きい場合、コントラスト向上パネルの画素またはカラーパネルのサブピクセルとして参照することができ、画像を生成するために連係して変調する。
【0096】
本発明は追加の変調器を用いてディスプレイをさらに拡張することもできる。例えば、3枚の変調パネルとパネルを駆動するための技術を備えるパネル。追加の制御可能な偏光板を図7に述べて図示する設計の前に配置することによって、ディスプレイの出力側の光は、異なる偏光角で線形状または円形状のいずれかに向けることができるだろう。このシステムを3D偏光メガネと合わせて使用することにより、物体をディスプレイに3D偏光パネルの変調ドライブに基づいて左目または右目に向けることができるだろう。この立体駆動層は、空間、時間またはカラーベースの立体方法を従来の二次元コンテンツとともに、単独で、または同時に使用する様々な手段で駆動することができる。
【0097】
図8では、ディスプレイ800は図7に関連して提案した部品のすべてを含むとともに、追加の制御可能なパネル810を有する。追加の制御可能なパネルは、例えば、局所調光パネル730に関して説明した例示的な制御可能な偏光板と同様な構造の制御可能な偏光板とすることができる。しかし、ここでは、パネルは各チャネル用の画像を出力するように制御される。チャネルは、例えば、左目用と右目用に異なるフィルタを含む視認用メガネ815により見るために分離することのできる左目視認用チャネルまたは右目視認用チャネルとすることができる。
【0098】
例えば、ディスプレイ800は3D画像の左像および右像を交互に表示するように活性化できるであろう。それから画像を追加の制御可能な偏光板で活性化して対応する異なる視認チャンネルに分離して、その視認チャネルに一致する画像のそれぞれを偏光する。例えば、左右偏光視認システムでは、メガネ815は左目レンズにP偏光フィルタを含み、右目レンズにS偏光フィルタを含むように構成することができる。このような場合、制御可能なパネル810は左画像データで変調される光をP偏光に透過/変換し、右画像データで変調される光をS偏光に透過/変換するように活性化される。別の例では、光はセクションごとに左または右の画像データで変調することができ(例えば、ある時点でディスプレイから放出される光が、左右チャネル画像の両方の部分を含む)、制御可能な偏光板パネルもセクションごとに活性化されて、表示される画像セクションと同期されて、そのセクション画像を適切な偏光に変換し、その後左右視認チャネルにより偏光フィルタから見る。
【0099】
3Dの他に、図8の構成は設計をカラー精度の高いHDRまたは3D HDRのいずれかのディスプレイシステムに拡張することができる。2Dおよび3Dモードでカラー性能の正確な補償を駆動する方法と合わせると、受動3Dディスプレイが得られる。さらに、ハイブリッド2D/3Dディスプレイも実施できる(3Dチャネルの分離のため、または2D画像をさらに精密化するための追加の変調器を駆動する)。
【0100】
品質の高い画像を作成するために、画像エリア全体にカラー、および輝度の補正を行うことができる。ディスプレイは2D動作と3D動作で切り換えることができ、同じ画面に3Dおよび2Dを同時に駆動するように構成することができる。3D画像を2つの目で分割すると、明るさが低下する傾向がある。3Dおよび2Dエリアを同じ輝度に見えるように、追加のカラーフィルタを2D画像エリアに適用することができる。同様に可能なカラー補正も適用することができる。
【0101】
一実施形態では、追加の制御可能なパネル810を2Dおよび3Dディスプレイの両方に利用し、同時に表示される2Dおよび3D画像の周りに完全に黒色の境界線を提供する。図9に図示するように、ディスプレイ900は2Dディスプレイエリア902と3Dディスプレイエリア903とを提供するように活性化される。2Dディスプレイエリア902では、追加の制御可能なパネル810を利用して、2Dディスプレイのダイナミックレンジおよび黒色レベルを高める。同時に、3Dディスプレイエリア903では、追加の制御可能なパネル810を利用して、表示される左または右のチャネル画像の偏光を、対応する左または右の視認チャネルと一致する偏光に配向する。最後に、2Dおよび3Dディスプレイエリアを囲む境界エリアでは、追加の制御可能なパネル810を利用して、黒色度を強め(例、黒色の境界線を暗くする)、または境界エリアをその他の形で強調する。
【0102】
ある特定の3D実施態様の変形例は、例えば、2D画像とともに、シャッター方式、画素ごとの配向、および最も明るい領域の色度を基準とした技術の取り合わせを含むこともできる。例えば、シャッター方式の場合、一実施形態は全体の画像を偏光層で左目または右目に向けながら、左画像と右画像を交互に表示する(しかし、フレームレートは低下し、または1/2になる)。左右の画像が異なる画素の配向の実施形態の場合、交互の画素で一方の目または他方の目に配向を行うことができる(しかし、画像あたりの解像度が低下し、1/2になる)。最も明るい領域の実施形態では、両目の画像から最も輝度が高い各画素を判定し、それから2つの画像間のデルタ輝度を使用して、両目に相応しい光の比率を配向する(しかし、より調光されたチャネルのカラー解像度は低下する)。
