特許第5914551号(P5914551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914551
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム内のセルの監視
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20160422BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   H02J7/02 H
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-57613(P2014-57613)
(22)【出願日】2014年3月20日
(62)【分割の表示】特願2010-502066(P2010-502066)の分割
【原出願日】2007年11月2日
(65)【公開番号】特開2014-124088(P2014-124088A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2014年3月20日
(31)【優先権主張番号】60/907,423
(32)【優先日】2007年4月2日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593219551
【氏名又は名称】リニアー テクノロジー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Linear Technology Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】グレン ジェームス ブライズボア
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−521792(JP,A)
【文献】 特開2007−048746(JP,A)
【文献】 特開2003−070179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数のセルから成るエネルギー貯蔵システムを監視するためのシステムであって、
該システムは、第1および第2のモニタを含む一連のモニタを備え、
該第1のモニタは、該エネルギー貯蔵システム内の第1の群のセル内のセルを監視して、第1の監視データを生成するように構成され、
該第2のモニタは、該エネルギー貯蔵システム内の第2の群のセル内のセルを監視して、コントローラへの配信のために第2の監視データを生成するように構成され、
該第2のモニタは、該コントローラへの配信のために該第1のモニタから該第1の監視データを受信するようにさらに構成され、
該システムは、
第1の群のセル内の第1のセルに連結された第1のスイッチであって、該第1のモニタにより生成された第1の制御信号により制御されて、該スイッチが連結された該第1のセルの充電を制御する第1のスイッチと、
第2の群のセル内の第2のセルに連結された第2のスイッチであって、該第2のモニタにより生成された第2の制御信号により制御されて、該スイッチが連結された該第2のセルの充電を制御する第2のスイッチと
を備え、
該コントローラは、監視データに応答して、該複数のセルのうちの少なくとも1つのセルを識別するアドレス情報と、該複数のセルのうちの該少なくとも1つのセルの充電をどのように制御するかを示す制御情報とを含む制御データを生成し、該制御情報に従って該識別されたセルの充電を制御するように該一連のモニタに命令し、該制御データは、該一連のモニタ間を転送され、
該第1のモニタは、該第2のモニタから該制御データを受信し、該アドレス情報が該第1のモニタにより監視されたセルを識別するかを決定するようにさらに構成され、
該第2のモニタは、該制御データを受信し、該アドレス情報が該第2のモニタにより監視されたセルを識別するかを決定するようにさらに構成され、
該第1のモニタは、該アドレス情報が該第1の群のセル内の該第1のセルを識別する場合に、該アドレス情報により識別された該第1の群のセル内の該第1のスイッチを制御するために該第1の制御信号を生成し、
該第2のモニタは、該アドレス情報が該第2の群のセル内の該第2のセルを識別する場合に、該アドレス情報により識別された該第2の群のセル内の該第2のスイッチを制御するために該第2の制御信号を生成する、システム。
【請求項2】
前記第1の監視データは、前記第1の群のセル内の各セルのパラメータを表し、前記第2の監視データは、前記第2の群のセル内の各セルのパラメータを表す、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の監視データは、前記第1の群のセル内の各セルにおける電圧を表し、前記第2の監視データは、前記第2の群のセル内の各セルにおける電圧を表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の監視データは、前記第1の群のセル内のセルの周囲の温度をさらに表し、前記第2の監視データは、前記第2の群のセル内のセルの周囲の温度をさらに表す、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1および第2のモニタは、前記一連のモニタ内の隣接するモニタである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記一連のモニタは、前記第2のモニタに隣接する第3のモニタであって、前記エネルギー貯蔵システム内の第3の群のセル内のセルを監視して、第3の監視データを生成するように構成された第3のモニタをさらに備え、該第3のモニタは、該第2のモニタを経由して前記第1のモニタから前記第1の監視データを受信し、かつ該第2のモニタから前記第2の監視データを受信するようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
