特許第5914580号(P5914580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許5914580縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン
<>
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000002
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000003
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000004
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000005
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000006
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000007
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000008
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000009
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000010
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000011
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000012
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000013
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000014
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000015
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000016
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000017
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000018
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000019
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000020
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000021
  • 特許5914580-縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン 図000022
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914580
(24)【登録日】2016年4月8日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジン
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/16 20060101AFI20160422BHJP
   B63H 21/30 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   F16F15/16 Z
   F16F15/16 J
   F16F15/16 M
   B63H21/30 Z
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-127809(P2014-127809)
(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公開番号】特開2015-7476(P2015-7476A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2014年6月23日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0072478
(32)【優先日】2013年6月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0039616
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0039568
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0039617
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0039567
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594006932
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】リ チャンフイ
(72)【発明者】
【氏名】チュ ウォンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム フイウォン
【審査官】 岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−232037(JP,A)
【文献】 特開昭61−059041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/16
B63H 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状のカム部を備える船舶用エンジンのクランクシャフトが貫通するように備えられ、前記カム部の両側部と当接して内側にオイルが収容される一対のオイルチャンバー及び前記一対のオイルチャンバーの上端にそれぞれ形成される少なくとも一つの連通孔を含む胴体部と、
前記胴体部の上部に結合され、前記連通孔と対応するキャップ連通孔を備える下部フレームと、
前記下部フレームの上端に結合され、前記下部フレームとともにオイル連通流路を形成し、対向する両側部の下端には、所定の角度を有する一対の第1傾斜面が備えられる上部カバーと、
前記一対の第1傾斜面に対応する第2傾斜面が形成された一対の高さ調整ロッドを備えて、スライド移動により前記上部カバーの結合高さを調節する高さ調節部材と、を含むことを特徴とする縦振動減衰ダンパー。
【請求項2】
前記キャップ連通孔は前記連通孔と所定の角度をなして連結される請求項1に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項3】
前記下部フレームは、内側に貫通形成された装着部が形成されたソケット部と、前記キャップ連通孔を備え、前記装着部に装着されたコア部と、を含む請求項1又は請求項2に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項4】
前記装着部の断面積は上部に向かうほど広くなる、請求項3に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項5】
前記キャップ連通孔の断面積は前記連通孔の断面積より小さい請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項6】
前記キャップ連通孔の断面積は前記連通孔の断面積の2分の1である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項7】
リング状のカム部を備える船舶用エンジンのクランクシャフトが貫通するように備えられ、前記カム部の両側部と当接して内側にオイルが収容される一対のオイルチャンバー及び前記一対のオイルチャンバーの上端にそれぞれ形成される少なくとも一つの連通孔を含む胴体部と、
前記胴体部の上部に結合され、前記連通孔と対応するキャップ連通孔を備える下部フレームと、
前記下部フレームの上端に昇降可能に結合され、前記下部フレームとともにオイル連通流路を形成する上部カバーと、を含み、
前記下部フレームの上端には陥入して形成された段差部が備えられる縦振動減衰ダンパー。
【請求項8】
前記段差部は前記キャップ連通孔の上端の少なくとも一部を含んで形成された、請求項7に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項9】
前記段差部は前記キャップ連通孔の上端の全体を含んで形成された請求項7又は請求項8に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項10】
前記段差部は対向する一対の前記キャップ連通孔を連結するように複数に分割されて形成された請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項11】
前記上部カバーの対向する両側部の下端には、下方に突出形成された少なくとも一対の高さ調節用突起が備えられ、
前記縦振動減衰ダンパーは、前記一対の高さ調節用突起に当接してスライド移動により前記上部カバーの結合高さを調節することができるように少なくとも一つの段差が形成された階段部が形成された高さ調節ロッドを備える高さ調節部材をさらに含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項12】
前記高さ調節用突起は前記上部カバーの側面の外側に突出形成された、請求項11に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項13】
前記高さ調節用突起は複数対形成され、
前記高さ調節ロードには複数対の前記高さ調節用突起に対応するように複数の階段部が形成された、請求項11又は請求項12に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項14】
前記下部フレームの外側面と前記上部カバーの内側面との間に位置し、オイルの流出を防止するオイルシールをさらに含む、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の縦振動減衰ダンパー。
【請求項15】
熱機関の燃焼によって回転運動し、リング状のカム部を備えるクランクシャフトと、
請求項1から請求項14のいずれか一項の縦振動減衰ダンパーと、を含む船舶用エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンに関し、より詳細には、減衰性能が向上した縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、原油価格の上昇によって、燃費向上のために低速高出力の主機関(大型ディーゼルエンジン)が適用され、同様の理由から、プロペラの直径も増加しており、船舶推進軸系で発生する推力変動力が増加している。これにより、振動水準も増加し、特に、縦振動は船体にそのまま伝達されるため、これを低減させる必要がある。
【0003】
該縦振動を減衰させるために、図1及び図2に示されたように、ダンパー1がエンジンと結合されるクランクシャフト2の先端に結合される。上記クランクシャフト2の端部の中間には、ドーナツ状のカム3が挿入されて上記クランクシャフト2と同時に動く。
【0004】
一方、上記カム3の両側にはオイルチャンバー4が形成され、各オイルチャンバー4は上記ダンパー1の上部と連通されるように形成されて、オイルがそれぞれのオイルチャンバー4に流動できるように形成される。
【0005】
上記オイルが流れる経路には、オイルが流れる流量を調節することができる複数の薄板5が積層されて結合され、上記薄板5にも上記オイルチャンバー4の位置と対応する貫通孔が両側部に対称に形成される。ここで、上記薄板5のうち最上層に積層された薄板5には、上記各オイルチャンバー4が連通して内側のオイルが上記カム3の圧力によって流動できるように一つの貫通孔が中心部に形成される。