【0103】
図10は、本発明の一実施形態による制御可能なパネル1000の配列である。バックライト1005は、偏光された光を供給して下流のパネルを照射するように使用される。バックライトは、例えば偏光光源、偏光変換層を有する無偏光光源、および最終的に偏光された光1010を生成する光学系、あるいは偏光光源、偏光変換層を有する無偏光光源、または最終的に偏光された光1010を生成する光学系ソース、フィルムおよびコンバータの様々な組み合わせとすることができる。典型的には、バックライトは、例えば、下流のパネルに向かう(または戻る)迷光または反射光のリサイクリング、再偏光、偏光解消、および方向転換のいずれかのために反射型偏光層、あるいは再偏光、偏光解消、または方向転換のいずれかのために反射型偏光層または散乱層を含むのが好ましい。パネルの該機能は、特定の設計の他の要因に応じて、個別的に選択することができる。
【0104】
バックライトは、個々の光線が平行になるように偏光された光1010を配列するのを助けるために利用される、例えば、光学系、ルーバ、ライトガイド、または他の装置(図示せず)を含むこともできる。バックライト拡散板1015は、例えば強度の局所的な不均一性を除去する偏光された光を混合して均質化する。
【0105】
第1バイアス用偏光板1020は、下流の光の偏光を第1基準偏光に設定する。基準偏光は第1変調パネル、例えばカラーフィルタのないLCDパネル1025により提供される下流の変調のために使用される。
【0106】
任意の第1分析用偏光板1030は、例えば、カラーフィルタのないLCDパネルが変調する光線の偏光だけを変更する場合に利用され、こうして第1分析用偏光板はその偏光の変更により施されるように意図される変調をもたらす。他の実施形態では、第1分析用偏光板はむしろ不要な迷光偏光を除去する除去用偏光板として作用し、または前のLCDパネルで除去するよう意図される(例、LCDパネルの偏光板により反射される)光を単に濾光することができる。
【0107】
サブピクセルスケールの拡散板1035は第1変調層(パネル1025および任意の偏光板1030)により透過される光を混合して拡散する。拡散板をサブピクセルスケールにすることにより、拡散はサブピクセルレベルでのみ発生し、または隣接する画素間で最小限の拡散しかもたない(しかし、サブピクセル間では有意な拡散がある)。本発明の解像度を下げたバージョンでは、拡散板は限定的な画素セット(例、4または9画素などの画素のブロック)間で拡散するように構成される。サブピクセルスケールの拡散板1035は各画素用に意図される特別な変調を維持し、偏光を維持するように構成される。
【0108】
第2バイアス用偏光板1040は、下流の光の偏光を第2基準偏光に設定する。第2基準偏光は、第2変調パネル1045、例えば、カラーフィルタを除去した第2LCDパネルにより供給される下流の変調のために使用される。任意の第2分析用偏光板1050は分析用偏光板1030と同様な機能を果たし、図示する例の最終偏光/分析装置である。
【0109】
変調パネルの解像度は同じにすることができる。一実施形態では、第1変調パネルは第2変調パネルと比べて低い解像度である。一実施形態では、第1変調パネルは第2変調パネルよりも高い解像度である。
【0110】
本発明によるディスプレイは、基準偏光板(例、第1バイアス用偏光板1020または第2バイアス用偏光板1040)を含む光学積層体と、積層体を通る光の輝度を高めかつ光の損失を低下させるように構成された一連のフィルムとをさらに備えることができる。フィルムは、例えば少なくとも1つの輝度向上層を含むことができ、偏光を維持するように構成される。
【0111】
光学積層体は、局所調光された光の光源の後かつ下流の変調器の最初のものの前に、もしくは下流の変調器の間、またはその両方(例、一実施形態は、同一または類似の2つの光学積層体を有する)に配置することができる。一実施形態では、積層体はバックライト解像度スケールの拡散板を備え、バックライト解像度は局所調光された光の1以上の光源の局所調光能力の解像度を備える(積層体は、例えば、バックライトと第1の下流変調器との間に配置される)。別の実施形態では、積層体はサブピクセルスケールの拡散板を備え、サブピクセルスケールは上流の変調器のサブピクセルに対応する。
【0112】
サブピクセルスケールの拡散板は、例えば、カラーフィルタを除去したLCDパネルにより生成されるサブピクセルに比例するサブピクセルを拡散する拡散板を備えることができる。一実施形態では、変調器のサブピクセルはそれぞれ標準的なLCD画素の約1/3を備える(これは、例えば、1画素で個々に制御可能な液晶の「ストライプ」または「行」とすることができる)。