直列に接続された複数のセルから成るエネルギー貯蔵システム内のセルを監視する方法であって、
該方法は、
第1のモニタによって第1の群のセルを監視して、第1の監視データを生成するステップと、
第2のモニタによって第2の群のセルを監視して、第2の監視データを生成するステップと、
コントローラへの配信のために、該第1の監視データを該第1のモニタから該第2のモニタに転送するステップと、
該第2の監視データを該コントローラに転送するステップと、
監視データに応答して、該セルの充電を制御するために該コントローラにより制御データを生成するステップであって、該制御データは、該複数のセルのうちの少なくとも1つのセルを識別するアドレス情報と、該複数のセルのうちの該少なくとも1つのセルの充電をどのように制御するかを示す制御情報とを含む、ステップと、
該制御データを該第2のモニタに転送するステップと、
該第2のモニタにより、該アドレス情報が該第2のモニタにより監視された該第2の群のセル内の少なくとも1つのセルを識別するかを決定するステップと、
該制御データが該第2の群のセル内の少なくとも1つのセルを識別すると該第2のモニタが決定した場合に、該制御情報に従って該少なくとも1つのセルの充電を制御するために第2の制御信号を生成するステップと、
該アドレス情報が該第2の群のセル内の少なくとも1つのセルを識別しないと該第2のモニタが決定した場合に、該制御データを該第2のモニタから該第1のモニタに転送するステップと、
該第1のモニタにより、該アドレス情報が該第1のモニタにより監視された該第1の群のセル内の少なくとも1つのセルを識別するかを決定するステップと、
該制御データが該第1の群のセル内の少なくとも1つのセルを識別すると該第1のモニタが決定した場合に、該制御情報に従って該第1の群のセル内の該少なくとも1つのセルの充電を制御するために第1の制御信号を生成するステップと、
該第1の群のセル内の該少なくとも1つのセルに連結され、該第1の群のセル内の該少なくとも1つのセルの充電を制御するために生成された該第1の制御信号により制御される少なくとも1つの第1のスイッチを提供するステップと、
該第2の群のセル内の該少なくとも1つのセルに連結され、該第2の群のセル内の該少なくとも1つのセルの充電を制御するために生成された第2の制御信号により制御される少なくとも1つの第2のスイッチを提供するステップと
を包含する、方法。
【請求項8】
前記第1の制御信号は、前記第1の群のセル内の第1のセルの状態を制御する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の監視データは、前記第1のセルにおける電圧を示す、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の監視データは、前記第1のセルの領域内の温度をさらに示す、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記制御データは、前記エネルギー貯蔵システムの充電の間、前記第1のセルのパラメータを示す前記第1の監視データに応答して転送される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、「VOLTAGE STACKABLE DATA PORT」の名称を有し、かつ本明細書において参考として援用される、米国特許仮出願第60/907,423号(2007年4月2日出願)の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示の主題は、電源供給回路に関し、より具体的には、直列接続されたエネルギー貯蔵セルを監視するための回路網および方法論に関する。
【背景技術】
【0003】
電池やウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタエネルギー貯蔵システムのようなエネルギー貯蔵システムの管理は、エネルギー貯蔵システムと、エネルギー貯蔵システムによって電力供給される機器との長寿命、効率、および信頼性を保証するために不可欠である。適切な管理は、セル電圧に関するリアルタイムの知見を必要とし、すなわち、各エネルギー貯蔵セルにおける電圧は、恒久的に監視されるべきである。エネルギー貯蔵システムは、直列に接続された、すなわち「積層された」複数のエネルギー貯蔵セルを含み、その結果として、積層の最上層近傍の個々のセルは、システムの接地に対して高電位となり得る。
【0004】
図1は、エネルギー貯蔵システムの実施例を表す、バッテリ10を示す。バッテリ10は、直列に接続された複数のセルから成る。接地端子により近く配置されたセルは、低電位であるが、バッテリ積層の反対側に接続された別のセルは、高電位であり得る。例えば、図1に示される81個の4.2Vセルは、約340Vの総電圧を生じる。したがって、個々のセルの電圧を測定可能な電圧測定デバイスは、非常に高い電圧に耐えねばならない。積層されたバッテリの管理のための、そのような高電圧測定デバイスの使用は、非常に高価であり、かつエラーを生じやすい。