【0006】
従って、エンジン及びプロペラの駆動によって上記シャフト2が前後に移動し、このとき、カム3もクランクシャフト2とともに移動する。ここで、カム3が移動しながらオイルを加圧し、加圧されたオイルは反対側のオイルチャンバー4に流入される。このように、オイルチャンバー4内にオイルが留まる時間を異ならせて推力変動力を減衰させる。それにより居住区への縦振動の伝達を防止することができる。
【0007】
一方、このような縦振動減衰ダンパーにおいて、減衰性能をどのように向上させるのかがカギである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、オイル移動経路の断面積と間隙(gap)の大きさの調節が容易な縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンを提供する。
【0009】
また、本発明は、縦振動減衰ダンパーの外郭寸法を変えずに、オイル移動経路を最大限に確保して、減衰性能が向上した縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンを提供する。
【0010】
また、本発明は、故障等が発生しても最小限のオイル移動経路を確保することができる縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンを提供する。
【0011】
また、本発明は、ねじり減衰性能を向上させることで減衰性能が向上した縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態による縦振動減衰ダンパーは、リング状のカム部を備える船舶用エンジンのクランクシャフトが貫通するように備えられ、上記カム部の両側部と当接して内側にオイルが収容される一対のオイルチャンバー及び上記一対のオイルチャンバーの上端にそれぞれ形成される少なくとも一つの連通孔を含む胴体部と、上記胴体部の上部に結合され、上記連通孔と対応するキャップ連通孔を備える下部フレームと、上記下部フレームの上端に結合され、上記下部フレームとともにオイル連通流路を形成する上部カバーと、を含んでもよい。
【0013】
上記キャップ連通孔は、上記連通孔と所定の角度をなして連結されてもよい。
【0014】
上記下部フレームは、内側に貫通形成された装着部が形成されたソケット部と、上記キャップ連通孔を備え、上記装着部に装着されたコア部と、を含んでもよい。
【0015】
上記装着部の断面積は、上部に向かうほど広くなってもよい。
【0016】
上記キャップ連通孔の断面積は、上記連通孔の断面積より小さくてもよい。
【0017】
上記キャップ連通孔の断面積は、上記連通孔の断面積の2分の1であってもよい。
【0018】
上記縦振動減衰ダンパーは、上記下部フレームの外側面と上記上部カバーの内側面との間に位置し、オイルの流出を防止するオイルシールをさらに含んでもよい。
【0019】
上記下部フレームの上端には、陥入して形成された段差部が備えられてもよい。
【0020】
上記段差部は、上記キャップ連通孔の上端の少なくとも一部を含んで形成されてもよい。
【0021】
上記段差部は、上記キャップ連通孔の上端の全体を含んで形成されてもよい。
【0022】
上記段差部は、対向する一対の上記キャップ連通孔を連結するように複数に分割されて形成されてもよい。
【0023】
上記縦振動減衰ダンパーは、上記下部フレームの外側面と上記上部カバーの内側面との間に位置し、オイルの流出を防止するオイルシールをさらに含んでもよい。
【0024】
上記上部カバーの対向する両側部の下端には所定の角度を有する一対の第1傾斜面が備えられ、上記縦振動減衰ダンパーは上記一対の第1傾斜面に対応する第2傾斜面が形成された一対の高さ調整ロッドを備えて、スライド移動により上記上部カバーの結合高さを調節する高さ調節部材をさらに含んでもよい。
【0025】
上記上部カバーの対向する両側部の下端には下方に突出形成された少なくとも一対の高さ調節用突起が備えられ、上記縦振動減衰ダンパーは上記一対の高さ調節用突起に当接してスライド移動により上記上部カバーの結合高さを調節することができるように少なくとも一つの段差が形成された階段部が形成された高さ調節ロッドを備える高さ調節部材をさらに含んでもよい。
【0026】
上記高さ調節用突起は、上記上部カバーの側面の外側に突出形成されてもよい。
【0027】
上記高さ調節用突起は複数対形成され、上記高さ調節ロードには複数対の上記高さ調節用突起に対応するように複数の階段部が形成されてもよい。
【0028】
上記縦振動減衰ダンパーは、上記下部フレームの外側面と上記上部カバーの内側面との間に位置し、オイルの流出を防止するオイルシールをさらに含んでもよい。
【0029】
本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパーは、両側に周方向に形成された複数の櫛部を備えるリング状のカム部を含むクランクシャフトと、上記クランクシャフトが貫通するように備えられ、上記カム部の両側部と当接して内側にオイルが収容される一対のオイルチャンバー及び上記一対のオイルチャンバーの上端にそれぞれ形成される少なくとも一つの連通孔を含む胴体部と、上記胴体部の上部に結合され、上記連通孔と連結されるキャップ連通孔を備える下部フレームと、上記下部フレームの上端に結合され、上記下部フレームとともにオイル連通流路を形成する上部カバーと、を含んでもよい。
【0030】
上記櫛部は、外側に突出した突起であってもよい。
【0031】
上記櫛部は、内側に陥入して形成された溝であってもよい。
【0032】
上記櫛部は、放射状に形成されてもよい。
【0033】
上記櫛部は、螺旋状、スパイラル状、ヘリンボーン状の何れか一つであってもよい。
【0034】