【0113】
処理装置1055は映像または画像信号を受信して、第1および第2の変調パネル用の活性化信号を生成し、さらにバックライトの局所的および全面的な調光、あるいは局所的または全面的な調光を制御するようにも生成することができる。活性化信号は専ら画像信号から生成することができ、またはバックライトに基づいて光照射野シミュレーションの1以上に組み込むことができる(またはバックライトもしくはバックライトの一部の活性化レベル、またはバックライト光に存在するカラーまたはスペクトル、およびディスプレイの他の光学特性、あるいはバックライト光に存在するカラーまたはスペクトル、またはディスプレイの他の光学特性。活性化信号は、追加センサを利用して、ディスプレイの様々なポイント(例、バックライト、またはディスプレイの他の層のパネル間)の光の輝度、スペクトル、偏光、または周囲の視認条件から情報を生成することができる。
【0114】
様々な実施形態において、本発明によるコントローラ(例、処理装置1055)は、下流の変調器のうち1以上に入射する光照射野を判断するように構成されている光照射野シミュレーションモジュールを備える。シミュレーションは、例えば、下流の変調器への入射の照射前に起こる変調および拡散、あるいは変調または拡散のスケールを考慮する。このため、少なくとも1つの実施形態では、シミュレーションは変調器に入射する光の判断に変調および拡散、あるいは変調または拡散の2つの異なるスケールを考慮する。これは、例えば、第1の下流変調器の照射の前に起こる局所調光および拡散の考慮を含む。シミュレーションは、下流の変調パネルの照射前に、フィルム(例、BEF、偏光(基準、分析または除去)も考慮する。最終的に、シミュレーションを使用して、1以上の下流パネルで起こり、対応する活性化信号を生成するべき変調を判断する。
【0115】
このようなコントローラは、専門および消費者向けディスプレイ装置のどちらにも有用である。一実施形態では、コントローラを医療機器に取り付ける。コントローラは医療機器のディスプレイを高解像度およびコントラストに関して制御するように構成することができる。このようなディスプレイは視野角をより高い解像度およびコントラスト、あるいは解像度またはコントラストと交換するように構成される。ディスプレイは、例えば、グレースケールの医療撮像機器(例、フィルム方式のx線を複製するように構成される)、またはハイカラーの高コントラスト(例、CATスキャンまたは他の画像)とすることができる。別の実施形態では、コントローラを消費者向けディスプレイに取り付けて、業界標準の視野角で高コントラストおよび解像度を提供するように、ディスプレイを制御するように構成される。
【0116】
本発明は、ソフトウェアを使用して、HDRディスプレイで高ダイナミックレンジの特徴を使用可能および使用不能、あるいは使用可能または使用不能にすることを含む。例えば、本発明は、グラフィックスドライバでプラグインを使用可能にするとき、またはモードを起動するときに、HDRビデオ/ディスプレイ機能を使用可能にするソフトウェアシステムをパックすることを含む。これにより、ユーザはLDR(低ダイナミックレンジ)モードとHDR(高ダイナミックレンジ)モジュールとをグラフィックスドライバUIのボタンをクリックして切り換えられ、本開示で説明してきたハードウェア設計のいずれかを有するディスプレイでHDR機能を使用可能および使用不能にできるであろう。同様に、2Dおよび3Dモードを使用可能にするのは、説明したディスプレイを利用するシステムにインストールされるソフトウェアまたはプラグインで行うことができる。
【0117】
部分的に、本発明を画像生成パネルおよびコントラスト向上パネルの用語を使用して説明してきた。しかし、どちらのパネルも画像を生成し、どちらのパネルもディスプレイの最終画像にコントラストを与えることは理解されるべきである。説明したほとんどの実施形態では、画像生成パネルがフィルタリングと輝度変調の組み合わせによりカラーおよびコントラストを与え、コントラスト向上パネルが輝度変調によりコントラストを与え、またはコントラストを向上する。コントラスト向上パネルは、コントラスト向上パネルおよび画像生成パネル、あるいはコントラスト向上パネルまたは画像生成パネルの1以上にカラーフィルタリングまたは機能の他の変形例も含むことができることも理解されるべきである。
【0118】