【0005】
エネルギー貯蔵システムの別の実施例は、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタシステムである。ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタは、電気エネルギー貯蔵の分野における最新の技術革新のうちの1つを表し、大量エネルギー貯蔵、配電を含む多くの用途において、その役割が見出されている。これらは、ハイブリッド自動車のための自動車用途において、また、バッテリ電気自動車のための補助的貯蔵手段として、特に着目されている。従来のキャパシタと比較して、これらの新しい構成要素は、より高い電力密度とともに、非常に高いエネルギー密度を可能にする。ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタは、その充電密度を増加させるために、二重層キャパシタ技術に基づいて生成され得る。しかしながら、二重層キャパシタは、比較的低い最大電圧を有する。これは、許容される電力変換効率を実現するために、より高い電圧での動作をサポートするセルの直列接続を余儀なくさせる。
【0006】
セル電圧が高いほど、二重層キャパシタの期待寿命は短くなる。したがって、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタシステム内のセル電圧は、個々のセルにおける電圧が最大値を超えることを防止するために、監視されるべきである。また、充電の間、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタは、充電電圧が定格電圧を超えることを防止するために、監視されなければならない。
【0007】
高コモンモードにおける電圧を測定する一般的方法は、コモンモード分圧器として配置される抵抗器ネットワークを有する、4抵抗器差動アンプを含む。この配置は、例えば、本出願の譲受人であるLinear Technology Corporationによって開発されたLT(登録商標)1990差動アンプにおいて使用される。しかしながら、抵抗器ネットワークにおいて抵抗器を整合することは、困難な課題である。不整合抵抗器は、コモンモード電圧の上昇に伴って、測定精度を低下させ得る。また、抵抗分圧器は、バッテリに対する負荷となる。
【0008】
電圧を測定する別の既知の方法は、容量性スイッチを含む。この方法は、例えば、本出願の譲受人であるLinear Technology Corporationによって開発されたLTC(登録商標)1043二重スイッチドキャパシタ構築ブロックにおいて、低電圧を測定するために使用される。このブロックでは、一対のスイッチが、交互に外部キャパシタを入力電圧に接続し、次いで、充電されたキャパシタを出力ポートをわたって接続する。しかしながら、高コモンモード電圧では、この方法は、高電圧MOSFETを必要とするが、それは、モノリシックチップの形では容易に利用可能でない。
【0009】
さらなる既知の方法は、直接デジタル化、およびデジタル情報のレベルシフティングを含む。この種の測定は、非特許文献1に記載されているが、本Design Noteは、電圧ではなく、電流の測定に関するものである。本Design Noteは、直流(DC)測定のための16−ビットデルタ−シグマアナログ/デジタル変換器(ADC)を使用する−48V電気通信供給電流モニタについて記載している。モニタは、データ転送のためのレベルシフティングデバイスとして、光遮断器を使用する。しかしながら、この方法は、少数の測定のために適している。多数のセルにおける電圧の測定は、多くの光遮断器(または、トランジスタ)を必要とし、煩わしいものとなる。
【0010】
したがって、直列に接続された複数のエネルギー貯蔵セルにおける電圧を監視するための、単純かつ効率的技術を生成することが望まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Mark Thoren、「16-bit ADC Simplifies Current Measurements」、Linear Technology Design Note DN341
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、直列に接続された複数のセルから成るエネルギー貯蔵システム内の個々のセルを監視するための回路網および方法論を提示する。システムは、少なくとも第1および第2のモニタを有する、一連のモニタを含む。第1のモニタは、エネルギー貯蔵システム内の少なくとも第1のセルを監視して、第1の監視データを生成する。第2のモニタは、エネルギー貯蔵システム内の少なくとも第2のセルを監視して、第2の監視データを生成する。第1のモニタは、第1の監視データを第2のモニタに転送するように構成される。
【0013】
特に、第1のモニタは、第1のセルを含む第1の群のセルを監視するように構成され得、第2のモニタは、第2のセルを含む第2の群のセルを監視し得る。
【0014】