本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーは、リング状のカム部を備える船舶用エンジンのクランクシャフトが貫通するように備えられ、上記カム部の両側部と当接して内側にオイルが収容される一対のオイルチャンバー及び上記一対のオイルチャンバーの上端にそれぞれ形成される少なくとも一つの連通孔を含む胴体部と、上記胴体部の上部に結合され、上記連通孔に対応したキャップ連通孔を備えた下部フレームと、上記下部フレームの上端に結合され、上記下部フレームとともにオイル連通流路を形成する上部カバーと、を含み、上記上部カバーは上記下部フレームに応じてクランクシャフトの半径方向の外側または内側に移動できるように備えられてもよい。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態による船舶用エンジンは、熱機関の燃焼によって回転運動し、リング状のカム部を備えるクランクシャフトと、本発明の実施形態による縦振動減衰ダンパーと、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明による縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンは、上部カバー制御部により上部カバーの高さ調節が可能であるため、オイル移動経路の断面積と間隙(gap)の大きさを容易に調節することができる。
【0037】
また、本発明による縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンは、高さ調節部材のスライド移動によって上部カバーの高さ調節が可能であるため、オイル移動経路の断面積と間隙(gap)の大きさを容易に調節することができる。
【0038】
本発明による縦振動減衰ダンパー及びそれを含む船舶用エンジンは、ねじり減衰性能を向上させることで、縦振動減衰ダンパーの減衰性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】従来の縦振動減衰ダンパーの正面図である。
図2】従来の縦振動減衰ダンパーの一部断面図である。
図3】本発明の実施形態による縦振動減衰ダンパーを含む船舶用エンジンの一部斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による図3のA−A’による一部断面図である。
図5】本発明の一実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態による図3のA−A’による一部断面図である。
図7】本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの一部斜視図である。
図11】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図12】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの側面図である。
図13】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの一部斜視図である。
図14】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図15】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの側面図である。
図16】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの一部斜視図である。
図17】本発明のさらに他の実施形態によるによる縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図18】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの側面図である。
図19】本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
図20】本発明のさらに他の実施形態によるクランクシャフトの斜視図である。
図21】(a)〜(d)は、本発明のさらに他の実施形態によるクランクシャフトの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施形態に限定されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除などを通じて退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提供することができ、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0041】
また、実施形態の図面に示される同じ思想の範囲内で機能が同一の構成要素は、同じ参照符号を用いて説明する。
【0042】
図3は本発明の一実施形態による縦振動減衰ダンパー100を含む船舶用エンジン10の一部斜視図であり、図4図3のA−A’による一部断面図であり、図5は本発明の一実施形態による縦振動減衰ダンパー100の分解斜視図である。
【0043】
図3及び図4を参照すると、本発明の一実施形態による船舶用エンジン10は、クランクシャフト11及び縦振動減衰ダンパー100を含んでもよい。
【0044】
上記クランクシャフト11は、外周面上にリング状のカム部11aを備えてもよい。
【0045】
また、上記縦振動減衰ダンパー100は、上記クランクシャフト11が貫通するように設けられてもよい。ここで、上記縦振動減衰ダンパー100の内側には上記カム部11aが収容されることができる。
【0046】
図4及び図5を参照すると、本発明の一実施形態による縦振動減衰ダンパー100は、上記クランクシャフト11が貫通するように備えられる胴体部110と、上記胴体部110の上部に結合される下部フレーム120と、上記下部フレーム120の上端に結合される上部カバー130と、上記下部フレーム120の外側面と上記上部カバー130の内側面との間に位置するオイルシール140と、を含んでもよい。
【0047】
上記胴体部110は、上記カム部11aの両側部と当接して内側にオイルが収容される一対のオイルチャンバー111と、上記一対のオイルチャンバー111の上端にそれぞれ形成された少なくとも一つの連通孔112と、を含んでもよい。
【0048】
上記連通孔112は、後述するキャップ連通孔122aと連結されて、上記一対のオイルチャンバー111に充填されたオイルが移動できるようにする通路の役割をする。
【0049】