図面に図示される本発明の好適な実施形態を説明するにあたり、明確にするために特定の用語を採用している。しかし、本発明はそのように選択された特定の用語に制限されるものではなく、各特定の要素は同様に作動するすべての技術的等価物を含む。さらに、発明者らは、現在知られていない新たに開発される技術が、説明される部品の代わりに使用することもでき、それでも本発明の範囲から逸脱しないことを認識している。パネル、LCD、偏光板、制御可能なパネル、ディスプレイ、フィルタ、メガネ、ソフトウェアおよびアルゴリズム等、あるいはパネル、ディスプレイ、フィルタ、メガネ、ソフトウェアまたはアルゴリズム等を含むが、これだけに限定されない説明される他のすべてのアイテムも、あらゆる利用可能な等価物に鑑みて考慮されるべきである。
【0119】
コンピュータ業界の当業者には明らかなように、本発明の一部は、便利なことに、本開示の教唆に従いプログラミングされた、従来の汎用または専用デジタルコンピュータまたはマイクロプロセッサを使用して実施することができる。
【0120】
ソフトウェア業界の当業者には明らかなように、適切なソフトウェアコーディングは、本開示の教唆に基づいて熟練したプログラマーにより容易に作成することができる。本発明は、本開示に基づいて当業者には容易に明らかなように、特定用途向け集積回路を作成することにより、または従来のコンポーネント回路の適切なネットワークを相互接続することによっても実施することができる。
【0121】
本発明は、本発明のプロセスのいずれかを実行するコンピュータを制御し、またはコンピュータに実施させるために使用できる命令およびデータ、あるいは命令またはデータを格納する記憶媒体(複数の媒体)であるコンピュータプログラム製品を含む。記憶媒体は、フロッピーディスク(登録商標)、ミニディスク(MD)、光学ディスク、DVD、HD−DVD、ブルーレイ、CD−ROM、CDまたはDVD RW+/−、マイクロドライブ、および光磁気ディスクを含むあらゆる種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリデバイス(フラッシュカード、メモリスティックを含む)、磁気カードもしくは光学カード、SIMカード、MEMS、ナノシステム(分子メモリICを含む)、RAIDデバイス、遠隔データストレージ/アーカイブ/ウェアハウジング、または命令およびデータ、あるいは命令またはデータを格納するのに適したあらゆる種類の媒体もしくはデバイス(インターネットまたは無線、セルラー等などの他のネットワークを介して、本発明の1以上の結果を実施もしくは使用するデバイスに接続されて、遠隔に格納もしくは実行されるプログラムまたはデータを含むことができるが(例、携帯電話、PDA、コンピュータディスプレイ、HDTA等))、これだけに限定されない。当該命令はネットワークサーバとエンドユーザの機器との間に分割することもでき、例えば本発明の1以上の何れかの教唆に従い携帯電話にディスプレイを生成するように、携帯電話サービスプロバイダと携帯電話で処理を行う。
【0122】
コンピュータ読み出し可能媒体(複数の媒体)のいずれかに格納される本発明は、汎用/専用コンピュータもしくはマイクロプロセッサのハードウェアの両方を制御し、コンピュータもしくはマイクロプロセッサを本発明の結果を利用して人であるユーザまたは他のメカニズムとのインタラクトを可能にするためのソフトウェアを含む。当該ソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、およびユーザアプリケーションを含むことができるが、これだけに限定されない。最終的に、当該コンピュータ読み出し可能媒体はさらに、上記説明した本発明を実施するソフトウェアを含む。
【0123】
汎用/専用コンピュータもしくはマイクロプロセッサのプログラミング(ソフトウェア)に含まれるのは、局所調光パネルの画素/サブピクセルのボケの計算、カラー補正もしくは特徴の計算、画像信号の準備、およびディスプレイのバックライト、パネルもしくは他の機器を活性化するために、ドライバおよび他の電子機器、あるいはドライバまたは他の電子機器へのそれの適用、輝度値の計算、表示する画像の画素もしくは領域の所望の輝度を含め、これに説明する要因のいずれかに基づいた輝度の補間、平均化または調整、本発明のプロセスに従う結果の表示、格納もしくは通信を含むが、これだけに限定されない、本発明の教唆を実施するソフトウェアモジュールである。
【0124】
本発明は、これに説明する素子(本発明の様々な部品もしくは特徴)およびその等価物のいずれかを適切に備え、これからなり、または本質的にこれからなることができる。また、ここで例示的に開示される本発明は、これに具体的に開示されているかどうかを問わず、いずれかの素子がなくても実施することができる。明らかに、上記教唆に鑑みて、本発明の多数の変更および変型が可能である。そのため、添付の請求項の範囲内で、本発明はここで具体的に説明した以外にも実施できることは理解されるべきである。
図1
図2A
図2C
図9
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図8
図10