第1の監視データは、第1の群のセル内の各セルの少なくとも1つのパラメータを表し得、第2の監視データは、第2の群のセル内の各セルの少なくとも1つのパラメータを表し得る。例えば、監視データは、各セルにおける電圧と、セルに影響を及ぼす温度とを表し得る。
【0015】
第1および第2のモニタは、第2のモニタに隣接し、かつエネルギー貯蔵システム内の少なくとも第3のセルを監視し、第3の監視データを生成するように構成される第3のモニタをさらに備える、一連のモニタ内の、隣接するモニタであり得る。第3のセルモニタは、第2のモニタを介して第1のモニタから第1の監視データを受信し、第2のモニタから第2の監視データを受信するように、さらに構成され得る。
【0016】
本開示の実施形態に従って、モニタは、隣接するモニタを介してコントローラに監視データを転送し得る。コントローラは、隣接するモニタを介してモニタに転送される制御データを生成し得る。
【0017】
制御データは、監視データに応答して生成され得る。例えば、制御データは、エネルギー貯蔵システムが充電されるときには、エネルギー貯蔵システム内の個々のセルが過充電されるのを防止し得る。特定のセルに関連する監視データに応答して、モニタは分路を生成し得、その分路は、充電電流にそのセルを強制的に迂回させる。モニタは、分路を生成するための、制御データによって制御されるスイッチを有し得る。
【0018】
本開示の方法に従って、第1の群のセルは、第1のモニタによって監視され、第1の監視データを生成し得、第2の群のセルは、第2のモニタによって監視され、第2の監視データを生成し得る。第1の監視データは、コントローラへの配信のために、第2のモニタに転送され得る。
【0019】
反対方向に、制御データは、第2のモニタを介してコントローラから第1のモニタに転送され得る。制御データは、第1の監視データに応答して転送され、第1の群のセル内のセルの状態を制御し得る。
【0020】
本願発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
直列に接続された複数のセルから成るエネルギー貯蔵システムを監視するためのシステムであって、
該システムは、第1および第2のモニタを含む一連のモニタを備え、
該第1のモニタは、少なくともバッテリ内の第1のセルを監視して、第1の監視データを生成するように構成され、
該第2のモニタは、少なくとも該バッテリ内の第2のセルを監視して、第2の監視データを生成するように構成され、
該第1のモニタは、該第1の監視データを該第2のモニタに転送するようにさらに構成される、
システム。
(項目2)
前記第1のモニタは、前記第1のセルを含む第1の群のセルを監視するように構成され、前記第2のモニタは、前記第2のセルを含む第2の群のセルを監視するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記第1の監視データは、前記第1の群のセル内の各セルのパラメータを表し、前記第2の監視データは、前記第2の群のセル内の各セルのパラメータを表す、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記第1の監視データは、前記第1のセルにおける電圧を表し、前記第2の監視データは、前記第2のセルにおける電圧を表す、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記第1の監視データは、前記第1のセルの周囲の温度をさらに表し、前記第2の監視データは、前記第2のセルの周囲の温度をさらに表す、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記第1および第2のモニタは、前記一連のモニタ内の隣接するモニタである、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記一連のモニタは、前記第2のモニタに隣接し、かつ前記エネルギー貯蔵システム内の少なくとも第3のセルを監視して、第3の監視データを生成するように構成された第3のモニタをさらに備え、該第3のモニタは、該第2のモニタを経由して前記第1のモニタから前記第1の監視データを受信し、かつ該第2のモニタから前記第2の監視データを受信するようにさらに構成される、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記第2のモニタは、前記第1および第2の監視データをコントローラに転送するようにさらに構成される、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記第2のモニタは、前記コントローラによって生成された第1の制御データを前記第1のモニタに転送し、かつ該コントローラによって生成された第2の制御データを受信するようにさらに構成される、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記第1の制御データは、前記第1の監視データに応答して生成され、前記第2の制御データは、前記第2の監視データに応答して生成される、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記第1のモニタは、前記エネルギー貯蔵システムが充電されつつあるときに、充電電流に前記第1のセルを迂回させる第1の分路を提供することによって前記第1の制御データに応答するように構成され、前記第2のモニタは、該エネルギー貯蔵システムが充電されつつあるときに、該充電電流に前記第2のセルを迂回させる第2の分路を提供することによって前記第2の制御データに応答するように構成される、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記第1のモニタは、前記第1の分路を生成するために前記第1の制御データによって制御される、第1のスイッチを有し、前記第2のモニタは、前記第2の分路を生成するために前記第2の制御データによって制御される、第2のスイッチを有する、項目11に記載のシステム。