上記下部フレーム120は、内側に貫通形成された装着部121aが形成されたソケット部121と、上記装着部121aに装着されて上記ソケット部121の内側に結合されるコア部122と、を含んでもよい。このとき、上記装着部121aの断面積は、上部に向かうほど、広くなるように形成されてもよく、これにより、上記コア部122を上記装着部121aに脱着させることが容易となる。
【0050】
上記コア部122には、上記連通孔112に対応して上記連通孔112とともにオイル移動経路を形成するキャップ連通孔122aが備えられてもよい。このとき、上記キャップ連通孔122aは、上記連通孔112と所定の角度をなして連結されてもよい。即ち、対向する上記キャップ連通孔122aは、上部に向かうほど、外側に離れるように形成されることができる。これにより、後述するオイル連通流路131がより長く形成され、十分な長さのオイル移動経路を確保することができ、縦振動減衰ダンパー100の減衰性能を向上させることができる。
【0051】
一方、上記キャップ連通孔122aの直径は上記連通孔112の直径より小さくてもよく、上記連通孔112の直径の2分の1であってもよい。これにより、縦振動減衰ダンパー100の減衰性能を向上させることができ、上記キャップ連通孔122aの直径が上記連通孔112の直径の2分の1である場合は、減衰性能を4倍増加させることができる。
【0052】
また、上記コア部122は着脱できるため、様々な形態の上記キャップ連通孔122aが形成された複数種の上記コア部122を上記ソケット部121に結合させて、減衰性能を調節することができる。
【0053】
上記上部カバー130は上記下部フレーム120の上部に結合されて、上記下部フレーム120の上面との間で上記キャップ連通孔122aを相互連結するようにオイル連通流路131を形成することができる。
【0054】
即ち、上記連通孔112、上記キャップ連通孔122a及び上記オイル連通流路131が、上記一対のオイルチャンバー111に充填されたオイルが移動する移動経路となる。
【0055】
一方、図示しなかったが、上記上部カバー130は、上記下部フレーム120に対して相対的に動くように備えられてもよい。このとき、上記上部カバー130は、別途の上部カバー制御部(不図示)に連結されて上下に動くことができる。
【0056】
即ち、上部カバー制御部は、電磁弁を含んで上記上部カバー130と電気的に接続されたり、シリンダーを含んで上記上部カバー130と油圧式に連結されてもよい。
【0057】
このとき、上記上部カバー130はクランクシャフト11の半径方向の外側または内側に動くことで、オイル移動経路の断面積と間隙(gap)の大きさを調節することができる。
【0058】
上記オイルシール140は、上記下部フレーム120の外側面と上記上部カバー130の内側面との間に備えられてもよく、上記下部フレーム120の外側面を囲むように環状に備えられてもよい。また、上記オイルシール140は、複数個備えられることができる。これにより、上記下部フレーム120と上記上部カバー130の間にオイルが漏れることを防止することができる。
【0059】
図6は本発明の他の実施形態による図3のA−A’による一部断面図であり、図7は本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図あり、図8は本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図であり、図9は本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパーの分解斜視図である。
【0060】
図6図9を参照すると、本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100は、上記クランクシャフト11が貫通するように備えられる胴体部110と、上記胴体部110の上部に結合される下部フレーム120と、上記下部フレーム120の上端に結合される上部カバー130と、上記下部フレーム120の外側面と上記上部カバー130の内側面との間に位置するオイルシール140と、を含んでもよく、図3図5に示された本発明の実施形態による縦振動ダンパーとは、上記下部フレーム120を除き、他の構成は全て同様であってもよい。
【0061】
よって、同じ構成に対する詳しい説明は省略し、上記説明に代える。
【0062】
本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100における上記下部フレーム120は、上記連通孔112に対応して上記連通孔112とともにオイル移動経路を形成するキャップ連通孔121を備えてもよい。また、上記下部フレーム120は、上端に陥入して形成された段差部122、122’、122’’を備えることができる。
【0063】
上記段差部122は、図7に示されたように、キャップ連通孔121の上端の全体を含んで形成されてもよい。また、上記段差部122’は、図8に示されたように、上記キャップ連通孔121の上端の一部を含んで形成されてもよい。さらに、上記段差部122’’は、図9に示されたように、対向する一対の上記キャップ連通孔121を連結するように複数に分割されて形成されてもよい。
【0064】
このような上記段差部122、122’、122’’は、後述する上部カバー130の下面が上記下部フレーム120の上面に接触しても、上記キャップ連通孔121間のオイル移動経路が閉鎖されるのを防止することができる。
【0065】
図10図18には、本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパーが示されている。
【0066】
図10図18を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100は、クランクシャフト11が貫通するように備えられる胴体部110と、上記胴体部110の上部に結合される下部フレーム120と、上記下部フレーム120の上端に結合される上部カバー130と、上記下部フレーム120の外側面と上記上部カバー130、230、330の内側面との間に位置するオイルシール140と、高さ調節部材150、250、350と、を含んでもよい。
【0067】