(項目13)
直列に接続された複数のセルから成るエネルギー貯蔵システム内のセルを監視する方法であって、
第1の監視データを生成するために、第1のモニタによって第1の群のセルを監視するステップと、
第2の監視データを生成するために、第2のモニタによって第2の群のセルを監視するステップと、
コントローラへの配信のために、該第1の監視データを該第2のモニタに転送するステップと、
を包含する、方法。
(項目14)
前記第2のモニタを介して前記コントローラから前記第1のモニタに、第1の制御データを転送するステップをさらに包含する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記第1の制御データは、前記第1の群のセル内の第1のセルの状態を制御する、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記第1の制御データは、前記第1の監視データに応答して前記第1のモニタに転送される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記第1の監視データは、前記第1のセルにおける電圧を示す、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第1の監視データは、前記第1のセルの領域内の温度をさらに示す、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第1の制御データは、前記エネルギー貯蔵システムの充電の間、前記第1のセルのパラメータを示す前記第1のモニタデータに応答して転送される、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記第1の制御データは、前記エネルギー貯蔵システムの充電の間、前記第1のセルが過充電されることを防止する、項目17に記載の方法。
本開示の付加的利点および局面は、当業者には、以下の詳細な説明から容易に明白となるが、本開示の実施形態は、本開示を実践するために企図される最善の形態の、単なる例証として図示および説明されている。後述のように、本開示は、他の、および異なる実施形態も可能であって、そのいくつかの詳細は、本開示の精神から逸脱することなく、種々の明白な点における修正を受け入れる余地がある。故に、図面および説明は、本質的に例証としてみなされ、制限としてみなされるべきではない。
【0021】
以下の本開示の実施形態に関する詳細な説明は、以下の図面と併せて熟読されるときに、最も良く理解され得る。図面において、その特徴は、必ずしも正確な縮尺で描かれておらず、むしろ、関連特徴を最も良く示すように描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、直列に接続された複数のセルから成るバッテリを示す。
図2図2は、直列に接続された複数のセルから成るエネルギー貯蔵システムを監視するための、本開示の例示的監視システムを示す。
図3図3は、本開示のシステム内の監視ユニットの、例示的実装を示す。
図4図4は、コントローラと、デイジーチェーン状に接続された複数の監視ユニットを含む、例示的配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、監視回路の特定の実施例を使用してなされる。しかしながら、本開示の概念は、複数のセルを有する任意のエネルギー貯蔵システムを監視するための、任意の回路網に対して適用可能であることは明白である。
【0024】
図2は、エネルギー貯蔵システム102の端子の間に直列に接続されたn個のセルCl〜Cnから成る、エネルギー貯蔵システム102を監視するための本開示の例示的監視システム100を示す。図示された実施例においては、セルCl〜Cnは、家庭用電子機器およびハイブリッド電気自動車のような用途において一般的に使用される、リチウムイオン(Li-Ion)バッテリであり得る。しかしながら、当業者が理解するように、セルCl〜Cnは、任意のエネルギー貯蔵要素であり得る。例えばそれは、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタセルであり得る。セルClは、接地端子に接続され得、その一方で、セルCnは、エネルギー貯蔵システム102の高電圧端子に、例えば、+350V端子に接続され得る。
【0025】
監視システム100は、一連のm個のバッテリ監視ユニットBMl〜BMmを含み、監視ユニットのそれぞれは、所定の数のセルCを監視するように構成され得る。各ユニットBMによって監視されるセルCの数は、1から16まで、またはそれ以上であり得る。この数は、監視ユニットBMの電圧耐性能力によって決定され得る。例えば、各ユニットBMの耐性能は、約60Vであり得る。また、監視されるセルCの数は、特定のユニットBMが提供される半導体チップのピン数によって制限され得る。例えば、図2は、監視ユニットBMlが3個のセルCl〜C3を監視し、ユニットBM2が3個のセルC4〜C6を監視し、等々、最後に、監視ユニットBMmが2個のセルCn-1およびCnを監視する様子を示す。監視ユニットBMは、各セルCにおける電圧またはセルCに影響を及ぼす温度のようなパラメータを決定することによって、セルCの状態を監視し得る。
【0026】
各監視ユニットBMは、それぞれのユニットBMによって監視されるセルパックを使用して、電力供給され得る。代替案として、監視ユニットBMは、監視されるセルCから独立した電力供給源を有し得る。
【0027】
隣接する監視ユニットBMは、隣接する群のセルCを監視し得る。例えば、監視ユニットBMlは、セルCl〜C3を監視し得、BMlに隣接するユニットBM2は、セルC4〜C6を監視し得る。代替案として、隣接するユニットBMは、任意の所定の群のセルCを監視し得る。
【0028】
隣接するユニットBMの各対は、ユニット間のデータ転送路を提供する通信リンク104によって接続される。図2に示されるように、通信リンク104は、ユニットBMlとユニットBM2との間、ユニットBM2とユニットBM3との間、ユニットBM3と次の監視ユニットとの間、最後に、ユニットBMm-1とユニットBMmとの間に配置され得る。通信リンク104のそれぞれは、隣接するユニットBMの間の直列および/または並列データ転送を提供するように構成され得る。図2は、各通信リンク104が6つのラインから成るように示されているが、当業者は、通信リンク104が、選択された直列および/または並列データ転送プロトコルによるデータ転送をサポートするために必要とされる、任意の数のラインを含み得ることを理解する。例えば、以下に詳述されるように、通信リンク104は、監視ユニットBMlと、ユニットBMlにリンクされ、監視ユニットBMl〜BMmからの監視データを受信し、および/または制御データとともにそれを供給し得る外部コントローラとの間に確立される、直列周辺インターフェース(SPI)のようなインターフェースに対応するデータ転送プロトコルをサポートし得る。代替案として、外部コントローラは、任意の他の監視ユニットBMに連結され得る。
【0029】
各通信リンク104は、直列および/または並列方式で、隣接するユニットBM間における監視および制御データの双方向転送をサポートし得る。例えば、監視ユニットBMkによって生成される監視データは、監視ユニットのチェーン内で、ユニットBMkからユニットBMkに隣接する監視ユニットBMk-1に向けて「下方」に転送され得、ここで、ユニットBMkは、ユニットBMk-1によって監視されるセルCよりも接地端子から遠く、かつユニットBMk+1によって監視されるセルCよりも接地端子の近くに配置されるセルCを監視するために、BMlとBMmとの間に提供される任意の監視ユニットであり得る。ユニットBMk-1がコントローラに接続されない場合には、ユニットBMk-1は次の通信リンク104を介して、ユニットBMk-2に監視データを転送する、等々である。制御データは、ユニットBMk-1からユニットBMkへ、次いで、ユニットBMkからユニットBMk+1へと、反対方向に転送され得る。例えば、制御データは、並列形態で転送され得、その一方で、監視データは、直列形態でシフトされ得る。代替案として、監視および制御データは両方とも、並列または直列形態の、同じ形態で転送され得る。
【0030】
監視データは、セル電圧および温度のような、それぞれの監視ユニットBMによって監視されるセルあるいはセル群の1つ以上のパラメータを含み得る。制御データは、特定のセルまたはセル群を識別するアドレス情報、および/または特定のセルまたはセル群と関連して行なわれる動作を示す制御情報を含み得る。
【0031】
例えば、監視システム100は、エネルギー貯蔵システム102の充電を監視し得る。エネルギー貯蔵システム102の個々のセルCは、異なる時点で完全に充電された状態になり得るために、監視システム100は、特定のセルが所定の電圧に到達すると、特定のセルが損傷を受けるのを防止するために、特定のセルの充電を停止または減速するように制御され得る。特に、充電手順の間、監視ユニットBMは、各セルCにおける電圧およびセルCに影響を及ぼす温度を監視し得る。通信リンク104を介して、ユニットBMkによって決定された監視データは、隣接するユニットBMk-1へ、次いで、ユニットBMk-1から次のユニットBMk-2へと転送され得、最後に転送データは、コントローラに連結されたユニットBMlに到達する。監視データは、ユニットBMlからコントローラに伝送され、コントローラは、特定のセルCiが特定の温度において所定の電圧に到達したことを決定し得る。この情報に基づいて、コントローラは、セルCiを識別し、かつセルCiがさらに充電されることを防止するように監視システム100に指示する、制御データを生成し得る。制御データは、コントローラに接続されるユニットBMlに伝送される。ユニットBMlから、制御データは、通信リンク104を介して次のユニットBM2へ、次いで、ユニットBM2から次のBMユニットへと転送され、最後に制御データは、セルCiを監視するユニットBMkに到達する。制御データは、セルCiがさらに充電されることを防止するために、ユニットBMkに適切な措置を行なわせ得る。例えば、以下に詳述されるように、ユニットBMk内のそれぞれのスイッチは、充電電流を強制的にセルCiを迂回させるように、セルCiの周囲に充電電流分路を生成するように制御され得る。