即ち、図6図9に示された本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパーとは、上記上部カバー130、230、330及び高さ調節部材150、250、350を除き、他の構成はすべて同様であってもよい。
【0068】
よって、同じ構成に対する詳しい説明は省略し、上記説明に代える。
【0069】
図10図12を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100における上記上部カバー130は、対向する両側部の下端に所定の角度を有する一対の第1傾斜面132を備えてもよい。
【0070】
上記一対の第1傾斜面132は、後述する高さ調節部材150に形成された第2傾斜面152と当接して、高さ調節部材150のスライド移動によって上下に移動することができる。これにより、上記オイル連通流路131の断面積と間隙(gap)を調節することができ、上記上部カバー130の結合高さが低くなって上記オイル連通流路131の断面積と間隙(gap)が減少すると、減衰が増加し、逆に、上記上部カバー130の結合高さが高くなって上記オイル連通流路131の断面積と間隙(gap)が増加すると、減衰が減少する。
【0071】
このとき、上記高さ調節部材150は、上記一対の第1傾斜面132に対応する第2傾斜面152が形成された一対の高さ調整ロッド151を備えることができる。これにより、図12に示されたように、上記高さ調節部材150をスライド移動することにより、上記上部カバー130が上下に移動し、上記上部カバー130の結合高さの調節が可能となる。これによって上記オイル連通流路131の断面積と間隙(gap)を調整することができる。
【0072】
一方、図13図15を参照すると、上記上部カバー230は、対向する両側部の下端に下方に突出形成された少なくとも一対の高さ調節用突起233を備えてもよい。また、上記一対の高さ調節用突起233は、上記上部カバー230の側面の外側に突出形成されてもよい。
【0073】
上記一対の高さ調節用突起233は、後述する高さ調節部材250に形成された階段部252の上面と当接して、高さ調節部材250のスライド移動により、上記上部カバー230の高さを調節することができる。これにより、上記オイル連通流路131の断面積と間隙(gap)が調節されることができる。
【0074】
このとき、上記高さ調節部材250は、上記一対の高さ調節用突起233に当接して上記上部カバー230の結合高さを調節することができるように少なくとも一つの段差が形成された階段部252が形成された一対の高さ調節ロッド251を備えることができる。これにより、図15に示されたように、上記高さ調節部材250をスライド移動させて、上記一対の高さ調節用突起233と当接する階段部252の高さを異ならせることで、上記上部カバー230の結合高さを調節することができ、これにより、上記オイル連通流路131の断面積と間隙(gap)を調整することができる。
【0075】
一方、上記階段部252が3段に形成されたものが図示されているが、これに限定されず、必要に応じて、上記階段部252の段数を決めてもよい。
【0076】
図16図18を参照すると、上記上部カバー330の高さ調節用突起333は複数対形成されてもよく、上記高さ調節部材350の高さ調節ロッド351にはそれぞれ複数の階段部352が形成されてもよい。
【0077】
従って、上記上部カバー330は、少なくとも4ヶ所により支持されるため、より安定的に支持されるという利点がある。
【0078】
図19図21には、本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100が示されている。
【0079】
図19図21を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100は、クランクシャフト11と、上記クランクシャフト11が貫通するように備えられる胴体部110と、上記胴体部110の上部に結合される下部フレーム120と、上記下部フレーム120の上端に結合される上部カバー130と、上記下部フレーム120の外側面と上記上部カバー130の内側面との間に位置するオイルシール140と、を含んでもよい。
【0080】
即ち、図6図9に示された本発明の他の実施形態による縦振動減衰ダンパーとは、クランクシャフト11を除き、他の構成はすべて同様であってもよい。
【0081】
よって、同じ構成に対する詳しい説明は省略し、上記説明に代える。
【0082】
本発明のさらに他の実施形態による縦振動減衰ダンパー100における上記クランクシャフト11は、外周面上にリング状のカム部11aを備えてもよい。このとき、上記カム部11aの両側には周方向に複数の櫛部111aが形成されてもよい。ここで、上記櫛部111aは、図19に示されたように、外側に突出形成された突起であってもよい。また、上記櫛部111a’は、図20に示されたように、内側に陥入して形成された溝であってもよい。
【0083】
一方、図21の(a)〜(d)を参照すると、櫛部111a、111a’、111b、111b’、111c、111c’、111d、111d’は放射状に形成されてもよく、螺旋状、スパイラル状またはヘリングボーン状であってもよい。
【0084】
上記カム部11aは、胴体部110に収容されて両側にオイルチャンバー111を形成し、上記カム部11aが上記胴体部110内で回転する際、上記櫛部111a、111a’、111b、111b’、111c、111c’、111d、111d’と上記オイルチャンバー111に充填されたオイルとの相互作用によって、ねじり減衰性能が向上する。
【0085】
以上、本発明は特定の実施形態に関して図示し説明したが、添付の特許請求の範囲による本発明の精神や分野から外れない範囲内で、本発明が多様に改造及び変更できることは、当業界の通常の知識を有する者には容易である。
【符号の説明】
【0086】
10 船舶用エンジン
11 クランクシャフト
11a カム部
100 縦振動減衰ダンパー
110 胴体部
120 下部フレーム
130 上部カバー
140 オイルシール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21