【0032】
図3は、監視システム100内の監視ユニットBMkの例示的配置を示す。監視ユニットBMkは、一連の監視ユニットBM内のユニットBMk+1とBMk-1との間に配置され、12個のセルCi、Ci+1、...、Ci+11から成るエネルギー貯蔵システム102の、12個のセルパックを監視し得る。ユニットBMkの電圧耐性能に対応して、12個のセルパックCi〜Ci+11は、セルパックの端子V+とV−との間に60V未満の総電圧を提供するように選択され得る。監視ユニットBMkは、セルパックによって提供される電圧によって駆動されるチップ上に実装され得る。
【0033】
監視ユニットBMkは、セルCi〜Ci+11のそれぞれにわたって接続される複数の並列入力を有するマルチプレクサ202を含み、それぞれのセルCi〜Ci+11における電圧を決定し得る。マルチプレクサ202の出力は、単一シーケンスのセル電圧として、複数の入力セル電圧を提示し得る。
【0034】
スイッチSi〜Si+11は、それぞれセルCi〜Ci+11に接続され、それらの状態を制御し得る。特に、スイッチSi〜Si+11は、それぞれのセルを分路するように制御され得る。例えば、エネルギー貯蔵システム102の充電の間、スイッチSのうちの任意のスイッチは、ON状態に切り替えられ、それぞれのセルCの周囲に充電電流の迂回路を提供し得る。その結果として、それぞれのセルCは、過充電を防止され得る。例えば、電界効果トランジスタが、スイッチSi〜Si+11として使用され得る。電力抵抗器Ri〜Ri+11は、それぞれのスイッチSi〜Si+11に接続され、電流を制限し、ワット損を制御し得る。例えば、抵抗器Ri〜Ri+11は、約10〜100Ωの値を有し得る。
【0035】
マルチプレクサ202がまた、ダイ温度センサ204に接続され得、それは、その上にユニットBMkが形成されるチップの内部温度を示す入力信号を、マルチプレクサに提供する。さらに、ユニットBMkは、チップの外部温度を決定するために、チップに接続された抵抗分圧器Rl、R2を利用し得る。抵抗分圧器は、負の温度係数(NTC)を有する抵抗器のような温度センサ抵抗器Rlと、1.2Vのような基準電圧を提供する基準電圧源206に接続された抵抗器R2とを含み得る。抵抗分圧器Rl、R2は、マルチプレクサ202に外部温度を示す入力信号を提供する。
【0036】
内部および外部チップ温度情報は、セルCi〜Ci+11における電圧を表す電圧シーケンスとともに、マルチプレクサ202の出力に提示され得る。アナログ−デジタル(A/D)変換器208は、マルチプレクサ202のアナログ出力信号をデジタル形式に変換し得る。基準電圧源206は、アナログ/デジタル変換を行なうために必要とされる基準電圧を提供し得る。故に、A/D変換器208のデジタル出力信号は、セルCi〜Ci+11のそれぞれにおける電圧に関する情報と、セルCi〜Ci+11に影響を及ぼす内部および外部チップ温度に関する情報とを含む、監視ユニットBMkによって監視されるデータを表す。
【0037】
監視データは、結果レジスタおよび通信回路210に供給され、結果レジスタおよび通信回路210は、レベルシフティングを行ない、かつ通信リンク104を介してユニットBMk-1への監視データの転送を提供し得、ユニットBMk-1は、ユニットBMkによって監視されるセルCi〜Ci+11よりも接地端子の近くに接続されるセルCi-1〜Ci-12から成る次のセルパックを監視し得る。代替案として、回路210がコントローラに接続される「最下の」監視ユニットBM1内に配置される場合には、回路210は、監視データをコントローラに転送する。
【0038】
さらに、回路210は、別の通信リンク104によってユニットBMk+1に接続され得、ユニットBMk+1は、セルCi〜Ci+11よりも接地端子から離れて接続されるセルCi+12〜Ci+24から成るセルパックを監視し得る。この通信リンクを介して、ユニットBMkの回路210は、ユニットBMk+1〜BMmによって監視されるデータを受信し、かつ監視データをユニットBMk-1に転送する。例えば、回路210は、ユニットBMk+1から受信したデータをユニットBMk-1に転送するための、配線接続を含み得る。
【0039】
加えて、ユニットBMkの回路210は、通信リンク104を介して、ユニットBMk-1からデータを受信するように構成され得る。例えば、制御データは、ユニットBMk-1からユニットBMkに転送され得る。制御データが、ユニットBMkによって監視されるセルCi〜Ci+11のうちの任意のセルに関連する場合には、回路210は、制御データによって命令される動作を実行するための信号を生成し得る。例えば、ユニットBMk-1から受信された制御データは、セルCi〜Ci+11のうちの1つ以上のセルが充電されることを、防止するように要求し得る。この場合、回路210は、対応するセルの周囲に充電電流分路を生成するためにスイッチをON状態にするために、それぞれのスイッチSi〜Si+11のゲートに供給される制御信号を生成し得る。ユニットBMk-1からのデータがセルCi〜Ci+11に関連しない場合には、ユニットBMkの回路210は、受信データをユニットBMk+1に転送する。
【0040】
図4は、ユニットBM1からBMmまでの間の例示的接続を図式的に示し、ユニットBMのそれぞれは、図3に示されるユニットBMkの配置に類似する配置を有し得る。特に、ユニットBM1からBMmまでは、デイジーチェーン状に接続され得、そこでは、ユニットBM1はユニットBM2に連結され、ユニットBM2は、チェーン内の次のBMユニットに連結され、等々である。あるBMユニットのV+端子は、隣接するBMユニットのV−端子に接続され得る。ユニットBM1のV−端子は、エネルギー貯蔵システム102の接地端子に接続され得る。ユニットBMmのV+端子は、+350V端子のような、エネルギー貯蔵システム102の高電圧端子に接続され得る。V+端子とV−端子との間に接続されるセルパックは、それぞれのユニットBMに電力を提供し得る。
【0041】
マイクロプロセッサユニット(MPU)300は、ユニットBM1に接続され、ユニットBM1〜BMmによって監視されるデータを受信し、かつこれらの監視ユニットに制御データを供給し得る。MPU300は、エネルギー貯蔵システム102から独立した電源供給ラインから電力を供給され得る。代替案として、MPU300は、ユニットBM1と同じセルパックから電力を供給され得る。例えば、本開示の監視システム100は、電気自動車内に配置され、自動車の電気バッテリを監視し得る。この場合、MPU300は、自動車の中央コントローラと相互作用し得る。MPU300は、バッテリ内の各セルの状態を示す電圧および温度情報を処理し得る。
【0042】
この情報に基づいて、MPU300は、例えば、監視システム100を制御し、エネルギー貯蔵システム102が充電されつつあるときには、個々のセルが過充電されるのを防止し得る。特に、各セルは、特定の温度状態において所定のセル電圧に到達するまで、安全に充電され得る。この電圧を超えると、セルは損傷を被り得る。セルへの損傷を防止するために、MPU300は、監視ユニットBM1〜BMmによって監視される電圧および温度情報を処理し、エネルギー貯蔵システム102が充電されつつあるときの個々のセルCの状態を判定し得る。セルCiにおける電圧が特定の温度状態における所定のレベルに到達したことを、ユニットBMkによって監視されるデータが示すと、MPU300は、セルCiおよびセルCiを監視するユニットBMkを識別するアドレス情報とともに、制御データを生成する。デイジーチェーン内のユニットBMkの前にある監視ユニットBMを介して、制御データはユニットBMkに転送され、セルCiに対応するスイッチSiをON状態に切り替えるゲート制御信号を生じさせる。その結果として、充電電流分路がセルCiの周囲に生成され、セルCiの充電を防止する。
【0043】
BM1は、インターフェース302を介してMPU300に接続され得る。例えば、Motorolaによって開発されたシリアル周辺インターフェース(SPI)は、MPU300を監視ユニットBMに接続するために使用され得る。SPIは、全二重モードで同期シリアルデータ転送を提供する。SPIは、マスタ−スレーブモデルを使用し、この場合、マスタデバイスは複数のスレーブデバイスと相互作用する。例えば、MPU300は、SPIマスタデバイスとして作用し得、複数の監視ユニットBM1〜BMmは、SPIスレーブデバイスとして作用し得る。SPIは4つの信号ライン、すなわち、マスタデバイスからスレーブデバイスへの転送データのために使用されるマスタ出力スレーブ入力(MOSI)と、スレーブデバイスからマスタへの転送データのために使用されるマスタ入力スレーブ出力(MISO)と、マスタデバイスによって生成され、MOSIおよびMISOデータを同期させるシリアルクロック(CLK)と、マスタデバイスによって生成され、異なるスレーブデバイスに対応するチップ選択(CS)とを有する。MOSI、MISO、CLK、およびCS信号ラインは、MPU300とユニットBM1との間に提供され得る。隣接する監視ユニットBMの間の通信リンク104は、MPU300とそれぞれのユニットBMとの間の、双方向SPIデータ転送をサポートするために配置され得る。
【0044】
故に、本開示は、いずれの個々の監視ユニットBMも、エネルギー貯蔵システムの積層された電圧全体に対する耐性を有する必要のない、監視システムを提供する。その代わりに、各ユニットBMは、そのユニットによって監視されるセルパックの電圧のみに耐性を有するべきである。さらに、通信および制御ラインは、各監視ユニットチップを、遠隔地のチップとではなく、その局所近傍のものと通信するように構成することによって、最小化される。
【0045】
上述の説明は、本発明の局面を図示および説明する。加えて、本開示は、好適な実施形態のみを図示および説明するが、上述のように、本発明は、種々の他の組み合わせ、修正、および環境において使用可能であり、本明細書に明示された、上述の教示および/または関連分野の技術もしくは知識に相当する、本発明の概念の範囲内において変更あるいは修正可能であることが、理解されるべきである。
【0046】
上述の実施形態はさらに、本発明を実践する既知の最善の形態を説明し、そのような、または他の実施形態において、かつ本発明の特定の用途あるいは使用によって必要とされる種々の修正とともに、当業者に本発明を利用可能とすることを意図される。
【0047】
従って、本説明は、本発明を本明細書に開示された形態に限定することを意図されない。また、添付の請求項は、代替の実施形態を含むものとして解釈されることが、意図される。
図1
図2
図3
図4